JPH072064B2 - 人工種子 - Google Patents
人工種子Info
- Publication number
- JPH072064B2 JPH072064B2 JP61298882A JP29888286A JPH072064B2 JP H072064 B2 JPH072064 B2 JP H072064B2 JP 61298882 A JP61298882 A JP 61298882A JP 29888286 A JP29888286 A JP 29888286A JP H072064 B2 JPH072064 B2 JP H072064B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- polyorganosiloxane
- plant
- artificial seed
- capsule
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
- Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は発芽性能の優れた人工種子に関するものであ
る。
る。
従来技術 最近、植物組織培養技術を応用し、製造した体細胞胚を
ポリマー等の物質で包埋し、人工の種子とする方法が提
案されている（特開昭59−102308号公報参照）。
ポリマー等の物質で包埋し、人工の種子とする方法が提
案されている（特開昭59−102308号公報参照）。
しかしながら該公報においては提示された人工種子を培
地上で発芽させる方法については記載されているが天然
の土壌で発芽させる方法については何ら明示されておら
ず、本発明者らの研究によれば該公報で提案されている
構成体は土壌では発芽せず枯死することが判明した。
地上で発芽させる方法については記載されているが天然
の土壌で発芽させる方法については何ら明示されておら
ず、本発明者らの研究によれば該公報で提案されている
構成体は土壌では発芽せず枯死することが判明した。
また人工種子の被覆剤に抗菌物質を含有せしめる方法も
提案されている（特開昭61−40708号公報参照）。しか
し、該公報においても天然の土壌において発芽させる方
法が記載されていない。
提案されている（特開昭61−40708号公報参照）。しか
し、該公報においても天然の土壌において発芽させる方
法が記載されていない。
発明の目的 本発明の目的は前記のような問題点を持たず、天然の土
壌で発芽する人工種子を提供することである。
壌で発芽する人工種子を提供することである。
発明の構成及び作用効果 本発明者らは前記の様な従来公知技術の問題点を解決す
べく種々研究の結果、植物体再生組織を含有するカプセ
ルの周囲をポリオルガノシロキサン膜で被覆した人工種
子は天然の土壌でも発芽することを見出し、本発明に到
達した。
べく種々研究の結果、植物体再生組織を含有するカプセ
ルの周囲をポリオルガノシロキサン膜で被覆した人工種
子は天然の土壌でも発芽することを見出し、本発明に到
達した。
すなわち本発明は植物体再生組織を含有するカプセルと
該カプセルの周囲を被覆するポリオルガノシロキサン膜
より形成された人工種子である。
該カプセルの周囲を被覆するポリオルガノシロキサン膜
より形成された人工種子である。
かかる本発明の人工種子は多数の微生物が存在する土壌
においても発芽，生育し、また、外力による破壊に抵抗
性を有し、粘着性も少ない等種子としての取扱い性の点
でも優れたものであり、実用性の高いものである。
においても発芽，生育し、また、外力による破壊に抵抗
性を有し、粘着性も少ない等種子としての取扱い性の点
でも優れたものであり、実用性の高いものである。
以下本発明について更に詳細に説明する。
本発明で言う植物体再生組織とは分化して植物体全体を
再生しうる組織であって、茎頂等の分裂組織のみなら
ず、それらを含む植物の一部または全体を意味する。具
体的には体細胞胚，茎頂等であるが、特に体細胞胚が好
ましい。
再生しうる組織であって、茎頂等の分裂組織のみなら
ず、それらを含む植物の一部または全体を意味する。具
体的には体細胞胚，茎頂等であるが、特に体細胞胚が好
ましい。
ここで言う体細胞胚とは不定胚とも呼ばれる体細胞由来
の胚であってミカン類等では自然状態で形成されること
もあるが、多くは培養細胞から形成される。その製造方
法はたとえば、ディー・エー・エバンス（D.A.Evans）
らによる“ハンドブック・オブ・プラント・セル・カル
チャー（Handbook of Plant Cell Culture）”［マクミ
ラン・パブリッシング・カンパニー（Macmillan Publis
hing Co.）1983年発行］等に詳しく記載されている。
の胚であってミカン類等では自然状態で形成されること
もあるが、多くは培養細胞から形成される。その製造方
法はたとえば、ディー・エー・エバンス（D.A.Evans）
らによる“ハンドブック・オブ・プラント・セル・カル
チャー（Handbook of Plant Cell Culture）”［マクミ
ラン・パブリッシング・カンパニー（Macmillan Publis
hing Co.）1983年発行］等に詳しく記載されている。
前記植物体再生組織をカプセル化する方法は従来公知の
方法を用いることができる。カプセル化剤としては水溶
性あるいは水親和性の高分子物質が好適に用いられ、具
体的にはアルギン酸あるいはその金属塩、ゼラチン，カ
ラギーナンデンプン，アミロー，デキストリン等の天然
高分子物質、カルボキシメチルセルース，メチルセルロ
ース，ヒドロキシエチルセルロース半合成高分子物，ポ
リビニルアルコール，ポリビニルピロリドン，ポリエチ
レングリコール，ポリアクリルアミド，ポリアクリル酸
等合成高分子物質を例示することができる。またタル
ク，ケイソウ土，炭酸カルシウム等の無機物を用いるこ
ともできる。これらのカプセル化剤で被覆する方法とし
ては多価金属等による架橋硬化，コアセルベーションあ
るいは含水状態で単に物理的に吸着させる方法等の手段
を用いることができる。
方法を用いることができる。カプセル化剤としては水溶
性あるいは水親和性の高分子物質が好適に用いられ、具
体的にはアルギン酸あるいはその金属塩、ゼラチン，カ
ラギーナンデンプン，アミロー，デキストリン等の天然
高分子物質、カルボキシメチルセルース，メチルセルロ
ース，ヒドロキシエチルセルロース半合成高分子物，ポ
リビニルアルコール，ポリビニルピロリドン，ポリエチ
レングリコール，ポリアクリルアミド，ポリアクリル酸
等合成高分子物質を例示することができる。またタル
ク，ケイソウ土，炭酸カルシウム等の無機物を用いるこ
ともできる。これらのカプセル化剤で被覆する方法とし
ては多価金属等による架橋硬化，コアセルベーションあ
るいは含水状態で単に物理的に吸着させる方法等の手段
を用いることができる。
前記カプセル化剤には種々の添加物、例えば前記植物体
再生組織の栄養源となる糖，無機塩類，ビタミン等の物
質、ジベレリン，アブシシン酸等の植物生長調節剤,N−
トリクロルメチルチオテトラヒドロフタルイミド，δ−
オキシキノリンペニシリン，ストレプトマイシン，ベノ
ミル等の抗菌剤、あるいは除草剤等を添加することがで
きる。
再生組織の栄養源となる糖，無機塩類，ビタミン等の物
質、ジベレリン，アブシシン酸等の植物生長調節剤,N−
トリクロルメチルチオテトラヒドロフタルイミド，δ−
オキシキノリンペニシリン，ストレプトマイシン，ベノ
ミル等の抗菌剤、あるいは除草剤等を添加することがで
きる。
本発明においては前記カプセルの周囲にポリオルガノシ
ロキサン膜を設けることが必要である。ポリオルガノシ
ロキサンの有機基としてはメチル基、エチル基等のアル
キル基、トリフルオロプロピル基等のフッ化アルキル
基、フェニル基，トリル基等のアリール基いずれでもよ
く、水素原子でもよい。また、これらの中から選ばれた
２種以上の基が混在してもよい。
ロキサン膜を設けることが必要である。ポリオルガノシ
ロキサンの有機基としてはメチル基、エチル基等のアル
キル基、トリフルオロプロピル基等のフッ化アルキル
基、フェニル基，トリル基等のアリール基いずれでもよ
く、水素原子でもよい。また、これらの中から選ばれた
２種以上の基が混在してもよい。
また、前記ポリオルガノシロキサンの側鎖または末端に
は種々の反応性官能基、例えばビニル基等のアルケニル
基、シラノール基，メトキシ基，エトキシ基等のアルコ
キシ基、アセキシム基等のケトキシム基、アセトキシ基
等のアシロキシ基を有していてもよい。
は種々の反応性官能基、例えばビニル基等のアルケニル
基、シラノール基，メトキシ基，エトキシ基等のアルコ
キシ基、アセキシム基等のケトキシム基、アセトキシ基
等のアシロキシ基を有していてもよい。
またポリオルガノシロキサンは二種以上を混合して用い
ることができる。例えばその例としては一成分がアルコ
キシ基等の反応性官能基を有するポリオルガノシロキサ
ン、もう一成分がシラノール基を有するポリオルガノシ
ロキサンであり、この両者を混合して用いる等の方法が
挙げられる。
ることができる。例えばその例としては一成分がアルコ
キシ基等の反応性官能基を有するポリオルガノシロキサ
ン、もう一成分がシラノール基を有するポリオルガノシ
ロキサンであり、この両者を混合して用いる等の方法が
挙げられる。
前記ポリオルガノシロキサンはアセトキシ基を有する多
官能シラン化合物等の架橋剤、シリカ等の充填剤、反応
性官能基の硬化反応を促進するスズ化合物，チタン化合
物，過酸化物等の硬化触媒、顔料、前記の抗菌剤等を含
有することができる。
官能シラン化合物等の架橋剤、シリカ等の充填剤、反応
性官能基の硬化反応を促進するスズ化合物，チタン化合
物，過酸化物等の硬化触媒、顔料、前記の抗菌剤等を含
有することができる。
前記ポリオルガノシロキサン膜を設ける方法としては前
記カプセルにポリオルガノシロキサンをそのまま又はト
ルエン，キシレン，リブロイン，ナフサ等カプセル中に
含有される植物体再生組織に障害の少ない溶剤に溶解し
て塗布することができる。
記カプセルにポリオルガノシロキサンをそのまま又はト
ルエン，キシレン，リブロイン，ナフサ等カプセル中に
含有される植物体再生組織に障害の少ない溶剤に溶解し
て塗布することができる。
通常、この後硬化処理を与えるが、この硬化処理は35℃
以下で行なうので好ましい。またこのポリオルガノシロ
キサン膜は一層でも二層以上でもよい。またポリオルガ
ノシロキサン膜の外側にさらに別の基材による膜を設け
ることもできる。
以下で行なうので好ましい。またこのポリオルガノシロ
キサン膜は一層でも二層以上でもよい。またポリオルガ
ノシロキサン膜の外側にさらに別の基材による膜を設け
ることもできる。
ポリオルガノシロキサン膜の厚みは使用するポリオルガ
ノシロキサンの種類によっても異なるが10〜100μｍ程
度が好ましい。
ノシロキサンの種類によっても異なるが10〜100μｍ程
度が好ましい。
本発明の人工種子は従来提案されていた人工種子では成
長しえない天然の土壌においても発芽し、また種子の粘
着性が少なく、機械的外力に対する抵抗性を有する等取
り扱い性の点でも優れたものである。
長しえない天然の土壌においても発芽し、また種子の粘
着性が少なく、機械的外力に対する抵抗性を有する等取
り扱い性の点でも優れたものである。
以下実施例を用いて本発明をさらに説明するが、本発明
はこれに障害されるものではない。
はこれに障害されるものではない。
実施例１〜5,比較例１〜２ ニンジン（Daucus carota L.）の品種「紅福四寸人参」
の実生から、原田らによる「植物細胞組織培養」（理工
学社,1979年）94頁記載の方法に従って長さ0.5〜2mmの
体細胞胚を得た。この体細胞胚をアルギン酸ナトリウム
１％を含有し、かつ植物ホルモンを含まないMurashige
−Skoogの培地に分散させた。これを100mMの塩化カルシ
ウム水溶液中に滴下したところ、体細胞胚を含む直径約
3mmのカプセルが得られた。このカプセルを第１表に示
したポリマー又はその溶液中に浸漬して塗布後室温で24
時間放置し、厚さ約20μの皮膜を設けた。この人工種子
を火山灰土からなる畑地土壌と腐葉土の体積比2:1の混
合物を水で湿らせたものの上におき、25℃において７日
間培養した。その人工種子の発芽率を第１表に示す。
の実生から、原田らによる「植物細胞組織培養」（理工
学社,1979年）94頁記載の方法に従って長さ0.5〜2mmの
体細胞胚を得た。この体細胞胚をアルギン酸ナトリウム
１％を含有し、かつ植物ホルモンを含まないMurashige
−Skoogの培地に分散させた。これを100mMの塩化カルシ
ウム水溶液中に滴下したところ、体細胞胚を含む直径約
3mmのカプセルが得られた。このカプセルを第１表に示
したポリマー又はその溶液中に浸漬して塗布後室温で24
時間放置し、厚さ約20μの皮膜を設けた。この人工種子
を火山灰土からなる畑地土壌と腐葉土の体積比2:1の混
合物を水で湿らせたものの上におき、25℃において７日
間培養した。その人工種子の発芽率を第１表に示す。
比較例４ 実施例１において、ポリオルガノシロキサン溶液を使用
するかわりにステアリン酸４％，セチルアルコール４％
及びエルバックス4260（デュポン社製エチレン，酢酸ビ
ニル，アクリル酸共重合ポリマ−）２％を含有するシク
ロヘキサン：石油エーテル,2:8混合物溶液を用いる以外
は実施例１と同様にして人工種子を作成，培養した。結
果を表１に示す。
するかわりにステアリン酸４％，セチルアルコール４％
及びエルバックス4260（デュポン社製エチレン，酢酸ビ
ニル，アクリル酸共重合ポリマ−）２％を含有するシク
ロヘキサン：石油エーテル,2:8混合物溶液を用いる以外
は実施例１と同様にして人工種子を作成，培養した。結
果を表１に示す。
比較例５ 実施例１で得られたカプセルをコーティングすることな
く、実施例１と同じようにして評価した。結果を第１表
に示す。
く、実施例１と同じようにして評価した。結果を第１表
に示す。
Claims (2)
- 【請求項１】植物体再生組織を含有するカプセルと該カ
プセルの周囲を被覆するポリオルガノシロキサン膜より
形成された人工種子。 - 【請求項２】該植物再生組織が体細胞胚である第１項記
載の人工種子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61298882A JPH072064B2 (ja) | 1986-12-17 | 1986-12-17 | 人工種子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61298882A JPH072064B2 (ja) | 1986-12-17 | 1986-12-17 | 人工種子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63152905A JPS63152905A (ja) | 1988-06-25 |
| JPH072064B2 true JPH072064B2 (ja) | 1995-01-18 |
Family
ID=17865390
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61298882A Expired - Lifetime JPH072064B2 (ja) | 1986-12-17 | 1986-12-17 | 人工種子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH072064B2 (ja) |
Families Citing this family (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5427593A (en) * | 1990-10-26 | 1995-06-27 | Weyerhaeuser Company | Analogs of botanic seed |
| US5236469A (en) * | 1990-10-26 | 1993-08-17 | Weyerhaeuser Company | Oxygenated analogs of botanic seed |
| US6119395A (en) * | 1997-02-03 | 2000-09-19 | Weyerhaeuser Company | End seals for manufacturing seed |
| US7168205B2 (en) | 2001-12-05 | 2007-01-30 | Weyerhaeuser Co. | Seed coat for manufactured seeds |
| US7228658B2 (en) | 2003-08-27 | 2007-06-12 | Weyerhaeuser Company | Method of attaching an end seal to manufactured seeds |
| CA2486289C (en) | 2003-11-25 | 2008-01-08 | Weyerhaeuser Company | Combination end seal and restraint |
| US7555865B2 (en) | 2003-11-25 | 2009-07-07 | Weyerhaeuser Nr Company | Method and system of manufacturing artificial seed coats |
| CA2486311C (en) | 2003-11-26 | 2008-08-12 | Weyerhaeuser Company | Vacuum pick-up device with mechanically assisted release |
| US7356965B2 (en) | 2003-12-11 | 2008-04-15 | Weyerhaeuser Co. | Multi-embryo manufactured seed |
| US7591287B2 (en) | 2003-12-18 | 2009-09-22 | Weyerhaeuser Nr Company | System and method for filling a seedcoat with a liquid to a selected level |
| US7568309B2 (en) | 2004-06-30 | 2009-08-04 | Weyerhaeuser Nr Company | Method and system for producing manufactured seeds |
| US7547488B2 (en) | 2004-12-15 | 2009-06-16 | Weyerhaeuser Nr Company | Oriented strand board panel having improved strand alignment and a method for making the same |
| US7654037B2 (en) | 2005-06-30 | 2010-02-02 | Weyerhaeuser Nr Company | Method to improve plant somatic embryo germination from manufactured seed |
-
1986
- 1986-12-17 JP JP61298882A patent/JPH072064B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63152905A (ja) | 1988-06-25 |
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