JPH07209291A - 遺伝子解析方法 - Google Patents

遺伝子解析方法

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JPH07209291A
JPH07209291A JP6000709A JP70994A JPH07209291A JP H07209291 A JPH07209291 A JP H07209291A JP 6000709 A JP6000709 A JP 6000709A JP 70994 A JP70994 A JP 70994A JP H07209291 A JPH07209291 A JP H07209291A
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JP
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gel
electrophoresis
temperature
gene
concentration
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JP6000709A
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Masaharu Kiyama
政晴 木山
Takeshi Fujita
毅 藤田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一塩基以上の配列の相違を認識可能な遺伝子
解析方法の提案。 【構成】 核酸試料中の所定の塩基配列領域を選択的に
増幅せしめる過程において該塩基配列領域の片側一本鎖
DNAをこれと相補的な一本鎖DNAより過剰に産生せ
しめた後、これを非変性ゲル電気泳動に供し、該片側一
本鎖DNAがゲル電気泳動中にその塩基配列特異的な高
次構造により移動度が変化することを利用して、該塩基
配列領域の配列を解析する方法において、該電気泳動ゲ
ルの組成が架橋度0.1%〜2%のアクリルアミドゲル
であって、ゲル濃度11%以上の場合にはゲルの温度を
15℃〜30℃で泳動を行ない、またゲル濃度が11%
以下の場合にはゲルの温度を4℃〜20℃で泳動を行な
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は臨床検査や遺伝子診断法
における迅速な生体試料解析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PCR増幅法の発明により、調べたい任
意の遺伝子配列を選択的に増幅することが可能となり、
突然変異遺伝子領域、或は個人間で配列多型を示す遺伝
子領域をPCR増幅により増幅した後に、いかに迅速に
解析するかという点で盛んに技術開発が行なわれてい
る。この種の遺伝子にはヒト白血球抗源遺伝子(HL
A)やベータグロビン遺伝子など個人間で特定の領域に
配列多型を有するもの、或はMCT118など特定の配
列の繰返し数が個人で異なっているVNTR(Vari
able Numbers of Tamdem Re
pert)がある。これらの遺伝子領域を塩基配列レベ
ルで解析することによって個人識別が可能であることか
ら、法医学の分野での応用が頻繁に行なわれている。ま
た基礎医学分野では遺伝子変異と病態との関係が解明さ
れつつあるが、この遺伝子変異には突然変異による欠
失、置換、挿入があり、良く知られているものには癌抑
制遺伝子であるp53遺伝子の一塩基置換と癌の発生と
が解明されている。以上述べた遺伝子領域は一般的に良
く調べられている代表的な領域を挙げたがその他様々な
遺伝子領域があるが割愛する。
【0003】次いで従来のこれら代表的な遺伝子領域の
検出方法を述べる。遺伝子解析を行う上で重要な技術に
電気泳動法がある。これは核酸及び蛋白質が電荷を持つ
ことを利用し、これらを電界中のゲル中で、分子量や分
子構造により移動度に差があることを利用し分離する技
術であり、核酸試料を調べる解析手段として一般的に用
いられている技術である。VNTRの場合、繰返し数に
より塩基長がそれぞれ異なるため、移動距離の差からそ
の繰返し数を知ることが出来る。しかし、配列多型を持
つ遺伝子領域では、同じ塩基長であるため通常の電気泳
動法では同じ移動度を示し、配列多型を検出することは
出来ない。配列多型を検出するにはサンガー法などによ
り塩基配列決定操作を行なうことが最も確実であるが、
この操作は経験的な熟練と時間がかかるため、簡便且つ
迅速な解析方法の発明が望まれており、これらを解決す
るために以下の方法が開発されている。
【0004】(1)PCR−SSO(Sequence
Specific Oligonucleotide
s)法(Immunogenetics,Vol.3
2,pp231,1990:イムノジェネティクス、第
32巻,231頁,1990年) PCR法により増幅したDNA試料を、配列特異的な塩
基配列を持つ人工合成オリゴヌクレオチドをプローブと
するハイブリダイゼイションにより陽性シグナルが得ら
れるか否かにより解析する。
【0005】(2)PCR−RFLP(Restric
tion Fragment Length Poly
morphism)法(Human Immnolog
y,Vol.27,pp111,1990:ヒューマン
イムノロジ,第27巻,111頁,1990年) PCR法により増幅したDNA試料を、多型部位を認識
する制限酵素により反応後、電気泳動により、切断の有
無を解析する。
【0006】(3)PCR−SSCP(Single
Strand Conformation Polym
orphism)法(Genomics Vol.5,
pp874−879,1989:ゲノミクス 5巻,8
74−879頁,1989年) PCR法により増幅したDNA試料(通常は二本鎖)を
変性後、非変性ゲルによる電気泳動を行ない、一本鎖D
NAの配列特異的な構造を移動度の差として検出解析す
る。
【0007】上記各方法はPCR増幅した特定の既知遺
伝子領域の型決定(タイピング)或は変異の検出を、塩
基配列決定すること無しに解析できる方法であり、有効
性を示すために遺伝子多型の代表的な遺伝子であるHL
A遺伝子のタイピングに応用されている。HLA遺伝子
のクラスII(ツー)抗源遺伝子にはDQA1,DQB
1,DRB1,DRB3,DRB4,DRB5,DPB
1,DPA1があり、それぞれ対立遺伝子(allel
e)を持ち遺伝的多型性に富むことに加えて医学的に興
味深い領域であるので、臨床応用可能な解析方法が強く
望まれている。PCR−SSO法を用いた報告には(P
CR Technology (Stockton P
ress刊):pp209−223、1989)があ
り、PCR−RFLP法を用いた方法には(Elect
rophoresis Vol.12,pp270−2
73,1991:エレクトロフォレシス 第12巻,2
70−273頁,1991年)、PCR−SSCP法を
用いた報告には林等の報告(Electrophore
sis Vol.13,pp877−879,199
2:エレクトロフォレシス 第13巻,877−879
頁,1992年)がある。このうちPCR−SSO法は
キット化され研究用としてよく用いられているが、一塩
基の違いまで確実に認識することが出来ないことや、他
の領域への応用を考えた場合、対立遺伝子の数が多くな
るとその数のプローブを準備する必要があり、用途は非
常に限られている。またPCR−RFLPに関しても1
塩基の違いを検出することが可能であるが、多数の制限
酵素を準備すること及び、配列多型にマッチする制限酵
素が必ずしも得られるとは限らないため、いずれの方法
も応用範囲は狭く臨床には耐え難い。一方でPCR−S
SCP法は、一塩基の違いをも認識出来、特別な反応操
作を必要としないためその応用範囲は広く、臨床応用に
は最も近い方法であると思われるので以下詳述する。
【0008】前述のGenomics誌をはじめとする
一般的なPCR−SSCP法は、まず解析したい試料を
PCR増幅法により産生させる。この時両端の増幅開始
点となるプライマは等量用いられる。また増幅産物を標
識する必要があるので、プライマ標識或はdCTPをR
Iで標識する。これらの操作により特異的領域がRI標
識された二本鎖DNAの状態で、目標遺伝子領域が10
の6乗から8乗倍に増幅される。これを1:1で95%
ホルムアミドに混合し熱変性すれば、解離した一本鎖D
NAが準備される。これの約1%量を電気泳動を用いた
解析に用いる。泳動条件は、10%グリセリンを含む5
%ポリアクリルアミドゲルを用い、30Wの電圧で、数
時間を要して試料を分離する。その後、濾紙へのゲルの
転写(二時間)、フィルムへの露光(一夜)、現像(二
時間)等の作業を経て、一本鎖DNAの移動度を解析す
る。解析方法は、配列の違う一本鎖DNAはその高次構
造の違いによって移動度が違うので、例えば変異の有無
を野生型の試料との移動距離の比較によって判別してい
る。電気泳動中のゲルの温度は、一本鎖DNAの構造を
変化させ、移動度に影響を与えるため、0.4mm厚程
度の薄いゲルを用い、電気泳動中のゲルの発熱を低減さ
せるとともに、ゲル温度を均一化してスマイリングを防
ぐため、泳動板を送風機により冷却する必要がある。従
って発熱を極力抑さえるために比較的低電圧が用いられ
る。またRIを使用する理由は、高感度な検出が可能な
点もあるが、試料の変性を必要とする従来法では、一本
鎖に解離させた塩基対が再迎合する理由から、大量の試
料を電気泳動に持ち込むことが出来ず、解析に持ち込む
量を低減する必要があった。この結果検出感度が低くな
るため、解析する試料をRI標識する必要が有った。
【0009】この様に本法は一塩基の配列の違いが簡便
に見分けることが出来るので、本法を用いてHLA遺伝
子のように特定の領域で一塩基から数十塩基が遺伝子型
により異なっているものを解析することは、至極容易で
あると思われた。前述の林等の報告は原典をそのままH
LA遺伝子の型決定に応用した例である。本報における
図2および図3はHLA−DQA1領域のタイピングを
行なった従来例であり、図2では本領域における8タイ
プの対立遺伝子をそれぞれ分離したことを示し、図3で
は2つの対立遺伝子を解析したことを示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法にお
いて実際に未知の試料の型決定を行なう場合には、既知
の対立遺伝子の数8試料を同時に泳動する必要があり、
同時に泳動できる未知の試料数に制約を受けることが推
測される。これを解決するために既に分離した既知試料
を、混合して1レーンに泳動する方法が考えられるが、
一対立遺伝子あたり二本のバンドが表れるので、泳動パ
ターンの複雑化は避けられない。また臨床においては1
つの対立遺伝子を持つ試料(図2)もあるが、2つの対
立遺伝子を持つ試料(図3)の場合がある。前者であれ
ば容易に型決定が可能であるが、後者の場合、図3から
分かるように判断が難しく、型決定するには誤認の恐れ
がある。またこのような遺伝子多型を解析するには、迅
速性が必要であるが、本報告のように原典と同様の泳動
時間、検出までの時間を要しては臨床応用には難しいと
思われる。
【0011】この様に原典におけるSSCP法は、変異
の有無を高感度に検出する為に開発された技術であるの
で、HLA遺伝子を含めた多型領域のような、多種類の
異なった配列を有する領域の遺伝子型の決定をそのまま
行なうには、解析が困難であることや迅速性に欠ける点
で適当でなく、改善が必要である。
【0012】さらにSSCP法においては対象とする遺
伝子の塩基配列、塩基長によって適宜電気泳動条件を選
択する必要があることが通説であるが、上述のSSCP
法に関する報告においては、最適な試料の分離が得られ
る電気泳動条件の選択方法に関しては何等説明がなされ
ていなかった。従って一般の研究者らは、SSCP法を
用いて遺伝子の解析を行う場合、種々の遺伝子を用いた
解析ごとに最適な電気泳動条件が得られるまで、時間の
浪費と試行錯誤を繰り返しており、容易にSSCP法を
用いることができなかった。
【0013】すなわち本発明の課題は、SSCP法を改
善して配列多型の解析から突然変異の検出まで、幅広い
解析を簡便かつ確実に行なうことが可能な条件を、選択
する手法を提供し、これと同時に多検体の試料を迅速に
解析できる電気泳動方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題に対して、発明
者等は上記に示した課題を解決し、迅速な診断を可能と
する方法として特願平 4ー186581のような遺伝
子多型解析方法を提案してきた。これは核酸試料中の所
定の塩基配列領域を選択的に増幅せしめる過程におい
て、該塩基配列領域の片側一本鎖DNAをこれと相補的
な一本鎖DNAより過剰に産生せしめた後、これを非変
性ゲル電気泳動に供し、該片側一本鎖DNAがゲル電気
泳動中に、その塩基配列特異的な高次構造により移動度
が変化することを利用して、該塩基配列領域の配列を解
析することを特徴とする遺伝子解析方法である。発明者
らは上記遺伝子多型解析法についてさらなる研究の結
果、常に好適な試料の分離が得られる電気泳動条件を見
いだしたので本発明に至った。
【0015】更に詳細に本方法を説明する。
【0016】本発明における解析方法は、種々の方法に
よって産生された目的領域一本鎖DNAを、非変性ゲル
電気泳動によって分離検出するものである。所定の大き
さのガラス板と所定のゲルの厚みを得るためのスペーサ
で枠を構成し、非変性ゲルとしては一般的にはアクリル
アミドゲルを重合させてポリアクリルアミドゲルを得
る。このゲル組成はアクリルアミド比(%T(Tota
l))が5%から20%の範囲がもっとも実用的であ
る。またこの時ビスアクリルアミドはポリアクリルアミ
ド鎖を架橋し、架橋度はアクリルアミド対ビスアクリル
アミド比(%C(Closs link))で表され、
一般には0.1%から5%の範囲で使用するのが望まし
いとされている。しかし図7に示すように、%Cが増え
ると2次曲線的にゲルの透明度が悪化するので、ゲル中
の試料の蛍光を直接観察する場合には、検出感度の上か
ら3%以下が望ましい。
【0017】本発明における好適な電気泳動条件および
その根拠を以下に述べる。本発明においては電気泳動中
のゲルの温度が非常に重要である。その理由は従来技術
の項で述べたようにSSCP法の原理が一本鎖DNAが
配列特異的に採る高次構造の違いに着目した点にあり、
この高次構造が温度によって多様性を持っているためで
ある。従ってゲルの温度は電気泳動中の一本鎖DNAの
構造に影響を与え、解析結果を大きく変化させるため、
制御すべき重要な泳動条件である。さらにゲルの温度の
選定には、解析の目的に応じて適切な選択が必要であ
る。これは、二種の試料の塩基配列の相違を解析する場
合であれば、二種の試料が電気泳動により分離できる温
度を選定すれば良い。しかし、多型解析のように遺伝子
領域において数種の遺伝子型によって、様々な塩基配列
の違いがある解析を行なうには、それぞれの遺伝子型が
それぞれ違う移動度を示す温度を選定する必要がある。
またこれはゲルの濃度に関しても同様で、二種の試料の
塩基配列の相違を解析する場合であれば、二種の試料が
電気泳動により分離できる濃度を選定すれば良いが、数
種の遺伝子型を持つ試料の解析を行なうには、それぞれ
の遺伝子型がそれぞれ違う移動度を示す濃度を選定する
必要がある。
【0018】よって数種の遺伝子型を持つ試料をそれぞ
れ違う移動度を持つ条件を選定する方法としては、ゲル
濃度を固定して、温度を4℃〜30℃の範囲で変化させ
れば、それぞれのDNAバンドが広がりを持ってスメア
となり多型解析が困難である温度、或はそれぞれのDN
Aバンドがシャープになって独立し多型解析が容易であ
る温度、或はDNAバンドがシャープであるがそれぞれ
が近接してもしくは重なって多型解析が困難である温度
と変化するので、最も多型解析が容易である温度を選定
すれば良い。一方温度を固定してゲル濃度を5%T〜2
0%Tの範囲で変化させれば、温度を変化させたと同様
にバンドがスメアとなる濃度、それぞれのバンドが独立
する濃度、それぞれのバンドが近接する濃度と変化する
ので、最も多型解析が容易である濃度を選定すれば良
い。
【0019】上記のような方法で調べたゲル濃度とゲル
の温度条件をグラフ上にマッピングすると図6の様にな
る。図において好適な分離を与えた条件は○、分離検出
が不可能であった条件は×、部分的に分離が得られた条
件を△で示してある。図より好適な泳動条件は二つの独
立したエリアに有る程度の幅をもって存在していること
がわかる。
【0020】この根拠は以下のように考えられる。一本
鎖DNAの移動度はその多様な高次構造によって決定さ
れ、その高次構造は温度によって変化する。つまりゲル
の温度は一本鎖DNAの高次構造の形を変化させ、ゲル
の網目構造による振るい効果が大きくなったり小さくな
ったりする。これをDNAの「見かけの分子量」という
が、その見かけの分子量にあった適切なゲル濃度が存在
する。更に具体に述べればゲル温度が4℃付近では、D
NAの水素結合が最も強くなりDNA鎖の分子内で塩基
同志が結合し、からまった形となるので見かけの分子量
が大きくなる。ここでゲルの網目が小さくなる高濃度の
ゲルを用いるとDNAが透過しにくくなり分離不可能と
なるが、網目が広い低濃度のゲルによって分離可能とな
る。逆にゲル温度が20度から30度と高温となるとD
NAの水素結合が弱くなり高次構造がとりづらく直鎖に
近い形となり、見かけの分子量が小さくなる。ここで低
濃度のゲルで分離すれば、DNAが容易にゲルの網目を
透過するので、配列の似た試料は同じ様な移動度を示
し、高次構造の違いを捉えることができないので、高濃
度のゲルを用いてふるい効果を強くする必要がある。以
上のような理由で、図6に与えられる好適泳動条件の分
布が起こると考えられる。
【0021】%Cの値については0.1から3%の範囲
で固定して用いればよい。これは%Cの値を高くするこ
とはゲルの網目構造が密となり、%Tの濃度を高くする
ことと同様の効果が得られ、%Cの値を低くすることは
ゲルの網目構造が疎となり、%Tの濃度を低くすること
と同様の効果が得られるからである。
【0022】上記のゲル温度をより正確に制御するため
には、ゲル温度を調整する器具を用いることが好まし
く、具体的には温度調節器により温度調節されたガラス
プレートとの間にゲルを形成するよう、電気泳動装置を
構成することにより、任意の温度で電気泳動中のゲル温
度を保持できるので、再現性良い分離結果がえられる。
この場合には従来用いられていた周囲温度による電気泳
動板の冷却方法よりもより高精度の温度調節が可能であ
るため、きめ細かい温度条件化での分離が可能となる。
さらに熱交換率が高くなるので、より高い電圧をかけて
も温度制御が可能であるので、より迅速な解析が可能で
ある。
【0023】
【作用】以下本発明の作用を詳述する。
【0024】本発明によれば、過剰に存在させた片側一
本鎖DNAのみを認識するので、DNAの分離パターン
の認識が容易である。またその一本鎖DNAを得る過程
において、解析したい領域のみを選択的に産生させるの
で、その対象とする試料が対象外の試料より特異性が向
上するので解析結果に信頼性が増す。また本発明におけ
る電気泳動条件を用いれば、好適な分離条件化での解析
が可能であるので、特定遺伝子配列中の1塩基の配列の
相違をも認識でき、変異遺伝子の探索や多型領域の型決
定など、目的に応じた広範な試料の解析に応用可能であ
る。また既知試料を混合しても分離可能であるので、多
型領域の解析などで既知試料をそれぞれ独立の泳動レー
ンに流す必要がなく、同時に泳動できる試料数が向上し
多検体の処理が可能となる。
【0025】また試料の変性を必要とせず一本鎖DNA
の再迎合はないから、EtBr等を用いた染色法で検出
可能な量の試料を電気泳動に持ち込むことが出来、RI
使用の場合とほぼ同等のシグナルを得ることが出来る。
さらに蛍光色素を利用して試料を標識すれば一層の高感
度が期待でき、極微量の検出も可能である。よって従来
の様に試料をRI標識する必要がなくなり、被爆の危険
や、分離後のフィルムへの感光の手間等がなくなり、一
般的に良く用いられるEtBr染色法や銀染色法で検出
可能となり、操作性良く安全である。また同様に分離後
から検出する時間は従来のRIを用いた場合では、転
写、露光、現像などを含めて最低二日は必要であるが、
本発明においてはEtBrを用いた染色法では染色時間
10分、UVトランスイルミネータ上で解析結果を得る
まで30分あれば、充分な解析結果が得られ、蛍光標識
方法では、分離から検出までの作業生が向上するので、
さらに迅速に解析結果が得られ、解析時間の迅速化が格
段に向上する。
【0026】
【実施例】本発明の一実施例を以下に示す。
【0027】本実施例で採用した遺伝子解析プロセスの
操作フローを図1に示す。本実施例は調べたいDNA領
域を持つ生体からDNAを抽出する工程1、次いで抽出
したDNAから調べたい特定塩基配列を増幅する工程
2、次いで増幅したDNA試料をゲル電気泳動により分
離する工程3、次いで、分離後の試料を解析する工程4
からなる。以下、各工程についてヒト白血球抗原(HL
A)遺伝子のDQA1領域の型決定を行なった場合につ
いて詳述する。
【0028】1.生体からのDNAの抽出工程 生体試料からのDNAの抽出精製プロセスについて説明
する。全血50μlを容量1.5mlの容器に入れ、こ
れに蒸留水1mlを加え、ボルテックスミキサにより混
合し溶血させ、10,000×gで1分間遠心分離した
後、上清をデカンテーションし沈殿物を得た。これに再
度蒸留水を加え、溶血、遠心分離、デカンテーションの
操作により沈殿物を得た。この沈殿物にTENバッファ
(10mM Tris−HCl(pH8.0),1mM
EDTA(pH8.0),100mM NaCl)9
0μl、10%ドデシル硫酸ナトリウム10μl、10
mg/mlプロテイナーゼK(MERCK社)5μlを
加え、50℃で10分間インキュベートし、次いで溶液
にフェノール・クロロフォルム溶液(水飽和フェノー
ル:水飽和クロロフォルム(1/24イソアミルアルコ
ール添加)=1:1)100μlを加え、ボルテックス
ミキサによって混合を行い、その後10000×gで1
0分間遠心分離し、水層部をピペットにより吸引し他の
容器に移した(フェノール・クロロフォルム抽出)。こ
のフェノール・クロロフォルム抽出を2回行った後、水
層の30%(体積比)量の3M NaCl水溶液と水層
量の2.5倍量の99.5%エタノールを加え、10,
000×gで20分間遠心分離を行った(エタノール沈
殿)。この後上清をデカンテーションし、容器底に沈殿
したペレット状のDNAに対して静かに80%エタノー
ル水溶液を200μl加え、10,000×gで3分間
遠心分離し、上清をデカンテーションし(エタノールリ
ンス)、次いで遠心乾燥器と負圧源であるアスピレータ
によって、容器内の残ったエタノール水溶液を蒸発させ
DNAペレットを得た。これを100μlのTEバッフ
ァ(10mM Tris−HCl(pH7.5),1m
M EDTA)に溶解した。上記述べたDNAの抽出方
法は、一例を示したものであり本方法以外には、ゲノミ
ック アイソレーションキット(ベーリンガーマンハイ
ム社)を用いる方法も可能であり、上記の方法になんら
限定されない。また生体試料には全血を用いた方法を述
べたが、毛髪組織細胞等いずれの生体試料からでも抽出
可能である。
【0029】2.PCR増幅工程 目的DNAのPCR増幅について説明する。PCR反応
液は、50mM KCl,10mM Tris−HCl
(pH8.3),1.5mM MgCl2,0.01%
ゼラチン、及び各20nmolのデオキシリボヌクレ
オチド三燐酸(dNTPs:dATP,dCTP,dG
TP,dTTP)、各20pmolの両端プライマを混
合した。プライマの塩基配列は、プロシーディング ナ
ショナルアカデミー オブ サイエンス ユー.エス.
エー 85,(1988)第7652頁−第7656頁
(Proceeding National Acad
emy of Science of U.S.A.8
5,(1988年)pp.7652−7656)に記載
の、GH26及びGH27を合成しこれを用いた。これ
に上記抽出したゲノムDNAを10μl(抽出量の1/
10量;約50から100ng)加え、全量で100μ
lとした後、耐熱性DNAポリメラーゼ(Taqポリメ
ラーゼ)を0.5単位加えた。次いで反応液の蒸発防止
のために鉱物油を60μl程加える。この反応液をサー
マルサイクラー(シータス社)にて反応させた。反応時
間は、94度1.5分、55度1.5分、72度1.2
分のサイクルを30サイクル行なった。
【0030】次いで目的DNAの増幅を確認するため、
アガロースをもちいた電気泳動を行なった(図2)。も
っとも非特異的なDNAの増幅が認められない増幅条件
が整えば、確認は不要であることはいうまでもない。上
記増幅後の試料の10μlを電気泳動用色素(30%グ
リセロール、0.01%キシレンシアノール、0.02
%ブロモフェノールブルー)2μlと混合し、TAEバ
ッファ(10mM Tris−HCl(pH8.3),
1ml Acetate,1mM EDTA)を含む2
%アガロースゲル(宝酒造)に注入し、ミューピッド
(アドバンス社)なる電気泳動装置にて上記TAEバッ
ファ中で電気泳動を行なった。泳動条件は100V、4
0分であり、泳動後1ng/ml EtBr水溶液でゲ
ルを10分間の染色後、紫外線を照射して、EtBrが
DNAにインタカレートして発する発光波長590nm
を観察した。図2は増幅産物5〜8がよく分かるよう模
式的に表したものである。ゲルには4試料を同時に泳動
した。いずれの試料においても目的のDNA領域(24
2塩基長)の増幅が確認された。
【0031】次いで、本発明における電気泳動により解
析する試料を調製するため非対称PCR増幅を行なっ
た。上記の電気泳動よりおよそのDNA量が確認できる
ため、1回目のPCR増幅試料より、約0.01pmo
l量のDNAを採取した。これを50mM KCl,1
0mM Tris−HCl(pH8.3),1.5mM
MgCl2,0.01% ゼラチン、及び各20nmo
lのデオキシリボヌクレオチド三燐酸(dNTPs:d
ATP,dCTP,dGTP,dTTP)を加える。以
上の反応液組成は1回目と同じである。次いで、上記プ
ライマのGH26を10pmolとGH27を1pmo
l加えた。全量で100μlとした後、耐熱性DNAポ
リメラーゼ(Taqポリメラーゼ)を0.3単位加え
た。次いで反応液の蒸発防止のために鉱物油を60μl
程加えた。この反応液をサーマルサイクラー(シータス
社)にて反応させた。反応時間は、94度 1.0分、
57度 1.0分、72度 0.8分のサイクルを15
サイクル行なった。
【0032】3.ゲル電気泳動による試料の分離工程 2回目のPCR増幅後、反応液10μlを採取し、2μ
lの60%グリセロールと混合し、電気泳動における試
料を準備した。図3に本実施例に用いた電気泳動装置を
示す。9はガラスプレート、10は切り込み付きガラス
プレート、11はポリアクリルアミドゲル、12はスペ
ーサ、13は温度調節器、14は上部緩衝液槽、15は
下部緩衝液槽、16はホルダである。ポリアクリルアミ
ドゲル11はガラスプレート9及び、切り込み付きガラ
スプレート10との間に構成されており、横方向はポリ
アクリルアミドゲル11の厚みを決定するスペーサ12
によって囲まれており、その上端は試料を保持できるよ
う櫛形の溝(図示せず)が構成されており、且つ切り込
み付きガラスプレート11側から保持された上部緩衝液
槽14内の緩衝液17で満たすよう構成されている。ま
たその下端は、緩衝液17に浸されるよう構成されてい
る。またガラスプレート9及び切り込み付きガラスプレ
ート10の外面側は、温度調節器13が密着して構成さ
れており、図示しないが、外部熱交換器が接続されてお
り、ゲルからの発熱を放熱し、且つ、任意の温度にゲル
温度を調節するよう構成されている。また図示しないが
上部下部のそれぞれの緩衝液17には白金線が浸されて
おり外部電源18により泳動電源が供給される構成とな
っている。
【0033】ゲルの構成に関しては20×20cmの大
きさで、0.4mmの厚みのポリアクリルアミドゲルを
用いた。ゲルはTBEバッファ(89mM Tris−
HCl(pH8.3),89mM Borate,2.
5mM EDTA)を含む17%T、1%Cストック液
を脱気後、0.07%TEMED(テトラメチルエチレ
ンジアミン)および0.06%APS(過硫酸アンモニ
ウム)を混合し重合させた。以上の試薬はいずれもナカ
ライテスク社製を用いた。電気泳動条件は温度調節器に
よってゲル温度を20℃に保持し、準備した試料をロー
ディング後、300V(15V/cm)で300分泳動
を行なった。この後、ゲルをガラスプレートより取り出
し、前述のEtBr染色と同様に試料DNAの染色を行
ない、同様の解析を行なった。解析結果を以下に示す。
【0034】4.解析結果と考察 図4は、本発明の解析結果を示す模式図である。(2)
から(9)はHLA−DQA1領域のそれぞれの多型を
分離したものである。これらは全て既に塩基配列決定に
より型決定された試料であり、左より0101,010
2,0103,0201,0301,0401,050
1,0601型のいずれもホモ接合型の試料である。塩
基配列決定方法は、前述の方法に従って、DNA抽出、
1回目のPCR増幅、2回目のPCR増幅を行なった後
の試料を鋳型としてサンガー法により塩基配列決定を行
なった後、配列表より型を決定している。次いで(1)
及び(10)は前記の8タイプの試料を混在させたもの
であり、DQA1マーカと名付けている。調製方法は、
1回目のPCR増幅後の試料より、既に型決定された試
料(2)から(9)の試料を選択し、それぞれ等量の
0.01pmol程度を上記二回目のPCR増幅条件と
同様に増幅を行なったものより、10%を持ち込んだも
のである。次いで(11)から(14)は無作為に選択
した型決定されていない試料を前述の方法で調製し同時
に泳動したものである。
【0035】本実施例より、8タイプのDQA1型がそ
れぞれ分離しており、それぞれの型の持つ配列の違いに
より、それぞれは違う移動度を持つ結果が示されてい
る。またそれぞれの型を混合し調製した(1)及び(1
0)のDQA1マーカにおいてもそれぞれの型がそれぞ
れ分離し、(2)から(9)の試料の型との移動度と一
致する。これにより、DQA1マーカのそれぞれのDN
Aバンドの型が決定出来た。未知の試料における型決定
方法は、このDQA1マーカとの比較により行なった。
未知試料(11)から(14)はいずれも対立遺伝子を
2つ持つヘテロ接合であり、(11)は0102型と0
401型、(12)は0301型と0501型、(1
3)は0101型と0201型、(14)は0103型
と0601型であり、型決定が可能であることが示され
た。
【0036】更に本実施例を考察する。本実施例におけ
る泳動条件を検討する過程においては、ゲルの温度とゲ
ル濃度の選定が重要であった。解析したDQA1領域は
本条件によりそれぞれの遺伝子型を分離可能であった
が、条件によって分離パターンがどのように変化するか
検討したので、以下考察する。
【0037】図5(a)は先に述べたDQA1マーカを
20%T,1%Cのゲルに供し、(b)は17%T,1
%Cのゲルに供し、(c)は11%T,1%Cのゲルに
供したもので、ゲル温度はいずれも20℃に保ち、同電
気泳動条件下で分離、解析を行なったものである。また
図5において、(d)は同様の試料を20%T,1%C
のゲルに供し、(e)は11%T,1%Cのゲルに供
し、(f)は8%T,1%Cのゲルに供したもので、ゲ
ル温度はいずれも4℃に保ち、同じ電気泳動条件下で分
離、解析を行なった結果を模式的に表したものであり、
細い線で表されているのはDNAバンドであり、その添
え字はDQA1の型名を示し、太く表されているDNA
バンドは、型の違う試料が分離していないか、近接して
分離していないことを示す。
【0038】図において、(a)はそれぞれの試料が分
離しているが、近接していて型のそれぞれを個々に認識
することはできず、(b)はそれぞれの型を持つ試料が
個々に分離しており、(c)は配列の似た試料は分離し
ておらず、その他の試料も近接していた。また(d)は
DNAバンドが厚くなっており型のそれぞれのDNAバ
ンドを認識することは困難であり、(e)はそれぞれの
試料が分離しているが、近接している試料もあり、
(f)は個々のバンドは場が厚くなり、それぞれのDN
Aバンドを認識することは困難であった。
【0039】これらの結果をまとめると、解析が行なえ
る条件はゲル濃度と、ゲルの温度に依存することが示さ
れ、ある一定の範囲においてのみ良好な解析が行なえる
ことが分かる。また本実施例で良好な分離が得られた条
件は、先に図6で示した好適泳動条件の分布図と良く一
致し、本実施例が上述したSSCP法の分離メカニズム
により説明されると言える。
【0040】本条件の解析によって充分な分離が得られ
ない場合は、もう一方の片側一本鎖を解析することによ
り解析可能であった(図示せず)。
【0041】また迅速な解析を行なうには、泳動時間の
短縮がもっとも効果的であり、泳動電圧を高くする、バ
ッファを濃度を低下する、泳動路長を短くする等、これ
らの方法を実施すれば電気泳動中の試料にかかる電圧が
高くなるので、最適な分離が得られるゲル濃度及びゲル
温度を考慮しこれらを適宜変化させれば、泳動時間の短
縮に効果的であった。さらに温度調節器を用いた場合
と、温度調節器を用いないで電気泳動装置の周囲温度を
制御した場合の、分離実験の再現性を検討した結果、明
らかに温度調節器を用いた分離の方が再現性が良かっ
た。
【0042】次いで検出感度に関して考察する。従来の
RIを用いたSSCP法においては、PCR増幅後の産
物の1%にあたる約10ngを持込み解析していた。本
実施例においては、分離したDNAパタンを解析するに
は、EtBrがDNAにインタカレートして発する蛍光
を観察しており、その最低DNA量はマーカ(二本鎖D
NA)との比較より1ngであった。しかし目的のDN
Aは1本鎖であるので二本鎖DNAよりEtBrがイン
タカレートしにくい。よって実際に泳動に持ち込んだD
NA量はこれ以上含まれていると予測される。一方、2
回目の非対称PCR増幅後の増幅率から予測される一本
鎖DNA量は5pmol程度であり、これから10%量
を解析に持ち込んだことから、計算上DNA量は産物は
30ng程度である。このことから本実施例では従来の
RIを用いた方法に比べて、オーダが違うほどの違いは
なく、検出感度は何等遜色の無いことが分かる。一方ロ
ーダミンX(XRITC)によりプライマを標識した試
料について検討を行ったが、1レーン当り1〜0.5n
g程度のDNA量を認識することが可能であったので、
EtBr染色法に比べてさらに感度がよく検出すること
が可能であった。
【0043】
【発明の効果】この様に本発明においては、同じ塩基長
の試料でも一塩基の違いが明瞭に分離できるため、信頼
性の高い解析結果を得ることが出来る。またRIを用い
た従来方法にくらべ、同等の感度で解析するので、被爆
の危険や特別な実験施設を必要とせず、安全に解析する
ことが出来る。さらに本発明による電気泳動条件下でS
SCP法を実施すれば、簡便に最適な電気泳動条件が得
られ、再現性良くその条件下で遺伝子解析が行えるた
め、臨機応変に遺伝子解析操作を実行することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における解析までの作業の流れを示す
図。
【図2】本発明における実施例において、試料の増幅を
確認した図。
【図3】本発明における電気泳動装置を示す実施例。
【図4】本発明における遺伝子解析方法をヒト遺伝子H
LAーDQA1領域の型決定に応用した実施例。
【図5】本発明における条件検討を示す図。
【図6】本発明における電気泳動条件のうち、好適な分
離条件の範囲を示す図。
【図7】本発明における好適な架橋度を示す図。
【符号の説明】
9:ガラスプレート、10:切り込み付きガラスプレー
ト、11:ポリアクリルアミドゲル、12:スペーサ、
13:温度調節器、14:上部緩衝液槽、15:下部緩
衝液槽、16:ホルダ、17:上部緩衝液槽14内の緩
衝液、18:外部電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12M 1/00 A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核酸試料中の所定の塩基配列領域を選択的
    に増幅せしめる過程において該塩基配列領域の片側一本
    鎖DNAをこれと相補的な一本鎖DNAより過剰に産生
    せしめた後、これを非変性ゲル電気泳動に供し、該片側
    一本鎖DNAがゲル電気泳動中にその塩基配列特異的な
    高次構造により移動度が変化することを利用して、該塩
    基配列領域の配列を解析する方法において、該電気泳動
    ゲルの組成が架橋度0.1%〜3%のアクリルアミドゲ
    ルであって、ゲル濃度11%以上の場合にはゲルの温度
    を15℃〜30℃で泳動を行ない、またゲル濃度が11
    %以下の場合にはゲルの温度を4℃〜20℃で泳動を行
    なうことを特徴とする遺伝子解析方法。
  2. 【請求項2】前記塩基配列領域が多型部位である未知の
    多型試料を、該多型部位と同様に産生せしめた既知の多
    型試料と同時に非変性ゲル電気泳動に供し、移動度を互
    いに比較することによって配列の相違を解析することを
    特徴とする請求項1記載の遺伝子解析方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記既知の多型試料の
    少なくとも二種以上を同様に産生せしめ、これを一つの
    泳動路に同時に供することを特徴とする請求項1記載の
    遺伝子解析方法。
  4. 【請求項4】前記ポリアクリルアミドゲルが請求項1に
    記載された範囲内で陰極側から陽極側に濃度勾配もしく
    は温度勾配を持つことを特徴とする請求項1記載の遺伝
    子解析方法。
  5. 【請求項5】前記ポリアクリルアミドゲルを保持するガ
    ラス泳動板の一方もしくは両方に温度調節器を備えた電
    気泳動装置により、多型部位を解析することを特徴とす
    る請求項1記載の遺伝子解析方法。
  6. 【請求項6】前記ポリアクリルアミドゲルを保持するガ
    ラス泳動板の一方もしくは両方に温度調節器を備えた電
    気泳動装置により、多型部位を解析することを特徴とす
    る請求項1記載の臨床検査方法。
  7. 【請求項7】前記ポリアクリルアミドゲルを保持するガ
    ラス泳動板の一方もしくは両方に温度調節器を備えた電
    気泳動装置により、多型部位を解析することを特徴とす
    る請求項1記載の個人識別方法。
  8. 【請求項8】前記請求項1の方法に必要とする試薬のキ
    ット。
  9. 【請求項9】前記多型部位がヒト白血球抗源遺伝子であ
    ることを特徴とする請求項1記載の臨床検査方法。
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