JPH07201205A - 舞台演出遂行方法 - Google Patents

舞台演出遂行方法

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JPH07201205A
JPH07201205A JP5349348A JP34934893A JPH07201205A JP H07201205 A JPH07201205 A JP H07201205A JP 5349348 A JP5349348 A JP 5349348A JP 34934893 A JP34934893 A JP 34934893A JP H07201205 A JPH07201205 A JP H07201205A
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Akio Hiromachi
彬夫 広町
Tsunehisa Kawahara
常久 河原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 移動体の位置情報をキュー信号として利用し
て、予め定められたプログラムに従って作動される演出
装置の駆動を開始し、または他の演出装置との関係で駆
動が開始された照明装置を制御する舞台演出遂行方法を
提供する。 【構成】 移動体Aよりの超音波信号により当該移動体
の座標情報を求める移動体座標情報取得手続と、移動体
Aが設定領域に到達したことを確認する移動体座標確認
手続と、移動体座標確認手続が実行されたときに、演出
装置に駆動開始信号を供給する演出装置駆動開始手続と
を行う。また、照明装置以外の演出装置より情報を取得
し、当該情報が特定情報であることを確認する特定情報
確認手続と、移動体座標情報によって照明装置の照明方
向を変更する照明方向制御機構駆動手続と、特定情報確
認手続が実行されたときに、照明装置の点灯状態を制御
する点灯状態制御手続とを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、演者による演技が行わ
れる例えば劇場、スタジオ、ホール、その他の舞台にお
いて、照明装置、その他の演出装置を利用して予定の演
出効果を実現するための舞台演出遂行方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、劇場などの舞台における演者の
演技に伴って、所望の演出効果を実現するために、各種
の演出装置が利用される。現在において、演出装置とし
ては、例えば舞台上の特定の個所を局所的に照明するス
ポットライトを始めとする照明装置、音楽、効果音、そ
の他の音響を発生させる音響装置、舞台の背景などに光
による像を映し出す映像装置、舞台に設けられた作動さ
れることによって特定の効果を発揮する、例えば演技者
や大道具などを奈落から舞台上にせり上げまたはせり下
げるセリ、煙幕装置、その他の可動型演出装置などが知
られている。
【0003】舞台における演出は、通常、人間による演
技あるいはパーフォーマンスにおける個々の所作または
移動という動きに対応して実行される必要があるが、当
然のことながら、そのような演者の動きは厳密には不規
則なものであり、時間的および場所的に決して一定のパ
ターンに従うものとはならない。そこで、舞台における
演出は、通常1人のプロデューサーが、予め定められた
プログラムに従い、舞台上の演者の動きや状況を観察
し、演者の演技の進行に合わせて特定のキューサインを
例えば音声や身振りによって呈示し、このキューサイン
をきっかけとして、各種の演出装置の操作者が、当該シ
ーンにおける予め定められたプログラムに従って担当す
る演出装置を作動させることにより、実行されているの
が現状である。
【0004】しかしながら、このような舞台演出遂行方
法では、プロデューサーが各シーンごとにきわめて多数
の煩雑なキュー信号を呈示することが必要であって非常
な負担となり、しかも、原則的に各演出装置ごとに専門
の操作者が必要である上、各操作者に高い操作技能が要
求され、操作者の技能の個人差や操作者の疲労などの問
題もあり、結局、大掛かりな舞台演出効果を高い再現性
で繰り返し実行することは非常に困難である。
【0005】以上のような観点から、各種の演出装置の
個々のものについては、その作動を予め定められたプロ
グラムに従って所望の態様で制御された状態で駆動する
技術が開発され、一部は実用化されるに至っている。例
えば、照明装置においては、その照明方向および点灯状
態を特定のプログラムに従う態様で変化させるよう制御
する装置が知られている。これらのうち、照明装置によ
る照明演出は、舞台演出において必須のきわめて重要な
ものであり、非常に種々多様な態様で実行されるべきも
のである。
【0006】また、複数の演出装置を制御するために各
演出装置に対応して制御装置を設けると共に各制御装置
に制御信号を供給する信号制御手段を設け、更に音声信
号または各制御装置の状態その他の状態を示す状態信号
をキュー信号として利用して当該各演出装置を自動制御
するための装置が、例えば特開平4−43409号公報
において提案されている。
【0007】しかしながら、この装置においては、実際
上、プロデューサーが、音声などによる基礎的キュー信
号を出すことが必要であり、舞台上における演者の位置
そのものに基づいて基礎的キュー信号を得ることは不可
能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
舞台演出装置の制御装置においては、プロデューサーに
よらなければ、舞台上で不規則な動きをする演者などの
位置に基づいて基礎的キュー信号を得ることができず、
結局、演出装置を的確に駆動制御して所期の演出効果を
確実に実現することができない、という問題点がある。
【0009】舞台上の人間などの動きに伴って自動制御
される装置としては、例えばスポットライトの自動追尾
装置が特開昭64−33802号公報などによって提案
されており、この装置によれば、移動体の移動に伴い、
照明装置の光投射方向が自動的に当該移動体を追尾する
よう制御される。しかしながら、この装置においては、
照明装置の照明方向の制御が移動体に対する追尾という
単純な形態で実行されるのみであり、他の演出プログラ
ムによる演出効果とは全く別個の照明演出がなされるに
過ぎず、複雑な態様の照明による演出効果を得ることは
できない。
【0010】本発明の目的は、舞台上において不規則に
移動する移動体の移動に伴い、その位置情報を基礎的キ
ュー信号として利用して、すなわち移動体の位置を基準
として、予め定められた演出プログラムに従って作動さ
れる各種の演出装置を自動的に駆動することができ、従
って所期の舞台演出効果を、大きな自由度でしかも十分
に高い再現性で確実に達成することのできる舞台演出遂
行方法を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、少なくとも照明装置
を含む複数の演出装置を用いる舞台演出遂行方法におい
て、照明装置以外の演出装置よりの特定情報を照明装置
のキュー信号として利用し、照明装置を自動的に制御し
て駆動するための舞台演出遂行方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、駆動開始信号
を受けることにより駆動が開始され、予め定められた演
出プログラムに従う態様で作動されて演出効果を発揮す
る少なくとも1つの演出装置を用いる舞台演出遂行方法
において、 舞台上を不規則に移動する移動体よりの超音波信号を
受ける超音波検出器よりなる移動体座標情報取得装置に
より、舞台において設定された空間座標系における当該
移動体の位置を示す座標情報を求める移動体座標情報取
得手続と、 前記移動体の位置が設定領域に到達することにより当
該移動体座標情報が設定条件を満足する状態が実現した
ことを確認する移動体座標確認手続と、 移動体座標確認手続が実行されたときに、演出装置に
駆動開始信号を供給する駆動開始信号発信機構を駆動す
る演出装置駆動開始手続と を行うことを特徴とする。
【0013】また、本発明は、予め定められた演出プロ
グラムに従う態様で作動されて演出効果を発揮する少な
くとも照明装置を含む複数の演出装置を用いる舞台演出
遂行方法において、 照明装置以外の演出装置より情報を取得し、当該情報
が設定条件を満足する特定情報であることを確認する特
定情報確認手続と、 舞台上を不規則に移動する移動体よりの超音波信号を
受ける超音波検出器よりなる移動体座標情報取得装置に
より、舞台において設定された空間座標系における当該
移動体の位置を示す座標情報を求め、この移動体座標情
報により、照明装置の照明方向を変更する照明方向制御
機構駆動手続と、 特定情報確認手続が実行されたときに、照明装置の点
灯状態を制御する点灯状態制御手続とを行うことを特徴
とする。
【0014】
【作用】このような舞台演出遂行方法によれば、移動体
座標情報取得手続と移動体座標確認手続とにより、移動
体が舞台上で設定領域に到達したことが確認され、この
確認がなされた上で演出装置駆動開始手続が実行される
ことにより、演出装置に駆動開始信号が供給されて当該
演出装置の駆動が開始される。そして、演出装置は、当
該演出装置について予め定められたプログラムに従う態
様で、自動的に作動されて特定の演出効果を発揮する。
【0015】また、少なくとも照明装置を含む複数の演
出装置を用いる舞台演出遂行方法によれば、照明装置以
外の演出装置よりの特定情報が照明装置のためのキュー
信号として利用され、照明装置は、移動体座標情報取得
手続により、移動体の舞台上における座標情報によって
照明方向が制御駆動されているので、予め定められたプ
ログラムに従って自動的に演出が遂行されているにもか
かわらず、的確に移動体を基準とした照明を実行するこ
とができる。
【0016】
【実施例】図1は、本発明の舞台演出遂行方法を劇場に
おいて実施する場合の装置システムの概略を示す説明図
であり、1は劇場、2はその舞台である。劇場1には中
央制御装置10が設けられており、演出装置としては、
この実施例では、照明装置50および音響装置60が舞
台2に関連して、設置されている。図2は、移動体の座
標情報の取得のシステムおよび演出装置の制御のシステ
ムを、演出装置が照明装置50である場合について示す
説明図である。
【0017】劇場1には、舞台2上において不規則な移
動をする演者などの移動体Aの位置を検出する移動体座
標情報取得手続を実行するための移動体座標情報取得装
置が設けられている。この移動体座標情報取得装置は、
中央制御装置10と、電波発信装置20と、移動体Aに
よって保持される超音波発信装置30と、複数の超音波
検出装置40とによって構成されている。
【0018】電波発信装置20は、劇場1内の舞台2を
臨む個所に設置されており、中央制御装置10に接続さ
れ、当該中央制御装置10から発せられる発信指令信号
により電波信号Rを発信する機能を有する。この電波発
信装置20は、中央制御装置10と異なる位置に設置さ
れてもよいが、中央制御装置10と一体化されていても
よい。ここにおいて、発信指令信号により電波発信装置
20から発信される電波信号Rは、特定の周波数成分に
よる信号であって、超音波検出装置40に超音波Sを発
信させるためのいわばトリガーとしての作用を果たす。
この電波信号の周波数は特に限定されず、任意に定める
ことができる。
【0019】移動体によって保持される超音波発信装置
30は、電波発信装置20より発信された電波信号Rを
検出する電波検出器31を有しており、この電波検出器
31が当該電波信号Rを検出することにより、時間的遅
れなしに特定の周波数の超音波Sを発信する機能を有す
る。当該超音波の周波数は、劇場1の広さや移動体の移
動する範囲によって異なるが、20kHz〜80kHz
の範囲内で選択することが好ましい。
【0020】この超音波発信装置30は、勿論可搬型で
あることが必要であり、従って駆動電源としては小型の
電池が好適に用いられる。この超音波発信装置30は、
移動体が保持するために便利なように、バンド、その他
の保持部を設けること、あるいは当該超音波発信装置3
0を演者の衣装の一部に留めるためのピンまたはクリッ
プなどを設けることが好ましい。
【0021】複数の超音波検出装置40は、具体的には
3個以上または4個以上のものが適宜の間隔で配置され
る。具体的な超音波検出装置40の配置状態は、劇場1
および舞台2の広さ、構造、その他の条件に応じて適宜
設定され、劇場1における例えば天井、壁、床、その他
の適宜の固定位置に、互いに離間した状態で設置され
る。これらの超音波検出装置40は、例えば図3に示す
ように、特に隣接して配置される4個のものは、そのす
べてが同一の平面上に存在しないよう三次元的に異なる
位置に配置されることが好ましい。
【0022】超音波検出装置40の各々は、タイムカウ
ンター41および超音波検出器42を有しており、タイ
ムカウンター41は、中央制御装置10よりのスタート
指令信号により時間計測動作を開始すると共に、超音波
検出器42が超音波を検出することにより時間計測動作
を停止し、これにより、中央制御装置10のスタート指
令信号の発信時から超音波の検出時までの超音波到達時
間Tを計測する機能を有する。
【0023】また、中央制御装置10は、図4に示すよ
うに、時間計測系制御部11、演算部12および演出装
置制御部13を有してなり、超音波検出装置40の各々
は、中央制御装置10の時間計測系制御部11とデータ
通信がなされる状態に有線または無線によって接続され
ており、各超音波検出装置40によって得られる超音波
到達時間Tによるすべての時間データが、中央制御装置
10の時間計測系制御部11に供給される。
【0024】時間計測系制御部11は、電波発信装置2
0に対する発信指令信号と、超音波検出装置40に対し
その各々におけるタイムカウンター41を初期化してリ
セットし更に計測動作を開始させるスタート指令信号と
を同時に送出する機能を有すると共に、超音波検出装置
40からの時間データを受け取って演算部12に送る機
能を有する。
【0025】演算部12は、詳細は後述するように、各
超音波検出装置40よりの時間データと、当該超音波検
出装置40の空間座標系における座標位置による位置デ
ータとにより、超音波発信装置30の当該空間座標系に
おける座標位置を算出する機能を有する。このような機
能を発揮するために、演算部12には、例えば劇場1内
の任意の位置を原点として任意に設定された三次元的空
間座標系において、超音波検出装置40の各々が占める
座標位置による位置データが登録されており、この位置
データは、必要に応じて呼び出すことが可能とされてい
る。
【0026】演出装置としての照明装置50は、舞台2
を臨む固定位置に設置されている。この照明装置50
は、図5に示すように、例えばキセノン放電灯よりなる
光源ランプ51およびレンズ52を有する、特定の方向
に光を投射する照明器53と、この照明器53を、矢印
xで示すように、光軸Lと直角な水平回転軸の周りに回
動させる第1のモーター54と、矢印yで示すように、
光軸Lと直角な垂直回転軸の周りに回転させる第2のモ
ーター55とよりなり、照明方向すなわち光の投射方向
を三次元的に可変とする照明方向制御機構を備えてい
る。また、この照明装置50は、光源ランプ51の点灯
状態を制御する点灯状態制御機構(図示せず)を備えて
いる。
【0027】照明装置50に係る照明方向制御機構およ
び点灯状態制御機構は、中央制御装置10の演出装置制
御部13とデータ通信が可能となる状態に有線または無
線により接続されており、照明装置50が当該空間座標
系において占める座標位置による位置データが呼び出し
可能に登録されている。また、照明方向制御機構および
点灯状態制御機構は、各々独立に、当該演出装置制御部
13よりの駆動開始信号によって駆動が開始され、当該
演出装置制御部13において予め定められた照明プログ
ラムに従って作動される。すなわち、演出装置制御部1
3は、演算部12により算出された移動体の座標位置に
よる位置データを参照して、または参照せずに、前記空
間座標系における照明装置50の座標位置による位置デ
ータに基づいて、当該照明装置50の照明方向制御機構
を制御する照明方向制御指令信号を送出する機能を有す
る。
【0028】この照明装置50における駆動機構56の
駆動特性値が中央制御装置10に登録される。例えば、
第1のモーター54および第2のモーター55の基準停
止位置を各々出発基準位置とし、このときの照明器53
による照明目標点の空間座標系における座標位置が中央
制御装置10の照明制御部13に登録され、第1のモー
ター54を基準位置状態で第2のモーター55を基準位
置から任意の角度状態位置に停止させたときの照明器5
3による照明目標点の座標位置が中央制御装置10の照
明制御部13に登録される。
【0029】具体的には、この二つの空間座標の各々と
照明装置50の空間座標とを結ぶ2つのベクトルを基準
として、移動する移動体によって保持される超音波発信
装置30と照明装置50とを結ぶベクトルが求められ、
このベクトルを基準として照明装置50の照明方向が制
御される。
【0030】また音響装置60は、例えば録音テープ、
ディスクなどの録音媒体から録音された音声を再生する
機器、効果音発生機器などよりなり、中央制御装置10
の演出装置制御部13にデータ通信が可能となる状態に
有線または無線により接続され、演出装置制御部13よ
りの音響装置駆動開始信号によって駆動が開始され、当
該演出装置制御部13において予め定められた音響プロ
グラムに従って作動される。
【0031】以上のような設備を有する劇場1におい
て、本発明の舞台演出遂行方法によれば、移動体の位置
を示す座標情報を求める移動体座標情報取得手続と、移
動体座標確認手続と、演出装置駆動開始手続とが実行さ
れる。
【0032】<移動体座標情報取得手続>移動体座標情
報取得手続は、舞台において設定された空間座標系にお
ける当該移動体の位置についての座標情報を求める手続
であり、具体的には次のとおりである。
【0033】中央制御装置10は、電波発信装置20に
発信指令信号を送り、これと同時に超音波検出装置40
にタイムカウンター41のスタート指令信号を送る。こ
れにより、電波発信装置20より発信された電波信号R
は、超音波発信装置30の電波検出器31によって検出
され、これと同時に超音波発信装置30から超音波Sが
発信される。
【0034】一方、超音波検出装置40においては、タ
イムカウンター41が、前記スタート指令信号によって
初期化されて計測動作が開始される。そして、その後に
超音波検出器42が前記超音波を検出することにより、
タイムカウンター41の計測動作が停止される。この計
測時間による時間データは、タイムカウンター41から
中央制御装置10の時間計測系制御部11に送信され、
演算部12に供給される。
【0035】ここで、タイムカウンター41によって計
測される時間Tは、スタート指令信号の発信時から超音
波検出装置40によって超音波が検出される時までの時
間であるが、発信指令信号の発信時から超音波発信装置
30による超音波の発信時までの時間は極めて短かいの
で事実上無視することができ、従って計測時間Tは、超
音波発信装置30による超音波の発信時から超音波検出
装置40による超音波の検出時までの時間と実質的に同
等である。従って、当該時間データは、当該超音波検出
装置40と超音波発信装置30を保持する移動体との間
の距離d(図2参照)に対応したものである。
【0036】中央制御装置10の演算部12では、超音
波検出装置40の各々から送信された時間データのうち
から選択された例えば3個または4個の時間データと、
これらの時間データに係る超音波検出装置40の位置デ
ータとに基づいて、超音波の速度の大きさから、超音波
発信装置30の空間座標系における座標位置が算出され
る。
【0037】ここに、選択される時間データは、すべて
の超音波検出装置40による時間データに係る検出時間
Tが最も小さいものから順に、あるいは超音波検出装置
40における検出超音波のエネルギーが最も大きいもの
から順に選択されるのが好ましい。このような検出時間
Tが小さい時間データ、または検出超音波のエネルギが
大きい時間データは、実際上、移動体から最も近接した
領域に位置する超音波検出装置40によるものとなる。
従って、このようにして時間データを選択することによ
り、劇場の壁などによって反射された超音波などの誤差
原因となるノイズ超音波の検出を確実に回避することが
できる。
【0038】3個の時間データによる場合には、次の原
理によって超音波発信装置30の座標位置を算出するこ
とができる。すなわち、図6に示すように、3個の超音
波検出装置40によって検出された時間データにより計
算される、当該超音波検出装置40と超音波発信装置3
0間の距離をそれぞれr1、r2、r3とし、各超音波
検出装置40の位置をP1、P2、P3とするとき、超
音波発信装置30の位置は、それぞれ点P1、P2、P
3を中心とし、半径がr1、r2、r3である3つの球
面S1、S2、S3の交点上に存在するはずである。具
体的に説明すると、2つの球面S1、S2の交点の集合
は円となり、これは図6において斜線を付した楕円Hと
して示されている。そして、この楕円と、球面S3との
交点が、3つの球面の交点となる。従って、前記空間座
標系におけるそのような3つ球面S1、S2、S3を表
す連立方程式立て、これを解いてその解を求めればよ
い。ここに、得られる解の数は1または2となるが、2
つの解が存在するときは、他の条件、例えば移動体の高
さ方向におけるレベルを参酌して、より合理的なものが
選ばれる。
【0039】4個の時間データによる場合においては、
図7に示すように、X,Y,Z空間座標系における4個
の超音波検出装置40の座標位置を(x1 ,y1
1 )、(x2 ,y2 ,z2 )、(x3 ,y3
3 )、(x4 ,y4 ,z4 )とし、超音波発信装置3
0の座標位置を(x,y,z)としたとき、超音波発信
装置30と4個の超音波検出装置40の各々との距離d
1、d2、d3およびd4の各々は、下記の式〜で
表される。 (d1)2= (x−x1)2 + (y−y1)2 + (z−z1)2 (d2)2= (x−x2)2 + (y−y2)2 + (z−z2)2 (d3)2= (x−x3)2 + (y−y3)2 + (z−z3)2 (d4)2= (x−x4)2 + (y−y4)2 + (z−z4)2 従って、x、y、zについて上記の式〜を解くこと
によって、前記超音波発信装置30の座標位置(x,
y,z)を厳密に算出することができる。
【0040】以上において、超音波検出装置40におけ
るタイムカウンター41は、例えば0.0001秒程度
の精度で時間の計測を行うことができる。従って、この
精度が超音波発信装置30の位置データにおける誤差の
範囲に関連するが、超音波の空中伝播速度が約340m
/秒であるから、舞台上の距離における誤差は最大でも
3.4cmであり、従ってきわめて高い精度で超音波発
信装置30すなわち移動体の座標位置を求めることが可
能である。
【0041】以上において、中央制御装置10による発
信指令信号の発信の時間的密度は、例えば1秒間に20
回であり、その時間間隔は50msecとなるから、各
超音波検出装置40のタイムカウンター41による計測
可能時間は、長くても50msec程度未満であること
が必要である。そして、タイムカウンター41における
最長計測時間内に超音波が到達する距離の範囲が、当該
超音波検出装置40によってカバーされる検出可能領域
となるから、タイムカウンター41の最長計測時間を4
5msecに設定する場合においては、超音波の空中伝
播速度が約340m/秒であることから、当該超音波検
出装置40の検出可能領域は半径15.3mの球形の領
域となる。従って、超音波検出装置は、半径15.3m
の球形領域内に3個以上存在すればよいこととなる。
【0042】そして、1回の移動体座標情報取得動作に
要する時間の長さ、すなわち中央制御装置10による発
信指令信号の発信から照明装置の制御がなされるまでに
要する時間は、超音波発信装置30と超音波検出装置4
0との距離の大きさによって異なるが、例えば50〜2
00msec程度である。これは、中央制御装置10に
よる発信指令信号の発信、換言すれば電波信号の発信を
1秒間に5〜20回程度の時間間隔、すなわち200m
sec以下の短い時間間隔で行うことができることを意
味し、従って、実際上、常時、移動体Aの座標情報を取
得することが可能である。
【0043】<移動体座標確認手続>この手続は、中央
制御装置10の演算部12において行われる。具体的に
は、舞台2上において特定の領域を設定しておき、この
特定の領域に対応する座標の範囲内に属する座標情報が
演算部12において得られたときに、当該演算部12よ
り移動体座標確認信号を演出装置制御部13に供給する
ことにより、実行される。この移動体座標確認信号は、
移動体Aが移動して当該特定の領域に到達し、これによ
り当該移動体座標情報が当該特定の領域に関する設定条
件を満足する状態が実現したことを意味するものであ
る。
【0044】<演出装置駆動開始手続>上記の移動体座
標確認手続が実行されて移動体座標確認信号が演出装置
制御部13に供給されることにより、当該演出装置制御
部13からは、選択された演出装置に対し駆動開始信号
が供給され、この駆動開始信号により、当該選択された
演出装置の駆動が開始され、予め定められた演出プログ
ラムに従って当該演出装置の作動される。
【0045】以上の演出装置駆動開始手続による演出装
置の作動継続時間は、演出の内容によって自由に設定す
ることができるが、通常の場合に遂行される演出の1シ
ーンを単位として設定されることが好適である。ここ
に、1シーンの時間は、通常の場面の場合には10〜2
0秒間である。しかし、連続する複数のシーンの間中当
該演出装置を連続して作動させることができることも勿
論である。この「連続して作動される」とは、1つの駆
動開始信号によって作動されることを意味し、連続作動
時間中に当該演出装置が、事実上、演出効果発揮機能を
休止する時間が含まれていてもよい。
【0046】例えば、選択された演出装置が照明装置5
0である場合には、演出装置制御部13からの駆動開始
信号により、照明方向制御機構および点灯状態制御機構
の駆動が開始され、その後、予め定められた照明プログ
ラムに従って作動される。そして、当該駆動開始信号が
供給されたときに、移動体Aは特定の領域に到達してい
ることが確認されているから、移動体座標情報取得手続
によって取得された座標情報を利用して、照明装置50
の照明方向が移動体Aを位置の基準として変更されるよ
う、照明方向制御機構を制御することができる。
【0047】また、移動体座標情報取得手続により得ら
れた移動体の座標情報と、照明装置50の位置の座標情
報と、前述の駆動機構56の駆動特性値と基づいて、中
央制御装置10の照明制御部13からの制御信号によ
り、移動体の位置を基準とした目標照明方向への照明が
達成されるよう、照明方向制御機構を制御することがで
きる。
【0048】照明装置50による照明の態様は、照明プ
ログラムにおいて設定することができ、具体的には、移
動体を位置の基準とする種々の態様で照明を状態するこ
とができる。最も簡単な照明の態様は移動体Aの位置を
直接照明することである。この場合には、移動体Aの座
標位置の方向が目標照明方向となる。また、移動体Aに
対して特定の位置関係となる個所、例えば移動体Aより
特定の方向に特定の距離だけ離間した位置を目標照明方
向とすることも可能であり、この場合には、移動体Aの
移動に伴って光スポットが移動することとなる。
【0049】更に当該特定の位置関係が経時的に変化す
る態様、例えば移動体Aを中心とする円弧に沿って光ス
ポットが移動する態様とすることも可能である。この場
合にも、移動体Aが移動すれば、それに伴って光スポッ
トの移動中心が移動することとなる。また、光スポット
の位置の変化の態様は、一時に切り替わる態様、徐々に
照明位置が移動する態様、あるいは段階的に移動する態
様など、任意の態様で実行することができる。また、複
数の照明装置を利用するときは、その各々を上記のよう
に制御することにより、一層複雑な態様の照明を実行す
ることが可能である。
【0050】更に、照明装置50のための点灯状態制御
機構を制御することにより、種々の演出効果の実現を容
易に達成することができる。例えば、上述したところに
従って、移動体Aの位置が常に目標照明方向となるよう
照明方向制御機構を制御する状態としておき、光源ラン
プを消灯状態から点灯状態に切り替えることにより、暗
闇の中で舞台2上を移動して来た移動体Aが特定の領域
に到達した瞬間に、この移動体Aに確実にスポットライ
トを投射する照明を実行することができる。このような
態様の照明は、従来の装置では十分な信頼性で実行する
ことができなかったものである。
【0051】また、選択された演出装置が音響装置60
である場合には、この音響装置60の駆動が開始され、
定められた演出プログラムに従って一定の時間の間、舞
台2に音響が発せられる。更に、他の種類の演出装置が
選択された場合には、当該演出装置による特有の演出効
果が実現される。
【0052】以上に説明した各手続のための主要な情報
の処理は、中央制御装置10の演算部12および演出装
置制御部13において実行される。そして、各演出装置
の駆動を開始するためにキュー信号が使用される。ここ
に、キュー信号として使用することのできる情報として
は種々のものがあり、移動体の座標情報、音響情報、照
明情報、その他の演出装置による演出効果の情報などで
あって、他と識別可能な特定のものであれば、いずれの
情報でも使用可能である。
【0053】図8〜図10は、上記のような一連の手続
により、或る演出効果を実現するための舞台演出を遂行
する場合における、情報処理の手順の具体例を示すチャ
ートである。これらの図において、矩形枠で囲まれたス
テップは情報の処理、菱形枠で囲まれたステップは判断
の処理を表す。そして、判断の処理において、下向きの
矢印は「YES」の出力を、横向きの矢印は「NO」の
出力を意味し、実行される処理ステップに至る方向が太
線矢印で示されている。
【0054】この例で設定されている演出効果は、暗転
している舞台における中央の特定領域に歌手が移動して
到達したときに、音響装置の駆動が開始されて当該歌手
の唄うべき歌の伴奏音楽の再生が始まる音響演出が開始
されると共に、その後、音楽の前奏部分が終了する際
に、照明装置により、当該歌手の位置にスポットライト
を突如として形成するような態様の照明演出を実行しよ
うとするものである。従って、この演出例においては、
歌手の座標情報を基礎的キュー信号として利用して音響
装置の駆動を開始させ、かつ照明装置の照明方向制御機
構を歌手の位置を目標照明方向として制御し、更に加重
的条件として音楽の前奏部分の終わりにおける特定の音
響情報を利用して、これをキュー信号として照明装置の
点灯状態制御機構を制御すればよい。
【0055】この例の演出は、例えば次の処理ステップ
S1〜S13により実行される。 ステップS1 演出のキュー信号としていずれの種類の
情報を使用するかを決定するステップである。この演出
例では、歌手の座標情報および音響情報が考慮されれば
よい。 ステップS2 座標情報をキュー信号として使用するか
否かが判断されるステップである。 ステップS3 ステップS2において「座標情報を使用
する」と判断された場合に、座標情報取得手続を実行す
るステップである。 ステップS4 ステップS3において取得された座標情
報が、予め設定された特定の領域に係る条件を満足する
状態が実現したか否かが判断されるステップである。
【0056】ステップS5 ステップS4において、設
定条件を満足する状態が実現したと判断された場合に、
具体的にいずれの演出装置によりどのようなプログラム
による演出効果を実行するかを選定するステップであ
る。 ここに、選定されるプログラムは、演出装置および各々
の態様が予め定められたものであって、例えばそれに付
された番号によって指定することができるものであり、
特に当該プログラムの駆動が開始されるべきキュー信号
について特定の条件を有するものとすることができる。
【0057】プログラムの例としては、下記のものを挙
げることができる。 音響演出として音響プログラム1を選定、照明演出と
して照明プログラム2を選定 音響演出として音響プログラム1を選定、照明演出と
しては、音響プログラム1における特定の音響情報をキ
ュー信号とする条件において照明プログラム2を選定 照明演出として照明プログラム3を選定、音響演出と
しては、照明プログラム3における特定の照明情報をキ
ュー信号とする条件において音響プログラム2を選定
【0058】ステップS6 音響情報をキュー信号(こ
の演出例では、照明演出に対するキュー信号)として使
用するか否かが判断されるステップである。 ステップS7 ステップS6において、「音響情報を使
用する」と判断された場合に、音響情報を取得するステ
ップである。 ステップS8 ステップS7において取得した音響情報
が、予め設定された特定の条件を満足する状態が実現し
たか否かが判断されるステップである。
【0059】ステップS9 ステップS8において、設
定条件を満足する状態が実現したと判断された場合に、
具体的にどのようなプログラムによる演出効果を実行す
るかを選定するステップである。 ここに、選定されるプログラムは、ステップS5の場合
と同様のものである。プログラムの例としては、下記の
ものを挙げることができる。 特定の音響情報をキュー信号として、照明演出として
照明プログラム2を選定 特定の音響情報をキュー信号として、新たな音響プロ
グラム4を選定 特定の音響情報をキュー信号として、座標情報を選定
【0060】ステップS10 ステップS5またはステ
ップS9において選定された音響演出を実行してよい
か、具体的には音響装置駆動開始信号の供給を許可する
か否かが判断されるステップである。 ステップS11 ステップS10における判断に基づい
て、音響装置に音響装置駆動開始信号を供給するステッ
プである。 ステップS12 ステップS5またはステップS9にお
いて選定された照明演出を実行してよいか、具体的には
照明装置駆動開始信号の供給を許可するか否かが判断さ
れるステップである。 ステップS13 ステップS12における判断に基づい
て、照明装置に照明装置駆動開始信号を供給するステッ
プである。
【0061】第1情報処理サイクル 図8に示されている第1情報処理サイクルは、歌手の座
標情報をキュー信号として音響演出を開始するための処
理である。この第1情報処理サイクルは、ステップS1
〜ステップS13よりなり、各ステップにおける処理の
内容は次のとおりである。
【0062】ステップS1では、キュー信号として使用
される歌手の座標情報および音響情報うち、座標情報の
使用が決定され、音響情報の不使用が決定される。この
決定内容によって、ステップS2およびステップS6の
処理が制御される。ステップS2では、座標情報の使用
が肯定されるので、判断結果が「YES」となる。ステ
ップS3では、歌手の座標情報の取得動作が指令され、
既述のような超音波を利用した座標情報の取得がなされ
る。
【0063】ステップS4では、歌手が移動して舞台の
設定領域に到達したか否かが判断される。判断結果が
「NO」の場合には、後続の各ステップは省略され、再
びステップS1に戻る動作が、判断結果が「YES」と
なるまで継続される。ステップS5では、ステップS4
の判断結果が「YES」の場合に、プログラムの選定が
なされる。ステップS6では、選定されたプログラム
が、音響情報をキュー信号として使用するか否かが判断
されるが、この演出例の第1情報処理サイクルでは音響
情報を使用しないので、判断結果は「NO」となる。
【0064】ステップS7〜ステップS9は、ステップ
S6の判断結果により省略され、ステップS10に移行
する。ステップS10では、ステップS4およびステッ
プS5の結果に基づいて判断結果が「YES」となり、
音響演出の実行が許可される。ステップS11では、ス
テップS10の「YES」の判断結果に基づいて、音響
装置駆動開始信号が音響装置に供給される。これによ
り、音響装置の駆動が開始され、その後は、選定された
プログラムに予め定められた態様に従って作動される。
ステップS12では、ステップS5で選定されたプログ
ラムの内容に基づいて判断結果が「NO」となり、ステ
ップS13が省略される。
【0065】第2情報処理サイクル 図9に示されている第2情報処理サイクルは、音響装置
による音楽の前奏部分が終了するときの特定の音響情報
が確認されるまで、照明演出の開始を留保するための処
理であり、各ステップにおける処理の内容は次のとおり
である。すなわち、設定された条件に従う特定の音響が
取得されるまで、この第2情報処理サイクルが継続され
ることとなる。
【0066】ステップS1では、キュー信号として使用
される移動体の座標情報および音響情報うち、音響情報
の使用が決定され、座標情報の不使用が決定される。こ
の決定内容によって、ステップS2およびステップS6
の処理が制御される。ステップS2では、ステップS1
の結果から座標情報の使用が否定されるので判断結果が
「NO」となり、従ってこれに続くステップS3〜ステ
ップS5は省略され、ステップS6に移行する。ステッ
プS6では、音響情報をキュー信号として使用するか否
かが判断されるが、この演出例の第2情報処理サイクル
では音響情報を使用するので、その判断結果は「YE
S」となる。
【0067】ステップS7では、ステップS6の結果に
基づいて、音響情報の取得が実行される。ステップS8
では、前奏が終了するときまでの間は特定の音響情報は
得られないので、判断結果が「NO」であり、ステップ
S9はこのステップS8の判断結果により省略され、ス
テップS10に移行する。ステップS10では、ステッ
プS1の結果から判断結果が「NO」となり、ステップ
S11は省略される。ステップS12では、ステップS
1の結果から判断結果が「NO」となり、ステップS1
3は省略され、ステップS1に戻る。
【0068】第3情報処理サイクル 図10に示されている第3情報処理サイクルは、音響装
置による音楽の前奏部分が終了するときの特定の音響情
報が取得され、これをキュー信号として照明演出を開始
するための処理であり、各ステップにおける処理の内容
は次のとおりである。
【0069】ステップS1〜ステップS7までは、第2
情報処理サイクルと同様の処理が実行される。ステップ
S8では、ステップS7において、前奏が終了する際の
特定の音響が取得されることにより、判断結果が「YE
S」となる。ステップS9では、プログラムの選定がな
される。ステップS10では、ステップS1の結果から
判断結果が「NO」となり、ステップS11は省略され
る。
【0070】ステップS12では、ステップS8の結果
から判断結果が「YES」となり、照明演出の実行が許
可される。ステップS13では、ステップS12の「Y
ES」の判断結果を受けて、照明装置駆動開始信号が照
明装置に供給される。これにより、照明装置の駆動が開
始され、その後は、ステップS9で選定されたプログラ
ムに定められた態様に従って作動される。
【0071】以上の情報処理サイクルが実行されること
により、目的とする演出効果を、きわめて的確に、しか
も簡単に遂行することができる。
【0072】図11は、上述の舞台演出遂行の第3情報
処理サイクルにおいて、歌手を自動追尾照明する照明演
出を行う演出例の情報処理サイクルを示す説明図であ
る。この情報処理サイクルは、図10の場合と全く同様
の処理手順に、ステップS121、ステップS122、
ステップS14およびステップS15が付加されたもの
である。
【0073】ステップS121 ステップS12より照
明演出開始許可が発信された場合において、ステップS
9で選定されたプログラムが、歌手の自動追尾照明を含
むものであるか否かが判断されるステップである。この
ステップS121の判断結果が「NO」であれば、ステ
ップS13により照明装置駆動開始信号が出力され、第
3情報処理サイクルにおける場合と同等の処理となる。 ステップS122 ステップS12の判断において、照
明装置の駆動開始信号の供給可否が「NO」である場合
において、当該プログラムが歌手の自動追尾照明を含む
ものであるか否かが判断されるステップである。 ステップS14 ステップS121またはステップS1
22における判断結果が「YES」である場合に自動追
尾照明のための座標情報を取得するステップである。 ステップS15 ステップS14で取得した座標情報に
基づいて、自動追尾照明を実行するために、照明装置の
照明方向制御機構に制御信号を供給するステップであ
る。
【0074】第3情報処理サイクルにおいて、ステップ
S12の判断結果として「YES」が出力されて一旦照
明演出が開始されたときは、当該照明演出の単位である
1シーン分が終了するまでまたは次のキュー信号によっ
て再トリガーされるまでは、当該ステップS12の判断
結果が常に「NO」となる。そこで、この情報処理サイ
クルにおいては、ステップS122において、ステップ
S121と同様の処理が実行される。そして、その判断
結果が「YES」の場合にステップS14およびステッ
プS15が実行される。
【0075】このような手順によれば、特定の照明演出
が実行されながら、歌手の自動追尾照明など移動体を位
置の基準とする特殊な照明演出を実行することができ
る。すなわち、照明装置は、駆動状態の制御すなわち点
灯状態の制御のみでなく、照明方向の制御が重要な制御
因子となる点で演出装置として特殊な機能を有するもの
であり、しかも当該照明方向の制御には移動体の位置が
常に重要な要素となる。然るに、本発明においては、特
定の照明装置を他の演出装置(これは照明装置であって
もよい。)と特定の関係を保った状態でありながらしか
もそれ自体の作動を制御することができるので、複雑な
態様による制御をきわめて容易に実行することができ
る。
【0076】以上、本発明の実施例について、演出装置
として照明装置および音響装置を用いる場合について詳
細に説明したが、本発明においては、劇場に種々の演出
装置を設置しておけば、所望に応じて適宜のものを指定
してその駆動の開始を、移動体の位置を基礎的キュー信
号として利用して制御することができる。また、複数の
同種の演出装置を設置しておき、その各々を同様に制御
することも可能である。
【0077】更に、複数の同種の演出装置または複数の
異種の演出装置を用いる場合においては、各演出装置に
ついて、その相互の関係が特定の条件が満足される状態
で制御することが可能であり、種々の演出効果を組合せ
て実行することができる。特にこの場合においては、各
演出装置について駆動の優先順位を考慮してその駆動を
制御することができる。
【0078】本発明においては、座標情報を取得すべき
移動体は複数であってもよく、この場合には、個々の移
動体を識別するために、適宜の方法が適用される。例え
ば、複数の超音波発信装置の個々のものを識別し、特定
の超音波発信装置を指定してその作動を開始させるよ
う、互いに異なる特定の周波数の電波信号Rの複数を適
宜の時間間隔で発信させるようにすることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明の舞台演出遂行方法によれば、舞
台上において不規則に移動する移動体の移動に伴い、そ
の位置を基礎的キュー信号として利用することができる
ので、移動体の位置を基準として、予め定められた演出
プログラムに従って作動される各種の演出装置の駆動を
自動的に開始することができ、従って所期の舞台演出効
果を、大きな自由度でしかも十分に高い再現性で確実に
達成することができる。その結果、舞台演出の遂行にお
いて、プロデューサーのなすべき多種多様で複雑なキュ
ー信号の呈示動作を大幅に省略することができるので、
プロデューサーの労力を大幅に軽減することができると
共に、各演出装置に専用の操作者が不要となり、結局、
複雑で大掛かりな舞台演出であっても、これを容易にか
つ的確に遂行することができる。
【0080】また、少なくとも照明装置を含む複数の演
出装置を用いる舞台演出遂行方法によれば、照明装置以
外の演出装置よりの特定情報が照明装置のためのキュー
信号として利用され、照明装置は、移動体座標情報取得
手続により、移動体の舞台上における座標情報によって
照明方向が制御駆動されているので、予め定められたプ
ログラムに従って自動的に演出が遂行されているにもか
かわらず、的確に移動体を基準とした照明を実行するこ
とができる。
【0081】更に、演出装置として最も重要な照明装置
を独立的に移動体の位置との関係で制御することによ
り、現に実行されている特定の演出プログラムによる演
出効果との関係において、移動体の位置を基準とする照
明による演出を実行することができて複雑な態様の演出
効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の舞台演出遂行方法を劇場において実施
する場合の装置システムの概略を示す説明図である。
【図2】移動体の座標情報の取得のシステムおよび演出
装置の制御のシステムを、演出装置が照明装置である場
合について示す説明図である。
【図3】超音波検出装置の配置の状態を示す説明図であ
る。
【図4】中央制御装置の構成の概略を示すブロック図で
ある。
【図5】照明装置の一例の構成を示す説明図である。
【図6】3個の超音波検出装置によって超音波発信装置
の位置が特定される原理の説明図である。
【図7】4個の超音波検出装置によって超音波発信装置
の位置が特定される原理の説明図である。
【図8】一連の処理手続により、或る演出効果を得るた
めの舞台演出を遂行する場合における情報処理の手順を
示すチャートであり、第1情報処理サイクルに係るもの
である。
【図9】図8と同様のチャートであり、第2情報処理サ
イクルに係るものである。
【図10】図8と同様のチャートであり、第3情報処理
サイクルに係るものである。
【図11】図8と同様のチャートであり、特別な処理が
付加された場合の情報処理サイクルに係るものである。
【符号の説明】
1 劇場 2 舞台 10 中央制御装置 R 電波信号 11 時間計測系制御部 12 演算部 13 照明制御部 20 電波発信
装置 A 移動体 30 超音波発
信装置 31 電波検出器 S 超音波 40 超音波検出装置 41 タイムカ
ウンター 42 超音波検出器 50 照明装置 51 光源ランプ 52 レンズ 53 照明器 L 光軸 54 第1のモーター 55 第2のモ
ーター 56 駆動機構 60 音響装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動開始信号を受けることにより駆動が
    開始され、予め定められた演出プログラムに従う態様で
    作動されて演出効果を発揮する少なくとも1つの演出装
    置を用いる舞台演出遂行方法において、 舞台上を不規則に移動する移動体よりの超音波信号を
    受ける超音波検出器よりなる移動体座標情報取得装置に
    より、舞台において設定された空間座標系における当該
    移動体の位置を示す座標情報を求める移動体座標情報取
    得手続と、 前記移動体の位置が設定領域に到達することにより当
    該移動体座標情報が設定条件を満足する状態が実現した
    ことを確認する移動体座標確認手続と、 移動体座標確認手続が実行されたときに、演出装置に
    駆動開始信号を供給する駆動開始信号発信機構を駆動す
    る演出装置駆動開始手続と を行うことを特徴とする舞台演出遂行方法。
  2. 【請求項2】 予め定められた演出プログラムに従う態
    様で作動されて演出効果を発揮する少なくとも照明装置
    を含む複数の演出装置を用いる舞台演出遂行方法におい
    て、 照明装置以外の演出装置より情報を取得し、当該情報
    が設定条件を満足する特定情報であることを確認する特
    定情報確認手続と、 舞台上を不規則に移動する移動体よりの超音波信号を
    受ける超音波検出器よりなる移動体座標情報取得装置に
    より、舞台において設定された空間座標系における当該
    移動体の位置を示す座標情報を求め、この移動体座標情
    報により、照明装置の照明方向を変更する照明方向制御
    機構駆動手続と、 特定情報確認手続が実行されたときに、照明装置の点
    灯状態を制御する点灯状態制御手続と を行うことを特徴とする舞台演出遂行方法。
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