JPH07188572A - マロ−由来の天然色素 - Google Patents
マロ−由来の天然色素Info
- Publication number
- JPH07188572A JPH07188572A JP34702993A JP34702993A JPH07188572A JP H07188572 A JPH07188572 A JP H07188572A JP 34702993 A JP34702993 A JP 34702993A JP 34702993 A JP34702993 A JP 34702993A JP H07188572 A JPH07188572 A JP H07188572A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- natural pigment
- mallow
- pigment
- derived
- malo
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 アオイ科・マロ−由来の天然色素で、食品等
への応用が期待される植物抽出物に関する。 【構成】 室温に放置すると経時的に退色し、溶液の凍
結により再び鮮やかに発色し、さらに凍結温度で微妙に
色調が変化するマロ−由来の天然色素。
への応用が期待される植物抽出物に関する。 【構成】 室温に放置すると経時的に退色し、溶液の凍
結により再び鮮やかに発色し、さらに凍結温度で微妙に
色調が変化するマロ−由来の天然色素。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アオイ科・マロ−(M
allow、ゼニアオイ)由来の天然色素で、いくつかの特性
を有し、食品等への応用が期待される植物抽出物であ
る。この植物は特にヨ−ロツパでハ−ブとして長い歴史
を持ち、一般に消化管内の再生薬、泌尿器管、呼吸器管
系の鎮痛薬、治療薬として用いられてきたことから、多
くの付加価値を有する素材として期待されている。
allow、ゼニアオイ)由来の天然色素で、いくつかの特性
を有し、食品等への応用が期待される植物抽出物であ
る。この植物は特にヨ−ロツパでハ−ブとして長い歴史
を持ち、一般に消化管内の再生薬、泌尿器管、呼吸器管
系の鎮痛薬、治療薬として用いられてきたことから、多
くの付加価値を有する素材として期待されている。
【0002】この植物の粗抽出物は天然色素を有しいく
つかの薬効を持ち、pHの変化で赤色から青色の様々な
色調を呈し、幅広い色素のバリエ−シヨンが利用でき
る。さらに興味ある特徴として中性域で紫色に鮮やかに
発色し、室温に放置すると数分後に徐々に退色して無色
透明となり、凍結によつて再び鮮やかな紫色に発色する
特性を示す。さらに温度変化および時間経過とともに微
妙な発色の変化が認められる。
つかの薬効を持ち、pHの変化で赤色から青色の様々な
色調を呈し、幅広い色素のバリエ−シヨンが利用でき
る。さらに興味ある特徴として中性域で紫色に鮮やかに
発色し、室温に放置すると数分後に徐々に退色して無色
透明となり、凍結によつて再び鮮やかな紫色に発色する
特性を示す。さらに温度変化および時間経過とともに微
妙な発色の変化が認められる。
【0003】この特徴を利用して、食品特にアイス等
(温度により色調の変化を楽しめるアイス、ロツクアイ
ス等)への利用が考えられ、多くの付加価値をもつ有用
色素として広範囲に利用が考えられる。例えば温度によ
つて色の変わるアイスや、無色透明の飲料が凍結によつ
て発色する製品等、色調の変化を楽しむ飲料・アイス等
に使用することが考えられる。
(温度により色調の変化を楽しめるアイス、ロツクアイ
ス等)への利用が考えられ、多くの付加価値をもつ有用
色素として広範囲に利用が考えられる。例えば温度によ
つて色の変わるアイスや、無色透明の飲料が凍結によつ
て発色する製品等、色調の変化を楽しむ飲料・アイス等
に使用することが考えられる。
【0004】
【従来の技術】近年服用による弊害から、食品添加物の
見直しが強く要求され、安全性の高い植物等からの天然
物に対する要求が消費者側から高まつてきた。色素につ
いても例外でなく、様々な食品に利用されているが、天
然色素は色調の不安定性等の理由から現在のところ使用
可能な種類は限られており、さらにその天然物由来の付
加価値が要求されているのが現状である。このマロ−由
来の色素は、以前から天然香料として使用されてきたも
のの、色調の不安定性、退色性から色素としての使用は
なされていないのが現状である。また凍結によつて再発
色する天然色素は今までに知られていない。
見直しが強く要求され、安全性の高い植物等からの天然
物に対する要求が消費者側から高まつてきた。色素につ
いても例外でなく、様々な食品に利用されているが、天
然色素は色調の不安定性等の理由から現在のところ使用
可能な種類は限られており、さらにその天然物由来の付
加価値が要求されているのが現状である。このマロ−由
来の色素は、以前から天然香料として使用されてきたも
のの、色調の不安定性、退色性から色素としての使用は
なされていないのが現状である。また凍結によつて再発
色する天然色素は今までに知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで上記のいくつか
の課題を解決するために、いくつかの付加価値を有する
色素をマロ−から検索し抽出を行なつた。
の課題を解決するために、いくつかの付加価値を有する
色素をマロ−から検索し抽出を行なつた。
【0006】
【課題を解決するため手段】植物体として特にヨ−ロツ
パでハ−ブとして長い歴史を持ち、一般に消化管内の再
生薬、泌尿気管、呼吸気管系の鎮痛薬、治療薬として用
いられてきたマロ−を用いて、常法通り水又はアルコ−
ル等の有機溶媒で抽出した後、凍結乾燥を行ない、マロ
−由来の粗抽出天然色素粉末を得た。
パでハ−ブとして長い歴史を持ち、一般に消化管内の再
生薬、泌尿気管、呼吸気管系の鎮痛薬、治療薬として用
いられてきたマロ−を用いて、常法通り水又はアルコ−
ル等の有機溶媒で抽出した後、凍結乾燥を行ない、マロ
−由来の粗抽出天然色素粉末を得た。
【0007】
【作用】アントシアニン系の色素を有する本抽出物は、
室温に放置するとその既知の性質通り時間とともに退色
しやすく、pH中性域では無色透明になる。しかしこの
色素は溶液が凍結することにより、完全にもとの鮮やか
な青紫色の色調を呈し、時間経過、温度変化にしたがつ
て発色が強くなる特徴ある性質を示す。なお長期に亘つ
て凍結状態を維持すれば、色調も維持できる。またpH
の変化によつて、鮮明な青紫色から緑色、赤色と多彩な
色調を示す。さらに一般に知られている通り消化管内の
再生効果、泌尿器管、呼吸気管系の鎮痛、治療効果を有
すると思われる。
室温に放置するとその既知の性質通り時間とともに退色
しやすく、pH中性域では無色透明になる。しかしこの
色素は溶液が凍結することにより、完全にもとの鮮やか
な青紫色の色調を呈し、時間経過、温度変化にしたがつ
て発色が強くなる特徴ある性質を示す。なお長期に亘つ
て凍結状態を維持すれば、色調も維持できる。またpH
の変化によつて、鮮明な青紫色から緑色、赤色と多彩な
色調を示す。さらに一般に知られている通り消化管内の
再生効果、泌尿器管、呼吸気管系の鎮痛、治療効果を有
すると思われる。
【0008】
[実験方法] 1.実験材料 一般にハ−ブテイ−等で使用されている市販のブル−・
マロ−(Blue Mallow)の乾燥花を使用した。 2.マロ−色素の調製 上記のマロ−乾燥花をその10倍量の蒸溜水を猛威手4時
間抽出を行ない、抽出液を濾別後、その濾液を凍結乾燥
処理し、紫色の色素粉末を得た。
マロ−(Blue Mallow)の乾燥花を使用した。 2.マロ−色素の調製 上記のマロ−乾燥花をその10倍量の蒸溜水を猛威手4時
間抽出を行ない、抽出液を濾別後、その濾液を凍結乾燥
処理し、紫色の色素粉末を得た。
【0009】3.マロ−色素の特性テスト 上記で得られた色素粉末を0.1%(W/V)濃度で蒸溜水に添
加し、以後の実験に使用した。 (1)一定温度における色調変化 分光光度計を用いて石英セル中(25℃)の経時的な吸収
スペクトル変化(200〜800nm)を観察した。 (2)凍結による再発色 溶液状態で無色透明になつたものを用いて-20℃下で凍
結を行なつた。 (3)pHによる色調変化 IN・HCl,NaOHを用いて各種のpH(2.0〜12.
0)に調整し、分光光度計を用いてその吸収スペクトル
を測定した。
加し、以後の実験に使用した。 (1)一定温度における色調変化 分光光度計を用いて石英セル中(25℃)の経時的な吸収
スペクトル変化(200〜800nm)を観察した。 (2)凍結による再発色 溶液状態で無色透明になつたものを用いて-20℃下で凍
結を行なつた。 (3)pHによる色調変化 IN・HCl,NaOHを用いて各種のpH(2.0〜12.
0)に調整し、分光光度計を用いてその吸収スペクトル
を測定した。
【0010】4.測定結果 一定温度における退色変化を図1に示したが、図からも
わかるように、蒸溜水中では可視領域において、極めて
短時間のうちに550nm付近の極大吸収ピ−クが減少して
いることが観察された。色調においても青紫色が最終的
には30分ぐらいで無色透明になつてしまう。50mM濃度の
リン酸カリウム緩衝液(pH7.2)中では蒸溜水中と比べ
てかなりの時間はかかるものの同様な退色が認められ
た。しかしながら一度凍結すると鮮やかな発色が認めら
れ、その後は徐々に発色が強くなる傾向が認められた。
この傾向は肉眼で観察したが、その結果をスペクトル吸
収で確認するために室温で自然融解後、直ちに分光光度
計を用いてその吸収スペクトルを観察した。可視領域巾
の吸収極大ピ−ク・550nmにおける経時的変化を図2に
示したが、凍結によつて粉末を溶解した時点よりも吸収
が強まつていることが観察された。同時に凍結によつて
再発色した試料を溶液状態に戻しても発色がしばらくは
維持されていることも確認した。
わかるように、蒸溜水中では可視領域において、極めて
短時間のうちに550nm付近の極大吸収ピ−クが減少して
いることが観察された。色調においても青紫色が最終的
には30分ぐらいで無色透明になつてしまう。50mM濃度の
リン酸カリウム緩衝液(pH7.2)中では蒸溜水中と比べ
てかなりの時間はかかるものの同様な退色が認められ
た。しかしながら一度凍結すると鮮やかな発色が認めら
れ、その後は徐々に発色が強くなる傾向が認められた。
この傾向は肉眼で観察したが、その結果をスペクトル吸
収で確認するために室温で自然融解後、直ちに分光光度
計を用いてその吸収スペクトルを観察した。可視領域巾
の吸収極大ピ−ク・550nmにおける経時的変化を図2に
示したが、凍結によつて粉末を溶解した時点よりも吸収
が強まつていることが観察された。同時に凍結によつて
再発色した試料を溶液状態に戻しても発色がしばらくは
維持されていることも確認した。
【0011】一方、pHに依存して青色から赤色まで様
々な発色が認められた。このことは図3の吸収スペクト
ル変化に対応するものであつた。pHを調節した後は先
に見られた退色、再発色の傾向は緩やかで変化量はわず
かなものの、紫色の呈色と同様な傾向が認められた。以
上の結果をまとめると、マロ−由来のこの色素粉末は、 溶液状態では経時的に退色するものの、凍結によつて
鮮やかに再発色する。 凍結により発色は維持される。 pHの変化によつて青色から赤色までさまざまな色調
を呈する。
々な発色が認められた。このことは図3の吸収スペクト
ル変化に対応するものであつた。pHを調節した後は先
に見られた退色、再発色の傾向は緩やかで変化量はわず
かなものの、紫色の呈色と同様な傾向が認められた。以
上の結果をまとめると、マロ−由来のこの色素粉末は、 溶液状態では経時的に退色するものの、凍結によつて
鮮やかに再発色する。 凍結により発色は維持される。 pHの変化によつて青色から赤色までさまざまな色調
を呈する。
【0012】
【発明の効果】この発明のマロ−由来の天然色素は、温
度変化及び時間経過とともに微妙な発色の変化を示すと
いう特徴があるため、食品特に温度により色調の変化を
楽しめるアイス、ロツクアイス等に利用して大きな効果
が期待できるものであり、その他一般に知られていると
おり、消化管内の再生効果、泌尿器管、呼吸気管系の鎮
痛、治療効果も併せて得られるものである。
度変化及び時間経過とともに微妙な発色の変化を示すと
いう特徴があるため、食品特に温度により色調の変化を
楽しめるアイス、ロツクアイス等に利用して大きな効果
が期待できるものであり、その他一般に知られていると
おり、消化管内の再生効果、泌尿器管、呼吸気管系の鎮
痛、治療効果も併せて得られるものである。
【図1】マロ−色素の一定温度における退色変化を示
す。
す。
【図2】可視領域中の呼吸極大ピ−ク・550nmにおける
経時的変化を示す。
経時的変化を示す。
【図3】呼吸スペクトル変化を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 マロ−由来の、室温に放置すると経時的
に退色し、溶液の凍結により再び鮮やかに発色し、さら
に凍結温度で微妙に色調が変化する天然色素。 - 【請求項2】 マロ−由来の、一般に薬効の知られる天
然色素。 - 【請求項3】 マロ−由来の、天然色素でpHの変化と
ともに赤色から青色まで様々な色調を有する天然色素。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34702993A JPH07188572A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | マロ−由来の天然色素 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34702993A JPH07188572A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | マロ−由来の天然色素 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07188572A true JPH07188572A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18387445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34702993A Pending JPH07188572A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | マロ−由来の天然色素 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07188572A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016515811A (ja) * | 2013-03-15 | 2016-06-02 | マース インコーポレーテッドMars Incorporated | 天然の青色アントシアニンを含有する着色料 |
US9598581B2 (en) | 2013-03-15 | 2017-03-21 | Mars, Incorporated | Method of isolating blue anthocyanin fractions |
US10750761B2 (en) | 2015-06-30 | 2020-08-25 | Mars, Incorporated | Colorant compositions and methods of use thereof |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP34702993A patent/JPH07188572A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016515811A (ja) * | 2013-03-15 | 2016-06-02 | マース インコーポレーテッドMars Incorporated | 天然の青色アントシアニンを含有する着色料 |
US9598581B2 (en) | 2013-03-15 | 2017-03-21 | Mars, Incorporated | Method of isolating blue anthocyanin fractions |
US10119029B2 (en) | 2013-03-15 | 2018-11-06 | Mars, Incorporated | Method of isolating blue anthocyanin fractions |
US10750761B2 (en) | 2015-06-30 | 2020-08-25 | Mars, Incorporated | Colorant compositions and methods of use thereof |
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