JPH07199115A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JPH07199115A
JPH07199115A JP5336553A JP33655393A JPH07199115A JP H07199115 A JPH07199115 A JP H07199115A JP 5336553 A JP5336553 A JP 5336553A JP 33655393 A JP33655393 A JP 33655393A JP H07199115 A JPH07199115 A JP H07199115A
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JP
Japan
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hologram
light emitting
light
emitting display
display device
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Application number
JP5336553A
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English (en)
Inventor
Tsuyoshi Todoroki
強 等々力
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広範囲なアイレンジに対して色収差を有効に
補正することができ、かつ装置全体の小型化を可能にす
る。 【構成】 発光表示器11からの可視光11'を透過型
ホログラム13により回折し、その回折光13'を反射
型ホログラム12により回折して運転者16に向けて導
き、反射型ホログラム12の回折光12'が形成する虚
像17により運転者16に情報を表示する表示装置にお
いて、発光表示器11を移動させる移動機構19を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばホログラム回
折格子を用いて虚像を表示し、この虚像により情報を視
認可能な状態で観察者に提示する表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の表示装置としては、たとえば特
開昭63−124020号公報に開示されたものがあっ
た。図17は、上述の公報に開示された表示装置の構成
を示す概略図であり、この表示装置は車両のウインドシ
ールドを介して車両情報、交通情報等を表示する車両用
ヘッドアップディスプレイに適用されている。
【0003】この図において、1は車両のダッシュボー
ド5の内部に固定された発光表示器であり、内蔵する蛍
光表示管等からの可視光線により車両情報、交通情報を
表示する。2は反射型ホログラム回折格子であり、車両
のウインドシールド4に固定されている。3は透過型ホ
ログラム回折格子であり、車両のダッシュボード5の上
部に固定されている。
【0004】車両情報や交通情報を表示する発光表示器
1からの可視光線1'は透過型ホログラム3により透過
的に回折され、その回折光3'は反射型ホログラム2に
導かれる。回折光3'は反射型ホログラム2により反射
的に回折され、その回折光2'は運転者6の目に向かっ
て導かれる。ウインドシールド4の前方には可視光線
1'の虚像7が結像され、したがって、ウインドシール
ド4を通じて外景を見ながら運転している運転者6は、
その視野内に虚像7と外景とを重ね合わせて見ることが
できる。
【0005】この際、透過型ホログラム回折格子3は分
光能を持ち、波長に応じて異なった回折角をもって可視
光線1'を回折するため、可視光線1'のスペクトル分布
によっては色収差が生じうる。しかしながら、図17に
示す構成では、反射型ホログラム2と透過型ホログラム
3とを組み合わせることにより、透過型ホログラム3に
よって生じた色収差を補正している。この原理を図18
を参照して説明する。
【0006】点光源Pから中心波長λ0、スペクトル半
値幅2Δλ(つまり半値幅の範囲で波長λがλ0−Δλ
≦λ≦λ0+Δλの範囲内にある)の可視光線が出射
し、中心波長λ0を有する可視光線はV01→V02→V03
の経路をたどって運転者の目6に至るように調整されて
いるものと仮定する。一方、波長λ0−Δλを有する可
視光線は、一例としてV11→V12の経路に示すように波
長λ0の可視光線とは異なる回折角をもって透過型ホロ
グラム3により透過的に回折されるが、この回折光V12
は反射型ホログラム2により波長λ0の可視光線とは異
なる回折角をもって反射的に回折される。したがって、
反射型ホログラム2により回折光V12がV03と同一方向
に回折されるように、この反射型ホログラム2を調整す
れば、回折角の相違に基づく色収差を補正することがで
きる。また、波長λ0+Δλを有する可視光線について
も、V21→V22→V03の経路をたどるように反射型ホロ
グラム2を調整すればよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の表示装置では、発光表示器1および反射型、透
過型ホログラム2、3がそれぞれダッシュボード5に固
定されていたので、全ての運転者6の目が位置すると想
定される範囲(以下、アイレンジと称する)を大きく確
保するためには、各反射型、透過型ホログラム2、3に
大型なものを用意する必要があり、表示装置全体の小型
化を阻害する要因になっていた。これを図19を参照し
て説明する。
【0008】上述した色収差の議論から、反射型ホログ
ラム2により色収差を補正するためには、反射型ホログ
ラム2の回折角θdがアイレンジERの全範囲において
ほぼ等しい必要がある。このためには、反射型および透
過型ホログラム2、3の幅はそれぞれW21、W31だけ必
要となる。一方、幅がそれぞれW22(<W21)、W
32(<W31)しかない反射型および透過型ホログラム
2、3を用意した場合、反射型ホログラム2の回折角θ
dがアイレンジERの範囲内で変化してしまい、色収差
が有効に補正できない。
【0009】本発明の目的は、広範囲なアイレンジに対
して色収差を有効に補正することができ、かつ装置全体
の小型化を図ることが可能な表示装置を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1およ
び図2(a)に対応付けて説明すると、本発明は、発光
表示手段11からの可視光11'を対物側回折格子13
により回折し、その回折光13'を接眼側回折格子12
により回折して観察者16に向けて導き、接眼側回折格
子12の回折光12'が形成する虚像17により観察者
16に情報を表示する表示装置に適用される。そして、
上述の目的は、発光表示手段11を移動させる第1の移
動手段19を設けることにより達成される。
【0011】加えて、対物側回折格子13を移動させる
第2の移動手段18を設けることが好ましく、さらに
は、第1および第2の移動手段18、19を連動させる
連動手段20を設けることが好ましい。
【0012】
【作用】観察者16の目の移動に応じて第1の移動手段
19により発光表示手段11を移動させ、対物側回折格
子13への可視光11'の入射角を調整する。これによ
り、対物側回折格子13の回折光13'の方向および接
眼側回折格子12の回折光12'の方向を変更し、色収
差が補正された光を観察者16の目の方向に導くことが
できる。
【0013】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0014】
【実施例】
−第1実施例− 図1は、本発明による表示装置の第1実施例が適用され
た車両用ヘッドアップディスプレイを示す図である。こ
の図において、11は蛍光表示管等を有する発光表示器
であり、ネオンランプ等からの可視光線11'により車
両情報、交通情報を表示する。12は反射型ホログラム
回折格子であり、車両のウインドシールド14に固定さ
れている。13は透過型ホログラム回折格子であり、車
両のダッシュボード15の上部に固定されている。
【0015】本実施例の特徴は、これら発光表示器11
および透過型ホログラム13がそれぞれ回転機構18、
移動機構19により回転あるいは移動可能にされている
点である。
【0016】回転機構18は、図2に示すように、透過
型ホログラム13に固定されかつ回転軸18bを中心と
して軸支された歯車18aと、この歯車18aに噛合す
る歯車18cを有する調整ノブ18dとを備え、調整ノ
ブ18dが観察者によって回転駆動されることによりそ
の歯車18cが回転し、これに噛合する歯車18aが回
転して、透過型ホログラム13が回転軸18bを中心に
回転する。回転軸18bの延在方向は、透過型ホログラ
ム13への入射光(つまり発光表示器11からの可視光
線11')および透過型ホログラム13から出射する回
折光13'を含む平面に直交する直線に沿った方向に設
定されている。
【0017】一方、移動機構19は、図2(a)に示す
ように、発光表示器11に固定されたラック19aと、
このラック19aに噛合する歯車19bと、ラック19
aの延在方向に沿って発光表示器11を移動可能に支持
する不図示のスライダとを備え、歯車19bの回転によ
りラック19aが直線移動し、これに連れて発光表示器
11が移動する。発光表示器11の移動方向は、この発
光表示器11からの可視光線11'の出射方向に垂直な
面に沿った方向とされ、加えて、車両の前後方向に沿っ
た方向に設定されている。
【0018】また、回転機構18の歯車18aの回転力
は、たとえばチェーン、ベルト等の連動手段20により
移動機構19の歯車19bに伝達される。この連動手段
20は、観察者が調整ノブ18dを反時計方向に回転駆
動すると、透過型ホログラム13が回転軸18bを中心
に時計方向に回転するとともに、これに連動して発光表
示器11が図中左方向に直線移動し、調整ノブ18dを
時計方向に回転駆動すると、透過型ホログラム13およ
び発光表示器11が逆方向に回転、直線移動するように
構成されている。
【0019】以上のような構成を有するヘッドアップデ
ィスプレイでは、従来のヘッドアップディスプレイと同
様の原理により情報が表示される。すなわち、車両情報
等を表示する発光表示器11からの可視光線11'は透
過型ホログラム13により透過的に回折され、その回折
光13'は反射型ホログラム12により反射的に回折さ
れ、回折光12'として運転者16の目に向かって導か
れる。ウインドシールド14の前方には可視光線11'
の虚像17が結像されるので、運転者16はその視野内
に虚像17と外景とを重ね合わせて見ることができる。
【0020】次に、所定のアイレンジ内に存在する運転
者16の目に対して、運転者16が観察する虚像17に
色収差が生じない条件について、図6〜図9を参照して
説明する。議論を簡単にするために、2つの反射型、透
過型ホログラム12、13は倍率を持たないタイプのも
ので、かつ、ホログラム12、13により形成される回
折格子は各ホログラム12、13内において略平行に延
在するものと仮定する。
【0021】図6に示すように反射型ホログラム12を
形成するための2つの露光光束I21、I22(それぞれの
波長がλ0)の入射角をそれぞれ図示のようにθ1、θ2
とすると、この反射型ホログラム12の回折格子の間隔
1は、ブラッグの条件から
【数1】 で与えられる。同様に、図7に示すように、透過型ホロ
グラム13を形成するための2つの露光光束I31、I32
(それぞれの波長がλ0)の入射角をそれぞれ図示のよ
うにθ3、θ4とすると、この透過型ホログラム13の回
折格子の間隔d2は、ブラッグの条件から
【数2】 で与えられる。
【0022】そして、図8に示すように、アイレンジE
Rの中心にある運転者の目HE0が反射型ホログラム1
2の中心O12を注視したときに、中心波長がλ0の色収
差が補正された虚像17が位置A0に観測されるように
発光表示器11および反射型、透過型ホログラム12、
13の位置が調整されているものとする。
【0023】さて、反射型ホログラム12の中心O12
注視したときにアイレンジERの中心との間の角度が+
αをなす運転者の目HE1を考える。この運転者の目H
1に導かれる反射型ホログラム12からの光(つまり
回折光)およびこの回折光を生成する入射光の入射角お
よび回折光はそれぞれθ1+α、θ2+αであり、ブラッ
グの条件から入射光および回折光の中心波長λ1
【数3】 となる。この中心波長λ1について成立する透過型ホロ
グラム13のブラッグの条件は、入射角および回折角の
差の1/2をθ'とすると、
【数4】 で与えられる。ここで、透過型ホログラム13の回折格
子は略平行であるので、この透過型ホログラム13を下
式で表される角度βだけ回転してやれば、色収差は波長
λ1を中心に補正されることになる。
【数5】
【0024】透過型ホログラム13を角度βだけ回転し
た場合、これに伴って発光表示器11の位置も移動させ
る必要がある。まず、中心波長λ1の光線は、透過型ホ
ログラム13の中心O13から概略L2tanα(ここにL2
はO12とO13との間の距離)だけ離れた点Bを通る。さ
らに、中心波長λ1の光線は、透過型ホログラム13が
角度βだけ回転したことにより、L1tan2(α+β)
(ここにL1はO13と発光表示器11の中心O11との間
の距離)だけ離れた位置から入射する必要がある。した
がって、発光表示器11の位置は、色収差が補正された
状態における波長λ0の光線の光軸に垂直な面上で、か
つ車両の前後方向に沿って発光表示器11を移動させた
場合、波長λ0のときの位置からほぼ
【数6】 だけ移動したC点に位置させればよい。以上のように、
透過型ホログラム13を角度βだけ回転させ、さらに発
光表示器11を距離Xだけ移動させることにより、運転
者の目HE1には、色収差が補正された中心波長λ1の虚
像17が位置A1に見えるようになる。
【0025】次に、反射型ホログラム12の中心O12
注視したときにアイレンジERの中心との間の角度が−
αをなす運転者の目HE2を考える。上述の議論と同様
にして、透過型ホログラム13の回転角度β'および発
光表示器11の移動量X'はそれぞれ次式によって与え
られる。
【数7】 したがって、透過型ホログラム13を角度β'だけ回転
させ、さらに発光表示器11を距離X'だけ移動させる
ことにより、運転者の目HE2には、色収差が補正され
た中心波長λ2の虚像17が位置A2に見えるようにな
る。
【0026】以上から、運転者の目の変位に応じて運転
者が上述の調整ノブ18dを回転し、透過型ホログラム
13および発光表示器11を連動して回転、移動させる
ことにより、運転者は常に色収差の補正された虚像17
を観察することができる。この際、上述の角度αは微小
角であるために回転量βおよび移動量Xは概略比例し、
さらに系の対称性から回転量βと移動量Xとの間の比例
関係と回転量β'と移動量X'との比例関係とは概略等し
いものと考えられるので、図2(a)に示すような単純
な連動手段20により透過型ホログラム13および発光
表示器11を連動させれば足りる。さらに、上述の式に
おいてL1、L2、θ1〜θ4は予め与えられた値であるの
で、これら既知の値からβとXの比例定数を予め求めて
おき、連動手段20によりβとXとがこの比例定数で与
えられる比例関係を保ちながら連動するように歯車18
a、19bの歯数等を定めておけばよい。
【0027】次に、具体的な回転量、移動量を計算す
る。図9に示すようなレイアウトのヘッドアップディス
プレイにおいて、アイレンジERを±50mm、運転者
16の目の変位量を±25mmつまりα=±1.8゜と
すると、上述した式からβ=−1.3°、X=5.5m
m、β'=1.3°、X'=−5.5mmであった(ここ
に、符号は角度については反時計回りを正、距離につい
ては右方向を正としている)。従って、本計算例の場合
には、図2(b)の様な連動手段となる。
【0028】さらに、反射型ホログラム12に必要なサ
イズについて具体的に計算する。虚像17の高さを50
mmとして考えると、図10に示すように、従来の反射
型ホログラム12ではアイレンジER全体をカバーする
必要があるために、図10においてPQの幅が必要にな
る。さらに、図11に示すように、アイレンジERの中
心と反射型ホログラム12の中心O12とを結ぶ軸に垂直
な面へPQを投影した長さをP'Q'とし、この軸と反射
型ホログラム12とのなす角を30°とすれば、
【数8】PQ=P'Q'/cos30° である。
【0029】一方、本実施例では、透過型ホログラム1
3を回転させ、さらに発光表示器11を移動させて光線
の位置を調整しているので、反射型ホログラム12がア
イレンジER全体をカバーする必要はない。例えば、運
転者の目の変位量(=±25mm)程度の範囲をカバー
するものとすれば、反射型ホログラム12の幅は図10
においてRSで足りる。
【0030】ここに、図11に示すように、R'S'を、
アイレンジERの中心と反射型ホログラム12の中心O
12とを結ぶ軸に垂直な面へRSを投影した長さとする
と、系の対称性から次式が概略成立する。
【数9】P'Q'=2×P'O12=2(P'R'+R'O12) ここで、
【数10】P'R'=(50−25)×700/1500=
11.7mm R'O12=25mm であるから、
【数11】P'Q'=73.8mm PQ=73.8/cos30°≒147mm となる。一方、
【数12】R'S'=50mm RS=50/cos30°=100mm である。そして、反射型ホログラム12が小型化するこ
とにより、透過型ホログラム13も小型なもので済む。
【0031】このように、本実施例によれば、運転者1
6の目の変位に応じて透過型ホログラム13および発光
表示器11を回転、移動させることにより、運転者の目
の変位に追従して適正な角度の光線を導くことができ、
アイレンジの幅によらず常に色収差が補正された虚像1
7を運転者16が視認することができる。したがって、
従来のようにアイレンジに対応して反射型、透過型ホロ
グラム12、13の幅を設定する必要がなく、たとえば
1人の運転者が座席に座っている状態における目の変位
幅をカバーできるだけのホログラム12、13の幅があ
れば十分である。これにより、反射型、透過型ホログラ
ム12、13の小型化が図れ、ひいては表示装置全体の
小型化が達成できる。
【0032】−第1実施例の変形例− 上述の一実施例では、機械式の回転機構18および移動
機構19を用いたが、図3に示すように、電動式の回転
機構28および移動機構29を用いて透過型ホログラム
13および発光表示器11を回転、移動させてもよい。
【0033】図3に示す回転機構28は、回転軸28b
を介して透過型ホログラム13を回転駆動するモータ2
8aを備えている。また、移動機構29は、発光表示器
11に固定されたラック29aと、このラック29aに
噛合する歯車29bが回転軸29cに固定されたモータ
29dと、ラック29aの延在方向に沿って発光表示器
11を移動可能に支持する不図示のスライダとを備えて
いる。
【0034】モータ28a、29dには3極スイッチ3
0を介して電源が供給されている。3極スイッチ30は
2つの接点30a、30bを有し、一方の接点30a側
に入れると透過型ホログラム13が時計回りに回転する
とともに発光表示器11が図中左方向に移動し、他方の
接点30b側に入れると逆方向に回転、移動するように
なっている。電動式の回転、移動機構28、29を3極
スイッチ30により駆動する場合、上述の第1実施例の
ように機械式の回転、移動機構18、19に比較してコ
ストは高くなるものの、運転者が簡便に操作できるとい
う利点がある。
【0035】−第2実施例− 図4は、本発明による表示装置が適用されたヘッドアッ
プディスプレイの第2実施例を示す図であって、透過型
ホログラムおよび発光表示器の駆動機構のみを示す概略
構成図である。本実施例の回転機構38は上述した第1
実施例の回転機構18と同じ構成であるが、本実施例で
は移動機構にかえて発光表示器11を揺動する揺動機構
39を採用している。
【0036】揺動機構39は、発光表示器11に固定さ
れた内歯車39aと、この内歯車39aに噛合する歯車
39bと、内歯車39aの周方向に沿って発光表示器1
1を揺動可能に支持する不図示のスライダとを備え、歯
車39bの回転により内歯車39aが回転し、これに連
れて発光表示器11が揺動する。発光表示器11の揺動
方向は車両の前後方向に沿った方向に設定されており、
かつ、その揺動中心は透過型ホログラム13の中心に略
一致するように設定されている。揺動機構39による発
光表示器11の揺動角γは次式で与えられる。
【数13】
【0037】また、本実施例にも、回転機構38に連動
して揺動機構39を作動させる連動手段40が設けられ
ており、この連動手段40は、透過型ホログラム13の
時計方向の回転につれて発光表示器11を反時計方向に
揺動させ、透過型ホログラム13の反時計方向の回転に
連れて発光表示器11を時計方向に揺動させるように構
成されている。
【0038】上述の議論から、運転者の目の変位に応じ
て透過型ホログラム13に入射する光の方向をこの透過
型ホログラム13の中心O13を中心に変化させてやれば
色収差を有効に補正できる。したがって、本実施例によ
っても、上述の第1実施例と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0039】−第2実施例の変形例− 第1実施例と同様に、第2実施例についても図5に示す
ように機械式の回転機構38、揺動機構39にかえて電
動式の回転機構48、揺動機構49を採用することがで
きる。
【0040】図5に示す回転機構48は、回転軸48b
を介して透過型ホログラム13を回転駆動するモータ4
8aを備えている。また、揺動機構49は、発光表示器
11に固定された内歯車49aと、このラック49aに
噛合する歯車49bが回転軸49cに固定されたモータ
49dと、内歯車49aの周方向に沿って発光表示器1
1を揺動可能に支持する不図示のスライダとを備えてい
る。
【0041】モータ48a、49dには3極スイッチ5
0を介して電源が供給されている。この3極スイッチ5
0は、一方の接点50a側に入れると透過型ホログラム
13が時計回りに回転するとともに発光表示器11が図
中反時計回りに揺動し、他方の接点50b側に入れると
逆方向に回転、揺動するように構成されている。
【0042】−第3実施例− 上述の第1、第2実施例では透過型ホログラム13およ
び発光表示器11をともに回転、移動(あるいは揺動)
させていたが、図12に示すように透過型ホログラム1
3の移動機構を省略してこの透過型ホログラム13を固
定したままとし、発光表示器11のみを移動機構19に
より移動させてもよい。その理由を説明する。
【0043】上述の議論と同様に、反射型ホログラム1
2の中心O12を注視したときにアイレンジERの中心と
の間の角度が+αをなす運転者の目HE1を考える(図
8参照)。このときの反射型ホログラム12の入射光お
よび回折光の中心波長λ1は、上述の議論から
【数14】 である。一方、透過型ホログラム13を固定したままで
いると、入射光および回折光の中心波長λ1'は
【数15】 であり、微小ながら色収差が生じてしまう。しかし、一
般に反射型ホログラム12の回折スペクトルの半値幅は
図13に示すように比較的狭いが、透過型ホログラム1
3の回折スペクトルの半値幅は図14に示すように比較
的広いので、λ1とλ1'の差がわずかであれば、波長λ1
の光線について色収差を補正するように系を設定するこ
とにより透過型ホログラム13を固定して発光表示器1
1のみを移動させることができる。この時、発光表示器
11には、図15に示すように蛍光表示管のような発光
スペクトルの比較的広いものを選択することが望まし
い。また、発光表示器11の移動量Xは、
【数16】 とし、透過型ホログラム13への入射方向がπ−(θ3
θ4)となるようにすればよい。
【0044】本実施例は、上述した第1、第2実施例に
比較して回折光の効率や色収差の補正性能が若干劣るも
のの、回転、移動機構が1つで済み機構の簡略化、コス
ト低減が図れるという利点がある。
【0045】次に、具体的な回転量、移動量を計算す
る。図16に示すようなレイアウトのヘッドアップディ
スプレイにおいて、アイレンジERを±50mm、運転
者16の目の変位量を±25mmつまりα=±1.8゜
とすると、上述した式からX=±30.5mmであった
(ここに、符号は右方向を正としている)。さらに、反
射型ホログラム12に必要なサイズについて前述の側と
同様にして具体的に計算すると、従来は147mmの幅
が必要であったが、本実施例によれば100mmまで小
型化できる。なお、本実施例においても移動機構19を
電動式にし、また直線移動にかえて発光表示器11を揺
動させてもよい。
【0046】以上説明した実施例と請求の範囲との対応
において、発光表示器11は発光表示手段を、透過型ホ
ログラム13は対物側回折格子を、反射型ホログラム1
2は接眼側回折格子を、運転者16は観察者を、移動機
構19、29、揺動機構39、49はそれぞれ第1の移
動手段を、回転機構18、28、38、48はそれぞれ
第2の移動手段を構成している。
【0047】なお、本発明の表示装置は、その細部が上
述の一実施例に限定されず、種々の変形が可能である。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、観察者の目の変位に応じて発光表示手段を移動さ
せることにより、観察者の目の変位に追従して色収差が
補正された光線を導くことができ、アイレンジの幅によ
らず常に色収差が補正された虚像を観察者が視認するこ
とができる。これにより対物側、接眼側回折格子の小型
化が図れ、ひいては表示装置全体の小型化が達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるヘッドアップディス
プレイを示す概略構成図である。
【図2】第1実施例の回転機構、移動機構を示す概略構
成図である。
【図3】回転機構、移動機構の変形例を示す概略構成図
である。
【図4】本発明の第2実施例であるヘッドアップディス
プレイを示す図であって、その回転機構、揺動機構を示
す概略構成図である。
【図5】回転機構、揺動機構の変形例を示す概略構成図
である。
【図6】反射型ホログラムへの入射角、回折角および反
射型ホログラムの回折格子を示す図である。
【図7】透過型ホログラムへの入射角、回折角および透
過型ホログラムの回折格子を示す図である。
【図8】本発明による色収差の補正方法の原理を説明す
るための図である。
【図9】第1実施例の具体的な寸法を示す図である。
【図10】図9と同様の図である。
【図11】図9と同様の図である。
【図12】本発明の第3実施例であるヘッドアップディ
スプレイを示す概略構成図である。
【図13】反射型ホログラムの回折スペクトルの一例を
示す図である。
【図14】透過型ホログラムの回折スペクトルの一例を
示す図である。
【図15】発光表示器の発光スペクトルの一例を示す図
である。
【図16】第3実施例の具体的な寸法を示す図である。
【図17】従来のヘッドアップディスプレイの一例を示
す概略構成図である。
【図18】従来のヘッドアップディスプレイによる色収
差補正方法の原理を説明するための図である。
【図19】従来のヘッドアップディスプレイに必要な反
射型ホログラムのサイズを説明するための図である。
【符号の説明】
11 発光表示器 12 反射型ホログラム回折格子 13 透過型ホログラム回折格子 14 ウインドシールド 15 ダッシュボード 16 運転者 18、28、38、48 回転機構 19、29 移動機構 20、40 連動手段 30、50 3極スイッチ 39、49 揺動機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光表示手段からの可視光を対物側回折
    格子により回折し、その回折光を接眼側回折格子により
    回折して観察者に向けて導き、前記接眼側回折格子の回
    折光が形成する虚像により前記観察者に情報を表示する
    表示装置において、 前記発光表示手段を移動させる第1の移動手段を備えた
    ことを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の表示装置において、 前記対物側回折格子を移動させる第2の移動手段を備え
    たことを特徴とする表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の表示装置において、 前記第1および第2の移動手段を連動させる連動手段を
    備えたことを特徴とする表示装置。
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