JPH07208868A - 炉内温度の制御法 - Google Patents

炉内温度の制御法

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JPH07208868A
JPH07208868A JP248694A JP248694A JPH07208868A JP H07208868 A JPH07208868 A JP H07208868A JP 248694 A JP248694 A JP 248694A JP 248694 A JP248694 A JP 248694A JP H07208868 A JPH07208868 A JP H07208868A
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furnace
temperature
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burner
diameter
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Kimio Yamaguchi
喜美夫 山口
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  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 設計上、高い熱効率において、炉内での急速
な昇温を達成し、しかも、高い経済性を発揮しながら、
高温状態を達成し、あるいは/および、所要の高温度状
態を安定的に維持できるようにした炉内温度の制御法を
提供する。 【構成】 火口から火炎を導入して、炉体内を所要の高
温状態にする炉において、セラミック繊維を成形した軽
量耐火材で、炉体の内壁部材を構成し、炉体の外側部を
構成する外壁部材と上記内壁部材との間に、断熱空隙を
形成すると共に、上記断熱空隙を真空側に低圧化し、上
記火口におけるバーナーからの火炎で、炉内を所要温度
に昇温した時点あるいはその近傍で、上記バーナーへの
燃料供給量を低減すると共に、これに対応して、排気口
の口径(通過断面積)を縮小するように制御することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として、陶器などの
焼成や金属溶融に使用する炉の構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の炉の構造は、一般に、耐火煉瓦
などで構成され、炉体内は、例えば、陶器などの焼成の
場合で、750℃(素焼)ないし1250℃(本焼き)
程の高温にする必要がある。しかし、このような高温
を、炉内で安定的に維持するには、外部との十分な断熱
性が確保されなければならない。そこで、炉壁を厚くし
て、十分な熱勾配を維持できるように工夫されている。
このため、焼成炉、溶融炉などの炉を構成する場合、か
なり大規模な構造になる。しかも、炉壁の熱容量が大き
く、また、炉壁外表面の放熱量が大きいために、炉内温
度を高めるのに、相当な時間が必要であり、種々の制御
設備が必要であり、また、高温度維持のためのエネルギ
ー・コストが掛かる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
過去に、少なくとも、炉の外周と内周とを構成する炉壁
を、中間に空隙を有する二重構造にした組立式焼成炉を
提唱した。これによって、飛躍的に断熱性が向上し、小
型ガスバーナー等で、所望の炉内温度を、素早く確保で
きるようになった。ここでは、セラミック繊維を、圧縮
成形などの手段で、所要の形状、厚さに成形した軽量耐
火材が、炉体の内壁部材を構成している。この内壁部材
は、その素材の特徴から、断熱性に優れており、しか
も、熱容量が小さいので、炉内温度を効率的に高めるこ
とが可能である。また、外壁部材との間に空隙を持つこ
とで、構造的にも十分な断熱性を確保できる。
【0004】しかしながら、内壁部材を構成するセラミ
ック繊維の成形体は、できるだけ熱容量を小さくするよ
うに、耐火煉瓦等に比べて密度が低く、かつ、薄い構造
にしてあるので、炉内での燃焼状態、排気の具合い等
で、温度が変動し易く、急激な昇温を得ると共に所要の
炉内の高温度を安定的に維持するのが難しい。
【0005】本発明者は、ガスバーナー等を用いて、炉
内に火炎を導入して、炉内の素早い昇温および安定した
高温状態の維持について、種々検討した結果、次のよう
な結論に到達した。即ち、炉内での完全燃焼を確保し、
しかも、熱損失の少ない状態を維持することが、好結果
を得るための基本的条件であり、それには、過不足のな
い一次空気、二次空気の導入、火炎の熱エネルギー量に
対応した炉内容積、火炎の噴射圧力に対応した炉内高
さ、横断面積、高温度維持のための排気容量の調整など
が係わっている。実験の結果、炉の規模の大小(内容
積)に係わりなく、熱源の種類、圧力によって、多少の
差があるにしても、バーナーの火炎の導出口径と、一次
空気、二次空気の導入との間、炉内容積(炉内高さおよ
び炉内横断面積)との間、更には、排気量との間には、
それぞれ、炉内での好条件を満たす所要の関係値が存在
していることを突き止めたのである。
【0006】その結果、図4に示すように、例えば、焼
成炉(窯)の場合について、従来の炉とは異なる温度特
性を得た。供給熱エネルギーを一定とした場合、温度の
経時変化は、従来例(通常の窯業炉)では、約1,00
0℃を越える辺りから、急激に低下し、飽和してくる
(これを点線で示す)が、本発明の炉では、所要温度で
ある1,250℃を越えても、温度の経時的変化が高く
維持され(これを実線で示す)。この事態の相違は、次
のように理解される。即ち、従来例では、温度上昇に連
れて、排気口及び炉壁を介して外部に放出される熱エネ
ルギーが急激に増加されるため、温度上昇率が低下され
る(窯業界では、通常、1,120℃〜1,180℃を
「熱の壁」と称している)が、本発明では、その特殊な
断熱構造のために、温度上昇に連れても、供給熱エネル
ギーに対して、放出熱エネルギーが少なく、所要温度を
越えても、その温度上昇率を維持する。
【0007】このため、実験的経験によれば、過剰温度
上昇で、寧ろ、バーナー口を焼損するなどの虞がある。
これはエネルギーの損失であり、特に、窯業のための焼
成炉では、所要温度を維持することが必要なので、この
現象(過剰温度上昇)は回避しなければならない。
【0008】そこで、本発明者は、熱エネルギーの経済
性を考慮して、新たな実験において、所要温度(例え
ば、1,250℃)に到達した時点で、バーナーのコッ
クを絞り、供給熱エネルギーを抑制すると共に、排気口
の通過断面積を減少させてみた。因みに、実験では、上
記コックの絞りを50%程度、排気口の通過断面積を全
開時の70%程度とした。
【0009】その結果、コックの絞り具合いと排気口の
減少との割合によっては、寧ろ、炉内温度が急激に上昇
する事態になっている(これを図4に太い実線で示
す)。これは、上述の排気口の通過断面積の減少による
排気口からの排出熱エネルギーの抑制効果と、本発明に
係わる炉壁の高い断熱性、更には、外壁部材内面での輻
射熱反射とが、供給熱エネルギーの或る程度の抑制で
は、その炉内容積について、熱エネルギー供給が過剰と
なって(火炎の噴射口における燃料ガス供給量に比較し
て、二次空気供給量が増し、高温状態での燃焼効率が高
まる)、その温度上昇率が増大されると推定されるので
ある。これは、溶鉱炉などの制御温度の高い(例えば、
1,520〜1,700℃程度の)炉では、寧ろ、好ま
しいことである。
【0010】そこで、更にコックの絞りを、例えば、3
0%程度、排気口の通過断面積を、それと同程度、例え
ば、30%程度にした結果、通常、窯業で使用される所
要温度(1,250℃程度)に調整することができた
(図4の2点鎖線を参照)。これは、燃料の経済性と、
温度の安定性の両面で有利な現象である。
【0011】
【発明の目的】本発明は上記事情に基いてなされたもの
で、設計上、高い熱効率において、炉内での急速な昇温
を達成し、しかも、高温度状態を経済的に達成し、ある
いは/および、所要温度に安定的に維持できるようにし
た炉内温度の制御法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
火口から火炎を導入して、炉体内を所要の高温状態にす
る炉において、セラミックで構成した耐火材で、炉体の
内壁部材を構成し、炉体の外側部を構成する外壁部材と
上記内壁部材との間に、断熱空隙を形成すると共に、上
記断熱空隙を真空側に低圧化し、上記火口におけるバー
ナーからの火炎で、炉内を所要温度に昇温した時点ある
いはその近辺で、上記バーナーへの燃料供給量を低減す
ると共に、これに対応して、排気口の口径(通過断面
積)を縮小するように制御するのである。
【0013】そして、要すれば、その制御は、上記バー
ナーへの燃料供給量の低減率(絞り)よりも排気口の口
径(通過断面積)の低減率(絞り)を少なくして、温度
制御開始以後も、漸次、炉内温度の上昇を図るように
し、あるいは、上記バーナーへの燃料供給量の低減率
(絞り)と排気口の口径(通過断面積)の低減率(絞
り)とをほぼ同じにして、温度制御開始以後、炉内温度
をほぼ所定温度に維持するように制御することで、更に
は、上記バーナーへの燃料供給量の低減率(絞り)より
も排気口の口径(通過断面積)の低減率(絞り)を少な
くして、温度制御を開始し、それ以後に、漸次、元の状
態に向けて両低減率を下げて、炉内温度の上昇を図るよ
うにしたことで、好ましい成果を達成する。
【0014】この場合、上記炉の構造において、内壁部
材を構成する耐火材には、セラミック繊維を成形した軽
量耐火材を用い、その内壁部材の外側の密度を高くする
ように、そこにセラミック系耐火硬化剤を含浸もしくは
塗布し、また、内壁部材が白熱化した際の断熱性を向上
するため、上記外壁部材の内側を輻射熱反射面に構成し
ているとよい。
【0015】
【作用】これにより、内壁部材で囲まれた炉内では、完
全な燃焼状態が得られ、しかも、所要温度に上昇した時
点あるいはその近辺では、バーナーへの燃料供給量を減
少させ、また、排気口の縮小調整で、熱エネルギーの無
効損失を少なくするから、断熱空隙による十分な断熱性
を発揮しながら、更には、輻射熱反射の効果で、急速昇
温が可能であり、また、高温状態を経済的に達成し、あ
るいは/および、所要温度に安定的に維持することがで
きる。
【0016】そして、このように熱効率を向上すること
で、比較的小型の熱源を用いても、十分な高温状態を得
ることができ、あるいは、所要炉内温度を確保できるよ
うになり、耐火煉瓦などの熱容量の大きな耐火物で炉体
を構成する従来の炉の構造に比較して、かなりの規模
で、炉のコンパクト化も実現できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の炉内温度制御法を、陶器など
の組立式焼成炉に適用した実施例について、図面を参照
して、具体的に説明する。上記焼成炉は、図1に示すよ
うに、ほぼ正方形の偏平な炉台1と、バーナーノズル挿
入口を有すると共に炉台1上に設置される偏平な火口部
材2と、火口部材の内部と連通する火炎導入口3Aを有
すると共に火口部材2上に設置される炉床部材3と、炉
体外周を炉床部材3上に組立・構成する複数の、この実
施例では、4枚の板状外壁部材4と、外壁部材4に対し
て所要の(例えば、5mm程度の)断熱空隙10を介し
て炉体内周を組立・構成するように炉床部材3上に設置
される複数の、この実施例では、4枚の板状内壁部材5
と、天蓋を構成する排気孔6A付の偏平な炉蓋部材6
と、炉蓋部材6上に設置されて排気孔6Aに連通する煙
突部材7とより構成されている。そして、少なくとも内
壁部材5は、セラミック繊維を、例えば、圧縮成形の手
段で、成形した薄い軽量耐火材で構成されている。な
お、上記軽量耐火材は、好ましくは15mm〜35m
m、例えば、25mm程度の厚さになっている。また、
この実施例では、運搬、その他の取扱上の便宜から、殆
ど全ての構成部材を、内壁部材と同じ材質の、軽量耐火
材で構成している。そして、内壁部材5で囲まれた炉内
には、棚板13を介して、被焼成物が置かれる。
【0018】また、炉体の上に被嵌した炉蓋と内壁部材
との間の空隙を利用する場合など、上記断熱空隙の空気
を、炉体内からの排気効果によって、炉体内に漏出させ
ることにより、上記断熱空隙内の空気密度を、真空側に
低下させることができるので、このための付帯設備を必
要としない。
【0019】この場合、本発明では、炉の火口における
バーナー9の火炎の導出口径(通過断面積)と、バーナ
ー9への一次空気導入口径(通過断面積)との割合が、
ほぼ、25:4ないし16:1、好ましくは、9:1に
なるような構造上の設定がなされる。また、要すれば、
上記バーナー9の火炎の導出口径(通過断面積)と、そ
の周囲からの二次空気導入口径(通過断面積)との割合
が、ほぼ、1:1ないし2:3、好ましくは、4:5に
なるような構造上の設定がなされる。
【0020】また、要すれば、上記炉体からの排気孔6
Aの通過断面積を、バーナー9の火炎の導出口径(通過
断面積)の1.5倍以内、好ましくは1.3倍になるよ
うな構造上の設定がなされる。更には、炉内容積を設定
する炉内高さを、バーナー9の火炎の噴出圧力(熱源の
噴射圧力)の増減に対応して、増減させた値に設定する
と共に、同じく、炉内容積を設定する炉内横断面積に対
して、バーナー9の火炎の導出口径(通過断面積)を、
ほぼ6分の1以下、好ましくは7分の1になるような構
造上の設定をなしている。
【0021】なお、本発明の炉では、内壁部材5の外側
の密度を高くするように、そこにセラミック系耐火硬化
剤11が設けられており、また、炉蓋部材6は、内外二
重の構成になっており、炉蓋部材6と内壁部材5との
間、この実施例では、炉蓋部材の内外壁間から内壁部材
5の上端にかけて、断熱空隙10内の空気密度を真空側
に低下させるように、例えば、排気孔6Aに連通する僅
かな空隙12が形成されている。なお、この場合、内壁
部材5の外側に含浸もしくは塗布されるセラミック系耐
火硬化剤とは、例えば、通常、高温耐熱材料として使用
されている、シリカ、アルミナ、酸化鉄等の組成よりな
るセラミックスを主原料とするもの、その他、例えば、
コーティング・セメントなどである。また、内壁部材5
が白熱化した際の断熱性を向上するため、外壁部材4の
内側を、同じく、セラミック系耐火材の白色面もしくは
鏡面などの輻射熱反射面14に構成している。
【0022】なお、この実施例では、火口部材2は、3
個の直方体のブロックの組合せで構成されている。ま
た、炉床部材3および炉蓋部材6には、外壁部材4およ
び内壁部材5の設置位置を規制する段差3B、3Cおよ
び6B、6Cを、それぞれ形成している。また、外壁部
材4および内壁部材5は、それぞれ、組み合わされる隣
接側縁に、互いに嵌合する突出部4A、5Aおよび嵌合
溝4B、5Bを形成している。また、煙突部材7も、排
気孔6Aを囲む4枚の板部材7Aと、排気孔7Bを備え
た天蓋7Cとより構成されている。そして、これら板部
材7Aの側縁にも、互いに嵌合する突出部7Dおよび嵌
合溝7Eが形成されている。なお、天蓋7Cの排気孔7
Bは、その通過断面積が選択できるように、その開口を
調整できる構造になっている。即ち、この実施例では、
同じ大きさの排気孔7Bを有する別の天蓋7Fを用意し
て、これを、その位置を天蓋7C上で選択的にずらせ、
両方の排気孔7Bの重なり具合いで、通過断面積を調整
するのである。
【0023】従って、炉体の断熱構造、輻射熱の反射、
その他、上述の諸条件で、内壁部材5で囲まれた炉内で
は、完全な燃焼状態が得られ、しかも、炉内が所要温度
(例えば、1,000℃以上)に上昇された時点あるい
はその近辺では(図4中、t 1、t2で示す)、上記バー
ナー9への燃料供給量の低減率(絞り)と排気口(排気
孔7B)の口径(通過断面積)の低減率(絞り)とをほ
ぼ同じにして、温度制御開始以後、炉内温度をほぼ所定
温度に維持するように制御する。
【0024】即ち、バーナー9のコック15を絞って、
例えば、燃料を全開時の30%程度の供給量に制御する
と共に、上述の排気の調整(ここでは、コック15の絞
りと同程度の、例えば、30%の通過断面積に減少)
で、熱エネルギーの無効損失を少なくする。このため、
断熱空隙による十分な断熱性を発揮しながら、しかも、
急速昇温が可能で、かつ、所要の高温状態を安定に維持
する(図4において2点鎖線で表示)ことができる。
【0025】なお、上記実施例は、陶器などの焼成炉を
対象として、説明しているので、炉内温度を、例えば、
1,250℃程度に安定させているが、この対象を溶鉱
炉等に適用する場合には、所要温度に到達した時点ある
いはその近辺で、上記バーナーへの燃料供給量の低減率
(絞り)よりも排気口の口径(通過断面積)の低減率
(絞り)を少なくして、温度制御開始以後も、漸次、炉
内温度の上昇を図るようにするか、もしくは、上記バー
ナーへの燃料供給量の低減率(絞り)よりも排気口の口
径(通過断面積)の低減率(絞り)を少なくして、温度
制御を開始し、それ以後に、漸次、元の状態に向けて両
低減率を下げて、炉内温度の上昇を図るようにするとよ
い。
【0026】即ち、その一例として、バーナー9のコッ
ク15を、例えば、全開時の50%程度に絞り、また、
排気孔7Bの通過断面積を、例えば、コック15の絞り
割合の3分の2〜2分の1程度、即ち、ここでは25%
程度に、その減少量を抑えて、もしくは、その後、元の
状態に向けてコック15の絞り、排気孔7Bの通過断面
積の減少量を、漸次、戻すように制御することで、熱エ
ネルギーの経済性を得ながら、炉体が焼損しない範囲
で、更なる温度上昇(例えば、1,520℃以上)を促
してもよい。
【0027】更に、この実施例では、内壁部材5がセラ
ミック繊維を成形した薄い軽量耐火材で構成され、熱容
量が小さく、しかも、内壁部材5の外側に耐火材11を
設けて、空隙に対する気体透過性を抑えているので、高
い断熱性が維持され、所要の高温度(陶器の焼成には、
通常、1250℃)に、炉内を素早く昇温することがで
き、高い熱効率を維持できる。このため、プロパンガス
などの手軽な熱源を用い、これを、図示のように、ガス
ボンベ8からガスバーナー9に導いて、バーナー挿入口
3Aにある、そのノズルから噴射し、燃焼させる程度の
火力、熱エネルギーでも、火炎導入口3Aを介して、炉
内に導かれた火炎により、十分に、陶器などの焼成を達
成できるのである。
【0028】また、断熱空隙10が真空側に低圧化され
るので、断熱性が著しく向上する。このため、内壁部材
5が炉内温度で白熱化しても、外壁部材4の内面は、実
質的に、800℃を越えるようなことがないなので、表
面の耐火材が赤熱化することがなく、白色面を維持する
から、輻射熱の反射効率を高い値に維持でき、益々、炉
の断熱性を向上できる。また、この実施例では、排気孔
6Aにおける排気流のエゼクタ効果で、断熱空隙10の
低圧化が、特別な付帯設備を用いなくても、十分に達成
できる。なお、発明者の実験的経験によれば、断熱空隙
10と排気孔6Aとを結ぶ空隙12の通過断面積は、エ
ゼクタ効果を維持するために、排気孔6Aの通過断面積
の3分の1以下であることが必要である。
【0029】なお、この実施例では、平板状の外壁部材
4および内壁部材5の組合せで、二重構造の炉体を構成
したが、例えば、円筒状の外壁部材および内壁部材で構
成しても良いことは勿論である。また、この実施例で
は、装備していないが、上記炉内温度を温度センサで測
定し、その測定値に基づいてバーナー9への燃料供給量
および排気孔7Bの口径(通過断面積)を制御するよう
な構成にするとよい。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上詳述したようになり、火
口から火炎を導入して、炉体内を所要の高温状態にする
炉において、セラミックで構成された耐火材で、炉体の
内壁部材を構成し、炉体の外側部を構成する外壁部材と
上記内壁部材との間に、断熱空隙を形成すると共に、上
記断熱空隙を真空側に低圧化し、上記火口におけるバー
ナーからの火炎で、炉内を所要温度に昇温した時点ある
いはその近辺で、上記バーナーへの燃料供給量を低減す
ると共に、これに対応して、排気口の口径(通過断面
積)を縮小するように制御するので、設計上、高い熱効
率において、炉内での急速な昇温を達成し、しかも、経
済性を発揮しながら高温状態を達成でき、あるいは/お
よび所要の高温度状態を安定的に維持でき、高いコンパ
クト設計の炉の構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】上記実施例の分解斜視図である。
【図3】上記実施例の縦断側面図である。
【図4】炉内温度特性を示す図である。
【符号の説明】
1 炉台 2 火口部材 3 炉床部材 3A 火炎導入口 3B、3C 段差 4 外壁部材 4A 突出部 4B 嵌合溝 5 内壁部材 5A 突出部 5B 嵌合溝 6 炉蓋部材 6A 排気孔 6B、6C 段差 7 煙突部材 7A 板部材 7B 排気孔 7C 天蓋 7D 突出部 7E 嵌合溝 7F 天蓋 8 ガスボンベ 9 バーナー 10 断熱空隙 11 耐火材 12 空隙 13 棚板 14 輻射熱反射面 15 コック

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火口から火炎を導入して、炉体内を所要
    の高温状態にする炉において、セラミックで構成した耐
    火材で、炉体の内壁部材を構成し、炉体の外側部を構成
    する外壁部材と上記内壁部材との間に、断熱空隙を形成
    すると共に、上記断熱空隙を真空側に低圧化し、上記火
    口におけるバーナーからの火炎で、炉内を所要温度に昇
    温した時点あるいはその近辺で、上記バーナーへの燃料
    供給量を低減すると共に、これに対応して、排気口の口
    径(通過断面積)を縮小するように制御することを特徴
    とする炉内温度の制御法。
  2. 【請求項2】 上記炉内温度を温度センサで測定し、そ
    の測定値に基づいてバーナーへの燃料供給量および排気
    口の口径(通過断面積)を制御することを特徴とする請
    求項1に記載の炉内温度の制御法。
  3. 【請求項3】 上記バーナーへの燃料供給量の低減率
    (絞り)よりも排気口の口径(通過断面積)の低減率
    (絞り)を少なくして、温度制御開始以後も、漸次、炉
    内温度の上昇を図るようにしたことを特徴とする請求項
    1あるいは2に記載の炉内温度の制御法。
  4. 【請求項4】 上記バーナーへの燃料供給量の低減率
    (絞り)と排気口の口径(通過断面積)の低減率(絞
    り)とをほぼ同じにして、温度制御開始以後、炉内温度
    をほぼ所定温度に維持するように制御することを特徴と
    する請求項1あるいは2に記載の炉内温度の制御法。
  5. 【請求項5】 上記バーナーへの燃料供給量の低減率
    (絞り)よりも排気口の口径(通過断面積)の低減率
    (絞り)を少なくして、温度制御を開始し、それ以後
    に、漸次、元の状態に向けて両低減率を下げて、炉内温
    度の上昇を図るようにしたことを特徴とする請求項1あ
    るいは2に記載の炉内温度の制御法。
  6. 【請求項6】 上記内壁部材を構成する耐火材には、セ
    ラミック繊維を成形した軽量耐火材を用い、その内壁部
    材の外側の密度を高くするように、そこにセラミック系
    耐火硬化剤を含浸あるいは塗布し、炉体の外側部を構成
    する外壁部材と上記内壁部材との間に、上記断熱空隙を
    形成すると共に、上記外壁部材の内側を輻射熱反射面に
    構成していることで、上記バーナーへの燃料供給量およ
    び排気口の口径(通過断面積)を制御する前に、炉内温
    度を所要温度まで上昇することを特徴とする請求項1に
    記載の炉内温度の制御法。
  7. 【請求項7】 温度制御前の炉内温度は、少なくとも、
    ほぼ1,000℃、好ましくは1,200℃以上である
    ことを特徴とする請求項1、2あるいは6に記載の炉内
    温度の制御法。
JP248694A 1994-01-14 1994-01-14 炉内温度の制御法 Pending JPH07208868A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005071337A1 (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Kimio Yamaguti 炉の構造
CN114777501A (zh) * 2021-07-26 2022-07-22 安徽金禾软件股份有限公司 一种高炉风口自动调节控制装置

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