JPH072067Y2

JPH072067Y2 - 壁紙糊付機

Info

Publication number: JPH072067Y2
Application number: JP1990047277U
Authority: JP
Inventors: 寿也高田; 裕介横田; 新頃安; 康明松井
Original assignee: Kyokuto Sanki Co Ltd
Current assignee: Kyokuto Sanki Co Ltd
Priority date: 1990-05-02
Filing date: 1990-05-02
Publication date: 1995-01-25
Anticipated expiration: 2005-01-25
Also published as: JPH046437U; US5230737A

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、壁紙糊付機に関するものである。さらに詳
しくは、この考案は、糊厚調整の容易な、簡便な構造か
らなる手動式の壁紙糊付機に関するものである。

（従来の技術とその課題）従来より、施工現場等において簡便に使用することので
きる手動式の壁紙糊付機が知られている。通常、この壁
紙糊付機は、たとえば第11図に示したように、糊付機基
台部に軸支した糊付ローラ（ア）の下部を糊容器（イ）
内の糊に浸し、これを回転させて壁紙（ウ）に糊（エ）
を転写するようにしている。また、この転写時の糊の付
着量を調整するために、歯車機構等によって糊付ローラ
（ア）との隙間を調整自在としたドクターローラ
（オ）、あるいはそれに代わるドクターナイフによって
糊量制御している。

このような従来の糊付機も比較的簡便な手動式装置とし
ての特徴を有してはいるものの、いくつかの改善すべき
点が残されていた。

すなわち、これまでに使用されてきた、たとえば第11図
に例示した糊付機によると、ドクターローラ（オ）を用
いる場合にはこれを回転させるための複雑な歯車機構が
必要となり、そのために糊付機の重量増を結果させるば
かりか、ドクターナイフを用いる場合とも共通して糊付
ローラ（ア）との隙間調整のための精度を向上させるこ
とが難しいという欠点がある。またその保守もめんどう
である。

このような欠点は、糊付機が、施工現場に持ち込まれて
使用されるものであることからも好ましくなく、早急に
改善すべき課題であった。

このような欠点を改善するために、この考案の考案者ら
によって、すでに新しい手動式の壁紙糊付機が提案され
てもいる。この糊付機の場合には、たとえば第１図に示
したように、折りたたみ可能な支持脚（１）によって糊
容器（２）を有する基台部（３）を支持し、下部が糊容
器（２）内の糊（４）に浸されるように糊付ローラ
（５）をピボット等により装着し、この糊付ローラ
（５）の上部には、壁紙（６）を糊付ローラ（５）上面
に圧接するための押圧ガイド（7a）（7b）を配置してい
る。糊付ローラ（５）の回転にともなって糊（４）が壁
紙（６）に付着転写されるようにしている。

通常、糊面の厚みは、糊の濃さにもよるが、一般的には
約1mm程度にまでなるが、この糊厚は0.1mm程度にまで調
整することが必要となる。そこでこの糊付機において
は、糊付ローラ（５）の後部にならしローラ（８）等の
曲面状のならし手段を設けて、壁紙（６）に付着した糊
（４）の所定量をかき落すことによって糊厚を調整する
ようにしている。しかもこの調整を正確に行うため、壁
紙（６）を押圧ガイド（7b）によって押圧するととも
に、ならしローラ（８）の後部に引出しガイド（９）を
設け、ならしローラ（８）と壁紙（６）との接触圧を一
定としている。こうすることにより、押圧ガイド（7b）
による壁紙（６）に対する押圧力を制御することで、壁
紙（６）とならしローラ（８）との接触圧を調整し、糊
厚を調整することが可能となる。しかも、壁紙（６）を
手動引出しする際のガイドともなる引出しガイド（９）
の存在によって、その接触圧は一定となるので、壁紙の
長さ方向での糊厚は一定となる。

また、押圧ガイド（7b）の上下動の位置制御によって壁
紙（６）のならしローラ（８）への接触圧を調整するた
めに、押圧ガイド（7a）（7b）を備えたカバー体（10）
の端部に複数のピン溝（11）を設け、基台部（３）に固
定した押圧調整ピン（12）のこのピン溝（11）への挿入
・嵌着位置を選択することによって調整することができ
るようにしている。カバー体（10）は、図中の矢印
（Ａ）方向に開閉自在としている。

押圧調整ピン（12）は、たとえば握り部（13）を図中の
矢印（Ｂ）方向に前後させることで挿入・嵌着位置を変
更する。より下方にピン溝（11）に押圧調整ピン（12）
を挿入・嵌着する場合には、押圧ガイド（7b）の押圧力
は小さくなり、壁紙（６）のならしローラ（８）への接
触圧も小さくなって糊（４）のかき落し量は少くなる。
より上方に挿入・嵌着する場合には逆にかき落し量は多
くなる。

押圧ガイド（7b）による押圧力制御を介しての糊厚調整
だけでなく、ならしローラ（８）そのものを上下動自在
とし、その上下の移動幅を制御することで、壁紙（６）
とならしローラ（８）との接触圧を調整し、糊厚調整す
ることもできる。

以上の手動糊付機は、その精度、操作性において従来の
ものをはるかにしのぐものであったが、その後の検討に
よって、さらに改善すべき点がいくつか見出されてき
た。

たとえば、上記の押圧ガイド（7b）による壁紙（６）に
対する押圧力を制御することで、壁紙（６）とならしロ
ーラ（８）の接触圧を調整し、糊厚を調整することがこ
の糊付機においては可能であるが、このことは、施工者
が熟練者で、手動で壁紙（６）を引出すスピードがほぼ
一定の場合には何ら問題はないが、施工者が複数であっ
たり、あまり熟練者でない場合は、この引出しスピード
を一定とすることは難しく、この差が大きい場合には、
ならしローラ（８）と壁紙（６）い塗布された糊との間
で摩擦抵抗（粘性抵抗）による接触圧力の変動が無視で
きなくなる。このため、この接触圧力の変動が激しくな
ると糊むらが生じてしまうという問題があった。

また、糊の濃さによる粘性の差（抵抗係数の差、流体密
度の差）による糊付量の差も大きくなるという欠点もあ
った。

この考案は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもので
あり、上記のこれまでに提案した糊付機の長所を生かし
つつ、しかもその欠点を改善し、構造が簡単で軽量であ
って、糊厚の調整を簡便に、かつ精度良く行うことので
きる改良された壁紙糊付機を提供することを目的として
いる。

（課題を解決するための手段）この考案は、上記の課題を解決するものとして、糊付ロ
ーラと、この糊付ローラの上面に壁紙を圧接するための
押圧ガイドと、壁紙に転写した糊面の厚みを調整する糊
切り手段とを備えた壁紙糊付機において、糊切り手段
は、回動自在の棒状角材に各々ピッチの異なる端縁波状
溝を有する複数の糊切板を装着してなることを特徴とす
る壁紙糊付機を提供する。

添付した図面の第２図は、この考案の壁紙糊付機を例示
した一部切欠側面図である。

この第２図に示したように、この考案においては、第１
図に示した糊付機の構成において、曲面状ならし手段に
代わるものとして、複数の糊切り板（82）を備えた糊切
り手段（８′）を設けている。

この糊切り手段（８′）は、たとえば第３図に示したよ
うに、壁紙（６）に接する端縁部に、この刃状等の波状
溝（80）を有する糊切り板（82）を棒状角材（81）に取
付けている。

波状溝（80）の形状については各種のものを適宜に採用
することができ、たとえば第４図（ａ）（ｂ）（ｃ）の
ように例示することができる。この時の波状溝の形と、
その溝のピッチ（Ｐ）は、糊付機の使用態様に応じて選
択すればよい。そのピッ溝の深さ（Ｈ）についても同様
である。このような選択は、棒状角材（81）を回動させ
ることによって容易に行うことができる。

ところで、このような糊切り板（82）の使用は、常識的
には付着した糊の厚み調整が難しいと予想されるが、実
際には、この波状溝（80）を有する糊切り板（82）によ
って、その調整は容易であり、しかも、壁紙（６）の引
出しスピードの差にほとんど影響されることなく、均一
な厚みの糊付けが可能となる。

この場合、糊の塗布量の調整は、一見すると、たとえば
第５図に示したように、糊切り板（82）と壁紙（６）と
の接触角度（θ）の変化によって可能と思われるが、実
際には、この角度（θ）を135°以上の鈍角にすると、
糊切り板（82）の手前に糊だまり（83）が生じ、糊調整
ができず、一方、その角度を45〜135°に変化させた場
合にも、調整できるような変化はない。もちろん、この
角度が45°以下の場合には、さらに調整は困難である。

しかしながら、第４図に示した波状溝（80）のピッチ
（Ｐ）を変化させると、糊塗布量の調整は容易であり、
各々のピッチ（Ｐ）に応じて、壁紙（６）の引出しスピ
ードの差にあまり影響されることなく、定常的な塗布量
が得られる。

すなわち、たとえば、第６図に示したように先端を少し
丸めた波状溝（80）を有する糊切り板（82）を使用する
場合には、その取付角度（θ）にかかわりなく、そのピ
ッチ（Ｐ）の大きさによって、平均塗布量が決まってく
る。次に表１は、４種のピッチの異なる糊切り板（82）
を第３図のように棒状角材（81）に貼付けて、糊1.5:水
１（重量比）の割合の糊を塗布した場合の１m²当りの平
均糊付量を示したものである。

実際の糊付作業は、130〜200g/m²程度であるので、いず
れの場合にも充分対応することができ、しかも、ピッチ
（Ｐ）の大きさを変えることで、容易に糊の塗布量を調
整することができる。

以上の通りの糊切り板（82）の使用により、壁紙の引出
しスピード、さらには糊の粘性等による糊の付着むらを
抑えることが可能となる。

なお、この考案における糊切り手段（８′）について
は、ピッチの異なる波状溝（80）を有する複数の糊切り
板（82）を、適宜な棒状角材（81）に貼付等によって取
付けることで容易に実現される。この棒状角材（81）
は、たとえば第７図（ａ）（ｂ）（ｃ）に示したよう
に、いかなる断面形状を有していてもよい。

糊付機に装着した糊切り手段（８′）は、その棒状角材
（81）が回動自在であって、たとえば第７図（ａ）のよ
うにピッチの異なる４種類の糊切り板（82a）（82b）
（82c）（82d）から適宜に１枚を選択することで、糊塗
布量の調整を容易に行うことができる。

さらに、棒状角材（81）を上下動できるようにしてもよ
い。

第８図は、この考案の糊付機の外観を例示した側面図で
あり、また第９図は、正背面図である。これらの図に示
したように、上記の構成を有する糊付および糊厚調整機
構を有するこの考案の糊付機は基台部（３）を支持脚
（１）によって支持し、壁紙（６）の原反ロール（14）
より壁紙（６）を送り、また、壁紙貼付加工用の横あわ
せテープ（15）をテープロール（16）より送る。引出さ
れた壁紙（６）には厚み調整された糊（４）が付着され
ることになる。

ロール（14）（16）の支持軸（17）（18）を着脱自在と
し、支持脚（１）を第９図に示したように折りたたみ自
在とすることもできる。

図示はしていないが、測長カウンターなどを適宜にこの
考案の糊付機に装着してもよいことはいうまでもない。

また、この第９図に示したように、この考案の壁紙糊付
機においては、原反ロール（14）の芯棒としての支持軸
（17）の端部に円錐状コーン体（19）を装着すること
を、従来のものには見られない特徴としてもいる。

これまでの装置では、壁紙原反が重い時と軽い時とで
は、壁紙を引出す張力が異なり、糊塗布量にも若干の変
化が避けられないという欠点があったが、この円錐コー
ン体（19）は、この欠点を解消するのに有効なものであ
る。第10図にも示したように、支持軸（17）の端部にこ
の円錐状コーン体（19）を取付け、壁紙原反ロール（1
4）の紙管（20）とこの支持軸（17）の間の隙間を少な
くし、原反ロール（14）が従来のように張力の差によっ
て偏心することなく、均一な張力で引張れるようにして
いる。

もちろんこの考案は以上の例に限定されるものではな
い。その細部あるいは全体構成について様々な態様が可
能である。

（考案の効果）この考案によって、歯車等の複雑な構造を使用すること
なく、簡単で軽量、かつ安価な糊付機が実現され、この
糊付機では糊厚調整が簡便に、かつ正確に行うことがで
きる。

その点検・保守も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図はすでに提案した糊付機を示した要部切欠側面図
であり、第２図は、これに対応するこの考案の一実施例
を示した要部切欠側面図である。第３図は糊切り板の例を示した斜視図であり、第４図
（ａ）（ｂ）（ｃ）は、各々この糊切り板の波状溝を例
示した正面図である。第５図は、糊切り板の取付角度について示した側面図で
ある。また、第６図は、実施例としての波状溝を示した
正面図である。第７図（ａ）（ｂ）（ｃ）は、各々糊切り板の例を示し
た側面図である。第８図および第９図はこの考案の糊付機の外観を例示し
た側面図と正背面図である。第10図は、コーン体取付部
を示した拡大断面図である。第11図は従来の糊付装置例
を示した要部断面図である。１…支持脚２…糊容器３…基台部４…糊５…糊付ローラ６…壁紙 7a,7b…押圧ガイド８…ならしローラ８′…糊切り手段９…引出しガイド 10…カバー体 11…ピン溝 12…押圧調整ピン 13…握り部 14…壁紙原反ローラ 15…横あわせテープ 16…テープローラ 17,18…支持軸 19…円錐状コーン体 20…紙管 80…波状溝 81…棒状角材 82…糊切り板 83…糊だまり

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】糊付ローラと、この糊付ローラの上面に壁
紙を圧接するための押圧ガイドと、壁紙に転写した糊面
の厚みを調整する糊切り手段とを備えた壁紙糊付機にお
いて、糊切り手段は、回動自在の棒状角材に各々ピッチ
の異なる端縁波状溝を有する複数の糊切り板を装着して
なることを特徴とする壁紙糊付機。
【請求項２】押圧ガイドを糊付ローラの前後部に設けて
なる請求項（１）記載の壁紙糊付機。
【請求項３】糊切り板手段の前後部に押圧ガイドと引出
しガイドとを配設してなる請求項（１）記載の壁紙糊付
機。
【請求項４】糊付機基台部に押圧調整ピンを、また、押
圧ガイド部に複数のピン溝を設け、この調整ピンとピン
溝との嵌着位置を選択し、糊切り板手段への壁紙押圧を
調整して糊厚を制御してなる請求項（１）記載の壁紙糊
付機。
【請求項５】押圧ガイドを糊付ローラのカバー体に設け
てなる請求項（１）記載の壁紙糊付機。
【請求項６】原反芯部の端部に円錐状コーン体を装着し
てなる請求項（１）記載の壁紙糊付機。