JPH07204215A - 歯科用吸引器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯の周辺に簡単に装着することができ、その
ままの状態で歯の周辺の水分、唾液、切削粉、呼気等を
同時に吸引して除去することができ、歯を充分に乾燥す
ることができる歯科用吸引器具を提供することである。 【構成】 フレキシブルで保形性のある中空チューブ２
を口金３に接続し、前記チューブ２に吸引用小孔４を設
け、前記口金３の接続口３ａを歯科用バキューム装置に
接続できるようにしたのである。また、必要に応じてス
ペーサ５を設けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、歯科治療の際に口腔
内の唾液、洗浄水、血液、薬液、湿気等を吸引する器具
に関する。

【０００２】

【従来の技術】歯科治療の際に用いるバキューム装置
は、先端のノズルを口腔内に挿し込んで唾液、水分、切
削粉等を吸引するようになっているが、歯の周辺にノズ
ルを移動させないと充分水分等を吸引することができ
ず、歯の切削等と同時に一人でこのような操作を行なう
ことはできない。

【０００３】また、助手にノズルの操作をまかせるとし
ても、ノズルをあちらこちら移動させるのは治療を非常
に妨げるため、治療中は一個所に固定しておくのが普通
であり、これではほとんど吸引の役に立たないのが実情
である。

【０００４】さらに、歯科用接着剤を口腔内で使用する
際、歯の被着面が充分乾燥していないと接着が不完全と
なるが、従来のバキューム装置では、歯科用接着剤の完
全硬化までの時間を完全に乾燥状態に維持することは難
かしい。また呼気中の湿気が作用するため、歯を充分に
乾燥させることがさらに難しい。

【０００５】

【発明の課題】そこで、この発明の課題は、歯の周辺に
簡単に装着することが可能で、そのままの状態で歯の周
辺の水分等を同時に吸引することができ、また歯を充分
に乾燥させることができる吸引器具を提供することであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、フレキシブルで保形性のある
中空チューブの一端又は両端を口金に接続し、前記チュ
ーブの適宜個所に吸引用小孔を設け、前記口金をバキュ
ーム装置に接続可能にしたのである。

【０００７】

【作用】上記チューブを歯の周辺に沿わせるよう装着す
ると、チューブはフレキシブルで保形性を有するため、
チューブはその状態を保持することができる。

【０００８】そこで、口腔外に突出した口金をバキュー
ム装置のホースに接続すると上記吸引用小孔から唾液等
を吸引することができる。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１０】図１及び図２に示すように、この発明の歯
科用吸引器具１は、フレキシブルで保形性のある中空チ
ューブ２と、この中空チューブ２に接続された口金３か
ら成り、前記チューブ２には、吸引用小孔４が設けら
れ、先端部にスペーサ５が固定されている。

【００１１】前記中空チューブ２をフレキシブルで保形
性を有するようにする手段としては、例えば図１乃至図
３に示すように、ゴムや合成樹脂から成る柔軟なチュー
ブ２内に銅、アルミニウム、銀など保形性を有する線材
２ａを挿入しておく方法がある。この線材２ａは必ずし
もチューブの全長にわたって延びていなくてもよい。例
えば図５に示すように、チューブ２でループを形成する
部分のみに線材２ａを挿入しておいてもよい。この場合
は、従ってチューブ２の保形性を有する部分は、ループ
の部分のみになる。

【００１２】保形性を付与する他の手段としては、図４
に示すように、半硬質合成樹脂から成るチューブ２に細
かいジャバラ２ｂを形成する方法がある。このジャバラ
２ｂは、チューブ２の全長にわたって形成してもよい
が、ループ部やその他の屈曲部だけに形成してもよい。
また、保形性を有する金属線材２ａを併用することもで
きる。さらに、内部にラセン状バネ線をジャバラ２ｂと
同ピッチで挿入固着しておいてもよい。

【００１３】前記口金３は、合成樹脂や金属など材質は
限定されないが、バキューム装置との連結の便を考慮し
て接続口３ａをテーパ状にしておくのがよい。

【００１４】前記スペーサ５は、バネ線をコ字状に折り
曲げて形成したものであるが、板バネによって形成して
もよい。固定方法は、例えば先端部をチューブ２内に深
く挿入し、必要に応じてチューブ２の内壁に接合するな
どである。なお、このスペーサ５を省略したり、着脱自
在にすることができる。

【００１５】図５に示すように、前記チューブ２を閉ル
ープにし、その閉ループに連通する管２ｃを口金３に接
続してもよい。或は、図６に示すように、チューブ２の
一端２ｄを閉鎖し、他端を口金３に接続する構成にして
もよい。

【００１６】上記吸引器具１の使用例を図７及び図８に
基づいて説明する。

【００１７】まず、口腔Ａ内の歯列Ｂ外周に沿ってチュ
ーブ２を密着させる。チューブ２はフレキシブルで保形
性があるため、容易に歯列Ｂに沿わせて密着させること
ができる。

【００１８】そして、スペーサ５を上歯に当てがい軽く
かむ。これによって、チューブ２の位置を安定させるこ
とができると共に、口腔Ａを開いた状態を楽に維持する
ことができる。

【００１９】チューブ２の口腔Ａの外部に導出された部
分を適当に屈曲し、口金３の接続口３ａを歯科用バキュ
ーム装置のホースＤに連結し、バキューム装置を作動さ
せると、吸引用小孔４から唾液等が吸引される。

【００２０】このとき、舌Ｃと歯列Ｂとの間にチューブ
２が介在するので、チューブ２が舌Ｃをブロックし、切
削工具で舌Ｃのほか口唇、頬などを傷つけるようなこと
を防止できる。

【００２１】

【効果】この発明によれば、以上のように、フレキシブ
ルで保形性のある中空チューブに吸引用小孔を設け、こ
のチューブを口金に接続したので、歯列に沿わせてチュ
ーブを容易に口腔内に装着することができ、かつ保形性
によって装着した状態をそのまま保持することができる
ので、助手なしで治療を行なうことが可能となる。

【００２２】また、中空チューブに設けた吸引用小孔に
よって歯の周辺を同時に吸引して唾液、水分、切削粉等
を除去することができ、呼気も吸引するので、歯科用接
着剤で歯科用修復物、補綴物、矯正用具等を接着する際
にほぼ完全な乾燥状態を維持でき、強固に接着可能とな
る。

【００２３】そのほか、舌と歯の間に中空チューブが介
在するため、舌等をブロックして歯の切削中に舌等を傷
つけることがないなど、多くの優れた効果を挙げること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の吸引器具の一例を示す平面図

【図２】同上の側面図

【図３】同上の中空チューブの横断面図

【図４】吸引器具の他の例を示す平面図

【図５】吸引器具のさらに他の例を示す平面図

【図６】吸引器具のまたさらに他の例を示す平面図

【図７】吸引器具の使用例を示す平面図

【図８】同上の一部縦断側面図

【符号の説明】

１ 歯科用吸引器具 ２ 中空チューブ ２ａ 線材 ２ｂ ジャバラ ２ｃ 管 ２ｄ チューブの一端 ３ 口金 ３ａ 接続口 ４ 吸引用小孔 ５ スペーサ Ａ 口腔 Ｂ 歯列 Ｃ 舌 Ｄ ホース

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレキシブルで保形性のある中空チュー
   ブの一端又は両端を口金に接続し、前記チューブの適宜
   箇所に吸引用小孔を設け、前記口金をバキューム装置に
   接続可能とした歯科用吸引器具。