JPH07195639A - 耐熱性にすぐれた積層体 - Google Patents

耐熱性にすぐれた積層体

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JPH07195639A
JPH07195639A JP5350055A JP35005593A JPH07195639A JP H07195639 A JPH07195639 A JP H07195639A JP 5350055 A JP5350055 A JP 5350055A JP 35005593 A JP35005593 A JP 35005593A JP H07195639 A JPH07195639 A JP H07195639A
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JP
Japan
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density
ethylene
component
intrinsic viscosity
layer
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JP5350055A
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English (en)
Inventor
Hirobumi Fukui
博文 福井
Kimiya Miyoshi
公弥 三好
Kiyoshi Kawabe
清 川辺
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剛性、耐熱性を備え、かつ表面外観のすぐれ
た積層体を提供することを目的とする。 【構成】 (A)特定の高分子量成分からなるエチレン
・α−オレフィン共重合体および(B)相対的に低分子
量のエチレン系重合体からなり、特定の性状を有する混
合物を芯層とし、その両面に特定の硬質ポリオレフィン
を外層として積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性にすぐれた積層体
に関し、特に分子量分布が広く、流動性、機械的特性に
すぐれた特定のエチレン・α−オレフィン共重合体層を
芯層とし、特定の硬質ポリオレフィン層をその両面に外
層として(以下単に「外層」という)積層した耐熱性に
すぐれた積層体に関し、押出成形、中空成形等の成形法
に好適に使用することができ、各種フィルム、シート、
パイプ、中空容器等の広範な成形品として利用できるも
のである。
【0002】
【従来の技術】線状低密度ポリエチレンは一般に分子量
分布が非常に狭いため、メルトテンションなどの溶融弾
性およびn−値、フローパラメーター、臨界剪断速度な
どの流動特性に劣る。溶融弾性および流動特性に関する
欠点は主として成形加工性に現れ、具体的には成形加工
時の押出量の低下、押出圧力の上昇、電力消費量の上
昇、高速成形性の不良、成形品の表面荒れ、フィッシュ
アイの生成、押出機内の発熱に伴う熱劣化などの問題点
が挙げられる。線状低密度ポリエチレンの流動特性を改
良するため分子量を小さくすると、衝撃強度等の機械的
特性、耐環境応力亀裂性、特に低温時の機械的特性およ
び溶融弾性等が著しく低下するという欠点が現れる。ま
た機械的特性を改良するため密度を低くしても、溶融弾
性はほとんど改良されない。上記のように、線状低密度
ポリエチレンについては機械的特性、特に低温時の機械
的特性、流動特性および溶融弾性を同時に向上させるこ
とはきわめて困難であった。本出願人は、このような線
状低密度ポリエチレンの機械的特性、特に低温時の機械
的特性、流動特性および溶融弾性を同時の改良する技術
をすでに提案しているが(特開平4−249562号公
報)、上記目的は達成したものの、フィルムや成形品の
剛性や耐熱性などについては十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定のエチ
レン・α−オレフィン共重合体を芯層とし、かつ外層と
して硬質ポリオレフィン層を積層することによって剛
性、耐熱性等を改善した積層体を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
に沿って鋭意検討した結果、高分子量成分における分子
間の短鎖分岐分布がきわめて広い、特定のエチレン・α
−オレフィン共重合体と、相対的に低分子量のエチレン
系重合体とを配合することにより、溶融弾性、流動特
性、機械的特性、特に低温時の機械的特性にすぐれた樹
脂組成物を生成し、さらにこの樹脂組成物を芯層とし、
かつ外層として硬質ポリオレフィン層を積層することに
より、硬質ポリオレフィンの特性である剛性、耐熱性に
すぐれた多層フィルムおよび成形品が得られることを見
いだし本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、(I)(A)極限粘度(η
1)2.0 〜9.0 dl/g、密度(d1)0.88〜0.94 g/cm3を満
足するエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共
重合体20〜80重量%、および(B)極限粘度(η2)0.2〜
2.0 dl/g未満、密度(d2)0.88〜0.97 g/cm3を満足す
るエチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜18の
α−オレフィンとの共重合体80〜20重量%を含む混合物
であって、極限粘度(η)が2.0〜5.2 dl/g、密度
(d)が0.88〜0.94 g/cm3及びn−値が1.7〜3.5である
超高分子量ポリエチレンを芯層として、(II)下記(C
1)、(C2)から選ばれた少なくとも1種のポリオレフィン
系重合体からなる層を前記芯層の両面に外層として積層
してなることを特徴とする耐熱性にすぐれた積層体を提
供することである。 (C1)密度が0.94 g/cm3以上のポリエチレン系樹脂、 (C2)ポリプロピレン系樹脂。
【0006】以下本発明の内容を詳細に説明する。本発
明の高分子量成分(A)であるエチレン・α−オレフィン
共重合体は、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィン
との共重合体からなり、特に炭素数4〜10のものが機械
的特性の点から好ましい。具体的には、1-ブテン、1-ペ
ンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテ
ン、1-ノネン、1-デセン等が挙げられる。なおα−オレ
フィンは2種以上併用しても差し支えない。
【0007】上記高分子量成分(A)であるエチレン・α
−オレフィン共重合体は、極限粘度(η1)が2.0〜9.0
dl/g、好ましくは2.3〜8.5 dl/g、更に好ましくは2.5〜
8.0dl/gの範囲のものが用いられる。(η1)が2.0 dl/g
未満では、得られた組成物の溶融弾性および機械的特性
が低下し、また9.0 dl/gを超えると、フィッシュアイの
発生など成形加工性が低下する。
【0008】また成分(A)の密度(d1)は、0.88〜0.94
g/cm3未満の範囲、好ましくは0.89〜0.925 g/cm3が用
いられる。(d1)が0.88 g/cm3未満のものは製造が困
難である上に、得られた組成物のベタつきの原因となる
ため好ましくない。一方(d1)が0.94 g/cm3を超える
ときは、溶融弾性および機械的特性が低下するため好ま
しくない。
【0009】本発明で用いる成分(A)はまた、上記(A)成
分の中でも特に下記(a)および(b)の条件を満足するエチ
レン・α−オレフィン共重合体が低温時の機械的強度を
顕緒に向上させるので好ましい。 (a)連続昇温溶出分別法による溶出温度−溶出量曲線に
おいて、溶出温度90℃以上の曲線下の面積Iaに対する
溶出温度25〜90℃の曲線下の面積Ibの比S(Ib/I
a)が次式から計算されるS1以下、 S1=20η1 -1 exp[-50(d1-0.90)] (b)25℃オルソジクロロベンゼン可溶分W重量%が次式
から計算されるW1以上 W1=20 exp(-η1)。 上記(a)のとおり、溶剤への溶解温度から分岐分布を測
定するL.Wildらの連続昇温溶出分別法(Temperature Ri
sing Elution Fractionation(TREF);Journalof Polymer
Science:Polymer Physics Edition,Vol.20,441-455(19
82))による溶出温度−溶出量曲線において、溶出温度9
0℃以上の曲線下の面積Iaと溶出温度25〜90℃の曲線
下の面積Ibとの間に特定の関係が成立することが必要
である。すなわち図1の模式図に示される面積比S=I
b/Iaの値が次式から求められるS1以下である。 S1=20η1 -1 exp[-50(d1-0.90)] Sの値がS1を超えると、分岐分布がほぼ均一に近づく
結果、溶融弾性および機械的特性、特に低温時の機械的
特性に対してきわめて有効な高分岐度成分が相対的に減
少こととなり好ましくない。
【0010】本発明で使用する成分(A)の(b)25℃オルソ
ジクロロベンゼン可溶分は、溶出温度が低過ぎて上記の
連続昇温溶出分別法では定量され得ない程度にきわめて
多量の分岐を有する成分の量を表すものであり、特定の
値以上であることが必要である。すなわち、該可溶分量
W重量%が次式から求められるW1以上である。 W1=20 exp(-η1) Wの値がW1未満では、溶融弾性および機械的特性、特
に低温時の機械的特性に対してきわめて有効な高分岐度
成分が減少する結果、前記と同様に好ましくない。
【0011】本発明の低分子量成分である(B)は、エチ
レン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合
体である。α−オレフィンとしては、成分(A)の場合と
同様に炭素数3〜18のものが使用され、特に炭素数4〜10
のものが機械的特性の点から好ましい。具体的には、1-
ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテ
ン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン等が挙げられる。
なおα−オレフィンは2種以上併用しても差し支えな
い。
【0012】上記成分(B)の極限粘度(η2)は0.2〜2.0
dl/g未満の範囲が用いられ、好ましくは0.3〜1.8 dl/
g、更に好ましくは0.4〜1.6 dl/gの範囲である。
(η2)が0.2dl/g未満では、得られた組成物の機械的特
性、特に低温時の機械的特性が低下し、一方2.0 dl/gを
超えると、その流動特性が低下するのでいずれも好まし
くない。
【0013】また成分(B)の密度(d2)は、0.88〜0.97
g/cm3の範囲、好ましくは0.91〜0.96 g/cm3が用いられ
る。(d1)が0.88 g/cm3未満のものは製造が困難であ
る上に、得られた組成物のベタつきの原因となるため好
ましくない。一方(d1)が 0.97g/cm3を超えるとき
は、溶融弾性および機械的特性が低下するため好ましく
ない。
【0014】本発明における成分(A)と成分(B)との配合
割合は、成分(A)20〜80重量%、成分(B)80〜20重量%で
あり、好ましくはそれぞれ30〜70重量%および70〜30重
量%である。成分(A)の量が20重量%未満では溶融弾性
および機械的特性、特に低温時の機械的特性が低下し、
一方80重量%を超えるときは流動特性が低下するため、
いずれも使用できない。
【0015】本発明の樹脂成分は、上記のように(A)(B)
両成分の配合により得られるが、配合後の樹脂成分の性
状は特定の範囲になければならない。すなわち樹脂成分
の極限粘度(η)は2.0〜5.2 dl/g であり、 好ましく
は2.5〜4.0 dl/g である。(η)が2.0 dl/g 未満では
溶融粘度および機械的特性、特に低温時の機械的特性が
低下し、5.2 dl/g を超えるときは流動特性が低下する
ため、いずれも好ましくない。また樹脂成分の密度
(d)は0.88〜0.94 g/cm3であり、好ましくは0.89〜0.
925 g/cm3である。(d)が0.88 g/cm3未満では製造が
困難である上に樹脂成分のベタつきの原因となり、また
0.94 g/cm3を超えるときは、引張衝撃値等の機械的特性
が低下する。更に、樹脂成分のn−値が1.7〜3.5である
ことが必要であり、好ましくは 2.0〜3.0である。n−
値が1.7未満では高速成形性が低下し、3.5を超えるとき
は、低分子量成分の増加により、成形時に白粉や発煙が
生じやすくなる。
【0016】本発明における(II)成分のひとつであ
る、(C1)密度が0.94 g/cm3以上のポリエチレンとは、エ
チレン単独またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフ
ィンの共重合体およびそれらの混合物で、具体的なα−
オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、4-メチル
-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ドデセン等
を挙げることができる。これらのα−オレフィンうち特
に好ましいのは、プロピレンと1-ブテンである。その密
度は0.94〜0.98 g/cm3の範囲で、メルトフローレート
(以下、MFRと称す)は0.1〜50 g/10min、好ましく
は1〜40 g/10min、さらに好ましくは5〜30g/10minの範
囲から選択するのがよい。
【0017】本発明における(II)成分のもうひとつで
ある、(C2)ポリプロピレン系樹脂として具体的には、プ
ロピレン単独重合体(以下、ポリプロピレンと称す)、
エチレン−プロピレンブロック共重合体あるいはランダ
ム共重合体などの公知のポリプロピレン共重合体または
それらの混合物を使用することができる。これらの内で
は、エチレン−プロピレンブロック共重合体が好まし
い。ポリプロピレン系樹脂のMFRは0.1〜50 g/10mi
n、好ましくは1〜40 g/10min、さらに好ましくは5〜30
g/10min.の範囲から選択するのがよい。
【0018】本発明の(I)成分を製造する方法につい
ては、特に制限されない。例えば成分(A)および成分(B)
をそれぞれ1段重合で単独に製造した後、公知の方法で
両者を混合してもよく、または2段もしくはそれ以上の
多段重合により、公知の重合方法で製造してもよい。前
者の混合により製造する場合には、一軸もしくは二軸押
出機またはバンバリーミキサーなどで混練する方法、あ
るいは溶液混合法など公知の方法を使用することができ
る。後者の多段重合による方法とは、複数個の反応器を
使用して、例えば第1段の反応器を成分(A)に相当する
高分子量のエチレン・α−オレフィン共重合体の重合条
件に保持し、第2段の反応器を成分(B)の低分子量重合
体の重合条件に保持して、第1段で生成した重合体を連
続的に第2段に流通させ、樹脂成分を製造する方法であ
る。ただし、(A)(B)各成分はいずれの反応器において製
造されてもよく、製造順序・段数は特に限定されるもの
ではない。
【0019】上記いずれの場合も、反応形式については
特に制限はなく、スラリー法、気相法、溶液法、高圧イ
オン法など各種の方法を用いることができる。また重合
触媒も特に制限はなく、例えばチーグラー型触媒、フィ
リップス型触媒、カミンスキー型触媒などいずれも使用
することができる。触媒として特に好ましいものは固体
担体に担持された高活性を有するチーグラー型触媒であ
り、以下にその詳細を述べる。
【0020】高活性チーグラー型触媒は、無機質固体担
体例えば金属マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸
マグネシウム、酸化マグネシウム、各種アルミナ、シリ
カ、シリカアルミナ、塩化マグネシウム等、またはマグ
ネシウム、ケイ素、アルミニウム、カルシウムから選ば
れる元素を含む複塩、複酸化物、含水炭酸塩、含水ケイ
酸塩等、更にこれらの無機質固体担体を含酸素化合物、
含硫黄化合物、炭化水素、ハロゲン含有物質で処理また
は反応させたものなどの無機質固体担体に、遷移金属化
合物、例えばチタン、バナジウム、ジルコニウム、クロ
ム等の金属のハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、
酸化物、ハロゲン化酸化物などを担持させたものを固体
成分として用い、 これに第 I〜IV 族金属の有機化合
物、好ましくは亜鉛またはアルミニウムの有機金属化合
物を組み合わせたもの、あるいはこれらをさらにα−オ
レフィンと接触させて前処理したものなどである。
【0021】本発明の積層体の製造方法としては、共押
出法、押出しラミネーション法、サンドイッチラミネー
ション法およびこれらの組み合せなどの種々の公知の方
法を採用することができる。積層体がフィルムまたはシ
ート状のものであれば、芯層および外層をそれぞれ別個
の押出機で押出し、多層構造のダイに供給し、ダイ内接
着型および/またはダイ外接着型の共押出成形法で成形
する方法、また接着剤樹脂組成物を必要とする場合には
接着層または接着剤樹脂組成物を中間層として、共押出
しする方法、または予め芯層および外層を成形しておい
て接着性樹脂組成物を両層の間に溶融押出するサンドイ
ッチラミネート法、予め成形された芯層に外層を溶融押
出してラミネートするラミネート法などが挙げられる。
予め芯層または外層が成形されている場合には、これら
の層は一軸または二軸方向に延伸されていてもよい。積
層体がブロー成形される場合には共押出し成形法が挙げ
られる。
【0022】本発明においては(I)および(II)成分
を含有する組成物に対して、各成分を混合溶融し、成形
する際、必要に応じて帯電防止剤、防曇剤、有機フィラ
ー、酸化防止剤、滑剤、有機あるいはは無機系顔料、紫
外線防止剤、分散剤、核剤、発泡剤、架橋剤などの公知
の添加剤を、本願発明の特性を本質的に阻害しない範囲
で添加することができる。
【0023】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。実施例および比較例において使用する(C)外層用
樹脂、(D)外層接着用樹脂、(H)比較例用樹脂成分
を以下に示す。 (C)外層用樹脂 C1:高密度ポリエチレン(HDPE) [密度=0.949 g/cm3 、MFR=0.05 g/10min;商品
名:日石スタフレンE905F(A)、日本石油化学
(株)製] C2:ポリプロピレン(PP) [密度=0.91 g/cm3 、MFR=0.5 g/10min;商品名:
日石ポリプロ E110G、日本石油化学(株)製] (D)外層接着用樹脂 D1:接着性ポリエチレン [無水マレイン酸グラフトポリエチレン、MFR=O.8
g/10min、無水マレイン酸付加量=0.15 重量%;日本石
油化学(株)製] (H)比較例用樹脂 H4:線状低密度ポリエチレン(LLDPE) [エチレン−1−ヘキセン共重合体、密度=0.922 g/cm
3 、MFR=0.56g/10min;日本石油化学(株)製]
【0024】本発明で使用する試験法を示す。 (1)極限粘度 135℃デカリン溶液で測定した極限粘度[η]を示す。 (2)密度 JIS K6760の規定による密度勾配管法(23℃)で測定し
た密度を示す。 (3)連続昇温溶出分別法 L. Wild et al.(J. Polymer Sci, P.P.E 20, 44 198
2)の方法に従った。 〔測定法〕セライト545を充填した容量8.5リットルのス
テンレスカラム内に試料濃度0.05重量%となるように調
整し、135℃で加熱溶解して、オルソジクロロベンゼン
溶液5 mlを注入した後、4℃/minの冷却速度で25℃まで
冷却し、試料をセライト表面に沈着させる。次にこのカ
ラムにオルソジクロロベンゼン 1 ml/minの一定速度で
流しながら50℃/hrの一定速度で昇温し、試料を順次溶
出させる。この際、溶剤中に溶出する試料について、メ
チレンの非対称伸縮振動の波数2925cm-1に対する吸収を
赤外検出器で検出し、記録することにより溶出温度と溶
出量の関係すなわち組成分布の関係を求める。 (4)連続昇温溶出分別法による面積比S 連続昇温溶出分別法による溶出温度と溶出量との関係か
ら得られた組成分布を示すグラフ(図1)において、溶
出温度90℃以上の面積をIaとし、溶出温度90℃以下25
℃以上の面積をIbとしたときに、面積比Sは、S=I
b/Iaで表される。 (5)25℃オルソジクロロベンゼン可溶分W 試料0.5 gを20 mlのオルソジクロロベンゼン中135℃で2
時間加熱し、試料を完全に溶解した後、25℃まで2時間
で冷却する。この溶液を室温25℃で一晩放置した後、テ
フロン製フィルターで濾過して濾液を採取し、赤外分光
光度計でメチレンの非対称伸縮振動の波数2950 cm-1
対する吸収を測定し、その結果からあらかじめ作成した
検量線により濾液中の試料濃度を定量する。 (6)n−値 島津製作所製高化式フローテスターを使用し、樹脂温度
170℃で2 mmφ×40mmのダイから押出し、低位試験圧力2
0kg/cm2および高位試験圧力150kg/cm2での見掛けのせん
断速度を求め次式数1より算出する。
【数1】 (7)メルトフローレート(MFR) JIS K6760の規定によるMFRを示す。(測定温度190
℃、荷重2.16 kg) (8)引張破断強度(UTS) JIS K6760に準拠して測定。(引張速度50 mm/min、試験
片厚み2 mm) (9)ダート衝撃強度 ASTM D1709 に準拠して測定。 (10)収縮開始温度 巾10 mm に切り、100 mm間隔に標線を引いたフィルムを
所定温度のシリコンオイル中に20 秒間入れ、その時の
収縮率が20 %を超える温度を収縮開始温度とした。な
お、収縮率は次式数2から求める。
【数2】
【0025】<実施例1>前記特開平4−249562
号公報に準拠した2段重合プロセスによって得られた
(A)成分である極限粘度(η1)4.3 dl/g、密度(d1
0.916 g/cm3エチレン・1−ブテン共重合体47重量部と
(B)成分である極限粘度(η2)0.83 dl/g、密度(d2
0.917 g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体53重
量部の樹脂成分を調整し表1に示した。この樹脂成分を
芯層用樹脂とし、高密度ポリエチレンを外層用樹脂とし
て、2種3層共押出インフレーションフィルム成形機を
用いてフィルムを成形した。インフレーションフィルム
成形機は、スクリュー径40mm、L/D=25の単軸押出機2基
を備え、押出温度200℃、ブローアップ比2.0 の条件で
成形を行った。フィルムの層厚み構成は、芯層を30μ
m、外層を10μmとした。得られたフィルムの物性を測定
した結果を表3に示した。この結果から、成形性が良好
で、引張強度、引張伸び、ダート衝撃強度にすぐれ、か
つ耐熱性を備えたフィルムが得られたことが分かる。
【0026】<実施例2>芯層の(A)(B)成分を変え、ま
た外層用樹脂としてポリプロピレンを用い、芯層と外層
の間には無水マレイン酸グラフトポリエチレンからなる
接着層を介して積層体とした他は、実施例1と同様の方
法を用い、その結果を表3に示した。
【0027】<実施例3、4>芯層の(A)(B)成分を変
え、また外層用樹脂として高密度ポリエチレンまたはポ
リプロピレンを用い、必要に応じて芯層と外層の間には
無水マレイン酸グラフトポリエチレンからなる接着層を
介して積層体とした他は、実施例1と同様の方法を用
い、その結果を表3に示した。
【0028】<実施例5>(A)成分がW<W1である樹脂
成分を芯層として用いた他は、実施例1と同様の方法を
用い、その結果を表3に示した。
【0029】<比較例1>(A)成分がW<W1で、かつ
(A)(B)成分の混合物の極限粘度が1.45である樹脂成分を
芯層として用いた他は、実施例1と同様の方法を用い、
その結果を表4に示す。その結果は成形性がやや悪く、
引張強度、引張伸び、ダート衝撃強度が劣り好ましくな
い。
【0030】<比較例2>(A)成分が16重量%、(B)成分
が84重量%で、(A)(B)成分の混合物の極限粘度が1.33、
密度が0.951g/cm3、n−値が1.6である樹脂成分を芯層
として用い、外層としてポリプロピレンを用いた他は、
実施例1と同様の方法を用い、その結果を表4に示す。
その結果は成形性、引張強度、引張伸びがやや劣り、ダ
ート衝撃強度が著しく劣り好ましくない。
【0031】<比較例3>(A)成分が85重量%、(B成分)
が15重量%である(A)(B)成分の混合物の極限粘度が1.81
である樹脂成分を芯層として用いた他は、実施例1と同
様の方法を用い、その結果を表4に示す。その結果は成
形性がやや悪く、引張強度、引張伸び、ダート衝撃強度
が劣り好ましくない。
【0032】<比較例4>芯層の樹脂成分として線状低
密度ポリエチレン(エチレン−1−ヘキセン共重合体)
を用いた他は、実施例2と同様の方法を用い、その結果
を表4に示す。その結果は成形性、引張強度、引張伸び
がやや劣り、ダート衝撃強度が著しく劣り好ましくな
い。
【0033】<比較例5>高密度ポリエチレンを用いて
単層フィルムを成形し、物性を測定した結果を表4に示
す。その結果は成形性がやや悪く、ダート衝撃強度が著
しく劣り好ましくない。
【0034】<比較例6>ポリプロピレンを用いて単層
フィルムを成形し、物性を測定した結果を表4に示す。
その結果は成形性が悪く、引張強度、引張伸びがやや劣
り、ダート衝撃強度が著しく劣り好ましくない。
【0035】<比較例7>実施例1で芯層用に用いた樹
脂成分を用いて単層フィルムを成形し、物性を測定した
結果を表4に示す。その結果は耐熱性が劣り好ましくな
い。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】本発明の耐熱性にすぐれた積層体は、特
に溶融弾性、流動特性、機械的特性、低温時の機械的特
性にすぐれた特定のエチレン・α−オレフィン共重合体
層を芯層とし、特定の硬質ポリオレフィン層を外層とす
るため、硬質ポリオレフィンの特性である剛性、耐熱性
を備え、かつ表面外観のすぐれた多層フィルムおよび成
形品が得られる。押出成形、中空成形等の成形法に好適
に使用することができ、各種フィルム、シート、パイ
プ、中空容器等の広範な成形品として利用できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続昇温溶出分別法による溶出温度−溶出量曲
線における、面積比Sの模式図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)(A)極限粘度(η1)2.0 〜9.0 dl/
    g、密度(d1)0.88〜0.94 g/cm3を満足するエチレンと
    炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体20〜80重量
    %、および(B)極限粘度(η2)0.2〜2.0 dl/g未満、密
    度(d2)0.88〜0.97 g/cm3を満足するエチレン単独重
    合体またはエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンと
    の共重合体80〜20重量%を含む混合物であって、極限粘
    度(η)が2.0〜5.2 dl/g、密度(d)が0.88〜0.94 g/
    cm3およびn−値が1.7〜3.5である超高分子量ポリエチ
    レンを芯層として、(II)下記(C1)、(C2)から選ばれた
    少なくとも1種のポリオレフィン系重合体からなる層を
    前記芯層の両面に外層として積層してなることを特徴と
    する耐熱性にすぐれた積層体、 (C1)密度が0.94 g/cm3以上のポリエチレン系樹脂、 (C2)ポリプロピレン系樹脂。
  2. 【請求項2】 (A)成分のエチレン・α−オレフィン共
    重合体が、下記(a)および(b)を満足することを特徴とす
    る請求項1に記載の耐熱性にすぐれた積層体、 (a)連続昇温溶出分別法による溶出温度−溶出量曲線に
    おいて、溶出温度90℃以上の曲線下の面積Iaに対する
    溶出温度25〜90℃の曲線下の面積Ibの比S(Ib/I
    a)が次式から計算されるS1以下、 S1=20η1 -1 exp[-50(d1-0.90)] (b)25℃オルソジクロロベンゼン可溶分W重量%が次式
    から計算されるW1以上 W1=20 exp(-η1)。
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