JPH07192725A - 二次電池用電極及びそれを使用する電池 - Google Patents

二次電池用電極及びそれを使用する電池

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JPH07192725A
JPH07192725A JP5348217A JP34821793A JPH07192725A JP H07192725 A JPH07192725 A JP H07192725A JP 5348217 A JP5348217 A JP 5348217A JP 34821793 A JP34821793 A JP 34821793A JP H07192725 A JPH07192725 A JP H07192725A
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Okitoshi Kimura
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Toshiyuki Kahata
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エネルギー密度が高くサイクル特性にも優れ
ている上に、過充電や過放電に対する耐性も高い二次電
池用電極を提供すること、及び該電極を利用した二次電
池を提供すること。 【構成】 少なくとも一種の高分子より成るマトリック
ス中に、少なくとも一種の無機活物質が均質に分散され
ている電極において、該高分子の少なくとも一種が電気
化学的に酸化還元性を示すものであると共に、該無機活
物質の少なくとも一種が平均粒径10μm以下の鉄化合
物微粒子で構成され、且つ無機活物質の含有率が電極全
重量の70〜95重量%であることを特徴とする二次電
池用電極、及び該電極を使用する二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エネルギー密度が高く
サイクル特性の良い実用的な二次電池に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術及びその問題点】リチウムイオンが正極と負
極の間を行き来することを基本とする二次電池(以下、
リチウム二次電池と略記する)は、鉛蓄電池やニッケル
−カドミウム電池より単純な構成で良い上に、理論上最
も高い起電力を持つから極めて注目されている。そし
て、1970年代には金属リチウムを負極活物質とし二
硫化チタンを正極活物質とする二次電池が、1987年
には前記二次電池の正極活物質を二硫化モリブデンに変
えた二次電池が市販されるまでに開発が進んでいる。ま
た、1987年には金属リチウムを負極活物質としポリ
アニリンを正極活物質とする二次電池が実用化され、こ
のほかにも導電性ポリマーを電極とするリチウム二次電
池の開発が進んでいる。しかし、現在発表されている試
作電池はリチウム二次電池の能力を充分に生かしている
とは言えず、この主因の一つは電極性能が悪いためと考
えられている。
【0003】リチウム二次電池に使用される正極活物質
としては、チタン、モリブテン、ニオブ、クロム、マン
ガン、バナジウム、コバルト等のカルコゲン化合物のほ
か、ポリアニリンやポリピロール等の導電性有機高分子
化合物等が検討されている。しかし、前記のカルコゲン
化合物を正極にすると、充・放電の際の電極反応時にカ
チオンの電極内拡散速度が遅く、そのために急速充・放
電がむずかしい上に過放電では可逆性が悪い難点もあ
る。また、無機活物質を電極にする場合は成型に結着剤
を使用するが、一般に使われているテフロン粉末等を結
着剤にする場合は、加圧・加熱成形法で充分に機械的強
度が大きい電極を得るのがむずかしい。
【0004】電極形成用の結着剤には、電解液に不溶な
上に均一溶融が困難な高融点微粉末状の結着剤を使用す
るのが望ましく、一般にポリエチレンやテフロン等のポ
リオレフィン系高分子の微粉末が使われている。そし
て、無機活物質微粒子は結着剤微粉末と良く混合して加
熱・加圧すると固定されるが、リチウム二次電池の充・
放電では活物質結晶中へのリチウムカチオンの挿入・放
出が繰り返されるから、活物質としての能力を持たない
前記結着剤がリチウムカチオンの挿入・放出効率を下げ
る上に、電極単位容量当りのエネルギー効率の低下も招
くことになる。
【0005】リチウム二次電池の電極活物質に使用され
る導電性高分子は、成形や加工面でプラスチックの利点
を生かすことができる上に、これを電極活物質とした二
次電池では100%の放電を繰り返しても高いサイクル
特性を示すことができる。しかし、導電性高分子を電極
活物質にした二次電池では、活物質の密度が小さいため
に体積エネルギー密度が低下するような問題がある。一
方、導電性高分子にアニオンを可逆的に挿入・放出さ
せ、この電極反応で二次電池を形成させることも試みら
れているが、この場合は負極でカチオンの出し入れが行
われるから、電解液中に該電極反応に充分に足りるだけ
の電解質が必要になる。また、この場合は充・放電反応
に伴って電解液濃度が大きく変るから液抵抗等の変化が
大きく、充・放電反応を円滑に進めるためには過剰な電
解液が必要である。そして、これらのために体積エネル
ギー密度の向上が困難である。
【0006】前記の難点を排徐するために、特開昭63
−102162号公報及び特開平5−82120号公報
には、正極を導電性高分子と無機カルコゲン化合物で形
成させる方法が開示されている。しかし、これらの出願
では前記二者を粉体として混合するだけで正極が形成さ
れており、エネルギー密度を充分に高める方法とは言え
ない。また、特開平2−220373号公報には、導電
性のポリアニリンをN−メチルピロリドンに溶解した塗
膜形成液を調製し、これを支持体用基板上に塗布・乾燥
して多孔質膜を得、該多孔質膜を正極活物質とする二次
電池が開示されている。しかし、この方法で得られる膜
は厚膜化がむずかしい上に、無機活物質より体積当りの
エネルギー密度が低いポリアニリンを活物質としている
ために、エネルギー密度の大きい電極が得られない。以
上のように、従来法ではエネルギー密度が高い二次電池
用電極を得るのが困難であり、これが理想的二次電池の
開発を阻んでいると言える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の諸問
題を解決して、エネルギー密度が高くサイクル特性も優
れている上に、過充電や過放電に対する耐性も高い二次
電池用電極を開発し、これを電極とする二次電池を提供
することをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を進めた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、少なくとも一種
の高分子より成るマトリックス中に、少なくとも一種の
無機活物質が均質に分散されている電極において、該高
分子の少なくとも一種が電気化学的に酸化還元性を示す
ものであると共に、該無機活物質の少なくとも一種が平
均粒径10μm以下の鉄化合物微粒子で構成され、且つ
無機活物質の含有率が電極全重量の70〜95重量%で
あることを特徴とする二次電池用電極が提供される。ま
た、本発明によれば前記の電極を少なくとも一方の電極
とすることを特徴とする二次電池が提供される。
【0009】本発明で電極活物質に使用される鉄化合物
は、エネルギー密度が高く放電時の電位平坦性も高い上
に、安価で入手容易なために従来から電極活物質材料と
して注目されていたが、サイクル特性が極端に悪いから
二次電池用材料に使うのは困難と考えられていた。ま
た、本発明の電極に鉄化合物と共に使用される電気化学
的に酸化還元性を示す高分子は、優秀な電極活物質であ
るが低密度のために体積当りエネルギー密度が低く、小
型強力な二次電池用には疑問の材料である。本発明の電
極は、前記のように難点のある材料2種を組合せて形成
されるが、両者を組合せることで驚くほどの相乗効果が
発現し、本発明は該相乗効果の発見によってなされたも
のである。すなわち、前記高分子のマトリックス中に鉄
化合物微粒子を均質分散すると、鉄化合物に特有なサイ
クルによる強い劣化が消滅すると共に、前記高分子が結
着剤、導電剤及び活物質として効果的に作用し、非常に
高エネルギー密度でサイクル特性が高い二次電池用電極
が得られる。
【0010】本発明で使用される鉄化合物は、電極活物
質とした際に放電時の開放電圧が2.5〜4.0Vの範
囲にある化合物であり、体積エネルギー密度を高めるた
めに密度2.5g/cm3以上のものが望ましい。ま
た、鉄化合物と併用される前記高分子が電気化学的に酸
化還元反応を起す電位以上に、放電曲線の平坦部を持つ
ものが望ましい。特に、電位3.5V以上に放電曲線の
平坦部を持つ鉄化合物を使うと、従来の電極活物質から
は考えられないほどの高エネルギー容量を持つ電極の製
造が可能である。これは電解質に使用されるリチウム塩
と該鉄化合物が複合塩を形成し、これがサイクル特性の
点で極めて優れているためと推定される。
【0011】以上に記した鉄化合物を具体的に示すと、
FeS、Fe2(SO4)3、Fe2(WO4)3等の多数の化合
物が挙げられるが、特にFeS、Fe2(SO4)3及びF
2(WO4)3が好ましく、これらは放電容量が大きく放
電曲線の平坦部が電位3.5V付近にあるから、エネル
ギー密度が極めて高い電極活物質と言える。また、前記
のFeS等は本発明の電極に使われる高分子、特にポリ
アニリンとの複合化に好適であり、複合化すると強固で
優れた性能の電極を作製することができる。以上に記し
た鉄化合物は、単独でも2種以上混合して電極活物質に
使用しても良いが、混合使用の場合は該混合物の放電時
開放電圧が2.5〜4.0Vで密度2.5g/cm3
上が必要である。なお、特別な場合を除いて鉄化合物を
混合使用しても特に利点がないから、鉄化合物は一般に
単独使用される。
【0012】本発明の電極では、無機活物質として鉄化
合物と遷移金属のカルコゲン化合物を混合して使っても
良い。この目的に好適なカルコゲン化合物を具体的に示
すと、TiO2、Cr38、V25、V38、NiO2
MnO2、CoO2、MoO3等の酸化物;TiS2、VS
2、MoS3等の硫化物;NbSe3等のセレン化物;
V、Mn、Co、Ni等の遷移金属元素とアルカリ金属
元素との複合酸化物等が挙げられる。これらの遷移金属
カルコゲン化合物は、粒径10μm以下、好ましくは3
μm以下の微粒子として鉄化合物に添加することができ
るが、この場合も該混合物は放電時の開放電圧が2.5
〜4.0Vで密度2.5g/cm3以上が必要である。
また、カルコゲン化合物の添加量が多すぎると、前記し
た鉄化合物の特性が失われるためにエネルギー密度が低
下する。なお、前記カルコゲン化合物は単独でも2種以
上混合して鉄化合物に加えても良い。
【0013】電極活物質用の前記無機化合物は、該化合
物と共に電極を構成する前記高分子と良く密着するよう
に平均粒径10μm以下、好ましくは3μm以下で、最
大粒径30μm以下、好ましくは10μm以下にするの
が良い。微粒化すると高分子と良く密着する上に、電極
を塗布液で形成する際には液が均質となって均質な膜が
得られるから、集電体から電極が脱落する等のトラブル
が防止されるし、電極反応の際に無機化合物中への電解
質イオンの拡散速度が低下する等のトラブルも防止され
る。また、前記カルコゲン化合物と鉄化合物を併用する
際には両者が微粒なほど混合状態が向上し、活物質とし
ての能力を高めることができる。以上に詳記した無機電
極活物質は、前記鉄化合物と前記カルコゲン化合物を合
計して、電極全重量の70〜95%となる量を添加すれ
ば良い。該無機活物質の添加量が95重量%を超える
と、電極の結着能が不足して電極の形成が困難になり、
70重量%より少ないとエネルギー密度の低い高分子が
多くなるために全体のエネルギー密度が低下する。
【0014】本発明の電極形成に使用される高分子は、
少なくともその一部が電気化学的に酸化還元性を示し電
極活物質としての能力を持つと共に、電解液に不溶で高
分子同志が結着できる材料である。また、この高分子が
導電性高分子の場合は鉄化合物等の無機活物質が該高分
子に包括され、無機活物質周辺の全部が導電性を持つよ
うになるから、電極材料としては極めて好ましい。電極
形成に使用される前記の高分子を具体的に示すと、ポリ
アセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニ
リン等の導電性高分子;ポリジフェニルベンジジン、ポ
リビニルカルバゾール、ポリトリフェニルアミン等のR
edox活性導電性高分子;等が挙げられる。また、導
電性や電気化学特性等のない従来の電極形成用結着剤、
例えばテフロンやポリエチレン等を前記高分子と併用し
ても良い。しかし、この量が過大では高分子の電気的特
性が発現されず、そのために電極性能が大幅に低下す
る。なお、前記の電気的特性を持つ高分子は単独でも2
種以上混合して使っても良い。
【0015】本発明で使用される前記電気的特性を持つ
高分子は、溶媒可溶性のものを使用すると電極形成等の
点で特に有利である。これは、電気的特性を持つ前記高
分子の溶液に鉄化合物等の無機活物質微粒子を分散させ
た分散液、或いはこの液に更に少量のテフロン微粉や各
種添加物等を分散させた液を作製し、これを集電体上に
塗布・乾燥させて形成した電極が極めて好ましいからで
ある。該電極は、均質で強固な上に加熱・加圧で形成さ
れる電極より緻密に形成されるから、小容量で高出力の
二次電池を得ることができる。また、該電極では無機活
物質が前記高分子に均質に包括されているために、過充
電や過放電を行っても無機活物質が前記高分子に保護さ
れ、容量低下等の問題を起さない。電極形成に使われる
前記高分子のうち、特に電極材料に好適なものは窒素を
含む高分子であり、該高分子は電池を形成している電解
質がドープされている際に10-5S/cm2以上の電気
伝導度を示し、電解質イオンの拡散性にも優れている。
特にポリアニリンは、重量当り電気容量が比較的大きく
比較的安定に充放電を行うことができるから、本発明の
電極形成用高分子として最適と言える。
【0016】本発明の電極は正極としても負極としても
使用可能であるが、一般的には正極とする場合が多く、
負極には金属リチウムを使う場合が多い。そして、該電
極を正極とする際には二次電池の正極に添加される公知
の添加剤を加えることができる。すなわち、必要に応じ
て、アセチレンブラック、アニリンブラック、活性炭粉
末、グラファイト粉末等の導電性炭素粉末;ポリアクリ
ロニトリル、ピッチ、セルロース、フェノール樹脂等か
ら形成される炭素体の粉末;Ti、Sn、In等の金属
で構成される酸化物微粉末;ステンレスやニッケル等の
金属の粉末又は繊維状物;等を導電助剤として加えるこ
とができる。同様に、該電極を負極にする場合も前記と
同一の導電助剤等の公知添加物を加えることができる。
【0017】前記のように本発明の電極は塗膜状に形成
するのが好ましく、ポリアニリン等の高分子をポリアル
キルチオフェン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン、テトラヒドロフラン等の極性非水溶媒に溶解
し、この液に無機活物質等の微粉末を良く分散させて分
散液を作製してから、これを任意の基板上、好ましくは
集電体基板上にワイヤーバーやブレードコーター等で塗
布するか、或いはスプレー法で塗布後に乾燥して形成す
れば良い。この場合、塗布液中の固形分重量は溶媒重量
の20%以上とするのが望ましく、塗布液粘度は100
0cpm以上で10000cpm以下とするのが良い。
粘度が1000cpmより低いと無機活物質等の固形分
が溶液中で沈降し易く、粘度が10000cpmを超え
ると高粘度のために塗布が困難になる。また、固形分の
分散にはボールミルやバレンミル等が使用される。な
お、高分子としてポリアニリンを使用する場合は、液中
濃度を8〜15重量%にすると特に好結果が得られる。
【0018】上記の塗布液は、導電性高分子の変質を防
ぐために不活性ガス雰囲気中で作製及び塗布作業を行う
のが望ましい。塗布厚は、乾燥厚で10μm以上、好ま
しくは20〜100μmとするのが良い。このようにし
て形成された電極は、密度1.8g/cm3以上、好ま
しくは2.2g/cm3以上のものである。本発明の二
次電池は、正極と負極と電解液のほか、セパレーター、
集電体及び隔壁等の部材で構成される。そして、正極に
は本発明の電極が使用され、負極には本発明の電極のほ
か、金属リチウムやリチウムを層間に取り込むことので
きる種々の物質、例えば黒鉛化した炭素体等のインター
カレーション型物質等が使用される。また、電解液とセ
パレーターの代りに固体電解質を使っても良い。セパレ
ーターは、電解質溶液のイオン移動に低抵抗で溶液保持
性に優れたものが良く、ガラス繊維フィルター;ポリエ
ステル、テフロン、ポリフロン、ポリプロピレン等の高
分子で形成されるポアフィルターや不織布;ガラス繊維
と前記高分子から成る不織布;等が好ましく用いられ
る。
【0019】電解液はリチウム塩を有機溶媒に溶解した
液であり、該有機溶媒はリチウム塩を良く溶解し、電極
構成物質やリチウム塩等と反応しなければ良いが、比較
的極性の大きい溶媒が好ましい。具体的には、プロピレ
ンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンゾニトリ
ル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチル
テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラ
ン、トリエチルホスファイト、トリエチルホスフェー
ト、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、ジオキサン、ジメトキシエタン、
ポリエチレングノコール、スルホラン、ジクロロエタ
ン、クロルベンゼン、ニトロベンゼン、ジエチルカーボ
ネート等の有機溶媒の1種又は2種以上混合液が挙げら
れる。電解質として好適なリチウム塩を具体的に示す
と、LiPF6、LiSbF6、LiAsF6、LiB
4、LiClO4、LiCF3SO3、LiI、LiAl
Cl4等を例示することができるが、これ等に限定され
るものではない。なお、これらのリチウム塩は単独でも
2種以上混合して使っても良い。
【0020】本発明の二次電池に電解液を使う場合は、
液漏れ防止に充分な注意が必要である。また、セパレー
ターにはあらかじめ電解液を含ませて使うのが望まし
い。これらの煩雑さを避けるために、本発明では固体電
解質を使うのが好ましく、固体電解質を使うと正負極間
の間隔を一定に保つ等の点でも有利である。本発明の二
次電池用に好適な固体電解質を具体的に示すと、LiI
−Li2S(37wt%)−P25(18wt%)等の
無機化合物複合体;ポリエチレンオキサイド、ポリプロ
ピレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリ
ルアミド等のポリマーマトリックス中にLiI、LiB
4、CF3SO3Li等のリチウム塩を溶解した複合
体;又はこれらのゲル架橋体等であるが、これらに限定
されるものではない。なお、固体電解質は単独で使って
も良いが、電流密度の均一化や短絡防止等の点からセパ
レーターと複合して使用するのが望ましい。
【0021】本発明の二次電池では、ニッケル、チタ
ン、銅、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属フィルム
集電体とし、該集電体フィルムを基板としてこの上に電
極をフィルム状に形成させるのが望ましく、特にアルミ
ニウムは安価・軽量で展延性や導電性も高いから、前記
集電体フィルムの材料として最適である。本発明の電池
に使われる隔壁(フレーム)は、絶縁体で電池要素と反
応性がなく集電体や外装と接着可能なものが良い。具体
的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポ
リエステル等の樹脂層と接着層で構成されているものが
良く、接着層には変性ポリエチレンや変性ポリプロピレ
ン等の熱融着性樹脂、或いはエポキシ系やアクリル系等
の接着剤が使われる。特に、樹脂層としてポリエチレン
又はポリプロピレンを使用し、接着層に変性ポリエチレ
ン又は変性ポリプロピレンを使用すると、集電体との接
着性や安定性等の点から最適である。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によってよ
り具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限
定されるものではない。
【0023】実施例1 化学重合法で作製したポリアニリン粉末をN−メチルピ
ロリドンに溶解し、ポリアニリンを13重量%含有する
溶液を調製した。この液に平均粒径5μmのFe2(S
43微粉末を分散し、ポリアニリン:Fe2(SO4
3=2:8(重量比)の正極形成用均質分散液aを作製
した。また、外径140×140mm、厚さ30μmの
アルミ箔1の上に、外径140×140mm、内径13
0×130mm、厚さ350μmのポリプロピレン製隔
壁2を熱融着法で接着した。そして、隔壁2で仕切られ
たアルミ箔1の上に、前記分散液aを厚みが100μm
になるように均質に塗布してから、100℃で30分間
乾燥させて正極部材3を作製した。該正極部材の作製手
順を図で示すと図1のとおりである。
【0024】次に、容量比7:3のプロピレンカーボネ
ートとジメトキシエタンの混合液1リットルに3モルの
LiBF4を溶解した液80重量%、エトキシジエチレ
ングリコールアクリレート19.2重量%及びベンゾイ
ンイソプロピルエーテル0.8重量%より成る高分子固
体電解質形成液bを調製した。この液を厚さ25μmの
ポリプロピレン製ポアフィルター(商品名:セルガー
ド)に浸透させ、これを正極部材3に積層してから高圧
水銀灯の紫外光を照射し、ゲル化した固体電解質を積層
した正極部材4を得た。一方、外形140×140m
m、厚さ30μmの銅板製集電体5の上に、市販の導電
性接着剤で外形130×130mm、厚さ100μmの
金属リチウム製負極6を貼り合せ、該負極の上に高分子
固体電解質形成液bを塗布してから高圧水銀灯の紫外光
を照射し、金属リチウムの上に高分子固体電解質を積層
した負極部材7を得た。該部材は集電体5の上に負極6
を積層し、その上に高分子固体電解質を積層した部材で
ある。
【0025】次に、図2に示すように部材4と部材7と
を圧着して高分子固体電解質同志を貼り合せ、隔壁2を
集電体5と熱融着して封止し、外形140×140m
m、厚さ約0.4mmのシート状薄型電池を作製した。
この電池を出力電圧が4.2Vになる容量まで充電後、
電流値50mAで出力電圧が2.5Vになる容量まで放
電した。この評価試験前及び試験後の正極密度を表1に
示す。また、前記の評価試験を繰り返して各種の電池評
価を行った結果を表1に示す。なお、表1に示した初期
容量は5サイクル目のデータである。以上のほか、電池
の折り曲げ試験も行ったが、折り曲げによる性能変化は
認められなかった。また、出力電圧が0Vになる容量ま
での過放電及び出力電圧が10Vになる容量までの過充
電も試みたが、過放電や過充電による電池容量の劣化は
見られなかった。
【0026】実施例2 Fe2(SO43の代りにFeSを使用し、それ以外は
実施例1と同じ方法で二次電池の作製及び評価試験を行
った結果を表1に示す。 実施例3 Fe2(SO43の代りにFe2(WO43を使用し、そ
れ以外は実施例1と同じ方法で二次電池の作製及び評価
試験を行った結果を表1に示す。
【0027】比較例1 Fe2(SO43の代りに非晶質のV25を使用し、そ
れ以外は実施例1と同じ方法で二次電池の作製及び評価
試験を行った結果を表2に示す。 比較例2 ポリアニリンとFe2(SO43の重量混合比を4:6
とし、それ以外は実施例1と同じ方法で二次電池の作製
及び評価試験を行った結果を表2に示す。 比較例3 電極原料のFe2(SO43に平均粒径30μmで最大
粒径100μmのものを使用し、それ以外は実施例1と
同じ方法で二次電池の作製及び評価試験を行った結果を
表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明の二次電池用電極は、電気化学的
に酸化還元性を示す高分子と電極活物質としての能力を
持つ無機鉄化合物とを複合したことにり、エネルギー密
度やサイクル特性や寿命等の面で驚くほどの相乗効果を
示した。その結果、該電極を使用する二次電池は従来品
より著しくエネルギー密度が向上する上に、サイクル特
性も優れ過充電や過放電に対する耐性も大幅に高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】正極部材の作製手順を示す説明図である。
【図2】図1に示した正極部材を使って薄型電池を作製
する手順を示す説明図である。
【符号の説明】
1 アルミ箔 2 隔壁 3 正極部材 4 固体電解質
を積層した正極部材 5 集電体 6 負極 7 固体電解質を積層した負極部材 a 正極形成液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 興利 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 加幡 利幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一種の高分子より成るマトリ
    ックス中に、少なくとも一種の無機活物質が均質に分散
    されている電極において、該高分子の少なくとも一種が
    電気化学的に酸化還元性を示すものであると共に、該無
    機活物質の少なくとも一種が平均粒径10μm以下の鉄
    化合物微粒子で構成され、且つ無機活物質の含有率が電
    極全重量の70〜95重量%であることを特徴とする二
    次電池用電極。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した電極を少なくとも一
    方の電極とすることを特徴とする二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108447698A (zh) * 2018-03-12 2018-08-24 中国科学院长春应用化学研究所 一种电极及其制备方法、高能可再生储电器件

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