JPH0719988Y2 - 舶用アンチピッチングフィン - Google Patents
舶用アンチピッチングフィンInfo
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- JPH0719988Y2 JPH0719988Y2 JP14311888U JP14311888U JPH0719988Y2 JP H0719988 Y2 JPH0719988 Y2 JP H0719988Y2 JP 14311888 U JP14311888 U JP 14311888U JP 14311888 U JP14311888 U JP 14311888U JP H0719988 Y2 JPH0719988 Y2 JP H0719988Y2
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- Japan
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- fin
- fins
- rudder
- propeller
- pitching
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Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、海洋を航行中の船舶の動揺、特に、船体の
ピッチングを抑制するためのアンチピッチングフィンに
関する。
ピッチングを抑制するためのアンチピッチングフィンに
関する。
近時、船の安全性、快適性を向上するために、また、搭
載機器ないし貨物側からの要請により、積極的に動揺を
減ずる必要が出てきて、例えば、フィンスタビライザー
なるものが一部の船舶に搭載されるようになった。フィ
ンスタビライザーは、通常、船体の重心付近の船腹から
左右に突出した1組のフィンを、ローリング検出器およ
び演算装置の指令に基づいて、互いに逆の迎角をとり、
船体のローリングを抑制するように機能させるものであ
る。船体のローリングは、一番角度の大きい動揺であ
り、これを効率よく抑制できるフィンスタビライザー
は、一部の船舶では必需品のようになりつつある。
載機器ないし貨物側からの要請により、積極的に動揺を
減ずる必要が出てきて、例えば、フィンスタビライザー
なるものが一部の船舶に搭載されるようになった。フィ
ンスタビライザーは、通常、船体の重心付近の船腹から
左右に突出した1組のフィンを、ローリング検出器およ
び演算装置の指令に基づいて、互いに逆の迎角をとり、
船体のローリングを抑制するように機能させるものであ
る。船体のローリングは、一番角度の大きい動揺であ
り、これを効率よく抑制できるフィンスタビライザー
は、一部の船舶では必需品のようになりつつある。
一方、船体のピッチングは、その動揺がローリングに比
して、小さいこともあり、これを抑制することは必ずし
も経済的ではないと目されているところがあり、実用例
は少ない。
して、小さいこともあり、これを抑制することは必ずし
も経済的ではないと目されているところがあり、実用例
は少ない。
しかしながら船体のピッチングは、波浪中の船速の低下
や船体強度などにより大きく影響するところがあり、ピ
ッチングの抑制は重要課題の一つに変わりない。この実
用化は、より経済的なピッチング抑制装置を提供できる
か否かにかかっていると言える。
や船体強度などにより大きく影響するところがあり、ピ
ッチングの抑制は重要課題の一つに変わりない。この実
用化は、より経済的なピッチング抑制装置を提供できる
か否かにかかっていると言える。
そのため従来より、例えば、特開昭60-148793号公報、
特開昭61-75097号公報、特開昭63-93692号公報、特開昭
63-112297号公報に見られるような幾つかのアンチピッ
チングフィンが提案されている。
特開昭61-75097号公報、特開昭63-93692号公報、特開昭
63-112297号公報に見られるような幾つかのアンチピッ
チングフィンが提案されている。
上記特開昭60-148793号公報には、プロペラ後方、プロ
ペラ軸心線の延長線上に配置され、ラダーホーンの両側
にピンにより回動自在に装着された可動フィンが開示さ
れている。
ペラ軸心線の延長線上に配置され、ラダーホーンの両側
にピンにより回動自在に装着された可動フィンが開示さ
れている。
しかしながら、可動フィンをプロペラ軸心線と一致した
位置に配置しているため、フィン自体にプロペラ後流の
旋回エネルギを回収する機能を持たせることが不十分で
あり、このため付加物たるフィンの取付けによる抵抗増
加を十分解消できないという欠点がある。また、フィン
の動力部を船尾内に配置しているため、より多くの船体
との取り合い関係が生じ工事が煩雑化する。更に、フィ
ンの装備位置を船体の一部であるラダーホーンに取付け
ることとしているが、これは、足場の悪い船台上でのよ
り多くの工事を要求することになり、生産性が悪い。ま
た、可変ピッチプロペラのように、プロペラ軸を船尾抜
きする場合には不都合がある等の問題がある。
位置に配置しているため、フィン自体にプロペラ後流の
旋回エネルギを回収する機能を持たせることが不十分で
あり、このため付加物たるフィンの取付けによる抵抗増
加を十分解消できないという欠点がある。また、フィン
の動力部を船尾内に配置しているため、より多くの船体
との取り合い関係が生じ工事が煩雑化する。更に、フィ
ンの装備位置を船体の一部であるラダーホーンに取付け
ることとしているが、これは、足場の悪い船台上でのよ
り多くの工事を要求することになり、生産性が悪い。ま
た、可変ピッチプロペラのように、プロペラ軸を船尾抜
きする場合には不都合がある等の問題がある。
特開昭61-75097号公報によれば、船底に斜めに取付けら
れたウイング舵を舵として使用せず、逆方向に同じ角度
だけ回動させて、舵に働く揚力の正弦成分(上下方向)
の力によって、船体のピッチングを抑制しようとするも
のであるが、舵に働く揚力を100%利用できないばかり
でなく、操舵のための第3の舵を用意する必要がある等
のために、船体抵抗上また構造上の複雑さ等の種々の問
題があり、高速艇のみならず、一般の船舶にも不向きで
ある。
れたウイング舵を舵として使用せず、逆方向に同じ角度
だけ回動させて、舵に働く揚力の正弦成分(上下方向)
の力によって、船体のピッチングを抑制しようとするも
のであるが、舵に働く揚力を100%利用できないばかり
でなく、操舵のための第3の舵を用意する必要がある等
のために、船体抵抗上また構造上の複雑さ等の種々の問
題があり、高速艇のみならず、一般の船舶にも不向きで
ある。
特開昭63-93692号公報には、船首、船尾部の左右舷に設
けられたフィンが開示されているが、このフィンは船体
重心からの距離が小さく流速も小さい位置に取り付けら
れているため、ピッチング抑制効果が劣る。また岸壁と
の接触を考慮して着岸時には格納装置が必要である。ま
た、左右舷の装置が離れているために、それぞれ独立の
駆動装置で動かす必要があること、船尾側の装置では推
進軸系との干渉の問題を考慮する必要があること等の問
題がある。
けられたフィンが開示されているが、このフィンは船体
重心からの距離が小さく流速も小さい位置に取り付けら
れているため、ピッチング抑制効果が劣る。また岸壁と
の接触を考慮して着岸時には格納装置が必要である。ま
た、左右舷の装置が離れているために、それぞれ独立の
駆動装置で動かす必要があること、船尾側の装置では推
進軸系との干渉の問題を考慮する必要があること等の問
題がある。
特開昭63-112297号公報には、プロペラ前後部に配設さ
れたガイドフィンが開示されているが、これはスクリュ
ープロペラ後流の旋回エネルギ回収のための固定のガイ
ドフィンの配置に関するもので船体のピッチング抑制を
目的としたものでない。
れたガイドフィンが開示されているが、これはスクリュ
ープロペラ後流の旋回エネルギ回収のための固定のガイ
ドフィンの配置に関するもので船体のピッチング抑制を
目的としたものでない。
そこで、本考案は上記従来技術の課題に鑑み、プロペラ
軸心線より少し上に可動フィンを取り付け、プロペラ後
流の旋回エネルギの回収と共にピッチング抑制効果を狙
った、経済性を有するアンチピッチングフィンを提供す
ることを目的とする。
軸心線より少し上に可動フィンを取り付け、プロペラ後
流の旋回エネルギの回収と共にピッチング抑制効果を狙
った、経済性を有するアンチピッチングフィンを提供す
ることを目的とする。
上記目的達成のため、本考案にかかるアンチピッチング
フィンは、推進器の後流内にほぼ垂直に配置された舵板
にプロペラ軸心線より上方、プロペラハブ上端レベル近
辺に左右対称にフィンを突設し、このフィンのルート部
において左右のフィンを一体的に連結し、このフィンの
ルート部を回動自在に支持する軸受を該舵板内に設け、
フィンの正負の迎角を設定できる駆動装置を該舵板又は
舵軸内に配装すると共に、該駆動装置と前記フィンルー
ト部に変節レバーを介して枢着したことを特徴とする。
また、前記フィンを2枚舵であるウイング舵にそれぞれ
設け、ピッチング抑制のみならずウイング舵のスパンを
利用して船体のローリングをも減少させるようにしたこ
とを特徴とする。
フィンは、推進器の後流内にほぼ垂直に配置された舵板
にプロペラ軸心線より上方、プロペラハブ上端レベル近
辺に左右対称にフィンを突設し、このフィンのルート部
において左右のフィンを一体的に連結し、このフィンの
ルート部を回動自在に支持する軸受を該舵板内に設け、
フィンの正負の迎角を設定できる駆動装置を該舵板又は
舵軸内に配装すると共に、該駆動装置と前記フィンルー
ト部に変節レバーを介して枢着したことを特徴とする。
また、前記フィンを2枚舵であるウイング舵にそれぞれ
設け、ピッチング抑制のみならずウイング舵のスパンを
利用して船体のローリングをも減少させるようにしたこ
とを特徴とする。
上記構成において、駆動装置を作動させると、変節レバ
ーを介してフィンは正又は負の迎角をとるようそのルー
ト部で軸受に支持されつつ回動し揚力を発生する。ま
た、このフィンはプロペラ後流の旋回成分を滑らかに整
流してその旋回エネルギを回収する作用もなす。
ーを介してフィンは正又は負の迎角をとるようそのルー
ト部で軸受に支持されつつ回動し揚力を発生する。ま
た、このフィンはプロペラ後流の旋回成分を滑らかに整
流してその旋回エネルギを回収する作用もなす。
また、ウイング舵にそれぞれ前記フィンを設けた場合、
上記の作用に加え、ローリング抑制効果も発揮する。
上記の作用に加え、ローリング抑制効果も発揮する。
以下、本考案の実施例を図面を参照しながら説明する。
第1図は、本考案の船尾部の平面図を示す。図におい
て、1はスクリュープロペラである推進器、2は舵板
で、本図は普通舵を示すが、フラップ付舵でもよい。1
軸船のようにプロペラ軸心線上に垂直に配置された舵に
限らず、2軸船におけるようにプロペラ軸心線をはずし
たり、少し傾けて取り付けられた舵であってもよい。
て、1はスクリュープロペラである推進器、2は舵板
で、本図は普通舵を示すが、フラップ付舵でもよい。1
軸船のようにプロペラ軸心線上に垂直に配置された舵に
限らず、2軸船におけるようにプロペラ軸心線をはずし
たり、少し傾けて取り付けられた舵であってもよい。
3は本考案のアンチピッチングフィン(単に、フィンと
もいう)で、舵板2に左右対称に突設され、しかも、プ
ロペラ軸心線Cよりも少し上(lだけ上)、即ち第3図
に示すようにプロペラ軸心線Cより上方のプロペラハブ
上端1aレベル近辺に取り付けられている。このフィン3
は舵板2に対して直角に取り付ける方が具合がよい。こ
の左右のフィン3はそのルート部で一体的に連結され、
通常±30°程度の正負の迎角がとれるように、舵板2内
に設けた下記軸受7に回転自在に支持されている。断面
形状は舵板2と同じように、低抵抗、高揚力の翼型が使
用される。操舵時に、フィン3がプロペラ1に接近する
ことを考慮してリーディングエッジ側には後退角を持た
せておくことが望ましい。また、フィン3の突出長さ
は、推進器1の後流の縮流4の範囲内に止めて、フィン
3がこの中でよりよく機能するようにする。つまり、在
来の船体に取り付けられたフィンの場合より速い流れの
中で作動するため、小さいフィンで同等の能力を発揮す
ることができる。また、荒天航海で、船速が大幅に低下
するような時でもそれ相当の流速が維持されているため
機能の低下は少ない。ここで、フィン3の取付位置をプ
ロペラ軸心線より上に持ってきたのは次のような知見に
基づく。すなわち、 運動量理論に従えば、プロペラに関する水流の変化は、
第10図に示すように、プロペラ部に対する有効流入速度
Ve(一般に船速より遅い)で流入し、これがプロペラ部
で増速され、速度V1になり、プロペラ部をでた後、縮流
を起こして更に増速され、V2の速度になる。これを、第
11図の如く速度のみで表現すると、Veがプロペラ部の増
速分の1/2だけ加えて、V1=Ve+Ca/2となり、最終的にV
2=Ve+Caとなる。このCaが最終の増速分である。この
結果をさらプロペラ翼の半径rにおける速度三角形の形
で表現すると、概略的ではあるが、第12図(a)(b)
に示すように更に旋回成分Cuが加わって、最終の水流は
Ca+Cu+Veのベクトル和の形で表現される。ここで、速
度CuはCa、rω、Veの関数として示される。また、ωは
プロペラの回転角速度である。
もいう)で、舵板2に左右対称に突設され、しかも、プ
ロペラ軸心線Cよりも少し上(lだけ上)、即ち第3図
に示すようにプロペラ軸心線Cより上方のプロペラハブ
上端1aレベル近辺に取り付けられている。このフィン3
は舵板2に対して直角に取り付ける方が具合がよい。こ
の左右のフィン3はそのルート部で一体的に連結され、
通常±30°程度の正負の迎角がとれるように、舵板2内
に設けた下記軸受7に回転自在に支持されている。断面
形状は舵板2と同じように、低抵抗、高揚力の翼型が使
用される。操舵時に、フィン3がプロペラ1に接近する
ことを考慮してリーディングエッジ側には後退角を持た
せておくことが望ましい。また、フィン3の突出長さ
は、推進器1の後流の縮流4の範囲内に止めて、フィン
3がこの中でよりよく機能するようにする。つまり、在
来の船体に取り付けられたフィンの場合より速い流れの
中で作動するため、小さいフィンで同等の能力を発揮す
ることができる。また、荒天航海で、船速が大幅に低下
するような時でもそれ相当の流速が維持されているため
機能の低下は少ない。ここで、フィン3の取付位置をプ
ロペラ軸心線より上に持ってきたのは次のような知見に
基づく。すなわち、 運動量理論に従えば、プロペラに関する水流の変化は、
第10図に示すように、プロペラ部に対する有効流入速度
Ve(一般に船速より遅い)で流入し、これがプロペラ部
で増速され、速度V1になり、プロペラ部をでた後、縮流
を起こして更に増速され、V2の速度になる。これを、第
11図の如く速度のみで表現すると、Veがプロペラ部の増
速分の1/2だけ加えて、V1=Ve+Ca/2となり、最終的にV
2=Ve+Caとなる。このCaが最終の増速分である。この
結果をさらプロペラ翼の半径rにおける速度三角形の形
で表現すると、概略的ではあるが、第12図(a)(b)
に示すように更に旋回成分Cuが加わって、最終の水流は
Ca+Cu+Veのベクトル和の形で表現される。ここで、速
度CuはCa、rω、Veの関数として示される。また、ωは
プロペラの回転角速度である。
ところが、プロペラに流入する有効流入速度Veが小さく
なった場合を第13図、第14図(a)(b)で示すと、前
述のCa、Cu共に大きくなり、この部分の推力、トルク共
増大する。そこで、この旋回成分Cuをこのフィンによっ
てうまく案内し、流れをプロペラ軸方向流に変換してや
れば、この旋回のエネルギは圧力に変わり、推進効率が
向上する。
なった場合を第13図、第14図(a)(b)で示すと、前
述のCa、Cu共に大きくなり、この部分の推力、トルク共
増大する。そこで、この旋回成分Cuをこのフィンによっ
てうまく案内し、流れをプロペラ軸方向流に変換してや
れば、この旋回のエネルギは圧力に変わり、推進効率が
向上する。
前述の如く、プロペラの上部に行く程、この旋回の成分
が高くなるが、あまり高くすると、水流のボリュームが
無くなってしまうため、ピッチング抑制機能と共に改善
(エネルギ回収)効果も失われる。このため、プロペラ
上部の低速域の強い在来船型では高目にフィン3を配置
し、バルブスターンなどによって有効流入速度の一様化
が図られている新型船型ではやや低目の、しかし、いず
れもプロペラ軸心線よりも上に取り付けることによって
前述の効率利得を最も高くすることができて、場合によ
ってはフィン3の存在による抵抗の増加を消去して、結
果的に構造の単純な本考案装置の利得をそのまま享受で
きるようになる。
が高くなるが、あまり高くすると、水流のボリュームが
無くなってしまうため、ピッチング抑制機能と共に改善
(エネルギ回収)効果も失われる。このため、プロペラ
上部の低速域の強い在来船型では高目にフィン3を配置
し、バルブスターンなどによって有効流入速度の一様化
が図られている新型船型ではやや低目の、しかし、いず
れもプロペラ軸心線よりも上に取り付けることによって
前述の効率利得を最も高くすることができて、場合によ
ってはフィン3の存在による抵抗の増加を消去して、結
果的に構造の単純な本考案装置の利得をそのまま享受で
きるようになる。
第2図は、アンチピッチングフィン3の支持部の拡大平
面図である。
面図である。
図中、3Aはフィンのルート部を形成するフランジであっ
て、フィン3と一体的に構成されていて、下記の支持機
構と係合する。5は変節レバーで、フランジ3Aに一体的
に装着されており、フィン3を支持駆動する。6は調整
片を示し、変節レバー5が下記軸受7にしっかり取り付
けられるように、寸法の調整に利用される。7は舵板2
内に設けられた軸受であって、1つで全ての荷重を支え
ることができる、例えば、クロスローラベアリングなど
が好適である。或いは、変節レバー5を1個として、こ
れを挟むように2個のテーパローラベアリングを設けた
構成にしてもよい。また、アンチピッチングフィン3
は、片持ち支持になっているが、単純には左右が同じ揚
力を発生するため、この軸受7にはモーメント荷重が働
かず、単に左右の揚力を合計した横推力を支えればよい
ため、比較的小さい軸受でよい。
て、フィン3と一体的に構成されていて、下記の支持機
構と係合する。5は変節レバーで、フランジ3Aに一体的
に装着されており、フィン3を支持駆動する。6は調整
片を示し、変節レバー5が下記軸受7にしっかり取り付
けられるように、寸法の調整に利用される。7は舵板2
内に設けられた軸受であって、1つで全ての荷重を支え
ることができる、例えば、クロスローラベアリングなど
が好適である。或いは、変節レバー5を1個として、こ
れを挟むように2個のテーパローラベアリングを設けた
構成にしてもよい。また、アンチピッチングフィン3
は、片持ち支持になっているが、単純には左右が同じ揚
力を発生するため、この軸受7にはモーメント荷重が働
かず、単に左右の揚力を合計した横推力を支えればよい
ため、比較的小さい軸受でよい。
なお、8は、軸受7を舵板2に固定するための軸受固定
片、9は封水装置を示す。この封水装置9は、種々の型
式が考えられるが、船体のピッチングはローリングに比
較して低周波であるために封水装置の周速が低く、より
容易に封水できる。
片、9は封水装置を示す。この封水装置9は、種々の型
式が考えられるが、船体のピッチングはローリングに比
較して低周波であるために封水装置の周速が低く、より
容易に封水できる。
第3図は船尾部の一部切断側面図を示し、第4図はその
要部拡大図である。図において、10は舵板2の支持およ
び駆動を司る舵軸、11は、例えば油圧ピストン式のサー
ボモータであって図示しない動力源等と共にフィン3の
駆動装置を構成する。このサーボモータ11の一端は揺動
自在にヒンジ13を介して舵板2に支持され、他端はヒン
ジ12を介して変節レバー5に枢着されている。従って、
駆動手段たるサーボモータ11は、変節レバー5を介して
フィンルート部(フランジ3A)に枢着されていることに
なる。上記ヒンジ12は、変節レバー5と係合して、サー
ボモータ12の直線運動を回転運動に変換する。14はサー
ボモータ11が若干揺動するため、その変位を吸収するゴ
ムホース等のフレキシブルホースである。
要部拡大図である。図において、10は舵板2の支持およ
び駆動を司る舵軸、11は、例えば油圧ピストン式のサー
ボモータであって図示しない動力源等と共にフィン3の
駆動装置を構成する。このサーボモータ11の一端は揺動
自在にヒンジ13を介して舵板2に支持され、他端はヒン
ジ12を介して変節レバー5に枢着されている。従って、
駆動手段たるサーボモータ11は、変節レバー5を介して
フィンルート部(フランジ3A)に枢着されていることに
なる。上記ヒンジ12は、変節レバー5と係合して、サー
ボモータ12の直線運動を回転運動に変換する。14はサー
ボモータ11が若干揺動するため、その変位を吸収するゴ
ムホース等のフレキシブルホースである。
なお、図示していないが、アンチピッチングフィン3の
角度位置を示す検出器および同用リード線などが装備さ
れる。
角度位置を示す検出器および同用リード線などが装備さ
れる。
第5図はサーボモータ11の取付位置の例を示したもの
で、第5図(a)は、第3図に示すように、舵板2内に
組み込んだものであり、同図(b)は舵軸10内に取り付
けたものである。いずれも、工場内で完成させることが
できるもの、ないし一部船上での簡単な組立作業を残す
だけである。15は油圧回転継手で、これにより操舵時に
舵軸10が回転してもサーボモータ11に圧油を送ることが
できるようになっている。
で、第5図(a)は、第3図に示すように、舵板2内に
組み込んだものであり、同図(b)は舵軸10内に取り付
けたものである。いずれも、工場内で完成させることが
できるもの、ないし一部船上での簡単な組立作業を残す
だけである。15は油圧回転継手で、これにより操舵時に
舵軸10が回転してもサーボモータ11に圧油を送ることが
できるようになっている。
第6図は、本考案の作用説明図である。
同図(a)は、船尾が沈んだ状態でこれを正常に戻すた
めに、アンチピッチングフィン3の正の迎角で上向きの
揚力を発生しており、同図(b)は船体がピッチングし
ていない状態であり、この時の迎角は零で揚力は発生し
ていない。同図(c)は、負の迎角で上記図(a)と逆
の機能を行っている状態である。ここで、16は船内に設
けられたピッチング検出器で、バーティカルジャイロま
たは簡単な振り子等が使用される。17は演算器を示し、
上記ピッチング検出器16の信号を受け、これを演算し、
アンチピッチングフィン3の制御装置(図示略)に信号
を送る。この演算において最も簡単な答えは、ピッチン
グ検出器16で得られる角速度に比例した迎角をアンチピ
ッチングフィン3に与えることである。この時は、船体
がピッチング角最大に達した時にアンチピッチングフィ
ン3の迎角は零で同図(b)で最大の迎角になっている
ことになる。第6図では感覚に合わせるために逆に表現
していることになる。なお、図中、18は船体、19は波浪
を示す。
めに、アンチピッチングフィン3の正の迎角で上向きの
揚力を発生しており、同図(b)は船体がピッチングし
ていない状態であり、この時の迎角は零で揚力は発生し
ていない。同図(c)は、負の迎角で上記図(a)と逆
の機能を行っている状態である。ここで、16は船内に設
けられたピッチング検出器で、バーティカルジャイロま
たは簡単な振り子等が使用される。17は演算器を示し、
上記ピッチング検出器16の信号を受け、これを演算し、
アンチピッチングフィン3の制御装置(図示略)に信号
を送る。この演算において最も簡単な答えは、ピッチン
グ検出器16で得られる角速度に比例した迎角をアンチピ
ッチングフィン3に与えることである。この時は、船体
がピッチング角最大に達した時にアンチピッチングフィ
ン3の迎角は零で同図(b)で最大の迎角になっている
ことになる。第6図では感覚に合わせるために逆に表現
していることになる。なお、図中、18は船体、19は波浪
を示す。
第7図は、2軸ウイング舵に適用した場合の作用説明図
であって、船尾を後方から見たものである。これによれ
ば、アンチピッチングフィン3が、プロペラ軸心線より
lだけ上方、即ちプロペラ軸心線より上方、プロペラハ
ブ上端レベル近辺に、両ウイング舵2、2にそれぞれ取
着されている。このアンチピッチングフィン3によれ
ば、ピッチング抑制効果に加え、船体18のローリング検
出器の信号に基づいて、互いに逆に動作(迎角を与える
ように)してやれば、例えば、図示するように、左舷は
上向きの揚力21、右舷は下向きの揚力22を生じ、矢印20
に示すようなモーメントを発生させるたとができるため
船体のローリングを減ずることもできる。第8図(a)
(b)(c)はSWATH船(半没水型双胴船)に適用した
場合の例で、船尾側のフィンスタビライザーを、前述の
ウイング舵の場合と同様な構成によって、本考案のアン
チピッチングフィン3に置き換えたものである。この場
合のアンチピッチングフィン3は、前述と同様、ローリ
ングに対してもピッチングに対しても機能し、且つ、そ
のスパンが改善されるため、より小さいフィンで同等の
効果が期待できる。特に小型船の場合、図示しないが、
フィン3を支持駆動する駆動装置と、推進器1の推進軸
系との干渉の問題が解消されるので通常の船より効果が
高い。本来、船体の動揺は純粋なピッチングやローリン
グが発生する例は稀で、大部分は両者の組み合わされた
ものが発生する。従って、この場合もっとも経済的な減
揺装置になり得る。なお、23は船首側に設けたフィンス
タビライザー、Wは水線である。
であって、船尾を後方から見たものである。これによれ
ば、アンチピッチングフィン3が、プロペラ軸心線より
lだけ上方、即ちプロペラ軸心線より上方、プロペラハ
ブ上端レベル近辺に、両ウイング舵2、2にそれぞれ取
着されている。このアンチピッチングフィン3によれ
ば、ピッチング抑制効果に加え、船体18のローリング検
出器の信号に基づいて、互いに逆に動作(迎角を与える
ように)してやれば、例えば、図示するように、左舷は
上向きの揚力21、右舷は下向きの揚力22を生じ、矢印20
に示すようなモーメントを発生させるたとができるため
船体のローリングを減ずることもできる。第8図(a)
(b)(c)はSWATH船(半没水型双胴船)に適用した
場合の例で、船尾側のフィンスタビライザーを、前述の
ウイング舵の場合と同様な構成によって、本考案のアン
チピッチングフィン3に置き換えたものである。この場
合のアンチピッチングフィン3は、前述と同様、ローリ
ングに対してもピッチングに対しても機能し、且つ、そ
のスパンが改善されるため、より小さいフィンで同等の
効果が期待できる。特に小型船の場合、図示しないが、
フィン3を支持駆動する駆動装置と、推進器1の推進軸
系との干渉の問題が解消されるので通常の船より効果が
高い。本来、船体の動揺は純粋なピッチングやローリン
グが発生する例は稀で、大部分は両者の組み合わされた
ものが発生する。従って、この場合もっとも経済的な減
揺装置になり得る。なお、23は船首側に設けたフィンス
タビライザー、Wは水線である。
第9図はフィンの改良例を示し、フィン3はプロペラ軸
心線より少し上(上記と同様プロペラハブ上端レベル近
辺)に配置されている。第7図に示すように、船尾から
みてプロペラが時計方向に回転すると、その後流はやは
り時計回転の旋回成分を含んでいる。この流れは、例え
ば、矢印24の如く示される。従って、フィン3の流入側
を実線で図示するように上方に折り曲げてやると、この
旋回成分はフィン3によって滑らかに整流され、一部は
圧力に変換されて推進効率の向上に寄与する。この結
果、フィン3の付加物を装備することによる船体抵抗上
の損失の一部ないし全部が解消される。また、舵板2そ
のものも、この旋回成分を効率よく回収するために、プ
ロペラの回転方向に合わせて、入口を折り曲げておくこ
とは従来からしばしば行われている。
心線より少し上(上記と同様プロペラハブ上端レベル近
辺)に配置されている。第7図に示すように、船尾から
みてプロペラが時計方向に回転すると、その後流はやは
り時計回転の旋回成分を含んでいる。この流れは、例え
ば、矢印24の如く示される。従って、フィン3の流入側
を実線で図示するように上方に折り曲げてやると、この
旋回成分はフィン3によって滑らかに整流され、一部は
圧力に変換されて推進効率の向上に寄与する。この結
果、フィン3の付加物を装備することによる船体抵抗上
の損失の一部ないし全部が解消される。また、舵板2そ
のものも、この旋回成分を効率よく回収するために、プ
ロペラの回転方向に合わせて、入口を折り曲げておくこ
とは従来からしばしば行われている。
以上説明したように、本考案によれば、船体の重心から
最も離れた位置にある舵板にアンチピッチングフィンを
装備するので効率がよい。左右のフィンをフィンルート
部で一体的に連結し、このルート部を軸受で支持する構
造としたので、フィンの安定支持および確実な動作が得
られる。また、駆動手段を舵板内または舵軸内に設けた
のでほぼ工場で製作を完了させることが出来て、船体に
は単に従来の舵を取り付ける程度の工事が要求されるの
みとなる。
最も離れた位置にある舵板にアンチピッチングフィンを
装備するので効率がよい。左右のフィンをフィンルート
部で一体的に連結し、このルート部を軸受で支持する構
造としたので、フィンの安定支持および確実な動作が得
られる。また、駆動手段を舵板内または舵軸内に設けた
のでほぼ工場で製作を完了させることが出来て、船体に
は単に従来の舵を取り付ける程度の工事が要求されるの
みとなる。
アンチピッチングフィンをプロペラ軸心線より少し上
方、即ちプロペラ軸心線より上方のプロペラハブ上端レ
ベル近辺に取り付けることによってプロペラ後流の旋回
エネルギを最大限に回収し、フィンの有する抵抗損失を
最小に抑えることができる結果、本考案のアンチピッチ
ングフィンは従来にない経済性の高いものとなる。これ
により、実用化が容易となる。
方、即ちプロペラ軸心線より上方のプロペラハブ上端レ
ベル近辺に取り付けることによってプロペラ後流の旋回
エネルギを最大限に回収し、フィンの有する抵抗損失を
最小に抑えることができる結果、本考案のアンチピッチ
ングフィンは従来にない経済性の高いものとなる。これ
により、実用化が容易となる。
また、フィンを従来のようにラダーホーンに装着せず、
舵板に直接設けるようにしたので、工場でほぼ完成ない
し若干船上における組立作業を残して仕上げることがで
きる結果、生産性に優れている。
舵板に直接設けるようにしたので、工場でほぼ完成ない
し若干船上における組立作業を残して仕上げることがで
きる結果、生産性に優れている。
アンチピッチングフィンをウイング舵やSWATH船の舵に
設けた場合はピッチングのみならずローリングも減少さ
せることができる。
設けた場合はピッチングのみならずローリングも減少さ
せることができる。
第1図〜第9図は、本考案の実施例の説明図であって、
第1図は船尾部の平面図、第2図はその要部拡大図、第
3図は船尾部の側面図、第4図はその要部拡大図、第5
図(a)(b)はサーボモータの配置図、第6図(a)
(b)(c)は作用説明図、第7図は2軸ウイング舵に
適用した場合の図面、第8図(a)(b)(c)はSWAT
H船に適用した場合の図面、第9図はフィンの改良図で
ある。第10図、第11図、第12図(a)(b)、第13図及
び第14図(a)(b)は推進器の運動量理論による挙動
説明図である。 1……推進器(プロペラ)、1a……プロペラハブ上端、
2……舵板、3……(アンチピッチング)フィン、3A…
…フランジ(フィンルート部)、5……変節レバー、7
……軸受、10……舵軸、11……サーボモータ、16……ピ
ッチング検出器、17……演算器、18……船体、C……プ
ロペラ軸心線。
第1図は船尾部の平面図、第2図はその要部拡大図、第
3図は船尾部の側面図、第4図はその要部拡大図、第5
図(a)(b)はサーボモータの配置図、第6図(a)
(b)(c)は作用説明図、第7図は2軸ウイング舵に
適用した場合の図面、第8図(a)(b)(c)はSWAT
H船に適用した場合の図面、第9図はフィンの改良図で
ある。第10図、第11図、第12図(a)(b)、第13図及
び第14図(a)(b)は推進器の運動量理論による挙動
説明図である。 1……推進器(プロペラ)、1a……プロペラハブ上端、
2……舵板、3……(アンチピッチング)フィン、3A…
…フランジ(フィンルート部)、5……変節レバー、7
……軸受、10……舵軸、11……サーボモータ、16……ピ
ッチング検出器、17……演算器、18……船体、C……プ
ロペラ軸心線。
Claims (2)
- 【請求項1】推進器の後流内にほぼ垂直に配置された舵
板にプロペラ軸心線より上方、プロペラハブ上端レベル
近辺に左右対称にフィンを突設し、このフィンのルート
部において左右のフィンを一体的に連結し、このフィン
のルート部を回動自在に支持する軸受を該舵板内に設
け、フィンの正負の迎角を設定できる駆動手段を該舵板
又は舵軸内に配装すると共に、該駆動手段を前記フィン
ルート部に変節レバーを介して枢着したことを特徴とす
る舶用アンチピッチングフィン。 - 【請求項2】請求項1記載のフィンを2枚舵であるウイ
ング舵にそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1記載
の舶用アンチピッチングフィン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14311888U JPH0719988Y2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 舶用アンチピッチングフィン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14311888U JPH0719988Y2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 舶用アンチピッチングフィン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0263295U JPH0263295U (ja) | 1990-05-11 |
JPH0719988Y2 true JPH0719988Y2 (ja) | 1995-05-10 |
Family
ID=31409655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14311888U Expired - Lifetime JPH0719988Y2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 舶用アンチピッチングフィン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0719988Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7448235B2 (ja) * | 2021-12-24 | 2024-03-12 | 株式会社西日本流体技研 | 船舶用舵および船舶 |
-
1988
- 1988-10-31 JP JP14311888U patent/JPH0719988Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0263295U (ja) | 1990-05-11 |
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