JPH07192871A - 薄膜el素子 - Google Patents

薄膜el素子

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JPH07192871A
JPH07192871A JP5328622A JP32862293A JPH07192871A JP H07192871 A JPH07192871 A JP H07192871A JP 5328622 A JP5328622 A JP 5328622A JP 32862293 A JP32862293 A JP 32862293A JP H07192871 A JPH07192871 A JP H07192871A
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JP
Japan
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layer
light emitting
thin film
intermediate layer
emitting layer
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Application number
JP5328622A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Mikami
明義 三上
Kosuke Terada
幸祐 寺田
Katsuji Okibayashi
勝司 沖林
Katsuhiro Okada
勝博 岡田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発光輝度の経時的な低下を抑制し、高輝度で
安定した発光特性を得る。 【構成】 透光性基板12の一方表面12aに透明電極
13、絶縁層14、発光層15、絶縁層16、金属電極
17をこの順に積層して薄膜EL素子11が構成され
る。前記発光層15は、発光中心材を含む発光母材から
成る複数のEL層18,20と、前記EL層18,20
間に配置される中間層19とを含む。前記中間層19
は、前記EL層18,20の材料の電子に対する電気伝
導率よりも小さい電気伝導率を有する材料から成り、
0.005μm以上の膜厚に形成される。中間層19に
よって、発光層15内を移動する電子がせき止められ、
移動電荷量の経時的な減少が抑制される。したがって、
発光輝度の経時的な低下が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧印加に伴って、い
わゆるエレクトロルミネセンス(以下、「EL」とい
う。)と称される発光を発現する薄膜EL素子に関し、
特にその高輝度化および多色化を実現することによって
全固体型の平面表示装置とし、OA(オフィスオートメ
ーション)機器、FA(ファクトリーオートメーショ
ン)機器、その他の各種電子機器、計測機器などの表示
手段として好適に用いられる薄膜EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の薄膜EL素子1の構成を
示す断面図である。薄膜EL素子1は、いわゆる二重絶
縁構造の薄膜EL素子であり、透光性基板2、透明電極
3、絶縁層4,6、EL層5および金属電極7を含んで
構成される。たとえば、ガラスや合成樹脂で実現される
透光性基板2の一方表面2aに、透明電極3が形成され
る。透明電極3は、たとえばITO(Indium Tin Oxid
e)膜で実現される。透明電極3の表面には、絶縁層4
が形成され、さらにEL層5が形成される。EL層5
は、いわゆるEL発光層と称され、発光母材中に発光中
心材を添加したもので実現される。EL層5の表面に
は、絶縁層6が形成され、さらに金属電極7が形成され
る。金属電極7は、たとえばAl(アルミニウム)膜で
実現される。前記透光性基板2上に形成される厚さが1
μm程度のEL層5に、数10〜300Vの電圧を印加
することによって発光中心材の種類に依存した種々の発
光色が得られる。
【0003】前記EL層5として用いられる適切な材料
は、1MV/cm程度の高電界を実現するために、非線
形な高電界導電特性を有する半導体あるいは半絶縁性の
電気伝導機構を有すること、および可視光を外部へ有効
に放出するために、可視光帯域で顕著な光吸収を示さな
いことが必要である。このため、ZnS,ZnSeなど
のIIb−VIb族化合物、CaS,SrS,BaSな
どのIIa−VIb族化合物が用いられ、最近ではZn
2SiO4,CaF2,CaGa24 などの蛍光体母体材
料も検討されている。
【0004】また、発光中心材料には電界発光過程の下
で発光効率の高いMnなどの遷移金属およびTb,S
m,Tm,Ce,Euなどの希土類元素が適しており、
特にZnS:Mn発光層を用いた二重絶縁構造の薄膜E
L素子で高輝度の黄色発光が得られ、高い信頼性と表示
品質に優れた平面ディスプレイが実用化されている。
【0005】このようなEL素子の発光機構として一般
的に認められている過程を簡単に説明する。EL発光層
と絶縁層の界面に蓄積された電子が1MV/cm程度の
高電界でEL発光層内部へ注入され、電界から高い運動
エネルギを獲得して加速され、発光中心と直接に衝突し
てエネルギを与える。発光中心はこのエネルギにより励
起あるいは電離されて高いエネルギ状態へ遷移し、一定
寿命の後の緩和過程の際、そのエネルギを発光の形で外
部へ放出する。
【0006】前述した二重絶縁構造を基本構成とし、さ
らに発光特性を改善することを目的として、種々の素子
構造が提案されている。たとえば、電子通信学会論文誌
1985年1月Vol.J68−C、No.1、pp.
14〜22はEL発光層の内部に種々の材料から成るゲ
ート層を設けた新型薄膜EL素子が提案されており、金
属あるいは半導体材料から成るゲート層を設けることで
発光色の電圧制御が可能になり、また駆動電圧が低減さ
れることが記載されている。また、特開平1−2654
94には、EL発光層が、2つの発光層部分と、これら
両発光層部分の間に配置され、前記発光層部分より実質
的に小さい禁止帯幅を有する他の発光層部分とから構成
される井戸構造薄膜EL素子が開示されており、いわゆ
るキャリアの閉じ込め効果を利用して発光効率を高める
工夫が成されている。さらに、特開昭63−23189
7には、EL発光層と絶縁層の界面部分にEL発光層に
比べて禁止帯幅が大きい絶縁層を配置し、供給される電
子のエネルギを制御することで発光効率を高める技術が
開示されている。
【0007】これらのように、EL発光層内部にまたは
近接部分に異なる薄膜材料を設けることで発光輝度の改
善、色調制御、キャリア注入効率の向上などが実現さ
れ、こうした構造設計はEL発光層が注入、加速、励
起、発光など複数の過程を効率的に働かせる役割を担う
ため、どの過程に着目した改良かに対応して多様な構造
設計が可能であることを示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】EL素子を用いたカラ
ー平面ディスプレイの実現には、色純度に優れた赤色、
緑色、青色発光材料の高輝度化と高信頼性化の確立が必
要である。現在、検討が進められているカラー表示用の
EL発光層材料としては、CaS:Eu(赤色)、Zn
S:Tb(緑色)、およびSrS:Ce(青色)が挙げ
られるが、いずれの材料についても輝度、色純度、信頼
性の全てを充分には満足していない。特に、駆動に伴う
輝度劣化や、輝度−電圧特性の経時変化は実用化に際し
て極めて重要な要因であり、安定性の改善がカラーEL
ディスプレイ開発における大きな課題である。たとえ
ば、青色のEL発光層材料として活発な研究開発が続け
られているSrS:Ce発光層材料は、発光輝度が最初
の数10時間で1/2程度まで低下することが知られて
おり、同様な傾向は他のカラー発光層材料にも観察され
ている。
【0009】本発明の目的は、経時的な発光輝度の低下
を抑制し、高輝度で安定した発光特性を得ることができ
る薄膜EL素子を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともい
ずれか一方が透光性を有する一対の電極間に発光層を配
置し、前記発光層と少なくともいずれか一方の電極との
間に絶縁層を配置した薄膜EL素子において、前記発光
層は、発光中心材を含む発光母材から成る複数のEL層
と、前記EL層材料の電子に対する電気伝導率よりも小
さい電気伝導率を有する材料から成り、前記EL層間に
配置される中間層とを含むことを特徴とする薄膜EL素
子である。
【0011】また本発明は、前記中間層の厚さが、0.
005μm以上に選ばれることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明に従えば、薄膜EL素子は少なくともい
ずれか一方が透光性を有する一対の電極間に発光層を配
置し、前記発光層と少なくともいずれか一方の電極との
間に絶縁層を配置して構成され、前記発光層は複数のE
L層と、前記EL層間に配置される中間層とを含む。前
記EL層は、発光中心材を含む発光母材から成り、前記
中間層は前記EL層材料の電子に対する電気伝導率より
も小さい電気伝導率を有する材料から成る。
【0013】EL素子における発光は、EL層内を移動
する電子が発光中心に衝突して生じる。従来技術におい
て問題となっている発光輝度の経時的な低下は、時間経
過とともに移動電荷量が減少するためと考えられる。発
光層内に中間層を設けることによって、電子の移動がせ
き止められ、移動電荷量の減少が抑制されると考えられ
る。このため、本発明の薄膜EL素子は発光輝度の低下
が少なく、高輝度で安定した発光特性が得られる。
【0014】また、中間層の厚さは0.005μm以上
に選ばれる。一般的に、前記厚さよりも小さいと、トン
ネリング現象が生じ、電子が中間層を通り抜けてしま
う。しかしながら、本発明では中間層の厚さは前述した
値に選ばれ、前記現象による電子の通り抜けは生じず、
上述したように発光輝度の低下が抑制される。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である薄膜EL素
子11の構成を示す断面図である。薄膜EL素子11
は、いわゆる二重絶縁構造の薄膜EL素子であり、透光
性基板12、透明電極13、絶縁層14,16、発光層
15および金属電極17を含んで構成される。たとえ
ば、ガラスや合成樹脂で実現される透光性基板12の一
方表面12aには、透明電極13が形成される。透明電
極13は、たとえばITO膜で実現され、薄膜EL素子
11の使用目的に応じて適当な形状に形成され、たとえ
ばドットマトリクス表示を行う表示手段として用いる場
合には、互いに平行な複数の帯状に形成される。透明電
極13の表面には、絶縁層14が形成される。絶縁層1
4は、たとえばSi34 膜、SiO2膜で実現され、前
記膜を1層だけ設けてもよいし、複数層を積層して設け
てもよい。本実施例では、絶縁層14を0.26μmの
厚さに形成した。
【0016】前記絶縁層14の表面には、発光層15が
形成される。発光層15は、複数のEL層と、該EL層
の間に配置される中間層とを含み、本実施例では、絶縁
層14の表面にEL層18、中間層19、EL層20を
この順に積層して発光層15を構成した。EL層18,
20は、発光母材に発光中心材を添加したもので実現さ
れる。本実施例では、発光母材としてSrSを用い、発
光中心材としてCeを用いた。また、Ceを含むSrS
を電子ビーム蒸着法によって1.2μmの厚さに付着さ
せてEL層18,20を形成した。また、前記中間層1
9は、EL層18,20の膜材料の電子に対する電気伝
導率よりも小さい電気伝導率を有する材料で実現され
る。本実施例では、Si34を高周波スパッタリング法
によって0.02μmの厚さに付着させて、中間層19
を形成した。
【0017】前記発光層15の表面には、絶縁層16が
形成される。絶縁層16は、たとえばSi34膜、Si
2膜、Al23 膜で実現され、前記膜を1層だけ設け
てもよいし、複数層積層して設けてもよい。本実施例で
は、絶縁層16を0.145μmの厚さに形成した。絶
縁層16の表面には、金属電極17が形成される。金属
電極17は、たとえばAl膜で実現され、前述したよう
に、たとえばドットマトリクス表示を行う場合には、前
記透明電極13とは直交する方向に複数本形成される。
【0018】前述した電気伝導率とは、次の数式(1)
で表されるσ値であり、物質固有の値である。
【0019】 σ = neμ …(1) ここで、nは電子密度を表し、eは電荷素量を表し、μ
は電子移動度を表す。前記中間層19として用いたSi
34の電気伝導率は、10-12ohm-1・cm-1〜10
-13ohm-1・cm-1である。EL層18,20として
用いたSrS:Ceの電気伝導率は、10-7ohm-1
cm-1〜10-11ohm-1・cm-1である。
【0020】従来技術における時間の経過に伴う発光輝
度の低下は、次のようなメカニズムによるものと考察さ
れる。発光に必要な電子はEL発光層の内部と、EL発
光層と絶縁層との界面層とで生じる。結晶欠陥に起因し
てEL発光層内で電子が生じると、言い換えれば正の空
間電荷(正孔またはホールといわれるもの)が誘起され
ると、前記正の空間電荷によってEL発光層内の電位分
布が不均一となる。また、前記正の空間電荷は、キャリ
ア(電子)の注入過程においてS型負性抵抗現象を発生
する。前記S型負性抵抗現象とは、電流が増加するに従
って電圧が減少する現象である。比較的初期の段階で
は、このような状態にあり、移動電荷量が多く、従って
発光輝度も高い。
【0021】しかしながら、時間が経過すると、前記正
の空間電荷が減少する。すなわち、正の空間電荷が減少
するような前記結晶欠陥とは異なる欠陥が生じる。この
ため、EL発光層内の電位分布が均一なものとなり、ま
たS型負性抵抗現象は生じなくなる。したがって、移動
電荷量が減少し、発光輝度が低下する。
【0022】図2は、前記薄膜EL素子11の各層にお
ける電位分布および電界強度分布を示すグラフである。
この分布は、以下の2つの数式(2),(3)で表され
るポアソン方程式とガウスの定理とに基づいたシミュレ
ーションから得られれたものである。
【0023】
【数1】
【0024】
【数2】
【0025】ここで、ψi,ψjはi層、j層の電子電
位をそれぞれ表し、xは厚み方向の位置を表し、Qiは
i層内の実電荷密度を表し、εi,εjはi層、j層の
比誘電率をそれぞれ表し、qijはi層とj層との界面
の実電荷密度を表す。また、計算上、空間電荷密度はE
L層内で一様であり、電極からの実電荷の流入はなく、
さらに中間層の電子に対する電気伝導率は0であると仮
定している。さらに、各層の膜厚dおよび比誘電率ε
は、以下の表1のようであり、移動電荷量は2μC/c
2とし、空間電荷密度は動作電界強度から算出した
5.2×1016/cm3 を基準として、0/cm3
5.2×1016/cm3,10.4×1016/cm3の3
種類とし、印加電圧を200Vとしている。
【0026】
【表1】
【0027】図中の曲線21a,21bは空間電荷密度
が0のときの電位分布と電界強度分布とをそれぞれ示
し、曲線22a,22bは空間電荷密度が 5.2×1
16/cm3 のときの電位分布と電界強度分布とをそれ
ぞれ示し、曲線23a,23bは空間電荷密度が10.
4×1016/cm3のときの電位分布と電界強度とをそ
れぞれ示す。
【0028】図3は、前述したのと同様にして得られた
従来例の薄膜EL素子1の各層における電位分布および
電界強度分布を示すグラフである。曲線24a,24b
は空間電荷密度が0のときの電位分布と電界強度分布と
をそれぞれ示し、曲線25a,25bは空間電荷密度が
5.2×1016/cm3のときの電位分布と電界強度分
布とをそれぞれ示し、曲線26a,26bは空間電荷密
度が10.4×1016/cm3のときの電位分布と電界
強度分布とをそれぞれ示す。
【0029】図3から、空間電荷密度が大きい場合、電
位分布に湾曲が見られる。以後、この現象をバンドベン
ディング現象という。また、電界強度分布において、絶
縁層4とEL層5との界面近傍の電界強度は、1.8M
V/cmである。しかしながら、空間電荷密度が小さく
なるにつれて、電位分布におけるバンドベンディング現
象が著しく消失している。また、前記界面近傍の電界強
度は、空間電荷密度が0となると0.3MV/cmとな
る。
【0030】図2から、前述したのと同様に空間電荷密
度が大きい場合、電位分布にバンドベンディング現象が
見られるけれども空間電荷密度の減少に伴う電位分布の
変化の度合が従来と比較して小さいことが判る。また、
絶縁層14とEL層18との界面近傍の電界強度は、空
間電荷密度が大きい場合、1.1MV/cmであり、0
の場合0.3MV/cmであり、該電界強度分布の変化
の度合も従来と比較して小さいことが判る。
【0031】すなわち、本実施例の薄膜EL素子11で
は、中間層19を設けることによって、中間層19の電
界強度が高くなっており、これが障壁となってキャリア
(電子)の移動がせき止められる。このため、時間の経
過に伴う正の空間電荷の減少が緩和され、発光輝度の低
下も抑制されるものと考えられる。前述したように、キ
ャリア(電子)の移動をせき止めることは、放出される
電子の数を一定とすると、EL層18から放出される電
子の数に比べて絶縁層14とEL層18との界面層から
放出される電子の数の方が多くなる。このため、誘起さ
れる正の空間電荷は相対的に減少し、この空間電荷の経
時的な変化が小さくなる。したがって、前記界面層から
の電子が増加することによって、正の空間電荷の減少率
は緩和され、輝度の低下が抑制される。
【0032】図4は、前記薄膜EL素子11,1の発光
輝度の経時変化を示すグラフである。なお、各薄膜EL
素子11,1は、周波数500Hz、温度55℃の条件
下で駆動している。また、初期における輝度を100c
d/m2として示している。曲線27は、本実施例の薄
膜EL素子11の結果を示し、曲線28は従来例の薄膜
EL素子1の結果を示す。従来の薄膜EL素子1では、
約30時間経過した時点での輝度が50cd/m2に低
下しているのに対し、本実施例の薄膜EL素子11では
70cd/m2に抑制されていることが判る。
【0033】図5は、前記薄膜EL素子11,1の輝度
−印加電圧特性を示すグラフである。曲線29は本実施
例の薄膜EL素子11の結果を示し、曲線30は従来例
の薄膜EL素子1の結果を示す。従来の薄膜EL素子1
では印加電圧に伴う輝度の値が電圧上昇時(曲線30a
で示す)と、電圧降下時(曲線30bで示す)とで異な
ることが判る。この様なヒステリシス特性は、EL素子
を駆動する上で発光開始電圧の設定が困難となり、発現
しないことが好ましく、従来技術では、たとえば膜厚の
低減や、発光中心材料の濃度の低減などで対応してい
る。
【0034】しかしながら、本実施例の薄膜EL素子1
1では、前記薄膜EL素子1と同じ膜厚で、発光中心材
料の濃度も同じであるにも拘わらず、ヒステリシス特性
は見られない。したがって、発光開始電圧の設定が容易
であり、薄膜EL素子としての安定な動作が可能とな
る。
【0035】前述したシミュレーションでは、中間層1
9の電気伝導率を0と仮定した。この場合、図2から中
間層19に3MV/cm〜4MV/cmの高電界が加わ
るとキャリア(電子)が中間層19でせき止められず、
該中間層19を通り抜けてしまうと推定される。しかし
ながら、実際に中間層19として用いることができる材
料は、電気伝導率が比較的低いけれども、前述したよう
に0ではない。図4および図5に示した結果は、電気伝
導率が0でなくとも、比較的低い場合においても効果が
あることを示しており、本実施例で用いたSi34以外
にも、電気伝導率が比較的低い以下の材料も用いること
ができる。
【0036】たとえば、AlNなどの窒化物絶縁材料、
SiO2,Al23,Ta25 などの酸化物絶縁材料、
CaF2,SrF2などのフッ化物絶縁材料など、EL層
18,20の材料に比べて電気伝導率の低い材料を用い
ることができる。さらに、この点では本来高い伝導性を
示すGaAs,GaP,Siなどの半導体材料について
も、正孔を多数キャリアとするP型の伝導性を有する材
料に限定すれば、電子に対する電気伝導率は極めて小さ
いために同様な効果が期待できる。
【0037】前記電気伝導率の大きさは、エネルギーギ
ャップ(禁止帯の幅)に依存する。EL素子に用いられ
る材料のエネルギーギャップは、硫化物<窒化物<酸化
物<フッ化物の順であり、電気伝導率は逆に硫化物>窒
化物>酸化物>フッ化物の順である。すなわち、電気伝
導率は、ZnS,SrS>Si34,AlN>Si
2,Al23>CaF2,SrF2の順になる。したが
って、前記EL層18,20としてZnS,SrSなど
の硫化物を用いた場合、中間層19として窒化物、酸化
物、フッ化物を用いることが可能である。また、EL層
18,20として酸化物を用いた場合には、中間層19
としてフッ化物を用いることが適当である。
【0038】また、中間層19の設置は、分離されたE
L層18,20間の電子の流れを制限あるいは調整する
働きがある。このために、中間層19の膜厚の最小値は
電子がトンネリング現象によって中間層19を通り抜け
ることのない厚さに制限され、一般的には0.005μ
m以上の膜厚が好ましく、上限についてはEL素子の駆
動電圧で制限される。前記駆動電圧は駆動用IC(Inte
grated Circuit)の定格値に基づいて約260Vが限界
とされ、現在では約230Vでの駆動が行われている。
たとえば、限界の駆動電圧値と実際の駆動電圧値との差
である30Vを図2に示す中間層19の電界強度である
3MV/cmを用いて膜厚に換算すると、(30V)/
(3MV/cm)=0.1μmとなる。
【0039】さらに、中間層19の位置についても前記
シミュレーションから推定できるように、EL発光層1
5内部のいずれの箇所でも効果が期待され、中間層19
の設定数にも1層に限るものではなく、2層以上であっ
てもよい。
【0040】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。本実施例のEL素子は、前記実施例の薄膜EL素子
11と同様に構成されるけれけども、中間層19の材料
としてSrF2を用いたことを特徴とする。SrF2は、
電子ビーム蒸着法によって約0.02μmの厚さに付着
させて中間層19としている。SrF2は、化学式AX2
(Aは陽性元素、Xは陰性元素)で表される化合物に見
られる結晶構造、すなわちホタル石型構造を有し、結晶
系としては立方晶系に属する材料である。この材料は、
結晶の成長温度に依存して、結晶配向性が変わることが
知られている。
【0041】すなわち、100℃以下の温度では、(1
11)配向の多結晶膜が得られ、200℃〜300℃で
は(100)配向の膜が得られる。さらに、350℃以
上では、結晶化せずにアモルファス構造の膜が得られ
る。本実施例では、EL層18,20に(100)配向
したSrS:Ce膜を用い、SrF2から成る中間層1
9の結晶性と輝度低下の関係を求めた。その結果、(1
00)配向のSrF2を中間層19に用いたEL素子の
輝度低下が85%であり、アモルファス構造のSrF2
を用いたEL素子の輝度低下は70%であり、(11
1)配向のSrF2を用いたEL素子の輝度低下は40
%であった。
【0042】中間層19の結晶性は、その上に積層され
るEL層20の膜質に大きな影響を与えるものと考えら
れ、上記結果は、配向性が互いに異なる中間層19と、
EL層20との組合わせが好ましくないことを示唆して
いる。このことから、中間層19およびEL層20とし
て同じ配向性を確保するか、あるいはむしろ無配向のア
モルファス構造の中間層19を用いるとよい結果が得ら
れる。
【0043】上述した2つの実施例では、EL層18,
20の材料に従来において輝度低下の著しいSrS:C
eを用いて、その効果を述べたが、同じく電子を多数キ
ャリアとするn型半導体であれば、ZnS,ZnSe,
CaS,BaS,MgSなど、他のII−VI族化合物
で実現される母体材料においも同様な効果が得られるも
のと推定される。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、中間層の
配置により電子の移動がせき止められ、移動電荷量の減
少が抑制される。このため、輝度の低下が改善され、高
輝度で信頼性に優れた発光特性を有する薄膜EL素子を
提供することができる。さらに、輝度−電圧特性のヒス
テリシス性がなくなり、安定な動作が可能となる。
【0045】また、中間層の厚さが0.005μm以上
に選ばれるので、トンネリング現象による電子の通り抜
けは生じず、輝度低下が改善され、高輝度で信頼性に優
れた発光特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である薄膜EL素子11の構
成を示す断面図である。
【図2】シミュレーションによって求めた前記薄膜EL
素子11の各層における電位分布および電界分布を示す
グラフである。
【図3】前記シミュレーションによって求めた従来の薄
膜EL素子1の各層における電位分布および電界分布を
示すグラフである。
【図4】前記薄膜EL素子11,1の発光輝度の経時変
化特性を示すグラフである。
【図5】前記薄膜EL素子11,1の輝度−印加電圧特
性を示すグラフである。
【図6】従来の薄膜EL素子1の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
11 薄膜EL素子 12 透光性基板 13 透明電極 14,16 絶縁層 15 発光層 17 金属電極 18,20 EL層 19 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 勝博 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともいずれか一方が透光性を有す
    る一対の電極間に発光層を配置し、前記発光層と少なく
    ともいずれか一方の電極との間に絶縁層を配置した薄膜
    EL素子において、 前記発光層は、発光中心材を含む発光母材から成る複数
    のEL層と、前記EL層材料の電子に対する電気伝導率
    よりも小さい電気伝導率を有する材料から成り、前記E
    L層間に配置される中間層とを含むことを特徴とする薄
    膜EL素子。
  2. 【請求項2】 前記中間層の厚さが、0.005μm以
    上に選ばれることを特徴とする請求項1記載の薄膜EL
    素子。
JP5328622A 1993-12-24 1993-12-24 薄膜el素子 Pending JPH07192871A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7193361B2 (en) 2002-12-25 2007-03-20 Fuji Photo Film Co., Ltd. Organic electroluminescence device and organic electroluminescence display

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US7193361B2 (en) 2002-12-25 2007-03-20 Fuji Photo Film Co., Ltd. Organic electroluminescence device and organic electroluminescence display

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