JPH07197846A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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Publication number
JPH07197846A
JPH07197846A JP35168993A JP35168993A JPH07197846A JP H07197846 A JPH07197846 A JP H07197846A JP 35168993 A JP35168993 A JP 35168993A JP 35168993 A JP35168993 A JP 35168993A JP H07197846 A JPH07197846 A JP H07197846A
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JP
Japan
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internal combustion
valve
combustion engine
intake
valve timing
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Application number
JP35168993A
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English (en)
Inventor
Masato Matsumoto
正人 松本
Yoshio Maeda
義男 前田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼室内の充填効率の特性に応じて切り換え
られる制御因子の段階数より少ない数のマップを用いて
充填効率の特性を切り換えても、トルク出力の低下など
の不具合を防止することができる内燃機関の制御装置を
提供する。 【構成】 吸気弁41の開弁期間およびリフト量を3段
階に切り換え可能な内燃エンジン1を制御するECU5
には、各バルブタイミングに応じて切り換えられる3段
階の点火時期データの種類より少ない数の2つのマップ
を格納するマップメモリ領域5c1,5c2に設けられ
ている。メモリマップ領域5c1には低速用点火時期デ
ータと高速用点火時期データのマップが記憶され、他方
のマップメモリ領域5c2には中速用点火時期データの
マップが記憶される。1つのマップメモリ領域5c1,
5c2中の中高速バルブタイミング用マップのデータと
データとは互いに連続しない運転パラメータの値範囲に
対応し、同一の運転状態のパラメータに応じた点火時期
θigデータを重複して持たないのでヒステリシス特性
を活したバルブタイミングの切換を行なえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の制御装置に関
し、より詳しくは燃焼室内の充填効率の異なる吸気特性
毎に設けられ内燃機関の燃焼に影響を及ぼす制御因子の
マップを切り換えて、該制御因子を制御する内燃機関の
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、吸気弁の開閉弁時期やリフト量、
又は複数吸気弁の一方を実質的に休止状態に近い極小リ
フト量とするなどのバルブタイミングを2段階に切り換
え可能な内燃機関の制御装置が知られている。前記バル
ブタイミングの各段階では燃焼室内に生ずる混合気の旋
回流やターブル流等の筒内流動の違いにより燃焼速度に
大きな違いが生じたり、吸気充填効率の特性が変化した
りするので、各段階毎に内燃機関の運転状態パラメータ
に応じた点火時期θigを2枚のそれぞれのマップに設
定することにより、吸気弁のバルブタイミングに応じた
点火時期θigを最適値に制御するようにしている。
【0003】また一方で、吸気弁のバルブタイミングを
3段階に切り換えて出力を高めたいという要求がある。
吸気弁のバルブタイミングを3段切換にする場合に、マ
ップメモリを増設して3つのマップを格納しECUが切
換制御することも考えられるが、新たに容量増大に伴う
ECUの電気的構成を変更しなければならず、2段切換
の場合と互換性がなくなってしまう。そこで、2段切換
を行なっていた従来のECUで3段階の切換制御をする
ことを考えると、点火時期θigのマップを格納するマ
ップメモリの容量が1段階分不足するので、いずれか一
方のマップに2段階分の点火時期θigのデータを格納
しなければならなくなる。図9は3段階分の点火時期θ
igのマップを2つのメモリマップに分割して格納する
場合を示す説明図である。
【0004】この場合、バルブタイミングを低速バルブ
タイミング(LoVT)、中速バルブタイミング(Mi
dVT)、高速バルブタイミング(HiVT)と3段階
の点火時期に分割し、そのうちリーンバーンエミッショ
ンモード領域の精度を上げるために、低速バルブタイミ
ング(LoVT)用の点火時期θigデータを独立した
一方のマップに格納し、中速バルブタイミング(Mid
VT)および高速バルブタイミング(HiVT)用の点
火時期θigデータを他方のマップに格納することが一
般的に考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、中速バ
ルブタイミング(MidVT)および高速バルブタイミ
ング(HiVT)で設定される点火時期θigに大きな
差があると、MidVTからHiVTに移行するときに
生ずるノッキングを防止するには進角側の点火時期θi
gをリタードし、遅角側にスムーズに揃えなければなら
ない。
【0006】このため、図2の点線aに示すように、M
idVTからHiVTに移行するときに点火時期θig
をリタードさせると進角側バルブタイミングMidVT
で得られるべきエンジントルク出力Tが図10の点線に
示すように下がってしまう。尚、図2は点火時期θig
のマップの切り換えを説明するためのエンジン回転数N
Eに対する点火時期特性を示す説明図、また図10はエ
ンジン回転数NEに対応したトルク出力Tを示すグラフ
である。このように、中速バルブタイミング(MidV
T)用の点火時期θigデータおよび高速バルブタイミ
ング(HiVT)用の点火時期θigデータを1つのマ
ップに格納しようとすると、ノッキングを回避する方向
にバルブタイミングの切換を行なわなければならず、ト
ルク出力の低下を招いてしまうといった問題があった。
【0007】そこで、本発明は燃焼室内の筒内流動や充
填効率の特性に応じて切り換えられる制御因子の段階数
より少ない数のマップを用いて充填効率の特性を切り換
えても、トルク出力の低下などの不具合を防止すること
ができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関の充填効
率や燃焼室内流動等の吸気特性が異なる3段以上の特性
に切り換える吸気特性変更手段と、内燃機関の燃焼に影
響を及ぼす制御因子の、内燃機関の運転パラメータに応
じた記憶値のマップを前記複数の吸気特性に対応して複
数格納するマップ格納手段と、前記吸気特性変更手段に
よって切り換えられる前記吸気特性に応じて前記マップ
を切り換えるマップ切り換え手段と、前記内燃機関の前
記運転パラメータに応じて前記切り換えられたマップか
ら前記記憶値を読み出して前記制御因子を制御する内燃
機関の制御装置において、前記複数のマップの少なくと
も1つには、前記運転パラメータの連続しない少なくと
も2以上の値範囲に夫々対応する記憶値群が設定されて
いることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の内燃機関の制御装置では、吸気特性変
更手段により内燃機関の充填効率や燃焼室内流動等の吸
気特性が異なる3段以上の特性に切り換え、マップ格納
手段により内燃機関の燃焼に影響を及ぼす制御因子の内
燃機関の運転パラメータに応じた記憶値のマップを前記
複数の吸気特性に対応して複数格納し、前記吸気特性変
更手段によって切り換えられる前記吸気特性に応じて前
記マップをマップ切り換え手段により切り換え、前記内
燃機関の前記運転パラメータに応じて前記切り換えられ
たマップから前記記憶値を読み出して前記制御因子を制
御する際に、前記複数のマップの少なくとも1つには前
記運転パラメータの連続しない少なくとも2以上の値範
囲に夫々対応する記憶値群が設定されている。
【0010】
【実施例】以下、本発明の内燃機関の制御装置の一実施
例を添付図面に基づいて詳述する。
【0011】図1は本実施例の内燃機関の制御装置の全
体の概略を示す構成図である。内燃エンジン1は各シリ
ンダに吸気弁と排気弁とを備える。
【0012】エンジン1の吸気管2の途中にはスロット
ルボディ3が設けられ、その内部にはスロットル弁3′
が配されている。スロットル弁3′にはスロットル弁開
度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロット
ル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロ
ールユニット(以下「ECU」という)5に供給する。
【0013】燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁
3′との間且つ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流
側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない
燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に
接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射の開
弁時間が制御される。
【0014】エンジン1の各気筒毎に設けられた点火プ
ラグ22は駆動回路21を介してECU5に接続されて
おり、ECU5により点火プラグ22の点火時期θig
が制御される。
【0015】また、ECU5の出力側には、後述するバ
ルブタイミング切換制御を行なうための電磁弁23が接
続されており、該電磁弁23の開閉作動がECU5によ
り制御される。
【0016】更に同様にECU5の出力側に排気ガスを
吸気系に還流すべく流量を制御するEGR制御弁24が
接続されており、該制御弁24の作動がECU5により
制御される。
【0017】一方、スロットル弁3′の直ぐ下流には管
7を介して吸気管内絶対圧(PBA)センサ8が設けら
れており、この絶対圧センサ8により電気信号に変換さ
れた絶対圧信号は前記ECU5に供給される。また、そ
の下流には吸気温(TA)センサ9が取付けられてお
り、吸気温TAを検出して対応する電気信号を出力して
ECU5に供給する。
【0018】エンジン1の本体に装着されたエンジン水
温(Tw)センサ10はサーミスタ等から成り、エンジ
ン水温(冷却水温)Twを検出して対応する温度信号を
出力してECU5に供給する。エンジン回転数(NE)
センサ11及び気筒判別(CYL)センサ12はエンジ
ン1のカム軸周囲又はクランク軸周囲に取付けられてい
る。エンジン回転数センサ11はエンジン1のクランク
軸の180度回転毎に所定のクランク角度位置でパルス
(以下「TDC信号パルス」という)を出力し、気筒判
別センサ12は特定の気筒の所定のクランク角度位置で
信号パルスを出力するものであり、これらの各信号パル
スはECU5に供給される。
【0019】三元触媒14はエンジン1の排気管13に
配置されており、排気ガス中のHC,CO,NOx等の
成分の浄化を行う。排気ガス濃度検出器としてのO2
ンサ15は排気管13の三元触媒14の上流側に装着さ
れており、排気ガス中の酸素濃度を検出してその検出値
に応じた信号を出力しECU5に供給する。
【0020】ECU5は各種センサからの入力信号波形
を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ
信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入
力回路5a、中央演算処理回路(以下「CPU」とい
う)5b、CPU5bで実行される各種演算プログラム
及び演算結果等を記憶する記憶手段5c、前記燃料噴射
弁6、駆動回路21及び電磁弁23に駆動信号を供給す
る出力回路5d等から構成される。
【0021】CPU5bは上述の各種エンジンパラメー
タ信号に基づいて、排気ガス中の酸素濃度に応じた空燃
比のフィードバック制御運転領域やオープンループ制御
運転領域等の種々のエンジン運転状態を判別するととも
に、エンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAとに応
じて点火時期θigを決定する。記憶手段5cには、点
火時期θigを決定するためのθigマップを格納する
ために、吸気弁のバルブタイミング特性に応じて選択さ
れる2つのマップメモリ領域5c1,5c2が設けられ
ている。マップメモリ領域5c1には低速バルブタイミ
ング用のθigLデータと高速バルブタイミング用のθ
igHデータとが低高速バルブタイミングマップとして
格納されており、マップメモリ領域5c2には中速バル
ブタイミング用のθigMデータが中速バルブタイミン
グマップとして格納されている。これらのマップメモリ
領域5c1,5c2はCPU5bによって切り換えられ
て選択的に読み出される。図3の(A)はマップメモリ
5c1領域に記憶される低高速バルブタイミングマッ
プ、図3の(B)はマップメモリ領域5c2に記憶され
る中速バルブタイミングマップを示す説明図である。図
において斜線部分は点火時期θigの実用領域を示す。
図6は全負荷時のエンジン回転数NEに応じて決定され
る3段階のバルブタイミングに応じた点火時期θigを
示す特性図であり、図3のマップは図6の特性に従って
設定されている。
【0022】CPU5bは更に後述する図5に示す手法
により、バルブタイミングの切換を指示するための信号
を出力して電磁弁23の開閉制御を行なう。つぎに、バ
ルブタイミングを切り換える機械的構造について説明す
る。
【0023】図4はエンジン1の要部縦断面図である。
シリンダブロック31内に4つのシリンダ32が直列に
並んで設けられ、シリンダブロック31の上端に結合さ
れるシリンダヘッド33と、各シリンダ32に摺動可能
に嵌合されるピストン34との間には燃焼室35がそれ
ぞれ画成される。またシリンダヘッド33には、各燃焼
室35の天井面を形成する部分に、一対の吸気口36及
び一対の排気口37がそれぞれ設けられ、各吸気口36
はシリンダヘッド33の一方の側面に開口する吸気ポー
ト38に連なり、各排気口37はシリンダヘッド33の
他方の側面に開口する排気ポート39に連なる。
【0024】シリンダヘッド33の各シリンダ32に対
応する部分には、各吸気口36を開閉可能な一対の吸気
弁40iと、各排気口37を開閉可能な一対の排気弁4
0eとを案内すべく、ガイド筒41i,41eがそれぞ
れ嵌合、固定されており、それらのガイド筒41i,4
1eから上方に突出した各吸気弁40i及び各排気弁4
0eの上端にそれぞれ組付けられる鍔部42i,42e
と、シリンダヘッド33との間には弁ばね43i,43
eがそれぞれ縮設され、これらの弁ばね43i,43e
により各吸気弁40i及び各排気弁40eは、上方即ち
閉弁方向に付勢されている。
【0025】シリンダヘッド33と、該シリンダヘッド
33の上端に結合されるヘッドカバー44との間には作
動室45が画成され、この作動室45内には、各シリン
ダ32における吸気弁40iを開閉駆動するための吸気
弁側動弁装置47iと、各シリンダ32における排気弁
40eを開閉駆動するための排気弁側動弁装置47eと
が収納、配置される。両動弁装置47i,47eは、基
本的には同一の構成を有するので、吸気弁側動弁装置4
7iについてのみ説明する。
【0026】吸気弁側動弁装置47iは、機関のクラン
ク軸(図示せず)から1/2の速度比で回転駆動されるカ
ムシャフト48iと、各シリンダ32にそれぞれ対応し
てカムシャフト48iに設けられる高速用カム51i、
中速用カム50i及び低速用カム49iからなるバルブ
タイミング用カムと、カムシャフト48iと平行にして
固定配置されるロッカシャフト52iと、各シリンダ3
2にそれぞれ対応してロッカシャフト52iに枢支され
る第1駆動ロッカアーム53iと連結切換機構(流体圧
式切換機構)56iとを備える。連結切換機構56i
は、図示しない給油路の油圧によって切換作動し、給油
路の油圧は前述の電磁弁23の開閉によって制御され
る。かかる連結切換機構56iの作動によってロッカア
ーム53iを作動するバルブタイミング用カムは低速用
カム49i、中速用カム50i、高速用カム51iのい
ずれかに切り換えられる。従って、3段階に切り換えら
れたロッカアーム53iの動きによって吸気弁40iの
開閉時期としての開弁期間およびリフト量は変わり、バ
ルブタイミングが変更される。
【0027】上記のように構成されたエンジン1の吸気
弁側動弁装置47iの作動について以下に説明する。
【0028】ECU5から電磁弁23に対して第1の開
弁指令信号が出力されると、該電磁弁23が開弁作動
し、連結切換機構56iが作動する。高速用カム51i
によってロッカアーム53iの作動による吸気弁40i
は、開弁期間とリフト量を比較的大きくした高速バルブ
タイミングで開閉作動する。同様にECU5から電磁弁
23に対して第2の開弁指令信号が出力されると、電磁
弁23が第2の開弁作動し、連結切換機構56iが作動
する。中速用カム50iによってロッカアーム53iが
作動し、吸気弁40uiは高速バルブタイミングに比較
して開弁期間とリフト量が小さい中速バルブタイミング
で開閉作動する。
【0029】一方、ECU5から電磁弁23に対して閉
弁指令信号が出力されると、電磁弁23が閉弁作動し、
連結切換機構56iが上記と違った作動をして、低速用
カム49iによってロッカアーム53iが作動し、吸気
弁40iが開弁期間とリフト量を比較的小さくした低速
バルブタイミングで作動する。
【0030】ECU5によるバルブタイミングの切換制
御について説明する。図5はバルブタイミング切換ルー
チンを示すフローチャートである。本ルーチンはTDC
信号パルス発生毎にこれと同期して実行される。
【0031】まず、エンジン1が始動中であるか否かを
エンジン回転数NE等により判別する(ステップS
1)。
【0032】始動中でないときは、つづいてエンジン水
温Twが設定温度Tw1(例えば60℃) より低いか否
か、即ち暖機が完了したか否かを判別する(ステップS
2)。
【0033】既に、暖機が完了しているときには図中二
点鎖線で示されるバルブタイミングの切換処理(ステッ
プS3)を行なう。バルブタイミングの切換処理(ステ
ップS3)では、まずエンジン回転数NEが第1下限値
NE 1(例えば2500rpm(図2参照))以上であ
るか否かを判別する(ステップS4)。ここで、第1下
限値NE1はエンジン回転数NEが低下してきて、中速
バルブタイミング(MidVT)から低速バルブタイミ
ング(LoVT)に切り換えるときのエンジン回転数で
あり、例えば2500rpmである。
【0034】エンジン回転数NEが第1下限値NE1よ
り低いときは低速バルブタイミング(LoVT)の実行
に移行する(ステップS5)。低速バルブタイミングの
実行(ステップS5)では、ECU5が電磁弁23に閉
弁指令信号を出力して低速用カム49iの作動を選択す
る。CPU5bは低高速バルブタイミング用マップメモ
リ領域5c1から図3(A)に示す低高速バルブタイミ
ングから低速用点火時期データθigLを検索して、エ
ンジン回転数NEおよび吸気管内絶対圧PBAに応じた
点火時期θigLを決定して本ルーチンを終了する(ス
テップS10)。
【0035】一方、エンジン回転数NEが第1下限値N
E1以上のときは、さらに第2下限値NE2以上である
か否かを判別する(ステップS6)。ここで、第2下限
値NE2はエンジン回転数NEが上昇してきて、低速バ
ルブタイミング(LoVT)から中速バルブタイミング
(MidVT)に切り換えるときのエンジン回転数であ
り、例えば3200rpmである。
【0036】エンジン回転数NEが第2下限値NE2よ
り低いときは、前回低速バルブタイミング(LoVT)
であったか否かを判別する(ステップS7)。低速バル
ブタイミングであったときにはバルブタイミングの切換
を行なわず、低速バルブタイミング(LoVT)を継続
して選択する(ステップS5)。一方、前回低速バルブ
タイミング(LoVT)でない、すなわち中速バルブタ
イミング(MidVT)であったときにもバルブタイミ
ングの切換を行わず、ECU5は電磁弁23に第2の開
弁指令信号を出力して中速バルブタイミング(MidV
T)を維持する(ステップS9)。
【0037】CPU5bは、中速バルブタイミング用マ
ップメモリ領域5c2から点火時期θigマップを検索
し(図3参照)、エンジン回転数NEおよび吸気管内絶
対圧PBAに応じた点火時期θigMを決定して(ステ
ップS11)、本ルーチンを終了する。
【0038】前述のステップS6でエンジン回転数NE
が第2下限値NE2以上であるときには、さらにエンジ
ン回転数NEが第1上限値NE3以上であるか否かを判
別する(ステップS12)。ここで、第1上限値NE3
はエンジン回転数NEが低下してきて高速バルブタイミ
ング(HiVT)から中速バルブタイミング(MidV
T)に切り換えるときのエンジン回転数であり、例えば
5500rpmである。第1上限値NE3より低いとき
は中速バルブタイミング(MidVT)を行う(ステッ
プS9)。一方、エンジン回転数NEが第1上限値NE
3以上であるときは、さらに第2上限値NE4以上であ
るか否かを判別する(ステップS13)。ここで、第2
上限値NE4はエンジン回転数が高くなってきて中速バ
ルブタイミング(MidVT)から高速バルブタイミン
グ(HiVT)に切り換えるときのエンジン回転数であ
り、例えば6200rpmである。
【0039】エンジン回転数NEが第2上限値NE4よ
り低いときは、前回中速バルブタイミング(MidV
T)であったか否かを判別する(ステップS14)。中
速バルブタイミング(MidVT)であったときにはバ
ルブタイミングの切換を行なわず、中速バルブタイミン
グ(MidVT)を維持する(ステップS9)。一方、
前回本ルーチンを実行したとき中速バルブタイミング
(MidVT)でない、すなわち高速バルブタイミング
(HiVT)であったときにもバルブタイミングの切換
を行わず、ECU5は電磁弁23に第1の開弁指令信号
を出力して、高速バルブタイミング(HiVT)を維持
する(ステップS16)。
【0040】CPU5bは低高速バルブタイミング用マ
ップメモリ5c1から高速用点火時期θigHマップを
検索し(図3参照)、エンジン回転数NEおよび吸気管
内絶対圧PBAに応じた点火時期θigHを決定して
(ステップS17)、本ルーチンを終了する。
【0041】このように本実施例のバルブタイミング切
換ルーチンでは、図2に示すようにエンジン回転数NE
が上昇してきて第2の下限値NE2以上になるとバルブ
タイミングを低速バルブタイミング(LoVT)から中
速バルブタイミング(MidVT)に切り換えると共
に、CPU5bが読み出すマップメモリ領域を低高速バ
ルブタイミング用マップメモリ領域5c1から中速バル
ブタイミング用マップメモリ領域5c2に切り替える。
さらにエンジン回転数NEが第2の上限値NE4以上に
なるとバルブタイミングを中速バルブタイミング(Mi
dVT)から高速バルブタイミング(HiVT)に切り
換えると共に、CPU5bが読み出すマップメモリ領域
を中速バルブタイミング用メモリマップ領域5c2から
低高速バルブタイミング用マップメモリ領域5c1に切
り替える。また、エンジン回転数NEが下降してきて第
1の上限値NE3より低くなると高速バルブタイミング
(HiVT)から中速バルブタイミング(MidVT)
に切り換えると共に、CPU5bが読み出すマップメモ
リ領域を低高速バルブタイミング用マップメモリ領域5
c1から中速バルブタイミング用マップメモリ領域5c
2に切り替える。さらに第1の下限値NE1より低くな
ると中速バルブタイミング(MidVT)から低速バル
ブタイミング(LoVT)に切り換えると共に、CPU
5bが読み出すマップメモリ領域を中速バルブタイミン
グ用マップメモリ領域5c2から低高速バルブタイミン
グ用マップメモリ領域5c1に切り替える。このよう
に、低速バルブタイミング(LoVT)と中速バルブタ
イミング(MidVT)との切換、中速バルブタイミン
グ(MidVT)と高速バルブタイミング(HiVT)
との切換用エンジン回転数においてヒステリシス特性を
備えているので、バルブタイミングの切換を滑らかに行
なうことができ、ノッキング回避のために点火時期θi
gをリタードさせる必要がなくなり、トルクT出力の低
下を抑えることができる。すなわち、図2の点線aに示
すように従来の点火時期θigではノッキングの発生を
回避するために第1上限値NE3の手前からリタードさ
せているのに対して本実施例では第2上限値NE4に至
って初めて点火時期をリタードさせることになるが、こ
のとき高速バルブタイミング(HiVT)の特性が選択
されるので点火時期が遅くなっても十分に高い高速バル
ブタイミング(HiVT)のトルク出力を得ることがで
きる。図7はエンジン回転数NEに対するトルクT出力
の変化を示すグラフである。図7において点線は点火時
期θigをリタードさせたときのトルク出力を示し、斜
線部分は改善されたトルク出力分を示しており、図10
における斜線部分bに相当する。
【0042】以上示したように、本実施例の内燃機関の
制御装置によれば、2つのマップメモリ領域(低高速バ
ルブタイミング用マップメモリ領域5c1、中速バルブ
タイミング用マップメモリ領域5c2)に記憶された3
段階の点火時期θigマップを用いてそれぞれのバルブ
タイミング(低速バルブタイミングLoVT、中速バル
ブタイミングMidVT、高速バルブタイミングHiV
T)に適した点火時期θigを設定するので、従来のH
i,Lo2段階のバルブタイミングに適用されるECU
5の構成そのままで、特にマップメモリ3段階の点火時
期θigマップを用いてそれぞれのバルブタイミング
(低速バルブタイミングLoVT、中速バルブタイミン
グMidVT、高速バルブタイミングHiVT)に適し
た点火時期θigを設定するので、従来のHi,Lo2
段階のバルブタイミングに適用されるECU5の構成そ
のままで、特にマップメモリを増設してその切換制御を
変更することなく、3段切換のバルブタイミングに適用
することができる。
【0043】しかも、低速バルブタイミング(LoV
T)、高速バルブタイミング(HiVT)用の点火時期
θigマップを1つの低高速用マップメモリ領域5c1
に格納して記憶するので、1つのマップメモリに対して
同一の運転状態パラメータ(エンジン回転数NEおよび
吸気管内絶対圧PBA)の点火時期θigを重複して持
つことがなく、点火時期θigにヒステリシス特性を付
加して最適なバルブタイミングの切換を行なうことがで
きる。
【0044】したがって、リタードによるノッキングを
回避でき、トルクT出力の低下を防ぐことができる。さ
らに、リタードによりHC成分が多量に排出して排気温
が上昇し、排気系の耐久性が低下することを防止でき
る。
【0045】尚、点火時期θigは低速バルブタイミン
グLoVT、中速バルブタイミングMidVTおよび高
速バルブタイミングHiVTの3段階の切換に限らず、
4段階以上の切換であってもよい。図8は4段切換にお
ける2つのマップメモリ領域に格納された点火時期θi
gのマップの記憶配置を示す説明図である。マップメモ
リ領域25c1には第1の低速用点火時期θigL1マッ
プおよび中速用点火時期θigMマップが格納されてい
る。マップメモリ領域25c2には第2の低速用点火時
期θigL2および高速用点火時期θigHが格納されて
いる。
【0046】また、バルブタイミングの切換に応じて切
り換えられる制御因子としては、点火時期θigに限ら
ず、要求出力燃費、エミッションを考慮し、燃焼速度、
燃焼状態が変化することに対応して最適な空燃比制御に
係る基本燃料噴射量Ti、空燃比補正係数KO2あるい
は排気還流量EGRでも良いことは勿論である。
【0047】
【発明の効果】本発明の内燃機関の制御装置によれば、
内燃機関の燃焼に影響を及ぼす制御因子の記憶値の複数
のマップの少なくとも1つには内燃機関の運転パラメー
タの連続しない少なくとも2以上の値範囲に夫々対応す
る記憶値群が設定されているので、運転状態パラメータ
に応じて前記マップを切り換えることにより、燃焼室の
充填効率の特性に応じて切り換えられる制御因子の段階
数より少ない数のマップを用いてもトルク出力の低下な
どの不具合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の内燃機関の制御装置の全体の概略を
示す構成図である。
【図2】点火時期θigのマップの切り換えを説明する
ためのエンジン回転数NEに対する点火時期特性を示す
説明図である。
【図3】マップメモリ領域5c1,5c2に記憶される
低速バルブタイミング用の点火時期θigLデータ、中
速バルブタイミング用の点火時期θigMデータ、高速
バルブタイミング用の点火時期θigHデータを示す説
明図である。
【図4】エンジン1の要部を示す縦断面図である。
【図5】バルブタイミング切換ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図6】全負荷時のエンジン回転数NEに応じて決定さ
れる3段階のバルブタイミングに応じた点火時期θig
を示す特性図である。
【図7】エンジン回転数NEに対するトルクT出力の変
化を示すグラフである。
【図8】2つのマップメモリ領域に格納された点火時期
θigのマップの記憶配置を示す説明図である。
【図9】3段階分の点火時期θigマップを2つのマッ
プに分割して格納する場合を示す説明図である。
【図10】エンジン回転数に対応したトルク出力を示す
グラフである。
【符号の説明】
5 ECU 5c 記憶手段 5c1 マップメモリ領域 5c2 マップメモリ領域 8 吸気管内絶対圧センサ 11 エンジン回転数センサ 23 電磁弁 40i 吸気弁 49i 低速用カム 50i 中速用カム 51i 高速用カム 53i ロッカアーム 56i 連結切換機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の充填効率や燃焼室内流動等の
    吸気特性が異なる3段以上の特性に切り換える吸気特性
    変更手段と、 内燃機関の燃焼に影響を及ぼす制御因子の、内燃機関の
    運転パラメータに応じた記憶値のマップを前記複数の吸
    気特性に対応して複数格納するマップ格納手段と、 前記吸気特性変更手段によって切り換えられる前記吸気
    特性に応じて前記マップを切り換えるマップ切り換え手
    段と、 前記内燃機関の前記運転パラメータに応じて前記切り換
    えられたマップから前記記憶値を読み出して前記制御因
    子を制御する内燃機関の制御装置において、 前記複数のマップの少なくとも1つには、前記運転パラ
    メータの連続しない少なくとも2以上の値範囲に夫々対
    応する記憶値群が設定されていることを特徴とする内燃
    機関の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記吸気特性変更手段は内燃機関の吸気
    弁の実質休止状態を含む開閉特性を切り換えることを特
    徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記吸気特性変更手段は、内燃機関の吸
    排気通路の開閉弁の開閉タイミング特性を切り換えるこ
    とを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】前記制御因子は点火時期であることを特徴
    とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6539785B1 (en) 1998-04-24 2003-04-01 Nissan Motor Co., Ltd. Diagnosis system for valve system of internal combustion engine
US7506620B2 (en) 2003-12-17 2009-03-24 Honda Motor Co., Ltd. Device and method for controlling internal combustion engine with universal valve gear system and variable compressing mechanism
DE102012112948A1 (de) * 2012-12-21 2014-06-26 Makita Corp. Verfahren und Vorrichtung zur Steuerung des Betriebs einer Verbrennungskraftmaschine

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DE102012112948A1 (de) * 2012-12-21 2014-06-26 Makita Corp. Verfahren und Vorrichtung zur Steuerung des Betriebs einer Verbrennungskraftmaschine

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