JPH0719797Y2

JPH0719797Y2 - 熱転写型プリンタ装置

Info

Publication number: JPH0719797Y2
Application number: JP6751589U
Authority: JP
Inventors: 英史田中; 稜雄高梨
Original assignee: Victor Company of Japan Ltd
Current assignee: Victor Company of Japan Ltd
Priority date: 1989-06-09
Filing date: 1989-06-09
Publication date: 1995-05-10
Anticipated expiration: 2004-06-09
Also published as: JPH036942U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は記録紙に対して良好な予備加熱を行なうととも
に、記録紙のカールが生じない熱転写型プリンタ装置に
関する。

（従来の技術）従来から、転写紙表面のカラーインクをサーマルヘッド
の熱で溶融あるいは昇華させて記録紙に順次転写するこ
とによってカラー画像印刷を行なう熱転写型のプリンタ
装置が一般的に知られている。

この種のプリンタ装置は、第５図及び第６図に示すよう
に、記録紙Ｋの前端部をプラテンローラ２に保持するク
ランパ１と、このクランパ１によって保持された状態で
記録紙が巻き付けられるプラテンローラ２と、上記転写
紙Ｔが巻装された一対のロール3,4及び軸５にて枢支さ
れて印刷モード時に上記転写紙Ｔと記録紙Ｋとを介して
プラテンローラ２に圧接されるサーマルヘッド６とを備
えている。

なお、上記転写紙Ｔには、イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラック等の各色のカラーインクが長手方向にダン
ダラ状に順次塗布されており、各色のカラーインクの幅
は各々略１画面分に相当している。

また、上記サーマルヘッド６は、プラテンローラ２の軸
と平行に１列に連なる複数の発熱体から成る発熱部6aを
有し、各発熱体に所定の信号電流を供給して各々発熱さ
せることによって１ライン分の印刷を同時に行なうもの
である。

このようなプリンタ装置における印刷動作は、まず給紙
トレイ７から給紙された上記記録紙Ｋを上記クランパ１
によってプラテンローラ２に保持する。

その後、上記プラテンローラ２をプラテンモータ８にて
回転させるとともに、巻取りモータ９によって巻取り側
の上記ロール３に転写紙Ｔを巻き取りつつ、プラテンロ
ーラ２に圧接された上記サーマルヘッド６に信号電流を
通電し、これによって転写紙Ｔに塗布されたカラーイン
クを記録紙Ｋに転写する。

そして、最初の一色目の印刷が終了すると、上記プラテ
ンローラ２を高速回転させて記録紙Ｋを記録開始位置に
戻すとともに、上記巻取り側ロール３にて転写紙Ｔを巻
き取って新たな色（二色目の色）のカラーインクが塗布
された部分を上記記録紙に対接させて再度上述のような
印刷を行なう。

以降、このような動作を繰り返して、各色のカラーイン
クを面順次で順次重ね合せることによりカラー画像印刷
を行なう。

そして、全ての色による印刷が終了すると上記サーマル
ヘッド６が軸５を中心として図中時計回り方向に回転さ
れてプラテンローラ２から離間し、さらに、印刷された
記録紙Ｋが排紙トレイ10に排紙されて印刷動作を終了す
る。

（考案が解決すべき課題）ところで、上述のような熱転写型のプリンタ装置におい
ては、ベースフィルムから溶融あるいは昇華されたカラ
ーインクを記録紙Ｋに付着、あるいは浸透し易くすると
ともに濃度ムラが発生しないようにするために、予め記
録紙の予備加熱を行なうことによって記録紙Ｋを40℃〜
50℃に暖めていた。

そして、このような予備加熱を行なうための手段として
は、例えば実開昭59−153134号公報に記載されているよ
うに温風器によって、プラテンローラ２に保持された記
録紙Ｋの表面に温風を吹き付けたり、プラテンローラ２
内にヒータを設けてプラテンローラ自体を加熱するよう
にしたものが提案されていた。

しかしながら、上述のような従来のものにおいては、記
録紙の広い範囲に亘って加熱するために、この予備加熱
のための消費電力が大きくなるという欠点があった。

また、予備加熱によって記録紙の温度分布が不均一にな
った場合には濃度ムラの原因になるが、従来の予備加熱
の手段では均一な加熱ができないという欠点があった。

さらに、上記サーマルヘッド６の発熱温度（約150℃程
度）に比べると予備加熱の温度は低いために記録紙Ｋの
表面（記録面）側への加熱温度が裏面に比して圧倒的に
高くなる。

このため、従来の場合には記録紙が表面側にカールして
しまうという欠点があった。

（課題を解決するための手段）本考案は上述のような実情に鑑みてなされたものであ
り、低消費電力によって均一な予備加熱を行なうことが
できる熱転写プリンタ装置、及び記録紙のカールを防止
することができる熱転写型プリンタ装置を提供すること
を目的とする。

そして、本考案にこの目的を達成するために、プラテン
ローラに巻き付けられた記録紙に転写紙を介してサーマ
ルヘッドを圧接させ、上記転写紙に塗布されたインクを
このサーマルヘッドの発熱により記録紙の表面に転写す
る熱転写型プリンタ装置であって、上記プラテンローラの表面に、このプラテンローラの軸
方向で、上記サーマルヘッドの発熱部と略対向した場合
にのみ発熱する発熱部材を設け、この発熱部材によって
上記サーマルヘッドと当接した部分における記録紙の裏
面を加熱することを特徴とする熱転写型プリンタ装置、
及びプラテンローラに巻き付けられた記録紙に転写紙を介し
てサーマルヘッドを圧接させ、上記転写紙に塗布された
インクをこのサーマルヘッドの発熱により記録紙の表面
に転写する熱転写型プリンタ装置であって、印刷終了後に上記プラテンローラから剥離されて排紙さ
れる記録紙の裏面に対して温風を吹き付けて上記記録紙
の熱による変形を矯正するための加熱手段を設けたこと
を特徴とする熱転写型プリンタ装置、を提供するもので
ある。

（実施例）以下、本考案に係る熱転写型プリンタ装置の好適な一実
施例を第１図ないし第４図を用いて詳細に説明する。な
お、説明の便宜上、先に示した部材と同一部材に対して
は同じ符号を付して説明を省略する。

第１図は本考案に係る熱転写型プリンタ装置の構成を示
す概略側面図であり、このプリンタ装置は一般的なプラ
テンローラ２とサーマルヘッド６及び転写紙Ｔが巻回さ
れた一対のロール3,4を備えている。

また、上記プラテンローラ２の表面にはシート状の導電
部材11が外周面に貼着されている。

この導電部材11としては、ゴムシートにカーボンを混入
させた導電性ゴムシート、あるいはプラスチックシート
上にカーボン、窒化タンタル（TaN₂）、モリブデン等の
抵抗材料を塗布して形成されており、この導電部材11は
加熱電流が流れた時にこの加熱電流のレベルに応じて発
熱するものである。

また、この導電部材11には、第２図に示すようにプラテ
ンローラ２の幅方向（軸方向と平行）に位置してこの導
電部材11に摺接する一対の電極12,13を介して所定レベ
ルの加熱電流が供給される。

これら一対の電極12,13は、図示するようにプラテンロ
ーラ２とサーマルヘッド６とが当接する直線部分におけ
る延長線上に各々配置されており、供給される電流は導
電部材11の最短経路、すなわち各電極12,13を結んだ直
線上を図中破線にて示すように流れ、その直線部分近傍
における導電部材11を均一に発熱させる。

よって、これら電極12,13により、この導電部材11に
は、サーマルヘッド６と当接した直線部分に電流が流さ
れてこれを発熱させるため、本実施例においては上記サ
ーマルヘッド６と当接している直線部分近傍における記
録紙Ｋの裏面が50℃程度に加熱される。

このような構成のプリンタ装置において、熱昇華型のイ
ンクの場合には、順次圧接積層されるサーマルヘッド６
の発熱部6aと保護膜6b、転写紙ＴのベースフィルムTaと
カラーインクTb、記録紙Ｋのインク受容層KaとベースKb
の厚み方向の温度分布が、第３図に示すように特にイン
ク受容層Ka部分で導電部材11を設けない場合に比して急
峻となる。

このため、サーマルヘッド６の発熱によって昇華された
カラーインクの記録紙Ｋへの浸透が良好となり、インク
の転写効率が良好となる。

しかも、本実施例によれば、記録紙Ｋのサーマルヘッド
６の発熱部6aとの当接部分近傍の裏面だけが加熱される
ため、この部分における温度分布が均一になり濃度ムラ
が発生し難くなるとともに、加熱部分が局部的であるた
めに従来の加熱手段に比して消費電力を少なくすること
ができる。

なお、上述のような導電部材11としては、圧力をかけた
場合にのみ電気を通して発熱する圧力導電部材を用いて
もよく、その場合にはサーマルヘッド６の発熱部6aによ
って押圧された直線部分にのみ電流が流れて発熱するた
めに上述の導電部材11と同様な効果を得ることができ
る。

一方、排紙ローラ14,15及び排紙爪16等によって形成さ
れる上記記録紙Ｋの排紙通路17近傍には第１図に示すよ
うに温風器18が配置されており、上記サーマルヘッド６
の熱によって表面側にカールした記録紙Ｋの変形を、こ
の温風器18によって記録紙Ｋの裏面に温風を吹き付けて
加熱することによって矯正するようになっている。

この温風器18は、第４図に示すように全体としてカマボ
コ状に形成されており、その前面に形成された記録紙の
幅方向に連なる長孔状の送風口19からヒータ20によって
加熱された温風をファン21によって吹き出し、この温風
を排紙される記録紙Ｋの裏面に吹き付ける。

これによって、本実施例においては、上記記録紙Ｋの裏
面が約180℃程度の高温に加熱される。

また、排紙通路17を挟んで上記温風器18と対向する位置
には、温風の吹出し方向とは逆に湾曲形成されたガイド
板19が配置されており、温風の吹付けによって撓んだ記
録紙Ｋをこのガイド板19によってガイドするようになっ
ている。

このような構成の実施例においては、サーマルヘッド６
の熱によって表面側にカールした記録紙Ｋの裏面に温風
を吹き付けることによって、この記録紙Ｋの変形を矯正
することができる。

そして、このような効果は、OHPフィルムのような熱に
よる変形の大きなものを記録紙として用いる場合に特に
顕著である。

また、本実施例においては、このような記録紙Ｋに対す
る加熱は記録紙を排紙する段階で行なわれるため、記録
動作を妨げることにはならない。

ところで、上述の実施例においては、上記記録紙Ｋをプ
ラテンローラ２の表面に直接保持したが、このプラテン
ローラ２と記録紙Ｋとの間に熱伝導率の低いシート状の
補助部材を介在させることによって記録紙Ｋの表面と裏
面との温度差を少なくするようにしてもよい。

すなわち、記録紙Ｋをプラテンローラ２に直接接触させ
ると、この記録紙Ｋへのサーマルヘッド６からの熱がプ
ラテンローラ２に逃げてしまい、これによって記録紙Ｋ
の表面と裏面との温度差が大きくなる。

これに対して、記録紙Ｋとプラテンローラ２との間に補
助部材を介在させることによって、上述のようなサーマ
ルヘッド６からの熱がプラテンローラ２に逃げることを
防止することができ、記録紙Ｋの表面と裏面との温度差
を少なくすることができる。

そして、このような効果によって、特にOHPフィルムの
ような記録紙の熱による変形を極力防止することができ
るとともに、サーマルヘッド６の発熱部の温度と記録紙
Ｋ上の温度とが略一致するためにサーマルヘッド６に対
する記録電流を従来に比して小さくすることができる。

また、サーマルヘッド６の温度変化の巾も充分に大きく
することができるために記録濃度及び階調特性の向上を
図ることができる。

なお、上記補助部材としては、例えば熱伝導率が低く、
かつ表面性が良い上質紙等を用いてもよく、この上質紙
を記録紙の裏面に接着して用いればよい。

また、この上質紙と記録紙Ｋとの接着部を記録部分以外
（記録されない余白部分）にして記録紙と上質紙との間
に空気層を設けることによってプラテンローラ２への熱
の拡散を一層効率よく防止することができる。

さらに、上記補助部材としては上述のような上質紙のみ
ならず、プラテンローラ２の表面に固定するシート状の
ものであってもよい。

（考案の効果）上述の説明から明らかなように、本考案によれば、記録
紙におけるサーマルヘッドが圧接される直線部分近傍の
裏面のみを加熱することによってインクの転写効率を良
くすることができるとともに、濃度ムラの発生を防止す
ることができる。

また、記録紙の加熱は局部的なものであるため、従来に
比して予備加熱に用する消費電力を少なくすることがで
きる。

一方、他の本考案によれば、表面側にカールした記録紙
の裏面を高温に加熱することによって記録紙の変形を矯
正することができる。

また、このような加熱は記録紙を排紙する段階で行なわ
れるため、記録動作を妨げることにはならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る熱転写型プリンタ装置の一実施例
を示す側面図、第２図は同じくプラテンローラ近傍を示
す斜視図、第３図はサーマルヘッドとプラテンローラと
の圧接部分の温度分布を模式的に示すグラフ、第４図は
本考案に係る加熱手段（温風器）を示す斜視図、第５図
は従来の一般的な熱転写型プリンタ装置の側面図、第６
図は同じくプラテンローラ周辺部の斜視図である。１…クランパ、２…プラテンローラ、６…サーマルヘッ
ド、11…導電部材（発熱部材）、12,13…電極、18…温
風器（加熱手段）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ４１Ｊ 29/00 Ｈ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】プラテンローラに巻き付けられた記録紙に
転写紙を介してサーマルヘッドを圧接させ、上記転写紙
に塗布されたインクをこのサーマルヘッドの発熱により
記録紙の表面に転写する熱転写型プリンタ装置であっ
て、上記プラテンローラの表面に、このプラテンローラの軸
方向で、上記サーマルヘッドの発熱部と略対向した場合
にのみ発熱する発熱部材を設け、この発熱部材によって
上記サーマルヘッドと当接した部分における記録紙の裏
面を加熱することを特徴とする熱転写型プリンタ装置。
【請求項２】プラテンローラに巻き付けられた記録紙に
転写紙を介してサーマルヘッドを圧接させ、上記転写紙
に塗布されたインクをこのサーマルヘッドの発熱により
記録紙の表面に転写する熱転写型プリンタ装置であっ
て、印刷終了後に上記プラテンローラから剥離されて排紙さ
れる記録紙の裏面に対して温風を吹き付けて上記記録紙
の熱による変形を矯正するための加熱手段を設けたこと
を特徴とする熱転写型プリンタ装置。