JPH07208622A

JPH07208622A - ボール弁

Info

Publication number: JPH07208622A
Application number: JP828194A
Authority: JP
Inventors: Isamu Motomura; 勇本村; Yajuro Seike; 彌十郎清家; Koji Ogawa; 浩司小川; Minoru Inada; 実稲田; Haruyoshi Ono; 春義大野; Kozo Takeda; 宏造竹田; Akira Yoshida; 朗吉田
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1994-01-28
Filing date: 1994-01-28
Publication date: 1995-08-11

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明はCoal Water Mixture等の、微粒子を
含有する懸濁液輸送設備に適用されるフローティングタ
イプのボール弁に関する。ボディ内周面でボールを回動
して、通路の開閉を行うボール弁は導通流体中の微粒子
の摺動部への沈積、固着により、開閉トルクの増大、作
動不良を来す不具合があり、清掃作業を頻繁に行う必要
があり、設備の運転停止が頻繁になる等の不具合があっ
た。【構成】本発明は、ボール弁の間隙部に導通流体の流
入を防止し、又は流入しても循環させて静置するのを防
止し、又は沈降、固着してもボールを外部からの流体圧
によって強制的に動かす前処理を行うことによって、ボ
ール弁の開閉トルクの増大を低減したものである。これ
により、従来ボール弁の不具合が解消でき、長時間の運
転にかかわらず、良好に作動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はＣＷＭ（Coal Water Mix
ture：石炭水スラリ）輸送設備の輸送ライン、および循
環ラインに適用されるフローティングタイプのボール弁
に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＣＷＭ輸送設備の輸送ライン、および循
環ラインには、一般的にフローティングタイプ、および
トラニオンタイプのボール弁が使用されている。

【０００３】従来、使用されている、フローティングタ
イプのボール弁０１０の全開時の側断面図を図７に、図
７の矢視Ｂ−Ｂ断面を図８に、また、全閉時の側断面図
を図９にそれぞれ示す。図７において、ボール弁０１０
の構造は、両側部に外部の配管と連結するフランジを具
えたボディ０１と、ボディ０１の内部に、ボディ０１の
両側部（前後）に設けられた入口０２、および出口０３
の内端に配設されたシート面（リング）０４ａ、０４ｂ
で外周面が保持され、回動自在にされ、内蔵されたボー
ル０５からなる。ボール０５は、入口０２と出口０３と
連通する通路、および通路と直交して入口０２、出口０
３を閉鎖する外側面を備える外周面から構成され、ボー
ル弁０１０を通過する導通流体の通路である出入口０
２，０３の開閉は、ボディ０１を貫通してボディ０１内
に挿入された駆動軸０６を回転させて行う。

【０００４】この駆動軸０６の下端は、ボール０５外周
面上部に設けた凹溝に納まってボール０５と連結され、
駆動軸０６の回転と一体となってボール０３も回転を行
うが、閉鎖時のボール０５は上流側又は下流側にボディ
０１内の遊動を許容する構造になっている。また、駆動
軸０６を伝って導通流体の外部への漏れを防止するた
め、駆動軸０６のボディ０１貫通部上部には、グランド
０７およびグランド押え０８が取付けてある。さらに、
ボディ０１内部には、シート面０４ａ，０４ｂが配設さ
れボール０５を保持する部分を除き、ボール０５の外周
面との間に空間が設けられ、ジャケット部０９が形成さ
れている。すなわち、ジャケット部０９はシート面０４
ａ，０４ｂを介して、入口０２、出口０３と連通できる
構造となっている。

【０００５】このように、フローティングタイプのボー
ル弁０１０には、ボール０５の位置を固定する固定軸、
又は皿バネが使用されてなく、ボール０５はボール弁０
１０に流入する導通流体によって、後流側に押され、ボ
ディ０１に設けられたシート面０４ｂ、０４ａとボール
０５外周面とが密着してシ−ルを行う構造となってい
る。この様な、ボール弁０１０が導通流体中に多くの微
粒の固形物質を含むＣＷＭの輸送設備等に使用される場
合、ボール弁０１０を閉鎖したとき、輸送ポンプにより
加圧されたＣＷＭの圧力により、ボール０５が出口側に
遊動し、ボール０５外周面と入口側シート面０４ａとの
間に隙間を生じ、ボディ０１とボール０５の間に設けら
れたジャケット部０９にＣＷＭが入り込み、又はシート
面上に滞留することとなる。ＣＷＭは粉砕して微粒子に
した石炭を水に多量に混入したものであり、水との親和
性を良くして、水に混入しやすくしているものの、長時
間静置すると、水に混入された石炭は徐々に沈降分離す
る。

【０００６】一方、発電所等に設置され、ＣＷＭ貯蔵タ
ンクから燃焼用ストレージタンクにＣＷＭを移送するＣ
ＷＭ輸送設備に使用されるボール弁の開閉頻度は、通常
１回／日程度であり、頻繁な開閉は行われない。

【０００７】従って、ジャケット部０９に入り込んだＣ
ＷＭ、およびシート面の近傍のＣＷＭは、長時間その位
置に滞留することになり、導通流体中に含まれる微粒子
は沈降分離してボール０５外周面、駆動軸０６下部、又
はシート面に固着する。これらのボール弁０１０可動部
へのＣＷＭの沈降分離は、ボール弁０１０の開閉トルク
上昇を発生させる。特に、ボディ０１とボール０５が摺
動するシート面へのＣＷＭの滞積は、回動トルクの上昇
を招き、作動不良を生じる結果となる。そのため、これ
らの清掃作業を頻繁に行う必要があり、多大の時間とコ
ストを必要とし、また設備の連続運転に支障を来すとい
う不具合がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のボー
ル弁の不具合を解消するため、導通流体に混入する微粒
子がボール弁の可動部、特に、ボディとボールが摺動す
るシール面に滞積、固着して、ボール弁の開閉トルクを
増大させ、遂には、作動不良となるのを防止するボール
弁を提供することを課題とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このため、本発明のボー
ル弁は次の手段とした。（１）ボール弁を構成する、ボディとボールとの間に形
成されるジャケット部に、ボール弁を通過させる導通流
体が流入しないようにシ−ル面を閉鎖し、又は、流入し
ても短時間のうちに排出し、又はジャケット部の内部を
循環させて流入した導通流体が滞留しないようにして、
導通流体中に混入する微粒子がボディとボールとの摺動
部に滞積し、固着しないようにすることにより、若しく
は微粒子が摺動部に固着してもボールを変位させて摺動
摩擦を小さくすることによって、バルブ開閉トルクの上
昇を低減する軽減手段を設けた。

【００１０】また、他の本発明のボール弁は、上記
（１）の軽減手段を次のものとした。（２）ジャケット部に連通する洗浄液入口部と洗浄液出
口部を、ボディに穿設して、導通流体の一部を分岐して
洗浄液入口部からジャケット部に導入し、流入した導通
流体を洗浄液出口部から排出し、ジャケット部に導通流
体を循環させるものとした。

【００１１】また、他の本発明のボール弁は、上記
（１）の軽減手段を次のものとした。（３）ジャケット部に連通する加圧空気吹込み口を、ボ
ディに穿設して、外部の高圧空気源から導通流体より高
圧の空気をジャケット部に導入し、ジャケット部への導
通流体の流入を防止するものとした。

【００１２】また、他の本発明のボール弁は、上記
（１）の軽減手段を次のものとした。（４）ボールと摺動するボディ内周面に設けられ、ボー
ル外周面とボディ内周面を密着してシールするシート面
を、導通流体の圧力によってボールが変位しても、ボー
ル外周面に追縦して移動させ、ボール外周面に常時押し
付けるようにする弾性部材を、ボディ内周面とシート面
との間に介装させるものとした。

【００１３】また、他の本発明のボール弁は、上記
（１）の軽減手段を次のものとした。（５）ボディの出口側開口に連通する高圧空気注入口を
設け、開口を閉鎖するボールが導通流体の圧力により移
動して出口側に固着しても、出口側開口に高圧空気を注
入してボールを入口側へ移動させ、位置を矯正するもの
とした。

【００１４】

【作用】上記（１）の発明によれば、（１）ボール弁を構成する、ボールの外周面とボディの
内周面に形成されるジャケット部に、ボール弁で導通、
遮断を行う導通流体が流入することなく、または、流入
しても直ぐに排出され、または、ジャケット部に滞留す
ることがなく、何れにしても導通流体中の微粒子が沈降
し、ボール外周面とボディ内周面との摺動部に設けられ
たシール面に滞積し、固着することがなく、さらには、
閉鎖時にシール面に滞積、固着しても、外力により強制
的にボールを変位させ、固着力を低減して、ボディ内部
でのボールの回動に伴う、ボール弁の開閉トルクの増加
を低減し、作動不良になるのを防止できる。また、開閉
トルクの増大に伴う滞積、固着した微粒子の除去作業の
頻度を低減でき、設備の運転中断を低減できる。

【００１５】また、上記（２）の発明によれば、（２）ボディに穿設した洗浄液入口部から、ボール弁を
通過させる導通流体と同じ性状の流体をジャケット部に
供給し、同じくボディに穿設した洗浄液出口部からジャ
ケット部に流入した導通流体を排出して、常時循環させ
ることにより、ジャケット部が常時洗浄されるため、導
通流体に含まれる微粒子の沈降が起こらず、バルブ開閉
トルクの上昇がおさえられ、作動不良を防止することが
できる。

【００１６】また、上記（３）の発明によれば、（３）ボディに穿設した加圧空気吹込み用入口部からジ
ャケット部に、ボール弁内の導通流体の圧力にくらべ高
い圧力の空気を、ボール弁が開のときに吹き込むことに
より、ボール弁内からジャケット部への導通流体の流入
を防止し、ボール弁が開から閉となる過程で、ジャケッ
ト部に流入した導通流体は、ボール弁内に流出されるた
め、前記（２）同様に微粒子の沈降が生ぜず、バルブ開
閉トルクの上昇がおさえられ、作動不良を防止すること
ができる。

【００１７】また、上記（４）の発明によれば、（４）ボール弁の閉鎖時、導通流体の圧力でボールが後
流側に遊動しても、前流側シート面はシート面とボディ
の間に介装された弾性部材により、常にボールと接触
し、シールを行うことができ、ジャケット部への導通流
体の流入を防止でき、前記（３）同様にバルブ閉鎖トル
クの上昇がおさえられ作動不良になるのを防止できる。

【００１８】さらに、上記（５）の発明によれば、（５）ボール弁閉鎖時、出口側へ遊動したボールに、ボ
ール弁を開放する前にボディ出口側開口に設けられた高
圧流体注入口に、高圧の導通流体又は外部からの圧縮空
気を注入することによって逆圧をかけて、遊動位置から
所定位置迄戻す。所定の位置に戻ったボールは、出口側
シートに押し付けられていた面圧から解放され、初期の
トルクと同程度となる。このように、弁全開前に逆圧操
作を行うことでトルクの上昇を抑制でき、作動不良にな
るのを防止できる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明のボール弁の実施例を図面によ
り説明する。図１〜図３は、本発明の第１実施例を示す
図であって、第１図はボール弁を開放したときの側断面
図、図２は図１の矢視Ａ−Ａ横断面図、図３は図１のボ
ール弁をＣＷＭ輸送設備に適用した輸送系統図である。

【００２０】１はフローティングタイプのボール弁１０
を構成するボディで、駆動軸２を介してボール３を内部
に保持しており、入口４側および出口５側の内端には、
ボール３の外周面と接触するシート面６がテフロンで形
成されている。７はボディ１の内周面とボール３の外周
面で形成された閉鎖空間（ジャケット部）である。ま
た、ボディ１には外面からジャケット部７に貫通する洗
浄液入口部８および洗浄液出口部９が設けられている。

【００２１】図３の輸送系統図に示すように、導通流体
としてのＣＷＭは、ＣＷＭ貯蔵タンク１１から輸送ポン
プ１２およびトラニオンタイプのボール弁１３を介して
ストレージタンク１７に輸送される。１４は沈降防止用
の循環ラインで、ＣＷＭは、上記フローティングタイプ
のボール弁１０を介して、ＣＷＭ貯蔵タンク１１に戻
り、循環される。１５は、分岐管としての循環洗浄用ラ
インで、ＣＷＭは輸送ポンプ１２によって、分岐管１５
を通って、ボール弁１０のボディ外面に設けたＣＷＭ入
口部８からジャケット部７の内部へ供給され、ジャケッ
ト部７に滞留しているＣＷＭを押し出し、入れかわりな
がら、ＣＷＭ出口部９から排出され、循環洗浄用ライン
１６により輸送ポンプ１３の入口側に戻されるため、ジ
ャケット部７のＣＷＭの沈降、固着によるトルク上昇を
防止することができる。

【００２２】上述した実施例において、濃度６７．７％
のＣＷＭを流量１００m³/Hで、１日当たり１時間沈降防
止用の循環ライン１４を運転したのち、同じ流量で１日
当たり８時間ストレージタンク１７に輸送した。循環洗
浄用ライン１５は沈降防止用の循環ライン１４開始と同
時に運転し、ボール弁１０のジャケット部７の循環洗浄
を３０日間実施した。その結果３０日後のボール弁１０
の開閉トルクは輸送開始直後と同じく、７０kg・m であ
り、作動不良を起こすことなく連続運転が出来た。循環
洗浄用ライン１４を設けない従来の装置では、輸送開始
直後からトルクが上昇し始め、３０日後では２５０kg・
m まで上昇し、作動不良となった。

【００２３】本実施例では、ジャケット部７のＣＷＭを
洗浄交換するために輸送用ＣＷＭによる循環を行った
が、他の方法としては水による洗浄を行ってもよい。こ
の場合には、水洗用ポンプおよび汚水貯槽を別に設置
し、ボール弁の開のときのみ、ジャケット部のＣＷＭ洗
浄を間欠的に行なうことによりトルク上昇を防止でき
る。

【００２４】次に、図４は本発明のボール弁の第二実施
例を、ＣＷＭ輸送設備に適用した輸送系統図である。本
実施例では、第一実施例におけるボディ１の外面からジ
ャケット部７に貫通する洗浄液入口部８および洗浄液出
口部９を加圧空気吹込み用入口部２１として、加圧空気
を開閉手段により、加圧空気吹込み口２１に吹き込むよ
うにしたものである。同図において、ＣＷＭはＣＷＭ貯
蔵タンク１１から輸送ポンプ１２およびトラニオンタイ
プのボール弁１３を介してストレージタンク１７に輸送
される。１４は沈降防止用の循環ラインで、これを通過
するＣＷＭは、上記フローティングタイプのボール弁２
０を介して、ＣＷＭ貯蔵タンク１１に戻り、循環され
る。加圧空気は、コンプレッサ１８から加圧空気吹込用
ライン１９を介して、ボール弁に設けられた加圧空気吹
込用入口部２１から、ボール弁２０が開のとき供給さ
れ、ボール弁２０が閉のとき、止める。

【００２５】上述した実施例において、ボール弁２０を
開き、加圧空気（２０kg/cm³）をジャケット部７に吹込
みながら、濃度６７．６％のＣＷＭを流量１００m³/Hで
１日当たり１時間、沈降防止用の循環ライン１４を運転
（内圧１５kg/cm³）したのちボール弁２０を閉にした。
次に、同じ流量で１日当たり８時間ストレージタンク１
７に輸送後ボール弁２０を開き、加圧空気（２０kg/c
m³）をジャケット部７に吹き込みながら閉にした。この
運転を３０日実施した結果、３０日後のトルクは輸送開
始直後とほとんど同じく、７５kg・m であり、作動不良
を生ずることなく連続運転ができた。加圧空気吹き込み
がない従来の装置では輸送開始直後からトルクが上昇
し、３０日後では、２５０kg・m に達し、作動不良とな
った。

【００２６】次に、図５は本発明のボール弁の第三実施
例を示すもので、全閉時の側断面図を示す。ボール弁３
０はボディ３１と、駆動軸３２を介してボディ３１内に
保持されているボール３３で構成されている。ボディ３
１の両側に形成された入口３４、出口３５の内端に形成
されたシート面には、シートリング３６、３７が設けら
れ、その背面と、ボディ３１内周面との間に介装され
た、皿バネ３８、３９によって、シートリング３６，３
７をボール３３の外周面を押付ける様になっている。ま
た、ボール３３と駆動軸３２は、ボール３３の上端外周
面に設けられた凹溝４０に駆動軸３２の下端が納まり、
凹溝４０に沿って位置が移動しない様に、複座用のコイ
ルバネ４１、４２で押付けられている。また、駆動軸３
２から上部への漏れ防止はグランド４３、およびグラン
ド押え４４で行われている。なお、図示省略したが同様
のものは、図１〜図３のものでも同様に採用されてい
る。

【００２７】ＣＷＭ輸送中ラインの切換を実施する場合
は、ボール弁３３を全閉にする。その場合は、輸送ポン
プの吐出圧がボール弁３３の開口３４からボール３３に
作用し、ボール３３が開口３５側へ押付けられる。この
時開口３４側のシートリング３６は皿バネ３８の力でボ
ール３３の外周面と接触を保っているので、開口３４側
のボディ３１とボール３３間のシート面を通って空間ジ
ャケット部１７へＣＷＭが混入することはない。さら
に、ボール弁３０が開放され、それまでボール３３にか
けられていた導通流体の圧力が取り除かれた後は、開口
３５側シート面３７に押付けられていたボール３３は、
開口３４側のボール３３とボディ３１との間にＣＷＭが
混入していないので、駆動軸３２とボール３３上面の凹
溝４０にある複座バネ４１、４２の力で、スムーズに所
定の位置に戻ることが出来るので、ボール３３とシート
面３９の面圧が上昇したままで生じる過大なトルクが発
生することがなくなる。

【００２８】次に、図６は本発明のボール弁の第四実施
例をＣＷＭ輸送設備に適用した輸送系統図である。図に
おいて、ＣＷＭは貯蔵タンク１１から輸送ポンプ１２、
およびトラニオンタイプのボール弁１３を介して、スト
レージタンク１７に輸送される。１４は沈降防止用の循
環ラインで、ＣＷＭは本実施例に係るボール弁５０を介
して貯蔵タンク１１に戻り循環される。ＣＷＭ輸送時に
は、ＣＷＭライン１４は閉にする必要があり、ボール弁
５０は閉鎖される。これによって、ボディ５１内でボー
ル５２は輸送ポンプ１２の吐出圧を受けて、出口側シー
ト面５６に押付けられた状態になっている。

【００２９】ＣＷＭ輸送後に、循環ライン１４を使用し
て貯蔵タンク１１内のＣＷＭを循環する場合には、ボー
ル弁５０を開にする必要があるが、ボール５２が輸送中
に内圧で遊動して、出口側シート５６に押付けられてい
たため、入口側シート５５との隙間から、ボール５２と
ボディ５１の空間、ジャケット部１７にＣＷＭが侵入し
て、輸送ポンプ１２を停止して、圧力を下げても元の位
置に戻りきれない。そのため、弁開閉操作前の状態で、
出口弁５６を閉めて逆圧用ライン弁５７を開け、輸送ポ
ンプ１２を起動して逆圧をかけるか、あるいはライン弁
５８を開にしてコンプレッサ５９のエアーを通気して逆
圧をかける方法で、遊動したボール５２、および空間部
に侵入したＣＷＭから沈降した微粒子を押し出して元の
位置に戻す。

【００３０】上記操作を弁開閉操作前に実施すること
で、ボール弁５０の開閉時に駆動軸６０にかかるバルブ
開閉トルクを安定させ、トルク増大による作動不良を防
止する。

【００３１】以上、本発明の実施例を４つ示したが、本
発明の軽減手段は、上記実施例のうちのいくつかの実施
例を適宜組合せたものを含むものである。

【００３２】

【発明の効果】以上述べたように、本発明のボール弁は
請求項１に示す構成により、ボール弁の開閉に要するト
ルクが使用時間の経過とともに上昇し、作動不良になる
ことを防止できる。また、作動不良を防止するために行
っていた清掃作業の間隔を長くでき、これに要する時
間、およびコストの低減に顕著な効果があるとともに、
設備の運転停止に伴う不具合を排除できる。

【００３３】また、本発明のボール弁は請求項２に示す
構成により、ボール弁のボディ外面に穿設した入口部か
ら輸送用ＣＷＭと同じ性状のＣＷＭをジャケット部に供
給するとともに、出口部から排出し、常時ジャケット部
内部を循環させることによって、ジャケット部のＣＷＭ
が常に交換されるため、バルブの開閉トルク上昇を生ず
ることなく連続運転ができる。

【００３４】また、本発明のボール弁は請求項３に示す
構成により、ジャケット部にボール弁の内圧より高い圧
力の空気を、ボール弁が開のときに吹込むことにより、
ボール弁内からジャケット部へのＣＷＭの流入を防ぎ、
ボール弁が開から閉となる過程でジャケット部内部のＣ
ＷＭはボール弁内に流出されるため、バルブの開閉トル
ク上昇が防止され連続運転が可能となる。

【００３５】また、本発明のボール弁は請求項４に示す
構成により、内圧でボールが後流側へ移動しても、入口
側シートリング背面の皿バネによって、ボールとシート
リングは接触を保ち続けている。そのため、入口側シー
トとボール間に隙間が出来て、ＣＷＭがボディとボール
の空間ジャケット部へ混入することが防止出来る。後流
側シートに押付けられたボールの位置を複座バネの力に
よって、所定の位置に戻すため後流側シートとの面圧の
上昇で生じる開閉トルクの増加が防止出来る。

【００３６】さらに、本発明のボール弁は請求項５に示
す構成により、全閉時にボールが後流側へ遊動してシー
トに押付けられていても、逆圧をかけることで所定の位
置迄確実に戻すことが出来る。これにより、後流側シー
トの面圧が低減されるので、シートの摩耗も少なくな
り、シートリングの寿命も向上する。また、弁開閉時
に、ボールの位置が一定であるので、駆動時のトルクが
安定する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のボール弁の一実施例を示す図で、解放
時の側断面図。

【図２】図１の矢視Ａ−Ａを示す横断面図。

【図３】図１の実施例をＣＷＭ輸送設備に適用した輸送
系統図。

【図４】本発明の第二実施例としてのボール弁をＣＷＭ
輸送設備に適用した輸送系統図。

【図５】本発明のボール弁の第三実施例を示す、閉鎖時
の側断面図。

【図６】本発明の第四実施例としてボール弁をＣＷＭ輸
送設備に適用した輸送系統図。

【図７】従来のボール弁の全開時の側断面図。

【図８】図７の矢視Ｂ−Ｂ横断面図。

【図９】従来のボール弁全閉時の側断面図である。

【符号の説明】

１ボディ２駆動軸３ボール４入口５出口６シート面７ジャケット部８洗浄液入口部９洗浄液出口部１０ボール弁１１ＣＷＭ貯蔵タンク１２輸送ポンプ１３トラニオンタイプのボール弁１４循環ライン１５循環洗浄用ライン１６循環洗浄用ライン１７ストレージタンク１８コンプレッサ１９加圧空気吹込用ライン２０ボール弁２１加圧空気吹込み口３０ボール弁３１ボディ３２駆動軸３３ボール３４入口３５出口３６，３７シート面（シートリング）３８，３９弾性部材としての皿バネ４０凹溝４１，４２複座用のコイルバネ４３グランド４４グランド押え５０ボール弁５１ボディ５２ボール５３入口５４出口５５（入口側）シート面５６（出口側）シート面５７出口弁５８逆圧用出口弁５９コンプレッサ６０駆動軸

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者稲田実長崎市飽の浦町１番１号三菱重工業株式会社長崎造船所内 (72)発明者大野春義長崎市飽の浦町１番１号三菱重工業株式会社長崎造船所内 (72)発明者竹田宏造長崎市飽の浦町１番１号三菱重工業株式会社長崎造船所内 (72)発明者吉田朗長崎県長崎市深堀町５丁目717番地１長菱エンジニアリング株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】両側部に外部の配管に連通する入口およ
び出口を具えたボディと、前記入口および出口を連通す
る通路および前記入口および出口を閉鎖するとともに前
記ボディ内周面との間にジャケット部を形成する外周面
を具え、前記ボディを貫通して設けた駆動軸により、前
記ボディ内周面の前記ジャケット部との連通部近傍に設
けられたシート面上を回動させられ前記入口および出口
を開閉するボールとからなるフローティングタイプのボ
ール弁において、内部を通過する導通流体中に含有され
る粒子が、前記シート面に沈積、固着して生じるバルブ
開閉トルクの上昇を低減する軽減手段を設けたことを特
徴とするボール弁。
【請求項２】前記軽減手段が、前記ジャケット部に開
口させて前記ボディに穿設され、前記導通流体を分岐し
て前記ジャケット部に循環させる分岐管と連通する洗浄
液入口部および洗浄液出口部であることを特徴とする請
求項１のボール弁。
【請求項３】前記軽減手段が、前記ジャケット部に開
口させて前記ボディに穿設され、前記ジャケット部への
導通流体の流入を防止する高圧空気源からの高圧空気を
前記ジャケット部へ導入する配管と連通する加圧空気吹
込み口であることを特徴とする請求項１のボール弁。
【請求項４】前記軽減手段が、前記シート面を常時前
記ボールの外周面へ付勢する、前記シート面と前記ボデ
ィ内周面との間に介装された弾性部材であることを特徴
とする請求項１のボール弁。
【請求項５】前記軽減手段が、閉鎖された前記ボディ
の出口に高圧の流体を導入して、前記出口を閉鎖する前
記ボールを前記入口側へ移動させる前記ボディの出口に
設けた高圧流体注入口であることを特徴とする請求項１
のボール。