JPH0719587B2 - 自動車用前照灯 - Google Patents

自動車用前照灯

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JPH0719587B2
JPH0719587B2 JP63110420A JP11042088A JPH0719587B2 JP H0719587 B2 JPH0719587 B2 JP H0719587B2 JP 63110420 A JP63110420 A JP 63110420A JP 11042088 A JP11042088 A JP 11042088A JP H0719587 B2 JPH0719587 B2 JP H0719587B2
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Ichikoh Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車用の前照灯に係り、特に、前面レンズを
素通しレンズにしても、リフレクタの作用によって所望
の配光パターンが得られるように改良した自動車用前照
灯に関するものである。
〔従来の技術〕
第5図及び第6図はそれぞれ従来例の前照灯を示す水平
断面図である。
第5図に示した従来例の前照灯は、ランプハウジング1
の後壁部の内面に、回転放物面状の反射面1aを設けると
ともに、その焦点近傍に光源バルブ2を配設し、かつ、
前面開口部を覆う形にプリズム形の前面レンズ3が設け
てある。
光源バルブ2から矢印aの如く出射した光は、反射面1a
で反射され、光軸Zに平行な光束bとなり、前面レンズ
3のプリズムで矢印c1,c2の如く拡散されて所望の配光
パターンを形成する。
上記反射面1aの、光軸Zに平行な垂直面による断面は放
物線状をなしており、垂直断面内においては、前記反射
面1aによる反射光は略水平な平行光束として前方に投射
される。
上記従来例(第5図)の前照灯は、前面レンズ3をプリ
ズムレンズで構成しなければならないので高価であり、
かつ大重量となり易い。
上記従来例を簡略にした前照灯として、リフレクタ拡散
形と呼ばれる第6図の構成が公知である。この従来例の
前照灯のリフレクタ4は、光源バルブ2′の出射光を、 (イ)垂直面内では平行光束として、 (ロ)水平面内では拡散光束として、 反射する。
このような機能を持たせるため、上記のリフレクタ4
は、 (イ)垂直断面が放物線をなし、 (ロ)水平断面が双曲線をなす、 ように構成してある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のリフレクタ拡散形前照灯(第6図)の従来例は、
レンズ構成が簡単で、素通し形前面レンズ5を用いれば
よいのであるが、 (i)前面レンズ5の横幅寸法W1を大きくしないと光束
の有効利用率が低いこと、 及び、 (ii)側方に障害物6があると、拡散投光が遮られるこ
と、 といった不具合がある。
本発明は上述の事情に鑑みて創作されたものであって、 (a)レンズ構成が簡単で、軽量・安価に構成すること
ができ、 (b)前面レンズの横幅寸法を小さく構成することがで
き、 (c)側方に障害物が有っても拡散投光が遮られる虞れ
の無い、 自動車用前照灯を提供することを目的とするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明の自動車用前照灯
は、 (イ)前記従来例のリフレクタ拡散形前照灯と同様に、
リフレクタの垂直断面(光軸に平行な垂直断面)が放物
線状をなすように構成するとともに、 (ロ)リフレクタを、その平面投影において中央部付近
と、左,右両端部付近とに区分する。
ただし、ここにいう区分とは、設計的考察の面において
区分して考える意であって、実体の部材を分割したり切
断したりする意ではない。
(ハ)区分した左,右両端部付近は、回転放物面状に構
成して、水平面内についても反射光を平行光束ならしめ
る。
(ニ)区分した中央付近は、反射光が、平行光束よりも
収束傾向を有するように、かつ、中心寄りの位置ほど強
い収束傾向を示すように構成する。
〔作用〕
前記の構成によれば、 i.両端部の回転放物面で反射された平行光束が配光パタ
ーンのホットゾーン(中央の高照度ゾーン)を形成す
る。
ii.収束反射光は、前照灯の前方で一旦収束した後、更
に前方に向かって拡散光束となって投射され、所望の配
光パターンを形成する。
iii.上記の拡散投光は、前照灯の前方で一旦焦光するの
で、該焦光位置よりも手前においては、側方に障害物が
有っても妨げられない。
iv.上記の如く、リフレクタで反射された光は、リフレ
クタ近傍で主として収束光であり、また、両端部での反
射光は平行光束であるため、前面レンズを比較的小さく
構成しても、光束の有効利用率が大きい。
〔実施例〕
第1図は本発明を適用して構成したリフレクタ7の3面
図で、 (A)は模式的に描いた平面図、 (B)は同じく正面図、 (C)は同じく側面図、 である。
点Fに光源を位置せしめる。
上記(B)図に示す如く、縦割り形に中央部と、左方部
と、右方部とを想定する。
斑点を付して示した左右のゾーンは、回転放物面状に構
成する。
斑点を付していない中央部ゾーンも、その垂直断面(第
1図(C)参照)は、放物線をなすように構成する。
これにより、垂直断面(本図(C))においては反射光
は水平な平行光束となる。
本図(B)に示す如く、両端から中心に向けて、点a0,a
0′,b0,b0′〜e0,e0′をとる。
上記の点b0,b0′は、左右のゾーンと中央部ゾーンとの
境界上にある。
上記の点a0,a0′は回転放物面上に位置している。従っ
て、本図(A)に示すように、点a0,a0′における反射
光(矢印a,a′)は、光軸Z-Zと平行になる。
本図(B)に示すごとく、リフレクタ7の中心を通るX
軸,Y軸を設定する。
平行斜線を付して示した区域は、X座標値がxnの部分で
ある。
Y座標に関して、b0,b0′に相当する点から、順次に中
心に向けて曲面を設定してゆく(詳細次記)。
その結果(第1図(A)参照) 点b0における反射光bを初期値として、 点c0における反射光cが光軸Zとなす角θc0, 点d0 〃 d 〃 θd0, 点e0 〃 e 〃 θe0,を順次に
大ならしめるように設定し、これによって反射光に拡散
性を与えて所望の配光パターンを形成せしめる。
その具体的手順を、第3図について次に説明する。
光源位置Fから、リフレクタエレメント上の点P(その
座標値はxn)への光の単位ベクトルをとし、 その反射光を単位ベクトルをとし、 リフレクタエレメント上に立てた法線の単位ベクトルを
とすると、 =+2K ………(1) の関係がある。
また、上記反射光は、上下には広がらずに左右のみθ
xnだけ広がるとすると、 となる。
上記(1),(2)式から点Pの座標を求めると、リフ
レクタエレメントの平面式が決まる。
従って、初期値(スタート点)P点を、ある所に決め
て、 その点から計算されたリフレクタエレメントの近くの点
を決め、 更にその点から計算されたリフレクタエレメントの近く
の点を決め…… というように計算を繰り返して曲面を形成し、出来上が
った曲面は曲率が連続的に変化するようにする。
即ち、リフレクタエレメントの区分を細かくし、xの値
を密に計算する。
上記の計算は、筆算では極めて困難であるが、電子計算
機によって比較的容易に行い得る。
上記のようにして算出した曲面は、光源からの光を反射
して、その反射光は上下に広がらずに左右にのみ広がる
(θn=f(xn))作用を持つリフレクタとなる。
(第1図(A)参照)。
θc0<θd0<θe0となるように構成する。
拡散角θxとx0との関係は、第2図(A),(B)に例
示したような所望配光パターンから光度分布を求めて、
光源の光束発散値からリフレクタ上の点x0に対する拡散
角θxを、xのベキ乗式で設定する。
この時の所望配光パターンは、自動車用前照灯の要求に
応じて求めればよい。
このように構成することにより、従来例のリフレクタ拡
散形前照灯(第6図)の欠点とされていた、レンズ横幅
が大きいこと、ならびに、側方に立壁などが有ると拡散
光が遮られること、が解消される。
第4図は、前記の実施例(第1図)に係るリフレクタ7
を用いて構成した前照灯の水平断面図である。
本例の如く、前面レンズ8は素通し形で足り(リフレク
タ7によって所望の配光が得られるから)、かつ側方に
障害物(立壁9)が有っても、配光パターンの形成を妨
げられない。
本発明は、本例(第4図)の如く、光源バルブ2′と前
面レンズ8との距離Lが大きい場合に適用するに好適で
ある。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明に係る自動車用前照灯によ
れば、 (a)レンズ構成が簡単で、軽量・安価に構成すること
ができ、 (b)前面レンズの横幅寸法を小さく構成することがで
き、 (c)側方に障害物が有っても拡散投光が遮られる虞れ
無い、 という、優れた実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る自動車用前照灯の一実施例におけ
るリフレクタの構成・作用の説明図である。 第2図は上記実施例における所望の配光パターンを示す
図表である。 第3図は上記実施例におけるリフレクタエレメントの設
計手法の説明図である。 第4図は、第1図に示したリフレクタを用いた前照灯の
水平断面図である。 第5図及び第6図は、それぞれ従来例の前照灯を示す断
面図である。 1……ランプハウジング、1a……上記ランプハウジング
の内面に設けられた反射面、2,2′……光源バルブ、3
……プリズムレンズによって構成された前面レンズ、4
……従来例の、リフレクタ拡散形前照灯のリフレクタ、
5……素通し形の前面レンズ、6……側方に存在する障
害物、7……本発明の実施例におけるリフレクタ、P…
…リフレクタエレメント、F……光源位置、Z……光
軸、X……水平座標軸、Y……垂直座標軸。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹面鏡の焦点の近傍に光源バルブを設置
    し、上記凹面鏡の前面開口部を覆う形に前面レンズを設
    けた構造の自動車用前照灯において、 (a)上記凹面鏡を、中央部と、左右の両端部とに区分
    し、 (b)上記の左右両端部は回転放物面状に構成し、 (c)前記の中央部は、その垂直断面が放物線状をなす
    とともに、その水平断面を次記の如く構成したことを特
    徴とする、自動車用前照灯。 (i)光源バルブから出射して凹面鏡中央部の各点で反
    射した光の光路が、光軸と為す角をθとし、 (ii)該中央部のうち、前記両端部の回転放物面に接す
    る点を初期値とし、 (iii)上記の角θは、投光方向について光軸に接近す
    る方向を正とし、 (iv)上記の角θは、反射点が凹面鏡の中心点に近づく
    につれて正方向に増加する。
JP63110420A 1988-05-09 1988-05-09 自動車用前照灯 Expired - Fee Related JPH0719587B2 (ja)

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