JPH0720172Y2 - 警報装置を備えた手動式水門巻き上げ機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、河川や用水路等の出口に設けた水門を閉じる
ときに、水門のまわりにいる人間にたいして、警報を発
する警報装置を備えた手動式水門巻き上げ機に関する。

（従来の技術） 従来、河川や用水路等の生活用水の排水溝等に設ける水
門設備は、流水路両側のコンクリート壁から梁を渡し、
その上部に鋼製またはコンクリート製の水門を上げ下げ
する巻き上げ機を設置して、流水路を開閉する水門を昇
降させるようにしたものである。この種の水門を設置す
る場所には電源はないので警報器は設けられていなかっ
た。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、前記水門設備はたいてい地域住居の行動
範囲内にあり、子供達が容易に近ずくことができ、遊び
場ともなるため、水門の上げ下げには危険を伴ない注意
を要するものである。特に、手動式の巻上げ機において
は、重量の大きい鋼製等の水門を、作業者が梁の上で巻
き上げ機を操作して上げ下げするため、梁の真下は視角
の範囲に入らないので水門のまわりに注意を払うことは
難しく、操作位置の真下においてはなおさらであった。
このため、危険を報知する警報装置を取付けることが望
まれていた。電動式巻き上げ機においては、使用されて
いる電力をそのまま借用するだけで簡単に警報装置を作
動させることができるので容易に設置できるが、手動式
巻き上げ機においては、警報装置を作動させる電力設備
がないので危険を報知する電気的警報手段は特に設けら
れていなかった。

本考案は電力設備のない場所に設置した水門においても
利用することができる電気的警報装置、特に水門の降下
時に水門の下方に向かって警報音を発することのできる
警報装置を備えた手動式水門巻き上げ機を提供すること
を目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案の手動式水門巻き上げ機は上記目的を達成するた
めに、水門を施設する上方に支持された梁（１）と、前
記梁の上に立設した筒状支え台（２）と、前記筒状支え
台を貫通した、下部に水門（５）を担持したラック
（４）と、前記筒状支え台の上部に設けられた、前記ラ
ックと係合してこれを昇降させる巻き上げ装置（３）
と、前記巻き上げ装置の回転軸に連結された、前記ラッ
クの下降速度を抑制するように設けられた遠心ブレーキ
装置（９）と、前記遠心ブレーキ装置の回転軸に接続さ
れた、ラックの降下動作によって発電するように設けら
れた発電装置（10）と、前記筒状支え台の内部に取り付
けられた、前記発電装置の発電により作動する警報装置
（11）とから構成されている。

（作用） 巻き上げ機により水門が上がっている状態で、巻き上げ
機のロックを解除すると水門が自重でかつ遠心ブレーキ
装置により下降速度が抑制されつつ降下してくる。この
ときの支持部材の降下方向の動きを発電装置に伝達して
電力を発生させる。この電力を、所定位置に設置した警
報装置に供給すると警報を発生する。警報装置は筒状支
え台の内部に取り付けられているので、警報音は筒状支
え台の下部の開口から下方に向かって発することにな
り、水門が下降する付近にいる人々に注意を喚起するこ
とができる。

（実施例） つぎに、本考案の実施例を第１図に基づいて説明する。

水門設備は図に示すように、概略、両岸に梁渡したコン
クリート梁１に立設した筒状支え台２と、筒状支え台２
の上部に設けられた巻き上げ装置３と、筒状支え台２の
内径部を貫通したラック４と、ラック下端に設けた水門
５とで構成されている。

ラック４は巻き上げ装置３のハンドル６と係合し、ハン
ドル６を回転することによって筒状支え台２の内部を昇
降自在に動き水門５を開閉させる。この水門５の開き状
態を示す開度計７が巻き上げ装置３上部の目視しやすい
箇所に取付けられている。また、ハンドル６の隣りには
巻き上げ装置３の作動をロックする自重降下レバー８が
設けられ、そして、ラック４の降下時にその回転を抑制
する自重降下用遠心ブレーキ装置９が巻き上げ装置３の
回転軸と連結されて巻き上げ装置３後部に取付けられて
いる。

発電装置10は自重降下用遠心ブレーキ装置９の回転軸に
接続され、その出力コードは筒状支え台２の中に取付け
た警報装置11に配線されている。

次に作用を説明する。

上方に巻上げられていた水門５は自重降下レバー８を倒
し巻き上げ装置３を解除するとその自重により下降す
る。このとき、自重降下用遠心ブレーキ装置９も回転
し、下降速度が速くならないようになっており、発電装
置10がほゞ一定の速度で回転する。発生した電力は警報
装置11に供給され、水門５の降下中に警報を発する。

以上のように本考案の水門設備では作業者が水門を降下
させるだけで自動的に警報装置が働き、水門の下方周囲
にいる人達に注意を与えることができる。

（考案の効果） 本考案は以上にように構成したものであるから、水門の
閉鎖時の危険の自動的に報知できるので安全性が向上し
た。また、水門の降下運動を電力に変換するので他から
電力を供給する必要がなく、無電力地帯でも設置するこ
とができる。また、遠心ブレーキ装置の働きによってラ
ックの下降速度が抑制されており、遠心ブレーキ装置の
回転軸に発電装置が接続されているので発電装置がほぼ
一定の速度で回転し、一定の良質の発電が得られ、水門
の下降中警報音を持続させることができ、しかも、この
警報音は、警報装置が筒状支え台の内部に取り付けられ
ているので、筒状支え台の下部の開口（ラックが挿入さ
れている箇所）から下方に向かって発することになり、
水門が下降する付近にいる人々に注意を喚起することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例の手動式水門巻き上げ機の斜
視図である。 ３……巻き上げ装置、４……支持部材 ５……水門、10……発電装置 11……警報装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水門を施設する上方に支持された梁（１）
   と、 前記梁の上に立設した筒状支え台（２）と、 前記筒状支え台を貫通した、下部に水門（５）を担持し
   たラック（４）と、 前記筒状支え台の上部に設けられた、前記ラックと係合
   してこれを昇降させる巻き上げ装置（３）と、 前記巻き上げ装置の回転軸に連結された、前記ラックの
   下降速度を抑制するように設けられた遠心ブレーキ装置
   （９）と、 前記遠心ブレーキ装置の回転軸に接続された、ラックの
   降下動作によって発電するように設けられた発電装置
   （10）と、 前記筒状支え台の内部に取り付けられた、前記発電装置
   の発電により作動する警報装置（11）と、 からなることを特徴とする警報装置を備えた手動式水門
   巻き上げ機。