JPH07195608A - 耐応力腐食割れ性の優れたオーステナイト系ステンレス鋼基複合材料 - Google Patents

耐応力腐食割れ性の優れたオーステナイト系ステンレス鋼基複合材料

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Publication number
JPH07195608A
JPH07195608A JP33800693A JP33800693A JPH07195608A JP H07195608 A JPH07195608 A JP H07195608A JP 33800693 A JP33800693 A JP 33800693A JP 33800693 A JP33800693 A JP 33800693A JP H07195608 A JPH07195608 A JP H07195608A
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JP
Japan
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stainless steel
corrosion cracking
stress corrosion
austenite stainless
composite material
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Withdrawn
Application number
JP33800693A
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English (en)
Inventor
Michiro Kaneko
道郎 金子
Seisaburo Abe
征三郎 阿部
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、化学プラントのような高温、高圧
環境で使用される耐応力腐食割れ性の優れたオーステナ
イト系ステンレス鋼基複合材料を提供する。 【構成】 オーステナイト系ステンレス鋼帯あるいは鋼
管の片面に0℃から300℃までの平均熱膨張係数(/
℃)が該オーステナイト系ステンレス鋼よりも3×10
6 (/℃)以上低い材料を接合したことを特徴とする耐
応力腐食割れ性の優れたオーステナイト系ステンレス鋼
基複合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学プラントのような
高温、高圧環境で使用される耐応力腐食割れ性に優れた
オーステナイト系ステンレス鋼基複合材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼は、優れ
た耐食性、溶接性、機械的性質を有することから、各種
環境の構造用材料として使用されている。特に使用温度
が100℃を超えるような化学プラントでは、普通鋼は
とても使用することができず、オーステナイト系ステン
レス鋼の使用が必須となっている。しかしながら、オー
ステナイト系ステンレス鋼は、このような高温環境にお
いては、極微量の塩素イオンの存在、あるいは苛性ソー
ダの存在に加えて引張応力が鋼材に作用した場合に、極
めて容易に応力腐食割れを発生するため、このことが従
来より問題となっている。
【0003】このような高温、高圧環境での応力腐食割
れを防止するには、鋼中Ni量を約40%以上に増加さ
せることが有効となるが、その場合、ハステロイやイン
コネル等のNi基合金を使用しなければならず、材料コ
ストがオーステナイト系ステンレス鋼の場合に比べて数
倍以上となってしまい、経済的に見合う設備を建設する
ことが極めて難しくなる。すなわち、SUS304L鋼
やSUS316L鋼等の汎用オーステナイト系ステンレ
ス鋼の耐応力腐食割れ性を大幅に向上させることができ
れば、それは経済的に非常に有益となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学プラン
トのような100℃以上の高温環境で、しかも塩素イオ
ンあるいは苛性ソーダを含有する溶液中において、オー
ステナイト系ステンレス鋼の耐応力腐食割れ性を大幅に
向上させた材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】応力腐食割れは、材料に
加わる引張応力とステンレス鋼表面の不働態皮膜を破壊
するCl- 、OH- 等の存在によりオーステナイト系ス
テンレス鋼の局所領域が選択的に溶解することによって
進行していく。すなわち、材料側の成分元素を変えずに
応力腐食割れの発生を防止するには、環境から腐食性の
アニオンを完全に除去するか、あるいは材料に加わる引
張応力を低減することが必要となる。しかしながら、特
に100℃を超える高温環境では数ppmの塩素イオン
濃度でも応力腐食割れを発生することが報告されてお
り、環境側から塩素イオン等の腐食性イオンを完全に除
去することは極めて難しいと言わざるを得ない。
【0006】そこで、本発明者らは、材料に加わる引張
応力を低減するか、あるいは圧縮応力に変えることによ
って応力腐食割れの発生を防止すべく鋭意検討した。そ
の結果、オーステナイト系ステンレス鋼帯あるいは鋼管
の片面にオーステナイト系ステンレス鋼の平均熱膨張係
数(/℃)よりも3×106 (/℃)以上低い熱膨張係
数の材料を接合することによって、化学プラント等の高
温環境の構造用材料として使用する場合に極めて優れた
耐応力腐食割れ性を発揮することを知見した。本発明
は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨
とするところは、オーステナイト系ステンレス鋼帯ある
いは鋼管の片面に0℃から300℃までの平均熱膨張係
数(/℃)が該オーステナイト系ステンレス鋼よりも3
×106(/℃)以上低い材料を接合したことを特徴と
する耐応力腐食割れ性に優れたオーステナイト系ステン
レス鋼基複合材料にある。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。通常、最
も応力腐食割れを発生しやすい部位は溶接残留応力が作
用する溶接部の近傍であり、この領域には、約5〜10
kg/mm2 程度の引張の残留応力がオーステナイト系
ステンレス鋼に作用している。すなわち、応力腐食割れ
の発生を完全に防止するには、溶接部近傍を含めてオー
ステナイト系ステンレス鋼に加わる引張残留応力を圧縮
応力へと変化させる必要がある。そのため、本発明者ら
はオーステナイト系ステンレス鋼帯あるいは鋼管の片面
に各種の物質を接合し、接合状態あるいは熱膨張係数の
違いによる影響を詳細に調査した。その結果、100℃
以上の使用温度を対象にした場合、少なくともオーステ
ナイト系ステンレス鋼の熱膨張係数との差が3×10-6
(/℃)以上低い熱膨張係数を有する炭素鋼、ステンレ
ス鋼、アルミニウム、チタンなどの材料をオーステナイ
ト系ステンレス鋼の片面に接合することにより、使用温
度でオーステナイト系ステンレス鋼側に圧縮力が作用
し、溶接部近傍を含めて応力腐食割れの発生を完全に抑
制することできることを明らかにしたものである。
【0008】接合方法としては、ボルトによる接合、あ
るいは接着剤、熱延、爆着クラッド法のいずれの方法で
もよいが、高温での使用時、熱膨張係数の違いによる湾
曲を防止できるのに十分な強度を有することが必要とな
る。
【0009】
【実施例】表1にSUS304L,316L鋼帯(成分
はJIS規格内)の片面に各種、熱膨張係数の異なる物
質を接合し、オーステナイト系ステンレス鋼側を溶接
後、600ppmNaClを含有する300℃ の水溶
液中において、87kg/mm2の圧力下で500時間
に亘って応力腐食割れ試験を実施した結果を示す。表2
は、表1と同様なサンプルを300℃の50%苛性ソー
ダ溶液中で同じく500時間に亘って応力腐食割れ試験
を実施した結果を示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に従いオース
テナイト系ステンレス鋼の片面に熱膨張係数の差が3×
10-6以上である物質を接合することにより、オーステ
ナイト系ステンレス鋼の耐応力腐食割れ性を著しく向上
させることが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーステナイト系ステンレス鋼帯あるい
    は鋼管の片面に0℃から300℃までの平均熱膨張係数
    (/℃)が該オーステナイト系ステンレス鋼のそれより
    も3×106 (/℃)以上低い材料を接合したことを特
    徴とする耐応力腐食割れ性の優れたオーステナイト系ス
    テンレス鋼基複合材料。
JP33800693A 1993-12-28 1993-12-28 耐応力腐食割れ性の優れたオーステナイト系ステンレス鋼基複合材料 Withdrawn JPH07195608A (ja)

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