JPH07198699A - 環状クロマトグラフィー装置 - Google Patents

環状クロマトグラフィー装置

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JPH07198699A
JPH07198699A JP5351700A JP35170093A JPH07198699A JP H07198699 A JPH07198699 A JP H07198699A JP 5351700 A JP5351700 A JP 5351700A JP 35170093 A JP35170093 A JP 35170093A JP H07198699 A JPH07198699 A JP H07198699A
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eluent
liquid
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Hiroshi Suzuki
博 鈴木
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/50Conditioning of the sorbent material or stationary liquid
    • G01N30/58Conditioning of the sorbent material or stationary liquid the sorbent moving as a whole
    • GPHYSICS
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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/80Fraction collectors

Abstract

(57)【要約】 【目的】 環状に充填剤を充填した環状充填部の下部の
各流出口から気密の状態で流出液を採取し、各成分を的
確に分離回収できる環状クロマトグラフィー装置を提供
することを目的とする。 【構成】 被分離液供給管(原料通路62と原料フィー
ドパイプ65)を移動するようにし、環状充填部34を
固定にすることにより、従来装置の被分離液供給管を固
定し、環状充填部を回転するようにした方式のものと相
対的に同じ関係を保つと共に、環状充填部34の下部の
各流出口68を弁119を介して分離成分数+1(溶離
剤の分)の排出流路117に連絡し、弁切換制御手段で
被分離液供給管の環状移動位置に応じて常に所定の排出
流路117を選択する構成により、各成分が的確に所定
の排出流路に分離回収でき、かつ流出液の採取に際して
気密性が保たれるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、親和性等の被分離液中
の各成分に対して生物学的または物理化学的な相互作用
の差を有する充填剤(分離剤と称することがある)が、
環状に充填さされた環状充填部に、被分離液を通過さ
せ、各成分に対する生物学的または物理学的な相互作用
の差により生ずる移動速度の差を利用して、被分離液中
に含まれる2成分以上の成分を連続的に分離する環状ク
ロマトグラフィー装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、被分離液中に含まれる2成分
以上の成分の分離には、ポーラスポリマーゲル、親水基
を有する親水性ポリマーゲル、オクタデシル基やフェニ
ル基などをシリカゲル表面に結合させた化学結合型シリ
カゲル等の充填剤を用いて各成分の溶解度差を利用して
各成分を分離する分配クロマトグラフィー;シリカゲル
等の充填剤を用いて各成分の吸着エネルギー差を利用し
て各成分を分離する吸着クロマトグラフィー;キラルリ
ガンド結合体をシリカゲルに結合した化学結合型シリカ
ゲル等の充填剤を用いて各成分の不斉識別能の差を利用
して各成分を分離する光学分割クロマトグラフィー;ヒ
ドロキシアパイト充填剤を用いて各成分の吸着エネルギ
ーとイオン親和力の差を利用して各成分を分離するヒド
ロキシアパタイトクロマトグラフィー;イオン交換樹脂
で代表されるポリスチレンゲル誘導体、化学結合型シリ
カゲル、親水性ポリマーゲル等の充填剤を用いて各成分
のイオン親和力の差を利用して各成分を分離するイオン
交換クロマトグラフィー(またはイオンクロマトグラフ
ィー);化学結合シリカゲルや親水性ポリマーゲル等の
ゲルろ過剤型の充填剤を用いて各成分の分子の大きさの
差を利用して各成分を分離するサイズ排除クロマトグラ
フィー;さらには親水性ポリマーゲル等の充填剤を用い
て各成分の生物的親和力(例えば、酵素と、基質、阻害
剤または発現因子との間や、抗原と抗体との間に、見ら
れる生体分子間の特異的相互作用)の差を利用して各成
分を分離するアフィニティークロマトグラフィーなどが
汎用されている。
【0003】通常、上記のクロマトグラフィー操作は、
円筒管に上記の充填剤を充填し、固定相となし、この固
定相に分離すべき被分離液を通過させる回分方式であ
る。すなわち、固定相の一端に被分離液を供給した後
に、固定相である充填剤に対して移動相の働きをして固
定相に捕集されている成分を脱離移動させる溶離剤を供
給する。この溶離剤の流れにより、被分離液の分離展開
が行われ、充填剤に対する生物学的または物理化学的な
相互作用力(捕集のされかた)が最も小さい被分離液成
分が、最初に溶離剤と共に固定相から流出し、充填剤に
対する生物学的または物理化学的な相互作用力が最も大
きい被分離液成分が、最後に溶離剤と共に固定相から流
出するのである。
【0004】このように、クロマトグラフィー操作は、
被分離液の供給が間欠的であり、被分離液供給と溶離剤
供給を交互に行う必要があり、操作性が良くない。そこ
で、従来では、上記のような回分方式の欠点を解決する
方法として、溶離剤の流れ方向と十字流となるように、
充填剤を移動させることによって、被分離液供給を連続
的に供給できて、2成分以上の多成分の連続分離が行え
る十字流方式が提案されている。この方式は、充填剤を
環状に充填した環状充填部の上部から下部に流れる溶離
剤と被分離液の流れと、相対的に十字流となるように、
該環状充填部を回転移動させる環状クロマトグラフィー
装置によって行われる(特開昭61−164156号公
報、特開昭62−42048号公報、特開平2−189
458号公報、特開平4−227027号公報、特開平
4−227820号公報等参照)。
【0005】上記の環状クロマトグラフィーの原理を図
10を参照して説明する。この方式は、周方向に回転す
る二重円筒体1の内筒2と外筒3との間の間隙に充填剤
を充填して環状充填部4を形成し、この環状充填部4に
その上部より被分離液および溶離剤を連続的に供給し、
下部より分離された成分を連続的に取り出すものであ
る。
【0006】すなわち、環状に充填剤を充填した環状充
填部4上方に、それぞれ溶離剤を供給する溶離剤供給管
5(図では複数)および被分離液を供給する被分離液供
給管6(図では1本)が設けられていると共に、上記環
状充填部4下端に該環状充填部4を経て分離された分離
液を採取する流出口7が所定の間隔をあけて複数設けら
れている。環状充填部4は、矢印Pで示す方向に任意の
一定速度で回転しており、被分離液および溶離剤が、そ
れぞれ環状充填部4上部に固定された被分離液供給管6
および溶離剤供給管5から連続的に供給される。
【0007】例えば、被分離液が、A成分、B成分およ
びC成分を含むもので、この被分離液中の各成分と充填
剤の親和性においてA<B<Cの関係を有する場合、上
記操作により、溶離剤流れと充填剤流れは十字流とな
り、環状充填部4の充填剤上部に供給された被分離液は
溶離剤流れにより下方に流れるが、充填剤が溶離剤の流
れに対して相対的に垂直(直角)方向に移動しているた
め、被分離液中の各成分は、充填剤との親和性により螺
旋状に流れる。その結果、充填剤との親和性が大きいC
成分は被分離液供給管6の供給口から離れた位置に溶出
し、親和性が小さいA成分は供給口から近い位置に溶出
し、B成分はその中間の位置より溶出する。そして、こ
の溶出位置は、充填剤と溶離剤の移動速度により決まっ
た一定位置、すなわち、被分離液供給口より決まった角
度の位置である。このようにして、環状充填部4の下部
の流出口7から、被分離液を3成分に分離して取り出す
ことが可能となる。
【0008】この流出口7から分離された各成分を受け
て取り出す分離液取出部8の機構は、環状充填部4の下
方にその環状形状に合わせて固定された複数のコレクタ
ー容器で構成される。すなわち、環状充填部4と流出口
7は、矢印Pで示す方向に任意の一定速度で回転する一
方、被分離液供給管6と上記コレクター容器は、これら
に対して、固定され静止した関係になっている。このコ
レクター容器は、少なくとも各成分が溶出する位置の下
方に設ければ良いが、通常は複数のコレクター容器を一
体接合し、環状充填部4の環状形状に合わせて形成する
場合が多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の従来
の環状クロマトグラフィー装置においては、各成分の溶
出位置は、充填剤と溶離剤の移動速度により決まった一
定位置、即ち、被分離液供給口より決まった角度の位置
であるが、充填剤を充填した環状充填部は一定速度で回
転しているため、環状充填部の下部の各流出口と固定の
流出液採集容器とを直接接続できない。そのため、流出
液の採取に際して気密状態を確保することが難しく、溶
離剤に有機溶剤を使う場合に必要となる防爆対策や無菌
を要する被分離液の無菌保持等が困難となる。
【0010】そこで、本発明は以上のような従来の問題
点に鑑み、環状に充填剤を充填した環状充填部の下部の
各流出口から気密の状態で流出液を採取し、各成分を的
確に分離回収できる環状クロマトグラフィー装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の環状
クロマトグラフィー装置は、環状に充填剤を充填した環
状充填部と、該環状充填部下端に設けられ、当該環状充
填部からの排出液を導出する複数の流出口とを備え、前
記環状充填部を固定すると共に、少なくとも前記環状充
填部に溶離剤を供給する溶離剤供給管と、前記環状充填
部の環状に沿って移動しながら分離すべき被分離液を供
給する被分離液供給管とを前記環状充填部上部に設け、
前記流出口それぞれは、各分離成分と溶離剤に対応した
複数の排出流路に弁を介して連絡されると共に、前記各
流出口が前記被分離液供給管の環状移動位置に応じて常
にそれぞれ所定の前記排出流路と連通するべく前記弁を
切換制御する弁切換制御手段を設けたことを特徴とす
る。
【0012】上記弁切換制御手段は、例えば、次のよう
に構成することができる。すなわち、被分離液供給管と
被分離液の各成分の流出位置との関係は、常にその角度
が一定である。そして、被分離液供給管位置をセンサに
よって確認し、被分離液供給管の位置を基準にして所定
の角度位置にある弁が常に所定の排出流路を選択するよ
うに制御する。
【0013】また、被分離液供給管の移動スピードが一
定の場合、各弁の作動は被分離液供給管の位置に対応し
て周期的に同じ作動を繰り返している。したがって、起
動時の被分離液供給管の位置に応じて各弁の周期の位相
ずれを予め決めておけばセンサの代わりにタイマを設け
ることにより、各弁を制御することができる。要は、被
分離液供給管の環状移動位置に応じて常に前記各流出口
に対してそれぞれ所定の排出流路を選択するべく弁を切
換制御するようにすればよいわけである。
【0014】
【作用】かかる構成の環状クロマトグラフィー装置にお
いては、少なくとも被分離液を供給する被分離液供給管
を移動するようにし、充填剤を充填した環状充填部を固
定にすることにより、従来の環状クロマトグラフィー装
置の被分離液供給管を固定し、環状充填部を回転するよ
うにした方式のものと相対的に同じ関係を保つと共に、
固定された環状充填部の下部の各流出口を弁を介して少
なくとも目的とする(得たい)分離成分数+1(溶離剤
の分)の排出流路に連絡し、弁切換制御手段で前記被分
離液供給管の環状移動位置に応じて常に各流出口を所定
の排出流路と連通するようにしたので、環状充填部下端
の被分離液の各成分の見掛け上の横方向(周方向)の移
動に合わせて、それぞれ弁が切り換えられ、各成分に対
応した排出流路(溶離剤のみの排出流路もある)が選択
される。これにより、各成分が的確に所定の排出流路に
分離回収されると共に、受皿のような回転するものがな
く、流出液の採取に際して気密性が保たれる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、第1の発明の一実施例を示す斜視断面図
である。環状クロマトグラフィー装置の本体10は、胴
体11と、該胴体11上端部の上蓋12と、胴体11下
端部の架台13とから構成される。なお、図1において
は、胴体11の中間部が省略されて表示されている。
【0016】前記胴体11は、内筒14と外筒15とか
ら構成され、この内筒14と外筒15との間は所定の隙
間が設けられ、後述する環状充填部34の一部を形成し
ている。この内筒14は、上下に相対向する円形板部1
6と円環状板部17、円形板部16と円環状板部17の
外周部相互を連接するように、両者の間に内側と外側と
にそれぞれ配設される内周壁部18と外周壁部19とか
ら構成される。この内周壁部18と外周壁部19との間
にはジャケット部20が形成されている。すなわち、前
記内周壁部18内側の上部と下部それぞれに図示しない
ノズルが設けられて、冷媒や熱媒さらには恒温槽等で一
定にされた流体が前記ジャケット部20に流通し、所定
の温度に維持するようになっており、該ジャケット部2
0は後述する環状充填部34の温度保持機能を司る。
【0017】前記内筒14の上側の円形板部16の中央
部には、後述する回転軸44の貫通孔21が開設され、
下側の円環状板部17の中央部には、円形孔22が開設
される。前記外筒15は、上下に相対向する円環状板部
23,24と、両円環状板部23,24の内周部相互を
連接するように、両円環状板部23,24の間に内・外
に配設される内周壁部25と外周壁部26とから構成さ
れる。この内周壁部25と外周壁部26との間にはジャ
ケット部27が形成されている。すなわち、前記外周壁
部26外側の上部と下部それぞれに図示しないノズルが
設けられて、冷媒や熱媒さらには恒温槽等で一定にされ
た流体が前記ジャケット部27に流通し、所定の温度に
維持するようになっており、該ジャケット部27は前記
内筒14側のジャケット部20と同様に後述する環状充
填部34の温度保持機能を司る。
【0018】前記上蓋12は円形板から構成される。ま
た、前記架台13は円環状板から構成され、図示しない
スタンド等に固定支持されている。そして、前記上蓋1
2は、周方向に複数用意されたボルト・ナット28によ
り、外筒15の上側円環状板部23に、Oリング29を
介装して、取り付けられており、上蓋12は胴体11の
外筒15上端部に気密に接合されている。
【0019】前記架台13には、周方向に複数用意され
たボルト・ナット30により、外筒15の下側円環状板
部24が取り付けられると共に、周方向に複数用意され
たボルト・ナット31により、内筒14の円環状板部1
7が取り付けられる。なお、架台13と外筒15の下側
円環状板部24との接合面にはOリング32が、架台1
3と内筒14の円環状板部17との接合面にはOリング
33が、それぞれ介装され、架台13は、胴体11の外
筒15下端部と内筒14下端部とに気密に接合されてい
る。
【0020】上記のように装置本体10を構成すること
により、内筒14上面、すなわち、上側円形板部16の
上面は外筒15上端部位置により下側に位置し、外筒1
5と内筒14との間には環状に充填剤が充填される環状
充填部34が形成される。前記上蓋12の上面中央部に
は、円筒部35と該円筒部35の上端に接合される円板
部36とからなる原料供給筒37が一体に形成されてい
る。この原料供給筒37の円板部36上面には、支持部
38が固定取付されている。さらに、この支持部38の
上端部には、支持架台39を介して後述する回転軸44
の駆動装置40が保持されている。
【0021】この駆動装置40は、ステッピングモータ
41と、一対のスプロケット42aとチェーン42bと
からなる動力伝達装置42と、ウォームギヤ43とから
構成され、ステッピングモータ41の回転駆動力を動力
伝達装置42を介してウォームギヤ43に伝達して、該
ウォームギヤ43を回転させている。前記ウォームギヤ
43の軸には垂直方向に延びる回転軸44が連結され
る。この回転軸44は前記原料供給筒37、支持部3
8、上蓋12、内筒14および架台13の中央部を貫通
して該架台13の下方に突出される。
【0022】前記支持部38の陥凹部38a内側には、
回転軸保持用のブロック45が挿入されている。このブ
ロック45には、該ブロック45を貫通する回転軸44
が、接続ボルト46によって固定されている。前記支持
部38の陥凹部38a内側のブロック45下側には、該
ブロック45支持用のベアリング47とブロック位置決
め用のベアリング48とが挿入配置されている。
【0023】前記原料供給筒37の円筒部35内側と内
筒14の円形板部16の上面中央部に突出形成された円
筒部49内側には、原料(分離すべき被分離液)のフィ
ード用のブロック50が挿入されている。このブロック
50は、そのブロック50中央を貫通する回転軸44の
外周に、接続ボルト51によって固定取り付けられてい
る。前記原料供給筒37の円筒部35内周面とブロック
50外周面との間には、後述する原料が外部に漏れない
ようにするための上下一対のシールパッキン52と、シ
ールパッキン52,52間に位置し原料流入ラインの空
間部(デッド部)を減少させるためのスペーサ53とが
介装されている。上蓋12の下面には、前記シールパッ
キン52を押さえて支持する押さえ固定部材54が装着
される。また、内筒14の円筒部49内周面とブロック
50外周面との間には、原料が外部に漏れないようにす
るためのシールパッキン55が介装される。さらに、円
筒部49内側のブロック50下側には、該ブロック50
位置決め用のベアリング56が挿入配置されている。円
筒部49の上面には前記シールパッキン55の押さえ固
定部材57が装着されている。
【0024】前記原料供給筒37の円筒部35周壁に
は、原料入り口となる孔58が開設されていると共に、
この孔58を取り囲むように該円筒部35の周壁外面に
は、ボス部59が固着取付されている。このボス部59
の先端部には、原料入り口パイプ60がパイプ固定ナッ
ト61によって固定取付されている。また、このボス部
59内部の孔58周りの円筒部35外周面と原料入り口
パイプ60先端との間にはシールパツキンが装填されて
いる。前記円筒部35内側の孔58と連通する上下一対
の前記シールパッキン52,52間は、原料流入ライン
の空間部として形成される。ブロック50には、この空
間部と一端部が連通するべく該ブロック50外周面に開
口され、他端部が該ブロック50の前記内筒14上部と
上蓋12との間に形成される空間部に位置する部分の外
周面に孔63として開口する原料通路62が形成されて
いる。この孔63を取り囲むように該ブロック50外周
面には、ボス部64が固着取付されている。このボス部
64の先端部には、原料フィードパイプ65がパイプ固
定ナット66により固定取付されている。また、ボス部
64内側の孔63周りのブロック50外周面と原料フィ
ードパイプ65の基端部との間には、シールパッキン6
7が装填されている。原料フィードパイプ65は、ブロ
ック50外周面から前記内筒14上部と上蓋12との間
に形成される空間部を水平に延びた後、下方に折曲さ
れ、その先端部は環状充填部34の充填剤に突入され
る。
【0025】前記原料通路62と原料フィードパイプ6
5とは、原料(分離すべき被分離液)を環状充填部34
上方に供給する被分離液供給管を構成する。前記架台1
3の前記環状充填部34に対応する複数位置には、該環
状充填部34と連通する流出口68が形成されている。
流出口68の内側にはフィルタ70が介装されている。
【0026】前記流出口68下方には、少なくとも目的
とする分離成分数+1(溶離液の分)の環状排出流路1
17が設けられると共に、環状充填部34下端の流出口
68全部において、各流出口68に接続されたそれぞれ
の流出管118を分岐し、それぞれの前記環状排出流路
117に自動切換弁119を介して連絡し、かつ、被分
離液供給管の環状移動位置に応じて常に所定の環状排出
流路117を選択するように自動切換弁119を制御す
る弁切換制御手段(後に図に基づいて詳述する)が設け
られている。
【0027】前記環状排出流路117の下流の出口部1
17aには、圧力および流量の調節を行う弁69(バル
ブ)が設けられている。前記弁69の構成を図2に基づ
いて説明する。弁69は、弁本体71と弁体72とから
構成される。弁本体71は、内筒71Aと外筒71Bと
から構成される。内筒71Aの上端部は環状排出流路1
17の下流の出口部117aに連通接続される。内筒7
1Aの下端部外周面にはおねじ部71bが形成され、該
おねじ部71bに外筒71Bの上端部内周面に形成され
ためねじ部71cをねじ嵌合することにより、外筒71
Bが内筒71Aにねじ式にスライド可能に結合され、内
筒71Aと外筒71Bとが連通する。
【0028】前記弁体72は、ニードル部分72aと、
図2(B)に示すように円形孔72bが開設された目皿
形状部分72cとから構成され、前記ニードル部分72
aと目皿形状部分72cとは独立して形成される。前記
ニードル部分72aは、内筒71Aと外筒71Bとの結
合部に形成された空間部73に挿入配置され、その先端
部が内筒71A内側に位置される。また、前記目皿形状
部分72cは、前記空間部73のニードル部分72aの
下側の外筒71Bの段部71d上に挿入配置される。
【0029】かかる構成の弁69において、外筒71B
を内筒71Aに対して回転して、外筒71Bの内筒71
Aに対するねじ嵌合位置を変化させると、前記空間部7
3の大きさが大小に変化する。したがって、前記空間部
73を大きくすると、ニードル部分72aと目皿形状部
分72cとが自重で下方にスライド移動し、これによ
り、ニードル部分72aと内筒71A内側との隙間(通
路)が大きくなり、流量が大に調整される。逆に、前記
空間部73を小さくすると、ニードル部分72aと目皿
形状部分72cとが押し上げられて上方にスライド移動
し、これにより、ニードル部分72aと内筒71A内側
との隙間(通路)が小さくなり、流量が小に調整され
る。
【0030】一方、図1において、前記上蓋12には、
溶離液(溶離剤)を、内筒14上部と上蓋12との間に
形成される空間部を介して、環状充填部34に供給する
ための溶離剤供給管74が貫通して一体に取付られてい
る。なお、前記環状排出流路117は、完全な環状でな
くともよく、例えば、両端が閉塞したパイプを円弧状に
形成し、該パイプに全流出口68からの流出管118が
自動切換弁119を介して連通すると共に、製品受容器
84に連絡するパイプが設けられていればよい。また、
環状排出流路117を設ける数は、例えばA,B,Cの
3成分が機能的に分離可能である場合、通常3+1(溶
離剤の分)の4つとなるが、仮に成分Aのみを分離目的
としていた場合は、環状排出流路117の設定数は、2
つでも良く、要は、目的に応じて各分離成分と溶離剤の
対応した複数の環状排出流路117を設ければよい。
【0031】次に、かかる構成の環状クロマトグラフィ
ー装置の作用について説明する。この環状クロマトグラ
フィー装置は、上述した説明から明らかなように、被分
離液供給管(原料通路62と原料フィードパイプ65)
が回転し、環状に充填剤を充填した環状充填部34が固
定される方式である。この環状クロマトグラフィー装置
と、図10の被分離液供給管6が固定され環状充填部4
が回転する従来例のものとを、それぞれの環状充填部と
被分離液供給管との運動関係から見れば、相対的な運動
関係は全く同じ状態であることがわかる。したがって、
この環状クロマトグラフィー装置においても、溶離剤流
れと充填剤流れは十字流となり、環状充填部34の充填
剤上部に供給された被分離液は溶離剤流れにより下方に
流れるが、被分離液供給管が充填剤に対して相対的に直
角方向に移動しているため、被分離液中の各成分は、充
填剤との親和性により螺旋状に流れる。その結果、充填
剤との親和性が大きい成分は被分離液供給管から離れた
位置に溶出し、親和性が小さい成分は被分離液供給管供
給口から近い位置に溶出する。
【0032】すなわち、上記実施例の環状クロマトグラ
フィー装置においては、まず前記内筒14のジャケット
部20と前記外筒15のジャケット部27に、必要によ
り冷媒や熱媒さらには恒温槽等で一定にされた流体等が
流通され、環状充填部34が所定の温度に維持される。
冷媒や熱媒をジャケット部20,27に流通させる場合
は、例えば、溶離剤の流下に影響の少ない流出口68,
68間の環状充填部34下部に温度計を取り付け、該温
度計の信号を基にジャケット部20,27への冷媒や熱
媒の供給量を制御して該環状充填部34の温度制御が行
われる。
【0033】そして、必要によって図示しない熱交換器
等で温度調整された原料(分離すべき被分離液)が原料
入口パイプ60から原料供給筒37に供給されると、原
料は該原料供給筒37の円筒部35内周とブロック50
外周と上下一対のシールパッキン52,52間に形成さ
れた原料流入ラインの空間部に流入する。前記回転軸4
4と同期回転するブロック50には、この空間部と一端
部が連通し、他端部が該ブロック50の前記内筒14上
部と上蓋12との間に形成される空間部で原料フィード
パイプ65に接続する原料通路62が形成されているの
で、原料は、この空間部から初めて回転移動する原料通
路62を介して原料フィードパイプ65に流入する。よ
って、分離すべき被分離液を供給する被分離液供給管を
構成する原料フィードパイプ65が、環状充填部34の
上部充填剤に埋没させられながら、回転軸44と同期し
て環状充填部34の周方向に沿って移動するので、原料
は環状充填部34の上部充填剤に確実に供給される。
【0034】本方式のように環状充填部34を固定式と
してある円環状クロマトグラフィー装置においては、少
なくとも被分離液供給管は、その先端が環状充填部34
の該環状に沿って移動しながら分離すべき被分離液を供
給する必要があるが、溶離剤(溶離液)を供給する溶離
剤供給管74は、この実施例装置においては、環状充填
部34と同様に固定式であり、溶離剤は環状充填部34
上部に所定レベルの液位を保持するように供給されて、
溶離剤が環状充填部34全体に均一に降下される。
【0035】環状排出流路117の下流の出口部117
aに設けられた弁(バルブ)69によって、各環状排出
流路117からの流出液の流量調整ないし環状充填部3
4の圧力調整が行われる。その場合、各弁69それぞれ
の開度は、各環状排出流路117に流れ込む分離成分や
溶離液の予定流量に比例させて設定すればよい。例え
ば、運転条件が一定なら各環状排出流路117に選択連
通する流出口68の数はそれぞれ固有の一定値になるの
で、自動切換弁119が切換制御された結果、各環状排
出流路117それぞれに選択連通される流出口68の数
に比例して流量を調整する。これにより、溶離剤が環状
充填部34全体におおよそ均一に降下するように調整さ
れると共に、環状充填部34が若干の加圧状態に調整さ
れてる。若干の加圧状態に調整されると、環状充填部3
4を流下する溶離剤速度が変動しにくくなる。
【0036】前記流量調整は、溶離剤は環状充填部34
上部に供給している状態で(被分離液は、溶離剤に比べ
て供給量が少なくてほとんど影響しないので、供給して
も供給しなくても良い)、弁69の開度を調整する。小
規模の装置では、環状排出流路117の下流の出口部1
17aからの流出液が弁69を介してぽたぽたと滴下す
るので、流量を調整するには、単位時間当たりの滴下数
を数え、運転条件に応じて各環状排出流路117に流れ
込む予定流量に比例させて各弁69の開度を調整する。
大きい規模の装置やより精度を上げるには、弁69の下
流に流量計を設け、その値を見て弁69の開度を調整す
る。なお、この場合、弁69全てに流量計を付ける必要
はなく、移動可能な流量計を用意し、環状排出流路11
7の下流の一つの出口部117aの流量を測定したら、
その流量計を外し、その流量計を次の出口部117aに
接続して、その出口部の弁69の開度を調整することも
できる。
【0037】そして、前記出口部117aから弁69を
介して流下する分離成分を含む溶離液は製品受容器84
に流れる。かかる環状クロマトグラフィー装置において
は、環状充填部34の下端の各成分の見掛け上の横方向
(周方向)の移動に合わせて、それぞれ自動切換弁11
9を切り換え、各成分に対応した環状排出流路117
(溶離液のみの環状排出流路もある)を選択し連通す
る。例えば、成分Aの移動に応じて成分Aのみが所定の
環状排出流路117に流入するように、成分Aが移動し
てきた流出口68においては、成分Aを集める環状排出
流路117に通じる自動切換弁119が一定の期間だけ
開となり、当該流出口68の他の自動切換弁119は閉
となる。
【0038】ここで、図3と表1は、上述の環状排出流
路117の選択機構の作動説明図である。
【0039】
【表1】
【0040】なお、図1の環状クロマトグラフィー装置
においては、通常数十の流出口を設けるが、図3では説
明を簡単にするため8つの流出口を設けた場合を示して
おり、環状充填部を平面状に展開したものである。図3
において、A1 〜A8 は製品A回収用の自動切換弁、B
1 〜B8 は製品B回収用の自動切換弁、C1 〜C8 は排
出溶離液用の自動切換弁である。
【0041】いま、図3の状態における自動切換弁の開
閉状態は、製品A回収用の自動切換弁の開く位置は、原
料フィード部から110°〜160°の範囲の自動切換
弁、また製品B回収用の自動切換弁の開く位置は、原料
フィード部から220°〜310°の範囲の自動切換
弁、排出溶離液用の自動切換弁の開く位置は、製品A,
B回収用の自動切換弁が共に閉のところの自動切換弁を
開とすることが必要である。これを具体的に示すと、製
品A回収用の自動切換弁の開はA4 、閉はA1 , 2 ,
3 , 5 , 6 ,A7 ,A8 、製品B回収用の自動切
換弁の開はB6 ,B7 、閉はB1 , 2 , 3 , 4
5 , 8 、排出溶離液用の自動切換弁の開はC1 ,
2 , 3 , 5 , 8 、閉はC4 ,C6 , 7 である。
【0042】各成分が流出する流出口68の位置は、被
分離液供給管を構成する原料フィードパイプ65の位置
からの所定位相ずれた位置であり、その位相ずれ位置は
クロマトグラフィーの諸条件により異なり、実験により
決定される。また、この流出口68から次の隣接する流
出口68への同様の操作タイミング(成分Aの移動速
度)は、溶離液供給量等のクロマトグラフィーの条件が
一定であれば、原料フィードパイプ65の周速度と同じ
であり、移動する原料フィードパイプ65の位置を基準
として、そこから離れた所定位置においては、常に特定
の環状排出流路117が選択される。
【0043】上記特定の環状排出流路117を選択する
タイミングは、図1に示すように、架台13内周面に設
けられた複数の近接センサ120と回転軸44下端部に
原料フィードパイプ65と同角度に取り付けられた位置
決めバー121とによって回転軸44の回転(原料フィ
ードパイプ65の回転位置)に同期して設定できるよう
になっている。
【0044】そして、本実施例の前記弁切換制御手段
は、図4に示すように、複数の近接センサ120と、位
置決めバー121と、各近接センサ120から出力され
る位置決めバー121の接近信号に基づいて所定の自動
切換弁119に開閉信号を出力する制御装置122(シ
ーケンサー、プログラマブルコントローラまたはパソコ
ン)とから構成される。
【0045】すなわち、図3および表1に示すように、
原料フィードパイプ65と被分離液の各成分の流出位置
との関係は、常にその角度が一定である。そして、図4
の被分離液供給管位置確認手段123が原料フィードパ
イプ65の位置を近接センサ120の信号に基づいて確
認し、自動切換弁開閉タイミング設定手段124が原料
フィードパイプ65の位置を基準にして所定の角度位置
にある自動切換弁119が常に所定の環状排出流路11
7を選択するように制御したものであり、具体的な一例
としては、表1に示すように、自動切換弁を制御する。
【0046】表1において、例えば近接センサS−1が
ONとなると、開となる自動切換弁119は、A4 ,B
6 ,B7 ,C1 , 2 , 3 , 5 ,C8 である。な
お、原料フィードパイプ65の位置を直接測定する必要
はなく、間接的に測定すれば良く、位置決めバー121
と原料フィードパイプ65の位置が正確に一致している
必要はない。
【0047】したがって、位置決めバー121は単に回
転軸44に固定されていれば良く、その位置決めバー1
21の位置に対応して、自動切換弁119が常に所定の
環状排出流路117を選択し連通するようにすれば良
い。また、上記実施例は、流出管118を各環状排出流
路117に分岐させ、該分岐した各環状排出流路117
それぞれに自動切換弁119を設ける構成としたが、流
出管118に多方弁を設け、該多方弁から各環状排出流
路117に通じる分岐管を設けた装置として、弁の使用
数を減らすようにしても良い。
【0048】さらに、弁切換制御手段として次のような
構成を採用しても良い。すなわち、原料フィードパイプ
65の移動スピードは一定であるから、各自動切換弁1
19の作動は原料フィードパイプ65の位置に対応して
周期的に同じ作動を繰り返している。したがって、起動
時の原料フィードパイプ65の位置に応じて各自動切換
弁119の周期の位相ずれを予め決めておけば近接セン
サ120の代わりに各自動切換弁119についてタイマ
を設けることにより、各自動切換弁119を制御するこ
とができる。
【0049】例えば、図5の如き弁切換制御手段が考え
られる。この弁切換制御手段においては、起動前の原料
フィードパイプ65の位置を例えば「基準位置からの回
転角度」または「原料フィードパイプ65の直下に位置
する自動切換弁119の番号」を原料フィードパイプ位
置入力手段125に入力すると、その情報に基づいて原
料フィードパイプ65に最も近い自動切換弁119が表
2中の弁番号1に相当するように、自動切換弁119の
位相ずれ補正手段126が自動切換弁開閉タイミング設
定手段127に補正信号を送る。起動スイッチ128か
ら起動信号が入力されると、設定完了判定手段129が
上記補正信号が出されたことを確認して、タイマ130
を起動する。自動切換弁開閉タイミング設定手段127
は、上記補正信号を受けてタイマ130の時間信号に基
づいて表2に示すように、各自動切換弁119に開閉信
号を出力する。
【0050】
【表2】
【0051】かかる構成の環状クロマトグラフィー装置
によると、少なくとも被分離液を供給する被分離液供給
管(原料通路62と原料フィードパイプ65)を移動す
るようにし、充填剤を充填した環状充填部34を固定に
することにより、従来の環状クロマトグラフィー装置の
被分離液供給管を固定し、環状充填部を回転するように
した方式のものと相対的に同じ関係を保つと共に、固定
された環状充填部34の下部の各流出口68を弁119
を介して少なくとも分離成分数+1(溶離剤の分)の排
出流路117に連絡し、弁切換制御手段で前記被分離液
供給管の環状移動位置に応じて常に所定の排出流路11
7を選択するようにしたので、環状充填部34下端の被
分離液の各成分の見掛け上の横方向(周方向)の移動に
合わせて、それぞれ弁119が切り換えられ、各成分に
対応した排出流路117(溶離剤のみの排出流路もあ
る)が選択される。これにより、各成分が的確に所定の
排出流路に分離回収されると共に、受皿のような回転す
るものがなく、流出液の採取に際して気密性が保たれ
る。
【0052】また、従来の環状クロマトグラフィー装置
においては、充填剤中に流下する溶離剤の流速が遅く、
分離に時間が掛かる。分離効率を下げずに、分離速度を
上げるには、充填剤粒度を細かくし、溶離剤流量を増加
させることが必要となる。しかし、溶離剤流量の増加
は、溶離剤供給用のポンプの吐出圧の上昇をもたらすこ
とになる。
【0053】上記実施例の環状クロマトグラフィー装置
においては、原料入口パイプ60が接続する原料供給筒
37の円筒部35内側に、回転軸44と同期回転するブ
ロック50を挿入し、この円筒部35内周面とブロック
50外周面との間に、上下一対のシールパッキン52を
介装して、原料が外部に漏れないようにすると共に、円
筒部35内周とブロック50外周と上下一対のシールパ
ッキン52,52間に空間部を形成し、さらに、回転軸
44と同期回転するブロック50に、この空間部と一端
部が連通し、他端部が該ブロック50の前記内筒14上
部と上蓋12との間に形成される空間部で原料フィード
パイプ65に接続する原料通路62を形成し、原料入口
パイプ60が回転軸44と同期移動する原料フィードパ
イプ65に気密に連通する耐圧シール構造としたので、
溶離剤供給用のポンプとして、高圧ポンプの使用が可能
となり、迅速な分離が可能となる。
【0054】なお、このシールパッキン52に代えてメ
カニカルシールを適用すれば、上述した環状充填部34
の上部の構造の耐圧性をさらに高めることができる。次
に、上記本発明の一実施例の環状クロマトグラフィー装
置の効果を本発明者らによる実験例を挙げて説明する。 実験例1(比較例) 下記の円環状クロマトグラフィー装置、下記の充填剤お
よび下記の溶離剤を用いて、下記の被分離液について下
記の操作条件の基にクロマクトグラフィーを実施し、下
記の結果を得るに至った。 〔円環状クロマトグラフィー装置〕図6に示す装置と同
様な装置で次の構成を特徴とする装置。
【0055】胴部を構成する二重円筒部は、外筒内径1
60mm、内筒外径150mm、高さ450mmであ
る。流出部は、図1の装置の環状排出流路117を取り
去り、流出口68に流量調整用の弁(バルブ)69Aを
取り付けた。つまり、分離機能を評価するために、各流
出部(実験装置では48箇所)からの流出液を採取し
て、その成分の分析ができるようにした。すなわち、図
6に示す如く、48箇所の流出部の直下部の受皿75に
試験管(内径8mm×長さ40mm)を立てた状態で保
持できる穴75Aを設けた。
【0056】そして、実験装置の運転開始後に定常状態
になったときに、上記穴75Aに試験管を挿入し、流出
液を全試験管に同時に1〜2ml程度採取した。二重円
筒部で形成された環状充填部34の下端には10μmの
ステンレス製の焼結フィルタ70を設けた。その他の材
質は、パッキン類を除き、全てステンレス材を用いた。 〔充填剤,溶離剤、被分離液〕 ・充填剤 カチオン交換樹脂 Dowex 50W−X
8 平均粒子径0.14mm ・溶離剤 0.1Mくえん酸ナトリウム緩衝液(pH
3.4) ・被分離液 アスパラギン酸とグリシン水溶液(濃度
各々20mol/m3) 〔操作条件〕 ・被分離液は被分離液供給管から、また溶離剤は溶離剤
供給管からそれぞれ供給する。
【0057】・被分離液供給流量 0.6cm3 /mi
n ・溶離剤(溶離液)供給流量 6.0cm3 /min ・被分離液供給管回転速度 1.44deg/min ・被分離液供給圧力 gravity(0 kg/cm
2 G) 〔試料分析〕 ・アスパラギン酸とグリシン水溶液の分析は、ニンヒド
リン法(検出器UVメーター)によった。 〔結果〕試験管に採取した試料のアスパラギン酸とグリ
シンの相対濃度(各流出液中の各濃度/被分離液中の各
濃度)を図7に示す。
【0058】この結果から、ピーク形状が鋭く、かつ各
成分の重なりが極めて少なく、2成分の分離は良好であ
ることが判る。 実験例2 上記実験例1で使用した装置を用いて、下記のように排
出部の流量調整バルブの開度を調整して、実験例1より
供給圧力が高い状態の加圧運転を行ない、その分離精度
や分離速度等を実験例1の結果と比較した。
【0059】その他の充填剤、溶離剤、被分離液は実験
例1と全く同じである。 〔操作条件〕 ・被分離液は被分離液供給管から、また溶離剤は溶離剤
供給管からそれぞれ供給する。 ・被分離液供給流量 4.5cm3 /min ・溶離剤(溶離液)供給流量 45.0cm3 /min ・被分離液供給管回転速度 1.44deg/min ・被分離液供給圧力 0.1kg/cm2 G 〔結果〕 アスパラギン酸とグリシンが図8に示す濃度分布で取り
出された。
【0060】この結果から、実験例1より処理スピード
(被分離液供給流量)を7.5倍に上げても、ピーク形
状が多少幅広くなって重なりが多少生じて分離精度は多
少低下しているが、問題なく分離できることが判る。し
たがって、この高圧環状クロマトグラフィー法を採用す
ると、小さい装置で多量原料を処理できることが判る。
なお、さらに上記結果より分離精度をアップするには、
通常充填剤粒度を小さくすれば良い。
【0061】なお、上記実施例においては、環状充填部
34を円形の内筒と外筒との2重円筒部により構成した
が、円形に限らず、円錐台あるいは楕円等でも良く。要
は、環状であれば良い。また、被分離液供給管としての
原料フィードパイプ65を環状充填部34内側に埋没さ
せるようにしたが、特に、これに限定されるものではな
い。例えば、環状充填部34上部にガラスビーズ層を設
け、そこに被分離液供給管を埋没させるようにしてもよ
く、また、環状充填部34を半径方向に区画する上下方
向の隔壁を設ければ、環状充填部34上方から被分離液
を供給してもよい。
【0062】さらに、流出口と自動切換弁119の間の
流出管118に自動流量調整装置を取り付けるようにし
ても良い。また、供給管としては溶離剤用と被分離液用
の2本を設けた例について説明したが、供給管が2本以
上である場合がある。すなわち、通常の回分方式で用い
られる数種類の溶離剤を順次切り換えて数段階で溶出さ
せ、溶出を速めるステップ(段階)溶離法や除々に連続
的にその組成を変えて溶出させ、溶出時間の短縮やピー
ク形状を鋭くする等の効果を意図とするグラジエント
(グラディエント)溶離法は、特開平2−189458
号公報や特開平4−227820号公報で知られている
ように、環状クロマクトグラフィ装置においては、溶離
剤供給管を複数個設けて、溶離剤供給管から供給する溶
離剤の組成を各供給管毎に変えることによって行える。
この場合、被分離液供給管が回転し、環状充填部が回転
する前述の実施例の環状クロマトグラフィーにおいて
は、図9に示すように、被分離液供給管と類似の機構か
らなり、環状充填部131の周方向に沿って移動する数
個の溶離剤供給管132から供給する溶離剤を各供給管
132毎に変えることにより行える。
【0063】グラジエント溶離は、溶離剤組成を連続的
に変化させるわけであるから、例えば2成分系の溶離剤
においては、複数個の溶離剤供給管より、一方の溶離剤
の供給量を順次増加させることにより、近似的に溶離剤
組成を連続的に(直線的に)変化させたことになる。複
数個の溶離剤供給管が無限に多くなれば、完全に直線的
変化になる。ステップ溶離においては、溶離剤組成を段
階的に変化させるので、限られた複数個の溶離剤供給管
より、もう一方の溶離剤の供給量を、段階的に変化させ
ることにより、実現できる。
【0064】したがって、上記環状充填部を固定式とし
てある円環状クロマトグラフィー装置においては、少な
くとも被分離液供給管は、その先端が上記環状充填部の
該環状に沿って移動しながら、分離すべき被分離液を供
給するようにしなければならないが、溶離剤供給管につ
いては、種々のクロマクトグラフィの方式により異な
り、例えば本実施例の如く溶離剤が環状充填部の上部に
所定レベルの液位であるように供給し、溶離剤が環状充
填部全体に均一に降下するようする場合は、環状充填部
と同様に固定式としても良く、また、例えばグラジエン
ト溶離およびステップ溶離の場合には、その先端が環状
充填部の該環状に沿って移動しながら溶離液を供給する
ようにしなければならない場合がある。
【0065】なお、これらステップ溶離法やグラジエン
ト溶離法を効果的に行うために、特開平4−22782
0号公報に開示された如く、環状充填部を半径方向に区
画する上下方向の隔壁を設けても良い。また、本発明に
係る環状クロマトグラフィー装置は、従来例で述べたイ
オン交換クロマトグラフィー法、サイズ排除クロマトグ
ラフィー法、分配クロマトグラフィー法、吸着クロマト
グラフィー法、光学分割クロマトグラフィー、ヒドロキ
シアパタイトクロマトグラフィー、アフィニテークロマ
トグラフィー等に適用できるのは勿論である。
【0066】以上のように、特定の実施例を参照して本
発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、当該技術分野における熟練者等により、本発明に
添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々
の変更及び修正が可能であるとの点に留意すべきであ
る。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の環状クロ
マトグラフィー装置によれば、少なくとも被分離液を供
給する被分離液供給管を移動するようにし、充填剤を充
填した環状充填部を固定にすることにより、従来の環状
クロマトグラフィー装置の被分離液供給管を固定し、環
状充填部を回転するようにした方式のものと相対的に同
じ関係を保つと共に、固定された環状充填部の下部の各
流出口を弁を介して各分離成分と溶離剤に対応した複数
の排出流路に連絡し、弁切換制御手段で前記被分離液供
給管の環状移動位置に応じて常に所定の排出流路を選択
するようにしたので、環状充填部下端の被分離液の各成
分の見掛け上の横方向(周方向)の移動に合わせて、そ
れぞれ弁が切り換えられ、各成分に対応した排出流路
(溶離剤のみの排出流路もある)が選択される。これに
より、各成分が的確に所定の排出流路に分離回収される
と共に、受皿のような回転するものがなく、流出液の採
取に際して気密性が保たれ、溶離剤に有機溶剤を使う場
合に必要となる防爆対策や無菌を要する被分離液の無菌
保持等が容易となると共に、各成分を的確に分離回収で
きる有用性大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す斜視断面図
【図2】 同上実施例における弁の構成を示す図で、
(A)は正面断面図、(B)は目皿形状部分の平面図
【図3】 同上実施例の環状排出流路の選択機構の作動
説明図
【図4】 同上実施例の弁切換制御手段の構成を示す図
【図5】 同上実施例の他の弁切換制御手段の構成を示
す図
【図6】 実験に用いた円環状クロマトグラフィー装置
の斜視図
【図7】 本発明の一実施例を用いた実験例1の結果を
示す図
【図8】 本発明の一実施例を用いた実験例2の結果を
示す図
【図9】 他の実施例の概略説明図
【図10】 従来の環状クロマトグラフィー装置の概略説
明図
【符号の説明】
10 環状クロマトグラフィー装置本体 34 環状充填部 62 原料通路 65 原料フィードパイプ 68 流出口 74 溶離剤供給管 117 環状排出流路 118 流出管 119 自動切換弁 120 近接センサ 121 位置決めバー 122 制御装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状に充填剤を充填した環状充填部と、
    該環状充填部下端に設けられ、当該環状充填部からの排
    出液を導出する複数の流出口とを備え、前記環状充填部
    を固定すると共に、少なくとも前記環状充填部に溶離剤
    を供給する溶離剤供給管と、前記環状充填部の環状に沿
    って移動しながら分離すべき被分離液を供給する被分離
    液供給管とを前記環状充填部上部に設け、前記流出口そ
    れぞれは、各分離成分と溶離剤に対応した複数の排出流
    路に弁を介して連絡されると共に、前記各流出口が前記
    被分離液供給管の環状移動位置に応じて常にそれぞれ所
    定の前記排出流路と連通するべく前記弁を切換制御する
    弁切換制御手段を設けたことを特徴とする環状クロマト
    グラフィー装置。
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