JPH07192870A - 薄膜el素子の製造方法 - Google Patents
薄膜el素子の製造方法Info
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- JPH07192870A JPH07192870A JP5332406A JP33240693A JPH07192870A JP H07192870 A JPH07192870 A JP H07192870A JP 5332406 A JP5332406 A JP 5332406A JP 33240693 A JP33240693 A JP 33240693A JP H07192870 A JPH07192870 A JP H07192870A
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- thin film
- light emitting
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ガラス基板上に透明電極層、第1絶縁膜、発
光層、第2絶縁膜を順に形成し、さらにこの上に背面電
極層を形成する。発光層に耐水性に乏しい発光材料を用
いた場合の背面電極層のパターニングは、まず、ポジ型
フォトレジストを塗布し(P1)、露光し(P2)、ア
ルカリ現像液で現像し(P3)、純水で洗浄した後(P
4)、エアーナイフで乾燥させてから(P5)、真空中
でポストベーク(やきしめ)処理を行い(P6)、その
後、ドライエッチングするようになっている(P7)。 【効果】 発光層に耐水性に乏しい発光材料を用いた場
合でも、安価で安全性の高いポジ型フォトレジストを使
用して背面電極のパターニングを行って、発光層の変質
による薄膜の剥離や発光ムラのない信頼性の高い薄膜E
L素子が得られる。
光層、第2絶縁膜を順に形成し、さらにこの上に背面電
極層を形成する。発光層に耐水性に乏しい発光材料を用
いた場合の背面電極層のパターニングは、まず、ポジ型
フォトレジストを塗布し(P1)、露光し(P2)、ア
ルカリ現像液で現像し(P3)、純水で洗浄した後(P
4)、エアーナイフで乾燥させてから(P5)、真空中
でポストベーク(やきしめ)処理を行い(P6)、その
後、ドライエッチングするようになっている(P7)。 【効果】 発光層に耐水性に乏しい発光材料を用いた場
合でも、安価で安全性の高いポジ型フォトレジストを使
用して背面電極のパターニングを行って、発光層の変質
による薄膜の剥離や発光ムラのない信頼性の高い薄膜E
L素子が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面薄型ディスプレイ
デバイスとして用いられている薄膜EL(Electro Lumin
escence)素子の製造方法に関するもので、特に、耐水性
に乏しい発光材料にて発光層を形成する際に適する薄膜
EL素子の製造方法に関するものである。
デバイスとして用いられている薄膜EL(Electro Lumin
escence)素子の製造方法に関するもので、特に、耐水性
に乏しい発光材料にて発光層を形成する際に適する薄膜
EL素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、平面薄型ディスプレイである薄膜
EL素子20としては、例えば図4に示すような3層構
造のものが知られている。この薄膜EL素子20は、ガ
ラス等からなる透明基板21上に、ITO(Indium Tin
Oxide)膜からなる複数の帯状の透明電極22が間隔をお
いて平行にパターニングされ、この上に酸化物であるA
l2 O3 ,SiO2 もしくはTiO2 または窒化物であ
るSi3 N4 等からなる第1絶縁膜23が形成されてい
る。そしてこの上に、ZnS等からなる母材に発光中心
としてMn等を微量添加した組成を有する発光層24
と、上記酸化物または窒化物からなる第2絶縁膜25と
が順に形成され、さらにこの上に、上記透明電極22と
直交する方向にAlからなる複数の帯状の背面電極26
が間隔をおいて平行にパターニングされた構成を有して
いる。
EL素子20としては、例えば図4に示すような3層構
造のものが知られている。この薄膜EL素子20は、ガ
ラス等からなる透明基板21上に、ITO(Indium Tin
Oxide)膜からなる複数の帯状の透明電極22が間隔をお
いて平行にパターニングされ、この上に酸化物であるA
l2 O3 ,SiO2 もしくはTiO2 または窒化物であ
るSi3 N4 等からなる第1絶縁膜23が形成されてい
る。そしてこの上に、ZnS等からなる母材に発光中心
としてMn等を微量添加した組成を有する発光層24
と、上記酸化物または窒化物からなる第2絶縁膜25と
が順に形成され、さらにこの上に、上記透明電極22と
直交する方向にAlからなる複数の帯状の背面電極26
が間隔をおいて平行にパターニングされた構成を有して
いる。
【0003】このような構成の薄膜EL素子20では、
透明電極22及び背面電極26に選択的に電圧を印加す
ることによって、両電極22・26の交差部分の発光層
24をドット状に任意の組み合わせで発光させて、所望
のドットマトリクス表示を行うことができる。
透明電極22及び背面電極26に選択的に電圧を印加す
ることによって、両電極22・26の交差部分の発光層
24をドット状に任意の組み合わせで発光させて、所望
のドットマトリクス表示を行うことができる。
【0004】ところで、上記発光層24の材料として
は、ZnS等の IIb−VI族化合物半導体やSrS等の I
Ia−VI族化合物半導体が用いられている。この内、Zn
S等のIIb−VI族化合物半導体は、耐水性に優れるとい
う性質を有し、これとは反対に、SrS等の IIa−VI族
化合物半導体は、耐水性に乏しいという性質を有してい
る。
は、ZnS等の IIb−VI族化合物半導体やSrS等の I
Ia−VI族化合物半導体が用いられている。この内、Zn
S等のIIb−VI族化合物半導体は、耐水性に優れるとい
う性質を有し、これとは反対に、SrS等の IIa−VI族
化合物半導体は、耐水性に乏しいという性質を有してい
る。
【0005】したがって、通常、ZnS等の IIb−VI族
化合物半導体を発光層24に用いたものでは、背面電極
26のパターニングにおいて、現像・洗浄工程にアルカ
リ現像液・純水を使用するポジ型フォトレジスト(アル
カリ現像型フォトレジスト)を用いるようになってお
り、一方、SrS等の IIa−VI族化合物半導体を用いた
ものでは、現像・洗浄工程に非水系の現像液・洗浄液を
使用するネガ型フォトレジスト(ゴム系感光型フォトレ
ジスト)を用いるようになっている。
化合物半導体を発光層24に用いたものでは、背面電極
26のパターニングにおいて、現像・洗浄工程にアルカ
リ現像液・純水を使用するポジ型フォトレジスト(アル
カリ現像型フォトレジスト)を用いるようになってお
り、一方、SrS等の IIa−VI族化合物半導体を用いた
ものでは、現像・洗浄工程に非水系の現像液・洗浄液を
使用するネガ型フォトレジスト(ゴム系感光型フォトレ
ジスト)を用いるようになっている。
【0006】もしも、耐水性に乏しいSrS等の IIa−
VI族化合物半導体を発光層24に用いたものに、現像・
洗浄工程にアルカリ現像液・純水を使用するポジ型フォ
トレジストを用いると、第2絶縁膜25の図示しないピ
ンホールを介して発光層24にまで水分が浸透し、発光
層24を変質させてしまい、その結果、薄膜が剥離し易
く、発光時に発光ムラが生じるなど、甚だ信頼性の低い
薄膜EL素子20となる。
VI族化合物半導体を発光層24に用いたものに、現像・
洗浄工程にアルカリ現像液・純水を使用するポジ型フォ
トレジストを用いると、第2絶縁膜25の図示しないピ
ンホールを介して発光層24にまで水分が浸透し、発光
層24を変質させてしまい、その結果、薄膜が剥離し易
く、発光時に発光ムラが生じるなど、甚だ信頼性の低い
薄膜EL素子20となる。
【0007】ここで、従来行われている耐水性のある発
光材料を使用した場合の背面電極26のパターニング工
程を、図5(a)の工程図に基づいて説明すると、ま
ず、プロセスP11にてAlからなる薄膜の上にポジ型
フォトレジストを塗布し、プロセスP12にてフォトマ
スクを用いて露光し、プロセスP13にてフォトレジス
トをアルカリ現像液を用いて現像し、プロセスP14に
て純水を用いて余分なフォトレジストを洗浄し、プロセ
スP15にて大気雰囲気中でポストベーク(やきしめ)
処理を実施し、プロセスP16にてウェットエッチング
するようになっている。
光材料を使用した場合の背面電極26のパターニング工
程を、図5(a)の工程図に基づいて説明すると、ま
ず、プロセスP11にてAlからなる薄膜の上にポジ型
フォトレジストを塗布し、プロセスP12にてフォトマ
スクを用いて露光し、プロセスP13にてフォトレジス
トをアルカリ現像液を用いて現像し、プロセスP14に
て純水を用いて余分なフォトレジストを洗浄し、プロセ
スP15にて大気雰囲気中でポストベーク(やきしめ)
処理を実施し、プロセスP16にてウェットエッチング
するようになっている。
【0008】一方、耐水性に乏しい発光材料を使用した
場合の背面電極26のパターニング工程を、同図(b)
の工程図に基づいて説明すると、まず、プロセスP21
にてAlからなる薄膜の上にネガ型フォトレジストを塗
布し、プロセスP22にてフォトマスクを用いて露光
し、プロセスP23にてフォトレジストを非水系の現像
液を用いて現像し、プロセスP24にて非水系のリンス
液を用いて余分なフォトレジストを洗浄し、プロセスP
25にて大気雰囲気中でポストベーク処理を実施し、プ
ロセスP26にてドライエッチングするようになってい
る。
場合の背面電極26のパターニング工程を、同図(b)
の工程図に基づいて説明すると、まず、プロセスP21
にてAlからなる薄膜の上にネガ型フォトレジストを塗
布し、プロセスP22にてフォトマスクを用いて露光
し、プロセスP23にてフォトレジストを非水系の現像
液を用いて現像し、プロセスP24にて非水系のリンス
液を用いて余分なフォトレジストを洗浄し、プロセスP
25にて大気雰囲気中でポストベーク処理を実施し、プ
ロセスP26にてドライエッチングするようになってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、背面電極2
6のパターニングにネガ型フォトレジストを用いた場
合、その現像、及び洗浄に(プロセスP23・P2
4)、非水系の現像液やリンス液が必要であるので、同
工程に比較的安価なアルカリ現像液や純水を使用するポ
ジ型フォトレジストの場合に比べ、材料コストが高くつ
くという問題点を有している。さらに、非水系の現像液
やリンス液は、取り扱い上安全面にも問題がある。
6のパターニングにネガ型フォトレジストを用いた場
合、その現像、及び洗浄に(プロセスP23・P2
4)、非水系の現像液やリンス液が必要であるので、同
工程に比較的安価なアルカリ現像液や純水を使用するポ
ジ型フォトレジストの場合に比べ、材料コストが高くつ
くという問題点を有している。さらに、非水系の現像液
やリンス液は、取り扱い上安全面にも問題がある。
【0010】そこで、本発明は、上記課題に鑑み成され
たもので、耐水性に乏しい発光材料を使用した場合に
も、耐水性に優れた発光材料を使用した場合と同様に、
上部電極のパターニングが比較的安価にてかつ安全に実
施可能で、しかも、装置自体の信頼性も低下させない薄
膜EL素子の製造方法を提案することを目的としてい
る。
たもので、耐水性に乏しい発光材料を使用した場合に
も、耐水性に優れた発光材料を使用した場合と同様に、
上部電極のパターニングが比較的安価にてかつ安全に実
施可能で、しかも、装置自体の信頼性も低下させない薄
膜EL素子の製造方法を提案することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る薄
膜EL素子の製造方法は、上記の課題を解決するため
に、基板上に透明電極、第1絶縁膜、発光層、第2絶縁
膜、背面電極を順次形成する薄膜EL素子の製造方法に
おいて、上記発光層に耐水性に乏しい材料を用いた場
合、上記背面電極のパターニングに際し、フォトレジス
トを現像して洗浄した後に、真空中でやきしめ処理を行
うことを特徴としている。
膜EL素子の製造方法は、上記の課題を解決するため
に、基板上に透明電極、第1絶縁膜、発光層、第2絶縁
膜、背面電極を順次形成する薄膜EL素子の製造方法に
おいて、上記発光層に耐水性に乏しい材料を用いた場
合、上記背面電極のパターニングに際し、フォトレジス
トを現像して洗浄した後に、真空中でやきしめ処理を行
うことを特徴としている。
【0012】また、請求項2の発明に係る薄膜EL素子
の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記請求
項1の薄膜EL素子の製造方法において、上記背面電極
のパターニングに際し、アルカリ現像型のフォトレジス
トを用いることを特徴としている。
の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記請求
項1の薄膜EL素子の製造方法において、上記背面電極
のパターニングに際し、アルカリ現像型のフォトレジス
トを用いることを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1の方法では、発光層に耐水性に乏しい
発光材料を用いた場合、第2絶縁膜の上に形成される背
面電極のパターニングの際、フォトレジストを現像して
洗浄した後に、真空中でやきしめ処理を行うようになっ
ている。したがって、この真空中でのやきしめ処理によ
り、例えば請求項2の方法のように、背面電極のパター
ニングに、アルカリ現像型のフォトレジスト(ポジ型フ
ォトレジスト)を用い、フォトレジストを現像・洗浄す
る工程に水分を多く含む現像液や洗浄液(純水)を用い
たため、その水分が第2絶縁膜のピンホールに入り込ん
だとしても、この入り込んだ水分は完全に除去されるこ
ととなり、発光層が変質する虞れはない。
発光材料を用いた場合、第2絶縁膜の上に形成される背
面電極のパターニングの際、フォトレジストを現像して
洗浄した後に、真空中でやきしめ処理を行うようになっ
ている。したがって、この真空中でのやきしめ処理によ
り、例えば請求項2の方法のように、背面電極のパター
ニングに、アルカリ現像型のフォトレジスト(ポジ型フ
ォトレジスト)を用い、フォトレジストを現像・洗浄す
る工程に水分を多く含む現像液や洗浄液(純水)を用い
たため、その水分が第2絶縁膜のピンホールに入り込ん
だとしても、この入り込んだ水分は完全に除去されるこ
ととなり、発光層が変質する虞れはない。
【0014】この結果、発光層に耐水性に乏しい発光材
料を用いた場合でも、背面電極のパターニングを安全面
及びコスト面に優れたアルカリ現像型のフォトレジスト
を使用して実施することが可能となり、安全、かつ低コ
ストにて薄膜の剥離や発光ムラのない信頼性の高い薄膜
EL素子を得ることができる。
料を用いた場合でも、背面電極のパターニングを安全面
及びコスト面に優れたアルカリ現像型のフォトレジスト
を使用して実施することが可能となり、安全、かつ低コ
ストにて薄膜の剥離や発光ムラのない信頼性の高い薄膜
EL素子を得ることができる。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図3に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0016】本実施例の製造方法により作製される薄膜
EL素子は、図2に示すように、ガラス基板1上に、I
TO(Indium Tin Oxide)膜からなる透明電極層2、第1
絶縁膜9、SrS:Ce等の IIa−VI族化合物半導体か
らなる発光層5、第2絶縁膜10、及びAlからなる背
面電極層6が順次形成された構造を有している。
EL素子は、図2に示すように、ガラス基板1上に、I
TO(Indium Tin Oxide)膜からなる透明電極層2、第1
絶縁膜9、SrS:Ce等の IIa−VI族化合物半導体か
らなる発光層5、第2絶縁膜10、及びAlからなる背
面電極層6が順次形成された構造を有している。
【0017】上記第1絶縁膜9は、透明電極層2側に配
されたSiO2 膜3と、発光層5側に配されたSiON
膜(或いはSiN膜)4とからなる。一方、上記第2絶
縁膜10は、発光層5側に配されたSiN膜(或いはS
iON膜)6と、背面電極層8側に配されたSiO2 膜
(或いはAl2 O3 膜)7とからなる。
されたSiO2 膜3と、発光層5側に配されたSiON
膜(或いはSiN膜)4とからなる。一方、上記第2絶
縁膜10は、発光層5側に配されたSiN膜(或いはS
iON膜)6と、背面電極層8側に配されたSiO2 膜
(或いはAl2 O3 膜)7とからなる。
【0018】上記透明電極層2および背面電極層8の各
電極群は、図示しない交流電源に接続されており、これ
により薄膜EL素子に駆動電圧が印加される。駆動電圧
が印加されると、発光層5内に発生した電界によって伝
導帯に励起され、かつ加速されて十分なエネルギーを得
た電子が、発光層5に添加されたCe発光中心に衝突励
起し、励起されたCe発光中心が基底状態に戻る際に光
を放射するようになっている。
電極群は、図示しない交流電源に接続されており、これ
により薄膜EL素子に駆動電圧が印加される。駆動電圧
が印加されると、発光層5内に発生した電界によって伝
導帯に励起され、かつ加速されて十分なエネルギーを得
た電子が、発光層5に添加されたCe発光中心に衝突励
起し、励起されたCe発光中心が基底状態に戻る際に光
を放射するようになっている。
【0019】このような薄膜EL素子を作製するには、
まず始めに、例えばスパッタリング法の薄膜形成方法に
より、ガラス基板1上にITO膜を形成し、これをパタ
ーニングして複数の帯状の電極群からなる透明電極層2
を形成し、続いて同様の薄膜形成方法により、上記透明
電極層2上にSiO2 膜3とSiON膜4を順に形成
し、膜厚2.4×103 Å程度の第1絶縁膜9を形成す
る。尚、上記透明電極層2には、上記ITOの他にZn
O:Al等を用いることができる。
まず始めに、例えばスパッタリング法の薄膜形成方法に
より、ガラス基板1上にITO膜を形成し、これをパタ
ーニングして複数の帯状の電極群からなる透明電極層2
を形成し、続いて同様の薄膜形成方法により、上記透明
電極層2上にSiO2 膜3とSiON膜4を順に形成
し、膜厚2.4×103 Å程度の第1絶縁膜9を形成す
る。尚、上記透明電極層2には、上記ITOの他にZn
O:Al等を用いることができる。
【0020】次に、発光中心としてのCeが半導体母材
としてのSrSに添加された発光層5を、電子ビーム蒸
着法、CVD(化学気相成長)法、またはスパッタリン
グ法等の薄膜形成法により上記第1絶縁膜9上に膜厚1
×104 Å程度で形成する。
としてのSrSに添加された発光層5を、電子ビーム蒸
着法、CVD(化学気相成長)法、またはスパッタリン
グ法等の薄膜形成法により上記第1絶縁膜9上に膜厚1
×104 Å程度で形成する。
【0021】この後、第1絶縁膜9と同様の薄膜形成方
法により、上記発光層5の上にSiN膜6とSiO2 膜
7を順に形成し、膜厚1.5×103 Å程度の第2絶縁膜
10を形成する。
法により、上記発光層5の上にSiN膜6とSiO2 膜
7を順に形成し、膜厚1.5×103 Å程度の第2絶縁膜
10を形成する。
【0022】次に、真空中、不活性ガス雰囲気中、或い
は硫化性ガス雰囲気中で熱処理を行い、最後に、Al等
からなる薄膜を形成し、これを後述のようにパターニン
グして複数の帯状の電極群からなる背面電極層8を形成
して、薄膜EL素子を完成させる。
は硫化性ガス雰囲気中で熱処理を行い、最後に、Al等
からなる薄膜を形成し、これを後述のようにパターニン
グして複数の帯状の電極群からなる背面電極層8を形成
して、薄膜EL素子を完成させる。
【0023】ところで、前述したように、上記発光層5
の材料SrS:Ceは、 IIa−VI族化合物半導体であ
り、耐水性に乏しいものである。耐水性に乏しい発光層
5の場合、背面電極層8のパターニング時のフォトレジ
ストの現像・洗浄工程で、現像液や洗浄液等の水分が第
2絶縁膜10の図示しないピンホールから侵入すると、
発光層5が変質し、結果として薄膜の剥離や発光時の発
光ムラ等が招来され、装置の信頼性が低下することとな
る。したがって、従来、背面電極層8をパターニングす
る際は、図5(b)に示したように、ネガ型フォトレジ
ストを塗布し、高価で安全性は低いが、非水性である現
像液・洗浄液をフォトレジストの現像・洗浄工程に使用
するようになっていた。
の材料SrS:Ceは、 IIa−VI族化合物半導体であ
り、耐水性に乏しいものである。耐水性に乏しい発光層
5の場合、背面電極層8のパターニング時のフォトレジ
ストの現像・洗浄工程で、現像液や洗浄液等の水分が第
2絶縁膜10の図示しないピンホールから侵入すると、
発光層5が変質し、結果として薄膜の剥離や発光時の発
光ムラ等が招来され、装置の信頼性が低下することとな
る。したがって、従来、背面電極層8をパターニングす
る際は、図5(b)に示したように、ネガ型フォトレジ
ストを塗布し、高価で安全性は低いが、非水性である現
像液・洗浄液をフォトレジストの現像・洗浄工程に使用
するようになっていた。
【0024】そこで、本実施例においては、背面電極層
8のパターニング時に、たとえフォトレジストの現像・
洗浄工程で第2絶縁膜10のピンホールに水分が入り込
んだとしても、これら水分を完全に除去できるように、
フォトレジストの現像・洗浄後に真空中でポストベーク
(やきしめ)処理を行うようになっており、これにて、
耐水性に乏しい発光材料を用いた発光層5でも、ポジ型
フォトレジストを用いた背面電極層8のパターニングを
可能としている。
8のパターニング時に、たとえフォトレジストの現像・
洗浄工程で第2絶縁膜10のピンホールに水分が入り込
んだとしても、これら水分を完全に除去できるように、
フォトレジストの現像・洗浄後に真空中でポストベーク
(やきしめ)処理を行うようになっており、これにて、
耐水性に乏しい発光材料を用いた発光層5でも、ポジ型
フォトレジストを用いた背面電極層8のパターニングを
可能としている。
【0025】以下、図1の工程図に基づいて、このよう
な背面電極層8のパターニング工程を説明する。
な背面電極層8のパターニング工程を説明する。
【0026】まず、プロセスP1にて、第2絶縁膜10
の上に形成されたAlからなる薄膜の上に、ポジ型フォ
トレジストを塗布し、プロセスP2にて、上記透明電極
層2における電極群と直交する方向のパターンを備えた
フォトマスクを用いて露光する。
の上に形成されたAlからなる薄膜の上に、ポジ型フォ
トレジストを塗布し、プロセスP2にて、上記透明電極
層2における電極群と直交する方向のパターンを備えた
フォトマスクを用いて露光する。
【0027】次に、プロセスP3にてフォトレジストを
アルカリ現像液を用いて現像し、プロセスP4にて純水
を用いて余分なフォトレジストを洗浄する。
アルカリ現像液を用いて現像し、プロセスP4にて純水
を用いて余分なフォトレジストを洗浄する。
【0028】次に、プロセスP5にてエアーナイフ等で
膜面に付着する水分を除去して乾燥させた後、速やかに
プロセスP6にて真空中(真空脱ガス)でポストベーク
処理を実施する。この場合の処理条件は、真空度;1×
10-2〜1×10-3Torr(0.1 〜1.5 Pa)、温
度;150℃、時間;4hである。これにより、第2絶
縁膜10のピンホールに入り込んだ水分等は完全に除去
される。
膜面に付着する水分を除去して乾燥させた後、速やかに
プロセスP6にて真空中(真空脱ガス)でポストベーク
処理を実施する。この場合の処理条件は、真空度;1×
10-2〜1×10-3Torr(0.1 〜1.5 Pa)、温
度;150℃、時間;4hである。これにより、第2絶
縁膜10のピンホールに入り込んだ水分等は完全に除去
される。
【0029】その後、プロセスP7にてAlからなる薄
膜をドライエッチングして背面電極層8を形成した後、
残りのフォトレジストを除去する。これにて背面電極層
8のパターニングが終了する。
膜をドライエッチングして背面電極層8を形成した後、
残りのフォトレジストを除去する。これにて背面電極層
8のパターニングが終了する。
【0030】図3に、本実施例の薄膜EL素子サンプル
aの発光特性(輝度−電圧特性)を示す。尚、比較参照
のために、上記プロセスP6を、あえて大気雰囲気中で
行い、それ以外は本実施例の薄膜EL素子と同様の工程
を経て製造した薄膜EL素子サンプルbの発光特性も示
す。
aの発光特性(輝度−電圧特性)を示す。尚、比較参照
のために、上記プロセスP6を、あえて大気雰囲気中で
行い、それ以外は本実施例の薄膜EL素子と同様の工程
を経て製造した薄膜EL素子サンプルbの発光特性も示
す。
【0031】図から、本実施例のサンプルaに比べ、比
較参照サンプルbでは、輝度が著しく低下していること
がわかる。これは、プロセスP6にて真空中でポストベ
ークを行わなかったために、第2絶縁膜10のピンホー
ルに入り込んでいた水分が発光層5に浸透して耐水性に
乏しい発光層5を変質させ、これにて発光ムラが生じた
ためである。それに対し、本実施例のサンプルaでは、
良好な発光特性が得られている。
較参照サンプルbでは、輝度が著しく低下していること
がわかる。これは、プロセスP6にて真空中でポストベ
ークを行わなかったために、第2絶縁膜10のピンホー
ルに入り込んでいた水分が発光層5に浸透して耐水性に
乏しい発光層5を変質させ、これにて発光ムラが生じた
ためである。それに対し、本実施例のサンプルaでは、
良好な発光特性が得られている。
【0032】このように、本実施例においては、背面電
極層8のパターニング時、フォトレジストを現像・洗浄
(プロセスP3・P4)の後、プロセスP6にて真空中
でポストベーク処理を行うようになっているので、たと
えフォトレジストの現像・洗浄工程で第2絶縁膜10の
ピンホールに水分が入り込んだとしても、これら水分を
完全に除去することができ、発光層5の変質による発光
ムラや薄膜の剥離等を生じない信頼性の高い薄膜EL素
子が得られる。
極層8のパターニング時、フォトレジストを現像・洗浄
(プロセスP3・P4)の後、プロセスP6にて真空中
でポストベーク処理を行うようになっているので、たと
えフォトレジストの現像・洗浄工程で第2絶縁膜10の
ピンホールに水分が入り込んだとしても、これら水分を
完全に除去することができ、発光層5の変質による発光
ムラや薄膜の剥離等を生じない信頼性の高い薄膜EL素
子が得られる。
【0033】したがって、従来、発光層5が耐水性に乏
しい場合、必然的に非水性のネガ型フォトレジストによ
る背面電極層8のパターニングとなっていたが、これに
より、発光層5に耐水性に乏しい発光材料を用いた場合
でも、背面電極層8のパターニングを安全面及びコスト
面に優れたポジ型フォトレジストを使用することができ
るようになり、この結果、発光層5が耐水性に乏しい場
合でも、安全、かつ低コストにて薄膜の剥離や発光ムラ
のない信頼性の高い薄膜EL素子を得ることができる。
しい場合、必然的に非水性のネガ型フォトレジストによ
る背面電極層8のパターニングとなっていたが、これに
より、発光層5に耐水性に乏しい発光材料を用いた場合
でも、背面電極層8のパターニングを安全面及びコスト
面に優れたポジ型フォトレジストを使用することができ
るようになり、この結果、発光層5が耐水性に乏しい場
合でも、安全、かつ低コストにて薄膜の剥離や発光ムラ
のない信頼性の高い薄膜EL素子を得ることができる。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明に係る薄膜EL素子の製
造方法は、以上のように、上記発光層に耐水性に乏しい
材料を用いた場合、上記背面電極のパターニングに際
し、フォトレジストを現像して洗浄した後に、真空中で
やきしめ処理を行うものである。
造方法は、以上のように、上記発光層に耐水性に乏しい
材料を用いた場合、上記背面電極のパターニングに際
し、フォトレジストを現像して洗浄した後に、真空中で
やきしめ処理を行うものである。
【0035】請求項2の発明に係る薄膜EL素子の製造
方法は、以上のように、上記請求項1の薄膜EL素子の
製造方法において、上記背面電極のパターニングに際
し、アルカリ現像型のフォトレジストを用いるものであ
る。
方法は、以上のように、上記請求項1の薄膜EL素子の
製造方法において、上記背面電極のパターニングに際
し、アルカリ現像型のフォトレジストを用いるものであ
る。
【0036】請求項1の方法では、発光層に耐水性に乏
しい発光材料を用いた場合、第2絶縁膜の上に形成され
る背面電極のパターニングの際、フォトレジストを現像
して洗浄した後に、真空中でやきしめ処理を行うように
なっている。したがって、この真空中でのやきしめ処理
により、例えば請求項2の方法のように、背面電極のパ
ターニングに、アルカリ現像型のフォトレジスト(ポジ
型フォトレジスト)を用い、フォトレジストを現像・洗
浄する工程に水分を多く含む現像液や洗浄液(純水)を
用いたため、その水分が第2絶縁膜のピンホールに入り
込んだとしても、この入り込んだ水分は完全に除去され
ることとなり、発光層が変質する虞れはない。
しい発光材料を用いた場合、第2絶縁膜の上に形成され
る背面電極のパターニングの際、フォトレジストを現像
して洗浄した後に、真空中でやきしめ処理を行うように
なっている。したがって、この真空中でのやきしめ処理
により、例えば請求項2の方法のように、背面電極のパ
ターニングに、アルカリ現像型のフォトレジスト(ポジ
型フォトレジスト)を用い、フォトレジストを現像・洗
浄する工程に水分を多く含む現像液や洗浄液(純水)を
用いたため、その水分が第2絶縁膜のピンホールに入り
込んだとしても、この入り込んだ水分は完全に除去され
ることとなり、発光層が変質する虞れはない。
【0037】この結果、発光層に耐水性に乏しい発光材
料を用いた場合でも、背面電極のパターニングを安全面
及びコスト面に優れたアルカリ現像型のフォトレジスト
を使用して実施することが可能となり、安全、かつ低コ
ストにて薄膜の剥離や発光ムラのない信頼性の高い薄膜
EL素子を得ることができるという効果を奏する。
料を用いた場合でも、背面電極のパターニングを安全面
及びコスト面に優れたアルカリ現像型のフォトレジスト
を使用して実施することが可能となり、安全、かつ低コ
ストにて薄膜の剥離や発光ムラのない信頼性の高い薄膜
EL素子を得ることができるという効果を奏する。
【図1】本発明の一実施例を示すもので、薄膜EL素子
の背面電極層をパターニングする際の工程図である。
の背面電極層をパターニングする際の工程図である。
【図2】上記薄膜EL素子を示す断面図である。
【図3】薄膜EL素子の発光輝度と印加電圧との関係を
示すグラフであり、aは、上記本発明の一実施例の薄膜
EL素子のものであり、bは比較参照するための参照サ
ンプルの薄膜EL素子のものである。
示すグラフであり、aは、上記本発明の一実施例の薄膜
EL素子のものであり、bは比較参照するための参照サ
ンプルの薄膜EL素子のものである。
【図4】従来の製造方法により作製された薄膜EL素子
を示す一部断面斜視図である。
を示す一部断面斜視図である。
【図5】従来の薄膜EL素子の背面電極層をパターニン
グする際の工程図であり、(a)は耐水性に優れた発光
材料を用いた場合におけるポジ型フォトレジストを用い
た工程を示し、(b)は耐水性に乏しい発光材料を用い
た場合におけるネガ型フォトレジストを用いた工程を示
している。
グする際の工程図であり、(a)は耐水性に優れた発光
材料を用いた場合におけるポジ型フォトレジストを用い
た工程を示し、(b)は耐水性に乏しい発光材料を用い
た場合におけるネガ型フォトレジストを用いた工程を示
している。
1 ガラス基板 2 透明電極層 3 SiO2 膜 4 SiON膜 5 発光層 6 SiN膜 7 SiO2 膜 8 背面電極層 9 第1絶縁膜 10 第2絶縁膜
Claims (2)
- 【請求項1】基板上に透明電極、第1絶縁膜、発光層、
第2絶縁膜、背面電極を順次形成する薄膜EL素子の製
造方法において、 上記発光層に耐水性に乏しい材料を用いた場合、上記背
面電極のパターニングに際し、フォトレジストを現像し
て洗浄した後に、真空中でやきしめ処理を行うことを特
徴とする薄膜EL素子の製造方法。 - 【請求項2】上記背面電極のパターニングに際し、アル
カリ現像型のフォトレジストを用いることを特徴とする
上記請求項1記載の薄膜EL素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5332406A JPH07192870A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 薄膜el素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5332406A JPH07192870A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 薄膜el素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07192870A true JPH07192870A (ja) | 1995-07-28 |
Family
ID=18254617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5332406A Pending JPH07192870A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 薄膜el素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07192870A (ja) |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP5332406A patent/JPH07192870A/ja active Pending
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