JPH0720612A - 写真フイルムケース及びこれに用いる板バネ - Google Patents

写真フイルムケース及びこれに用いる板バネ

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JPH0720612A
JPH0720612A JP16199293A JP16199293A JPH0720612A JP H0720612 A JPH0720612 A JP H0720612A JP 16199293 A JP16199293 A JP 16199293A JP 16199293 A JP16199293 A JP 16199293A JP H0720612 A JPH0720612 A JP H0720612A
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JP
Japan
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leaf spring
photographic film
spring
resin
case
Prior art date
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Application number
JP16199293A
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English (en)
Inventor
Takashi Yoneyama
高史 米山
Takao Hoya
敬夫 保谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性がよい写真フイルムケース用板バネ
と、これを用いたリサイクル特性のよい写真フイルムケ
ースを提供する。 【構成】 板バネ5を、ガラス転移温度が110°C以
上の非晶性樹脂で形成した。この板バネ5をパック本体
3内に設け、写真フイルムユニット4を支持させるよう
にした。 【効果】 板バネは製造後、730日を経過しても、4
0%以上の高さの回復率と、45%以上のバネ力残存率
を示した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の未撮影写真フイ
ルムシートを重ねて収納する写真フイルムケース及び、
写真フイルムケース内に設けられ、写真フイルムシート
を押し上げる写真フイルムケース用板バネに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】露光枠の大きな大型カメラやインスタン
カメラでは、写真フイルムケースに積層して収納された
シートフイルムが用いられる。写真フイルムケースは露
光窓を形成した樹脂性のケース本体と、最上層の写真フ
イルムシートを露光窓側に押し付ける金属性の板バネと
から構成されている。
【0003】最近、工業製品による環境汚染や産業廃棄
物の増加が社会問題になりつつある。このような現状か
ら、写真フイルムケースも使用後、資源の再利用を図
り、例えばケース本体は再生ペレットの原料に戻し、ま
た板バネは再生金属の原料に戻す、いわゆるリサイクル
を行うことが望まれている。上記写真フイルムパックの
リサイクルを行う場合には、写真フイルムシートをケー
ス本体と、板バネとを選別・分離しなければならないた
め、コスト的に高くなるという問題が生じる。
【0004】この問題を解決するために、板バネを樹脂
性のものにすることが検討されている。樹脂製の板バネ
を用いた場合には、使用済みの写真フイルムケースをケ
ース本体と板バネとに分別せずに、そのまま溶融して再
生ペレット化することができるから、リサイクルコスト
を安価にする上で非常に有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
バネ材を樹脂成形品にした場合、これを弾性変形させた
ままの状態で放置しておくと、バネ性が徐々に失われて
ゆき、荷重を取り去っても元の状態に戻らないというク
リープ変形の問題が生じやすい。上記写真フイルムケー
スに用いられる板バネは、製造時に最も圧縮された状態
となっており、製造後日数を経てから使用されることも
少なくないため、板バネがクリープ変形してしまうと、
使用時に十分な弾力性が得られなくなり、特に写真フイ
ルムシートの残り枚数が少なくなってきたときには、最
上層の写真フイルムシートを露光窓に押しつけることが
できなくなる恐れがあった。
【0006】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
もので、耐久性の良い写真フイルムケース用板バネと、
これを用いたリサイクル特性が良い写真フイルムケース
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の写真フイルムケースでは、樹脂製のケース
本体と、ガラス転移温度110°C以上の非晶性樹脂で
成形した板バネとからなり、板バネでケース本体に収納
された写真フイルムシートを押し上げるようにしたもの
である。ここで非晶性樹脂とはガラス転移温度以上で賦
形され、ガラス転移温度以下に冷却固化されるときに結
晶を生じない熱可塑性樹脂であって、例えばポリスチレ
ン,アクリロニトリル・ブタジエン−スチレン樹脂,ポ
リカーボネート,ポリフェニレンエーテル及びそれ等の
共重合体、又は及び混合物が挙げられる。
【0008】一方、これ等の非晶性樹脂と対比される結
晶性樹脂は、結晶の融解に伴う融点を有し、通常融点以
上の温度に溶融賦形され、冷却によって一部が結晶化し
てこかされる樹脂であって、例えばポリエチレン,ポリ
プロピレン,ポリアミド,ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。
【0009】また、請求項2記載の発明では、板バネの
性能をアップするために、前記非晶性樹脂にガラス繊維
又は無機充填材の少なくとも一方を混入させるようにし
ている。更にまた請求項3記載の発明では、板バネの性
能をアップするために、非晶性樹脂として、ポリフェニ
レンエーテル又はその共重合体10〜90wt%,芳香
族ビニルポリマー又はその共重合体90〜10wt%よ
りなる混合物を用いている。
【0010】請求項4記載の写真フイルムケース用板バ
ネは、写真フイルムシートを支持する支持部と、この支
持部に一体に形成され、支持部の50%以上の長さを持
ち、かつバネ性を有する脚部とで構成され、かつ脚部は
支持部側から末端部側にむかって、その断面積が漸次減
少するようになっている。また請求項5記載の発明で
は、良好なバネ性を得るために、脚部の最小肉厚を最大
肉厚の30%以上70%以下にしている。更にまた、請
求項6記載の発明では、良好なバネ性を得るために、脚
部の最小巾を最大巾の40%以下にしている。
【0011】以下、本発明を用いた写真フイルムパック
の基本的な構成及び作用について、図1を参照して説明
する。写真フイルムパック2は、箱型をした樹脂性のパ
ック本体3と、このパック本体3に積層して収納された
複数の自己現像処理型写真フイルムユニット4(以下、
写真フイルムユニットという)と、写真フイルムユニッ
ト4を押し上げて支持する樹脂製の板バネ5とから構成
されている。前記パック本体3には、その上面に写真フ
イルムユニット4の露光範囲を規定する露光窓6が形成
されている。パック本体3の側壁には、露光済みの写真
フイルムユニット4をパック本体3外に排出するための
排出路7が形成されている。なお、図示の板バネ5は、
複数の写真フイルムユニット4で押し下げられている。
このとき、板バネ5の高さを「H」とする。
【0012】図2は前記板バネを拡大して示すものであ
る。板バネ5は写真フイルムユニット4を支持する若干
凹状に反り身になった支持部8と、この支持部8に一体
に成形され、支持部8を押し上げて支持する5個の脚部
9とからなる。この支持部8は、その大きさが図2
(A)に一点鎖線で示すパック本体3の内法と略同じに
形成されており、パック本体3の内部で板バネ5がガタ
つかないようにしている。また脚部9に耐久性の良いバ
ネ性を付与するために、各脚部9の長さL1は図2
(B)に示すように、支持部8の長さL2の60%と
し、かつその肉厚は図2(C)に示したように、末端の
肉厚D1が基部の肉厚D2の50%となるように、末端
に向かって漸次薄くした。
【0013】写真フイルムパック2はインスタントカメ
ラに装填されて使用される。装填後、写真フイルムパッ
ク2はカメラの圧板バネにより、パック本体3の露光窓
6側がカメラの露光枠に付勢されて、インスタントカメ
ラにセットされる。このとき、パック本体3内の写真フ
イルムユニット4は板バネ5により、露光窓6側に押し
つけられているから、最上層の写真フイルムユニット4
は、カメラの露光位置に位置決めされる。
【0014】撮影が行われると、最上層の写真フイルム
ユニット4は、露光窓6を通った光で露光される。この
後、露光済みの写真フイルムユニット4は、図示しない
カメラの掻出しクロー、展開ローラにより、排出路7か
ら外部に排出される。なお、パック本体3から排出され
た写真フイルムユニット4は、展開ローラにより、現像
液ポッドの現像処理液が拡布される。拡布後、所定の時
間が経過すると、写真フイルムユニット4には可視像が
形成される。
【0015】露光済みの写真フイルムユニット4がパッ
ク本体3から完全に排出されると、パック本体3内の残
りの写真フイルムユニット4は板バネ5により1枚分押
し上げられ、最上層の写真フイルムユニット4が露光位
置に位置決めされる。
【0016】このようにして撮影が繰り返され、写真フ
イルムユニット4が全て排出されて、パック本体3内が
空となると、写真フイルムパック2はインスタントカメ
ラから取り外されて廃棄される。ところで、上記使用済
み写真フイルムパック2では、パック本体3及び板バネ
5が共に樹脂製であるから、パック本体3と板バネ5と
に分別せずに、そのまま溶融して、再生ペレットの原料
に戻すことができる。このため、写真フイルムパック2
を回収した業者は、選別コストをかけずに、資源の再利
用を図ることができる。
【0017】ところで、上記板バネ5のバネ性が経時変
化で弱まるようなことがあると、特にパック本体3内の
写真フイルムユニット4の残り枚数が少なくなってきた
ときに、最上層の写真フイルムユニット4を露光窓6に
押しつけることができなくなるおそれがある。このため
上記板バネ5には、クリープ変形しにくいもの、すなわ
ちバネ性の回復率及び残存率が高く、しかも長期間保た
れるようにしたものが用いられている。
【0018】バネ性の回復率及び残存率を評価するにあ
たり、図1の写真フイルムパック2を23℃,50%R
Hの環境下に所定期間放置し、しかる後に板バネ5を取
り出して、無荷重状態での高さと、一定の高さまで押し
下げるのに要する荷重を測定した。そして、板バネ5の
製造直後に同様にして測定しておいた基準値との百分比
をそれぞれバネ性の回復率及び残存率とした。
【0019】前記回復率及び残存率は、板バネ5の成形
樹脂材料や板バネ5の形状により異なり、また上記環境
下での放置期間によって変わってくるが、実際に写真撮
影を行う時点で回復率が40%以上、残存率が45%以
上であれば、残存枚数にかかわらず写真フイルムユニッ
ト4を適正に露光窓6に押しつけることができ、写真画
像に歪みが生ぜず、また撮影後の写真フイルムユニット
4の排出にも何ら不都合のないことが確認されている。
【0020】
【実施例】そこで、回復率40%,残存率45%をそれ
ぞれ回復率基準,残存率基準とし、23℃,50%RH
の環境下に長期間(最長730日)放置した後でも前記
回復率基準及び残存率基準を満たす板バネ5の具体的実
施例について説明する。以下の実施例1〜6は板バネ5
に好適な成形樹脂材料について示したもので、それぞれ
の成形樹脂材料を用いて平均肉厚1.5mmの板バネ5
を一体成形した。なお、板バネ5の平均肉厚としては、
0.5〜5mmの範囲がよく、より好ましくは0.7〜
3mmの範囲がよい。また、その他の成形樹脂材料で板
バネ5を成形した場合の例を比較例1〜8として示し
た。
【0021】〔実施例1〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ポリフェニレンエーテル(日本ポリエーテル製、25°
Cの極限粘土0.40dg/lのクロロホルム)20w
t%と、ポリスチレン(三菱化成ポリテック製(商品名
ダイアレックスHF−77))80wt%を混合,混練
したものであり、ガラス転移温度は115°Cである。
【0022】前記ポリフェニレンエーテルの一般式は下
記の通りである。
【0023】
【化1】
【0024】式中のR1 ,R2 ,R3 ,R4 は水素、ハ
ロゲン、ter−α−炭素を含まない炭化水素例えばメ
チル,エチル等アルキル化合物,ビニル等アルケニル化
合物,フェニル等アリル化合物,ベンジル等アラルキル
化合物、ベンゼン核とハロゲンの間に少なくとも2以上
の炭素を有するハロゲン化炭化水素の何れかを示す。
【0025】〔実施例2〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ポリフェニレンエーテル35wt%とポリスチレン65
wt%を混合・混練したものであり、ガラス転移温度は
135°Cである。
【0026】〔実施例3〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ポリフェニレンエーテル45wt%とポリスチレン55
wt%を混合・混練したものであり、ガラス転移温度は
150°Cである。
【0027】〔実施例4〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ポリフェニレンエーテル20wt%と、ポリスチレン8
0wt%とからなる混合物70wt%に、ガラス繊維3
0wt%を混合・混練したものであり、ガラス転移温度
は115°Cである。
【0028】〔実施例5〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ポリフェニレンエーテル35wt%とボリスチレン65
wt%とからなる混合物70wt%に、ガラス繊維30
wt%を混合・混練したものであり、ガラス転移温度は
135°Cであった。
【0029】〔実施例6〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ポリカーボネート(三菱瓦斯化学製(商品名ユーピロン
S2000))であり、ガラス転移温度は150°Cで
ある。
【0030】〔比較例1〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ポリフェニレンエーテル5wt%と、ポリスチレン95
wt%を混合・混練したものであり、ガラス転移温度は
105°Cである。
【0031】〔比較例2〕板バネ5の成形樹脂材料は、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(三
菱レーヨン製(商品名ダイアペットHF−3))であ
り、ガラス転移温度は105°Cである。
【0032】〔比較例3〕板バネ5の成形樹脂材料は、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体85
wt%に、カーボン繊維15wt%を混合・混練したも
のであり、ガラス転移温度は105°Cである。
【0033】〔比較例4〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ポリブチレンテレフタレート(三菱化成製(商品名ノバ
ドゥール5010))であり、ガラス転移温度は40°
Cである。
【0034】〔比較例5〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ポリブチレンテレフタレート70wt%に、ガラス繊維
30wt%を混合・混練したものであり、ガラス転移温
度は40°Cである。
【0035】〔比較例6〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ガラス繊維30wt%を含有したポリエチレンテレフタ
レートであり、ガラス転移温度は70°Cである。
【0036】〔比較例7〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ガラス繊維30wt%を含有したポリアミド66(ビー
エーエスエフエンジニアリングプラスチック製(商品名
ウルトラミッドA3G6))であり、ガラス転移温度は
70°Cである。
【0037】〔比較例8〕板バネ5の成形樹脂材料は、
ガラス繊維30wt%を含有したポリフェニレンエーテ
ル/ボリアミド アロイ(三菱油化製(商品名レマロイ
B70G6))であり、ガラス転移温度は70°Cであ
る。
【0038】なお、実施例1〜6及び比較例1〜3の各
板バネ5の成形樹脂材料は、射出成形後に結晶化するこ
とがなかった。また比較例4〜8の板バネ5の成形樹脂
材料は、射出成形後に結晶化が生じた。
【0039】これらを図1に示した写真フイルムパック
2に規定枚数の写真フイルムユニット4とともに組み込
んで、23°C,50%RHの環境下に放置し、730
日(約2年間)を限度に、板バネ5が、それぞれ40%
以上の回復率,45%以上の残存率を示す日数を調べる
実験を行った。
【0040】実験結果は次の表1のとおりで、非晶性、
かつガラス転移温度が110°C以上の成形樹脂材料を
用いた実施例1〜6の板バネ5では、上記環境下に73
0日間放置した後でも回復率基準及び残存率基準を満た
していることが確認された。なお、比較例のものの場
合、回復率基準及び残存率基準を維持することができる
日数が最長でも500日であり、耐久性としては不充分
である。
【0041】
【表1】
【0042】なお、前記非晶性樹脂に、ガラス繊維又は
無機充填材の少なくとも一方を混入させてもよい。ま
た、このような非晶性樹脂としては、ポリフェニレンエ
ーテル又はその共重合体10〜90wt%と、芳香族ビ
ニルポリマー又はその共重合体90〜10wt%との混
合物を用いることができる。
【0043】上記実施例1〜6では脚部9の長さL1を
支持部8の長さL2の50%以上にし、かつ図2(C)
に示したように脚部9の肉厚を変えて、耐久性の良いバ
ネ性を付与するようにしたが、図3(C)に示すように
脚部15の肉厚を一定にし、図3に示すように脚部15
の巾寸法が末端にむかって漸次短くなるようにしてもよ
い。更にまた、脚部9の肉厚を末端に向かうに従い薄く
なるようにするとともに、巾寸法を末端に向かうに従い
漸次短くなるようにしてもよい。
【0044】板バネ5の耐久性を向上させる要因として
は、上述した成形樹脂材料のほかに板バネ自体の形状を
あげることができる。例えば図2に示した形状において
も、脚部9の長さL1と支持部8の長さL2との比や、
脚部9の末端の肉厚D1と基部の肉厚D2との比が変わ
ってくると、同じ成形樹脂材料で成形したものであって
も、上述した環境下で回復率基準及び残存率基準を保つ
ことができる日数が変わってくる。
【0045】そこで、前記実施例1で用いたポリフェニ
レンエーテル45wt%と、ポリスチレン55wt%を
混合,混練した成形樹脂材料を用い、図2の形状に板バ
ネ5を成形するときに、脚部9の長さL1と支持部8の
長さL2との比「L1/L2」を変えたサンプルを作
り、前述した実験と同様にして各々の耐久性について調
べた。なお、各サンプルとも、脚部9の末端の肉厚D1
については基部の肉厚D2の1/2にしてある。図7は
その実験結果を示したもので、「L1/L2」の百分比
が50%以上であると、730日経過後でも回復率基準
及び残存率基準が満たされるのがわかる。
【0046】また、「L1/L2」の百分比を50%と
一定にし、脚部9の末端の肉厚D1と基部の肉厚D2と
の比を変えたサンプルについて調べたところ、図8の実
験結果が得られた。これによれば、「D1/D2」の百
分比が30%以上70%以下にするのが耐久性を高める
のに有利であることがわかる。
【0047】さらに、図3に示した形状の板バネ16に
ついて、脚部15の末端での巾寸法W1と基部での巾寸
法W2とを変えたサンプルを用意し、これらについても
同様な実験を行った。なお、脚部15の肉厚は基部から
末端まで一定である。この実験結果は図9に示したとお
りで、「W1/W2」の百分比が40%以下で十分な耐
久性をもつことがわかる。
【0048】上記の実験結果を考慮し、ポリフェニレン
エーテル45wt%と、ポリスチレン55wt%を混
合,混練した成形樹脂材料を用いて次の実施例A,Bに
あげたように各々形状が異なる板バネを成形し、さらに
実施例Cについては実施例Aと同一形状の板バネ5をポ
リフェニレンエーテル35wt%と、ポリスチレン65
wt%を混合,混練した成形樹脂材料で成形してその耐
久性について評価を行った。
【0049】〔実施例A〕図2を基本形状とし、「L1
/L2」の百分比を60%、「D1/D2」の百分比を
50%にした。
【0050】〔実施例B〕図3を基本形状とし、「L1
/L2」の百分比を60%、「W1/W2」の百分比を
40%にした。なお、脚部15の肉厚は基部から末端ま
で一定である。
【0051】〔実施例C〕実施例Aと同形状。但し、成
形樹脂材料としてポリフェニレンエーテル35wt%
と、ポリスチレン65wt%を混合,混練したものを用
いた。
【0052】さらに比較例として、次の3種類のものを
用意した。 〔比較例A〕実施例1と同じ成形樹脂材料を射出成形機
で図4に示すように、脚部20の長さL1を支持部21
の長さL2の50%以上にし、脚部9の巾及び肉厚を均
一にした板バネ22を成形した。
【0053】〔比較例B〕実施例1と同じ成形樹脂材料
を射出成形機で図5に示すように、脚部25の長さL1
を支持部26の長さL2の50%以下にし、かつ脚部2
5の末端での肉厚D1を基部の肉厚D2の50%にした
板バネ27を成形した。
【0054】〔比較例C〕実施例1と同じ成形樹脂材料
を射出成形機で図6に示すように、脚部30の長さL1
を支持部31の長さL2の50%以下にし、かつ脚部3
0の肉厚を均一にした板バネ32を成形した。
【0055】各実施例及び各比較例の回復率,残存率に
ついての実験結果は、下記の表2に示すようになった。
なお、表欄の○,×は板バネ5の評価を示すものであ
り、○は適、×は不適を表す。
【0056】
【表2】
【0057】実施例A〜実施例Cは写真フイルムパック
2の板バネ5に要求される性能基準を満たし、比較例A
〜比較例Cは写真フイルムパック2の板バネ5に要求さ
れる性能基準を満たさないことが判明した。これによ
り、脚部9の長さが、支持部8の長さの半分以上であ
り、かつ脚部9の断面積が、基部から末端に向かって漸
次減少するような板バネ5の場合には、写真フイルムパ
ックの板バネ5に要求される性能基準を満たすことが確
認できた。
【0058】以上、本発明の実施例をインスタントカメ
ラに使用される写真フイルムパックで説明したが、本発
明は大判カメラに使用される写真フイルムシートを収納
する写真フイルムケース及び、写真フイルムシートを押
し上げて支持する写真フイルムケース用板バネに適用す
ることができる。
【0059】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
写真フイルムケースでは、写真フイルムシートを押し上
げて、支持する板バネをガラス転移温度110°C以上
の非晶性樹脂で形成したから、板バネの耐久性能を良く
することができる。またケース本体か樹脂製であるか
ら、使用済み写真フイルムケースをそのまま溶融して、
再生ペレットに成形することができるので、リサイクル
コストを安価にすることができる。
【0060】また写真フイルムケース用板バネを、写真
フイルムシートを支持する支持部と、この支持部に一体
に形成され、支持部の50%以上の長さを持ち、かつバ
ネ性を有する脚部とで構成し、脚部は支持部側から末端
部側にむかって、その断面積が漸次減少させたので、板
バネの耐久性能を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真フイルムパックの断面図である。
【図2】板バネの実施例を示す図である。
【図3】板バネの別の実施例を示す図である。
【図4】板バネの比較例を示す図である。
【図5】板バネの別の比較例を示す図である。
【図6】板バネの他の比較例を示す図である。
【図7】脚部の長さと板バネの耐久性との相関を示すグ
ラフである。
【図8】脚部の肉厚と板バネの耐久性との相関を示すグ
ラフである。
【図9】脚部の巾寸法と板バネの耐久性との相関を示す
グラフである。
【符号の説明】
2 写真フイルムパック 3 パック本体 4 写真フイルムユニット 5,16,22,27,32 板バネ 6 露光窓 8,21,26,31 支持部 9,15,20,25,30 脚部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の未撮影写真フイルムシートを重ね
    て収納する樹脂性のケース本体と、写真フイルムシート
    を押し上げて支持する板バネとからなる写真フイルムケ
    ースにおいて、 前記板バネをガラス転移温度110°C以上の非晶性樹
    脂で成形したことを特徴とする写真フイルムケース。
  2. 【請求項2】 前記非晶性樹脂は、ガラス繊維又は無機
    充填材の少なくとも一方を含有することを特徴とする請
    求項1記載の写真フイルムケース。
  3. 【請求項3】 前記非晶性樹脂は、ポリフェニレンエー
    テル又はその共重合体10〜90wt%,芳香族ビニル
    ポリマー又はその共重合体90〜10wt%よりなる混
    合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の写真
    フイルムケース。
  4. 【請求項4】 複数の未撮影写真フイルムシートを重ね
    て収納する樹脂性のケース本体に内蔵され、写真フイル
    ムシートを押し上げて支持する板バネにおいて、 前記板バネは写真フイルムシートを支持する樹脂製の支
    持部と、この支持部から下方に突出するように成形さ
    れ、支持部を押し上げて支持する複数の脚部とから構成
    され、前記脚部の長さを、これの突出方向における支持
    部の巾の50%以上にするとともに、かつ脚部の断面積
    を支持部側から末端部側にむかって、漸次減少させたこ
    とを特徴とする板バネ。
  5. 【請求項5】 前記脚部の最小肉厚は、最大肉厚の30
    %以上70%以下であることを特徴とする請求項4記載
    の板バネ。
  6. 【請求項6】 前記脚部の最小巾は、最大巾の40%以
    下であることを特徴とする請求項4記載の板バネ。
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