JPH0720422Y2 - ブレーキディスク - Google Patents
ブレーキディスクInfo
- Publication number
- JPH0720422Y2 JPH0720422Y2 JP1989129507U JP12950789U JPH0720422Y2 JP H0720422 Y2 JPH0720422 Y2 JP H0720422Y2 JP 1989129507 U JP1989129507 U JP 1989129507U JP 12950789 U JP12950789 U JP 12950789U JP H0720422 Y2 JPH0720422 Y2 JP H0720422Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brake disc
- diameter
- bolt hole
- circumferential direction
- bolt
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Description
【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、アルミ基複合材で製造される鉄道車輌用の
ブレーキディスクに関する。
ブレーキディスクに関する。
(従来の技術) 鉄道車輌におけるブレーキディスクは、車輌のボス部に
嵌装可能とした円盤体で構成でされ、円盤体に、円周方
向に沿って穿設されたボルト孔に挿通したボルトを車輪
に螺合緊締することによって固定する構造となってい
る。
嵌装可能とした円盤体で構成でされ、円盤体に、円周方
向に沿って穿設されたボルト孔に挿通したボルトを車輪
に螺合緊締することによって固定する構造となってい
る。
ところで、近年鉄道車輌は高速化が指向されており、こ
の為車輌を構成する部品の軽量化が図られている。特に
バネを経由しないで直接レールに負荷が掛る、バネ下重
量の軽減が求められている。
の為車輌を構成する部品の軽量化が図られている。特に
バネを経由しないで直接レールに負荷が掛る、バネ下重
量の軽減が求められている。
元来、鉄道車輌におけるブレーキディスクは鋳鉄、鍛鋼
等の鉄系材料により製造されていたのであるが、比重が
7.9前後の鉄系材料によるブレーキディスクでは軽量化
に限界があった。
等の鉄系材料により製造されていたのであるが、比重が
7.9前後の鉄系材料によるブレーキディスクでは軽量化
に限界があった。
そこで近年では、軽量材であるセラミック粒子を配合し
たアルミ基複合材(比重約2.8)で製造されたブレーキ
ディスクが開発されるに至っている。
たアルミ基複合材(比重約2.8)で製造されたブレーキ
ディスクが開発されるに至っている。
(考案が解決しようとする課題) 前記アルミ基複合材製のブレーキディスクによれば、飛
躍的な軽量化を図ることが可能であるが、アルミ基複合
材料の熱膨脹係数(C.T.E.)が鉄系材のそれに比べて、
役2倍大きい為、苛酷な制動条件下では、ブレーキディ
スクが永久変形を起す結果、車輪からの取外しが困難に
なる問題点があった。
躍的な軽量化を図ることが可能であるが、アルミ基複合
材料の熱膨脹係数(C.T.E.)が鉄系材のそれに比べて、
役2倍大きい為、苛酷な制動条件下では、ブレーキディ
スクが永久変形を起す結果、車輪からの取外しが困難に
なる問題点があった。
即ちブレーキディスクの摺動面とブレーキライニングの
摩擦によってブレーキ熱が発生し、ブレーキディスクが
加熱される。この場合、前記ボルト孔付近では、摺動面
に近い外周部が高温、ボス部に近い内周面が低温の温度
差が生じる一方、ボルト孔付近はボルトの緊締による機
械的な拘束で、自由な変形が不可能となっている結果、
ボルト孔付近に不均一な応力が作用することになる。
摩擦によってブレーキ熱が発生し、ブレーキディスクが
加熱される。この場合、前記ボルト孔付近では、摺動面
に近い外周部が高温、ボス部に近い内周面が低温の温度
差が生じる一方、ボルト孔付近はボルトの緊締による機
械的な拘束で、自由な変形が不可能となっている結果、
ボルト孔付近に不均一な応力が作用することになる。
この不均一な応力は、通常の車輪運転速度の条件下では
永久変形を起す程度の応力とはならず、あまり問題には
ならないが、車輪運転速度を高速(350km/h前後)とし
た場合の苛酷な制動条件では、発生するブレーキ熱量が
多大となる為、ブレーキディスクを永久変形させる程度
の応力となるものであった。
永久変形を起す程度の応力とはならず、あまり問題には
ならないが、車輪運転速度を高速(350km/h前後)とし
た場合の苛酷な制動条件では、発生するブレーキ熱量が
多大となる為、ブレーキディスクを永久変形させる程度
の応力となるものであった。
前記不均一な応力が作用した場合、ブレーキディスク内
では、材料が半径方向に移動する結果、前記ボルト孔で
は円周方向の径が収縮することになる。この為、永久変
形の後ではボルトの脱着が困難となり、極端な場合には
ボルト自体も変形して、ブレーキディスクと車輪の分離
が不可能となることもあった。
では、材料が半径方向に移動する結果、前記ボルト孔で
は円周方向の径が収縮することになる。この為、永久変
形の後ではボルトの脱着が困難となり、極端な場合には
ボルト自体も変形して、ブレーキディスクと車輪の分離
が不可能となることもあった。
(課題を解決する為の手段) そこでこの考案は、ボルト孔を前記永久変形を見込んで
形成し、取外し時の問題点を解決したのである。
形成し、取外し時の問題点を解決したのである。
即ちこの考案のブレーキディスクは、アルミ基複合材製
の鉄道車輌用のブレーキディスクにおいて、取付用のボ
ルト孔が、円周方向に沿って複数個穿設されており、各
ボルト孔が円周方向の径を直径方向の径より長くしてあ
ることを特徴としたものである。
の鉄道車輌用のブレーキディスクにおいて、取付用のボ
ルト孔が、円周方向に沿って複数個穿設されており、各
ボルト孔が円周方向の径を直径方向の径より長くしてあ
ることを特徴としたものである。
前記ブレーキディスクは、鍛造又は鋳造により製造され
る。
る。
前記ボルト孔の円周方向の径を直径方向の径より長くす
る程度は、現在想定されている高速運転(約350km/h)
の条件下では、0.3〜5%とするのが望ましい。0.3%未
満ではこの考案の効果が期待できない為であり、又、5
%を越えると、車輪へ取付ける際に、ガタが大きく、ブ
レーキディスクの芯が出ない為である。
る程度は、現在想定されている高速運転(約350km/h)
の条件下では、0.3〜5%とするのが望ましい。0.3%未
満ではこの考案の効果が期待できない為であり、又、5
%を越えると、車輪へ取付ける際に、ガタが大きく、ブ
レーキディスクの芯が出ない為である。
(作用) この考案のブレーキディスクによれば、高速運転に伴な
う苛酷な制動条件による永久変形の結果、ボルト孔は略
真円に変形する。従って、ボルト孔の変形によるボルト
脱着の困難化を避けることができる。
う苛酷な制動条件による永久変形の結果、ボルト孔は略
真円に変形する。従って、ボルト孔の変形によるボルト
脱着の困難化を避けることができる。
(実施例) 図は、実施例のブレーキディスク1で、アルミ基複合材
を用いて鋳造により製造したものである。このブレーキ
ディスク1は周縁部一側面を環状に摺動面2としてあ
り、該摺動面2の内側には12個のボルト孔3、3が等間
隔で穿設してある 実施例では、ブレーキディスク1の外径を710mm、摺動
面2の厚さを49.5mmとしたものを数個製造し、夫々に穿
設したボルト孔3、3の形状を変化させて、負荷テスト
を行った。
を用いて鋳造により製造したものである。このブレーキ
ディスク1は周縁部一側面を環状に摺動面2としてあ
り、該摺動面2の内側には12個のボルト孔3、3が等間
隔で穿設してある 実施例では、ブレーキディスク1の外径を710mm、摺動
面2の厚さを49.5mmとしたものを数個製造し、夫々に穿
設したボルト孔3、3の形状を変化させて、負荷テスト
を行った。
負荷テストは、速度280km/hからの制動を500回繰返した
後のボルトの脱着の作業性を観察して行った。尚、制動
時のブレーキパッドの押圧力はP=1420kgf×2とし、
慣性モーメント、輪重等のその他の条件は現行の東海道
新幹線の車輌条件と同一とした。
後のボルトの脱着の作業性を観察して行った。尚、制動
時のブレーキパッドの押圧力はP=1420kgf×2とし、
慣性モーメント、輪重等のその他の条件は現行の東海道
新幹線の車輌条件と同一とした。
負荷テストの結果を次表に示した。表中、D1はボルト孔
3の直径方向の径、D2はボルト孔3の円周方向の径を示
すものである。
3の直径方向の径、D2はボルト孔3の円周方向の径を示
すものである。
このテストの結果、この考案のブレーキディスクによれ
ば、車輪への取付時のガタが無く、芯が正しく出せると
共に、制動による熱負荷を与えた後も取外しが困難にな
ることが無いことを確認することができた。
ば、車輪への取付時のガタが無く、芯が正しく出せると
共に、制動による熱負荷を与えた後も取外しが困難にな
ることが無いことを確認することができた。
(考案の効果) 以上に説明したようにこの考案によれば、ボルト孔が制
動による熱負荷で永久変形した場合に、略真円となるよ
うにしたので、苛酷な条件で使用した後にボルトの脱着
が困難になるのを防止できる効果がある。
動による熱負荷で永久変形した場合に、略真円となるよ
うにしたので、苛酷な条件で使用した後にボルトの脱着
が困難になるのを防止できる効果がある。
第1図はこの考案の実施例の正面図、第2図は同じく実
施例の一部を断面にした側面図である。 1…ブレーキディスク、2…摺動面 3…ボルト孔
施例の一部を断面にした側面図である。 1…ブレーキディスク、2…摺動面 3…ボルト孔
Claims (2)
- 【請求項1】アルミ基複合材製の鉄道車輌用のブレーキ
ディスクにおいて、取付用のボルト孔が、円周方向に沿
って複数個穿設されてあり、各ボルト孔が、円周方向の
径を直径方向の径より長くしてあることを特徴としたブ
レーキディスク - 【請求項2】円周方向の径は、直径方向の径より0.3〜
5%長くした請求項1記載のブレーキディスク
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989129507U JPH0720422Y2 (ja) | 1989-11-06 | 1989-11-06 | ブレーキディスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989129507U JPH0720422Y2 (ja) | 1989-11-06 | 1989-11-06 | ブレーキディスク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0369721U JPH0369721U (ja) | 1991-07-11 |
JPH0720422Y2 true JPH0720422Y2 (ja) | 1995-05-15 |
Family
ID=31677132
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1989129507U Expired - Lifetime JPH0720422Y2 (ja) | 1989-11-06 | 1989-11-06 | ブレーキディスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0720422Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113819169A (zh) * | 2021-08-03 | 2021-12-21 | 聊城市特力汽车零部件有限公司 | 一种新型挂车桥使用的制动盘 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62274112A (ja) * | 1986-05-21 | 1987-11-28 | Power Reactor & Nuclear Fuel Dev Corp | 高速回転構造体 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61177218U (ja) * | 1985-04-24 | 1986-11-05 |
-
1989
- 1989-11-06 JP JP1989129507U patent/JPH0720422Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62274112A (ja) * | 1986-05-21 | 1987-11-28 | Power Reactor & Nuclear Fuel Dev Corp | 高速回転構造体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0369721U (ja) | 1991-07-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |