JPH07196508A - 移植片対宿主疾患の治療のための医薬組成物 - Google Patents

移植片対宿主疾患の治療のための医薬組成物

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JPH07196508A
JPH07196508A JP6265184A JP26518494A JPH07196508A JP H07196508 A JPH07196508 A JP H07196508A JP 6265184 A JP6265184 A JP 6265184A JP 26518494 A JP26518494 A JP 26518494A JP H07196508 A JPH07196508 A JP H07196508A
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JP
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hydroxychloroquine
cells
versus
host disease
graft
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JP6265184A
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Andrew L Gilman
エル.ジルマン アンドリュー
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Georgetown University
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    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 受容者への提供者の細胞の移植後に生じる移
植片対宿主疾患の治療方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 ヒドロキシクロロキンを含む移植片対宿主疾
患の治療のための医薬組成物、ならびにヒドロキシクロ
ロキンを含む受容者の細胞に対する提供者のTリンパ球
の反応により生じる同種異系反応性を抑制するための医
薬組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、受容者への提供者の細
胞の移植後に生じる移植片対宿主疾患(graft-versus-h
ost disease )の治療の分野に関する。より詳細には、
本発明は、移植片対宿主疾患の予防および治療について
のヒドロキシクロロキン(2−〔〔4−〔(7−クロロ
−4−キノリニル)アミノ〕ペンチル〕エチルアミノ〕
エタノール)の用途に関する。
【0002】
【従来の技術】根深い免疫不全(一次性、二次性もしく
は医原性)の患者が免疫担当細胞の多い器官の移植を受
けるときは、いかなるときでも移植片対宿主反応が発現
するかもしれないという危険性が懸念される。そのよう
な反応は、免疫系を再形成する目的で骨髄移植が行われ
る一次免疫不全の乳児および小児には重大な課題であ
り、そして悪性疾患の治療のために骨髄移植を受ける患
者にも重大な課題である。骨髄移植を受ける多くの患者
が細胞毒性/免疫抑制療法を受けており、そして彼らの
免疫系は完全にまたは部分的に破壊される。
【0003】同種異系間の(allogeneic)骨髄移植は、
血液学的悪性疾患、再生不良性貧血および先天性免疫不
全ならびに代謝性疾患の患者を治療する際に有効である
ことが立証されている。同種異系間の骨髄移植は、提供
者から受容者への造血成分および免疫担当リンパ系成分
の移植を含む。移植の前に、受容者が既に冒されている
悪性疾患を排除することおよび/または受容者の免疫系
を抑制することを目的として(外来組織の拒絶を防ぐた
めに)、骨髄破壊性高用量化学療法および放射線療法が
行われる。次いで、受容者の骨髄に提供者の幹細胞が移
植される。また、これらの提供者の細胞が受容者の免疫
系の再形成を導く。
【0004】同種異系間の骨髄移植の主な合併症は、提
供者のTリンパ球が受容者の組織(主として皮膚、胃腸
管および肝臓)を攻撃することにより仲介される移植片
対宿主疾患(GVHD)の発現である。移植片対宿主疾
患は、急性(移植後数週間以内)もしくは慢性(骨髄移
植後数カ月から数年続く)の両兆候が現れうる。急性移
植片対宿主疾患は、斑丘疹、紅斑性発疹、下痢および肝
炎として現れる。また免疫再形成が、長時間の過酷な免
疫抑制により損なわれる。慢性移植片対宿主疾患は、強
膜および粘膜ならびに皮膚の変化、肺線維症および免疫
仲介性溶血性貧血および血小板減少症の発現に関して、
自己免疫疾患に似ている。細胞除去技術、薬剤、例え
ば、プレドニソンおよびシクロスポリンA(CSA)な
らびにT細胞に対する毒素連結抗体が、急性移植片対宿
主疾患を予防または改善するためによく使用されてき
た。残念ながら、30〜60パーセントの患者において発病
する慢性移植片対宿主疾患の治療はさらにあまり満足の
いくものではなっかた。また、上記急性移植片対宿主疾
患の治療は、高血圧症、腎機能低下そして最も重要なも
のとして骨髄移植片を拒絶する受容者の免疫系の能力増
強および白血病再発の発生率増強(T細胞除去に関連す
る)を包含する毒性により限られる。
【0005】一度移植片対宿主反応が開始すると、その
調節は恐らく極めて困難であるだろう。シクロスポリン
Aの投与は、治療および予防の両方において若干の成功
を収めてきた。シクロスポリンAで治療した患者の移植
片対宿主疾患の症状の発現は、あまり頻繁ではなくかつ
あまり過酷ではなかった。しかしながら、シクロスポリ
ンAは腎毒性を有し、高血圧症を引き起こし、そして特
に心臓移植に際してアテローム性動脈硬化症の促進に関
連している。移植片対宿主疾患の予防に対する最も効果
的なアプローチは、移植片からT細胞を排除することで
ある。このアプローチに伴う主な課題は、免疫抑制され
た成人へのT細胞を枯渇された骨髄の移植が、日和見感
染の発生率増強を伴う持続的で根深い過酷な免疫不全の
状態および白血病再発のより高い発生率をもたらすこと
である。
【0006】米国特許第 4,657,763号明細書には、自己
免疫疾患、例えば、慢性関節リウマチを治療するために
金塩およびヒドロキシクロロキンの組み合わせを使用す
ることが開示されている。またこの特許は、薬剤の組み
合わせが器官移植、例えば、心臓移植および腎臓移植の
拒絶を防ぐために使用できることも開示している。しか
しながら、ヒドロキシクロロキンが金塩の不存在下にお
いてこの目的に関してそれ自体有効であることは、何の
示唆もない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】移植片対宿主疾患を低
減または予防する既知方法と関係する欠点のために、過
酷な副作用を生じることなく長期間投与でき、かつ提供
者の骨髄細胞からT細胞を枯渇する必要を低減する、こ
の疾患の治療方法について真に必要性が存在する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、骨髄移植を行
った患者の移植片対宿主疾患の治療方法を提供する。本
発明方法は、移植片対宿主疾患を患いかつそのような治
療を必要とする哺乳動物に、有効量のヒドロキシクロロ
キン(2−〔〔4−〔(7−クロロ−4−キノリニル)
アミノ〕ペンチル〕エチルアミノ〕エタノール)を投与
することを含んでなる。本発明の別の態様は、提供者の
Tリンパ球の反応により生じる同種異系反応性(allore
activity)の抑制方法であって、そのような同種異系反
応性を抑制するのに有効な量のヒドロキシクロロキンを
提供者のTリンパ球および受容者の細胞に投与すること
を含んでなる方法を提供する。出願人は、提供者の骨髄
細胞が受容者である患者に移植されて受容者固体の細胞
と反応するときに、ヒドロキシクロロキンが、同種異系
認識(allorecognition )の結果として生じる細胞毒
性、増殖およびサイトカイン生成を抑制できることを見
出した。
【0009】本発明の更なる態様は、ヒドロキシクロロ
キンの移植片対宿主疾患を治療するための医薬品の製造
における用途を提供する。本発明の更に別の態様は、ヒ
ドロキシクロロキンの受容者の細胞に対する提供者のT
リンパ球の反応により生じる同種異系反応性を抑制する
ための医薬品の製造における用途を提供する。ヒドロキ
シクロロキンは、ヒトおよび別の動物に投与したときに
安全であることが認められている。ヒドロキシクロロキ
ンは、腎毒性およびシクロスポリンAと関係する別の副
作用を排除し、そして移植前の骨髄におけるT細胞の枯
渇と関係する過酷な免疫不全という問題を排除する。本
発明を、付随の特許請求の範囲でより詳細に示し、かつ
以下の記載のその好ましい態様に記載する。
【0010】
【具体的な態様】慢性関節リウマチおよび別の自己免疫
疾患の治療のために、30年以上に渡ってヒドロキシク
ロロキンが使用されてきた。出願人は、ここでヒドロキ
シクロロキンが同種異系認識の結果として生じる細胞毒
性、増殖およびサイトカイン生成を抑制できること、そ
してそれが骨髄移植と関連する移植片対宿主疾患を治療
するのに有用でありかつまた移植された器官および別の
組織の拒絶を治療するのに有用であることを発見した。
【0011】同種異系(allogeneic)骨髄移植は、提供
者から受容者への造血成分および免疫担当リンパ系成分
の移植を含む。同種異系骨髄移植の主な合併症は、移植
片対宿主疾患の発現である。骨髄移植における移植片対
宿主疾患は、受容者の細胞に対する提供者のTリンパ球
の同種異系反応性と関係がある。同種異系反応は幾つか
の段階を要する。第1段階は、外来組織抗原の認識であ
る。T細胞が主要組織適合性抗原(ヒトの系におけるヒ
ト白血球抗原もしくはHLA)に関係する小さなペプチ
ドを抗原として認識するという知識に基づいて、幾つか
の同種異系反応のメカニズムが提案されてきた。
【0012】現在、T細胞は、(1)以前に認めた外来
(即ち、ウイルス)ペプチドを有する自己HLA分子に
似ている内因性ペプチドを有する完全な外来HLA分子
(分子擬態として既知である)、(2)自己HLA分子
に関連する外来HLA分子誘導ペプチド、および(3)
外来ペプチドを有する自己HLA分子にまた似ている完
全な空の外来HLA分子、として外来抗原を認識すると
信じられている。プロセスの中で必要な段階は、(1)
外来細胞の表面上の外来HLA分子の存在、(2)抗原
存在細胞(APC)による外来HLA分子の摂取、これ
らのHLA分子の異化作用、および自己HLA分子に関
連するこれらのHLA分子から誘導されるペプチドの最
終的な表示、ならびに(3)自己および外来HLA分子
に関連する生成されたペプチドの処理および表示、を含
む。外来抗原の処理および自己(もしくはウイルスの暗
号に変えられた)内因性ペプチドの処理は、異なるメカ
ニズムを介して行われる。外因性タンパク質がAPCに
よりエンドサイトーシスされ、次いで酸リソソームに輸
送され、そこで酸ヒドロラーゼ(加水分解酵素)がタン
パク質をペプチド抗原に切断(消化)する。次いで不変
鎖により予め占領されていたHLAクラスII分子にこれ
らのペプチドが詰め込まれ、そして細胞表面に輸送され
る。これらのクラスII HLA分子に関連する外来ペプ
チドは、CD4+リンパ球により認識される。抗原存在
細胞により生成された内因性ペプチドは、ゴルジ装置中
のクラスI HLA分子に関係があると信じられてい
る。これらのクラスI HLA分子に関連する内因性ペ
プチドは、CD8+Tリンパ球により認識される。ま
た、同種異系反応性は、インターロイキン−1(IL−
1)、インターロイキン−6(IL−6)およびTNF
−aの分泌を包含する、抗原存在細胞による共刺激性
(costimulatory )シグナルの生成を必要とする。最終
的には、T細胞はそれら自身、T細胞成長因子、インタ
ーロイキン−2(IL−2)ならびにインターロイキン
−4(IL−4)およびg−インンターフェロン(g−
INF)を包含するT細胞調節に関連する別の因子を分
泌することにより関与している。
【0013】出願者は、ヒドロキシクロロキンが、混合
リンパ球培養(mixed lymphocyte culture)で生じた同
種異系反応性の用量依存抑制を発揮することを見出し
た。この抑制は、細胞毒性および増殖の両者に関して明
らかである。混合リンパ球培養の末期における目視細胞
収量が存在するヒドロキシクロロキン濃度にかかわらず
同じであるか、細胞毒性アッセイにおけるエフェクター
細胞の数が全てのヒドロキシクロロキン濃度において同
じになるように調整されるため、細胞毒性の効果は増殖
の減少のみによるものではない。混合リンパ球培養によ
り得られるエフェクター細胞の免疫表現型決定(immuno
phenotyping)は、所定のサブセットがヒドロキシクロロ
キンにより削除されなかったことを実証する全濃度でC
D4+およびCD8+細胞の比較可能な数を現した。
【0014】混合リンパ球培養の開始後24〜120 時間と
遅くにヒドロキシクロロキンを添加する場合にはまだ細
胞毒性効果があるため(遅くにヒドロキシクロロキンが
添加される場合、通常効果は減少するとはいえ)、ヒド
ロキシクロロキンが、抗原表示および混合リンパ球培養
での別の初期イベント(event )を介してその効果を単
独で仲介することはない。ヒドロキシクロロキンの効果
は、望ましくないメカニズムに対して耐性を作る第2混
合リンパ球培養の前にエフェクター細胞を洗浄すること
により、逆転される。ヒドロキシクロロキンがレセプタ
ー・リサイクリング(再生使用)に干渉しかつHLA抗
原詰め込みおよび表示を変えるかもしれないので、標的
細胞とヒドロキシクロロキンをインキュベーションし
て、ヒドロキシクロロキンに対して暴露されていないエ
フェクター細胞によりこれが溶解を低減するかどうか測
定した。ヒドロキシクロロキンはこの状況では全く効果
を持たなかった。フローサイトメトリーは、いずれのヒ
ドロキシクロロキン濃度においてもHLA抗原発現の低
減を示さなかった。
【0015】最終的に出願者は、ヒドロキシクロロキン
が、同種異系認識の結果として生じるTNF−アルファ
およびIL−6の生成を低減することを見出した。同種
異系認識の結果として生じる細胞毒性、増殖およびサイ
トカイン生成を抑制するヒドロキシクロロキンの能力を
考慮すると、ヒドロキシクロロキンは、移植片対宿主疾
患の予防および治療に有用であるはずである。ヒドロキ
シクロロキンは、2−〔〔4−〔(7−クロロ−4−キ
ノリニル)アミノ〕ペンチル〕エチルアミノ〕エタノー
ル(Surrey, 米国特許第 2,546,658号明細書,1951年5
月27日)であり、そして商品名プラクエニル(Plaqueni
l,商標)硫酸塩のもとでSterling Drug, Inc., New Yor
k, New York,から硫酸塩として入手することができる。
ヒドロキシクロロキンの別の塩ならびに遊離塩基が、本
発明方法で使用できる。適当な塩としては、リン酸塩が
挙げられる。これおよび別の適当な塩ならびに遊離塩基
は、米国特許第 2,546,658号明細書に記載されている。
さらにまた、本発明方法にクロロキンを使用することが
可能であるだろう。しかしながら、クロロキンが眼にお
いて有害に作用する危険性が高いことから、ヒドロキシ
クロロキンの使用が極めて好ましい。ヒドロキシクロロ
キンは、従来の医薬的に許容される賦形剤および技術を
用いて、経口もしくは非経口投与するために、錠剤、カ
プセル剤および水剤を包含する固形状、液状もしくは別
の適当な剤形に製剤できる。
【0016】従って、本発明は、移植片対宿主疾患を治
療するための医薬品の製造におけるヒドロキシクロロキ
ンの用途、ならびに受容者の細胞に対する提供者のTリ
ンパ球の反応により生じる同種異系反応性を抑制するた
めの医薬品の製造におけるヒドロキシクロロキンの用途
を提供する。経口投与は、固形状および液状の用量単位
剤形(dosage unit form)、例えば、散剤、錠剤、糖衣
錠、カプセル剤、顆粒剤、懸濁剤、水剤および同様の剤
形を利用して実施できる。
【0017】散剤は、ヒドロキシクロロキンを適当な微
細なサイズに粉砕し、そして同様に粉砕した医薬的に許
容される担体、例えば、食用炭水化物、例えば、デンプ
ン、乳糖、ショ糖、グルコースもしくはマンニトールと
混合することにより調製される。甘味剤、矯味・矯臭
剤、保存剤、分散剤および着色剤が存在してもよい。カ
プセル剤は、上記散剤の混合物を調製し、そして形成さ
れたゼラチンの鞘に充填することにより製剤される。滑
沢剤、例えば、コロイド状シリカ、タルク、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくは固形
ポリエチレングリコールが、充填操作の前に散剤混合物
に添加できる。崩壊剤もしくは溶解補助剤、例えば、カ
ンテン、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムも、カプセル
剤が摂取されるときに医薬品のアベイラビリティーを改
良するために添加できる。
【0018】錠剤は、例えば、散剤混合物を調製し、顆
粒化またはスラッグし、滑沢剤を添加し、そして圧縮打
錠することにより製剤される。散剤混合物は、適当に粉
砕されたヒドロキシクロロキン、上記賦形剤もしくは基
剤、および任意に、結合剤、例えば、カルボキシメチル
セルロース、アルギン酸塩、ゼラチンもしくはポリビニ
ルピロリドン、溶解遅延剤、例えば、パラフィン、再吸
収促進剤、例えば、第4級塩ならびに吸収剤、例えば、
ベントナイトもしくはカオリンと混合することにより調
製される。セラックの封鎖塗(sealing coat)からなる
透明もしくは不透明な保護剤皮(coating )、糖もしく
はポリマー材料の剤皮および蝋の光沢剤皮を施すことが
できる。異なる薬剤を区別するために、これらの剤皮に
色素を添加することができる。
【0019】経口の流体、例えば、液剤、シロップ剤お
よびエリキシル剤は、所定量が予め決められた量のヒド
ロキシクロロキンを含有するような用量単位剤形に調製
できる。シロップ剤は、ヒドロキシクロロキンを適当に
矯味・矯臭された水性ショ糖溶液に溶解することにより
調製できる。そのエリキシル剤は、毒性のないアルコー
ル系賦形剤を用いて調製される。懸濁剤は、ヒドロキシ
クロロキンを毒性のない賦形剤に分散させることにより
製剤できる。溶解補助剤および乳化剤、例えば、エトキ
シレート化イソステアリルアルコール類およびポリオキ
シエチレンソルビトールエステル類、保存剤類、矯味・
矯臭添加剤、例えば、ペパーミント油もしくはサッカリ
ン、ならびに類似物質を添加することもできる。
【0020】経口投与に適する用量単位製剤をマイクロ
カプセル化できる。また、前記製剤は、例えば、特定の
材料を蝋、ポリマーもしくは類似物質にコーティングま
たは埋め込むことにより放出を長引かせまたは持続させ
るように調製できる。非経口投与は、液状の用量単位剤
形、例えば、皮下、筋肉内または静脈内注射用の滅菌溶
液および懸濁液を利用して実施できる。これらは、正確
に測定された量のヒドロキシクロロキンを注射に適する
毒性のない液状賦形剤、例えば、水性もしくは油脂性媒
体に懸濁または溶解し、そして溶液の懸濁物を滅菌する
ことにより調製される。あるいは、正確に測定された量
のヒドロキシクロロキンをバイアルに入れ、そしてその
バイアルおよび内容物を滅菌密閉する。投与する前に混
合するための添付バイアルもしくは賦形剤を提供でき
る。注射剤を等張にするために、毒性のない塩および塩
溶液を添加できる。安定剤、保存剤および乳化剤を添加
することもできる。
【0021】移植片対宿主疾患を低減または予防するの
に有効な量のヒドロキシクロロキンが、患者に投与され
るだろう。一般的には、ヒドロキシクロロキンは、1日
あたり約 600mg〜1日あたり約1000mgの量を患者に投与
してもよく、好ましくは最初に1日あたり約 800mgで開
始し、そして良好な疾患の制御が得られた後により低い
1日あたり約 200mg〜1日あたり約 600mg、好ましくは
1日あたり約 400mgに用量が調節される。患者に投与さ
れるヒドロキシクロロキンの実際の量は、患者の体重、
患者の臓器機能および体調を初めとする因子により変化
するだろう。ヒドロキシクロロキンは、初めに少なくと
も約2〜3ヶ月間患者に投与されるか、または移植片対
宿主疾患の症状が反転または安定するまで患者に投与さ
れる。またヒドロキシクロロキンは、さらに長期間、必
要であれば、ヒドロキシクロロキン療法の開始後約3年
間まで患者に投与してもよい。ヒドロキシクロロキンが
長期間に渡って投与される場合には、患者が3ヶ月毎に
定期的な眼検査を受けることをすすめる。ヒドロキシク
ロロキンは、慢性および急性移植片対宿主疾患の治療の
ために投与されるだろう。急性移植片対宿主疾患は、提
供者の骨髄物質の移植後約 100日以内に発病する。慢性
移植片対宿主疾患は、提供者の骨髄物質の移植後約3ヶ
月頃に発病する。移植片対宿主疾患の低減もしくは予防
は、本明細書中で検討および開示される同種異系認識の
作用を低減もしくは予防することに関する。また、移植
片対宿主疾患の低減もしくは予防は、急性もしくは慢性
移植片対宿主疾患の別の症状を低減もしくは予防するこ
とに関する。
【0022】本発明方法は、ヒトの患者を包含する、哺
乳動物のいずれかの種、例えば、イヌ、ラット、マウ
ス、ウマなどにおける移植片対宿主疾患を治療するため
に使用されうる。一般的には、提供者の骨髄は、受容者
である患者と同種の者より得られるだろう。ヒドロキシ
クロロキンは、別の治療薬、例えば、シクロスポリン
A、プレドニソンおよび/または毒素連結抗体と共に投
与できる。
【0023】同種異系反応性を抑制するために、約6μ
M〜約25μM、好ましくは約12〜13μMの量のヒドロキ
シクロロキンが、生体内もしくは生体外における細胞に
添加される。出願者は、ヒドロキシクロロキン濃度が6.
25μMおよび12.5μMのとき、それぞれ平均細胞毒性減
少は30および64%であるのに対して、25μMの濃度の場
合には完全に細胞毒性が排除された(減少>90%)こと
を見出した。経口投与用に処方されたヒドロキシクロロ
キンの比較用量は、1日あたり約 800mgであり、それは
治療血清レベル10μMを与えるであろう。哺乳動物の患
者の生体内における同種異系反応性を抑制するのに適す
る血清濃度を提供するために、ヒドロキシクロロキンの
別の用量を処方できる。
【0024】同種異系認識の結果として生じる細胞毒
性、増殖およびサイトキン生成を抑制するヒドロキシク
ロロキンの有用性を考慮すると、ヒドロキシクロロキン
は、移植された器官、例えば、心臓および腎臓ならびに
別の組織および器官の拒絶を治療する際にも有用であ
る。ヒドロキシクロロキンは、受容者である患者による
器官もしくは組織の拒絶を低減または予防するのに有効
な量が、移植された器官もしくは別の組織を有する患者
に投与されるであろう。
【0025】
【実施例】
1.ヒドロキシクロロキンは、同種異系認識により生じ
る細胞毒性の発現を抑制する 応答者の細胞および刺激者の細胞を得るために、健康な
有志の提供者を募って行った。エフェクター細胞の継代
および細胞毒性アッセイは、Schendel他の方法(1978)
「細胞仲介リンパ球溶解(Cell-mediated lympholysis
):細胞毒性Tリンパ球を用いるHLA遺伝子微細構
造および相補性の調査」,Eur. J. Immunol. 8: 634,に
従って実施した。混合リンパ球培養は、同種異系認識に
次いで細胞毒性を生じる。
【0026】末梢血液単核細胞(PMBC)は、Ficoll
-Hypaque (Pharmacia, Piscataway,New Jersey)密度勾
配を用いて単離した。混合リンパ球培養(MLC)は、
(2,500radの放射線を照射した)刺激者の細胞および総
量20mLの完全培地中の応答者の細胞を各々一千万個(1
0,000,000)用いて行った。完全培地は RPMI-1640培
地、10%(v/v)応答者の血清、ペニシリン、ストレプト
マイシン、L−グルタミンおよびチロシンからなるもの
であった。
【0027】細胞毒性アッセイ、すなわち、細胞仲介リ
ンパ球溶解(CML)アッセイの前に、混合リンパ球培
養から誘導されるエフェクターを一度洗浄した。標的細
胞を、(刺激者由来の)特異的標的、ならびにフィトヘ
マグルチニン(植物性血球凝集素,PHA)−刺激PM
BCもしくはEBウイルス(EBV)−形質転換B−リ
ンパ芽球セルライン(Epstein Barr virus-transformed
B-lymphoblastoid cell lines) のいずれかの(応答者
由来の)オーロガス標的として調製した。標的を、 100
μCiの51Cr(DuPont, Wilmington, Delaware)と共
に90分間インキュベーションして標識した。次いでそれ
らを2回洗浄し、そして96ウェル・マイクロアッセイ・
プレート(Flow Laboratories, McLean, VA)のウェルあ
たり3×104 個の細胞(3×104 cell/well )の濃度で
培養した。エフェクター:標的細胞比が25:1〜100:1 と
なるような濃度で、かつ最終容量が 0.2ml/well となる
ように、エフェクター細胞を添加した。次いでアッセイ
を37℃で4時間インキュベーションした。プレートを20
00rpm で短時間遠心分離し、そして0.05mLの上清を収穫
した。ベータプレート・カウンター(Bataplate counte
r)(FSA Laboratory,Loughborough, U.K.)用のシンチ
ラント(scintillant)20mLを上清に添加し、次いでワラ
ック・ベータ・カウンター(Wallac beta counter )
(Wallac, Turku, Finland)でプレートをカウントし
た。特異的溶解を下記式により計算した。
【0028】
【数1】 最大放出(maximal release )はエフェクターの代わり
にトリトン−X(Triton-X)(Bio-Rad, Richmond, CA)
5%( 0.1mL)を添加することにより決定され、そして
自然放出(spontaneous release )はエフェクターの代
わりに培地( 0.1mL)を添加することにより決定され
る。
【0029】ヒドロキシクロロキン(Sanofi Winthrop
Pharmaceuticals, New York, New York)を最終濃度3.13
μM、6.25μM、12.5μMおよび25μMで用いた。ヒド
ロキシクロロキンを混合リンパ球培養の開始時に添加し
た。このようにして、抗原異化、プロセシングおよび表
示において、そして抗原プロセシング細胞およびT細胞
の両方によるサイトキン分泌においてヒドロキシクロロ
キンを作用させた。対照は、培地対照であった。
【0030】ヒドロキシクロロキン濃度6.25μMおよび
12.5μMのとき、それぞれ30および64%の平均細胞毒性
減少を示した。濃度25μMの場合には完全に細胞毒性が
排除された(減少>90%)。細胞毒性の減少は、混合リ
ンパ球培養の最終時の目視および細胞収量のトリパンブ
ルー(Trypan blue )排除評価に基づく薬剤毒性による
ものではなかった。濃度12.5μMで認められる抑制の程
度について、固体(もしくは応答者−刺激者対(respon
der-stimulator pairs))間の変動が認められた。同様
の現象が、免疫抑制剤シクロスポリンAについて記載さ
れている。
【0031】2.ヒドロキシクロロキンでの治療は、耐
性を誘導することがなく、かつ同種異系認識に次いでT
細胞の細胞毒性能力を不可逆的に低減しない 1次混合リンパ球培養を、同じヒドロキシクロロキン濃
度で実施例1に記載のように行った。インキュベーショ
ン第6日目に、いくつかの細胞を、実施例1に記載の細
胞毒性アッセイで試験して、細胞毒性が発現し、かつヒ
ドロキシクロロキンが予測される抑制効果を有すること
を確認した。5百万個(5,000,000 )の残りのエフェク
ター細胞を2回洗浄してヒドロキシクロロキンを除去
し、次いで同じ提供者由来の放射線を照射した(2,500r
ad)末梢血液単核細胞を用いて再刺激した。これらの再
刺激した細胞で、2次混合リンパ球培養(MLC)を行
った。2次混合リンパ球培養由来のエフェクター細胞
を、実施例1で記載した細胞仲介リンパ球溶解アッセイ
を用いて再刺激後2〜4日目に、細胞毒性について試験
した。
【0032】ここで、最高濃度のヒドロキシクロロキン
の存在下で初めからプライムされているようなエフェク
ターを包含する、エフェクター細胞は細胞毒性能力を有
していた。ヒドロキシクロロキン処理エフェクターによ
り仲介された溶解はほんのわずかであったことは明らか
であった。このデータは、薬剤が一旦除去されると、ヒ
ドロキシクロロキンが同種異系認識において不変の効果
を有していないこと(すなわち、抑制の耐性)を示す。
この1次混合リンパ球培養では、細胞毒性において予測
されるヒドロキシクロロキンの効果が生じた。
【0033】3.ヒドロキシクロロキンは、同種異系抗
原およびマイトジェンに応じて増殖を抑制する 同種異系抗原に応じた増殖は、日常の混合リンパ球培養
により評価した。簡単には、実施例1に記載されるよう
に、PMBCをFicoll-Hypaque密度勾配を用いて単離し
た。5万個(50000 )の応答者の細胞および5万個(50
000 )の放射線を照射した(2,500rad)刺激者の細胞
を、混合リンパ球培養の開始時に3.25μM〜25μMの範
囲の濃度のヒドロキシクロロキンと合わせた。最終容量
は、72時間後で0.15mL/wellであった。18時間後、プレ
ート収集器(Tomtec, Orange, CT)を用いてフィルター
・マット上に細胞を収集した。10mLのシンチラント(FS
K, U.K.)をフィルター・マットに塗布し、次いでそれを
ベータ・カウンター(beta counter) (Wallac, Finlan
d)でカウントした。
【0034】PHA刺激−本明細書中の実施例3で先に
記載したようにアッセイを行ったが、T細胞の増殖を誘
導するために刺激者の細胞の代わりにマイトジェンとし
てフィトヘマグルチニン(PHA)(PHA-P, Difco, De
troit, MI )を用いた。応答者の細胞数および総容量
は、混合リンパ球培養増殖アッセイと同様であった。混
合リンパ球培養アッセイの結果は、ヒドロキシクロロキ
ンを用いる増殖低減が用量依存性であることを示した。
ヒドロキシクロロキン濃度12.5μMでは33%の減少を示
し、そして25μMでは、75%の平均減少を示した。増殖
の減少の程度は、細胞毒性の減少よりも著しく低かっ
た。これは、ヒドロキシクロロキンの細胞毒性効果が単
にエフェクター細胞の増殖低減に従うものではないこと
を示唆している。マイトジェン誘導増殖におけるヒドロ
キシクロロキンの効果は、抗原プロセシングの必要性を
回避する手段としても評価した。フィトヘマグルチニン
(PHA)刺激のT細胞増殖は、12.5μMのヒドロキシ
クロロキンで41%減少し、そして25μMのヒドロキシク
ロロキンで72%減少した。PHAを用いて、および混合
リンパ球培養を用いて認められた同様の結果は、同種異
系認識による増殖におけるヒドロキシクロロキンの効果
は、抗原表示を主に介するものではなかったことを示唆
する。
【0035】4.ヒドロキシクロロキンおよびシクロス
ポリンAの組み合わせの効果 ヒドロキシクロロキンを試験して、同種異系認識による
増殖におけるヒドロキシクロロキンの効果が、生体外に
おいてシクロスポリンAと相加的であるかまたは相乗的
であるかどうかを調べた。実施例3に記載開示されるア
ッセイ(混合リンパ球培養増殖アッセイ)を、ヒドロキ
シクロロキンに加えて様々な濃度( 0.1ng, 1ng, 10ng
および 100ng/mL )のシクロスポリンA(CSA)を用
いて繰り返した。応答者の細胞数および総用量は、混合
リンパ球培養増殖アッセイと同様であった。結果は、増
殖の低減に関してヒドロキシクロロキンがシクロスポリ
ンAと少なくとも相加的でありそして相乗的であること
が多いことを示唆するものである。ヒドロキシクロロキ
ンおよびシクロスポリンAが単に相加的であっても、両
薬剤を一緒に使用すると両用量が低減するかもしれない
し、それによってそれらの重複していない毒性が減少す
るかもしれないので、これはまた臨床的に重要なことで
あるだろう。
【0036】5.ヒドロキシクロロキンは、混合リンパ
球培養中に応答者のT細胞のサブセットに影響を及ぼさ
ない 混合リンパ球培養を実施例1に記載されるように調製し
た。使用したヒドロキシクロロキン濃度範囲は、3.25μ
M〜25μMであった。実施例2に記載されるように、1
次混合リンパ球培養後6日目かまたは2次混合リンパ球
培養後3日目にアッセイを行った。2次混合リンパ球培
養後3日目に行った調査では、細胞を1次混合リンパ球
培養についてのヒドロキシクロロキンと共にインキュベ
ートしたが、次いで6日目の再刺激前に洗浄した。細胞
を、フルオレセインもしくはフィコエリトリン接合抗体
(Becton-Dickinson, San, Jose, CA )で染色した。前
記抗体は、以下の抗原:CD3(総T細胞(pan T cel
l))、CD4(ヘルパー/インデューサーT細胞)、
CD8(細胞毒性/サプレッサー細胞)、CD20(B細
胞)、CD56(ナチュラルキラー細胞)に対するもので
あった。また、細胞の間接染色を、それらをCD25(高
親和性インターロイキン−2レセプター)に特異的な接
合していない抗体とインキュベートし、続いてフルオレ
セイン接合ヤギ抗マウス抗体とインキュベーションする
ことにより行った。次いで、混合リンパ球培養中の応答
細胞の表現型を評価するために、フルオレッセンス活性
化細胞分類(fluorescence activated cells sorting,
FACS)分析を用いた。
【0037】この実験の結果は、CD4+(ヘルパー/
インデューサー)およびCD8+(細胞毒性/サプレッ
サー)T細胞集団における最低の減少および最高濃度の
ヒドロキシクロロキン(25μM)の場合にのみ一般的な
減少であることを示した。少ないとはいえ、この減少
は、混合リンパ球培養を開始してから72時間後のCD4
+細胞で最も顕著である。おもしろいことには、慢性関
節リウマチを患う患者をヒドロキシクロロキンで治療す
ることについての研究は、CD4+細胞の減少数を具体
的に示した。このデータは、サイトカイン生成もしくは
抗原表示の減少の結果として2次変化を反映するかもし
れない。混合リンパ球培養の6日目に数が比較できるの
で、CD4+細胞における直接細胞毒性効果はありそう
もない。エフェクターの数を細胞毒性アッセイのときと
同じに調整し、そしてT細胞サブセットのパーセンテー
ジを同じにしたので、ヒドロキシクロロキン処理で認め
られた細胞毒性における差異を、単にT細胞のサブセッ
トの枯渇または増殖の減少によってのみ説明することは
できない。しかしながら、これは、特異的同種異系反応
性T細胞クローンが展開されないことまたはCD4+お
よびCD8+集団が枯渇されることを妨げない。ほとん
どの濃度のヒドロキシクロロキンは、応答細胞の表現型
に影響を及ぼさない。同種異系反応性より得られる増殖
および毒性を低く調節するのに十分なヒドロキシクロロ
キン濃度では、CD25発現は低減しなかった。
【0038】6.ヒドロキシクロロキンは、T細胞活性
化のときに排他的に作用しない ヒドロキシクロロキンが初期イベント、例えば、T細胞
活性化および抗原プロセシングにおいて作用するかどう
か調べるために、混合リンパ球培養の開始時かまたは24
〜120 時間後にヒドロキシクロロキンを添加したときの
経時実験を行った。いくつかの細胞について、混合リン
パ球培養の開始後24〜120 時間後にヒドロキシクロロキ
ンを添加したことを除いて、混合リンパ球培養を実施例
1に記載の方法に従って行った。実施例1に記載される
細胞毒性アッセイに従って、6日目に細胞毒性を評価し
た。
【0039】結果は、混合リンパ球培養の開始時または
24時間後にヒドロキシクロロキンが濃度0.0125μMで添
加されようと、48時間後に濃度 0.025μMで添加されよ
うと、細胞毒性における効果はそれらの間で通常全く差
異がないことを示す。72時間後またはそれ以降でのヒド
ロキシクロロキンの添加は、通常細胞毒性の低減を減少
した。 120時間後に添加したときにこの減少は、0.0125
μMでの実験で78%および 0.025μMでの実験で60%で
あった。興味深いことには、さらに46%細胞毒性減少が
0.0125μMで存在し、そして68%減少が 0.025μMで存
在した(それぞれ、ヒドロキシクロロキンを混合リンパ
球培養の開始時に添加したときの78%および94%と比較
して)。ヒドロキシクロロキンの遅い添加による細胞毒
性の抑制減少を考慮して初期イベントにおける効果があ
りそうであるとはいえ、実際には残りの満足のいく程度
の抑制は、遅いイベントもしくは細胞毒性の仲介物の効
果も重要であることが示唆される。
【0040】7.細胞仲介溶解アッセイのときにのみ加
えられるヒドロキシクロロキンの効果 ヒドロキシクロロキンを培養から取り除いて混合リンパ
球培養を実施例1に記載されるように行い、そして細胞
毒性アッセイのときに同じ濃度でヒドロキシクロロキン
を添加して細胞毒性アッセイを実施例1に記載されるよ
うに行った。細胞毒性アッセイのときのみのヒドロキシ
クロロキンの添加により、標的細胞溶解が抑制された。
細胞毒性アッセイのときのみにヒドロキシクロロキンを
添加したときの効果は、ヒドロキシクロロキン濃度25μ
Mで(しかし別の濃度と比較可能であるが)全混合リン
パ球培養についてヒドロキシクロロキンを存在させたと
きよりも低かった。さらにこれは、ヒドロキシクロロキ
ンが遅いイベント(すなわち、サイトキン分泌)または
溶解メカニズムにおいて効果を有することを示唆する。
【0041】8.HLA抗原発現 HLA抗原発現における異なるインキュベーション時間
(2時間対24時間)についてのヒドロキシクロロキン濃
度3.25〜100 μMの効果を実験した。PMBCにおける
ヒドロキシクロロキンの蓄積に関するデータに基づい
て、短時間インキュベーションでは高濃度を用いた。w6
/32 抗体(HLAクラスI抗原に特異的)およびL243
抗体(HLAクラスII抗原に特異的)(抗体は、両方と
もHazelton, Lenexa, KSより得た)を用い、次いでヤギ
抗マウス・フルオレセイン・イソチオシアネート(FIT
C)−接合抗体を用いる間接イムノフルオレッセンスに
より、HLA抗原発現を検出した。PMBCをFicoll-H
ypaque密度勾配を用いて単離した。次いでそれらを抗体
w6/32 およびL243 と共に4℃で30分間インキュベート
した。その後、それらを2回洗浄し、次いでフルオレセ
イン接合ヤギ抗マウス抗体(Becton-Dickinson, San Jo
se, CA)と共に4℃で30分間インキュベートした。細胞
を洗浄し、次いでホルマリンで固定した。陰性対照とし
てヤギ抗マウス抗体を単独で使用した。最終的に、試料
を、それらのクラスIおよびクラスII発現についてFACS
分析(FACSCAN, Becton-Dickinson )で評価した。フロ
ーサイトメトリーは、クラスIもしくはII HLA抗原
発現を低く調節するような形跡を全く示さなかった。こ
のデータは、刺激者の細胞におけるHLA抗原発現の変
化が、同種異系反応性の低減の原因ではないことを示唆
する。
【0042】9.サイトキン生成におけるヒドロキシク
ロロキンの影響力 3.25〜25μMの濃度のヒドロキシクロロキンを用いて実
施例1に記載されるように行われた混合リンパ球培養中
のサイトキン放出は、市販のサイトキンELISAキット(B
iosource, Camarillo, CA)を用いて上清を試験するこ
とにより評価した。ELISA アッセイを、製造業者の使用
説明書に従って実施した。吸光度をOD 450 で測定し
た。上清を、混合リンパ球培養の0(細胞培養開始2時
間後)、1、3および6日目に収集した。上清を収集し
た直後に−20℃でそれを凍結した。次いで十分な数の試
料を入手したときに、それらをバッチ式で試験した。試
験したサイトキンは、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)
およびインターロイキン−6(IL−6)を含むもので
あった。ヒドロキシクロロキンは、用量−反応関係を伴
うTNF−αおよびIL−6の生成における抑制効果を
示した。サイトキンおよび細胞毒性のいずれも減少の間
に良好な相互関係を示さなかった。
【0043】10.生体外での骨髄におけるヒドロキシ
クロロキンの効果 マウスおよびヒトの骨髄のクローン生成性におけるヒド
ロキシクロロキンの効果を、メチルセルロース(成長因
子を含まないメチルセルロース予製ミックス #HCC 323
0, Terry Fox, Vancouver, Canada)、追加のエリトロ
ポイエチン(赤血球生成促進因子,2単位/mL,Ortho
Biotech, Somerset, NJ )、組換えネズミ顆粒球/マク
ロファージ・コロニー刺激性因子(GM−CSF)(Pr
omega, Madison, WI)もしくはヒト組換えGM−CSF
(Immunex,Seattle,WA)0.5ng/mLならびにヒドロキシク
ロロキン(濃度3.25〜25μM)を含有する半固形培地1
mL中に骨髄単核細胞1×105 個を含めることにより評価
した。また、ヒドロキシクロロキンを含まない対照培養
を培養した。二重反復実験における、培養物1mLずつを
35mmのペトリ皿で培養した。7日目に、倒立顕微鏡を用
いてコロニー(CFU−C)の総数を測定した。骨髄ク
ローン生成性アッセイは、ネズミ骨髄の成長においては
全く効果を示さず、そしてヒト骨髄の成長においてはわ
ずかな効果を示した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシクロロキンを含む、移植片対
    宿主疾患の治療のための医薬組成物。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシクロロキンを含む、受容者の
    細胞に対する提供者のTリンパ球の反応により生じる同
    種異系反応性を抑制するための医薬組成物。
JP6265184A 1993-10-29 1994-10-28 移植片対宿主疾患の治療のための医薬組成物 Pending JPH07196508A (ja)

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US146356 1993-10-29
US08/146,356 US5453431A (en) 1993-10-29 1993-10-29 Use of hydroxychloroquine for treatment of graft-versus-host disease

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