JPH07195694A - インクジェットヘッドおよび該ヘッド用基体並びに該ヘッドを具えた装置 - Google Patents

インクジェットヘッドおよび該ヘッド用基体並びに該ヘッドを具えた装置

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JPH07195694A
JPH07195694A JP33790393A JP33790393A JPH07195694A JP H07195694 A JPH07195694 A JP H07195694A JP 33790393 A JP33790393 A JP 33790393A JP 33790393 A JP33790393 A JP 33790393A JP H07195694 A JPH07195694 A JP H07195694A
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    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/13Heads having an integrated circuit

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動回路をヘッドに組み込んでも寄生バイポ
ーラトランジスタの効果をなくすことができ、かつ単結
晶基体に埋め込み層を設ける必要がないインクジェット
ヘッドおよび該ヘッド用基体並びに該ヘッドを具えた装
置を提供する。 【構成】 インクを吐出する吐出口が設けられたインク
ジェットヘッドにおいて、少なくとも表面が実質的に絶
縁性を有する支持体11上に、多結晶シリコン層15,
16と少なくとも一層以上の金属シリサイド層13とで
構成され、かつ当該多結晶シリコン層15,16中にp
n接合面を有するダイオードが複数配置された基体を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動回路の一部を組み
込んだインクジェットヘッドおよび該ヘッド用基体並び
に該ヘッドを具えた装置に関する。なお、ここで、記録
とは、布、糸、紙、シート材等のインク付与を受けるイ
ンク支持体全てへのインク付与等(プリント)を含むも
ので、記録装置は、各種情報処理装置全てあるいはその
出力器としてのプリンタを含むものであり、本発明はこ
れらへの用途が可能なものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭54−51837号公報、ドイツ
公開(DOLS)第2843064号公報等に記載され
ている液体噴射記録法に適用される装置の記録ヘッド部
の一例は、液体(インク)を吐出するために設けられた
オリフィス(吐出口)と、該オリフィスに連通し、液体
を滴として吐出するために利用される熱エネルギーが液
体に作用する部分である熱作用部を構成の一部とする液
路を有する液吐出部と、熱エネルギーを発生する手段と
しての電気熱変換体とを具備している。
【0003】そして、この電気熱変換体は、一対の電極
と、これら電極に接続され、かつこれらの電極間に発熱
する領域(熱発生部)を有する発熱抵抗層とを具備して
いる。上記一対の電極は、一般に、選択電極と共通電極
とからなり、これら電極間に通電することにより上述し
たオリフィスから液体を吐出するために利用される熱エ
ネルギーが前記熱発生部より発生される。
【0004】従来の記録ヘッドは、電気熱変換素子アレ
イを単結晶シリコン基板上に形成し、一方、この電気熱
変換素子の駆動回路としてシリコン基板外部にトランジ
スタアレイ等の電気熱変換素子駆動用機能素子を配置
し、これら電気熱変換素子とトランジスタアレイ間の接
続をフレキシブルケーブルやワイヤードボンディング等
によって行う構成としていた。
【0005】上述したヘッド構成に対して考慮される構
造の簡易化、あるいは製造工程で生ずる不良の低減化、
さらには各素子の特性の均一化および再現性の向上を目
的として、特開昭57−72867号公報において提案
されているような電気熱変換素子と機能素子を同一基板
上に設けた記録ヘッドを有するインクジェット記録装置
が知られている。
【0006】図8は上述した構成による記録ヘッド用基
体の一部分を示す断面図である。01は単結晶シリコン
からなる半導体基板である。02はN型半導体のエピタ
キシャル領域、014は高不純物濃度のN型半導体のオ
ーミックコンタクト領域、013はP型半導体のベース
領域、05は高不純物濃度N型半導体のエミッタ領域で
あり、これらでバイポーラトランジスタ015を形成し
ている。06,08は蓄熱層および層間絶縁層としての
酸化シリコン層、010は熱抵抗層、09はアルミニウ
ム(Al)の配線電極、011は保護層としての酸化シ
リコン層であり、以上で記録ヘッド用の基体016を形
成している。なお、ここで熱抵抗層010が発熱部とな
る。そして、この基体016上に液路が形成されて記録
ヘッドが構成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では個々のダイオードの電気的分離をpn分離によ
って行っているため、次の2点の欠点があった。
【0008】(1)ダイオードのベース部分013およ
びコレクタ部分03,04および基体01,02の間で
寄生バイポーラトランジスタが構成されてしまい、基体
01,02に流れ込む電流を押さえるためには、ダイオ
ードのコレクタ部03,04、つまり、寄生バイポーラ
のベース部分を高濃度層にしてやる必要がある。このた
め、拡散層03,04の横や縦方向への広がりが大きく
なり、ダイオードの小型化を阻げる要因になっている。
【0009】(2)また、ベース領域013を3次元的
に接合分離しなければならない必要性から、埋め込み層
03の存在は必須となり、この結果、製作工程途中で、
エピタキシャル成長が必ず入ってくることになる。安価
なインクジェットを製造する際、エピタキシャル成長工
程は多大なコストアップ要因になり、製造原価を押し上
げる結果となる。
【0010】本発明はこのような事情に鑑み、駆動回路
をヘッドに組み込んでも寄生バイポーラトランジスタの
効果をなくすことができ、かつ単結晶基体に埋め込み層
を設ける必要がないインクジェットヘッドおよび該ヘッ
ド用基体並びに該ヘッドを具えた装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明のインクジェットヘッドは、インクを吐出する吐出口
が設けられたインクジェットヘッドにおいて、少なくと
も表面が実質的に絶縁性を有する支持体上に、多結晶シ
リコン層と少なくとも一層以上の金属シリサイド層とで
構成され、かつ当該多結晶シリコン層中にpn接合面を
有するダイオードが複数配置された基体を有することを
特徴とする。
【0012】また、本発明のインクジェット用基体は、
少なくとも表面が実質的に絶縁性を有する支持体上に、
多結晶シリコン層と少なくとも一層以上の金属シリサイ
ド層とで構成され、かつ当該多結晶シリコン層中にpn
接合面を有するダイオードが複数配置されていることを
特徴とする。
【0013】さらに本発明のインクジェット装置は、前
記インクジェットヘッドを具えたインクジェット装置で
あって、前記インクジェットヘッドが装置本体に対して
着脱可能であることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明では、少なくとも表面が実質的に絶縁性
を有する支持体上に多結晶シリコンのダイオードアレイ
を配置することによって、個々のダイオード間の分離を
pn分離ではなく誘電体分離にし、これによって寄生バ
イポーラが構成されることを根本的に防いでいる。
【0015】また、本発明の構成では、製作工程途中に
エピタキシャル層形成が不要になり、30%以上の製造
コスト低減を可能とする。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0017】〔実施例1〕図1は本発明のインクジェッ
トヘッドの基体の特徴を最もよく表わす構造断面図であ
り、同図において、11は石英からなる、もしくはシリ
コンウエハ上に二酸化ケイ素膜等の絶縁体が設けられた
支持体、12は多結晶シリコン等のパッド材料、13は
タングステンシリサイド等の金属シリサイド膜、14は
p型もしくはn型の導電性を持った多結晶シリコン層、
15は多結晶シリコン層14に不純物を拡散させて反対
の導電型とした濃い拡散層、16はシリコン熱酸化膜、
17はアルミニウム等の金属からなる第1配線層18
は、二酸化ケイ素等層間絶縁膜、19はアルミニウム等
の金属からなる第2配線層、20は窒化タンタル等のヒ
ーター材料、21は窒化ケイ素等からなるパッシベーシ
ョン膜、22はタンタル等からなるキャビテーション防
止膜である。
【0018】以下本発明による一実施例のインクジェッ
トヘッドの基体の製造例を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0019】図2は本発明による、一実施例の工程断面
図である。
【0020】まず、150mm直径の円形支持体31に
1500Åの厚さの多結晶シリコン32を減圧CVD法
にて堆積させる。次に、2500Åの厚さのタングステ
ンシリサイド膜33を共晶ターゲットによるスパッタ法
にて同じく全面に堆積させる。次に、窒素雰囲気105
0℃の温度にて30分間シリサイド膜33のシンターを
行い、後工程で表面荒れを起こさないように固める。次
に、再び減圧CVD法にて多結晶シリコン34を3μm
程度の厚さに堆積させる。この多結晶シリコン34の厚
さは、ダイオードの逆方向耐圧に関する重要なパラメー
タとなる。
【0021】一例を挙げれば、薄い濃度の拡散層をp型
とし、その濃度を2×1016/cm3 とすると、35V
までパンチスルーさせないためには、2μm以上の幅を
必要とする。
【0022】多結晶シリコン34の堆積後、ホウ素のイ
オン打ち込みを行う。ドーズ量は6×1012ions/
cm2 で、加速電圧は120KeVである。
【0023】イオンインプランテーション後、1100
℃で120分のドライブを行っている(図2(a))。
【0024】次に、オキシ塩化リン(POCl3 )にて
多結晶シリコン34上にリンガラスを堆積させ、950
℃で10分のドライブを行い、濃いn型の拡散層35を
形成する(図2(b))。
【0025】次に、n領域に当たる所定の場所にフォト
リソグラフィー法によって、レジストパターンを形成す
る。レジストパターン形成後、CF4 と酸素と窒素の混
合ガスによるマイクロ波ドライエッチング法にて、多結
晶シリコン層34,35のエッチングを行った。平行平
板によるドライエッチング法も採用できるが、後工程の
フォトリソワークをやり易くするため、できるだけ等方
性エッチングの方が望ましい。下層のタングステンシリ
サイド層33とのエッチング選択比はとりずらいが10
00Å程度削りとられても特に問題はない(図2
(c))。
【0026】次に、p型領域とコンタクトを取るため、
n領域に対して、オーバーサイズで、所定の位置にレジ
ストパターンを形成する。レジストパターン形成後、前
記ガス系と同様、CF4 と酸素と窒素の混合ガスによ
る、マイクロ波ドライエッチング法にてタングステンシ
リサイド層33と、多結晶シリコン層32とのエッチン
グを行った。このエッチングは異方性、等方性のどちら
でもよい。このエッチング後、パイロ酸化法にて、22
00Åのシリコン熱酸化膜36を成長させた。タングス
テンシリサイド層33の上に、シリコン熱酸化膜を成長
させるには、下部多結晶シリコン層32の存在が重要で
ある(図2(d))。
【0027】次に、熱酸化膜36に対し、フォトリソグ
ラフィー法によってコンタクトホールを形成する。この
エッチングはバッファードフッ酸によるウェットエッチ
ング法で行った。次に、アルミニウム37をスパッタ法
によって8000Å程度堆積させ、フォトリソグラフィ
ー法によって、所定の形状に加工した。このエッチング
は、リン酸−硝酸系のウェットエッチング法を用いた
(図2(e))。
【0028】以下、従来法に従ってヒーターアレイを形
成し、図1に示すような最終形態に加工した。多結晶シ
リコンの接合面を利用している関係から、当然ダイオー
ドの飽和電流値は大きくなるが、逆方向20V印加時
で、8mA/cm2 の電流値になる。ダイオードの接合
面積を300μm□とすると、8μAの漏れ電流とな
り、遮断特性としては、実用に耐えるレベルにある。
【0029】〔実施例2〕上記実施例では、寄生バイポ
ーラを全く構成しない構造でダイオードを構成したが、
素子段差を軽減するため、図3のような構造のダイオー
ドも考えられる。41はp型のシリコン単結晶支持体、
42は濃いn型拡散層、43はp型の多結晶シリコン
層、44はタングステンシリサイド層、45はn型領域
の電極、46は基体の電位を接地に落とす電極である。
【0030】上記構造の場合、p型シリコン支持体41
をコレクタとする寄生pnpトランジスタが構成されて
しまう様に見えるが、ベースに当たるn+ 層の濃度が、
1×1019以上あれば、支持体41に流れ込む電流値が
1μA以下になり、実用上支障は無い。すなわち、支持
体41は、n+ 層42によって、少なくとも表面が実質
的に絶縁性を有する構成となっている。なお、p型多結
晶シリコン43上のタングステンシリサイド層44は、
アルミニウムのスパイクによる、耐圧の低下を防ぐため
に積層されている。
【0031】上記タングステンシリサイド層44を低抵
抗化するために、公知の技術で通常、1000Å程度の
熱処理を不活性ガス中で行う。この熱処理中に、単結晶
支持体のn型拡散層42からp型多結晶シリコン層43
にその濃度差からn型の不純物が0.5μm程度拡散す
る。そのため、pn接合面は単結晶支持体41,42と
多結晶シリコン層43の界面ではなく、多結晶シリコン
層43中に形成される(図3中の47で示す)。
【0032】この結果、ダイオードの逆方向飽和電流な
どダイオード特性は第1の実施例と全く同様に考えられ
る。
【0033】図4は、上述した構造の基体を用いたイン
クジェットヘッドの構造の一例を示す。同図に示すよう
に、基体51、天板52およびこれらの間に所定間隔で
設けられた隔壁53によって画成されているインク流路
54は、インクを吐出する吐出口55に連通しており、
このインク流路54の吐出口55の近傍の基体51に
は、インクに気泡を形成してインクを吐出するために利
用される熱エネルギを発生する電気熱変換体の発熱部5
6およびこれを駆動するための駆動素子が配設されてい
る。ここで、駆動素子は上述した構成を有する。また、
基体51および天板52の間には、隔壁53により、流
入開口57を介してインク流路54に連通する共通液室
58が画成されており、天板52には共通液室58にイ
ンクを供給するための供給口59が形成されている。
【0034】図5は、以上の構成のインクジェットヘッ
ドが適用されるインクジェットカートリッジIJCの斜
視図、図6はその分解斜視図を示す。これらの図におい
て、100はSi支持体上に複数の列状に配された電気
熱変換体とこの電気熱変換体を駆動する駆動素子および
電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術により形
成されてなるヒータボード、200はヒータボード10
0に対する配線基板であり、配線基板200はヒータボ
ード100の配線に対応する配線およびこの配線の端部
に位置して本体装置からの電気信号を受けるパッド21
0を有する。300は複数のインク流路およびこれらに
連通する共通液室それぞれ区分するための隔壁等を設け
た天板、400は共通液室に連通するインク受け口、5
00は吐出口を複数個有するオリフィスプレートであ
り、これらは例えばポリサルフォンにより一体成形され
る。600は配線基板200の裏面を平面で支持する例
えば金属製の支持体であり、インクジェットユニットの
底板となる。700は天板300およびヒータボード1
00を支持体600に圧着固定する押さえばねであり、
この押さえばね700の足部は支持体600の穴610
に係合されている。800はインク供給部材であり、こ
のインク供給部材800には後述するインクタンクIT
の供給口1020を介してインク吸収体1100に一端
が圧接されるインク供給管810と、このインク供給管
810の他端に一端が連続しかつ他端が前記インク受け
口400に圧接されるインク導管820とが形成されて
いる。900はインク供給管810のタンク側端部に設
けたれたフィルタである。なお、支持体600の供給口
1020に対応する位置には、インク供給管810が貫
通する穴620が形成されている。
【0035】このように構成されるインクジェットユニ
ットIJUにインクを供給するインクタンクITは、カ
ートリッジ本体1000と、インクを含浸させるための
インク吸収体1100と、このインク吸収体1100を
カートリッジ本体1000に上記インクジェットユニッ
トIJU取付面とは反対側から挿入した後これを封止す
るためのするための蓋部材1200とで構成されてい
る。カートリッジ本体1000には、インクタンクIT
内に空気を供給するための大気連通口1010が形成さ
れており、この大気連通口1010には、この大気連通
口1010からのインク漏れを防止するための撥液材1
300が挿入されている。また、カートリッジ本体10
00には、インク供給口1020が形成されており、こ
のインク供給口1020には、パッキン1400が設け
られている。なお、上述したインクジェットユニットI
JUは、カートリッジ本体1000のインク吸収体11
00挿入側とは反対側の側面支持体600を固定するこ
とにより取り付けられ、蓋部材1500で覆われてい
る。
【0036】図7は、以上のように構成されるインクジ
ェットカートリッジIJCが搭載されるインクジェット
記録装置の一例の概観図を示す。このインクジェット記
録装置IJRAは、駆動モータの2010の正逆回転に
連動して駆動力伝達ギア2020,2030を介して回
転するリードスクリュー2040を有する。インクジェ
ットカートリッジIJCが載置されるキャリッジHC
は、キャリッジ軸2050およびリードスクリュー20
40に支持され、リードスクリュー2040のら線溝2
041に対して係合するピン(不図示)を有しており、
リードスクリュー2040の回転に伴って、矢印a,b
方向に往復移動される。2060は紙押え板であり、キ
ャリッジ移動方向にわたって紙Pをプラテンローラ20
70に対して押圧する。2080および2090はフォ
トカプラで、これらは、キャリッジHCに設けられたレ
バー2100のこの域での存在を確認してモータ201
0の回転方向切換等を行うためのホームポジション検知
手段として動作する。2110は記録ヘッドの前面をキ
ャップするキャップ部材であり、支持部材2120によ
り支持されている。2130はこのキャップ内を吸引す
る吸引手段であり、キャップ内開口を介して記録ヘッド
の吸引回復を行う。記録ヘッドの端面をクリーニングす
るクリーニングブレード2140は、前後方向に移動可
能に部材2150に設けられており、これらは本体支持
板2160に支持されている。ブレード2140はこの
形態に限定されず、周知のクリーニングブレードが本例
に適用できることはいうまでもない。また、2170は
吸引回復の吸引を開始するためのレバーであり、キャリ
ッジHCと係合するカム2180の移動に伴って移動す
るようになっており、これにより駆動モータ2010か
らの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移動制
御される。
【0037】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジHCがホームポジシヨン側領域に
きたときにリードスクリユー2040の作用によってそ
れらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されて
いるが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにす
れば、本例には何れも適用できる。上述における各構成
は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明に
とって好ましい構成例を示している。
【0038】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0039】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0040】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0041】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0042】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0043】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0044】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0045】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0046】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、少なくとも表面が
実質的に絶縁性を有する支持体上に、多結晶シリコンに
よるダイオードを複数構成することによって、寄生バイ
ポーラトランジスタの効果を完全に無くすことができる
ようになり、基体側に流れる余分な電流を消滅させるこ
とができる。
【0048】また、単結晶基体に埋め込み層を設ける必
要が無いので、従来例ではアルミニウムの配線までに最
低限5〜6回のフォトリソ工程とエピタキシャル成長工
程が必要だったものが、フォトリソ工程4回,エピタキ
シャル成長工程なしとなり、製造コスト3割以上の削減
が可能となる。
【0049】また、ヒーター下層にシリコン基体が存在
する必要がなくなり、熱伝導性の低い石英基体に置き換
えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるインクジェットヘッ
ドの基体の構造断面図である。
【図2】本発明のインクジェットヘッドの基体の製作工
程の一例を示す構造断面図である。
【図3】本発明の他の実施例にかかるインクジェットヘ
ッドの基体の構造断面図である。
【図4】本発明の一実施例にかかるインクジェットヘッ
ドの構造を示す斜視図である。
【図5】本発明のインクジェットヘッドを用いたインク
ジェットカートリッジの斜視図である。
【図6】図5の分解斜視図である。
【図7】本発明のインクジェットヘッドが搭載されるイ
ンクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図8】従来例での構造断面図である。
【符号の説明】
11,31 絶縁性支持体 41 p型単結晶シリコン支持体 12,32 多結晶シリコン等パッド材料層 13,33,44 タングステンシリサイド等金属シリ
サイド 14,34,43 p型多結晶シリコン層 15,35 n型多結晶シリコン層 16,36 シリコン熱酸化膜 17,37 アルミニウム等金属配線層 18 二酸化ケイ素等層間絶縁膜 19 アルミニウム等第2金属配線層 20 窒化タンタル等ヒーター材料 21 窒化シリコン等保護膜 22 タンタル等キャビテーション防止膜 42 n型拡散層 45 n型拡散層のコンタクト電極 46 p型基体のコンタクト電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する吐出口が設けられたイ
    ンクジェットヘッドにおいて、 少なくとも表面が実質的に絶縁性を有する支持体上に、
    多結晶シリコン層と少なくとも一層以上の金属シリサイ
    ド層とで構成され、かつ当該多結晶シリコン層中にpn
    接合面を有するダイオードが複数配置された基体を有す
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記金属シリサイド層はタングステンシ
    リサイド層であることを特徴とする請求項1記載のイン
    クジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記インクジェットヘッドは、前記吐出
    口からインクを吐出するために利用されるエネルギを発
    生するエネルギ発生体として、インクに膜沸騰を生じさ
    せる熱エネルギを発生する電気熱変換体を有することを
    特徴とする請求項1または2記載のインクジェットヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 少なくとも表面が実質的に絶縁性を有す
    る支持体上に、多結晶シリコン層と少なくとも一層以上
    の金属シリサイド層とで構成され、かつ当該多結晶シリ
    コン層中にpn接合面を有するダイオードが複数配置さ
    れていることを特徴とするインクジェットヘッド用基
    体。
  5. 【請求項5】 前記金属シリサイド層はタングステンシ
    リサイド層であることを特徴とする請求項4記載のイン
    クジェットヘッド用基体。
  6. 【請求項6】 請求項1,2または3記載のインクジェ
    ットヘッドを具えたインクジェット装置であって、前記
    インクジェットヘッドが装置本体に対して着脱可能であ
    ることを特徴とするインクジェット装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6267470B1 (en) 1996-01-11 2001-07-31 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet head structure having MOS transistors for power supply, and head substrate, ink jet cartridge, and ink jet apparatus having the same

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