JPH07204856A - 厚鋼板の大入熱多層サブマージアーク溶接方法 - Google Patents

厚鋼板の大入熱多層サブマージアーク溶接方法

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JPH07204856A
JPH07204856A JP236294A JP236294A JPH07204856A JP H07204856 A JPH07204856 A JP H07204856A JP 236294 A JP236294 A JP 236294A JP 236294 A JP236294 A JP 236294A JP H07204856 A JPH07204856 A JP H07204856A
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修一 阪口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板厚40mm以上の厚鋼板の溶接において、ビー
ド外観の良好な高能率サブマージアーク溶接を達成する
方法を提案する。 【構成】 初層の溶接を、鉄粉を20〜40重量%を含むフ
ラックスを用いて溶接し、最終層は鉄粉を含まず、かつ
融点を規制したフラックスを用いて溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層盛サブマージアー
ク溶接に係わり、詳しくは鉄骨ボックス柱の角継手溶接
のような厚鋼板を片面から高能率に溶接施工する場合に
おいて、ビード外観の良好な溶接部を高能率に得ること
のできる大入熱多層サブマージアーク溶接方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年のビルの高層化により板厚40mm以上
の極厚のボックス柱が普通に使用されるようになり、溶
接の高能率化はますます重要になっている。ボックス柱
角継手の溶接には、高能率化のために鉄粉を添加して溶
着量の増大を図ったフラックスを用いた片面1 パス大入
熱サブマージアーク溶接法が広く用いられているが、板
厚増大に伴い溶接に必要な溶着量が著しく増大するた
め、適用可能な板厚が溶接機の電流容量などにより制限
される。このような1 パス溶接の適用が困難な厚鋼板の
溶接施工では多層盛溶接を行う必要があるが、大入熱サ
ブマージアーク溶接の多層盛では入熱の増大とともにス
ラグの厚みが増大してスラグ剥離性が悪化したり、凝固
割れを生じやすいなどの問題がある。
【0003】多層盛サブマージアーク溶接の問題点に対
しては、従来から種々の改善策が提案されており、例え
ば、特開昭63-192593 号公報ではAl2O3 を主成分とする
スラグ剥離性の優れたフラックスが提案され、また特開
昭57-64491号公報、特開昭61-9979 号公報などの公報に
は溶接金属の化学組成を規定することによる凝固割れの
防止方法が提案されている。しかしこれらの方法は、従
来からの工法である比較的小入熱のパスを、50°程度以
上の開先に積層することを前提に提案されているため十
分な能率が確保できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
厚鋼板の片面サブマージアーク溶接の大入熱多層盛施工
の際に問題となるスラグ剥離性や耐凝固割れ性を改善す
ることを目的として、先に特開平2-258191号公報におい
て30% 以下の鉄粉を含有し、特定の組成を有するフラッ
クスと複数段開先を組合わせて行う高能率溶接方法を提
案した。これにより、1 パス溶接法の適用範囲を越える
厚鋼板の多層溶接におけるパス数を最小限に止めること
ができる。
【0005】しかし、鉄粉添加フラックスはフラックス
中に多量の鉄粉を含有するため嵩比重が大きく、このた
めビード幅が広がりにくく、トウ部の形状がオーバーラ
ップ気味になりやすい。とくにこの方法では開先を多段
開先として開先幅を広げているため、鉄粉添加フラック
スを用いた最終層では良好なビード外観の得られる条件
範囲が狭くなる。このため最終層に十分なビード幅を確
保できるフラックスを組合わせて、1 層1 パスの積層に
より、欠陥のない良好なビード外観を有する溶接ができ
なければ、安定して高能率な溶接施工を達成できない。
本発明は上記のような問題を解決し、ビード外観が良好
で高能率な大入熱多層溶接法を提供しようとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、1層1パ
ス溶接におけるビード幅および形状についての幅広い検
討を行い、フラックスへの鉄粉添加がビード形状に大き
な影響を与えることを明らかにした。本発明はこれらの
知見に基づくものである。すなわち本発明は、板厚40mm
以上の厚鋼板を多層溶接する際に、初層を全フラックス
に対する重量%で20〜40%の鉄粉を含有する焼成型フラ
ックスを用いて溶接を行い、最終層を鉄粉を含まず、か
つ(1) 式で表される組成比が1.5 以下の組成のフラック
スを用いて溶接することを特徴とする厚鋼板の大入熱多
層サブマージアーク溶接方法。
【0007】 R=(MgO+CaO+Al2O3)/(SiO2+CaF2) ・・・・・(1)
【0008】
【作用】以下にこの発明における開先形状およびフラッ
クスについての限定理由を述べる。まず開先角度である
が、通常片側から溶接施工される厚鋼板の開先としては
V 開先が一般的であり、厚鋼板の大入熱サブマージアー
ク溶接においては35〜40°程度の角度の開先が用いられ
る。開先角度は、溶け込みの確保の観点からむやみに狭
くすることはできないため、板厚が厚くなると開先断面
積が大きくなって1パスで盛り上げるために必要な溶接
入熱が増大し、溶接機の容量や耐久性の点から1パス溶
接の限界となる。また溶接部の機械的性質は溶接入熱が
大きいほど劣化するため、材質によってはこの面からも
制限を受ける。このように1パス溶接の適用には限界が
あり、この限界を越える厚物に対しては、多層溶接を適
用することになる。
【0009】初層に用いるフラックスについては、鉄粉
添加フラックスを用いることが必要である。鉄粉は溶接
中のアークの集中性を向上させて大入熱溶接における溶
接作業性を改善し、溶接中に溶融池に移行して溶着速度
を増加する成分であるが、20%未満ではこの効果が十分
でなく、40%を越えて含有するとビード外観が劣化する
ため、適正範囲として20〜40%とした。
【0010】一方、最終層の溶接に用いるフラックスと
しては鉄粉を含まないことが望ましく、さらに(1) 式で
表されるフラックスの組成比Rが1.5 以下であることが
必要である。すなわち、多層溶接の能率向上のためには
パス数をできるだけ少なくすることが重要であり、1層
1パスの積層を行うことが望ましいが、最終層の開先幅
が広くなればなるほど、開先の溶け残しやアンダーカッ
トを生じやすくなって適正溶接条件が極めて狭くなり、
実用に耐えなくなってしまう。この原因の一端はフラッ
クスに鉄粉が含有されることにより、アークが集中し、
フラックスのかさ比重が大きくなるとともに熱容量が増
大し、ビード幅が広がりにくくなるためである。したが
って、原則的には鉄粉を含まず、さらにはスラグの融点
が高すぎず、ビード幅の広がりやすいことが必要であ
る。このためスラグの融点を評価する指標として(1) 式
で表される構成比Rを用いたとき、これが大きすぎるよ
うなフラックスでは十分なビード幅が得られないめ、1.
5 を上限とした。
【0011】以上、本発明は厚鋼板の鉄粉添加フラック
スを用いた高能率サブマージアーク溶接に係わり、最終
層に特定のフラックスを適用することによりビード外観
の優れた溶接ビードを得ようとするものである。ここで
最終層のフラックスには原則的には鉄粉を含まないが、
脱酸剤として用いられる合金鉄などからフラックスに含
有される鉄分は、通常用いられる範囲であれば含まれて
いてもかまわない。また、本発明において用いる開先と
しては少なくとも2段階で広がる複数段開先が好適であ
る。すなわち、多層溶接の高能率化を図ろうとした場合
には多層溶接の大入熱化と開先断面積の抑制が課題とな
るが、図1に示すような底部が狭く上部が広い開先角度
をなす開先を用いることにより、開先断面積を減少さ
せ、かつ溶接金属の形を凝固割れが発生しにくくスラグ
剥離性に優れた形状とすることができるのである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。表1に示
す鋼板およびワイヤと表2に示す化学組成のフラックス
を用いて表3に示す条件で溶接を行った。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】表4に溶接結果をまとめて示す。
【0017】
【表4】
【0018】本発明に係わる実施例記号1〜4、7、
8、10、11を用いた場合、良好な溶接作業性の下に良好
なビード外観が得られた。これに対して記号5、9の最
終層用フラックスにおいては金属鉄分が本発明の要旨と
するところの条件を外れており、また記号6、12では最
終層用フラックスの組成が適正範囲を外れているために
ビード外観が不良であった。
【0019】
【発明の効果】前述のように本発明に係わるフラックス
を用いれば、ビード外観の良好な溶接を高能率に達成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における開先形状を示す断面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚40mm以上の厚鋼板を多層溶接する際
    に、初層を全フラックスに対する重量%で20〜40%の鉄
    粉を含有する焼成型フラックスを用いて溶接を行い、最
    終層を鉄粉を含まず、かつ(1) 式で表される組成比が1.
    5 以下の組成のフラックスを用いて溶接することを特徴
    とする厚鋼板の大入熱多層サブマージアーク溶接方法。 R=(MgO+CaO+Al2O3)/(SiO2+CaF2) ・・・・・(1)
JP00236294A 1994-01-14 1994-01-14 厚鋼板の大入熱多層サブマージアーク溶接方法 Expired - Fee Related JP3463333B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2013080523A1 (ja) * 2011-11-29 2015-04-27 Jfeスチール株式会社 鋼板のサブマージアーク溶接方法

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