JPH07205687A - 絶縁トロリー用ハンガー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】絶縁トロリーを小さな力で容易に取り付けたり
取り外すことのできる絶縁トロリー用ハンガーを提供す
ること。 【構成】絶縁トロリーの背面に沿う取り付けベースとこ
の取り付けベースの左右から同一方向に伸長し絶縁トロ
リーの両側縁に係着する左右の係止用クランプ片とを備
えたもので、左右の係止用クランプ片の根元側に湾曲部
を形成しこの湾曲部が取り付けベースの絶縁トロリー背
面に沿わせる面よりも後退する位置に有するようにし
た。すると、係止用クランプ片の長さが実質的に増加
し、絶縁トロリーを左右の係止用クランプ片間に押し込
み装着する際あるいは装着された絶縁トロリーを左右の
係止用クランプ片を開いて取り外す際の係止用クランプ
片の弾性変形が小さな力で行えるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、移動機器の給電線とな
る絶縁トロリーを支持し、造営材に固定する絶縁トロリ
ー用ハンガーに関する。

【０００２】

【従来の技術】図６は、従来の絶縁トロリー（多線一体
型）用ハンガーを示すもので、取り付けベース１とその
取り付けベースの左右から同一方向に伸長した左右の係
止用クランプ片２，２とを具備したものである。係止用
クランプ片２，２の伸長端には係止用の爪３，３を有し
ている。これらの各部を持つハンガー本体は、適当な弾
性と強靱性を併せ持つエンジニアリングプラスチックの
モールド体により一体物として製造されるものである。
左右の係止用の爪３，３の対向離間距離ａは絶縁トロリ
ーの幅よりも小さくしてある。従って、絶縁トロリー
は、左右の係止用の爪３，３の内面を滑動させつつそれ
ら爪３，３を左右に押し退けてかかる離間距離ａを大き
く広げた状態で押し込み、押し込まれた絶縁トロリーを
取り付けベース１の面４に沿うようにすると、かかる押
し込みに伴って開脚状態に弾性変形されていた左右の係
止用クランプ片２，２が弾性復元力（スプリングバッ
ク）により元の状態に復帰して絶縁トロリーの両側縁を
挟み込むとともに爪３，３が絶縁トロリーの両側縁に係
着するようになり、もって、絶縁トロリーへの支持を成
就するのである。なお、５はボルトにして、造営材にナ
ットで締結することによりハンガーの固定が図られる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述したような従来の
絶縁トロリー用ハンガーによれば、絶縁トロリーを押し
込む場合に大きな抵抗を受けるものであった。これは、
左右の係止用クランプ片２，２が取り付けベース１にお
ける長さつまり、取り付けベース１の絶縁トロリー背面
に沿う面４から爪３までの長さｂが短いために、係止用
クランプ片２，２自身の弾性変形に要する力が大きくな
るからである。

【０００４】上記のような問題を有する結果、絶縁トロ
リーを取り付けクランプさせるために必要以上に大きな
労力を必要とし、絶縁トロリーを取り付けたり取り外す
際に左右の係止用クランプ片に無理な変形力を与え、破
損を引き起こす恐れもあった。

【０００５】本発明は、上述した従来技術の問題点を解
消し、絶縁トロリーを小さな力で容易に取り付けたり取
り外すことのできる絶縁トロリー用ハンガーを提供する
ことに目的がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段・作用】本発明によって提
供する絶縁トロリー用ハンガーは、絶縁トロリーの背面
に沿う取り付けベースとこの取り付けベースの左右から
同一方向に伸長し絶縁トロリーの両側縁に係着する左右
の係止用クランプ片とを備えた絶縁トロリー用ハンガー
において、左右の係止用クランプ片の根元側に湾曲部を
形成しこの湾曲部が取り付けベースの絶縁トロリー背面
に沿わせる面よりも後退する位置に有するようにしたも
のであり、もって、係止用クランプ片の長さを実質的に
増加させ、かかる湾曲部が弾性変形の積極的なポイント
となるようにすることで、絶縁トロリーを左右の係止用
クランプ片間に押し込み装着する際あるいは装着された
絶縁トロリーを左右の係止用クランプ片を開いて取り外
す際の係止用クランプ片の弾性変形を小さな力で行える
ようにしたものである。

【０００７】かかる湾曲部は略Ｕ字形とすると良い。ま
た、取り付けベースの絶縁トロリー背面に沿わせる面の
両サイドに当接用突起を形成し、この当接用突起の根元
から係止用クランプ片の湾曲部が展開していると、係止
用クランプ片の見掛け上の長さをさらに大きくすること
ができる。

【０００８】

【実施例】図１〜図４は、本発明にかかる絶縁トロリー
用ハンガーの好ましい実施例を示したもので、図１は絶
縁トロリーを取り付けた状態の正面図、図２は隠れ線を
示した状態の正面図、図３は平面図、図４は図３のＸ−
Ｘ断面図である。

【０００９】本実施例のハンガーは、ハンガー本体Ｈと
ボルトＢとからなり、ハンガー本体Ｈは、適当な弾性と
強靱性を併せ持つエンジニアリングプラスチックのモー
ルド体で一体物からなる。ボルトＢは、かかるハンガー
本体Ｈのモールド成型時に一部（ボルト頭部）を埋め込
んで一体化されている。

【００１０】ハンガー本体Ｈは、中央の取り付けベース
１０と左右の係止用クランプ片１１，１１とで主たる骨
格をなし、係止用クランプ片１１，１１の根元側に湾曲
部１２，１２を有せしめたものである。係止用クランプ
片１１，１１は、取り付けベース１０の絶縁トロリーに
沿わせる面１３から前方に並行して伸長し、伸長端に係
止用の爪１４，１４を形成している。

【００１１】そして、湾曲部１２，１２は、図４に示す
ように、略Ｕ字形をして取り付けベース１０の絶縁トロ
リー背面に沿わせる面１３よりも後退する位置に展開さ
れ、係止用クランプ片１１，１１の長さを実質的に増加
させるようにしている。また、取り付けベース１０の絶
縁トロリー背面に沿わせる面１３の両サイドに当接用突
起１５，１５を形成し、この当接用突起１５，１５の根
元からかかる湾曲部１２，１２を展開させるようにし、
係止用クランプ片１１，１１の見掛け上の長さをさらに
大きなものとしている。

【００１２】なお、１６は、補強用のブリッジで、取り
付けベース１０を補強し且つ取り付けベースと湾曲部１
２，１２の連なり部分を補強している。但し、その補強
ブリッジ１６は、湾曲部１２，１２を含めた係止用クラ
ンプ片１１，１１の弾性変形抵抗を余り大きくしないよ
うに考慮して設けられている。

【００１３】以上のようにして構成された本実施例のハ
ンガーは、図１のようにして多線一体型の絶縁トロリー
Ｔを装着し支持を行う。即ち、絶縁トロリーＴは、左右
の係止用の爪１４，１４の間から押し込む。すると、左
右の係止用の爪１４，１４は左右に押し退けられ、それ
に付随して係止用クランプ片１１，１１がハの字形に広
げられる。その時の弾性変形は、係止用クランプ片１
１，１１自身は勿論、湾曲部１２，１２が積極的なポイ
ントとして発生する。従って、係止用クランプ片１１，
１１の弾性変形が小さな力で行うことができる。絶縁ト
ロリーＴが取り付けベース１０の面１３に沿うようにな
ると、弾性変形していた左右の係止用クランプ片１１，
１１は、自己の弾性復元力（スプリングバック）によっ
て元の位置に復帰して絶縁トロリーＴの両側縁を挟むよ
うになり、それとともに係止用の爪１４，１４が絶縁ト
ロリーＴの両側縁の段部分に係着し、もって、図１に示
すように、絶縁トロリーＴを取り付けベース１０と左右
の係止用クランプ片１１，１１で囲まれた空間に動かな
いように貫通固定されるのである。そのように絶縁トロ
リーＴを装着した状態では、取り付けベース１０の面の
両サイドにある当接用突起１５，１５が絶縁トロリーＴ
の背面に当接し、係止用の爪１４，１４による絶縁トロ
リーへの係着を確実にする。

【００１４】図１のように装着した絶縁トロリーＴを取
り外す際には、左右の係止用の爪１４，１４の一方また
は双方をドライバー等でこじ開ければ、湾曲部１２，１
２の弾性変形ポイントを利用して係止用クランプ片１
１，１１を容易に外側に広げることができ、その時に要
する力は前述した取り付け作業時と同様に小さくて済
む。

【００１５】図５は、本発明にかかる絶縁トロリー用ハ
ンガーの他の実施例を示したもので、図１〜図４と同一
部分はそれと同一の符号を引用してある。本実施例で
は、ハンガー本体Ｈに対して雌ねじ付きインサート金具
１７を埋め込み一体化させた点だけを改変したものであ
る。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したような本発明の絶縁トロリ
ー用ハンガーによれば、取り付けベースの左右に有する
係止用クランプ片の根元に湾曲部を形成しこの湾曲部が
取り付けベースの絶縁トロリー背面に沿わせる面から後
退する位置に有せしめるようにしたものであるから、係
止用クランプ片の長さを実質的に増加させ、絶縁トロリ
ーを左右の係止用クランプ片間に押し込み装着する際あ
るいは装着された絶縁トロリーを左右の係止用クランプ
片を開いて取り外す際の係止用クランプ片の弾性変形を
小さな力で行えるようになり、ひいては、絶縁トロリー
を小さな力で容易に取り付けたり取り外すことのできる
絶縁トロリー用ハンガーを提供するという所期の目的が
達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる絶縁トロリー用ハンガーの実施
例を絶縁トロリーを支持した状態で示す正面図。

【図２】図１に示すハンガーを隠れ線付きで示す正面
図。

【図３】図１に示すハンガーの平面図。

【図４】図３のＸ−Ｘ断面図。

【図５】本発明にかかる絶縁トロリー用ハンガーの他の
実施例を示す正面図。

【図６】従来の絶縁トロリー用ハンガーの例を示す正面
図。

【符号の説明】

Ｈ ハンガー本体 １０ 取り付けベース １１ 係止用クランプ片 １２ 湾曲部 １３ 取り付けベースの絶縁トロリー背面に沿わせる面 １４ 爪 １５ 当接用突起

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】絶縁トロリーの背面に沿う取り付けベース
   とこの取り付けベースの左右から同一方向に伸長し絶縁
   トロリーの両側縁に係着する左右の係止用クランプ片と
   を備えた絶縁トロリー用ハンガーにおいて、左右の係止
   用クランプ片の根元側に湾曲部を形成しこの湾曲部が取
   り付けベースの絶縁トロリー背面に沿わせる面よりも後
   退する位置に有するようにしたことを特徴とする絶縁ト
   ロリー用ハンガー。
2. 【請求項２】上記の湾曲部が略Ｕ字形としてなる、請求
   項１記載の絶縁トロリー用ハンガー。
3. 【請求項３】取り付けベースの絶縁トロリー背面に沿わ
   せる面の両サイドに当接用突起を形成し、この当接用突
   起の根元から係止用クランプ片の湾曲部が展開してい
   る、請求項１または２記載の絶縁トロリー用ハンガー。