JPH0720052Y2

JPH0720052Y2 - 組合せ容器セット

Info

Publication number: JPH0720052Y2
Application number: JP1989061090U
Authority: JP
Inventors: 広臣松浦
Original assignee: Sekisui Kasei Co Ltd
Current assignee: Sekisui Kasei Co Ltd
Priority date: 1989-05-25
Filing date: 1989-05-25
Publication date: 1995-05-10
Anticipated expiration: 2004-05-25
Also published as: JPH033577U

Description

【考案の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉この考案は組合せ容器セットに関し、より詳しくは食品
等を収納密閉した内袋を外側ケースと蓋体によって密封
性よく収納できる容器セットに関する。

〈従来の技術および考案が解決しようとする課題〉従来より食用油，調味料その他のものをガスバリヤー性
よく収納できる家庭用の容器としては、合成樹脂による
ブロー成形ボトルが貯蔵性の良い点からも多く用いられ
てきた。

このようなブロー成形ボトルは、貯蔵性を良くするため
にも、ガスバリヤ性の４層や５層の多層ボルトが開発さ
れているが、非常にコストが高くつくことや、多数発生
する使用後の廃品ボトルの回収処理にも多大の労力と困
難を要するものであった。

そのため、この考案においては、従来の多層ボトルに比
べ使用後廃棄する部分のコストを低く抑制し、且つ廃品
としての処理もし易い構成のものを提供することを目的
としている。

〈課題を解決するための手段〉上記のごとき目的を達成するためにこの考案による組合
せ容器セットの構成は、内部に食品等を収容密封し、上
方部に周回した環状の係止リングを取付けてある内袋
と、この内袋とは別に上記係止リングを掛け止め得る溝
部を上部に有した外側ケースと、さらに外側ケースに被
着できる合成樹脂製蓋体とを組合せてあり、係止リング
は外側ケースの溝部に掛け止め得る形状を有すると共に
上方への突出部を有し、蓋体には下方内側へ傾斜して延
びる内方側環状フランジと、下方外側へ傾斜して延びる
外方側環状フランジとを有し、この内外の環状フランジ
間に係止リングの上方への突出部を挟み込めるような
し、この挟み込み部分と、外側ケースの前記係止リング
を掛け止め得る溝部との間にて内袋の係止リングを圧着
してシールするようにしてあることを特徴としている。

〈作用〉上記構成による容器セットによれば、外側ケースと蓋体
とによってできる内部空間には、食品等を収納密封して
ある内袋を収納し、この内袋の保持は、内袋の上方部に
周回して取付けてある環状の係止リングを、外側ケース
上部の溝部に掛け止めることと、蓋体の内外環状フラン
ジ間に係止リングの上方への突出部を挟み込むことによ
って、この挟み込み部分と、係止リングを掛け止めた外
側ケースの溝部との間で係止リングを圧着することによ
って果していることになる。そして、内袋内の食品等の
使用後は内袋のみを外して廃品として廃棄すればよいこ
とになる。

〈実施例〉次いで、この考案の実施例について図を参照しながら以
下に説明する。

（10）は内袋、（20）は外側ケース、（30）は蓋体、
（40）は蓋体（30）に付属された開閉用キャップを示し
ている。

上記内袋（10）は、好ましくはガスバリヤー性を有する
もので、従来のブローボトルより低価格の合成樹脂フィ
ルムの多層体又は合成樹脂フィルムとアルミ箔との複合
多層体等にて形成され、図では上下（11）（12）を、破
損および洩れの防止を目的として多条のシールが施され
てある。（13）は内袋（10）の上方部に溶着，接着等の
適宜手段にて取付けてある合成樹脂，金属による係止リ
ングであり、断面円形、断面角形等による環状形状を有
し、係止リング全体の外形に沿って上記内袋（10）を内
容物の減量後も保形している。そして、後述する外側ケ
ース（20）の溝部（21）に掛け止め得る形状を有すると
共に上方への突出部（13a）を有している。

外側ケース（20）は取手（22）および脚（23）を有し、
合成樹脂，金属，ガラス等により形成されており、上記
内袋（10）の係止リング（13）を掛け止め得る溝部（2
1）を上端部となるよう外壁（24）から内方位置に延設
形成するとともに蓋体（30）に対するネジ合せ部（26）
を形成してある。

さらに、蓋体（30）は合成樹脂にて形成されていて、上
壁部（31）から続く肩部（32）の個所から２枚の内外環
状フランジ（33）（34）が垂下して設けられており、内
方側環状フランジ（33）は肩部（32）から下方内側へ延
び、外方側環状フランジ（34）は肩部（32）から下方外
側へ傾斜して延設されている。

そして、この２枚の環状フランジ（33）（34）の間に係
止リング（13）の上方への突出部（13a）を挟み込み、
この挟み込み部分と、前記係止リング（13）を掛け止め
た外側ケース（20）の溝部（21）との間にて内袋（10）
の係止リング（13）を圧着できるように、蓋体（30）に
は外側ケース（20）に対するネジ合わせ部（36）が設け
られている。

即ち、外側ケース（20）と蓋体（30）とのネジ合せ部
（26）（36）を互いにネジ合せることにより、上記のよ
うに係止リング（13）は外側ケース（20）の溝部（21）
と、蓋体（30）の内外環状フランジ（33）（34）との間
で圧着されシール状態となし得る。

蓋体（30）には上部に有するキャップ（40）はヒンジ
（41）にて開閉自在にし、且つ把持部（42）付のもので
ある。

尚、内袋（10）は外側ケース（20）内で吊設状態にする
場合と、ケース底に下端を着地させる場合の何れの構成
でもよく、内袋（10）に収納密封する内容物の種類に応
じて任意に実施すればよい。

使用時には内袋（10）の上端部（11）を切り開き、切り
開き後はキャップ（40）の開閉を行なって内容物を取出
し使用すればよく、内袋（10）は係止リング（13）が保
形リングとして作用し、内容物の量が少なくなっても、
外側ケース（20）の溝部（21）と、内外環状フランジ
（33）（34）との間で圧着されている係止リング（13）
のところでは保形状態が続き、内容物の取出しには何等
の支障がなく使用できる。

なお、蓋体（30）の両環状フランジ（33）（34）の傾斜
角度については、内方側環状フランジ（33）の傾斜角度
（Ａ）より外方側環状フランジ（34）の傾斜角度（Ｂ）
が大きく設定されており、例えば前者（Ａ）が肩部（3
2）から45°程度、後者（Ｂ）が肩部（32）から80°程
度に設定されている。

しかも各環状フランジ（33）（34）の傾斜基部と肩部
（32）下面との境界をアール面（R1）（R2）として形成
しているので、内外２枚の環状フランジ（33）（34）の
変形による圧縮応力の集中を緩和することができ、この
基部に過負荷のかかるのを避け得て弾力的な当接を容易
にできる。

例えば、傾斜角度（Ｂ）を80°にした場合、外方環状フ
ランジ（34）の係止リング（13）との接触面積を増大さ
せることができると共に、蓋体（30）の外側真空シール
に要する抵抗を少なくでき、少ないトルクで締め込むの
に好適となる。

更に、傾斜角度（Ａ）を45°に選択することは、内側シ
ール作用にかかる力を緩和するのに好適な角度で、他の
角度に比べより形状の多様な係止リング（13）に対応し
て、接触表面の剛性を高め得る点で有利である。なお、
蓋体（30）のサイズが比較的大きい場合は、シールに要
する締め付けトルクが増大するので、内外の環状フラン
ジ（33）（34）の厚み幅、及び長さについても薄く且
つ、短くする必要が生ずる。

かくして、外方側環状フランジ（34）は接触面積を多く
してシール作用を高め、内方側環状フランジ（33）は係
止リング（13）に対してアジャスターとして作用し、両
者相まって二重の真空シール作用を果すことができる。

なお、内袋（10）は内容物としては、食用油、調味料等
の食品のほか、ビール，ジュース，その他の飲料等種々
のものが収納可能である。

さらに、実施の形態上、蓋体（30）の内外環状フランジ
（33）（34）は肩部（32）でなく、上壁部（31）から直
接垂下して延設させることもある。

さらに内袋（10）は内容物の使用後、蓋体（30）を外側
ケース（20）から外すことによって簡単に取出し廃棄で
きる。

〈考案の効果〉この考案による組合せ容器セットによると、直接に食品
等を収納密閉してある内袋を、簡単に外側ケースと蓋体
内に保持できる。即ち、内袋に周回させて取付けてある
環状の係止リングは、外側ケースの溝部に掛け止め得る
と共に蓋体の内外２枚の環状フランジとの間に係止リン
グの上方への突出部を挟み込めるようにしてあるので、
この挟み込み部分と前記係止リングを掛け止め得る外側
ケースの溝部との間にて係止リングを圧着することがで
き、シール効果と内袋の保持、内容物使用に伴なう形状
維持を上記係止リングのところで果し得ることになる。
従って、内袋に従来の多層によるブローボトルのように
コストをかけることなく、この内袋のみを使い捨てと
し、外側ケースと蓋体を長く使用できることになる。ま
た内袋のみの廃棄ですむので、廃品としての回収処理も
従来のブローボトルに比べはるかに簡単至便となる点で
も特有の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の断面図、第２図は要部の拡大断面図、第
３図は内袋のみの斜視図、第４図は蓋体の内外環状フラ
ンジの拡大断面図である。（10）…内袋、（11）（12）…内袋のシールされた上下
部、（13）…係止リング、（13a）…係止リングの上方
への突出部、（20）…外側ケース、（21）…係止リング
を掛け止め得る溝部、（26）…ネジ合せ部、（30）…蓋
体、（31）…上壁部、（33）（34）…環状フランジ、
（36）…ネジ合せ部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】内部に食品等を収容密封し、上方部に周回
した環状の係止リングを取付けてある内袋と、この内袋
とは別に上記係止リングを掛け止め得る溝部を上部に有
した外側ケースと、さらに外側ケースに被着できる合成
樹脂製蓋体とを組合せてあり、係止リングが外側ケース
の溝部に掛け止め得る形状を有すると共に上方への突出
部を有し、蓋体には下方内側へ傾斜して延びる内方側環
状フランジと、下方外側へ傾斜して延びる外方側環状フ
ランジとを有し、この内外の環状フランジ間に係止リン
グの上方への突出部を挟み込めるようなし、この挟み込
み部分と前記係止リングを掛け止め得る外側ケースの溝
部との間にて内袋の係止リングを圧着してシールするよ
うにしてあることを特徴とする組合せ容器セット。