JPH071959U

JPH071959U - 卓球用ラケット

Info

Publication number: JPH071959U
Application number: JP040186U
Authority: JP
Inventors: 教子新井
Original assignee: 株式会社サウンド球貴
Priority date: 1993-06-17
Filing date: 1993-06-17
Publication date: 1995-01-13
Anticipated expiration: 2006-09-18
Also published as: JP2510886Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】シェイクハンド用とペンホルダー用とが兼用
できるグリップを有する卓球用ラケットの提供。【構成】表裏両面にラバー２、３を備えた基板１の外
周部に、軸線が基板１のほぼ中心を通る方向の短寸の付
け根部４と、この付け根部の軸線に対し少し角度をかえ
て長寸のグリップ５を連続的に設けたことを特徴とする
卓球用ラケット。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はシェイクハンド用とペンホルダー用とが兼用できるグリップを有する卓球用ラケットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、卓球用ラケットとしては、大きく分けてシェイクハンド用とペンホルダー用の２種類が存在しているが、一つのラケットで両方が兼ねられる形態のものはなかった。

【０００３】すなわち、日本においては伝統的にペンホルダーが多く、このペンホルダーの特徴は、フォアハンド（利き腕）側の打球に対する細かい処理と強打ならびにバックショートには好適であるがバックハンド（利き腕と反対）側の打球に対しては強力に打てないという難点がある。

【０００４】一方、ヨーロッパにおいては伝統的にシェイクハンドが多く、このシェイクハンドの特徴は、フォアハンド、バックハンド共に強力に打てるが、フォアハンド側における細かい処理に対しては難点がある。

【０００５】しかし、最近攻撃的な卓球が主流となり、バックハンドでも強打できるシェイクハンドの利用者が多くなってきている。ところが、従来のシェイクハンド用ラケットには、ペンホルダー用のグリップに対し、太くて長いグリップが設けられているため、これをペンホルダーに持ち替えて使用することはできなくはないが、ラケットさばきが思うように行えず現実的には不可能である。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前記のペンホルダーの弱点であるバックハンドによる強打と、シェイクハンドの弱点であるフォアハンドによる細かい処理を相互に解決することを課題とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ラケットに、ペンホルダーとシェイクハンドのいずれでも持てる、一つの角度のついたグリップを設けることにより、必要に応じて瞬時に持ち替え可能としたことを特徴とする卓球用ラケットである。

【０００８】すなわち、本考案の第１は、表裏両面にラバー２、３を備えた基板１の外周部に、軸線が基板１のほぼ中心を通る方向の短寸の付け根部４と、この付け根部の軸線に対し少し角度をかえて長寸のグリップ５を連続的に設けたことを特徴とする卓球用ラケットであり、

【０００９】第２は、上記の卓球用ラケットにおいて、短寸の付け根部４の軸線に対し長寸のグリップ５の軸線の角度が約３０°傾いている卓球用ラケットであり、

【００１０】第３は、上記の卓球用ラケットにおいて、短寸の付け根部４の前方の基板１上に滑り止め６が設けられている卓球用ラケットである。

【００１１】

【実施例１】図１は本考案に係る卓球用ラケットの一実施例を示すもので、表裏両面にラバー２、３を備えた基板１の外周部に、軸線が基板１のほぼ中心を通る方向の短寸の付け根部４を設けるとともに、この付け根部４に対し軸線の角度を約３０°曲げた長寸のグリップ５が付け根部４の後端に連続的に設けられているものである。

【００１２】前記短寸の付け根部４は従来のペンホルダー用グリップ先端の幅とほぼ同じ幅に形成され、その後方に連続的に設けられる長寸のグリップ５は、従来のシェイクハンド用グリップとほぼ同じ形態のものである。

【００１３】又、短寸の付け根部４の前方端は、従来のペンホルダー用グリップと同様に指掛け用の段差部を有するものでもよいが、好ましくは図２のように従来のシェイクハンド用グリップとほぼ同じ形態とし、その前方の基板１上に滑り止め６を施して指の滑りを防止すれば、段差部がなくてもしっかりとラケットを保持することができ、又、持ち替えも容易に行える。

【００１４】なお、前記長寸のグリップ５の取付け角度については特に限定されるものではなく、付け根部４の軸線に対し約２５°〜３５°の範囲であれば実用的に差しつかえはない。

【００１５】

【使用方法】

右手によるシェイクハンドの場合、図１の二点鎖線にて示すように長寸のグリップ５を、その上端が下に向いた状態にて握る。

【００１６】試合中にペンホルダーに持ち替えたい場合、背面の人差指を伸ばし、ラケットの上方から前面へ廻して短寸の付け根部４の前方へ移動させると同時に中指をグリップ５から離してラケットの裏面に移動させ、ラケット前面の人差指と裏面の中指によりラケットを挟んで支持した状態にて、親指をグリップ５の上方から後へ廻してグリップ５の下から前面の付け根部４の下に添えると、薬指と小指も自然にラケットの背面に移動し、図３の二点鎖線にて示すように瞬時にペンホルダーへの持ち替えができる。

【００１７】逆に、ペンホルダーからシェイクハンドに持ち替えたい場合、親指をラケットから離して手の平を広げるようにすると、人差指と中指とによりラケットを挟んで支持した状態になり、グリップ５が親指から離れた状態になるので、親指をグリップ５の上方から前面に廻してグリップを握ると同時に人差指を伸ばしてラケットの後へ廻せば瞬時にシェイクハンドへの持ち替えが可能である。

【００１８】なお、左手にてラケットを持つ場合も前記と同様であり、ラバーの前後面が逆になるだけである。

【００１９】

【作用】

本考案においては、軸線が基板１のほぼ中心を通る方向の短寸の付け根部４の存在により、ペンホルダーの際持ちやすくなる。また、短寸の付け根部４の軸線に対し長寸のグリップ５の軸線の角度を約３０°傾けて設けたことにより、見掛上ラケット面上側の面積が少なくなり、持ち替えの際人差指を前面に移す操作がしやすくなる。

【００２０】シェイクハンドの際、ラケットのグリップは台とほぼ平行に位置させる必要があるが、腕をほぼ水平にしても従来のラケットでは図４のようにグリップの軸線が前方上方を向き、スイートスポットＳが基板１の中心より下方にずれるため、このスイートスポットＳを基板１の中心に位置させるには、無理に手首を下方に曲げなければならない。この点、本考案のラケットによれば長寸のグリップ５が下方に傾斜しているため腕をほぼ水平にすると、図１のように腕の延長線上にラケットのスイートスポットＳが位置し、手首を特に曲げなくても理想的な角度となる。

【００２１】ペンホルダーの際、従来のグリップでは図５のようにグリップの後端Ｂが邪魔になって処理しにくかったバック側の台上の球の処理が、本考案のラケットによれば、長寸のグリップ５が曲げられているため、図６のようにグリップエンドが台に触れる恐れがないので球の処理がしやすくなる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案はラケットの基板に対し、ペンホルダーとシェイクハンドのいずれにも持ち替えができる一つのグリップを設けることにより、卓球の試合中において、必要によりシェイクハンドとペンホルダーの持ち替えが瞬時に行なえ、きめのこまかい攻撃ができる。

【００２３】又、本考案に係るラケットがあれば、卓球を初めてする者が、ペンホルダーにするかシェイクハンドにするか迷わずにすむという利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のラケットの一実施例の正面図

【図２】図１のＡ−Ａ線切断端面図

【図３】本考案のラケットにおけるペンホルダーの状態
を示す正面図

【図４】従来のラケットにおけるシェイクハンドの状態
を示す正面図

【図５】従来のラケットにおけるペンホルダーによるバ
ック側の処理状態を示す正面図

【図６】本考案のラケットにおけるペンホルダーによる
バック側の処理状態を示す正面図

【符号の説明】

１基板２、３ラバー４短寸の付け根部５長寸のグリップ６滑り止め

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】表裏両面にラバー２、３を備えた基板１
の外周部に、軸線が基板１のほぼ中心を通る方向の短寸
の付け根部４と、この付け根部の軸線に対し少し角度を
かえて長寸のグリップ５を連続的に設けたことを特徴と
する卓球用ラケット。
【請求項２】短寸の付け根部４の軸線に対し長寸のグ
リップ５の軸線の角度が約３０°傾いている請求項１記
載の卓球用ラケット。
【請求項３】短寸の付け根部４の前方の基板１上に滑
り止め６が設けられている請求項１又は２記載の卓球用
ラケット。