JPH07194568A - 磁気共鳴映像装置 - Google Patents

磁気共鳴映像装置

Info

Publication number
JPH07194568A
JPH07194568A JP5354465A JP35446593A JPH07194568A JP H07194568 A JPH07194568 A JP H07194568A JP 5354465 A JP5354465 A JP 5354465A JP 35446593 A JP35446593 A JP 35446593A JP H07194568 A JPH07194568 A JP H07194568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
magnetic field
shield
gradient
asgc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5354465A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Kondo
正史 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP5354465A priority Critical patent/JPH07194568A/ja
Publication of JPH07194568A publication Critical patent/JPH07194568A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 効果的に渦電流を防止し、かつ、大きな磁場
勾配強度を得ることのできる磁気共鳴映像装置を提供す
ることを目的とする。 【構成】 渦電流を防止するためのアクティブシールド
勾配磁場コイルを不完全なものとし、これによって発生
する渦電流については、渦電流時間応答補償によって抑
制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,磁気共鳴映像装置に係
り,特に渦電流に起因する画質劣化を防止する勾配磁場
コイル技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気共鳴映像装置(MRI装置)
の研究開発が活発に行われている。磁気共鳴映像法はよ
く知られているように、固有の磁気モーメントを持つ該
スピンの集団が一様な静磁場中に置かれた時に、特定の
周波数で回転する高周波磁場のエネルギーを共鳴的に吸
収する現象を利用して、物質の化学的および物理的な微
視的情報を映像化する方法である。この方法は、生体の
形態情報をハイコントラストで画像化できるばかりでは
なく、血液等の流れ情報、拡散情報、化学シフト情報、
等のさまざまな機能情報も画像化できる方法として、大
きな注目を集めている。
【0003】この磁気共鳴映像法では、画像化用パルス
シーケンスにおいて、多種多様な勾配磁場のスイッチン
グを行う必要がある。上記パルスシーケンスとしては、
スピンエコー法やフィールドエコー法などの従来法、高
速スピンエコー法、高速フィールドエコー法、およびエ
コープラナー法等に代表される高速/超高速イメージン
グ法、さらに血流の分布や速度等を求める血管/血流イ
メージング法などがあげられる。
【0004】これらの方法は、それぞれ固有の勾配磁場
スイッチング方式を持ち、スイッチングに伴って超電導
マグネットの熱シールド群やヘリウム容器上には渦電流
が誘起される。これらの渦電流は、勾配磁場の時間的お
よび空間的性質を変調し、これらは画像ぼけ等の重大な
画像劣化の原因となる。一般にこれらの画像ぼけは位置
ごとに異なるため、画像復元の手段として通常用いられ
ているkスペース(空間周波数領域)における逆フィル
ター法などの方法では復元は不可能である。
【0005】従来、これらの問題に対する第1の方法と
して、渦電流時間応答の逆応答に相当する成分で勾配磁
場コイル電流を変調し、渦電流の時間応答を補償する方
法が提案されている。しかし,この方法により渦電流の
時間応答が完全に補償された場合でも、渦電流磁場が勾
配磁場とは異なる空間的依存性を有するために、画像ぼ
け等の画像劣化は完全には解消されない。つまり、残留
渦磁場は渦補償を実施したポイントで完全にゼロとなる
のみで、その他の領域では有意に残ってしまう。
【0006】上記渦電流時間応答補償の問題点を解決す
るために、さらに進んだ方法として、漏洩磁場シールド
型勾配磁場コイル(アクティブシールド勾配磁場コイ
ル:ASGC)の採用がある。図10は、レーマーによ
って提案された静磁場と垂直な方向のASGCの導線配
置図である。これらの導線位置は、ASGCのシールド
コイルの径の位置に円筒状導体が存在するとした場合の
矩形勾配磁場スイッチング直後の渦電流分布を反映した
ものとなっている。ASGCの採用により、撮影領域内
部の任意のポイントで、渦電流磁場を大幅に低減するこ
とが可能となった。しかしこの方法の問題点として、シ
ールドコイルには主コイルと逆方向の電流が供給されて
いるため、当然のことながら主コイルの形成する勾配磁
場はシールドコイルの形成する勾配磁場によって低減さ
れており、大きな磁場勾配強度(または高速な勾配磁場
スイッチング特性)が得られないという問題があった。
【0007】一方、従来の非シールド型勾配磁場コイル
の場合は、渦電流発生源はASGCのシールドコイル径
より大きな径を有する熱シールド群等であることから、
上述した渦電流磁場時間応答補償方式の方が大きな磁場
勾配強度(または高速な勾配磁場スイッチング特性)が
得られる。
【0008】これまでのところ、ASGCの渦電流磁場
抑制効果と非シールド型勾配磁場コイルの大きな磁場勾
配強度(または高速な勾配磁場スイッチング特性)の長
所を両立した勾配磁場コイルに関する提案は、全くなさ
れていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の非
シールド型勾配磁場コイルにおける渦電流磁場時間応答
補償方式には、残留渦磁場が渦補償ポイント以外で有意
に残ってしまい画像ぼけ等の深刻な画像劣化が完全には
解消されないという問題があった。また、従来のASG
Cでは、上記渦補償方式と比べて大幅な渦電流磁場抑制
効果が実現できるものの、シールドコイルによる勾配磁
場の低減効果により、非シールド型勾配磁場コイルの場
合のような大きな磁場勾配強度(または高速な勾配磁場
スイッチング特性)が得られないという問題があった。
【0010】したがって本発明は、このような従来の課
題を解決するためになされたもので、その目的とすると
ころは、効果的に渦電流磁場を抑制し、かつ、大きな磁
場勾配強度を得ることのできる磁気共鳴映像装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、静磁場中に置かれた被検体に高周波パル
ス及び勾配磁場を所定のパルスシーケンスに従って印加
することによって前記被検体から発生する磁気共鳴信号
を検出して映像化する磁気共鳴映像装置において、漏洩
磁場低減用勾配磁場コイルを具備し、当該勾配磁場コイ
ルは、シールド用コイルのターン数と該シールドコイル
に流れる電流値との積,及び主コイルのターン数と該主
コイルに流れる電流値との積の第1の相対比率が、完全
にシールドされた状態で求められた第2の相対比率に対
して低減された構成とされ、かつ、前記第1の相対比率
が前記第2の相対比率に対して低減されたことによって
発生する過電流の時間応答を補償する補償手段を有する
ことが特徴である。
【0012】また、上記漏洩磁場低減用勾配磁場コイル
は、シールドコイルの1ターンあたりの電流と主コイル
の1ターン当りの電流とが等しく、シールドコイルのタ
ーン数が主コイルのターン数よりも相対的に間引かれた
構造を有し、かつ渦電流磁場時間応答補償手段を具備し
ても良い。
【0013】更に、漏洩磁場低減用勾配磁場コイルは、
シールドコイルのターン数の主コイルのターン数に対す
る相対比率が完全シールド型ASGCの相対比率と等し
く、シールドコイル電流と主コイルの電流との相対比率
が完全シールド条件の相対比率に対して相対的に低減さ
れており、かつその電流値が外部制御可能となっていて
も良い。
【0014】また、上記漏洩磁場低減用勾配磁場コイル
は、シールドコイルのアンペアターン数と主コイルのア
ンペアターン数との相対比率が完全シールド条件におけ
る相対比率よりも低減された構造を有する(不完全シー
ルド型アンペアターン数を有する)第1のシールドコイ
ルと完全シールド型ターン数を有する第2のシールドコ
イルの2層構造となっており、かつ駆動形態(パルスシ
ーケンス)によりそれぞれを切り替える構造を有し、さ
らに渦電流磁場時間応答補償手段を具備した構成として
も良い。
【0015】
【作用】上述の如く構成された本発明によれば、渦電流
の発生を防止するためのシールドコイルのシールド条件
を低減させ、これによって発生する渦電流を渦電流磁場
時間応答補償により抑制している。
【0016】ここで、本願発明者による鋭意検討の結
果、図4に示す如くの特性曲線を得た。同図における横
軸のRt,s はシールド率に関するパラメータでありR
t,s =0のときが非シールド、反対にRt,s =1のとき
が完全シールドを示す。また、縦軸のGmax は最大勾配
磁場強度である。従来においては、Rt,s が1に近づく
程Gmax が小さくなると考えられていた。つまり図4は
右下りの単調減少曲線となるものと予想されていた。こ
れに対し、実際には図4から明らかなように、Gma x
t,s の変化に対して所定の点で極大値を持っている。
【0017】従って、Rt,s を極大値の点の近傍に設定
すれば、シールドによる渦電流防止効果をそれほど低減
させることなく最大のGmax を得ることができるもので
ある。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の一実施例に係る磁気共鳴映
像装置の構成を示すブロック図である。同図において、
静磁場磁石1は励磁用電源2にて駆動され、主勾配コイ
ル群3およびシールドコイル群14は勾配コイル用電源
4にて駆動される。これらにより、被検体5には一様な
静磁場とそれと同一方向で互いに直交する3方向に線形
磁場勾配を持つ勾配磁場が印加される。主勾配コイル群
3とシールドコイル群14は、直列接続された共通の勾
配コイル用電源4にて駆動されてもよいし、上下左右の
各コイルエレメントごとに複数の勾配コイル用電源4に
接続され分割駆動されてもよい。渦磁場時間応答補償用
入力信号は、渦補償回路部18にて生成される。シムコ
イル群15は、シムコイル用電源16に駆動され、静磁
場の均一性が調整される。
【0019】送信部7は高周波信号を出力するものであ
り、この高周波信号はプローブ6に送られ、被検体5に
高周波磁場が印加される。この時、プローブ6は送受両
用でも送受信別々に設けてもよい。また、プローブ6と
勾配コイル群3の間には、高周波シールド17が設定さ
れている。
【0020】プローブ6で受信された磁気共鳴信号は、
受信部8で検波された後、データ収集部10に転送され
A/D変換後、データ処理部11に送られる。そして、
上述した励磁用電源2、勾配コイル用電源4、シムコイ
ル用電源16、送信部7、受信部8、データ収集部10
は全てシステムコントローラ9の制御下で動作するよう
になっている。システムコントローラ9、及びデータ処
理部11は、コンソール12により制御されており、デ
ータ処理部11ではデータ収集部10から送られたデー
タのフーリエ変換等が行われ、被検体内部の所望原子核
の密度分布などが計算される。そして、得られた画像は
画像ディスプレイ13に表示される。
【0021】次に、本実施例の具体的動作について、詳
細に説明する。
【0022】まず、リニア型勾配磁場アンプ(以後Gア
ンプと呼ぶ)にて勾配磁場コイル(Gコイルと呼ぶ)を
駆動する場合に、一般に以下の関係が成立するものとす
る。
【0023】
【数1】 ここで、 Gmax : 最大磁場勾配強度 ΔTsw,max : スイッチングタイム(0→Gmax ) L : Gコイルのインダクタンス Nt,c : Gコイル(ASGC)の主コイル総ターン
数 G0 : (主コイル)1ターン1Aあたりの磁場勾配
強度(感度) L0 : (主コイル)1ターンあたりのインダクタン
ス α : 渦磁場相対強度(対G強度) Imax : リニアGアンプ最大出力電流 Vmax : リニアGアンプ最大出力電圧 NDIV : Gコイル分割駆動数 Rsw,m : スイッチングタイムマージン率 (1)〜(3)式において、渦磁場は単一成分であると
したが、多成分の場合でもαを合計相対強度と見なすこ
とにより近似的な扱いは可能である。また(1−α)I
max の意味は、渦補償のオーバーシュート分を除外し
た、利用できる最大電流を示している。パルスシーケン
ス(イメージング)に直接関係するのはGmax とΔT
sw,maxであるので、上式よりLやNt,c を消去すること
により、これらの間には以下の関係が設立することがわ
かる。
【0024】
【数2】 または、
【0025】
【数3】 ここで、
【0026】
【数4】 (4)〜(6)式において、NDIV max max は1チ
ャンネルあたりに使用するGアンプ全パワーに相当して
いることがわかる。また、SはGコイルの基礎パラメー
タ(G0 、L0 、α)のみによって決まり(つまりター
ン数等にはよらず)、これを「Gコイル基本性能パラメ
ータ」と呼ぶことにする。(4)式から、ゼロから最大
G強度までのスイッチングタイムは、所望の最大G強度
の2乗に比例し、かつGアンプ全パワーに反比例し、さ
らにGコイル基本性能パラメータSに比例することがわ
かる。また一方、(5)式より、最大G強度は、所望の
スイッチングタイムとGアンプ全パワーの平方根に比例
し、Sの平方根に反比例することがわかる。以上より、
Gコイル基本性能パラメータSが小さいほどGコイル性
能が高まる(G強度大、スイッチングタイム短となる)
ことがわかる。
【0027】次に、不完全シールド型ASGCに関する
0 、L0 、α、およびSの具体的表式を求める。ま
ず、図2に示すとおり、同図(B)に示す不完全シール
ド型ASGCのシールドコイル総ターン数Nt,s ′と同
図(A)に示す完全シールド型ASGC(いわゆる通常
のASGC)のシールドコイル総ターン数Nt,s の比率
をRt,s とする。
【0028】
【数5】 (1−Rt,s )は、不完全シールドコイルの完全シール
ドコイルに対するターン間引き率に相当しており、完全
シールド型ASGCの場合はRt,s =1、非シールド型
Gコイルの場合はRt,s =0とすればよい。
【0029】一般に不完全シールド型ASGCの最大G
強度は、主コイルの最大強度G強度Gc,max と不完全シ
ールドコイルの最大G強度Gs,max ′の差として以下の
ように書ける。
【0030】 Gmax =Gc,max −Gs,max ′ …(8) 当然のことながらGs,max ′は、完全シールド型ASG
Cのシールドコイル最大強度Gs,max と次の関係を持
つ。
【0031】 Gs,max ′=Rt,s s,max …(9) 一方、完全シールド型ASGCのシールドコイルによる
勾配磁場打ち消し率(Gs,max のGc,max に対する比
率)をβとすると、βは次の(10)式で示される。
【0032】
【数6】 (8),(9)、および(10)式より、次の(11)
式が得られる。
【0033】 Gmax =(1−Rt,s β)Gc,max …(11) さらにGc,max は、一般に次のように書き表せる。
【0034】 Gc,max =Nt,c c,0 (1−α)Imax …(12) ここで、Gc,0 : 主コイル単体の(主コイル)1タ
ーン1AあたりのG強度したがって、(1)、(1
1)、および(12)式より、不完全シールド型ASG
C(主コイル)1ターン1Aあたりの磁場勾配強度(感
度)G0 は次の(13)式のように書けることがわか
る。
【0035】 G0 =(1−Rt,s β)Gc,0 …(13) 特に、G0 =(1−β)Gc,0 (完全シールド型ASGC Rt,s =1の場合 ) …(14) G0 =Gc,0 (非シールドGコイルRt,s =0の場合) …(15) 次に、不完全シールド型ASGCの(主コイル)1ター
ンあたりのインダクタンスL0 の表式を求める。不完全
シールド型ASGCのインダクタンスLは、一般に次の
(16)式のように書ける。
【0036】 L=Lc +Ls ′−2Mc,s ′ …(16) ここで、 Lc : 不完全シールド型ASGCの主コ
イルインダクタンス(完全シールド型ASGCでも同
じ) Ls ′ : 不完全シールド型ASGCのシールドコイ
ルインダクタンス Mc,s ′: 不完全シールド型ASGCの主コイル/シ
ールドコイル間の相互インダクタンス ここで、Ls ′とMc,s ′は、不完全シールド型ASG
Cのシールドコイル総ターン数Nt,s ′と完全シールド
型ASGCのシールドコイル総ターン数Nt,sの比率R
t,s により、それぞれ(17)、(18)式のように書
ける。
【0037】
【数7】 ここで、 Ls : 完全シールド型ASGCのシール
ドコイルインダクタンス Mc,s : 完全シールド型ASGCの主コイル/シー
ルドコイル間の相互インダクタンス 完全シールド型ASGCでは、シールドコイルの自己磁
束と主コイルからのカップリング磁束は互いに打ち消し
合っており、主コイル電流とシールドコイル電流が等し
ければ以下の(19)式の関係が成立する。
【0038】 Mc,s =Ls …(19) (16)式に(17)〜(19)式を代入することによ
り、次の(20)式が得られる。
【0039】 L=Lc +(Rt,s 2 −2Rt,s )Ls …(20) 一方、完全シールド型ASGCのシールドコイルによる
勾配磁場打ち消し率βは、主コイルの自己磁束のシール
ドコイルからのカップリング磁束による打ち消し率と見
なせるので、主コイル電流とシールドコイル電流が等し
い時、以下の(21)式のように書ける。
【0040】
【数8】 したがって、(22)式となる。
【0041】 Ls =βLc …(22) 以上(20)式に(22)式を代入することにより、
(23)式が得られる。
【0042】 L={1+β(Rt,s 2 −2Rt,s )}Lc …(23) さらに、Lc は主コイル総ターン数Nt,c を用いて次の
(24)式のように書ける。
【0043】 Lc =Nt,c 2 c,0 …(24) ここで、 Lc,0 : 主コイル単体の(主コイル)1
ターンあたりのインダクタンス 以上まとめると、(2)式と(23)、(24)式か
ら、不完全シールド型ASGCの(主コイル)1ターン
あたりのインダクタンスL0 の具体的表式は、次の(2
5)式のように書き表せる。
【0044】 L0 ={1+β(Rt,s 2 −2Rt,s )}Lc,0 …(25) 特に、 L0 =(1−β)Lc,0 …(26) (完全シールド型ASGC Rt,s =1の場合) L0 =Lc,0 (非シールドGコイルRt,s =0の場合) …(27) 次に、不完全シールド型ASGCの渦磁場相対強度(対
G強度)αの表式を導出する。今、渦磁場が単一成分の
場合を考えるが、多成分の場合でもαを合計相対強度と
見なすことにより、近似的な扱いは可能である。図3に
示す渦電流等価回路モデルを考えると、渦磁場相対強度
αは、近似的に次のように書けることが知られている。
【0045】
【数9】 ここで、 L : 不完全シールド型ASGCのインダ
クタンス Le : 渦電流等価回路の実効インダクタンス Me : 不完全シールド型ASGCと渦電流等価回路の
間の相互インダクタンス 不完全シールド型ASGCが渦電流等価回路上(熱シー
ルド上)に形成する漏洩磁束をΦe とすると、次の(2
9)式となる。
【0046】 Φe =Me c =Mc,e c −Ms,e ′Is …(29) ここで、 Ic : 不完全シールド型ASGCの主コイ
ル電流 Is : 不完全シールド型ASGCのシールドコイル電
流 Mc,e : 不完全シールド型ASGCの主コイル/渦電
流等価回路の間の相互インダクタンス Ms,e ′: 不完全シールド型ASGCのシールドコイ
ル/渦電流等価回路の間の相互インダクタンス 上記でMs,e ′は、不完全シールド型ASGCのシール
ドコイル総ターン数Nt,s ′と完全シールド型ASGC
のシールドコイル総ターン数Nt,s の比率Rt, s によ
り、それぞれ以下のように書ける。
【0047】
【数10】 ここで、 Ms,e : 完全シールド型ASGCのシール
ドコイル/渦電流等価回路の間の相互インダクタンス また完全シールド型ASGCにおいては、主コイルおよ
びシールドコイルがそれぞれ渦電流等価回路に形成する
磁束が互いに打ち消すと見なせるので、主コイル電流I
c とシールドコイル電流Is が等しければ、以下の関係
が成立する。
【0048】 Ms,e =Mc,e …(31) したがって(29)式は、(30)式および(31)式
を用いて、主コイル電流Ic とシールドコイル電流Is
が等しい場合には,次のように書き直せる。
【0049】 Me =(1−Rt,s )Mc,e …(32) 以上より,(28)式は、(23)式と(32)式を用
いて、以下のように書き表せる。
【0050】
【数11】 通常、非シールドコイルの渦磁場相対強度αc は、渦電
流等価回路モデルより次のように書ける。
【0051】
【数12】 したがって、不完全シールド型ASGCの渦磁場相対強
度αは、(33)式、(34)式より、
【0052】
【数13】 特に、 α=0(完全シールド型ASGC Rt,s =1の場合) …(36) α=αc (非シールドGコイルRt,s =0の場合) …(37) 以上、不完全シールド型ASGCの基礎パラメータ
0 、L0 ,αの具体的表式(13),(25)、(3
5)を用いることにより、不完全シールド型ASGCの
基本性能を表すGコイル基本性能パラメータSは、以下
のように書ける。
【0053】
【数14】 特に、(完全シールド型ASGC Rt,s =1の場合)
【0054】
【数15】 (非シールドGコイルRt,s =0の場合)
【0055】
【数16】 詳細は省くが、(38)式からわかることは、「所定の
c,0 、Lc,0 、β、及びαc に対して、不完全シール
ド係数Rt,s が0<Rt,s <1の範囲内に、Gコイル性
能がベスト(すなわちGコイル基本性能パラメータが最
小)となる構成が存在する」ということである。
【0056】図4、図5、及び図6に、不完全シールド
型ASGCにおける最大G強度Gma x 、スイッチングタ
イムΔTsw,max、及び渦磁場相対強度αのシールド係数
t, s 依存性の典型例を示す。各図において、渦電流で
ある熱シールドの半径として大小2種類の場合が示され
ている(ρe,1 ,ρe,2 )。
【0057】図4からわかるように、所望スイッチング
タイムおよびGアンプ全パワーに対して、最大G強度G
max は、0<Rt,s <1の間に最大となる構成があるこ
とがわかる。注意すべきことは、非シールドGコイル
(Rt,s =0)の場合にGmaxが最大となるわけではな
いという点である。この理由としては、Rt,s を1(完
全シールド)から小さくしていくと(すなわちシールド
率を下げていくと)、渦磁場の発生とともにG強度も増
大していく。シールドコイルは熱シールドよりも半径が
小さいために、間引き率の範囲によっては、渦磁場が増
加するペースよりもG強度が増加するペースが上回る場
合があるため、このようなピークを持つと考えられる。
また、熱シールドの半径が大きいほど渦磁場相対強度が
小さくなり、渦補償のオーバーシュート分が小さくなる
ため、実現できる最大G強度は大きくなることがわか
る。
【0058】また図5を見ると、所望最大G強度および
Gアンプ全パワーに対して、スイッチングタイムΔT
sw,maxは0<Rt,s <1の間に最短となる構成があるこ
とがわかる。この場合も、非シールドGコイル(Rt,s
=0)の場合にΔTsw,maxが最短とはならない点に注意
する必要がある。(4)式、(5)式からも明らかなよ
うに、Gmax とΔTsw,maxとでは、Rt,s に関して逆の
依存性となっている。
【0059】さらに図6より、渦磁場相対強度αは、R
t,s とともに線形に変化するわけではないことに注目す
る必要がある。Rt,s が1付近では、αの値は小さく抑
えられている。この理由としては、上述したRt,s に対
するG強度と渦磁場相対強度の依存性の違いによるもの
と考えられる。一方、図4よりGmax のピークは比較的
平坦なので、実際的なRt,s の決定方法として、αの小
ささを考慮にいれてGmax のピークを与えるRt,s より
も大きい(1に近い)構成にする、といった方法が考え
られる。不完全シールド型ASGCを別の観点から見る
と、渦磁場相対強度のαの大きい小口径マグネットを、
見かけ上、口径が大きいマグネットに変身させる効果を
持つといえる。αを所定値よりも小さくできれば、渦補
償を実施することにより完全シールドASGCなみの渦
磁場抑制効果が期待できる。
【0060】次に、本発明に係るその他の実施例につい
て説明する。以上の実施例では、シールドコイルのター
ン数を間引くことにより不完全シールド型ASGCを実
現する方法を述べた。図7、図8は、シールドコイルの
電流を制御することにより不完全シールド型ASGCを
実現する方法である。ただし、どちらの方法も渦補償回
路を併用する。図7は渦補償回路71、Gアンプ72及
び主コイル73の直列に接続されたシールドコイル74
にバイパスコイル75(回路)を持たせ、そのインダク
タンスと抵抗を所望のバイパイス電流に合わせて変化さ
せる方法である。この場合のシールドコイルのターン数
は完全シールドのターン数と同じでもよいし、ターンを
間引いたものでもよい。各種シーケンスの許容渦磁場の
大きさに合わせて、バイパス電流を変化させるといった
方法が考えられる。図8は、シールドコイル74にシャ
ント回路81をバイパス回路として取り付け、直接電流
を制御する方法である。具体的な実施方法は、上記図7
の場合と全く同様である。
【0061】図9は、本発明に係る別の実施例として、
シールドコイルのターン数を間引いた不完全シールド型
ASGCのシールドコイルと完全シールド型ASGCの
シールドコイルとを2重構造として持たせる場合を示し
たものである。この時、主コイル94側は共通化されて
いるが、共通化されない場合も当然あって構わない。図
からわかるように、スイッチ91及び97が(A)状態
のとき、完全シールドコイル95と接続され、完全シー
ルド型ASGC構成となり渦補償回路92は非接続とな
る。また、(B)状態のとき、不完全シールドコイル9
6と接続され、不完全シールド型ASGC構成となり渦
補償回路92も接続される。なお、93はGアンプ、9
8はスイッチ91、97を切換えるためのスイッチコン
トローラである。
【0062】以上、不完全シールド型ASGCのいくつ
かの実施例に関する詳細な説明を行った。その他の効果
として、(1)現状と同一のスイッチングタイムであれ
ば、Gコイルの発熱や騒音、さらにコストを増加させず
に最大G強度の増加が実現できる、(2)現状と同一の
G強度であれば、スイッチングタイムの短縮とともに、
Gコイルの発熱や騒音の低減が同時に実現できる、とい
うことが考えられる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、シー
ルドコイルと主コイルのアンペアターン数の相対比率が
通常の完全シールド条件の相対比率に対して低減された
構造を持つ不完全シールド型ASGCと、従来の渦電流
時間応答補償と組み合わせることにより、従来の完全シ
ールド型ASGCと同等の渦磁場抑制効果と従来の非シ
ールド型勾配磁場コイルをも上回る磁場勾配強度(勾配
磁場スイッチング特性)が実現された高性能勾配磁場コ
イルが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る磁気共鳴映像装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】不完全シールド型ASGCのシールドコイルの
ターン間引き方法を示す説明図である。
【図3】渦電流等価回路モデルを示す説明図である。
【図4】不完全シールド型ASGCの最大G強度とシー
ルド係数の関係を示す図である。
【図5】不完全シールド型ASGCのスイッチングタイ
ムとシールド係数の関係を示す図である。
【図6】不完全シールド型ASGCの渦磁場相対強度と
シールド係数の関係を示す図である。
【図7】不完全シールド型ASGCのシールドコイル電
流を制御する回路を示す説明図である。
【図8】不完全シールド型ASGCのシールドコイル電
流を制御する回路を示す説明図である。
【図9】不完全シールドコイルと完全シールドコイルの
切り替えを説明する図である。
【図10】従来のASGCのXコイルの導線パターンを
示す図である。
【符号の説明】
1 静磁場磁石 2 励磁用電源 3 主勾配コイル 4 勾配コイル用電源 5 被検体 6 プローブ 7 送信部 8 受信部 9 システムコントローラ 10 データ収集部 11 データ処理部 12 コンソール 13 画像ディスプレイ 14 シールドコイル 15 シムコイル 16 シムコイル用電源 17 高周波シールド 18 渦補償回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場中に置かれた被検体に高周波パル
    ス及び勾配磁場を所定のパルスシーケンスに従って印加
    することによって前記被検体から発生する磁気共鳴信号
    を検出て映像化する磁気共鳴映像装置において、 漏洩磁場低減用勾配磁場コイルを具備し、当該勾配磁場
    コイルは、シールド用コイルのターン数と該シールドコ
    イルに流れる電流値との積、及び主コイルのターン数と
    該主コイルに流れる電流値との積の第1の相対比率が、
    完全にシールドされた状態で求められた第2の相対比率
    に対して低減された構成とされ、かつ、前記第1の相対
    比率が前記第2の相対比率に対して低減されたことによ
    って発生する渦電流の時間応答を補償する補償手段を有
    することを特徴とする磁気共鳴映像装置。
JP5354465A 1993-12-29 1993-12-29 磁気共鳴映像装置 Pending JPH07194568A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5354465A JPH07194568A (ja) 1993-12-29 1993-12-29 磁気共鳴映像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5354465A JPH07194568A (ja) 1993-12-29 1993-12-29 磁気共鳴映像装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07194568A true JPH07194568A (ja) 1995-08-01

Family

ID=18437747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5354465A Pending JPH07194568A (ja) 1993-12-29 1993-12-29 磁気共鳴映像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07194568A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016523620A (ja) * 2013-06-17 2016-08-12 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 磁気共鳴イメージング傾斜コイル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016523620A (ja) * 2013-06-17 2016-08-12 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 磁気共鳴イメージング傾斜コイル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3902591B2 (ja) 不連続に又は連続的に可変な視野で効率的に遮蔽されたmri傾斜磁場コイル
US7276906B2 (en) Self-shielded gradient field coil for magnetic resonance imaging
US20020171424A1 (en) MRI gradient coil with variable field of view and apparatus and methods employing the same
US20080272784A1 (en) Magnetic Resonance Imaging Device and Method for Operating a Magnetic Resonance Imaging Device
EP2030036A2 (en) Three-dimensional asymmetric transverse gradient coils
JPS5985651A (ja) 診断用核磁気共鳴装置
US5867027A (en) Magnetic resonance imaging apparatus
EP1411367A2 (en) Gradient coil for magnetic resonance imaging
JPH07194568A (ja) 磁気共鳴映像装置
US6850066B2 (en) Systems and methods for gradient compensation in magnetic resonance imaging
JP3848005B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
US6714011B1 (en) MR apparatus and gradient saturation method for suppressing MR signals from peripheral regions situated outside an isocenter
JP4191839B2 (ja) 磁気共鳴診断装置用コイル装置
JPH0549608A (ja) 磁気共鳴映像装置
JPH057567A (ja) 磁気共鳴映像装置
JP7049123B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP4334599B2 (ja) 磁気共鳴診断装置
JPH0690920A (ja) 磁気共鳴映像装置
JPH1043158A (ja) 勾配磁場コイル及びこれを用いた磁気共鳴映像装置
JPH10216102A (ja) 勾配磁場コイル装置
JPH07194574A (ja) 磁気共鳴診断装置
JP2816157B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JPH11309128A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JPH01284239A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP5010623B2 (ja) 磁気共鳴診断装置用コイル装置