JPH07188843A - 超硬工具による被切削性にすぐれる快削鋼 - Google Patents
超硬工具による被切削性にすぐれる快削鋼Info
- Publication number
- JPH07188843A JPH07188843A JP33054593A JP33054593A JPH07188843A JP H07188843 A JPH07188843 A JP H07188843A JP 33054593 A JP33054593 A JP 33054593A JP 33054593 A JP33054593 A JP 33054593A JP H07188843 A JPH07188843 A JP H07188843A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel
- cutting
- tool
- machinability
- cutting steel
- Prior art date
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- Pending
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】超硬工具による被切削性にすぐれる快削鋼を提
供することにある。 【構成】本発明による超硬工具による被切削性にすぐれ
る快削鋼は、重量%でC 0.01〜0.39%、Si
0.10〜0.60%、Mn 0.60〜1.65%、P 0.
01〜0.12%、S 0.13〜0.37%、O 0.0
03〜0.015%、及びCa 0.0005〜0.005%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特
徴とする。
供することにある。 【構成】本発明による超硬工具による被切削性にすぐれ
る快削鋼は、重量%でC 0.01〜0.39%、Si
0.10〜0.60%、Mn 0.60〜1.65%、P 0.
01〜0.12%、S 0.13〜0.37%、O 0.0
03〜0.015%、及びCa 0.0005〜0.005%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物よりなることを特
徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超硬工具による被切削
用快削鋼に関し、詳しくは、超硬工具、超硬コーテイン
グ工具、サーメツト工具及びセラミツク工具等(以下、
これらを単に超硬工具と総称する。)の超硬工具による
被切削性にすぐれる快削鋼に関する。
用快削鋼に関し、詳しくは、超硬工具、超硬コーテイン
グ工具、サーメツト工具及びセラミツク工具等(以下、
これらを単に超硬工具と総称する。)の超硬工具による
被切削性にすぐれる快削鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、AISI 11系、12系等の
S含有快削鋼は、圧延後、引抜き加工して、磨棒鋼とし
て自動盤切削用に供される。このような従来の快削鋼
は、上記した自動盤切削をはじめとして、高速度鋼工具
による被切削性を良好にするために、鋼中へのSi、A
l等の脱酸力の強い元素の添加を極力抑えて、鋼中のM
nSの形状を丸く、且つ、大きくしており、かかる快削
鋼によれば、高速度工具の寿命と鋼の切削仕上面にすぐ
れる。
S含有快削鋼は、圧延後、引抜き加工して、磨棒鋼とし
て自動盤切削用に供される。このような従来の快削鋼
は、上記した自動盤切削をはじめとして、高速度鋼工具
による被切削性を良好にするために、鋼中へのSi、A
l等の脱酸力の強い元素の添加を極力抑えて、鋼中のM
nSの形状を丸く、且つ、大きくしており、かかる快削
鋼によれば、高速度工具の寿命と鋼の切削仕上面にすぐ
れる。
【0003】しかし、最近の数値制御旋盤の普及によつ
て、11系、12系快削鋼でも、前記超硬工具による高
速切削加工が増えつつあることから、本発明者らは、既
に、特公平5−51655号公報に記載されているよう
に、超硬工具による切削加工において被切削性にすぐれ
る快削鋼を開発している。しかしながら、このような快
削鋼においても、50〜100%のSiO2 と0〜50
%のMnOに加えて、Si源と共に不可避的に混入した
Al2 O3 を1〜30%の範囲で含む酸化物系介在物を
有し、このような酸化物系介在物は、溶鋼の製造条件及
び凝固時の条件によつて、上記範囲の種々の組成のもの
として、得られた鋼中に分散されている。従つて、その
ような介在物は、個々の融点が1200℃から1700
℃の範囲にわたつて、ばらつきが大きく、特に、高融点
酸化物系介在物の存在が依然として超硬工具の寿命を低
下させる原因となつている。
て、11系、12系快削鋼でも、前記超硬工具による高
速切削加工が増えつつあることから、本発明者らは、既
に、特公平5−51655号公報に記載されているよう
に、超硬工具による切削加工において被切削性にすぐれ
る快削鋼を開発している。しかしながら、このような快
削鋼においても、50〜100%のSiO2 と0〜50
%のMnOに加えて、Si源と共に不可避的に混入した
Al2 O3 を1〜30%の範囲で含む酸化物系介在物を
有し、このような酸化物系介在物は、溶鋼の製造条件及
び凝固時の条件によつて、上記範囲の種々の組成のもの
として、得られた鋼中に分散されている。従つて、その
ような介在物は、個々の融点が1200℃から1700
℃の範囲にわたつて、ばらつきが大きく、特に、高融点
酸化物系介在物の存在が依然として超硬工具の寿命を低
下させる原因となつている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の超硬
工具による快削鋼における上記した問題を解決するため
になされたものであつて、超硬工具による切削におい
て、工具寿命を格段に改善した快削鋼を提供することを
目的とする。
工具による快削鋼における上記した問題を解決するため
になされたものであつて、超硬工具による切削におい
て、工具寿命を格段に改善した快削鋼を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による超硬工具に
よる被切削性にすぐれる快削鋼は、重量%でC 0.0
1〜0.39%、Si 0.10〜0.60%、Mn 0.60
〜1.65%、P 0.01〜0.12%、S 0.13〜
0.37%、O 0.003〜0.015%、及びCa 0.
0005〜0.005%を含有し、残部鉄及び不可避的不
純物よりなることを特徴とする。
よる被切削性にすぐれる快削鋼は、重量%でC 0.0
1〜0.39%、Si 0.10〜0.60%、Mn 0.60
〜1.65%、P 0.01〜0.12%、S 0.13〜
0.37%、O 0.003〜0.015%、及びCa 0.
0005〜0.005%を含有し、残部鉄及び不可避的不
純物よりなることを特徴とする。
【0006】先ず、本発明鋼における化学成分の限定理
由について説明する。Cは、過多に添加するときは、鋼
中にFe3 Cが多量に生成して、工具寿命を劣化させる
と共に、一般に、快削鋼は磨棒鋼として使用されること
が多いが、Cが過多であるときは、引抜き割れが生じる
ので、C添加量の上限は0.39%とする。
由について説明する。Cは、過多に添加するときは、鋼
中にFe3 Cが多量に生成して、工具寿命を劣化させる
と共に、一般に、快削鋼は磨棒鋼として使用されること
が多いが、Cが過多であるときは、引抜き割れが生じる
ので、C添加量の上限は0.39%とする。
【0007】Mnは、MnSを安定化させ、FeSの生
成を抑制するために添加される。この効果を有効に得る
ためには、0.60〜1.65%の範囲で添加することが必
要である。Siは、脱酸剤としてと共に、本発明の超硬
工具による被切削性を改善するための必須の元素であつ
て、その効果を有効に発現させるためには、少なくとも
0.10%を添加することが必要である。しかし、過多に
添加するときは、鋼が硬さを増して、工具寿命を劣化さ
せるので、添加量の上限は0.50%とする。
成を抑制するために添加される。この効果を有効に得る
ためには、0.60〜1.65%の範囲で添加することが必
要である。Siは、脱酸剤としてと共に、本発明の超硬
工具による被切削性を改善するための必須の元素であつ
て、その効果を有効に発現させるためには、少なくとも
0.10%を添加することが必要である。しかし、過多に
添加するときは、鋼が硬さを増して、工具寿命を劣化さ
せるので、添加量の上限は0.50%とする。
【0008】Sも、本発明鋼の被切削性を改善する効果
を有し、この効果を有効に発現させるためには、少なく
とも0.13%を添加することが必要であり、これよりも
少ないときは、被切削性の改善効果が著しく乏しく、快
削鋼として使用することができない。しかし、過多に添
加するときは、鋼の機械的性質の劣化が著しいので、添
加量の上限は0.37%とする。
を有し、この効果を有効に発現させるためには、少なく
とも0.13%を添加することが必要であり、これよりも
少ないときは、被切削性の改善効果が著しく乏しく、快
削鋼として使用することができない。しかし、過多に添
加するときは、鋼の機械的性質の劣化が著しいので、添
加量の上限は0.37%とする。
【0009】Pは、鋼の切削仕上面を改善するために、
0.01〜0.12%の範囲で添加される。Oは、その含有
量が過多であるときは、超硬工具による切削に際して、
工具寿命を著しく劣化させるので、本発明においては、
極力抑えることとし、含有量を0.003〜0.015%の
範囲に規制する。
0.01〜0.12%の範囲で添加される。Oは、その含有
量が過多であるときは、超硬工具による切削に際して、
工具寿命を著しく劣化させるので、本発明においては、
極力抑えることとし、含有量を0.003〜0.015%の
範囲に規制する。
【0010】Caは、前述したSiO2 −MnO−Al
2 O3 系介在物のなかでも、1550℃以上の高融点を
有する介在物にCaOを混合することによつて、MnO
がCaOに置換して、高融点の介在物を大幅に低減し、
更に、Si源の添加時に不可避的に混入するAl2 O3
をCaO−Al2 O3 系の低融点介在物に無害化して、
超硬工具寿命を格段に改善することができる。かかる効
果を有効に得るためには、Caの添加量を0.0005%
以上とすることが必要である。しかし、過多に添加すれ
ば、鋼中にマクロ的な介在物を生じるので、好ましくな
いので、添加量の上限は0.005%とする。
2 O3 系介在物のなかでも、1550℃以上の高融点を
有する介在物にCaOを混合することによつて、MnO
がCaOに置換して、高融点の介在物を大幅に低減し、
更に、Si源の添加時に不可避的に混入するAl2 O3
をCaO−Al2 O3 系の低融点介在物に無害化して、
超硬工具寿命を格段に改善することができる。かかる効
果を有効に得るためには、Caの添加量を0.0005%
以上とすることが必要である。しかし、過多に添加すれ
ば、鋼中にマクロ的な介在物を生じるので、好ましくな
いので、添加量の上限は0.005%とする。
【0011】更に、本発明による超硬工具による快削鋼
は、上記以外の元素に加えて、Pbを含むことができ
る。Pbも、Pと同様に鋼の仕上面を改善する効果を有
する。この効果を有効に発現させるためには、添加量
は、0.05〜0.35%の範囲とすることが好ましい。
は、上記以外の元素に加えて、Pbを含むことができ
る。Pbも、Pと同様に鋼の仕上面を改善する効果を有
する。この効果を有効に発現させるためには、添加量
は、0.05〜0.35%の範囲とすることが好ましい。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、従来、高速度鋼工具に
よる被切削性に有害な影響を与えるとされているSiと
共に、CaをS含有快削鋼に所定量添加することによつ
て、SiO2 −MnO系介在物のなかでも、高融点を有
する介在物を低減し、また、Si添加時に不可避的に混
入するAl2 O3 をも低融点介在物に無害化し、かくし
て、低融点の介在物を鋼中に安定に存在させることによ
つて、超硬工具による工具寿命を格段に改善することが
できる。
よる被切削性に有害な影響を与えるとされているSiと
共に、CaをS含有快削鋼に所定量添加することによつ
て、SiO2 −MnO系介在物のなかでも、高融点を有
する介在物を低減し、また、Si添加時に不可避的に混
入するAl2 O3 をも低融点介在物に無害化し、かくし
て、低融点の介在物を鋼中に安定に存在させることによ
つて、超硬工具による工具寿命を格段に改善することが
できる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0014】実施例 表1に示す化学組成を有する鋼を溶製した。鋼A、B及
びGは従来鋼、鋼C〜F、H及びIは本発明鋼である。
これら各鋼について、超硬工具(P10)、サーメツト
工具及びセラミツク工具(Al2 O3 +TiC)の各工
具にて表2に示す切削条件にて切削したときの工具寿命
を測定した。結果を表3に示す。本発明鋼は、従来鋼よ
りも、いずれも各種工具にて切削するとき、すぐれた工
具寿命を有しており、Si及びCaの添加によつて超硬
工具による切削において工具寿命が格段に改善されてい
ることが明らかである。
びGは従来鋼、鋼C〜F、H及びIは本発明鋼である。
これら各鋼について、超硬工具(P10)、サーメツト
工具及びセラミツク工具(Al2 O3 +TiC)の各工
具にて表2に示す切削条件にて切削したときの工具寿命
を測定した。結果を表3に示す。本発明鋼は、従来鋼よ
りも、いずれも各種工具にて切削するとき、すぐれた工
具寿命を有しており、Si及びCaの添加によつて超硬
工具による切削において工具寿命が格段に改善されてい
ることが明らかである。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 直哉 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会 社神戸製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 滝本 豊志 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会 社神戸製鋼所神戸製鉄所内
Claims (2)
- 【請求項1】重量%でC 0.01〜0.39%、 Si 0.10〜0.60%、 Mn 0.60〜1.65%、 P 0.01〜0.12%、 S 0.13〜0.37%、 O 0.003〜0.015%、及びCa 0.0005〜
0.005%を含有し、残部鉄及び不可避的不純物よりな
ることを特徴とする超硬工具による被切削性にすぐれる
快削鋼。 - 【請求項2】重量%でC 0.01〜0.39%、 Si 0.10〜0.60%、 Mn 0.60〜1.65%、 P 0.01〜0.12%、 S 0.13〜0.37%、 O 0.003〜0.015%、 Ca 0.0005〜0.005%、及びPb 0.05〜0.
35%を含有し、残部鉄及び不可避的不純物よりなるこ
とを特徴とする超硬工具による被切削性にすぐれる快削
鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33054593A JPH07188843A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 超硬工具による被切削性にすぐれる快削鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33054593A JPH07188843A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 超硬工具による被切削性にすぐれる快削鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07188843A true JPH07188843A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18233841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33054593A Pending JPH07188843A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 超硬工具による被切削性にすぐれる快削鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07188843A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110343976A (zh) * | 2019-08-13 | 2019-10-18 | 建龙北满特殊钢有限责任公司 | 一种含硫、含磷易切削钢及其生产方法 |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP33054593A patent/JPH07188843A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110343976A (zh) * | 2019-08-13 | 2019-10-18 | 建龙北满特殊钢有限责任公司 | 一种含硫、含磷易切削钢及其生产方法 |
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