JPH0719579Y2 - グリス供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、例えば、軸受部材の内周に挿入した塗布ノズ
ルを回転させつつグリスを塗布するグリス供給装置に関
する。

［従来技術及びその課題］ 従来より、内挿されたシャフトを回転乃至摺動可能に保
持する軸受等に於て、連続して給油できない場合には、
組立時に軸受内周部にグリスを塗布して対応している。
（軸受内に塗布ノズルを挿入してグリスを充填する例と
して実公昭57−54989号公報等参照） このような軸受内周部へのグリスの塗布は、その摺動面
である内周面全周に亘って均一に塗布することが望まし
く、この為、軸受内に塗布ノズルを挿入すると共に、該
塗布ノズルを回転させつつグリス塗布するよう構成され
たグリス供給装置がある。

これによれば、軸受内周面全周に隈無くグリスを塗布で
き、特に軸をスライド可能に保持する軸受に適する。

しかし乍ら、上記の如く塗布ノズルを回転させつつグリ
ス塗布する構成では、塗布ノズルの回転駆動とグリスの
供給といった二つの作動を同時に行なう必要があり、従
って、各々の駆動手段を独立して設けなければならず、
構成が複雑となって大型化すると共にコストアップにな
るという問題があった。

［考案の目的］ 本考案は、上記の如き事情に鑑み、一つの駆動手段によ
る塗布ノズルの回転駆動とグリスの供給を可能とし、構
造の簡素化によりコストダウンできるグリス供給装置の
提供、を目的とする。

［考案の構成］ このため、本考案に係るグリス供給装置は、前記塗布ノ
ズルを回転駆動する駆動系の可動部にカム部材を設ける
と共に、前記定量押出しピストン操作部材を前記カム部
材のカム面に当接配置し、前記塗布ノズルの回転駆動に
伴う前記カム部材の移動による前記操作部材との当接位
置の変化によって定量押出しピストンを作動駆動するよ
う構成したものである。

これにより、塗布ノズルの回転駆動によって同時にグリ
スを供給することができ、従って、駆動手段は一つで良
く、構造を簡素化できるものである。

［考案の実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案に係るグリス供給装置の一実施例の側面
図、第２図はその正面図であり、ワークである軸受部材
としてのドライブシャフト７の端部の内周スプライン7A
にグリスを塗布するものである。

図示グリス供給装置は、グリス塗布ヘッド30をスライド
ベース20を介してフレーム10に第１図中上下左右に移動
可能に設けて構成されている。

スライドベース20は、水平部材20Aの前端上側に垂直部
材20Bを直交連結した略Ｌ字状に形成され、水平部材20A
の下面がフレーム10の上面に平行に敷設された二本のガ
イドレール11,11に摺動可能に嵌合すると共に、フレー
ム10にその後端で枢支された油圧シリンダ12のロッド12
A先端が枢着されており、該油圧シリンダ12の駆動によ
ってガイドレール11,11の敷設方向（第１図中左右方
向）に移動可能となっている。

スライドベース20の垂直部材20Bには、ガイドレール21
が該垂直部材20Bと平行（即ち鉛直）に設けられてお
り、該ガイドレール21にヘッドベース31が摺動移動可能
に嵌合している。

ヘッドベース31には、スライドベース２の垂直部材2B上
端に固定された油圧シリンダ22のロッド22A先端が枢着
されており、該ヘッドベース31は油圧シリンダ22の駆動
によって昇降駆動されるようになっている。

ヘッドベース31の前面側には、前述の如く、グリス塗布
ヘッド30が配置構成されている。

グリス塗布ヘッド30は、ノズル部40,駆動部50及びグリ
ス供給部60から成り、駆動部50がノズル部40を回転駆動
すると共に、グリス供給部60を駆動してノズル部40に所
定量のグリスを供給するようになっているものである。

ノズル部40は、その長手方向を鉛直方向としてヘッドベ
ース31に固定された軸受41でベアリング41A,41Aを介し
てノズルシャフト42を回転自在に保持し、該ノズルシャ
フト42の、軸受41上端面より上方に突出する上端部にピ
ニオンギア43を固定すると共に、軸受41の下端面より下
側に突出する下端部にノズル44を連結して構成される。

ノズル44は、その先端が側方側に略水平に屈曲されてノ
ズルシャフト42の回転によって当該ノズル44先端が円を
描くようになっており、当該ノズル44が回転しつつグリ
スを吐出することにより、挿入された円形空間部の内周
面（即ちドライブシャフト７の内周スプライン7A）にグ
リスを円環状に塗布できるようになっているものであ
る。

ノズルシャフト42の下端側には、下端面に開口するグリ
ス供給路42Aが所定深さで穿設されており、ノズル44は
該グリス供給路42Aと連通接続されている。又、ノズル
シャフト42の軸受41内となる所定位置に、グリス供給路
42Aと直交する通路42Bが直径方向に貫通されており、こ
の通路42Bの周側開孔位置と対応する軸受41位置には、
グリス供給口41Bが開口形成されている。該グリス供給
口41Bは後述するグリス供給部60のシリンダ61と連結パ
イプ64により連結されており、シリンダ61から吐出され
たグリスは連結パイプ64,通路42B及びグリス供給路42A
を介してノズル44に供給されるようになっている。尚、
グリス供給口41Bと通路42Bが対向する位置の上下のノズ
ルシャフト42と軸受41の内周との間にＯリング45,45が
介設されており、該Ｏリング45,45によってグリス供給
口41Bから通路42Bに至るグリスの漏れは防止されるよう
になっているものである。

駆動部50は、ノズル部40より上側のヘッドベース31にヘ
ッドベース31の移動方向と直交する方向（第１図に於て
紙面と直交する水平方向）として固定された水平ガイド
51に、駆動系の可動部としてのスライダ52を摺動移動可
能に嵌合する共に、該スライダ52に水平ガイド51の側端
に固定された油圧シリンダ53のロッド53A先端を係合さ
せて、該油圧シリンダ53の駆動によってスライダ52を移
動駆動可能として構成される。また、スライダ52には、
ノズルシャフト42を回転駆動する為のラックギア54と、
グリス供給部60を駆動する為のカム部材としての板カム
55が装着されている。

ラックギア54は、ノズル部40のピニオンギア43と噛合す
ると共にスライダ52の移動方向と平行に配置されてお
り、スライダ52の移動に伴なってピニオンギア43（即ち
ノズル44）が回転駆動されるようになっている。

板カム55は、スライダ52の前面上側に装着されたカムホ
ルダー56に、カム面55Aを上側として保持されている。
カム面55Aは、スライダ52の移動に伴なって後述する操
作ロッド63（ローラ63A）との当接位置が該操作ロッド6
3を軸方向に押圧移動させるよう所定の角度で変位する
よう形成されているものである。

グリス供給部60は、駆動部50の上側にグリス吐出シリン
ダ61を配置し、該グリス吐出シリンダ61の下側に突出す
る操作部材としての操作ロッド63を、その先端に回転自
在に装着されたローラ63Aを介して板カム55のカム面55A
に当接させて構成されている。

操作ロッド63は、グリス吐出シリンダ61内のピストン62
と連結されており、当該操作ロッド63の押圧操作によっ
てグリス吐出シリンダ61内のグリスが連結パイプ64から
吐出されるようになっているものである。

而して、上記の如く構成されたグリス供給装置では、油
圧シリンダ12の駆動によってスライドベース20を左右に
移動させると共に、油圧シリンダ22の駆動によってヘッ
ドベース31（即ちグリス塗布ヘッド30）を昇降駆動し、
ノズル44を所定位置に配置されたドライブシャフト７の
端部スプライン7A内に挿入させる。

その後、油圧シリンダ53を駆動してスライダ52を移動さ
せ、該スライダ52の移動によってノズル44を回転させる
と共にノズル44からグリスを吐出させてグリスの塗布を
行なう。

即ち、油圧シリンダ53によりスライダ52を移動駆動する
と、そのラックギア54の移動によってピニオンギア43
（即ちノズル44）が回転駆動されると共に、板カム55に
よって操作ロッド63が押圧操作され、グリス吐出シリン
ダ61内のグリスが連結パイプ64,通路42B及びグリス供給
路42Aを介してノズル44から吐出されてドライブシャフ
ト内周のスプライン部に円環状に塗布されるものであ
る。

尚、グリス吐出シリンダ61内へは、図示しない供給経路
を介して順次グリスが供給されるものである。

上記実施例は、カム部材を板カムとして構成し、スライ
ダの直線移動によってグリス吐出シリンダを押圧操作す
るものであるが、これに限るものではなく、スライダの
移動によって回転駆動される円板カムとする等適宜変更
可能なものである。

［考案の効果］ 上記の如き、本考案に係るグリス供給装置によれば、一
つの駆動手段によって塗布ノズルの回転駆動とグリスの
供給が行なえ、構成が簡単となって装置が小型化でき、
コストダウンできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るグリス供給装置の一実施例の側面
図、第２図はその正面図である。 44…ノズル（塗布ノズル） 52…スライダ（駆動系の可動部） 55…板カム（カム部材） 61…グリス吐出シリンダ（グリス溜め） 62…ピストン（定量押出しピストン 63…操作ロッド（操作部材）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】グリス溜め（61）内から定量押出しピスト
   ン（62）によって供給されるグリスを、回転駆動される
   塗布ノズル（44）によってワーク（７）の内面に塗布す
   るものであって、前記塗布ノズル（44）を回転駆動する
   駆動系（51〜56）の可動部（56）にカム部材（55）を設
   けると共に、前記定量押出しピストン（62）の操作部材
   （63）を前記カム部材（55）のカム面（55A）に当接配
   置し、前記塗布ノズル（44）の回転駆動に伴う前記カム
   部材（55）の移動による前記操作部材（63）との当接位
   置の変化によって定量押出しピストン（62）を作動駆動
   するよう構成したこと、を特徴とするグリス供給装置。