JPH07190911A - 材料の加熱温度変動試験における加熱温度制御方法 - Google Patents
材料の加熱温度変動試験における加熱温度制御方法Info
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- JPH07190911A JPH07190911A JP33374793A JP33374793A JPH07190911A JP H07190911 A JPH07190911 A JP H07190911A JP 33374793 A JP33374793 A JP 33374793A JP 33374793 A JP33374793 A JP 33374793A JP H07190911 A JPH07190911 A JP H07190911A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 制御系のハンチング現象を起こさず、かつ取
り扱いが面倒でなく、比較的簡単に試験片の加熱温度を
目標温度に沿って制御できるようにした材料の加熱温度
変動試験における加熱温度制御方法を提供する。 【構成】 目標温度信号による温度サイクルの最高温度
まで試験片を加熱する。その後、最低温度まで試験片を
冷却する際に、予め定めた値を越えた偏差信号の成分を
積分手段113bにより積分する。積分手段により得ら
れた積分値に基づいてエアバルブ8cの開度を調整し、
加熱冷却手段に送る冷却用の空気の量を制御する。目標
温度信号による温度サイクルの最低温度まで試験片を冷
却した後、最高温度まで試験片を再度加熱する前に、上
記積分値をリセットする手順を繰り返す。
り扱いが面倒でなく、比較的簡単に試験片の加熱温度を
目標温度に沿って制御できるようにした材料の加熱温度
変動試験における加熱温度制御方法を提供する。 【構成】 目標温度信号による温度サイクルの最高温度
まで試験片を加熱する。その後、最低温度まで試験片を
冷却する際に、予め定めた値を越えた偏差信号の成分を
積分手段113bにより積分する。積分手段により得ら
れた積分値に基づいてエアバルブ8cの開度を調整し、
加熱冷却手段に送る冷却用の空気の量を制御する。目標
温度信号による温度サイクルの最低温度まで試験片を冷
却した後、最高温度まで試験片を再度加熱する前に、上
記積分値をリセットする手順を繰り返す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は材料の加熱温度変動試験
における加熱温度制御方法に係り、特に、試験片内に大
きな温度勾配を与えるような加熱、冷却法を用いて試験
片に所望波形の温度サイクルを加えるように加熱温度を
制御する方法に関するものである。
における加熱温度制御方法に係り、特に、試験片内に大
きな温度勾配を与えるような加熱、冷却法を用いて試験
片に所望波形の温度サイクルを加えるように加熱温度を
制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種エンジン、各種タービン、各種容器
や装置においては、運転の開始、休止の繰り返しによっ
てそのときの温度変化に伴う熱応力の繰り返しを受け、
更に運転中の熱負荷の変動によっても小さな振幅の変動
熱応力を受けるが、このような熱疲労はこれらの性能、
安全性、破損寿命などを左右する強度現象の内で最も重
要なものの一つである。
や装置においては、運転の開始、休止の繰り返しによっ
てそのときの温度変化に伴う熱応力の繰り返しを受け、
更に運転中の熱負荷の変動によっても小さな振幅の変動
熱応力を受けるが、このような熱疲労はこれらの性能、
安全性、破損寿命などを左右する強度現象の内で最も重
要なものの一つである。
【0003】熱疲労試験の一つに、外部から機械的ひず
みを重畳させ、一定の温度振幅のもとで任意の大きさの
ひずみ振幅を与えることができるようにした機械的ひず
み重畳型の試験があり、この温度サイクルと重畳して外
力の繰り返しを受ける熱疲労を機械的応力が重畳する熱
疲労或いは熱機械的疲労と称している。
みを重畳させ、一定の温度振幅のもとで任意の大きさの
ひずみ振幅を与えることができるようにした機械的ひず
み重畳型の試験があり、この温度サイクルと重畳して外
力の繰り返しを受ける熱疲労を機械的応力が重畳する熱
疲労或いは熱機械的疲労と称している。
【0004】図5はこのような試験に使用される電気油
圧サーボ式試験機を示し、同図において、1はピストン
とシリンダとからなり油圧により作動するアクチュエー
タ、2は該アクチュエータの動作を制御するサーボ弁、
3はロードセル、4はチャック5を介してロードセル3
及びアクチュエータ1間に装着された試験片、6はアク
チュエータ1の変位を検出する変位検出器、7は試験片
4のひずみを検出するひずみ検出器、8は試験片4の加
熱、冷却を行う高周波加熱器と空気吹付器とからなる加
熱冷却手段、9は試験片4の温度を検出する温度検出器
である。10はロードセル3、変位検出器6、ひずみ検
出器7、温度検出器9からの信号を受け、サーボ弁2、
加熱冷却手段8を制御して、試験片4に所定の温度サイ
クル、ひずみサイクルを加えるようにする制御装置であ
る。この制御装置10は予め定められた制御プログラム
に従って動作する例えばマイクロコンピュータにより構
成されている。
圧サーボ式試験機を示し、同図において、1はピストン
とシリンダとからなり油圧により作動するアクチュエー
タ、2は該アクチュエータの動作を制御するサーボ弁、
3はロードセル、4はチャック5を介してロードセル3
及びアクチュエータ1間に装着された試験片、6はアク
チュエータ1の変位を検出する変位検出器、7は試験片
4のひずみを検出するひずみ検出器、8は試験片4の加
熱、冷却を行う高周波加熱器と空気吹付器とからなる加
熱冷却手段、9は試験片4の温度を検出する温度検出器
である。10はロードセル3、変位検出器6、ひずみ検
出器7、温度検出器9からの信号を受け、サーボ弁2、
加熱冷却手段8を制御して、試験片4に所定の温度サイ
クル、ひずみサイクルを加えるようにする制御装置であ
る。この制御装置10は予め定められた制御プログラム
に従って動作する例えばマイクロコンピュータにより構
成されている。
【0005】加熱冷却手段8は、図6に示すように、高
周波加熱コイル8aに中空でかつ内周面に空気吹付孔8
bを有するものを使用し、制御装置11内の図示しない
高周波発生源の出力を制御することによって加熱が制御
され共に、エアバルブ8cの比例制御により制御装置1
1内の図示しないエアコンプレッサからの圧縮空気が空
気吹付孔8bから噴出される量を制御することによって
冷却が制御されるようになっている。
周波加熱コイル8aに中空でかつ内周面に空気吹付孔8
bを有するものを使用し、制御装置11内の図示しない
高周波発生源の出力を制御することによって加熱が制御
され共に、エアバルブ8cの比例制御により制御装置1
1内の図示しないエアコンプレッサからの圧縮空気が空
気吹付孔8bから噴出される量を制御することによって
冷却が制御されるようになっている。
【0006】以上の構成において、従来の制御装置11
では、温度制御テーブルにストアされた温度目標データ
に基づいて加熱手段をフィードバック制御することで、
温度上昇時には実際の加熱温度と目標温度との間の偏差
は小さくすることができるが、温度下降時には自然放熱
では目標温度通りに実際の温度は下がらず、偏差が非常
に大きなものになる。
では、温度制御テーブルにストアされた温度目標データ
に基づいて加熱手段をフィードバック制御することで、
温度上昇時には実際の加熱温度と目標温度との間の偏差
は小さくすることができるが、温度下降時には自然放熱
では目標温度通りに実際の温度は下がらず、偏差が非常
に大きなものになる。
【0007】そこで、目標通りの温度サイクルで試験片
4を加熱できるように冷却手段によって、強制的に温度
を下降させることができるように、冷却用の空気量を予
め定めた空気量制御データを予め作成し、これを空気量
制御テーブルに格納しておき、冷却制御をこの空気量制
御テーブルに格納したデータを利用して加熱制御と独立
に行うことが、特開昭62−206429号公報におい
て提案されている。この提案の方法は、特に、加熱手段
の制御系と冷却手段の制御系との間に大きな開きがあっ
て制御系が不安定になり、ハンチング現象を起こすこと
がないようにしている点に特徴がある。
4を加熱できるように冷却手段によって、強制的に温度
を下降させることができるように、冷却用の空気量を予
め定めた空気量制御データを予め作成し、これを空気量
制御テーブルに格納しておき、冷却制御をこの空気量制
御テーブルに格納したデータを利用して加熱制御と独立
に行うことが、特開昭62−206429号公報におい
て提案されている。この提案の方法は、特に、加熱手段
の制御系と冷却手段の制御系との間に大きな開きがあっ
て制御系が不安定になり、ハンチング現象を起こすこと
がないようにしている点に特徴がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
は、温度制御波形が例えば三角波、待ち時間を含む台形
波などであると、空気量を決めるパラメータが多く、取
り扱いが面倒であるという問題があった。
は、温度制御波形が例えば三角波、待ち時間を含む台形
波などであると、空気量を決めるパラメータが多く、取
り扱いが面倒であるという問題があった。
【0009】よって本発明は、上述した従来の問題点に
鑑み、制御系のハンチング現象を起こさず、かつ取り扱
いが面倒でなく、比較的簡単に試験片の加熱温度を目標
温度に沿って制御できるようにした材料の加熱温度変動
試験における加熱温度制御方法を提供することを目的と
している。
鑑み、制御系のハンチング現象を起こさず、かつ取り扱
いが面倒でなく、比較的簡単に試験片の加熱温度を目標
温度に沿って制御できるようにした材料の加熱温度変動
試験における加熱温度制御方法を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明により成された加熱温度変動試験における加熱温
度制御方法は、試験片に加える温度サイクルを指令する
目標温度信号と、試験片の温度を検出する温度検出器か
らの検出温度信号との偏差を偏差演算手段により求め、
該求めた偏差の大きさに応じた偏差信号に基づき偏差が
0になるように加熱冷却手段を制御し、試験片内に大き
な温度勾配を与えるような加熱、冷却法を用いて試験片
に所望波形の温度サイクルを加えるように加熱温度を制
御する方法において、目標温度信号による温度サイクル
の最高温度まで試験片を加熱した後、最低温度まで試験
片を冷却する際に、予め定めた値を越えた前記偏差信号
の成分を積分手段により積分し、該積分手段により得ら
れた積分値に基づいてエアバルブの開度を調整し、前記
加熱冷却手段に送る冷却用の空気の量を制御し、目標温
度信号による温度サイクルの最低温度まで試験片を冷却
した後、最高温度まで試験片を再度加熱する前に、前記
積分手段の積分値をリセットし、以後前記手順を繰り返
すことを特徴としている。
本発明により成された加熱温度変動試験における加熱温
度制御方法は、試験片に加える温度サイクルを指令する
目標温度信号と、試験片の温度を検出する温度検出器か
らの検出温度信号との偏差を偏差演算手段により求め、
該求めた偏差の大きさに応じた偏差信号に基づき偏差が
0になるように加熱冷却手段を制御し、試験片内に大き
な温度勾配を与えるような加熱、冷却法を用いて試験片
に所望波形の温度サイクルを加えるように加熱温度を制
御する方法において、目標温度信号による温度サイクル
の最高温度まで試験片を加熱した後、最低温度まで試験
片を冷却する際に、予め定めた値を越えた前記偏差信号
の成分を積分手段により積分し、該積分手段により得ら
れた積分値に基づいてエアバルブの開度を調整し、前記
加熱冷却手段に送る冷却用の空気の量を制御し、目標温
度信号による温度サイクルの最低温度まで試験片を冷却
した後、最高温度まで試験片を再度加熱する前に、前記
積分手段の積分値をリセットし、以後前記手順を繰り返
すことを特徴としている。
【0011】
【作用】上記手順において、目標温度信号と、試験片の
温度を検出する温度検出器からの検出温度信号との偏差
を偏差演算手段により求め、該求めた偏差の大きさに応
じた偏差信号に基づき偏差が0になるように加熱冷却手
段を制御し、試験片内に大きな温度勾配を与えるような
加熱、冷却法を用いて試験片に所望波形の温度サイクル
を加えるように加熱温度を制御する方法において、目標
温度信号による温度サイクルの最高温度まで試験片を加
熱した後、最低温度まで試験片を冷却する際に、予め定
めた値を越えた前記偏差信号の成分を積分手段により積
分し、該積分手段により得られた積分値に基づいてエア
バルブの開度を調整し、前記加熱冷却手段に送る冷却用
の空気の量を制御し、目標温度信号による温度サイクル
の最低温度まで試験片を冷却した後、最高温度まで試験
片を再度加熱する前に、前記積分手段の積分値をリセッ
トし、以後前記手順を繰り返すことを特徴としている。
温度を検出する温度検出器からの検出温度信号との偏差
を偏差演算手段により求め、該求めた偏差の大きさに応
じた偏差信号に基づき偏差が0になるように加熱冷却手
段を制御し、試験片内に大きな温度勾配を与えるような
加熱、冷却法を用いて試験片に所望波形の温度サイクル
を加えるように加熱温度を制御する方法において、目標
温度信号による温度サイクルの最高温度まで試験片を加
熱した後、最低温度まで試験片を冷却する際に、予め定
めた値を越えた前記偏差信号の成分を積分手段により積
分し、該積分手段により得られた積分値に基づいてエア
バルブの開度を調整し、前記加熱冷却手段に送る冷却用
の空気の量を制御し、目標温度信号による温度サイクル
の最低温度まで試験片を冷却した後、最高温度まで試験
片を再度加熱する前に、前記積分手段の積分値をリセッ
トし、以後前記手順を繰り返すことを特徴としている。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明による方法を実施する加熱温度変
動試験における加熱温度制御装置の一例を示し、同図に
おいて、図5について上述したものと同等の部材には同
一の符号を付している。同図において、111は試験片
に加える温度サイクルを指令する例えば三角波状の目標
温度信号と温度検出器9からの検出温度信号との偏差を
演算する偏差演算部であり、この偏差演算部111が出
力する偏差信号Eeは出力制御部112に印加される。
明する。図1は本発明による方法を実施する加熱温度変
動試験における加熱温度制御装置の一例を示し、同図に
おいて、図5について上述したものと同等の部材には同
一の符号を付している。同図において、111は試験片
に加える温度サイクルを指令する例えば三角波状の目標
温度信号と温度検出器9からの検出温度信号との偏差を
演算する偏差演算部であり、この偏差演算部111が出
力する偏差信号Eeは出力制御部112に印加される。
【0013】出力制御部112は偏差信号Eeが0にな
るように加熱冷却手段8の高周波加熱コイル8aに供給
する高周波加熱電流を制御する。偏差演算部111から
の偏差信号Eeは偏差処理部113にも印加され、この
偏差処理部113では偏差信号Eeが予め定めた値以上
に大きくなったときに、加熱冷却手段8に送る空気量を
制御するエアバルブ8cの開度を調整する開度制御信号
を生成してエアバルブ8cに印加する。偏差処理部11
3には目標温度信号の反転を検出する反転検出部114
により温度上昇点の検出信号も印加され、この検出信号
を入力した偏差処理部113はこれに応じてエアバルブ
8cを閉じて冷却を停止させるようにする。
るように加熱冷却手段8の高周波加熱コイル8aに供給
する高周波加熱電流を制御する。偏差演算部111から
の偏差信号Eeは偏差処理部113にも印加され、この
偏差処理部113では偏差信号Eeが予め定めた値以上
に大きくなったときに、加熱冷却手段8に送る空気量を
制御するエアバルブ8cの開度を調整する開度制御信号
を生成してエアバルブ8cに印加する。偏差処理部11
3には目標温度信号の反転を検出する反転検出部114
により温度上昇点の検出信号も印加され、この検出信号
を入力した偏差処理部113はこれに応じてエアバルブ
8cを閉じて冷却を停止させるようにする。
【0014】上述の偏差処理部113は、図2に示すよ
うに、偏差信号Eeが予め定めたしきい値Esより大き
くなったとき、Ee−Esなる差信号Ecを出力する差
分手段113aと、この差分手段113aの出力が接続
された積分機能部113bと、この積分機能部113b
が出力する積分値を直流増幅してエアバルブ8cを駆動
するドライバ回路113cと、反転検出部114からの
検出信号の入力に応じて積分機能部113bの積分値を
リセットするリセット回路113dとを有する。上記積
分機能部113bは、図3に示すように、抵抗Rを介し
て所定の時定数で充電されるコンデンサCとオペレーシ
ョンアンプOPとにより構成されることができ、またリ
セット回路113dは同図に示すように検出信号によっ
てオンされコンデンサCの放電路を形成するスイッチS
Wにより構成されることができる。
うに、偏差信号Eeが予め定めたしきい値Esより大き
くなったとき、Ee−Esなる差信号Ecを出力する差
分手段113aと、この差分手段113aの出力が接続
された積分機能部113bと、この積分機能部113b
が出力する積分値を直流増幅してエアバルブ8cを駆動
するドライバ回路113cと、反転検出部114からの
検出信号の入力に応じて積分機能部113bの積分値を
リセットするリセット回路113dとを有する。上記積
分機能部113bは、図3に示すように、抵抗Rを介し
て所定の時定数で充電されるコンデンサCとオペレーシ
ョンアンプOPとにより構成されることができ、またリ
セット回路113dは同図に示すように検出信号によっ
てオンされコンデンサCの放電路を形成するスイッチS
Wにより構成されることができる。
【0015】以上の構成の制御装置を使用した本発明の
加熱温度変動試験における加熱温度制御方法を以下説明
する。図1に示すように、試験片に加える温度サイクル
を指令する三角波状の目標温度信号を偏差演算部111
に加えると、偏差演算部111は目標温度信号と、試験
片の温度を検出する温度検出器からの検出温度信号との
偏差を求め、該求めた偏差の大きさに応じた偏差信号E
eを出力する。この偏差信号Eeを入力した出力制御部
112はこの偏差信号Eeに基づき偏差が0になるよう
に加熱冷却手段の高周波加熱コイル8aに供給する高周
波電流を制御し、三角波状の目標温度信号のピークに対
応する温度サイクルの最高温度まで試験片を加熱する。
加熱温度変動試験における加熱温度制御方法を以下説明
する。図1に示すように、試験片に加える温度サイクル
を指令する三角波状の目標温度信号を偏差演算部111
に加えると、偏差演算部111は目標温度信号と、試験
片の温度を検出する温度検出器からの検出温度信号との
偏差を求め、該求めた偏差の大きさに応じた偏差信号E
eを出力する。この偏差信号Eeを入力した出力制御部
112はこの偏差信号Eeに基づき偏差が0になるよう
に加熱冷却手段の高周波加熱コイル8aに供給する高周
波電流を制御し、三角波状の目標温度信号のピークに対
応する温度サイクルの最高温度まで試験片を加熱する。
【0016】その後、目標温度信号がピークから減小し
始めると、偏差演算部111の出力が反転し、これに応
じて加熱冷却手段の高周波加熱コイル8aに供給する高
周波電流を停止するが、一度加熱した試験片の温度はな
かなか低下せず、目標温度信号と検出温度信号との偏差
が徐々に大きくなる。この偏差の増大によって、図4
(a)に示すように偏差信号Eeが予め定めた所定値E
s以上に大きくなると、差分手段113aの出力に図4
(b)に示すような差信号Ecが出力されて積分機能部
113bに供給されるようになる。積分機能部113b
は差信号Ecを積分し、図4(c)に示すような積分信
号Eiを出力し、この積分信号Eiをドライバ回路11
3cに供給する。ドライバ回路113cは積分信号Ei
の大きさに応じて目標温度信号と検出温度信号の偏差が
0になるようにエアバルブ8cの開度を調整してエアバ
ルブ8cを通じて供給する空気量を制御する。
始めると、偏差演算部111の出力が反転し、これに応
じて加熱冷却手段の高周波加熱コイル8aに供給する高
周波電流を停止するが、一度加熱した試験片の温度はな
かなか低下せず、目標温度信号と検出温度信号との偏差
が徐々に大きくなる。この偏差の増大によって、図4
(a)に示すように偏差信号Eeが予め定めた所定値E
s以上に大きくなると、差分手段113aの出力に図4
(b)に示すような差信号Ecが出力されて積分機能部
113bに供給されるようになる。積分機能部113b
は差信号Ecを積分し、図4(c)に示すような積分信
号Eiを出力し、この積分信号Eiをドライバ回路11
3cに供給する。ドライバ回路113cは積分信号Ei
の大きさに応じて目標温度信号と検出温度信号の偏差が
0になるようにエアバルブ8cの開度を調整してエアバ
ルブ8cを通じて供給する空気量を制御する。
【0017】そして、目標温度信号による温度サイクル
の最低温度まで試験片を冷却した後、目標温度信号が再
度増大するようになると、これを反転検出部114が検
出して検出信号を出力し、これをリセット回路113d
に印加する。これによってリセット回路113dが積分
機能部113bを構成する積分コンデンサCの放電回路
を形成し、瞬時に積分値をリセットし、積分信号Eiを
0に立ち下げるので、エアバルブ8cが瞬時に閉じら
れ、次の加熱の準備が完了する。
の最低温度まで試験片を冷却した後、目標温度信号が再
度増大するようになると、これを反転検出部114が検
出して検出信号を出力し、これをリセット回路113d
に印加する。これによってリセット回路113dが積分
機能部113bを構成する積分コンデンサCの放電回路
を形成し、瞬時に積分値をリセットし、積分信号Eiを
0に立ち下げるので、エアバルブ8cが瞬時に閉じら
れ、次の加熱の準備が完了する。
【0018】なお、上述のように積分機能手段113b
を使用し、その時定数T0 を閉ループである加熱温調系
の時定数より十分に大きくすることにより、加熱温調系
と独立の空気量制御ループを実現することができる。
を使用し、その時定数T0 を閉ループである加熱温調系
の時定数より十分に大きくすることにより、加熱温調系
と独立の空気量制御ループを実現することができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、目
標温度信号による温度サイクルの最高温度まで試験片を
加熱した後、最低温度まで試験片を冷却する際に、予め
定めた値を越えた偏差信号の成分を積分し、得られた積
分値に基づいて冷却用の空気の量を制御し、温度サイク
ルの最低温度まで試験片を冷却した後、最高温度まで試
験片を再度加熱する前に、積分値をリセットする手順を
繰り返すので、積分の時定数を加熱温調系より十分に大
きくすることにより、加熱温調系と独立の空気量制御ル
ープを実現することができ、制御系のハンチング現象を
起こさず、かつ取り扱いが面倒でなく、比較的簡単に試
験片の加熱温度を目標温度に沿って制御できるようにな
るという効果が得られる。
標温度信号による温度サイクルの最高温度まで試験片を
加熱した後、最低温度まで試験片を冷却する際に、予め
定めた値を越えた偏差信号の成分を積分し、得られた積
分値に基づいて冷却用の空気の量を制御し、温度サイク
ルの最低温度まで試験片を冷却した後、最高温度まで試
験片を再度加熱する前に、積分値をリセットする手順を
繰り返すので、積分の時定数を加熱温調系より十分に大
きくすることにより、加熱温調系と独立の空気量制御ル
ープを実現することができ、制御系のハンチング現象を
起こさず、かつ取り扱いが面倒でなく、比較的簡単に試
験片の加熱温度を目標温度に沿って制御できるようにな
るという効果が得られる。
【図1】本発明による材料の加熱温度変動試験における
加熱温度制御方法を実施するために使用する装置の回路
構成を示す図である。
加熱温度制御方法を実施するために使用する装置の回路
構成を示す図である。
【図2】図1中の偏差処理部の具体的な回路例を示す図
である。
である。
【図3】図2中の積分機能部及びリセット回路の具体的
な回路例を示す図である。
な回路例を示す図である。
【図4】図2中の各部の状態を示す波形である。
【図5】加熱温度変動試験に使用される電気油圧サーボ
式試験機を示す図である。
式試験機を示す図である。
【図6】図5中の加熱冷却手段の具体例を示す図であ
る。
る。
4 試験片 8 加熱冷却手段 8c エアバルブ 9 温度検出手段(温度検出器) 111 偏差演算手段(偏差演算部) 113a 差分手段 113b 積分手段(積分機能部) 113d リセット回路
Claims (1)
- 【請求項1】 試験片に加える温度サイクルを指令する
目標温度信号と、試験片の温度を検出する温度検出器か
らの検出温度信号との偏差を偏差演算手段により求め、
該求めた偏差の大きさに応じた偏差信号に基づき偏差が
0になるように加熱冷却手段を制御し、試験片内に大き
な温度勾配を与えるような加熱、冷却法を用いて試験片
に所望波形の温度サイクルを加えるように加熱温度を制
御する方法において、 目標温度信号による温度サイクルの最高温度まで試験片
を加熱した後、最低温度まで試験片を冷却する際に、予
め定めた値を越えた前記偏差信号の成分を積分手段によ
り積分し、 該積分手段により得られた積分値に基づいてエアバルブ
の開度を調整し、前記加熱冷却手段に送る冷却用の空気
の量を制御し、 目標温度信号による温度サイクルの最低温度まで試験片
を冷却した後、最高温度まで試験片を再度加熱する前
に、前記積分手段の積分値をリセットし、 以後前記手順を繰り返すことを特徴とする材料の加熱温
度変動試験における加熱温度制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33374793A JP3311128B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 材料の加熱温度変動試験における加熱温度制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33374793A JP3311128B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 材料の加熱温度変動試験における加熱温度制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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KR20170015932A (ko) * | 2014-06-06 | 2017-02-10 | 엠티에스 시스템즈 코포레이숀 | 감소된 시편 온도 구배를 위한 공기 흐름 다이버터 |
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