JPH0720804Y2 - 行燈型照明器具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は伝統的な行燈型のスタンドに関し、更に詳しく
は、和紙部分にポジフィルム写真を取り付けて消灯時及
び点灯時において興趣豊かになるように、且つポジフィ
ルム写真を保護するように改良された照明器具に関す
る。

［従来の技術］ 自然風景その他適宜の模様を印刷したアクリル樹脂板の
後面に、これと同大の和紙を接着させてシェードを形成
し、このシェードを照明器具の笠体の内枠間に接着させ
たものが実開昭60-102810号公開実用新案公報に示され
ている。

また、図形・模様などを切り抜いた不透明板を光源の周
囲に設けられた半透明パネルに貼り付けた照明器具が実
開昭56-72408号公開実用新案公報に示されている。

［考案が解決しようとする課題］ 家屋構造の洋風化が著しいが、和室の持つ落ち付き、や
すらぎへの郷愁は依然として根強いものがある。和室の
場合には照明器具も和風のものが求められ、特に伝統的
な行燈形状のスタンド式照明器具が喜ばれている。この
ような照明器具では木と和紙によりフレーム及びシェー
ドを形成し、その中に白熱電灯を配置したものが最もポ
ピュラーである。

しかし、このような型式の照明器具は、単に懐古趣味に
訴えるのみで若干興趣に欠けるきらいが無きにしもあら
ずである。

そこで、前記した実開昭60-102810号公開実用新案公報
に示されているものでは、アクリル樹脂板の表面に自然
風景などを印刷すると共に、その後面に和紙を貼り付け
るようにして興趣を高めるよう工夫している。しかし、
この方法だと点灯しない昼間にも印刷した自然風景など
が見えることになり、消灯状態と点灯状態とで差がな
く、点灯してはじめて印刷部分が看取できるようになる
ものと興趣の差は明らかである。

また、印刷部分は固定的で交換性を持たないので、やが
て飽きが生じるのは必然である。

本考案は上記に鑑みて創作されたものであり、本考案は
消灯時には表面の和紙だけが見え、点灯時には内側に配
置した写真が透けて見えるように構成し、興趣に富んだ
照明器具を明らかにすることを主目的とするものであ
り、本考案の他の目的は、セットする写真を湿気及び熱
から保護することができる照明器具を明らかにすること
にある。

［課題を解決するための手段］ 本考案の上記課題は、火袋を形成する和紙の裏面側に、
透明なベースフィルムにポジ画像を写したポジフィルム
写真を配置し、消灯時には和紙が、点灯時には和紙に投
影されたポジフィルム写真の画像が看取できるように構
成されている行燈型照明器具であって、前記ポジフィル
ム写真の裏面側に該ポジフィルム写真を湿気及び熱から
保護する透明シートないしガラスが配置されていること
を特徴とする行燈型照明器具により解決される。

［実施例］ 次に本考案の実施例を添付の図面に従って詳細に説明す
る。

第１図は、本考案を置き行燈（有明行燈）に適用した場
合の参考例を斜視図で示すものであり、図中10は基台
部、20は火袋である。火袋20の木製フレーム21は、支柱
11を介して基台部10の上面に支持されている。火袋20の
四方の面は和紙22が貼り付けられている。和紙22として
はコーゾなどの流れ模様のある伝統的な和紙が用いられ
るほか、和紙様の合成紙或いは合成樹脂シートが用いら
れる。

和紙22の裏面には、風景や事物などを写したポジフィル
ム写真（透明なベースフィルムにポジ画像を写した写
真）23が貼り付けられている。従って、この状態（消灯
状態）では、和紙22の存在によりポジフィルム写真23の
画像は外側から看取することはできない構造になってい
る。

40は光源であり、螢光灯のような発熱を伴わないタイプ
のものであることが望ましく、白熱灯を用いる場合に
は、火袋20の和紙22を光源40から十分に離間させると共
に、ポジフィルム写真23に用いるベースフィルムには不
燃性ないし難燃性のものを使用するのが望ましい。

和紙22とポジフィルム写真23との接着には、熱溶着、透
明性の接着剤ないし粘着剤などが用いられる。

特に、本考案においては、ポジフィルム写真23のベース
フィルムはカールしやすいので、ガラス板などを利用し
てポジフィルム写真23を和紙22との間にサンドイッチ状
に押えるようにするか、又はポジフィルム写真23をガラ
ス板に貼り付け、更にその上に和紙22を貼り付けるよう
にするか、又は、２枚の和紙22を重ね合わせて配置し、
その中間にポジフィルム写真23を挿入するようにする。

第２図は、火袋20をユニット化した本考案の実施例を示
しており、木製フレーム21の内側に取り付けることがで
きる細い木枠24を用意し、その一面側に和紙22及びポジ
フィルム写真23を貼り付けるものである。図示の如きユ
ニットを４個用意し、木製フレーム21の内側に取り付け
れば火袋20を形成することができる。特に、本考案にお
いては、図示の如き実施態様で、ポジフィルム写真23の
裏面側に透明部材（シート、ガラスなど）を配置して三
層構造にし、湿気や熱からポジフィルム写真23を保護す
るように構成する。

第３図に示す本考案の別の実施例では、火袋20の木製フ
レーム21の内側に、和紙22と裏面紙25とにより袋状体を
形成し、その中にポジフィルム写真23を挿入するように
している。この態様においては、裏面紙25は和紙22と同
質の材質であってもよく、或いは透明なフィルムであっ
てもよい。

なお、以上説明した各実施例のものにおいて、火袋20の
上面は和紙などで閉鎖状態であってもよいが、開放状態
である方が、放熱作用の為には好ましい。

また、以上説明した本考案の行燈型スタンドは、基台10
及び支柱11に代えて、壁面などに取り付ける為のフック
或いは吊り下げ具などを、火袋20の木製フレーム21に取
り付けることにより、壁掛けタイプの如くに構成するこ
とができる。

［考案の効果］ 本考案の行燈型スタンド（照明器具）は、消灯時におい
ては、和紙22の存在によりポジフィルム写真23の画像を
看取することができず、点灯によって画像が和紙22に写
し出されるように看取することが可能になるものである
から、従来品に比較して極めて興趣に富んだものとする
ことができ、且つゼラチンを含むポジフィルム写真を湿
気及び熱から保護してカールするのを抑制できる。

以上により、本考案の上記した課題が解決される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の参考例を示す斜視図、第２図及び第３
図は本考案の実施例を示す要部斜視図である。 図中において各符号は下記を指示する。 10……基台 11……支柱 20……火袋 21……木製フレーム 22……和紙 23……ポジフィルム写真 24……木枠 25……裏面紙 40……光源

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】火袋を形成する和紙の裏面側に、透明なベ
   ースフィルムにポジ画像を写したポジフィルム写真を配
   置し、消灯時には和紙が、点灯時には和紙に投影された
   ポジフィルム写真の画像が看取できるように構成されて
   いる行燈型照明器具であって、前記ポジフィルム写真の
   裏面側に該ポジフィルム写真を湿気及び熱から保護する
   透明シートないしガラスが配置されていることを特徴と
   する行燈型照明器具。