JPH10216102A - 勾配磁場コイル装置 - Google Patents

勾配磁場コイル装置

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JPH10216102A
JPH10216102A JP9020473A JP2047397A JPH10216102A JP H10216102 A JPH10216102 A JP H10216102A JP 9020473 A JP9020473 A JP 9020473A JP 2047397 A JP2047397 A JP 2047397A JP H10216102 A JPH10216102 A JP H10216102A
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JP
Japan
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magnetic field
coil
gradient magnetic
gradient
conductor
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JP9020473A
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English (en)
Inventor
Masao Yui
正生 油井
Masaaki Umeda
匡朗 梅田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、 Gzコイル駆動時に発生す
る渦電流磁場の偶数次成分を低減し得る勾配磁場コイル
装置を提供することにある。 【解決手段】本発明は、被検体を挿入可能な空隙を有す
る勾配磁場コイル装置において、空隙内に勾配磁場を形
成するコイル導体23と、勾配磁場の時間的変動により
誘導される渦電流による渦電流磁場を発生する少なくと
も1つの導電体リング24とを有し、空隙内の所定の位
置において勾配磁場の偶数次成分が渦電流磁場によって
略0になるように導電体リング24が配置されたことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴映像装置
の勾配磁場コイル装置に係り、特に、駆動時に発生する
渦電流磁場の低減に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医用診断装置の開発が進められる
なかで、磁気共鳴映像装置(MRI)の研究開発が活発
に行われている。磁気共鳴映像法はよく知られているよ
うに、固有の磁気モーメントを持つ核スピンの集団が一
様な静磁場中に置かれた時に、特定の周波数で回転する
高周波磁場のエネルギーを共鳴的に吸収する現象を利用
して、物質の化学的および物理的な微視的情報を映像化
する方法である。同方法は、生体の形態情報をハイコン
トラストで画像化できるばかりではなく、血液等の流れ
情報、拡散情報、化学シフト情報、酸化/還元ヘモグロ
ビンの磁化率の差を利用した脳機能情報等のさまざまな
機能情報も画像化できる方法として、大きな注目を集め
ている。
【0003】特に、エコープラナー法(EPI)に代表
される超高速MRI、あるいは高速撮像法の発展がめざ
ましい。これらの撮像法の画質向上と撮像時間短縮のた
めにには、勾配磁場性能の大幅な向上(磁場勾配強度の
大幅アップとスイッチング時間の大幅短縮)が要求され
る。最近になって、アクセラレータ等の勾配磁場電源技
術の進歩によって、勾配磁場性能の大幅な向上が実現さ
れつつある。
【0004】ただし、超高速スキャンを実施するにあた
っては、騒音レベルの大幅アップ、勾配磁場時間変化率
(dB/dt)の増大による磁気刺激の発生、抵抗発熱
の大幅アップによるリアルタイム性の制約、などの深刻
な問題が生じる。これらの問題の抜本的な解決なしに
は、臨床の場のルーチン検査として超高速スキャンなど
が広く普及する可能性は少ない。
【0005】近年、頭部撮像に限って上記の問題を打開
する方法として、全身用MRIシステムに搭載可能な各
種の頭部用小型勾配磁場コイルが提案されている。これ
は、口径を小さくすることで単位電流の生成する磁場の
大きさが大きくなることを利用して、全身用勾配磁場コ
イルと比較してインダクタンスや抵抗が数分の一であり
(勾配磁場強度が同程度のとき)、あるいは、より大き
な勾配磁場強度が得られる(インダクタンスないし抵抗
が同程度のとき)ためである。また、撮像領域(頭部)
以外に大きな強度の勾配磁場が患者にかからないので、
dB/dtも全身用の勾配磁場コイルと比べて(同一磁
場勾配強度のとき)小さくなり、磁気刺激が問題になら
ないレベルが実現できる。
【0006】しかし、従来の小型勾配磁場コイルには以
下に述べるような問題があった。まず、従来の対称型横
勾配磁場コイルは、所望の勾配磁場を形成するための磁
場形成電流部と単にそれらの電流を電源に帰すだけのリ
ターン電流部とから構成されており、頭部のように肩ま
での軸長(〜20cm以下)が制限されている場合に
は、リターン電流部の影響が深刻で頭部撮像領域が大幅
に制限(大脳がやっとで小脳や脳幹までは撮像不可)さ
れてしまうという問題があった。
【0007】このような狭い撮像視野を解決する方法と
して、勾配磁場コイルの頭部挿入側の電流リターン部を
もう一方の電流リターンの方へ集中配置した非対称型横
勾配磁場コイルが提案されており、特開平5−2690
99号公報などにて開示されている。この非対称型横勾
配磁場コイルの採用により、撮像視野が軸長に対して占
める割合が大きくなり、肩までの軸長が制限された勾配
磁場コイルの場合に必要な頭部撮像領域を得ることが可
能になった。
【0008】実際には、縦勾配磁場コイル(以下、Zコ
イルとする)も横勾配磁場コイル(以下、X又はYコイ
ルとする)と同程度の半径で構成するのが、磁場性能の
点で望ましく、これにより頭部全体においてEPIなど
の超高速撮像を実施することが可能なコイルが得られた
ことになる。
【0009】実際にこのようにコイルを製造する場合に
は、発熱やコスト等の点、エッチングなどでパターン形
成された電流パターンや平角銅線を使用して巻き線をお
こなうことが多い。このような線材を使用すると、コイ
ル駆動時に時定数が数10μsec程度の渦電流が発生
し、補正不可能な渦磁場分布を生成する。特にZコイル
を駆動したとき深刻である。
【0010】図9(a)に示すように、ZコイルはX/
Yコイル(Zコイル起動時に渦電流が誘導される導体)
に対して異なる位置に配置されており、このため、Zコ
イル駆動時に発生する渦電流は軸方向(Z軸方向)に非
対称な分布を有する。したがって、図9(b)のよう
に、この渦電流による渦磁場の分布(点線)は、Zの奇
数次成分(特に1次成分)だけでなく偶数次成分(特に
0次成分)を持つことになる。勾配磁場の分布(実線)
は偶数次成分を持たないので、渦磁場の偶数次成分は駆
動電流波形の制御による渦補償では補正することはでき
ない。このため画像劣化が起こるという問題があった。
【0011】このような渦磁場を補正する方式は提案さ
れていないが、同様の技術として、マグネットで発生す
る渦電流磁場を補正する方法が提案されている。補正用
アンプにて駆動される渦磁場補正用コイルを付加する方
法(特開昭63−82638号公報、特開昭63−84
537号公報)、主勾配磁場コイルの電流とシールドコ
イルの電流を別々に制御する方法(特開平7−1780
69号公報)などが提案されている。これらの方法は、
ともに勾配磁場コイルを駆動するアンプの他に、別のア
ンプや制御回路を必要とするため、システム構成を煩雑
にし、コストアップをもたらす、という問題があった。
また、アンプで駆動しないコイル状閉回路を用いて漏洩
磁束を打ち消す方法も提案されているが(特開平2−8
2943号公報)、配置がz=0の面(xy面)に対し
て対称であるため、偶数次成分の渦磁場を消すことはで
きない。以上が従来の小型勾配磁場コイルの問題の1つ
である。
【0012】また、上述したように、Gzコイルおよび
Gx/Gyコイル共に非対称型とした、非対称型ASG
Cが、提案されている。図13が、Westphalに
よって提案された、非対称型ASGCの縦断面図であ
り、特開平5−343148号公報にて開示されてい
る。主コイル320およびシールドコイルの電流密度分
布の設計は、例えば、Mansfieldが提案した
(特開平2−280943号公報で開示されている)方
法により、求められる。この方法では、無限の軸長を持
つシールドコイル外部の漏洩磁場が0となることを境界
条件として、シールド電流密度分布と主コイル320の
電流分布の関係式を次のように求めている。すなわち、
kφ(φ,z),Kφ(φ,z)をそれぞれ、主コイル
320、シールドコイルの円筒面上の電流密度分布の円
周方向成分とし、Fkφ(m,k),FKφ(m,k)
をそれぞれ式(1)、(2)で定義された主コイル32
0、シールドコイルの電流密度円周方向成分のフーリエ
変換とする。
【0013】
【数1】
【0014】
【数2】 ただし、mは、任意の整数、kは、任意の実数である。
ここで、境界条件を入れると、Fkφ(m,k),FK
φ(m,k)は、式(3)の関係で表される。
【0015】
【数3】
【0016】ここで、Im ( )は、第1種変形ベッセ
ル関数であり、Im ′( )は、その微分である。ま
た、ρ1 ,ρ2 は、それぞれ、主コイル320、および
シールドコイルの半径であり、0<ρ1 <ρ2 である。
拘束条件として、勾配磁場線形性、磁場強度、インダク
タンス、抵抗などを所望の値に設定することで、主コイ
ル320の電流密度の円周方向成分が、図15(b)の
ように求められる。次に、式(3)から、シールドコイ
ルの電流密度円周方向成分が、図15(a)のように求
められる。
【0017】主コイル320部がつくる漏洩磁場の磁束
は、主コイル320部のコイル面から離れるほど、外部
に広がり、シールドコイル軸長は、必然的に主コイル3
20部の軸長よりも長くなる。このことは頭部用Gコイ
ルの場合には製作上困難が生じる。肩があるため、ある
いは寝台などの他の構造物があるために、シールドコイ
ルの長さが十分にとれないからである。このため、シー
ルド電流密度分布を制限された軸長の中で実現する必要
がある。図中の点線は、コイルの軸端部を表すが、シー
ルド電流密度分布の一部410は、コイル端部から、は
み出してしまう。つまり、シールドコイルは、−ze か
らzf までの領域での電流密度関数を実現するように、
ターンを置く。あるいは、410の部分を考慮して、円
筒内に収まるように、電流路を変えて、ターンを置く方
法もあるが、いずれにしても、厳密解からのずれがあ
り、また、連続で求められた解を、離散化されたターン
で実現しようとするために、漏洩磁場を完全にシールド
することは、出来ない。
【0018】ゆえに、Gzコイルが作る勾配磁場370
に対して、渦電流磁場380が生じる。この場合、Gz
コイルは、非対称型であるため、図14に示すように、
勾配磁場(370)が0となる点(z=−z0 とする)
と、渦電流磁場(380)が0となる点は、一致せず、
渦電流磁場の0次成分390が生じる。ここで、勾配磁
場が0となる点は、上記の設計で、任意に設定すること
ができる。
【0019】上記Mansfieldの方法では、「無
限の軸長を持つシールドコイルの外部で、漏洩磁場が0
となること」をシールド条件として、コイルの電流密度
分布を設計したが、シールドコイルの軸長を有限とし、
「シールドコイルの軸長の範囲内かつ、シールドコイル
の外径より大きい位置での、漏洩磁場が0となること」
をシールド条件として、有限要素法等により、電流密度
分布を設計する方法もある。
【0020】しかし、この場合も、ターンの離散化の効
果と、シールド軸長の範囲外では、漏洩磁場をシールド
することが出来ず、マグネットからの渦が生じ、Gzコ
イルは、非対称型であるため、渦電流磁場の0次成分が
生じることになる。渦電流磁場の1次成分は、電流波形
調整による簡単な補償で、渦補償可能であるが、0次成
分は、渦補償不可能であり、画像劣化の原因となる。
【0021】また、従来の小型勾配磁場コイルには、次
のような問題もあった。小型勾配磁場コイルは、全身用
MRIのガントリ内部に置かれるため、コイル外径に上
限がある。また、コイル内部のRFコイルとRFシール
ドとの距離差が小さくなると、S/N比の低下になるた
め、コイル内径には下限が存在する。したがって、小型
勾配磁場コイルの半径方向の厚みは小さくなり、その中
にX/Y/Zの3チャンネルの勾配磁場コイルを巻く必
要がある。図10に示すように、例えばZコイルの巻き
線には、アンプに電流を戻すための導線(以下、引き出
し線とする)1001が必要であるが、コイル全体の厚
さが小さいために、引き出し線が通るスペースを出来る
だけ薄くすることが求められる。
【0022】従来は、別の層(XないしYコイルの層)
に引き出し線を這わせることができたが、勾配磁場強度
の大きいコイルにするために、引き出し線を通すべき別
の層のターン数が増加して、そのスペースが取れないと
いう問題があった。この解決方法として、引き出し線を
厚さの薄い導体板で構成することが考えられる。しか
し、引き出し線の厚さを薄いしているため、引き出し線
の幅は必然的に広くなってしまう。このため、この幅広
の導体板上に長い時定数の渦電流が発生してしまうとい
う問題があった。Zコイルで説明したが、X/Yコイル
の引き出し線でも同様の問題が起こっていた。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Gz
コイル駆動時に発生する渦電流磁場の偶数次成分を低減
し得る勾配磁場コイル装置を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、アンプに電流を戻すための引
き出し線のスペースを薄くしながらも引き出し線に流れ
る渦電流を低減し得る勾配磁場コイル装置を提供するこ
とにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、被検体を挿入
可能な空隙を有する勾配磁場コイル装置において、前記
空隙内に勾配磁場を形成するコイル導体と、前記勾配磁
場の時間的変動により誘導される渦電流による渦電流磁
場を発生する少なくとも1つの導電体リングとを有し、
前記空隙内の所定の位置において前記勾配磁場の偶数次
成分が前記渦電流磁場によって略0になるように前記導
電体リングが配置されたことを特徴とする勾配磁場コイ
ル装置である。
【0025】導電体リングは、前記所定の位置を含む面
に関して非対称に配置されている。導電体リングは、複
数の導電体片がリング状に配列されてなる。導電体リン
グは、円周方向に複数箇所で電気的な切れ目が形成され
ており、この切れ目の数と前記導電体リングの幅との少
なくとも一方は、前記導電体リングの渦電流磁場の時定
数が、前記導電体リング以外から生じた渦電流磁場の時
定数と実質的に同じになるように決定されている。
【0026】また、本発明は、被検体を挿入可能な空隙
を有する勾配磁場コイル装置において、前記空隙内に勾
配磁場を形成するコイル導体と、このコイル導体の引き
出し線とを有し、前記引き出し線は複数の直線状導体を
有することを特徴とする。
【0027】引き出し線は前記コイル導体とは別体であ
る。複数の直線状導体は並列され、前記複数の直線状導
体それぞれは厚さが前記コイル導体よりも薄く、断面積
が前記コイル導体よりも小さい。
【0028】複数の直線状導体は途中で折り返されてい
る。また、本発明は、静磁場の方向と平行な勾配磁場を
形成する第1のコイルと、前記第1のコイルと共に前記
勾配磁場を形成し、かつ前記第1のコイルからの漏洩磁
場を低減するための第2のコイルとを有し、前記第1の
コイルと前記第2のコイルはそれぞれの電流密度分布が
前記勾配磁場の原点に関して非対称な分布を持ち、前記
勾配磁場の変動時に生じる渦電流磁場の0次成分が少な
くとも前記原点において略0になるように設けられてい
る。
【0029】第1のコイルと第2のコイルとの少なくと
も一方の少なくとも1つのターンが、漏洩磁場を略0と
するように設計された電流密度分布に基づく位置から、
前記渦電流磁場の0次成分を少なくとも前記原点におい
て略0になる位置に移動される。
【0030】さらに本発明は、静磁場の方向と平行な勾
配磁場を形成する第1のコイルと、前記第1のコイルと
共に前記勾配磁場を形成し、かつ前記第1のコイルから
の漏洩磁場を低減するための第2のコイルとを有し、第
1のコイルと前記静磁場を作るマグネットそれぞれの前
記静磁場方向の幾何学的中心の位置が互いにずれてい
て、前記第1のコイルと前記第2のコイルは電流密度分
布が前記勾配磁場の原点に関して対称な分布を持ち、前
記勾配磁場の変動時に生じる渦電流磁場の0次成分が少
なくとも前記原点において略0になるように設けられて
いる。
【0031】第1のコイルと前記第2のコイルとの少な
くとも一方の少なくとも1つのターンが、前記漏洩磁場
を略0とするように設計された電流密度分布に基づく位
置から、前記渦電流磁場の0次成分を少なくとも前記原
点において略0になる位置に移動される。
【0032】さらに本発明は、電流密度分布が複数の正
弦波関数および余弦波関数の重み付け加算で表され、前
記正弦波関数の高次項の定義域が前記正弦波関数の低次
項の定義域よりも短い。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る具体的実施形
態について、詳細な説明を行う。図1は、本発明に係る
磁気共鳴映像装置の構成を示すブロック図である。同図
において、静磁場磁石101は励磁用電源102に駆動
され、勾配磁場コイル装置103は勾配コイル用電源1
05にて駆動される。これらにより、被検体106には
一様な静磁場とそれと同一方向で互いに直交する3方向
に線形磁場勾配を持つ勾配磁場とが印加される。なお、
説明の便宜上、勾配磁場ゼロの撮影中心を原点として直
交3軸(xyz軸)を定義する。なお、z軸は、静磁場
と平行であるとする。
【0034】渦補償回路107は、渦磁場時間応答補償
用入力信号を生成する。シムコイル群108は、シムコ
イル用電源109に駆動され、静磁場の均一性を向上す
るために必要な磁場を発生する。
【0035】送信部110は高周波信号を出力するもの
であり、この高周波信号はプローブ(RFコイルともい
う)111に送られ、被検体106に高周波磁場が印加
される。このとき、プローブ111は送受両用でも送受
信別々に設けてもよい。また、プローブ111と勾配磁
場コイル装置103との間には、高周波シールド112
が配設されている。
【0036】プローブ111で受信された磁気共鳴信号
は、受信部113で検波された後、データ収集部114
に転送されA/D変換後、データ収集部115に送られ
る。そして、上述した励磁用電源102、勾配コイル用
電源105、シムコイル用電源109、送信部110、
受信部113、データ収集部114は全てシステムコン
トローラ116、およびデータ処理部115は、コンソ
ール117により制御されており、データ処理部115
では、データ収集部114から送られたデータのフーリ
エ変換等が行われ、被検体内部の所望原子核の密度分布
や脳機能画像などが計算される。そして、得られた画像
は画像ディスプレイ118に表示される。 (第1実施形態)図2は本発明の第1実施形態の勾配磁
場コイル装置21の構成図である。被検体22が挿入さ
れる空隙内に所定の勾配磁場を生成するコイル導体23
があり、このコイル導体23の近傍、実際にはコイル導
体23のコイルボビンの内壁に、少なくとも1つの渦磁
場補正用コイル24が取付けられている。渦磁場補正用
コイル24は、複数の導電体片24elがリング状に配列
されてなる。
【0037】複数の導電体片24elの幅W 、長さL 、厚
さは、コイル導体23の駆動時に、この導電体片24el
上で発生する渦電流磁場(第1の渦電流磁場という)の
時定数が、導電体片24el以外の導体(例えば静磁場磁
石101の輻射シールドや外部の磁性体)上で発生する
渦電流磁場(第2の渦電流磁場という)の時定数とほぼ
等しくなるように決定される。
【0038】また、渦磁場補正用コイル24が配置され
る「z軸方向の位置」は、Gzコイル駆動時に発生する渦
電流磁場が勾配磁場の原点(勾配磁場をゼロとすべき位
置)付近においてほぼゼロとなるように、つまり第1の
渦電流磁場と第2の渦電流磁場とが勾配磁場の原点付近
においてほぼ打ち消しあうように決定される。
【0039】図3は渦電流磁場が勾配磁場の原点におい
てほぼゼロに補正される様子を示す。同図(a)は、原
点における第2の渦電流磁場の減衰を示している。同図
(b)は原点における第1の渦電流磁場の減衰を点線で
示している。図3に示すように、第1の渦電流磁場(点
線)は、第2の渦電流磁場(実線)と同じ時定数で、減
衰し、しかも原点において逆極性で発生して原点におい
て互いに打ち消しあうように、渦磁場補正用コイル24
の数、位置、導電体片24elの幅、長さ、厚さが決定さ
れている。
【0040】図4は渦磁場補正用コイルの具体的構成例
を示す。同図(a)は、円周方向に導電体片24elが連
続的につながっており、電気的なの切れ目がない渦磁場
補正用コイル24である。同図(b)は、円周方向に複
数箇所、例えば4箇所に電気的な切れ目24aが形成さ
れた渦磁場補正用コイル24である。同図(c)は複
数、例えば2つの渦磁場補正用コイル24がz軸方向に
並べられている。もちろん、これ以外の構成も可能であ
り、切れ目24aの数は4箇所でなくとも良いし、渦磁
場補正用コイル24は3個以上あってもよい。また、図
4(a)〜(c)を適当に組み合わせてもよい。
【0041】渦磁場補正用コイル24の数、その切れ目
の数、位置、導電体片24elの幅、長さ、厚さは以下の
ようなプロセスで決定される。第2の渦電流磁場のz軸
方向の分布は次式で表される。 Bz(z)=A0 +A1 ×z+A2 ×z2 (+A3 ×z3
…) ここで、A3以降の項は小さいとして無視する。図5の
ように、z軸方向にn個の渦磁場補正用コイル24が並
んでいて、i番目の渦磁場補正用コイル24では、軸方
向の中心座標がZi 、導体幅がWi 、円周方向の切れ目
の数がNi であるとする。上述したように渦磁場補正用
コイル24で発生する第1の渦電流磁場が第2の渦電流
磁場の時定数と同じ時定数になるように、切れ目の数N
i と、幅Wi とが決定される。i番目の渦磁場補正用コ
イル24で発生する渦電流磁場の 分布が、 Bz(Zi) =B0(i) +B1(i) ×z+B2(i) ×z2
(+B3(i) ×z3 +…) と表されるとする。ここで、z=0は勾配磁場がゼロと
なるべき原点である。i番目の渦磁場補正用コイル24
の位置Zi は、第1、第2の渦電流磁場の合計磁場の偶
数分布をゼロとする条件、すなわち ΣB0(i) =−A0 ΣB2(i) =−A2 をほぼ満足するように決定される。
【0042】ここではゼロ次成分と2次成分とを打ち消
すことを考慮したが、もちろん、ゼロ次成分のみをゼロ
とすれば十分な場合もある。ここで特徴的なことは、偶
数次の成分を効率よく生成するには、Zi がすべて同一
符号であること、つまり渦磁場補正用コイル24のすべ
てを原点に対してプラス側又はマイナス側に偏って配置
させることが望ましい。なぜなら、Zi の符号の異なる
渦磁場補正用コイル24が含まれる場合にはその渦磁場
補正用コイル24によって生成される偶数次成分の一部
は打ち消されてしまうからである。
【0043】このように本実施形態によれば渦電流磁場
の偶数次成分を低減することができる。 (第2実施形態)本実施形態は、従来技術で述べたアン
プに電流を戻すための引き出し線のスペースを薄くしな
がらも引き出し線に流れる渦電流を低減し得る技術に関
する。
【0044】図6は本実施形態の勾配磁場コイル装置の
引き出し線の構造を示す図である。図6はGzコイル62
の引き出し線61に適用した場合を示しているが、もち
ろん、本実施形態をGxコイルやGyコイルにも適用可能で
ある。図6のように、引き出し線61を、複数の導体
(例えば金属)細線63で構成し、これら1本1本をコ
イル導体64の末端部分において電気的に接続する。
【0045】これら複数の導体細線63の本数は、断面
積合計が所定面積以上になり、電流密度が所定値以下に
なるように決定されている。そしてこれら複数の導体細
線63を、画像化に影響しないz軸方向の電流が流れる
ようにz軸方向と平行に配置する。さらに、複数の導体
細線63を、それらが互いに重なり合わないように円周
方向に沿って平行に並列する。図6では、Gzコイル62
のコイル導体64の上に引き出し線61を絶縁層を挟ん
で重ねている。
【0046】ところで、従来では、コイル導体64をそ
のまま引き出し線61に使っていたのが一般的である。
これに対して本実施形態では、コイル導体64とは別な
専用の細線63で引き出し線61を構成している。つま
り、この細線63は1本1本の半径方向の厚さ及び断面
積が、コイル導体64よりも薄く及び小さいものが用い
られる。これによりコイル導体64をそのまま引き出し
線61に使うよりも、引き出し線61のスペースを薄く
することができる。
【0047】なお、引き出し線61を、複数の導体細線
63で構成する代わりに、図7に示すように、金属でで
きた平板66上に、複数本のスリット65を並列に形成
したものを使っても、同様な効果をあげることことがで
きる。もちろん、平板66はスリット65がz軸と平行
になるように配置される。
【0048】このように引き出し線61を複数の導体細
線63で構成し又は複数本のスリット65が並列に形成
された平板66で構成することで、半径方向に狭いスペ
ースで電流を軸方向に戻すことが出来るとともに、コイ
ル駆動時に引き出し線の中に発生する渦電流ループの時
定数を、金属平板の場合と比べて短くすることが可能と
なった。例えば、幅30mm程度、厚さ0.6mm、長
さ1m程度の金属平板で引き出し線61を形成する場
合、その渦電流の時定数が200μsec程度であるの
に対し、これを直径0.7mmの銅線を30本程度並列
に並べて引き出し線61を構成した場合には、その時定
数を20μsec程度に減少することができる。
【0049】このように本実施形態によって、例えば厚
さ1mm程度のなかに引き出し線を構成することがで
き、しかも時定数は十分に小さくすることができる。 (第3実施形態)図8に第3の実施形態による勾配磁場
コイル装置の引き出し線の構造を示している。図8にお
いて図6と同じ部分には同じ符号を付している。本実施
形態は、図6の引き出し線61の複数の導体細線63を
原点付近にて斜めに折り返したものである。折り返した
部分では導体細線63の上下の接触面は絶縁されてい
る。
【0050】このように構成することで、引き出し線6
1とコイル導体64とのカップリングが小さくなり、し
たがって引き出し線61に流れる渦電流の大きさも小さ
くなる。この実施形態ではすべての細線を折り返した
が、一部の細線を、特に渦電流ループのサイズが大きい
(=時定数が長い)細線のペアを折り返すのみでも良
い。折り返す位置は、駆動されたコイルの生成する磁束
と渦電流ループとのカップリングが小さくなるように決
められる。本実施形態により、渦磁場の強度を小さくす
ることが可能になる。 (第4実施形態)図11は、第4実施形態による勾配磁
場コイル装置の縦断面図である。所望の勾配磁場線形性
を撮像領域内210で実現するため、および漏洩磁場性
能実現のため、内側円筒に非対称型主コイル220を設
置し、外側円筒に非対称型シールドコイル部230を配
置する。Gzコイル駆動時に、シールド性能の不完全性
(有限軸長の効果、ターンの離散化)を原因とするマグ
ネット(静磁場磁石)240からの渦電流磁場の0次成
分をほぼ0にするため、Gzシールドコイル230の少
なくとも1つのターン(250,260)のz軸位置
を、上述した所望の勾配磁場線形性を撮像領域内210
で実現するように一旦決められたz軸位置から修正(移
動)している。
【0051】どのような位置から修正するか、またどの
ように修正するかについては後述する。なお、このター
ンの位置の修正は、撮像領域から遠い位置で行い、勾配
磁場線形性に対する影響を、小さくする必要がある。
【0052】マグネット240からの渦電流磁場の0次
成分をほぼ0とするための、Gzコイル(主コイル22
0およびシールドコイル230)の電流密度分布の決定
およびGzコイルのターンの移動を、以下のように行
う。
【0053】ここでは円周方向の位置をx軸からのz軸
のまわりの角度φで表すものとする。また、撮像領域の
原点をz=0とし、頭部挿入側をz>0の領域とする
と、主コイル220に流れる円周方向電流成分のz軸に
関する空間的な電流密度分布は、
【0054】
【数4】 のように書ける。ただし、za ,zb は、主コイル22
0内に収まるような正の値を取る。また、各項の係数a
q ,bq 、および、項数Nの決定法に関しては、後で述
べる。
【0055】またz<0の領域で、qが低次の場合の定
義域を式(2)と同じとし、qが高次の場合の定義域を
短くするという方法もある。このように、電流密度分布
の定義域を短縮することで、無駄なターン数を減らし、
インダクタンスを減少させるという長所がある。すなわ
【0056】
【数5】 ただし、0<zc <zb であり、nは、Nより小さい任
意の自然数である。
【0057】式(4)および(5)(または(5)′)
の電流密度分布から、勾配磁場には1次以外の0次、2
次、3次、4次の成分が生じることがわかる。これらの
中の偶数次成分を消去するために、式(4)および
(5)(または(5)′)に、余弦波の成分を加えても
良い。すなわち
【0058】
【数6】 と書ける。ただし、zd は、任意の正の値を取る。項数
M,係数cq の決定法は、後で述べる。
【0059】主コイル220の電流密度分布の円周方向
の成分は式(4),(5)(または(5)′)および
(6)からなる。以上は、非対称Z勾配磁場コイルの電
流密度分布の表現法であるが、対称Z勾配磁場コイル、
あるいはX、Y勾配磁場コイルの電流密度分布も同様に
複数の正弦波関数と余弦波関数の重み付け加算で表され
る。それらの場合でも、正弦波関数あるいは余弦波関数
の高次項の定義域を低次項の定義域よりも短くし、電流
密度分布を表現することができる。
【0060】式(4),(5),(6)の項数(N,
M)、および各係数(aq ,bq ,cq )および、シー
ルドコイル230の電流密度分布は、従来例と同様に漏
れ磁場をゼロ化するように境界条件を設定し、拘束条件
として、勾配磁場線形性、磁場強度、インダクタンス、
抵抗などを所望の値に設定することで、ひとまず決定す
ることができる。
【0061】しかし、前述したように、Gzコイルが、
非対称型であるため、勾配磁場の原点(z=−z0 )
で、渦電流磁場の0次成分390(図14参照)が生じ
るため、この成分を低減するように設計を修正する必要
がある。上記の仮設計により求められた電流密度分布
は、離散化されたターンで実現され、
【0062】
【数7】 のように書ける。ただし、zc ,zs は、それぞれ主コ
イル220、シールドコイルのターンの位置を表し、I
c ,Is は、それぞれ主コイル220、シールドコイル
230に流れる電流量を、Pc ,Ps は、それぞれ主コ
イル220、シールドコイル230の総ターン数を表
す。
【0063】マグネット240の半径をρ3 とし、マグ
ネットは、Gzコイル(半径ρ1 の主コイル220、半
径ρ2 のシールドコイル230)に比べて、十分長いと
仮定する。z=−z0 での渦電流磁場成分をBoffsetと
すると、
【0064】
【数8】 と書ける。
【0065】ここで、Fkφ(m,k)、FKφ(m,
k)は、式(7),(8)を式(1),(2)に代入す
ることによって得られた、円周方向成分の電流密度分布
のフーリエ変換である。式(9)は、マグネットの軸長
を無限と仮定した場合の勾配磁場原点での渦電流磁場成
分を表すが、マグネット240の実際の軸長でも、有限
要素法等により、勾配磁場原点での渦電流磁場成分を求
めることができる。
【0066】この渦電流磁場の0次成分を0とするため
に、以下のように、シールドコイル230のターンの移
動および電流密度分布の再設計を行う。シールドコイル
230で、z=z1 の位置にあるターンをΔだけ移動さ
せた場合、ターンを移動させる前と後での電流密度円周
方向成分の差を、Kmove(φ,z)とすると、
【0067】
【数9】 と表される。ここで、I1 は、コイルに流れる電流であ
る。Kmove(φ,z)をフーリエ変換したものをFKmo
ve(m,k)とする。ターンを移動させたことによるz
=−z0 での渦磁場の変化量をBmoveとすると、
【0068】
【数10】 と表される。式(11)もマグネットの軸長を無限と仮
定して、求められているが、マグネットの実際の軸長で
も、有限要素法等により、Bmoveを求めることができ
る。渦電流磁場の0次成分が0となることの条件は、
【0069】
【数11】 である。実際にターンを動かすときには、式(12)を
満たすように、撮像領域内の磁場に影響が小さいターン
(図13の350あるいは360)を移動させる。図1
4のように、z>0で、勾配磁場370が正の値を持つ
ときに、Boffset390が負の場合は、このターン35
0をz=0に近づけるように動かすか、あるいは、他端
のターン360をz=0から遠ざけるように、移動(修
正)すれば良い。Boffset390の符号が、負の場合
は、逆に動かす。
【0070】移動後のターンは、図11の250,26
0である。このとき、渦電流磁場波形は、図14の38
0から図12の280へとシフトし、z=−z0 での渦
電流磁場は、0となるが、勾配磁場波形も、これと共に
370から、271に距離δだけシフトする。つまり、
勾配磁場の原点が、z=−z0 +δとなり、勾配磁場の
原点と渦電流磁場の原点がずれてしまう。
【0071】ここで、上記の、主コイル220およびシ
ールドコイル230の電流密度分布の設計に戻り、z=
−z0 −δで、勾配磁場が0となるように式(4),
(5),(6)の項数および係数の決定をし直す。再決
定による勾配磁場波形は、272である。そこで、再
び、z=−z0 での、渦電流磁場成分Boffsetを求め、
先ほど、移動させたz=z1 のターンの位置に最も近い
ターンを移動させ、式(12)が、満たされるように、
ターンの移動量を決める。
【0072】こうして、再びターン移動後のz=−z0
の渦電流磁場は0となるが、勾配磁場の原点が、z=−
z0 からずれている場合は、上記の電流密度分布の設計
およびターンの移動の操作をさらに繰り返し、勾配磁場
の原点を渦電流磁場の原点に一致させる。
【0073】1ターンの移動量Δが、ターン間の距離よ
りも大きい場合、あるいはシールドコイル230の端ま
での距離よりも大きい場合には、1ターンの移動・電流
密度分布の再設計では、渦電流磁場を0とすることはで
きない。
【0074】その場合には、複数のターンを移動・電流
密度分布の再設計を行い、渦電流磁場0次成分を低減す
る。複数ターンを移動させる場合、Kmove(φ,z)
は、
【0075】
【数12】 と表される。ただし、zi は基のターンの位置を表し、
Δi はz=zi の位置にあるターンの移動量を表し、p
は、移動するターンの本数を表す。また、Ii は流れる
電流量を表す。
【0076】式(10)′を用いて、式(12)が成立
するように、移動させるターンの本数および、移動量を
決めてやれば良いが、この場合も上記、電流密度分布の
再設計およびターンの移動、を繰り返すことで、勾配磁
場の原点と渦電流磁場の原点を一致させる。
【0077】このようにして、電流密度分布の設計およ
び、シールドコイル230のターンの移動を繰り返し行
うことで、最終的に、勾配磁場270は、撮像領域内
で、370とほぼ同じプロファイルを持つようになり、
かつ、マグネット240からの渦電流磁場成分は、38
0から280へと変化し、渦電流磁場の0次成分390
を消去することが出来る。
【0078】また、シールドコイル230のターンの移
動と電流密度分布の設計を繰り返すのと同様に、主コイ
ル220のターンの移動と電流密度分布の設計を繰り返
すことでも、マグネットからの渦電流磁場0次成分をほ
ぼ0にすることも可能である。
【0079】このときは、式(10)′のzi が、主コ
イル220のターンの位置を表すと考え、式(11)の
ρ2 をρ1 に置き換えて、式(12)が、満たされるよ
うに、ターンの移動本数および、ターンの移動量を決め
てやれば良い。
【0080】なお、以上は非対称型Gzコイルを例に説
明したものだが、対称型Gzコイルでも、軸長が制限さ
れる部位(四肢など)で、マグネット240と、Gzコ
イルのz方向での幾何学的中心がずれている場合は、同
様の設計により、渦電流磁場の0次成分をほぼ0とする
ことが、可能である。この場合の、Boffset,Bmoveの
見積もりは、マグネット240の軸長を有限として、有
限要素法等で見積もり、式(12)が満たされるよう
に、ターンの移動量を決めれば良い。
【0081】以上説明したように、本実施形態により、
勾配磁場線形性/低インダクタンスなどの条件を満た
し、かつ、マグネットからの渦電流磁場の0次成分をほ
ぼ0とする、磁気共鳴用勾配磁場コイル装置が実現可能
となる。なお本発明は、上述した実施形態に限定される
ことなく種々変形して実施可能である。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
勾配磁場コイル装置内で発生する渦電流による磁場を効
果的に低減することが可能となる。また、本発明によれ
ば、引き出し線を薄く省スペースで構成することがで
き、しかも時定数を十分に小さくすることができる。
【0083】さらに、本発明によれば、勾配磁場線形性
/低インダクタンスなどの条件を満たし、かつ、マグネ
ットからの渦電流磁場の0次成分をほぼ0とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気共鳴映像装置の構成を示すブ
ロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態による勾配磁場コイル
装置の渦磁場補正用コイルを示す図。
【図3】第1の実施形態による渦電流磁場が低減する様
子を示した図。
【図4】第1の実施形態による勾配磁場コイル装置の渦
磁場補正用コイルの他の構成を示す図。
【図5】第1の実施形態による渦磁場補正用コイルの
数、位置、幅、切れ目の数の対応を示す図。
【図6】本発明の第2の実施形態による勾配磁場コイル
装置の引き出し線を示す図。
【図7】第2の実施形態の引き出し線の別の構成例を示
した図。
【図8】本発明の第3の実施形態による勾配磁場コイル
装置の引き出し線を示す図。
【図9】Gzコイル起動時に起こる非対称な渦電流磁場
のz軸分布を示す図。
【図10】従来のGzコイルと引き出し線の位置関係を説
明する図。
【図11】本発明の第4実施形態による勾配磁場コイル
装置の縦断面図。
【図12】図11のシールドコイルの端のターンを移動
による勾配磁場への影響を示す図。
【図13】従来の非対称型Gコイルの縦断面図。
【図14】図13の主コイルとシールドコイルが作る勾
配磁場と渦電流磁場のz軸分布示す図。
【図15】非対称型Gコイルの主コイルとシールドコイ
ルそれぞれによる電流密度分布を示す図。
【図16】対称型Gコイルの縦断面図。
【符号の説明】
24…渦磁場補正用コイル、 61…引き出し線、 63…金属細線、 101…静磁場磁石、 102…励磁用電源、 103…勾配磁場コイル装置、 105…勾配磁場コイル用電源、 106…被検体、 107…渦補償回路、 108…シムコイル、 109…シムコイル用電源、 110…送信部、 111…プローブ、 112…高周波シールド、 113…受信部、 114…データ収集部、 115…データ処理部、 116…システムコントローラ、 117…コンソール、 118…画像ディスプレイ。 210,310…撮像領域、 220,320…勾配磁場主コイル 230,330…勾配磁場シールドコイル、 240,340…静磁場磁石、 250,260,350,360…Gzシールドコイル
ターン、 270,271,272,370…勾配磁場波形、 280,380…渦電流磁場波形、 390…渦電流磁場0次成分、 410…シールド電流密度分布のシールド円筒外の部
分。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体を挿入可能な空隙を有する勾配磁
    場コイル装置において、 前記空隙内に勾配磁場を形成
    するコイル導体と、前記勾配磁場の時間的変動により誘
    導される渦電流による渦電流磁場を発生する少なくとも
    1つの導電体リングとを有し、前記空隙内の所定の位置
    において前記勾配磁場の偶数次成分が前記渦電流磁場に
    よって略0になるように前記導電体リングが配置された
    ことを特徴とする勾配磁場コイル装置。
  2. 【請求項2】 前記導電体リングは、前記所定の位置を
    含む面に関して非対称に配置されたことを特徴とする請
    求項1記載の勾配磁場コイル装置。
  3. 【請求項3】 前記導電体リングは、複数の導電体片が
    リング状に配列されてなることを特徴とする請求項1記
    載の勾配磁場コイル装置。
  4. 【請求項4】 前記導電体リングは、円周方向に複数箇
    所で電気的な切れ目が形成されており、この切れ目の数
    と前記導電体リングの幅との少なくとも一方は、前記導
    電体リングの渦電流磁場の時定数が、前記導電体リング
    以外から生じた渦電流磁場の時定数と実質的に同じにな
    るように決定されていることを特徴とする請求項1記載
    の勾配磁場コイル装置。
  5. 【請求項5】 被検体を挿入可能な空隙を有する勾配磁
    場コイル装置において、前記空隙内に勾配磁場を形成す
    るコイル導体と、このコイル導体の引き出し線とを有
    し、前記引き出し線は複数の直線状導体を有することを
    特徴とする勾配磁場コイル装置。
  6. 【請求項6】 前記引き出し線は前記コイル導体とは別
    体であることを特徴とする請求項5記載の勾配磁場コイ
    ル装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の直線状導体は並列され、前記
    複数の直線状導体それぞれは厚さが前記コイル導体より
    も薄く、断面積が前記コイル導体よりも小さいことを特
    徴とする請求項5記載の勾配磁場コイル装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の直線状導体は途中で折り返さ
    れていることを特徴とする請求項5記載の勾配磁場コイ
    ル装置。
  9. 【請求項9】 静磁場の方向と平行な勾配磁場を形成す
    る第1のコイルと、 前記第1のコイルと共に前記勾配磁場を形成し、かつ前
    記第1のコイルからの漏洩磁場を低減するための第2の
    コイルとを有し、 前記第1のコイルと前記第2のコイルはそれぞれの電流
    密度分布が前記勾配磁場の原点に関して非対称な分布を
    持ち、前記勾配磁場の変動時に生じる渦電流磁場の0次
    成分が少なくとも前記原点において略0になるように設
    けられていることを特徴とする勾配磁場コイル装置。
  10. 【請求項10】 前記第1のコイルと前記第2のコイル
    との少なくとも一方の少なくとも1つのターンが、前記
    漏洩磁場を略0とするように設計された電流密度分布に
    基づく位置から、前記渦電流磁場の0次成分を少なくと
    も前記原点において略0になる位置に移動されることを
    特徴とする請求項9記載の勾配磁場コイル装置。
  11. 【請求項11】 静磁場の方向と平行な勾配磁場を形成
    する第1のコイルと、前記第1のコイルと共に前記勾配
    磁場を形成し、かつ前記第1のコイルからの漏洩磁場を
    低減するための第2のコイルとを有し、前記第1のコイ
    ルと前記静磁場を作るマグネットそれぞれの前記静磁場
    方向の幾何学的中心の位置が互いにずれていて、 前記第1のコイルと前記第2のコイルは電流密度分布が
    前記勾配磁場の原点に関して対称な分布を持ち、前記勾
    配磁場の変動時に生じる渦電流磁場の0次成分が少なく
    とも前記原点において略0になるように設けられている
    ことを特徴とする勾配磁場コイル装置。
  12. 【請求項12】 前記第1のコイルと前記第2のコイル
    との少なくとも一方の少なくとも1つのターンが、前記
    漏洩磁場を略0とするように設計された電流密度分布に
    基づく位置から、前記渦電流磁場の0次成分を少なくと
    も前記原点において略0になる位置に移動されることを
    特徴とする請求項11記載の勾配磁場コイル装置。
  13. 【請求項13】 電流密度分布が複数の正弦波関数およ
    び余弦波関数の重み付け加算で表され、前記正弦波関数
    の高次項の定義域が前記正弦波関数の低次項の定義域よ
    りも短いことを特徴とする勾配磁場コイル装置。
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