JPH07205324A - ボタン - Google Patents

ボタン

Info

Publication number
JPH07205324A
JPH07205324A JP2201794A JP2201794A JPH07205324A JP H07205324 A JPH07205324 A JP H07205324A JP 2201794 A JP2201794 A JP 2201794A JP 2201794 A JP2201794 A JP 2201794A JP H07205324 A JPH07205324 A JP H07205324A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
button
dyeing
white
post
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2201794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08435B2 (ja
Inventor
Koushirou Nishida
耕始朗 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kiyohara KK
Original Assignee
Kiyohara KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kiyohara KK filed Critical Kiyohara KK
Priority to JP2201794A priority Critical patent/JPH08435B2/ja
Publication of JPH07205324A publication Critical patent/JPH07205324A/ja
Publication of JPH08435B2 publication Critical patent/JPH08435B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 後染めした際に、当初の地模様が濃淡多色に
段階的に鮮明に染色され、後染めにより地模様の意匠効
果を失うことがないボタンを提供する。 【構成】 無水増粘剤を適量配合したポリエステル樹脂
を基本樹脂とし、この基本樹脂に1乃至複数の後染めに
対する性格が異なるポリエステル樹脂を混合してなるボ
タン用素材樹脂A、B、Cを複数形成し、この互いに後
染めに対し性格の異なる複数のボタン用素材樹脂A、
B、Cにて白色系統の地模様を形成して成ることを特徴
としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ボタン、例えば衣服
等に取付けられるボタン、カフスボタン及び装飾ボタン
等を後染めした場合に、地模様が濃淡多色に染め分けら
れ得るボタンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衣服等のボタンは、通常はポリエ
ステル樹脂によって形成されている。ボタンは、それぞ
れ異なる着色顔料を混入した複数のポリエステル樹脂を
使用して模様が形成される。複数のポリエステル樹脂
は、ゲル化タイムが同じであることが望ましく、同じ樹
脂材料が使用される。例えば、第1のポリエステル樹脂
材料には白色顔料を混入し、第2のポリエステル樹脂材
料には黄色顔料を混入し、第3のポリエステル樹脂材料
には薄い茶色顔料を混入する。そして、各樹脂材料を模
様形成用受け皿に給送し、白色、黄色、薄い茶色に色分
けされた白色系統の地模様を形成する。この後、例えば
棒管方式により地模様を持った棒生地を得、この棒生地
をスライス切断して3色からなる白色系地模様をもった
ボタンを形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、業者がボタンを
購入する場合は、ボタン見本帳から希望する模様を備え
たボタンを選択する。ところが、模様が希望するもので
あっても、地模様の色が希望するものでない場合があ
る。つまり、希望した模様が白系統の地模様である場合
に、同じ模様であって、且つ色が例えば青系統或いは赤
系統のボタンを希望する場合がある。このような場合に
は、購入業者が選択したボタンを、購入業者の希望する
色に後染めすることが行われる。ところが、ポリエステ
ル樹脂は、アルカリ性に弱いスチロールが約25%乃至
40%混入されており、分子構造が粗い関係上、分散染
料(強アルカリ性染料)により完全に染色される。従っ
て、上記のように後染めに対する性格(後染め容易か否
かの性格)が同一である3つのポリエステル樹脂材料を
用いて、白色系統(生白色)の地模様を形成したボタン
を、例えば赤色の分散染料で後染めした場合には、白系
統の地模様(白、黄色、薄茶色)が、それぞれ殆ど全く
同じ濃度の赤色に染色され、白、黄色、薄茶色の濃淡段
階差が殆ど失われる結果、意匠効果が減衰する等の不利
があった。
【0004】この発明は、以上のような課題を解消さ
せ、後染めした際に当初の地模様が濃淡多色に段階的に
鮮明に色分け染色され、後染めにより地模様の意匠効果
を失うことがないボタンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】この目的を達成
させるために、この発明のボタンでは、次のような構成
としている。ボタンは、無水増粘剤を適量配合したポリ
エステル樹脂を基本樹脂とし、この基本樹脂に1乃至複
数の後染めに対する性格が異なるポリエステル樹脂を混
合してなるボタン用素材樹脂を複数形成し、この互いに
後染めに対し性格の異なる複数のボタン用素材樹脂にて
白色系統の地模様を形成して成ることを特徴としてい
る。
【0006】このような構成を有するボタンでは、後染
めに対し異なる性格を有する複数のボタン用素材樹脂
(ポリエステル樹脂)により形成されている。例えば、
3つのボタン用素材樹脂にて白色系統の地模様を形成す
る場合、第1のボタン用素材樹脂は後染めに対し非常に
染まり難い樹脂材料を選択し、この樹脂には白色顔料の
みを混合する。また、第2のボタン用素材樹脂は後染め
に対し比較的良く染まる樹脂材料を選択し、この樹脂に
は白色と黄色の顔料とを混合し、第1のボタン素材用樹
脂よりやや黄色に近いクリーム色とする。更に、第3の
ボタン用素材樹脂は後染めに対し非常に染まり易い樹脂
材料を選択し、この樹脂には白色と黄色と薄い茶色の顔
料を混合し、第2のボタン素材用樹脂より濃いクリーム
色とする。この3つのボタン用素材樹脂にて、3色から
なる白色系地模様(白色と白に近いクリーム色と灰色に
近いクリーム色とに色分けされた地模様)を形成したボ
タンが形成される。従って、このボタンを例えば赤色の
分散染料で後染めした場合は、第1のボタン用素材樹脂
は、殆ど染まらず、ほぼ白色に近い薄いピンク色に染色
され、第2のボタン用素材樹脂は鮮やかな濃いピンク色
に染色され、第3のボタン素材用樹脂は殆ど分散染料と
同じ程度の濃い赤色に染色される。従って、後染めによ
り当初の地模様が失われず、白色系地模様が赤色系統の
濃淡3色に色分けされた状態で鮮やかに染色され、地模
様の意匠効果を保持し得る。
【0007】
【実施例】図1は、この発明に係るボタンの具体的な一
実施例を示す平面図である。
【0008】図1に示す実施例のボタンは、後染めに対
し性格の異なる3種のボタン用素材樹脂A、B、Cを使
用して、3色の白色系統色(白色、白に近いクリーム
色、薄茶色)から成る地模様が形成してある。3種のボ
タン用素材樹脂(第1のボタン用素材樹脂A、第2のボ
タン用素材樹脂B、第3のボタン用素材樹脂C)は、い
ずれも、無水増粘剤を適量配合したポリエステル樹脂を
基本ベース(基本樹脂)とし、この基本樹脂に1乃至複
数の後染めに対する性格が異なるポリエステル樹脂を混
合して形成される。
【0009】上記基本樹脂は、例えば、大日本インキ化
学工業株式会社製の商品名「ポリライトTCー141」
が使用される。この樹脂は、ポリエステル樹脂であっ
て、スチレンが30%乃至40%含まれた透明で粘度が
極めて低い樹脂である。樹脂化学試験表では、この樹脂
は色数25、粘度M、ゲル化タイムが5分30秒(温度
25°Cで、且つ促進剤1%、硬化剤1%含んだ状態の
下で)の性格を持つ。ところで、複数のポリエステル樹
脂を混合する場合、増粘剤を配合して液状樹脂に揺変性
を付与し、形成する柄崩れ(地模様くずれ)を防止する
必要がある。ところが、高粘度のポリエステル樹脂に増
粘剤を投入するには、生スチレンを混合して粘度を低く
しなければならず、逆に生スチンレンを混合すると、生
スチレンによって増粘剤の増粘効果が失われる不利があ
り、高粘度のポリエステル樹脂には、増粘剤を混合し得
ない。そこで、粘度が極めて低い上記基本樹脂に増粘剤
が混合される。この基本樹脂では、生スチレンを混合す
る必要がなく、増粘効果を最大源に発揮し得る。増粘剤
としては、無水シリカ(日本アエロジル株式会社製・商
品名「アエロジル200」)が使用される。この無水シ
リカは、極めて微細な粒子径をもつ高純度の増粘剤で、
その表面に存在するシラノール基の働きにより、液状樹
脂に増粘・揺変性を付与し、流動性を改善する。つま
り、例えば基本樹脂(商品名「ポリライトTCー14
1」)100Kgに対し、無水シリカ4Kgを混合攪拌
して、樹脂の増粘性を向上させる。後述するように、複
数のポリエステル樹脂を混合攪拌する際に、混合樹脂内
に発生する泡を脱泡する際、投入される生スチレンによ
っても、基本樹脂内に分散する増粘剤が、直接、生スチ
レンに触れないため、形成された地模様が柄崩れする虞
れがなくなる。
【0010】前記基本樹脂に混合される後染めに対し性
格の異なる樹脂材料としては、以下のものが使用され
る。例えば、基本樹脂に比較して後染めが困難な樹脂と
しては、株式会社日本触媒製の商品名「エポラックNー
5Y」を使用する。この後染めが困難な樹脂は、ポリエ
ステル樹脂であって、スチレン25%ないし30%含ん
だ分子構造が極めて密で硬度の高い樹脂である。樹脂化
学試験表によれば、この樹脂は、色数30、粘度12.4、
ゲル化タイムが9分(温度25°Cで、且つ促進剤1
%、硬化剤1%含んだ状態の下で)の性格を持つ。ま
た、基本樹脂に比較して後染めが極めて容易な樹脂とし
て、大日本インキ化学工業株式会社製の商品名「ポリラ
イトBSー109N」が使用される。この後染めが容易
な樹脂は、ポリエステル樹脂であって、スチレンが30
%乃至40%混合された弾力があり柔軟性豊かな樹脂で
ある。樹脂化学試験表によれば、この樹脂は、色数が4
0、粘度BM8.2、ゲル化タイムが7分30秒(温度
25℃で、且つ促進剤1%、硬化剤1%含んだ状態の下
で)の性格を持つ。
【0011】前記第1のボタン用素材樹脂Aは、実施例
では、上記に説明した後染めの極めて容易なポリエステ
ル樹脂(商品名・ポリライトBSー109N)75重量
%に、基本樹脂25重量%を混合して得られる。この基
本樹脂25重量%の中には、増粘剤(無水シリカ)が4
重量%含まれている。更に、この第1のボタン用素材樹
脂Aには、白色顔料と黄色顔料及び茶色顔料とが混合さ
れ、全体として薄い茶色に着色される。顔料としては、
酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、クロムエロー或い
はカドミウムエロー等の黄色顔料、アンバー等の茶色顔
料が使用される。実施例では、ボタン用素材樹脂Aの1
Kg当たりに対し、大日本インキ化学工業株式会社製の
商品名・TRー51(白色顔料)6gとTRー085
(茶色顔料)0.02g、及び東洋インキ製造株式会社
製の商品名・J605(黄色顔料)を0.02gを投入
使用している。また、後染めの浸透容易を企図して後染
め促進剤(根本特殊化学株式会社製・商品名「ルミパー
ルDSNー5」)を、樹脂A100重量%に対し2.5
重量%を投入している。この第1のボタン用素材樹脂A
は、樹脂の混合割合から明らかなように非常に後染めが
容易な性格を有する。
【0012】前記、第2のボタン用素材樹脂Bは、基本
樹脂に対し、後染めに対する異なる性格を有する2種の
ポリエステル樹脂を混合することで、後染めに対し比較
的染まり易い樹脂を得る。実施例では、基本樹脂20重
量%、後染め困難な樹脂(商品名「エポラックNー5
Y」)を65重量%、後染めが極めて容易な樹脂(商品
名「ポリライトBSー109N」)15重量%を混合し
て得る。また、基本樹脂20重量%の中には、増粘剤
(無水シリカ)4重量%が含まれている。更に、この第
2ボタン用素材樹脂Bには、樹脂Bの1Kg当たりに対
し白色顔料(上記TRー51)1.5gと、黄色顔料
(上記J605)0.02gを投入使用し、全体として
白に近い黄色に着色している。従って、この第2ボタン
用素材樹脂では、後染めが困難なポリエステル樹脂の量
を多くし、後染めが極めて容易なポリエステル樹脂の量
を少なくしているため、上記の第1ボタン用素材樹脂A
に比較して後染めがやや困難な性格となっている。
【0013】上記第3のボタン用素材樹脂Cは、基本樹
脂に対し、後染めが極めて困難な樹脂を混合して得る。
実施例では、基本樹脂20重量%に対し、上記後染め困
難な樹脂(エポラックNー5Y)を80重量%混合して
得る。また、基本樹脂20重量%の中には増粘剤(無水
シリカ)4重量%が含まれている。そして、この第3の
ボタン用素材樹脂Cには、白色顔料のみを投入する。実
施例では、樹脂Cの1Kg当たりに対し白色顔料(上記
TRー51)のみを25g投入使用し、全体として濃い
白色に着色している。また、樹脂Cを純白状態に漂白す
るため、漂白剤(長瀬産業株式会社製・商品名「ユビテ
ックスOB」)を、樹脂C1Kg当たりに対し0.2g
投入している。従って、この第3ボタン用素材樹脂Cで
は、第1のボタン用素材樹脂A及び第2のボタン用素材
樹脂Bに比較し、後染めが困難な性格となっている。
【0014】図5は、実施例ボタンの製造状況を示す概
略説明図、図6は実施例ボタンの製造工程を示す製造フ
ローチャートである。図6の製造フローチャートで示す
ように、まずボタン用素材樹脂A、B、Cが製造される
〔ステップ(以下STという)1〕。これに先だち、予
め、基本樹脂が製造される。つまり、基本樹脂は、先に
説明したように、大日本インキ化学工業株式会社製の商
品名「ポリライトTCー141」が使用される。この粘
度が極めて低いポリエステル樹脂100重量%に対し、
無水増粘剤4重量%入れ、8時間程度攪拌して無水シリ
カを充分に分散させた基本樹脂を得る。この基本樹脂に
対し、前述のように後染めに対し性格の異なるポリエス
テル樹脂を所定割合で配合し、それぞれ約40分程度攪
拌することで、第1のボタン用素材樹脂A、第2のボタ
ン用素材樹脂B、及び第3のボタン用素材樹脂Cを得
る。
【0015】この後、図5で示すように、第1ボタン用
素材樹脂Aはタンク1に充填され、第2のポタン用素材
樹脂Bはタンク2に充填され、第3のボタン用素材樹脂
Cはタンク3に充填される。そして、各タンク1、2、
3で、樹脂混合時に発生する泡の脱泡処理が実行される
(ST2)。脱泡処理では、脱泡を容易にするため生ス
チレンが、タンク内の樹脂量(重量%)に対し約0.8
重量%乃至13重量%投入され、約40分攪拌し、真空
ポンプにて4時間乃至8時間脱泡する。この脱泡時に投
入する生スチレンの投入によっても、後に形成される地
模様の柄くずれは生じない。つまり、増粘剤が基本樹脂
内で充分に分散しており、増粘剤が直接、生スチレンに
触れることがないためである。
【0016】脱泡処理が終了したボタン用素材樹脂は、
それぞれ促進剤側タンクと、硬化剤側タンクとに分離し
て投入される。つまり、図5で示すように、第1のボタ
ン用素材樹脂Aは、タンク1から促進剤側タンク1a
と、硬化剤側タンク1bに別けて同量投入される。同様
にして第2のボタン用素材樹脂Bも促進剤側タンク2a
と硬化剤側タンク2bに、第3のボタン用素材樹脂Cも
促進剤側タンク3aと硬化剤側タンク3bに別けて投入
される(ST3、ST4)。各促進剤側タンク1a、2
a、3aでは、それぞれ促進剤と顔料が投入される(S
T3)。各促進剤側タンク1a、2a、3aでは、促進
剤側タンクに充填された樹脂量(重量%)に対し、促進
剤が約1.4重量%投入される。実施例では、促進剤と
して、大日本インキ化学工業株式会社製・商品名「RP
ー126」が使用される。この促進剤は、ナフテンサン
コバルト中に、メタノール10乃至20%、エチル酢酸
30乃至40%混合したものである。この促進剤によ
り、樹脂のゲル化タイムを調整する。更に、促進剤側タ
ンク1aでは、白色、黄色、茶色の顔料をそれぞれ投入
し、促進剤側タンク2aには、白色と黄色の顔料を投入
し、促進剤側タンク3aでは白色顔料のみを投入し混合
攪拌する。そして、促進剤側タンク1a、2a、3aの
各ボタン用素材樹脂は、それぞれ真空攪拌機4、5、6
へポンプ4a、5a、6aにより、チューブを介して給
送される。
【0017】一方、硬化剤側タンク1b、2b、3bへ
送られたボタン用素材樹脂は、それぞれ真空攪拌機4、
5、6へ送られる直前に硬化剤のみが投入され(ST
5)、この後に真空攪拌機4、5、6へ給送される。硬
化剤は、実施例では日本油脂株式会社製の商品名「パー
キュアVE」が使用される。この硬化剤は、有機過酸化
物である。この硬化剤は、硬化剤側タンクに充填された
樹脂量(重量%)に対し、約0.5重量%乃至0.6重
量%投入され、約10分程度攪拌された後、それぞれポ
ンプ4a、5a、6aを介して真空攪拌機4、5、6へ
給送され、促進剤側タンク1aと硬化剤側タンク1b
(2aと2b、3aと3b)の各樹脂が混合攪拌され
る。上記硬化剤は、真空攪拌機へ給送後、約30程度で
樹脂がゲル化するように配合設定してある。
【0018】真空攪拌機4、5、6へ給送された促進剤
側の樹脂と硬化側の樹脂は、それぞれ混合攪拌された後
(ST6)、各チューブ先端のノズル4b、5b、6b
を介して、地模様形成用受け皿7へ充填され、地模様が
形成される(ST7)。つまり、白色(第3のボタン用
素材樹脂C)、白に近い黄色(第2のボタン用素材
B)、白に近い薄い茶色(第1のボタン用素材樹脂A)
に色分けられた白色系統の地模様が形成される。この受
け皿7は、所謂回転式受け皿で、各樹脂A、B、Cはほ
ぼ波型形状の地模様に形成される。この地模様の形成を
終えたボタン材料は、受け皿7から棒管部8へ流し込ま
れ、棒生地(棒管方式によるボタン生地)が形成される
(ST8)。そして、この棒生地が発熱することで、棒
管部8から抜取り、冷却後、スライス切断し(ST
9)、スライス状ボタンを自然硬化させた後(ST1
0)、加熱(約1時間90℃)処理、水冷却処理(ST
11、ST12)の後、切削加工して、白色、白に近い
黄色、薄い茶色からなる3色の白色系統の地模様をもっ
たボタンを得る。
【0019】図3は、ボタンの他の実施例を示す平面図
である。先の実施例では、後染めに対する性格の異なる
3種の樹脂材料、つまり第1のボタン用素材樹脂Aと第
2のボタン用素材樹脂Bと、第3のボタン用素材樹脂C
とで形成したボタンを示したが、この実施例では第1の
ボタン用素材樹脂Aと、第3のボタン用素材樹脂Cとで
構成したボタンを示している。この実施例のボタンで
は、後染めが極めて容易な第1のボタン用素材樹脂A
と、後染めが極めて困難な第3のボタン用素材樹脂Cの
2種の両極端な樹脂材料で、ボタンを形成したから、白
色(第3のボタン用素材樹脂C)と薄い茶色(第1のボ
タン用素材樹脂A)とにより、2色の白色系統地模様が
形成されている。この実施例のボタンでは、地模様形成
用受け皿7は固定用受け皿で、樹脂はストレートに上方
から落下させることにより、地模様を形成している。
【0020】このような構成を有するボタンを後染めし
た場合は、図2で示すような染色状態となる。つまり、
図1で示す白色、白に近い黄色、薄い茶色の3色からな
る白色系統の地模様のボタンを、例えば赤色の分散染料
(界面活性剤を混入した強アルカリ性染料)で後染めす
ると、図2で示すように、第1のボタン用素材樹脂A
(薄い茶色)は濃い赤色(A')に染色され、第2のボタ
ン用素材樹脂B(黄色)はピンク色(B')に染まり、第
3のボタン用素材樹脂C(真白)は白に近い薄いピンク
色(C')に染色される。 また、図3で示す第2実施例
のボタンでは、白色の第3のボタン用素材樹脂Cは、白
に近いピンク色(C')に染色され、第1のボタン用素材
樹脂Aは濃い赤色(A')に染色され、極めて濃淡が対象
的な色合いに鮮明に染色される。かくして、当初の地模
様が後染めによって意匠効果が減殺されることがない許
かりでなく、地模様を残したまま、如何なる色にも濃淡
多色に鮮明な色分け染色を実現できる。
【0021】実施例では、後染めに対する性格の異なる
3種類のボタン用素材樹脂(第2実施例では2種類の樹
脂)を使用してボタンを形成した例を示したが、実施に
際しては、2種類或いは3種類のボタン用素材樹脂を使
用するボタンに限らず、後染めに対する性格の異なる5
種類或いはそれ以上のボタン用素材樹脂を使用して地模
様を形成したボタンとしても良いこと勿論である。例え
ば、基本樹脂50重量%に対し後染めが極めて容易なポ
リエステル樹脂(商品名・ポリライトBSー109N)
を50重量%混合したボタン用素材樹脂(仮に「ボタン
用素材樹脂D」とする)を形成した場合、このボタン用
素材樹脂Dはその樹脂配合割合いから、後染めに対する
性格は前記ボタン用素材樹脂Aとボタン用素材樹脂Bと
の間に位置する「後染めが容易な樹脂」となる。従っ
て、上記3種類のボタン用素材樹脂A、B、Cに、この
ボタン用素材樹脂Dを含めた4種類から成る白色系統地
模様のボタンを形成することも出来る。つまり、基本樹
脂に対し後染めに対する性格の異なる樹脂材料として、
極めて後染め容易なポリエステル樹脂(商品名・ポリラ
イトBSー109N)と後染め困難なポリエステル樹脂
(商品名・エポラックNー5Y)の配合割合を適宜増減
することで、数多くの後染めに対する性格の異なるボタ
ン用素材樹脂を得ることができる。従って、後染めに対
する性格を異にするこれらの数多くのボタン用素材樹脂
を多数使用することで、後染めによる濃淡コントラスト
の強弱数を多数、自由に設定し得る。
【0022】
【発明の効果】この発明では、以上のように、無水増粘
剤を適量配合したポリエステル樹脂を基本樹脂とし、こ
の基本樹脂に1乃至複数の後染めに対する性格が異なる
ポリエステル樹脂を混合してなるボタン用素材樹脂を複
数形成し、この互いに後染めに対し性格の異なる複数の
ボタン用素材樹脂にて白色系統の地模様を形成すること
としたから、当初の地模様が後染めによって意匠効果を
減殺されることがない許かりでなく、地模様を残したま
ま、如何なる色にも濃淡多色に鮮明な色分け染色を実現
し得る等、発明目的を達成した優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】後染めに対する性格が異なるボタン用素材樹脂
を3種使用して白色系統の地模様を形成したボタンを示
す平面図である。
【図2】後染めに対する性格が異なるボタン用素材樹脂
を3種使用して白色系統の地模様を形成したボタンを赤
色染料で染色した状態を示す平面図である。
【図3】後染めに対する性格が異なるボタン用素材樹脂
を2種使用して白色系統の地模様を形成したボタンを示
す平面図である。
【図4】後染めに対する性格が異なるボタン用素材樹脂
を2種使用して白色系統の地模様を形成したボタンを赤
色染料で染色した状態を示す平面図である。
【図5】実施例ボタンの製造状態を示す概略説明図であ
る。
【図6】実施例ボタンの製造工程を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
A 第1のボタン用素材樹脂 B 第2のボタン用素材樹脂 C 第3のボタン用素材樹脂

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水増粘剤を適量配合したポリエステル
    樹脂を基本樹脂とし、この基本樹脂に1乃至複数の後染
    めに対する性格が異なるポリエステル樹脂を混合してな
    るボタン用素材樹脂を複数形成し、この互いに後染めに
    対し性格の異なる複数のボタン用素材樹脂にて白色系統
    の地模様を形成して成るボタン。
JP2201794A 1994-01-21 1994-01-21 ボタン Expired - Lifetime JPH08435B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2201794A JPH08435B2 (ja) 1994-01-21 1994-01-21 ボタン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2201794A JPH08435B2 (ja) 1994-01-21 1994-01-21 ボタン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07205324A true JPH07205324A (ja) 1995-08-08
JPH08435B2 JPH08435B2 (ja) 1996-01-10

Family

ID=12071226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2201794A Expired - Lifetime JPH08435B2 (ja) 1994-01-21 1994-01-21 ボタン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08435B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100851674B1 (ko) * 2002-06-20 2008-08-13 주식회사 케이아트텍 악세사리 가공소재 제조장치
CN107471697A (zh) * 2017-09-29 2017-12-15 广东溢达纺织有限公司 片钮自动化生产系统

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100851674B1 (ko) * 2002-06-20 2008-08-13 주식회사 케이아트텍 악세사리 가공소재 제조장치
CN107471697A (zh) * 2017-09-29 2017-12-15 广东溢达纺织有限公司 片钮自动化生产系统
CN107471697B (zh) * 2017-09-29 2023-09-01 广东溢达纺织有限公司 片钮自动化生产系统

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08435B2 (ja) 1996-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0249685B1 (en) Process of making dispersions of polymer encapsulated colorants or pigments
JPH02199403A (ja) カラーフィルターおよびその製造方法
CN110078411A (zh) 一种适用于3d打印白水泥基材料的着色剂及其使用方法和应用
DE69427068D1 (de) Tinte für Tintenstrahlfärbung und Verfahren zur Herstellung von Mischfarben
JPH07205324A (ja) ボタン
CN104448927A (zh) 一种复合活性蓝染料
ES458986A1 (es) Instalacion para la preparacion de los colores de estampado para maquinas estampadoras de tejidos.
CN105342074A (zh) 具有自然肌理复古效果的钮扣和制作方法
CN104343022B (zh) 荧光染料及其制备方法和应用
KR20010085094A (ko) 자연 경화형 경량 인조 점토의 제조방법
CN103013306A (zh) 卫生洁具用彩色胶衣及其制备方法
CN107629551A (zh) 一种纺织品用微胶囊包覆型颜料喷绘水墨及其制备方法
CN110273193A (zh) 一种在bcf纤维中使用的复合体有机颜料
EP0994214A1 (en) Process for printing on cloth with watersensitive colors
CN109440210A (zh) 一种纺织彩纤的调色工艺
CN1322071C (zh) 一种拉丝颜料及其生产方法
JP3471095B2 (ja) カラーフィルタおよびその製造方法
KR880002682B1 (ko) 입체성 금박전사지의 제조방법
JPH0773889B2 (ja) 後染め不可能なボタン用透明樹脂の処理方法
JP3505799B2 (ja) 反応染料混合物及びそれを用いる繊維材料の染色方法
US506663A (en) Victor g
CN107700254A (zh) 一种活性染料固色剂的制备方法
KR20210009008A (ko) 다채무늬 패널 및 그 제조방법
KR101440923B1 (ko) 청바지 원단에 다양한 색상을 원색 그대로 구현하는 방법 및 원색이 채색된 청바지
CN117626457A (zh) 液态色母组合物及彩色纤维的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960625