JPH07196700A - 抗カルシトニン抗体及びその作製方法、並びに該抗体を用いたカルシトニンの測定方法 - Google Patents

抗カルシトニン抗体及びその作製方法、並びに該抗体を用いたカルシトニンの測定方法

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JPH07196700A
JPH07196700A JP30894A JP30894A JPH07196700A JP H07196700 A JPH07196700 A JP H07196700A JP 30894 A JP30894 A JP 30894A JP 30894 A JP30894 A JP 30894A JP H07196700 A JPH07196700 A JP H07196700A
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calcitonin
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salmon
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Takeyuki Kono
武幸 河野
Masao Koida
雅夫 小井田
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SANDO YAKUHIN KK
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SANDO YAKUHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カルシトニンをより高感度で種特異的に測定
する方法を提供する。 【構成】 カルシトニン分子中のジスルフィド結合を還
元してSH基を遊離させたカルシトニン誘導体で動物を
免疫することを特徴とする抗カルシトニン抗体の作製方
法及び該方法から作製され得る抗カルシトニン抗体、並
びに該抗体を用いたカルシトニンの測定方法。 【効果】 カルシトニンをより高感度で種特異的に測定
でき、更に、測定に要する時間を2日間に短縮できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗カルシトニン抗体及び
その作製方法並びに該カルシトニン抗体を用いたカルシ
トニンの高感度測定法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カルシ
トニンは魚類、鳥類及び哺乳類の甲状腺C細胞に存在す
る分子量約3400の甲状腺ホルモンの一種であり、生
体内に於いては破骨細胞に作用し、骨吸収を抑制する結
果、骨形成を促進する作用を有すると考えられている。
【0003】日本国内においては、カルシトニン製剤は
高カルシウム血症治療薬として、又は骨粗鬆症患者など
の疼痛緩和を目的として筋注により投与されている。通
常、患者は一週間に数回の投与を必要とするが、注射に
よる投与であるため通院を必要とする。従って、臥床を
強いられる重度の骨粗鬆症患者の場合は入院での加療を
要している。
【0004】新しい投与経路での投与計画の確立や治療
効果の判定を行うには、先ず、患者に投与されたカルシ
トニンの血中濃度をより迅速で且つ高感度に測定するこ
とが好ましい。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる問題点
を顧みて、より迅速で且つ高感度なカルシトニン測定方
法を開発することを目的とし、研究した結果、種特異性
の高い抗カルシトニン抗体を使用することによってかか
る目的を達成し、本発明を完成させた。
【0006】即ち、本発明は抗カルシトニン抗体の作製
方法であって、カルシトニン分子中のジスルフィド結合
を還元してSH基を遊離させたカルシトニン誘導体で動
物を免疫することを特徴とする抗カルシトニン抗体の作
製方法に係わる。
【0007】このカルシトニン誘導体分子中の遊離SH
基にはキャリアー物質が結合していることが好ましく、
カルシトニンとしてはサケ等の各種動物由来の天然のも
のの他、組換え技術によって得られたものも含まれる。
【0008】前記キャリアー物質としては、カルシトニ
ンの遊離SH基に結合して複合体を形成し、化学的に安
定化する物質であれば使用可能であるが、本発明の目的
を充分に達成するためにはペプチド又はタンパク質等を
使用することが好ましい。
【0009】また、本発明に於いて『抗体』とは完全な
抗体成分の他に、F(ab′)2 、及びFab′等の抗
体分子のフラグメントも包含される。
【0010】前記動物は、例えば、鳥類又は哺乳類等、
抗体を産生する能力があればいかなる種のものも使用可
能であるが、ニワトリ、ブタ、ヤギ、ウシ、ウサギ、ラ
ット、及びマウスからなる群から選択されることが好ま
しい。
【0011】また、本発明は前記方法から作製され得る
抗カルシトニン抗体、及び該抗体を用いたカルシトニン
の測定方法にも係わる。カルシトニンの測定方法として
は酵素免疫測定法を用いることが好ましいが、高感度な
測定をするためにはヘテロ2点結合酵素免疫測定法を用
いることがより好ましい。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の抗カルシトニン抗体の作製方法
は、カルシトニン分子中のジスルフィド結合を還元して
SH基を遊離させて得られるカルシトニン誘導体を免疫
原として用いる。カルシトニン分子中のジスルフィド結
合の還元は、例えばSH還元試薬を用いる従来公知の方
法で行うことができる。
【0014】ここでSH還元試薬としては、ジチオスレ
イトール、2−メルカプトエタノール、2−メルカプト
エチルアミンなどが例示できるが、カルシトニン分子中
のジスルフィド結合を還元してSH基を遊離させ得る試
薬であれば他の試薬でも使用可能である。
【0015】更に、前記遊離SH基にキャリアー物質を
結合させることによってカルシトニン誘導体を免疫原と
して安定な複合体とすることができる。この結合も当業
者にとって公知の方法で行うことができるが、例えば、
マレイミド基を導入したキャリアータンパク質を結合さ
せ、複合体を形成させる操作が例示できる。前記キャリ
アータンパク質としては卵白アルブミン、ウシ・チログ
ロブリンなどが例示できるがこの限りではない。また、
前記遊離SH基と結合する官能基であれば、マレイミド
基に限らずどのようなものでもキャリアー物質に導入し
て使用でき、複合体を形成させることができる。
【0016】これら還元によって得られるカルシトニン
誘導体又は複合体を用いて動物を免疫することにより、
主としてカルシトニンのC末端近傍のエピトープを認識
する抗体を得ることができる。ただし、得られる抗体は
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれであ
っても良く、これらの抗体の作製にあたっては当該技術
分野に於いて周知の方法を用いることができる。
【0017】こうして得られた本発明の抗カルシトニン
抗体は、従来のカルシトニン分子で動物を免疫すること
により得た抗体とは異なり、カルシトニンのC末端近傍
を認識することによって種特異性が極めて高いことを特
徴とする。
【0018】本来、カルシトニンのC末端近傍のエピト
ープは、動物種間において相同性が低いため、C末端近
傍を免疫システムに認識させることにより種特異性の高
い抗体が得られるものと考えられるが、カルシトニンの
C末端近傍のエピトープはジスルフィド結合によりカル
シトニン分子の内側へ入り込んだ構造を有しているため
免疫システムに認識されにくい性質を有している。
【0019】本発明者らは、少なくともカルシトニン分
子中のジスルフィド結合を切断(還元)し、分子の内側
へ入り込んでいたC末端部分を免疫システムに認識され
やすい構造とすることによって、種特異性の高い抗カル
シトニン抗体を得ることに成功したのである。
【0020】次に本発明のカルシトニンの測定方法の一
好適態様を説明する。先ず、カルシトニンを含有する試
料中から大分子物質(例えばタンパク質など)を塩析
法、ゲル濾過法又は限外濾過法などにより除去する。こ
こで言う試料とは、例えば血液、血清、血漿、リンパ
液、骨髄液、組織のホモジネート抽出液、及び組織灌流
液などが挙げられるがこの限りではない。
【0021】次に、こうして処理された試料中のカルシ
トニンをビオチンで標識し、本発明の抗カルシトニン抗
体不溶化固相に捕捉する。固相を洗浄した後、酸処理に
よりビオチン化カルシトニンを固相から溶出し、溶出し
たビオチン化カルシトニンに酵素標識された本発明の抗
カルシトニン抗体を結合させる。さらにこの免疫複合体
をストレプトアビジン又はアビジン不溶化固相に捕捉す
る。最後に固相に結合した酵素活性から測定すべきカル
シトニン量を知ることができる。この方法がヘテロ2点
結合酵素免疫測定法であり、サンドウイッチ酵素免疫法
が適用できないハプテン(一価の小分子抗原)を測定す
るために開発されたものであり、競合結合法を用いたラ
ジオイムノアッセイや酵素免疫測定法よりも高感度測定
が可能な方法である。この本発明の方法によれば、適切
な条件下での測定では1×10-17 molレベルの測定
が可能である。
【0022】本発明の方法では、固相に不溶化する抗カ
ルシトニン抗体及び酵素標識抗カルシトニン抗体に前述
のように作製した抗体又は抗体フラグメントを用いる。
【0023】モノクローナル抗体を用いる場合はこれら
は互いに別種のものを用いるのが好ましい。
【0024】本発明の測定方法に於いて、操作工程中で
使用する分注器、試験管壁等へのカルシトニン分子の吸
着を防止する目的で、全ての工程でブロッキング剤を用
いる。ブロッキング剤としては酵素免疫測定法等の生化
学分野で通常使用されるものを使用し得るが、より優れ
た効果を得るためにはバシトラシンを用いることが好ま
しい。
【0025】以下、実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
【実施例】本実施例でいう緩衝液A及びBは以下の通り
である。
【0027】緩衝液A:5mM EDTAを含む0.1
Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0 緩衝液B:0.1M 塩化ナトリウムを含む10mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0 (実施例1)抗カルシトニン抗体の作製 (1)マレイミド−卵白アルブミンの調製 4.5mgの卵白アルブミン(ナカライテクス社)を
0.225mlの0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(p
H7.0)に溶解した。0.165M N−サクシイミ
ジル−6−マレイミドヘキサノエート(同人化学社)D
MF溶液22.5μlを加え30℃にて30分間反応さ
せた。緩衝液Aにより平衡化したデキストランゲル(セ
ファデックスG−25、ファルマシアLKB バイオテ
クノロジー社、スエーデン)カラム(1.0×30c
m)により前記反応液をゲル濾過しマレイミド−卵白ア
ルブミンを得た。
【0028】導入されたマレイミド基数は卵白アルブミ
ン一分子あたり8.0であった。卵白アルブミン量は2
80nmの吸光度より算出した。マレイミド基濃度は石
川らの方法(J.Immunoassay、、p20
9、1983)により測定した。
【0029】(2)還元型サケ・カルシトニンの調製 1.65mgのサケ・カルシトニン(サンド社、スイス
より入手)を0.8mlの緩衝液Aに溶解した。緩衝液
Aに溶解した0.1Mのジチオスレイトール(ナカライ
テクス社)溶液0.8mlを前記カルシトニン溶液に加
え、37℃にて90分間インキュベートした。インキュ
ベート後、緩衝液Aにて平衡化したデキストランゲル
(セファデックスG−10、ファルマシア LKB バ
イオテクノロジー社)カラム(1.0×30cm)を用
いたゲル濾過を行い、還元型サケ・カルシトニンを得
た。還元型サケ・カルシトニン1分子中のSH基数は前
述の石川らの方法により測定し1.9個であることを確
認した。
【0030】(3)サケ・カルシトニン結合卵白アルブ
ミンの調製 マレイミド−卵白アルブミン1.49mgを緩衝液A
0.8mlに溶解し、還元型サケ・カルシトニン1.1
4mgを緩衝液A 2.2mlに溶解した溶液を加え、
4℃にて20時間インキュベートした。インキュベート
後、0.1M2−メルカプトエチルアミン・塩酸塩の緩
衝液Aの溶液30μlを加え、30℃にて30分間イン
キュベートした。続いて、0.1M N−エチルマレイ
ミドの緩衝液Aの溶液60μlを加え、30℃にて30
分間インキュベートした。最終的に緩衝液Bにて平衡化
したアクリルアミド−アガロースゲル(ウルトロゲルA
cA44、IBF バイオテクニックス社、フランス)
カラム(1.5×45cm)を用いたゲル濾過を行い、
サケ・カルシトニン結合卵白アルブミンを得た。結合し
たサケ・カルシトニン分子数は、マレイミド基の減少量
から算出したところ、卵白アルブミン1分子あたり8.
0であった。
【0031】(4)サケ・カルシトニン結合ウシ・チロ
グロブリンの調製 マレイミド−卵白アルブミンを調製した方法に準じ、マ
レイミド−ウシ・チログロブリンを調製した。導入され
たマレイミド基数はウシ・チログロブリン1分子あたり
15であった。ウシ・チログロブリン量は280nmの
吸光度より算出した。
【0032】マレイミド−ウシ・チログロブリン4.4
mgを0.4mlの緩衝液Aに溶解し、これに前述のよ
うに調製した還元型サケ・カルシトニン0.46mgの
緩衝液3.0mlへの溶液を加え、4℃で20時間イン
キュベートした。インキュベート後、緩衝液Aに溶解し
た0.1M 2−メルカプトエチルアミン・塩酸塩を3
0μl加え、30℃にて30分間インキュベートした。
続いて、緩衝液Aに溶解した0.1M N−エチルマレ
イミド溶液60μlを加え、30℃にて30分間インキ
ュベートした。最終的に緩衝液Bにて平衡化したアクリ
ルアミド−アガロースゲル(ウルトロゲルAcA22、
IBF バイオテクニックス社)カラム(1.5×45
cm)を用いたゲル濾過を行い、サケ・カルシトニン結
合ウシ・チログロブリンを得た。結合したサケ・カルシ
トニン分子数は、マレイミド基の減少量から算出したと
ころ、ウシ・チログロブリン1分子あたり15であっ
た。
【0033】(5)家兎抗血清の調製(サケ・カルシト
ニン結合卵白アルブミン抗体の作製) 0.1mgのサケ・カルシトニン結合卵白アルブミンを
1.5mlのフロイント完全アジュバンド(ナカライテ
クス社)に懸濁し、家兎に皮内投与した。2週間後、
0.1mgのサケ・カルシトニン結合卵白アルブミンを
1.5mlのフロイント不完全アジュバンド(ナカライ
テクス社)に懸濁し、3週間間隔で2回皮下投与した。
最終投与2週間後に血液を採取し、遠心分離により血清
を得た。抗血清は、−20℃で保存した。
【0034】(6)IgG及びそのフラグメントの調製
及び定量 IgG及びそのフラグメント{F(ab′)2 、Fa
b′}は前記、石川らの方法を用いて調製し、定量し
た。
【0035】(実施例2)サケ・カルシトニンの測定 (1) 家兎(抗サケ・カルシトニン)IgG及びF
(ab′)2 のアフィニティー精製 実施例1のようにして得たサケ・カルシトニン結合ウシ
・チログロブリン2.4mgをブロムシアン活性化アガ
ロースゲル(セファロース4B、ファルマシアLKB
バイオテクノロジー社)0.24gに同社の取扱い説明
書に従って不溶化した。
【0036】このサケ・カルシトニン結合ウシ・チログ
ロブリン不溶化アガロースゲル(セファロース4B、フ
ァルマシア LKB バイオテクノロジー社)カラムに
家兎(抗サケ・カルシトニン結合卵白アルブミン)Ig
G及びF(ab′)2 を結合させ、河野らの方法(J.
Biochem.、100、p1247、1986)で
アフィニティー精製し、アフィニティー精製家兎(抗サ
ケ・カルシトニン)IgG及びF(ab′)2 を得た。
【0037】(2)アフィニティー精製家兎(抗サケ・
カルシトニン)Fab′−ペルオキシダーゼ複合体の調
製 アフィニティー精製家兎(抗サケ・カルシトニン)Fa
b′を橋田らの方法(J.Appl.Bioche
m.、、p56、1984)でマレイミド基を導入し
た西洋ワサビペルオキシダーゼ(酵素免疫測定用、RZ
=3.0、ベーリンガーマンハイム社、ドイツ)と結合
させた。
【0038】(3)タンパク質不溶化ポリスチレン小球
の調製 家兎非特異IgGを河野らの方法(J.Clin.La
b.Anal.、、p19、1988)でビオチン化
した。
【0039】次に、石川らの方法(Scand.J.I
mmunol.、、p43、1978)を用いて前述
のアフィニティー精製家兎(抗サケ・カルシトニン)I
gG(10mg/L)及びビオチン化家兎非特異IgG
(0.1g/L)をポリスチレン小球(イムノケミカル
社)に不溶化した。
【0040】また、田中らの方法(Anal.Let
t.、22、p353、1989)を用いて、このビオ
チン化家兎非特異IgG不溶化ポリスチレン小球にスト
レプトアビジン(ギグコ BRL ライフテクノロジー
社、米国)を結合させ、ストレプトアビジン不溶化ポリ
スチレン小球を調製した。
【0041】(4)ビオチン化標準カルシトニンの調製 標準カルシトニンは、カルシトニンを緩衝液Bに溶解
し、アミノ基を定量した後、直ちに等容量の0.2g/
L ウシ・血清アルブミン(フラクションV、インタゲ
ン社)、1.6M塩化ナトリウム、2mM EDTA及
び0.2g/Lバシトラシン(シグマ社)を含む0.2
Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)を加えること
で得た。次いで、標準カルシトニンをセントリコン−3
0(アミコンディビジョン、W.R.グレース アンド
カンパニー、米国)を用いて4℃にて5000×g、
20分間遠心分離し、濾液を得た。この標準カルシトニ
ン濾液(0.1ml)に、DMSOに溶解した22mM
N−ヒドロキシサクシイミド−ビオチン(10μl、
ザイメット社、米国)溶液を加え、4℃にて1時間イン
キュベートし、続いて2.0Mグリシン−水酸化ナトリ
ウム緩衝液(pH7.0)を加え4℃にて30分間イン
キュベートした。最後に10μlの0.4M塩化ナトリ
ウム、1mM EDTA、5.5g/L バシトラシ
ン、13g/Lウシ・血清アルブミン、及び1.0g/
L アジ化ナトリウムを含む10mMリン酸ナトリウム
緩衝液(pH7.0)を加え、ビオチン化標準カルシト
ニン溶液を得た。
【0042】(5)ヘテロ2点結合酵素免疫測定法によ
る測定 ビオチン化標準カルシトニンをアフィニティー精製家兎
(抗サケ・カルシトニン)IgG不溶化ポリスチレン小
球と共に20℃にて終夜インキュベートした。インキュ
ベート後、ポリスチレン小球を緩衝液Bにて2度洗浄し
た後、90μlの0.4M塩化ナトリウム、0.5g/
L バシトラシン及び1.0g/L ウシ・血清アルブ
ミンを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.0)及び1
8μlの1.0M塩酸の混液と4℃にて1時間インキュ
ベートした。インキュベート後、ポリスチレン小球を取
り出し、反応混液を18μlの1.0Mの水酸化ナトリ
ウム及び18μlの1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.0)を加え中和した。中和後、5μlの0.4M塩
化ナトリウム、0.5g/Lバシトラシン、及び1.0
g/Lウシ・血清アルブミンを含む10mMリン酸緩衝
液(pH7.0)に溶解した前記アフィニティー精製家
兎(抗サケ・カルシトニン)Fab′−ペルオキシダー
ゼ複合体(100fmol)溶液を加え、20℃にて1
時間インキュベートした。次に、前記ストレプトアビジ
ン不溶化ポリスチレン小球(2個)を加え更に2時間イ
ンキュベートした。最後にポリスチレン小球を前述のよ
うに洗浄し、結合したペルオキシダーゼの酵素活性をパ
ラヒドロキシフェニルプロピオン酸を水素供与体とした
今川らの蛍光法(Anal.Lett.、16、p15
09、1983)にて測定する。蛍光強度は50mM硫
酸に溶解した0.2mg/L キニーネを標準として日
立蛍光分光光度計(F−3010)を用いて測定した。
結果を図1に示した。図1より明らかなように、本発明
による測定法により血中濃度約2pg/mlまでのサケ・カ
ルシトニンを測定することが可能であった。
【0043】(実施例3)異種カルシトニンの測定(種
特異性の評価) 本発明によるサケ・カルシトニン抗体の種特異性の評価
として、ヒト・カルシトニン(シグマケミカル社、米
国)及びラット・カルシトニン(シグマケミカル社、米
国)について実施例2と同様の実験系で測定した。結果
を図1に示した。これより本発明の抗体は非常に種特異
性が高いことが確認された。
【0044】(比較例)従来法によるカルシトニンの測
比較例として、サケ・カルシトニンを従来の方法で測定
した。用いた方法は測定すべきサケ・カルシトニンを先
ず、通常の方法で得た抗サケ・カルシトニン抗体と、次
125I標識サケ・カルシトニンとインキュベートし、
続いて未反応の125I標識サケ・カルシトニンをチャコ
ール処理により除去し、最後に上清中の放射活性をγ−
カウンターにより測定する公知の競争結合法を用いたラ
ジオイムノアッセイ法である。本法によるサケ・カルシ
トニンの測定限界は約20pg/mlであった。
【0045】(実施例4)サケ・カルシトニン投与後の
血中濃度の測定 それぞれ15匹よりなるウイスター系ラット(10週
齢、雄)を3群(第一群〜第三群)準備し、各種投与経
路によりカルシトニンをラットに投与しカルシトニン血
中濃度を測定した。
【0046】第一群には、ラット右大腿静脈よりサケ・
カルシトニンを投与し経時的(投与前、投与後1、4、
10、30、及び60分後)にペントバルビタール麻酔
下で左大腿静脈より採血し、終濃度1000ユニット/
Lとなるようにヘパリン(清水製薬社)を加え、直ちに
遠心分離して血漿を得た。採血は1匹当たり2回とし
た。尚、サケ・カルシトニン投与量は体重1kg当たり
5ユニットとし、生理的食塩水0.25mlに溶解して
投与した。
【0047】第二群には、ラット頸部背部皮下にサケ・
カルシトニンを投与し、経時的(投与前、投与後15、
30、60、180、360分後)に採血し前述の方法
で血漿を得た。採血は1匹当たり2回とした。尚、投与
量は体重1kg当たり5ユニットとし、生理的食塩水
0.25mlに溶解して投与した。
【0048】第三群には、ラット左鼻腔内にサケ・カル
シトニンを注入し、経時的(投与前、投与後15、3
0、60、180、360分後)に採血し、前述の方法
で血漿を得た。採血は1匹当たり2回とした。尚、投与
量は体重1kg当たり5ユニットとし、生理的食塩水5
0μlに溶解して注入した。
【0049】以上3群のラットから得られた血漿(0.
01ml〜0.1ml)に0.1g/L ウシ・血清ア
ルブミンを含む緩衝液Bを加え0.1mlとした後、
1.6M塩化ナトリウム、2mM EDTA及び0.2
g/Lバシトラシンを含む0.2M リン酸ナトリウム
緩衝液、pH7.0(0.1ml)を加え、セントリコ
ン−30を用いて4℃にて5000×g、20分間遠心
分離し、血漿濾液を得た。血漿濾液を前述の標準カルシ
トニンと同様にビオチン化後、ヘテロ2点結合酵素免疫
測定法によりサケ・カルシトニンの血中濃度を測定し
た。結果を図2に示した。図2より明らかなように、本
発明による測定法によって様々な条件による投与後のサ
ケ・カルシトニンの薬物動態を評価することができた。
【0050】
【発明の効果】従来法に比較してカルシトニンをより高
感度(約2pg/mlまで)で種特異的に測定でき、更に、
測定に要する時間も従来法の1週間程度から2日間に短
縮することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法及び従来法によるカルシトニ
ンの測定感度を示すグラフである。
【図2】投与後のカルシトニン血中濃度の推移を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07K 14/585 8318−4H

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗カルシトニン抗体の作製方法であっ
    て、カルシトニン分子中のジスルフィド結合を還元して
    SH基を遊離させたカルシトニン誘導体で動物を免疫す
    ることを特徴とする、前記抗カルシトニン抗体の作製方
    法。
  2. 【請求項2】 前記カルシトニン誘導体の遊離SH基に
    更にキャリアー物質が結合していることを特徴とする請
    求項1の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記キャリアー物質がペプチドもしくは
    タンパク質、又はそれらの誘導体である請求項2の作製
    方法。
  4. 【請求項4】 前記動物が鳥類又は哺乳類である請求項
    1の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記動物がニワトリ、ブタ、ヤギ、ウサ
    ギ、ウシ、ラット及びマウスからなる群から選択される
    請求項4の作製方法
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの方法から作製
    され得る抗カルシトニン抗体。
  7. 【請求項7】 請求項6の抗体を用いたカルシトニンの
    測定方法。
  8. 【請求項8】 酵素免疫反応法である請求項7の測定方
    法。
  9. 【請求項9】 酵素免疫反応法がヘテロ2点結合法であ
    る請求項8の測定方法。
  10. 【請求項10】 ブロッキング剤にバシトラシンを使用
    する請求項8又は9の測定方法。
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