JPH0720467U - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JPH0720467U
JPH0720467U JP051026U JP5102693U JPH0720467U JP H0720467 U JPH0720467 U JP H0720467U JP 051026 U JP051026 U JP 051026U JP 5102693 U JP5102693 U JP 5102693U JP H0720467 U JPH0720467 U JP H0720467U
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JP
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sealing device
lip
housing
shaft
recess
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鎌田浩
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Nok Corp
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール性及び組込み作業性を向上させること
ができる密封装置を提供する。 【構成】 ハウジング7内に軸8を挿入する。軸8の装
着溝9に密封装置1を装着する。密封装置1はゴム状弾
性材製であり、環状をなす。密封装置1は、外周面を摺
動させてハウジング7内に組み込む。密封装置1は、一
端面に第1凹部2を、内周部に第2凹部3を形成する。
他端面から外周面に至る部位を凸状面Fに形成する。凹
部2、3および凸状面Fの各間で第1リップ4、第2リ
ップ5、第3リップ6をそれぞれ形成する。第1凹部2
および第2凹部3の存在により、組込時の圧縮変形が容
易である。よって、密封装置1の高圧縮率を確保するこ
とができる。また、凸状面Fでハウジング7と摺動する
ことで、組込時のかじりがない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は密封装置に関し、特に、浄水器等において使用され、比較的低圧 (10kgf/cm2 以下)の領域をシールする密封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】
従来、この種、浄水器等に用いられて流体の漏れを防止する密封装置としては 、所謂OリングやDリング等のようなリング状をなしたパッキンが知られており 、図4に、Oリングを用いた場合の使用例を示す。
【0003】 すなわち、図4に示す密封装置21は、孔27aを有するハウジング27と、 この孔27a内に相対移動可能な状態で挿通される軸28との間をシールするも ので、この密封装置21は、装着溝29に装着した状態で軸28を孔27a内に 挿入することで組み込まれるようにしてある。
【0004】 図4において、ハウジング27は孔27aを有していて、この孔27a内に軸 28がわずかに離間した状態で挿通されることにより、この軸28を回転又は往 復動可能な状態で支持するものである。 そして、このハウジング27の孔27aに挿通される軸28には、その外周面 に開口する環状の装着溝29が形成され、この装着溝29内に密封装置21が装 着されるようにしてある。
【0005】 この密封装置21は所謂Oリングであって、シール性の良好なゴム状弾性体よ りなり、断面が円状をなすとともに、全体として環状に形成されているものであ る。 そして、この密封装置21を軸28の装着溝29に装着したのち、当該軸28 をハウジング27の孔27aに挿入することにより、密封装置21は、外周面で 孔27aの内周面と摺動しながらハウジング27の内方へ進行する。この結果、 密封装置21が装着溝29内で圧縮された状態でハウジング27内に組み込まれ ることとなる。このとき、密封装置21は、その外周部がハウジング27に摺動 可能な状態で当接し、また、内周部が軸28に当接した状態で配設される。
【0006】 上記のように構成された密封装置21は、ハウジング27と軸28とが相対移 動可能な状態で両者27、28間をシールし、ハウジング27の内方から水等の 流体の圧力Pが作用しても流体が漏れないようになっている。 つまり、この密封装置21は、圧縮状態でハウジング27と軸28との間に介 在してあるので、密封装置21の弾性力により、外周面がハウジング27に、ま た、内周面が軸28にそれぞれ圧接し、それらの圧接面にシール性が得られるよ うになっている。
【0007】 この一方では、密封装置21は、その外周面でハウジング27の内面と摺接し てシールするので、軸28は、ハウジング27に対して回転または往復動を可能 とすることができるようになっている。
【0008】 上記の場合、一般的な大衆向けの浄水器等にあっては、そのハウジング27が 樹脂等の材質で形成されている場合が多い。このため、ハウジング27の加工精 度が悪く、密封装置21を装着するための装着部は公差が比較的大きく(金属製 に比べて約2〜10倍程度ラフに)設定されている。したがって、ハウジング2 7を形成した際、その装着部には既に偏心等が生じているのが現状であり、位置 精度に問題があった。 また、一方、大衆向けの製品の場合、シール性能の基準が非常にシビアであり 、漏れのない密封装置が要求されている。
【0009】 そこで、漏れを確実に防止するとともに、装着部の大きな公差に対応するため に、密封装置21は、比較的高圧縮率で使用され、装着部において大きく圧縮し た状態で配設するようにしてある。
【0010】 しかしながら、このように高圧縮率で使用される密封装置21にあっては、組 み込み作業性が悪化する恐れがあった。
【0011】 すなわち、密封装置21は、高圧縮率でハウジング27と軸28との間に介在 させるために、常態での外径はハウジング27の孔27aの内径よりもある程度 大きく設計されている。このため、密封装置21を軸28とともに孔27aに (図中A方向へ)挿入する際に、当該密封装置21の外周端部が孔27aの開口 周縁部に引っ掛かって所謂かじり現象が生じてしまうことがあった。密封装置2 1にかじりが生じるとシール性能が不良となってしまうので、密封装置21のハ ウジング27への組み込みは慎重にしなければならなかった。
【0012】 また、組み込みの途中においては、密封装置21は、ハウジング27と軸28 との間で高圧縮率で弾性変形した状態となっているので強い弾性力が発生してい る。したがって、密封装置21は、それ自身の強い弾性力によってハウジング2 7との間の摺動抵抗が大きくなるので、孔27a内での進行が困難であった。
【0013】 しかも、密封装置21は、大きく圧縮された状態でハウジング27内に組み込 まれるために、その強い弾性力によってハウジング27を外方へ拡げるように変 形させてしまう恐れがあり、問題であった。
【0014】 この考案は上記のような問題点を解消し、シール性および組み込み作業性を向 上させることができる密封装置を提供することを目的とする。
【0015】
【問題点を解決するための手段】
この考案は上記の問題点を解決するために、第1の考案として、相対移動可能 な2部材のうちの一方の部材に形成された環状の装着溝に設けられて、両部材間 をシールする環状をなしたゴム状弾性材製の密封装置であって、一方の端面に、 側方に開口する環状の第1凹部を形成し、内周面または外周面に、前記装着溝の 底面側に位置する環状の第2凹部を形成し、前記第2凹部を形成した周面とは反 対側の周面から他方の端面に至る部位を凸状面に形成し、前記第1凹部と凸状面 との間で第1リップを、前記第2凹部と凸状面との間で第2リップを、前記第1 凹部と第2凹部との間で第3リップをそれぞれ形成したという構成を有している ものである。 また、第1の考案を含む第2の考案として、前記第1リップ、第2リップ、第 3リップの各先端部をそれぞれ曲面に形成してあるという構成を有しているもの である。
【0016】
【作用】
この考案は上記の手段を採用したことにより、装着溝に装着された密封装置が 、圧縮状態で相手部材と摺動しながら両部材間に組み込まれ、これにより、両部 材間が密封装置でシールされるようになっている。
【0017】 そして、この考案にあっては、組み込み作業性を向上させることができるよう になっている。 すなわち、第1凹部および第2凹部を形成したことにより、密封装置が容易に 変形するようになるので、組み込み時に、密封装置を容易に圧縮することができ るようになっている。つまり、装着溝に装着して密封装置を両部材間に組み込む と、第1リップと第3リップとは互いに接近する方向へ、また、第2リップと第 3リップとは互いに離間する方向へ移動し、容易に圧縮変形がなされるようにな っている。 したがって、この密封装置は、圧縮変形に伴う相手部材に対する弾性力も小さ くすることができるので、組み込み時において、相手部材との間の摺動抵抗を小 さくすることができる。
【0018】 また、第2凹部を形成した周面とは反対側の周面から、第1凹部が形成されて いない側の端面に至る部位を凸状面に形成したことにより、組み込み時のかじり を防止することができるようになっている。 すなわち、密封装置を両部材間に組み込む際には、密封装置は、凸状面に沿っ て相手部材の周縁部と摺動しながら圧縮変形するようになっているので、引っ掛 かりがなくスムーズに組み込むことができる。 このため、密封装置は比較的高圧縮率の変形を確保することができるので、シ ール性の向上を図ることができるようになっている。
【0019】 そして、第1凹部および第2凹部を形成したことに加えて、各リップの先端部 を曲面に形成した場合には、密封装置は、その圧縮変形時の接触相手部材に対す る荷重を小さくすることができるので、組み込み後の各部材の変形を防止するこ とができるようになっている。
【0020】
【実施例】
以下、図面に示すこの考案の実施例を説明する。 図1は、この考案による密封装置の一実施例を示す図であり、図2は、図1に 示した密封装置の使用状態を示す図である。
【0021】 すなわち、図1および図2に示す密封装置1は、軸8の装着溝9に装着されて 、ハウジング7との間を相対移動可能な状態でシールするもので、環状をなして いる。このとき、密封装置1は、一端面に第1凹部2を、また、内周面に第2凹 部3をそれぞれ形成し、さらに、他端面から外周面に至る部位を、軸線方向へ拡 径する凸状面Fに形成してある。そして、凹部2、3および凸状面Fの各間で、 第1リップ4、第2リップ5、第3リップ6をそれぞれ形成してある。
【0022】 図1および図2において、ハウジング7は孔7aを有していて、この孔7a内 に軸8がわずかに離間した状態で挿通される。これにより、ハウジング7は、軸 8を回転又は往復動可能な状態で支持するようにしてある。 そして、このハウジング7の孔7aに挿通される軸8には、その外周面に開口 する環状の装着溝9が形成され、この装着溝9内に密封装置1が装着されるよう にしてある。
【0023】 この密封装置1はシール性の良好なゴム状弾性体よりなり、全体として環状に 形成されている。この密封装置1には、第1凹部2と第2凹部3とが形成される 。それぞれ第1凹部2は、密封装置1の一方の端面の中央部に側方へ開口する環 状に形成され、また、第2凹部3は、密封装置1の内周面の中央部に内方へ開口 する環状に形成される。
【0024】 第1凹部2が形成されていない他方の端面から外周面に至る部位は、軸線方向 へ向かって拡径する比較的大きな曲率で形成されたなめらかな凸状面Fをなして いて、周方向に環状に形成されている。この場合、凸状面Fは、従来の密封装置 21よりも大きな曲率で形成してあることが望ましい。
【0025】 そして、この第1凹部2と凸状面Fとの間で、外周面側に環状の第1リップ4 を形成する。また、第2凹部3と凸状面Fとの間で、内周面側の他方の端面側に 環状の第2リップ5を形成する。さらに、第1凹部2および第2凹部3との間で 、内周面側の一方の端面側に環状の第3リップ6が形成される。そして、第1リ ップ4、第2リップ5および第3リップ6の各先端部は、内部を中心とした所定 の曲率で曲面に形成される。
【0026】 この場合、第1リップ4は、その凸状面F側の部位がハウジング7の孔7aの 内周面に接触可能であり、また、第1凹部2側の部位が軸8の装着溝9の側面に 接触可能である。また、第2リップ5および第3リップ6は、それぞれ装着溝9 の底面に接触可能である。そして、第1リップ4と第3リップ6とは、第1凹部 2の存在により互いに接離する方向への変形が可能であり、また、第2リップ5 と第3リップ6とは、第2凹部3の存在により互いに接離する方向への変形が可 能となっている。
【0027】 そして、この密封装置1を軸8の装着溝9に装着したのち、当該軸8をハウジ ング7の孔7aに(図中のA方向から)挿入することにより、密封装置1は、装 着溝9内で圧縮され、かつ、外周面で孔7aの内周面と摺動しながら孔7a内を 進行する。この結果、密封装置1は、装着溝9内で圧縮した状態でハウジング7 内に組み込まれることとなる。このとき、密封装置1は、装着溝9内において、 第2リップ5および第3リップ6が装着溝9の底面に接触するとともに、第1凹 部2が形成されている側の端面が軸8の挿入方向Aの進行方向後方に位置するよ うにしておく。
【0028】 次に、上記のものの作用を説明する。 この密封装置1は上記のように構成したことにより、ハウジング7と軸8とが 相対移動可能な状態で両者7、8間をシールし、ハウジング7の内方から水等の 流体の圧力Pが作用しても流体が漏れないようになっている。 つまり、この密封装置1は、圧縮状態でハウジング7と軸8との間に介在して あるので、密封装置1の弾性力により、第1リップ4がハウジング7に、また、 第2リップ5および第3リップ6が軸8にそれぞれ圧接し、それらの圧接面にシ ール性が得られるようになっている。
【0029】 まず、密封装置1は、軸8の装着溝9に装着される。このとき、密封装置1は 、第2リップ5および第3リップ6が装着溝9の底面に接触した状態で装着され る。 次いで、密封装置1が装着された軸8をハウジング7の孔7aに挿入する。こ のとき、密封装置1は、その外周面が孔7aの内周面に沿って摺動しながら孔7 aの内方へ進行し、これにより、密封装置1がハウジング7内に組み込まれるこ ととなる。
【0030】 密封装置1の外径は孔7aの内径よりも大きく形成されていて、孔7aへの挿 入時には、密封装置1はハウジング7と軸8との間で軸線と直交する方向に圧縮 されることとなる。すると、この密封装置1自身の圧縮変形に伴って、第1リッ プ4と第3リップ6とは互いに近接する方向へ、また、第2リップ5と第3リッ プ6とは互いに離間する方向へ移動し、同時に、弾性力が発生するようになる。
【0031】 したがって、この時発生する弾性力により相手部材7、8に対するシール性が 確保されるようになっている。つまり、第1リップ4は、凸状面F側の部位が孔 7aの内周面に圧接することでハウジング7に対するシール性が得られるととも に、第1凹部2側の部位が装着溝9の側面に圧接することで軸8に対するシール 性が得られるようになっている。また、第2リップ5および第3リップ6は装着 溝9の底面に圧接することで軸8に対するシール性が得られるようになっている 。
【0032】 この一方では、密封装置1は、その外周面で孔7aの内周面と摺接してシール するので、軸8は、ハウジング7に対して回転または往復動を可能とすることが できるようになっている。
【0033】 そして、上記の密封装置1にあっては、ハウジング7への組み込みを容易にす ることができるようになっている。
【0034】 すなわち、一方の端面に第1凹部2を、また、内周面に第2凹部3をそれぞれ 形成したことにより、軸線方向と直交する方向の密封装置1の弾性変形を容易に し、組み込み時における密封装置1のハウジング7に対する摺動抵抗を小さくす ることができるようになっている。
【0035】 つまり、第1リップ4と第3リップ6とは、その両者4、6間に第1凹部2が 存在することで互いに接離する方向の変形が容易であり、また、第2リップ5と 第3リップ6とは、その両者5、6間に第2凹部3が存在することで互いに接離 する方向への変形が容易である。このため、密封装置1をハウジング7と軸8と の間で圧縮した場合、その時発生する弾性力が大きくならないようになっている 。 したがって、軸8を孔7aへ挿入する時にハウジング7に対して接触する密封 装置1の外周面は、そのハウジング7との摺動抵抗を小さく維持することができ るので、密封装置1は、軸8とともにスムーズに孔7a内を進行してハウジング 7内に組み込まれることとなる。
【0036】 一般的に、大衆向けの浄水器等にあっては、そのハウジング7が樹脂等の材質 で形成されている場合が多いために、ハウジング7の加工精度が悪く、密封装置 1を装着するための装着部は公差が比較的大きく設定されている。また、一方、 密封装置に漏れがないことも重要な課題の一つである。 したがって、漏れを確実に防止するとともに、装着部の大きな公差に対応する ためには、密封装置1は、その外径をハウジング7の孔7aよりも比較的大きく 設定して、高圧縮率で使用されることが望まれる。
【0037】 従来では、密封装置として単なるOリングが使用されていたために、高圧縮率 で使用すると弾性力も高くなってしまうので、組み込み時のハウジング27に対 する摺動抵抗が大きかった。上記の密封装置1の場合、第1凹部2および第2凹 部3の存在により圧縮変形が容易であるので、高圧縮率で使用しても、圧縮時に 発生する弾性力を従来のものよりも小さくすることができるようになっている。
【0038】 特に、第1凹部2および第2凹部3の存在に加えて、第1リップ4、第2リッ プ5および第3リップ6の各先端部を所定の曲率で曲面に形成した場合には効果 的である。 つまり、各リップ4、5、6の先端部を曲面で形成することで、圧縮変形時の 接触相手部材7、8に対する荷重を小さくすることができるようになる。したが って、密封装置1を高圧縮率で使用しても、ハウジング7に対して大きな荷重が 作用しないようになるので、組み込み後にハウジング7が外方へ広がるように変 形することを防止することができる。
【0039】 さらに、組み込み時には、密封装置1に所謂かじり現象が生じないようになっ ている。
【0040】 すなわち、第1凹部が形成されていない側の端面から外周面に至る部位をなめ らかな凸状面Fに形成したことにより、密封装置1を軸8とともにハウジング7 の孔7a内へ組み込む際に、密封装置1は、凸状面Fが軸8の挿入方向Aへ孔7 aの開口端縁部と摺動するようになっている。
【0041】 つまり、軸8の挿入方向Aの後方に第1凹部2が位置した状態で、装着溝9に 装着された密封装置1を孔7a内に挿入するようにしたので、まず、凸状面Fが 孔7aの開口端縁部に接触することになる。これは、密封装置1がハウジング7 内に組み込まれた時に所定の圧縮量が得られるようにするために、その外径を孔 7aの内径よりも大きく設定しているからである。
【0042】 ここで、従来の密封装置21では、弾性力が高かったために外周縁部がハウジ ング27の孔27aの開口端縁部に引っ掛かってしまい、それ以上孔27a内に 進行させようとすると、密封装置1に傷が生じてしまうことがあった。 上記の密封装置1にあっては、第1凹部2および第2凹部3を形成して、軸線 と直交する方向への圧縮変形が容易であることに加えて、なめらかな凸状面F側 から孔7a内に挿入されるようにしてあることにより、凸状面Fが孔7aの開口 端縁部に接触した後それ以上軸8を挿入方向Aへ進行させると、密封装置1は、 凸状面Fで孔7aの開口端縁部と摺動して圧縮変形しながら孔7a内へ進入する ようになっている。
【0043】 このため、密封装置1は、孔7aの開口端縁部に引っ掛かることなくスムーズ にハウジング7内へ組み込むことができるので、かじり現象が防止され、組み込 み後のシール状態を確保することができるようになっている。
【0044】 次に、この考案の他の実施例を図3に基づき説明する。
【0045】 すなわち、図3に示す密封装置11は、ハウジング17の装着溝19に装着さ れて、軸18との間を相対移動可能な状態でシールするもので、環状をなしてい る。このとき、密封装置11は、一端面に第1凹部12を、また、外周面に第2 凹部13をそれぞれ形成し、さらに、内周面から他端面に至る部位を凸状面Gに 形成してある。そして、凹部12、13および凸状面Gの各間で、第1リップ1 4、第2リップ15、第3リップ16を形成してある。
【0046】 図3において、ハウジング17は孔17aを有していて、この孔17a内に軸 18がわずかに離間した状態で挿通される。これにより、ハウジング17は、軸 18を回転又は往復動可能な状態で支持するようにしてある。 そして、このハウジング17には、その孔17aの内周面に開口する環状の装 着溝19が形成され、この装着溝19内に密封装置11が装着されるようにして ある。
【0047】 この密封装置11はシール性の良好なゴム状弾性体よりなり、全体として環状 に形成されている。この密封装置11には、第1凹部12と第2凹部13とが形 成される。それぞれ第1凹部12は、密封装置11の一方の端面の中央部に側方 へ開口する環状に形成され、また、第2凹部13は、密封装置11の外周面の中 央部に外方へ開口する環状に形成される。
【0048】 第1凹部12が形成されていない他方の端面から内周面に至る側の部位は、従 来の密封装置21よりも比較的大きな曲率で形成されたなめらかな凸状面Gをな していて、周方向へ環状に形成されている。
【0049】 そして、この第1凹部12と凸状面Gとの間で、内周面側に環状の第1リップ 14が形成される。また、第2凹部13と凸状面Gとの間で、外周面側の他方の 端面側に環状の第2リップ15が形成される。さらに、第1凹部12および第2 凹部13の間で、内周面側の一方の端面側に環状の第3リップ16が形成される 。そして、第1リップ14、第2リップ15および第3リップ16の各先端部は 、内部を中心とした所定の曲率で曲面に形成される。
【0050】 この場合、第1リップ14は、凸状面G側の部位が軸18の外周面に接触可能 であり、また、第1凹部12側の部位がハウジング17の装着溝19の側面に接 触可能である。また、第2リップ15および第3リップ16は、装着溝19の底 面に接触可能である。そして、第1リップ14と第3リップ16とは、第1凹部 12の存在により互いに接離する方向への変形が可能であり、また、第2リップ 15と第3リップ16とは、第2凹部13の存在により互いに接離する方向への 変形が可能となっている。
【0051】 そして、この密封装置11をハウジング17の装着溝19に装着したのち、軸 18をハウジング17の孔17aに(図中のA方向から)挿入することにより、 密封装置11は、装着溝19内で圧縮され、かつ、内周面でA方向に対向する方 向へ軸18の外周面と摺動することとなる。この結果、密封装置11が装着溝1 9内で圧縮された状態で両部材17、18間に組み込まれることとなる。このと き、密封装置11は、装着溝19内において、第2リップ15および第3リップ 16が装着溝19の底面に接触するとともに、第1凹部12が形成されている側 の端面が軸18の挿入方向Aの進行方向前方に位置するようにしておく。
【0052】 次に、上記のものの作用を説明する。 この密封装置11は上記のように構成したことにより、ハウジング17と軸1 8とが相対移動可能な状態で両者17、18間をシールし、ハウジング17の内 方から水等の流体の圧力Pが作用しても流体が漏れないようになっている。 つまり、この密封装置1は、圧縮状態でハウジング17と軸18との間に介在 してあるので、密封装置11の弾性力により、第1リップ14が軸18に、また 、第2リップ15および第3リップ16がハウジング17にそれぞれ圧接し、そ れらの圧接面にシール性が得られるようになっている。
【0053】 まず、密封装置11は、ハウジング17の装着溝19に装着される。このとき 、密封装置11は、第2リップ15および第3リップ16が装着溝19の底面に 接触した状態で装着される。 次いで、軸18をハウジング17の孔17aに挿入する。このとき、密封装置 11は、その第1凹部12が軸18の挿入方向Aの進行方向前方に位置するよう に配置されてあって、このため、密封装置11は、その内周面が軸18の外周面 に沿って摺動しながら軸18を内方へ進行させるようにようになっている。
【0054】 密封装置11の内径は孔17aの内径よりも小さく形成されていて、軸18を 孔17aへ挿入した際には、密封装置11はハウジング17と軸18との間で軸 線と直交する方向に圧縮されることとなる。すると、この密封装置11自身の圧 縮変形に伴って、第1リップ14と第3リップ16とは互いに近接する方向へ、 また、第2リップ15と第3リップ16とは互いに離間する方向へ移動し、同時 に、弾性力が発生するようになる。
【0055】 したがって、この時発生する弾性力により相手部材17、18に対するシール 性が確保されるようになっている。つまり、第1リップ14は、その凸状面G側 の部位が軸18の外周面に圧接することで当該軸18に対するシール性が得られ るとともに、第1凹部12側の部位が装着溝19の側面に圧接することでハウジ ング17に対するシール性が得られる。また、第2リップ15および第3リップ 16は装着溝19の底面に圧接することでハウジング17に対するシール性が得 られるようになっている。
【0056】 この一方では、密封装置11は、その内周面で軸18の外周面と摺接してシー ルするので、軸18は、ハウジング17に対して回転または往復動を可能とする ことができるようになっている。
【0057】 そして、上記の密封装置11にあっては、軸18のハウジング17への挿入を 容易にすることができるようになっている。
【0058】 すなわち、一方の端面に第1凹部12を、また、外周面に第2凹部13をそれ ぞれ形成したことにより、密封装置11の弾性変形を容易にし、軸18の挿入時 に密封装置11の軸18に対する摺動抵抗を小さくすることができるようになっ ている。
【0059】 つまり、第1リップ14と第3リップ16とは、その両者14、16間に第1 凹部12が存在することで互いに接離する方向の変形が容易であり、また、第2 リップ15と第3リップ16とは、その両者15、16間に第2凹部13が存在 することで互いに接離する方向への変形が容易である。このため、密封装置11 をハウジング17と軸18との間で圧縮した場合、その時発生する弾性力が大き くならないようになっている。 したがって、軸18を孔17aへ挿入する時に軸18に対して接触する密封装 置11の内周面は、その軸18との間の摺動抵抗を小さく維持することができる ので、軸18の挿入がスムーズになされることとなる。
【0060】 したがって、上記の密封装置11の場合、第1凹部12および第2凹部13の 存在により圧縮変形が容易であるので、装着部の位置公差およびシール性の確保 に対応するために高圧縮率で使用した場合でも、圧縮時に発生する弾性力を従来 のものよりも小さくすることができるよう 置11の内周面は、その軸18との間の摺動抵抗を小さく維持することができる ので、軸18の挿入がスムーズになされることとなる。
【0060】 したがって、上記の密封装置11の場合、第1凹部12および第2凹部13の 存在により圧縮変形が容易であるので、装着部の位置公差およびシール性の確保 に対応するために高圧縮率で使用した場合でも、圧縮時に発生する弾性力を従来 のものよりも小さくすることができるようになっている。
【0061】 特に、第1凹部12および第2凹部13の存在に加えて、第1リップ14、第 2リップ15および第3リップ16の各先端部を所定の曲率で曲面に形成した場 合には効果的である。 つまり、各リップ14、15、16の先端部を曲面に形成することで、圧縮変 形時の接触相手部材17、18に対する荷重を小さくすることができるようにな る。したがって、密封装置11を高圧縮率で使用しても、ハウジング17に対し て大きな荷重が作用しないようになるので、両部材17、18間に密封装置11 を組み込んだ後にハウジング17が変形することを防止することができる。
【0062】 さらに、軸18の孔17aへの挿入時には、密封装置11に所謂かじり現象が 生じないようになっている。
【0063】 すなわち、第1凹部12が形成されていない側の端面から内周面に至る部位を なめらかな凸状面Gに形成したことにより、軸18を孔17a内へ挿入する際に 、密封装置11は、凸状面Gが軸18の端部周縁部と摺動するようになっている 。
【0064】 つまり、軸18の挿入方向Aの前方に第1凹部12が位置した状態で密封装置 11を装着溝19に装着したのち、軸18を孔17aに挿入するようにしたので 、まず、軸18の端部周縁部が凸状面Gに接触することになる。これは、軸18 が挿入された時に密封装置11に所定の圧縮量が得られるように、その密封装置 11の内径を孔17aの内径よりも小さく設定しているからである。
【0065】 ここで、従来の密封装置では、弾性力が高かったために内周縁部が軸の端部周 縁部に引っ掛かってしまい、それ以上軸を孔内に進行させようとすると、密封装 置に傷が生じてしまうことがあった。 上記の密封装置11にあっては、第1凹部12および第2凹部13を形成して 、軸線と直交する方向への圧縮変形が容易であることに加えて、なめらかな凸状 面G側から軸18が挿入されるようにしてあることにより、軸18の端部周縁部 が凸状面Gに接触した後それ以上挿入方向Aに軸18を進行させると、密封装置 11は、凸状面Gで軸18の端部周縁部を軸18の挿入方向に対向する方向へ摺 動させて圧縮変形し、軸18の孔17aへの挿入を許容するようになっている。
【0066】 このため、密封装置11は、軸18の端部周縁部に引っ掛かることなく軸18 をスムーズにハウジング17内へ挿入することができるので、かじり現象が防止 され、軸18挿入後のシール状態を確保することができるようになっている。
【0067】
【考案の効果】
以上のように、従来では、密封装置は単なるOリング又はDリングであったた めに、両部材間に密封装置を組み込む際には高い弾性力が発生し、相手部材との 摺動抵抗が大きかった。特に、ハウジングの公差に対応するために高圧縮率で使 用すると、組み込み作業が困難になるという問題があった。 この考案にあっては、一端面に第1凹部を形成し、内周面または外周面に第2 凹部を形成したことにより、圧縮変形が容易となるので、高圧縮率で使用しても 組み込み時の相手部材との摺動抵抗を小さく維持することができる。このため、 組み込み作業を容易にすることができる。
【0068】 また、従来では、強い弾性力のために圧縮変形が容易ではなかったので、密封 装置の組み込み時に、相手部材との摺接部にかじり現象が生じてシール性を損な うことがあった。 この考案にあっては、圧縮変形が容易である上に、第2凹部が形成されている 側の周面とは反対側の周面から第一凹部が形成されていない側の端面に至る部位 に凸状面を有しているので、組み込み時に、摺動相手部材の縁部が引っ掛からな いようにすることができる。このため、組み込み時の傷の発生が防止され、組み 込みが完了した時点のシール状態を常に良好にすることができるようになってい る。
【0069】 さらに、従来では、ハウジングの大きな公差に対応するために密封装置を高圧 縮率で使用すると、高い弾性力によりハウジングが変形する恐れがあったが、こ の考案にあっては、圧縮変形が容易であるので、発生する弾性力も小さい。した がって、高圧縮率で使用してもハウジングが変形することを防止することができ る。この結果、ハウジングの加工精度をある程度低くしても充分に対応すること ができ、したがって、ハウジングの加工費用を低減することができるという効果 がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案による密封装置の一実施例を示す図で
ある。
【図2】図1に示す密封装置の使用例を示す図である。
【図3】他の実施例を示す図である。
【図4】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1、11、21……密封装置 2、12……第1凹部 3、13……第2凹部 4、14……第1リップ 5、15……第2リップ 6、16……第3リップ 7、17、27……ハウジング 7a、17a、27a……孔 8、18、28……軸 9、19、29……装着溝 F、G……凸状面

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対移動可能な2部材のうちの一方の部
    材(8)(17)に形成された環状の装着溝(9)(1
    9)に設けられて、両部材(7)(8)、 (17)(18)間をシールする環状をなしたゴム状弾
    性材製の密封装置であって、一方の端面に、側方に開口
    する環状の第1凹部(2)(12)を形成し、内周面ま
    たは外周面に、前記装着溝(9)(19)の底面側に位
    置する環状の第2凹部(3)(13)を形成し、前記第
    2凹部(3)(13)を形成した周面とは反対側の周面
    から他方の端面に至る部位を凸状面(F)(G)に形成
    し、前記第1凹部(2)(12)と凸状面(F)(G)
    との間で第1リップ(4)(14)を、前記第2凹部
    (3)(13)と凸状面(F)(G)との間で第2リッ
    プ(5)(15)を、前記第1凹部(2)(12)と第
    2凹部(3)(13)との間で第3リップ(6)(1
    6)をそれぞれ形成したことを特徴とする密封装置。
  2. 【請求項2】 前記第1リップ(4)(14)、第2リ
    ップ(5)(15)、第3リップ(6)(16)の各先
    端部をそれぞれ曲面に形成してある請求項1記載の密封
    装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2017098622A1 (ja) * 2015-12-10 2018-06-21 三菱電機株式会社 バルブ装置

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JPWO2017098622A1 (ja) * 2015-12-10 2018-06-21 三菱電機株式会社 バルブ装置

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