JPH07209215A - フリーライム測定方法 - Google Patents
フリーライム測定方法Info
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- JPH07209215A JPH07209215A JP1306594A JP1306594A JPH07209215A JP H07209215 A JPH07209215 A JP H07209215A JP 1306594 A JP1306594 A JP 1306594A JP 1306594 A JP1306594 A JP 1306594A JP H07209215 A JPH07209215 A JP H07209215A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 セメント製造工程中で、工程管理のために重
要なフリーライムの含有量測定に、成分測定に普通に用
いられるX線回折法を利用しようとする場合、その測定
値のバラツキが大きく、到底実用にならないものと考え
られていた点を克服し、製造工程の実時間管理が可能
な、精度の高い測定法を得ようとするものである。 【構成】 クリンカー中のフリーライムのX線回折強度
を測定してフリーライムを測定するとき、X線強度を更
正するための標準化試料として、ステンレス鋼を用いた
ことを特徴とする。
要なフリーライムの含有量測定に、成分測定に普通に用
いられるX線回折法を利用しようとする場合、その測定
値のバラツキが大きく、到底実用にならないものと考え
られていた点を克服し、製造工程の実時間管理が可能
な、精度の高い測定法を得ようとするものである。 【構成】 クリンカー中のフリーライムのX線回折強度
を測定してフリーライムを測定するとき、X線強度を更
正するための標準化試料として、ステンレス鋼を用いた
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、セメント及び/また
はクリンカー中のフリーライムの測定方法に関する。
はクリンカー中のフリーライムの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント製造工程中、クリンカー中の遊
離Ca(フリーライム)の含有率の測定は、クリンカー
の焼成工程の管理及びセメントの品質管理上、不可欠の
事項とされている。この測定は、従来、エチレングリコ
ールの発色反応、あるいはケミカルアナリシス等、化学
的な方法によって行われるのが一般であった。しかし、
これらの化学的方法は、試薬を必要とすること、時間が
かかり、製造工程中からサンプルを抜取り、試験室での
測定となるため、製造工程の実時間管理に利用すること
が出来ないこと、MgO等が一緒に検出され、測定精度
が高くないこと、等の問題があるものであった。
離Ca(フリーライム)の含有率の測定は、クリンカー
の焼成工程の管理及びセメントの品質管理上、不可欠の
事項とされている。この測定は、従来、エチレングリコ
ールの発色反応、あるいはケミカルアナリシス等、化学
的な方法によって行われるのが一般であった。しかし、
これらの化学的方法は、試薬を必要とすること、時間が
かかり、製造工程中からサンプルを抜取り、試験室での
測定となるため、製造工程の実時間管理に利用すること
が出来ないこと、MgO等が一緒に検出され、測定精度
が高くないこと、等の問題があるものであった。
【0003】
【この発明が解決しようとする課題】このような成分測
定のため、目的とする成分のX線回折強度を検出し、そ
の含有量を測定することは一般に行われている。しか
し、フリーライムの含有量測定にこのX線回折法を利用
しようとすると、その測定値のバラツキが大きく、到底
実用にならないものと考えられていた。この発明は、こ
のような問題点を克服し、製造工程の実時間管理が可能
な、精度の高い測定法を得ようとするものである。
定のため、目的とする成分のX線回折強度を検出し、そ
の含有量を測定することは一般に行われている。しか
し、フリーライムの含有量測定にこのX線回折法を利用
しようとすると、その測定値のバラツキが大きく、到底
実用にならないものと考えられていた。この発明は、こ
のような問題点を克服し、製造工程の実時間管理が可能
な、精度の高い測定法を得ようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明のX線回折法に
よるフリーライムの測定方法においては、クリンカー中
のフリーライムのX線回折強度を測定してフリーライム
を測定するとき、X線強度を更正するための標準化試料
として、ステンレス鋼を用いたことを特徴とする。
よるフリーライムの測定方法においては、クリンカー中
のフリーライムのX線回折強度を測定してフリーライム
を測定するとき、X線強度を更正するための標準化試料
として、ステンレス鋼を用いたことを特徴とする。
【0005】
【作用】本発明者は、研究の結果、X線回折法による測
定結果の誤差は、主として次ぎのような理由によること
を発見した。 フリーライムを含む試料が放置される結果、空気中の
水蒸気等との反応の結果、その結晶構造が変化する。図
2に、同一試料について、放置時間によって見掛けのフ
リーライム含有量がどのように変わるかを示す。そし
て、このような変化は当然に試料表面から進むが、X線
回折法によって検出されるのは、表面から数μ程度の範
囲であるから、まさにこの変化した部分だけを測定して
いることとなる。 X線回折法においては、照射X線強度の変動を避ける
ことが出来ないので、常に標準化試料と被測定試料とを
交互に照射し、その標準化試料の検出強度からX線強度
を更正している。しかし、上記の理由から、クリンカー
そのものを標準試料に用いると、その標準試料の変化が
測定誤差の原因となる。
定結果の誤差は、主として次ぎのような理由によること
を発見した。 フリーライムを含む試料が放置される結果、空気中の
水蒸気等との反応の結果、その結晶構造が変化する。図
2に、同一試料について、放置時間によって見掛けのフ
リーライム含有量がどのように変わるかを示す。そし
て、このような変化は当然に試料表面から進むが、X線
回折法によって検出されるのは、表面から数μ程度の範
囲であるから、まさにこの変化した部分だけを測定して
いることとなる。 X線回折法においては、照射X線強度の変動を避ける
ことが出来ないので、常に標準化試料と被測定試料とを
交互に照射し、その標準化試料の検出強度からX線強度
を更正している。しかし、上記の理由から、クリンカー
そのものを標準試料に用いると、その標準試料の変化が
測定誤差の原因となる。
【0006】上記の問題を解決するためには、 被測定試料を採取後、なるべく早く測定すること、あ
るいは採取後測定までの時間を一定にすること。 標準化試料として、何かクリンカー以外の、経時変化
を生じないものを発見することが求められる。上記の
条件は、工程の実時間管理及び測定の全自動化の要求と
一致していることが明らかである。そして、を満たす
ものとして、ステンレス鋼が適当であることを発見し
た。
るいは採取後測定までの時間を一定にすること。 標準化試料として、何かクリンカー以外の、経時変化
を生じないものを発見することが求められる。上記の
条件は、工程の実時間管理及び測定の全自動化の要求と
一致していることが明らかである。そして、を満たす
ものとして、ステンレス鋼が適当であることを発見し
た。
【0007】
【実施例】図1は本発明のX線回折法におけるX線光学
系の光学配置を示す。X線管1からのX線は、第1のス
リットS1 を経て試料6に入射する。回折X線は、試料
6表面で回折し、第2のスリットS2 を経て計数管4に
よって検出される。このとき、計数管4は波長2.40
5オングストロームのX線がCaOで回折され入射する
位置に配設されている。X線照射中に、エアシリンダー
5によって、試料6位置に標準化試料としてのステンレ
ス鋼製の更正板7を差し替え挿入し、更正板7による回
折強度を測定し、標準化する。標準化とは、通常、装置
の熱的、時間的および部品的要因で変動する測定結果
を、回折強度が不変の試料の回折X線強度を測定し、こ
れから真のX線強度を求めることを云い、α法又はレシ
オ法が用いられる。α法は、測定された未知試料の回折
X線強度Iから未知試料の真の回折X線強度Ic を求め
るとき、標準化試料の回折X線強度M1 を測定し、 Ic =I ×α α =IT/M1 から未知試料の補正後のX線回折強度を求める方法であ
る。ここでIT は標準化試料の基準回折X線強度であ
る。
系の光学配置を示す。X線管1からのX線は、第1のス
リットS1 を経て試料6に入射する。回折X線は、試料
6表面で回折し、第2のスリットS2 を経て計数管4に
よって検出される。このとき、計数管4は波長2.40
5オングストロームのX線がCaOで回折され入射する
位置に配設されている。X線照射中に、エアシリンダー
5によって、試料6位置に標準化試料としてのステンレ
ス鋼製の更正板7を差し替え挿入し、更正板7による回
折強度を測定し、標準化する。標準化とは、通常、装置
の熱的、時間的および部品的要因で変動する測定結果
を、回折強度が不変の試料の回折X線強度を測定し、こ
れから真のX線強度を求めることを云い、α法又はレシ
オ法が用いられる。α法は、測定された未知試料の回折
X線強度Iから未知試料の真の回折X線強度Ic を求め
るとき、標準化試料の回折X線強度M1 を測定し、 Ic =I ×α α =IT/M1 から未知試料の補正後のX線回折強度を求める方法であ
る。ここでIT は標準化試料の基準回折X線強度であ
る。
【0008】図3にCaOの含有率と検出されたX線強
度との関係の1例を示す。図中の点は化学分析値を示
し、両者は良く一致している。この検出値に対し、更正
板としてのステンレス鋼の回折強度は図2中に示すよう
に、CaO含有率がほぼ0.5%に相当し、時間経過や
繰返しに対して安定した検出値を示す。
度との関係の1例を示す。図中の点は化学分析値を示
し、両者は良く一致している。この検出値に対し、更正
板としてのステンレス鋼の回折強度は図2中に示すよう
に、CaO含有率がほぼ0.5%に相当し、時間経過や
繰返しに対して安定した検出値を示す。
【0009】
【発明の効果】この発明は、上記のように、自動化によ
り測定に要する時間が2ないし5分と短縮されたため、
結晶表面でもフリーライムの結晶構造が変化を生ぜず、
また、最適な更正板材料により、検出結果の自動補正が
可能となり、高精度の分析が可能となった。また、薬品
などの消耗品がなく、操作、メインテナンスが容易であ
り、測定時間が短いことと相俟って、製造工程に組込
み、その実時間管理が可能となる等、顕著な効果を奏す
る。
り測定に要する時間が2ないし5分と短縮されたため、
結晶表面でもフリーライムの結晶構造が変化を生ぜず、
また、最適な更正板材料により、検出結果の自動補正が
可能となり、高精度の分析が可能となった。また、薬品
などの消耗品がなく、操作、メインテナンスが容易であ
り、測定時間が短いことと相俟って、製造工程に組込
み、その実時間管理が可能となる等、顕著な効果を奏す
る。
【図1】本発明のX線回折法におけるX線光学系の光学
配置図である。
配置図である。
【図2】クリンカーの放置時間により、見掛け上のフリ
ーライムの含有量の変化の様子を示すグラフである。
ーライムの含有量の変化の様子を示すグラフである。
【図3】CaOの含有率と検出されたX線強度との関係
の1例を示すグラフである。
の1例を示すグラフである。
1 X線管 4 計数管 5
エアシリンダー 6 試料 7 更正板
エアシリンダー 6 試料 7 更正板
Claims (1)
- 【請求項1】 フリーライムのX線回折強度を測定して
フリーライムを測定するとき、X線強度を更正するため
の標準化試料として、ステンレス鋼を用いたことを特徴
とするX線回折法によるフリーライムの測定方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1306594A JPH07209215A (ja) | 1994-01-12 | 1994-01-12 | フリーライム測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1306594A JPH07209215A (ja) | 1994-01-12 | 1994-01-12 | フリーライム測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07209215A true JPH07209215A (ja) | 1995-08-11 |
Family
ID=11822747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1306594A Withdrawn JPH07209215A (ja) | 1994-01-12 | 1994-01-12 | フリーライム測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07209215A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013133237A (ja) * | 2011-12-26 | 2013-07-08 | Mitsubishi Materials Corp | セメントクリンカ製造システム |
-
1994
- 1994-01-12 JP JP1306594A patent/JPH07209215A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013133237A (ja) * | 2011-12-26 | 2013-07-08 | Mitsubishi Materials Corp | セメントクリンカ製造システム |
US9868666B2 (en) | 2011-12-26 | 2018-01-16 | Mitsubishi Materials Corporation | Cement clinker production system |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010403 |