JPH07188025A - 細胞遊走阻害剤 - Google Patents

細胞遊走阻害剤

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JPH07188025A
JPH07188025A JP31991993A JP31991993A JPH07188025A JP H07188025 A JPH07188025 A JP H07188025A JP 31991993 A JP31991993 A JP 31991993A JP 31991993 A JP31991993 A JP 31991993A JP H07188025 A JPH07188025 A JP H07188025A
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JP
Japan
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formula
cell migration
inhibitor
prostaglandin
thiaprostaglandin
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JP31991993A
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Noriaki Endo
則明 遠藤
Hiroko Tanaka
寛子 田中
Atsuo Hasato
篤夫 羽里
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケモカイン、例えばMCP1/MCAFによ
り惹起される細胞遊走を阻害する薬剤を見出す。 【構成】 下記式[I] [式中、R1 は水素原子、C1 〜C10アルキル基または
1当量のカチオンを表わす。R2 は水素原子またはメチ
ル基を表わし、R3 はC1 〜C10アルキル基またはC3
〜C8 シクロアルキル基を表わし、nは0または1を表
わす。Xが、―CH2 ―を表わすとき、Z―Yは、―C
2 ―CH2 ―、―CH2 ―S―、 を表わし、Xが硫黄原子を表わすとき、Z―Yは―CH
2 ―CH2 ―を表わす。]で表わされるプロスタグラン
ジンEおよび/またはその鏡像体を活性成分として含有
する、ケモカインにより惹起される細胞遊走の阻害剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケモカインにより惹起
される細胞遊走の阻害剤に関する。さらに詳しくはプロ
スタグランジンE類を活性成分として含有する、ケモカ
インにより惹起される細胞遊走の阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジン類は、血小板凝集抑
制作用、血管拡張性血圧降下作用、胃酸分泌抑制作用、
平滑筋収縮作用、細胞保護作用、利尿作用等多彩な生理
作用を有しており、心筋梗塞、狭心症、動脈硬化、高血
圧症、十二指腸潰瘍、分娩誘発、中絶等の治療または予
防に有用な化合物である。なかでもプロスタグランジン
1 は強力な血小板凝集抑制作用、血管拡張作用を有し
ており、すでに臨床において用いられている。またプロ
スタグランジンE2 は、強力な子宮収縮作用、分娩誘発
作用を有しており、すでに臨床において用いられてい
る。
【0003】本明細書中に記載の7―チアプロスタグラ
ンジンE1 類は、血小板凝集阻害作用、降圧作用、血管
拡張作用による抗血栓、抗狭心症、抗心筋梗塞、抗動脈
硬化、悪性腫瘍転移防止作用を示すことが開示されてい
る(特開昭58―110562号公報)。また、この7
―チアプロスタグランジンE1 類が糖尿病における神経
症に有用性を示すことが知られている(特開昭64―5
2721号公報)。さらに、5―チアプロスタグランジ
ンE1 誘導体も、優れた抗潰瘍活性を有する化合物であ
る(特開昭61―233664号公報)。
【0004】一方、ケモカイン(CHEMOKINE
S;別称INTERCRINES)は、リンパ組織や炎
症部位の活性化マクロファージや白血球などにより産生
され、分子量が約10Kdで、4個のシステインを有
し、塩基性かつヘパリン結合性を示す、ポリペプチド性
の炎症/免疫制御因子の総称である。その主たる活性は
細胞遊走惹起活性であり、インターロイキン―8、MI
P―1α/β(MacrophageInflammatory Protein-1 α
/βの略称)、MCP―1(Monocyte ChemotacticProt
ein-1の略称)などがこれにあたり、種々の慢性/亜急
性炎症疾患への関与が示唆されている一群のサイトカイ
ン・ファミリーである(例えば、MICHIEL, D. (199
3年)BIOTECHNOLOGY 第11巻739頁、OPPENHEIM,
J.J. ら(1991年)ANNUAL REVIEW OF IMMUNOLOGY
第9巻617〜648頁、NEOTE, K. ら(1993年)
CELL第72巻415〜425頁、SCHALL, T.J.(199
1年)CYTOKINE第3巻165〜183頁など参照)。
【0005】これらの中で、モノサイト遊走因子MCP
―1(別称MCAF(MACROPHAGE CHEMOTACTIC AND ACT
IVATING FACTOR)の略称)は、Tリンパ球、マクロファ
ージ、平滑筋細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞などより
種々の刺激に応じ産生される、モノサイト遊走活性、す
なわちモノサイトを病巣に集積せしめる活性を有するケ
モカインである。かかるケモカインは、粥状動脈硬化
症、血管形成術等における血管内膜障害後に発生する血
管再狭窄、移植心に発生する動脈硬化症、リウマチ性関
節炎、糖尿病性細小血管症等の疾病において、病変部位
への血中モノサイト/マクロファージの集積を惹起し、
さらに集積したモノサイト/マクロファージを活性化す
ることにより、これらの病変の発症・進展に深く関わっ
ていることが強く示唆されている(例えば、LEONARD,
E.J. およびYOSYIMURA, T. (1990)IMMUNOLOGY TO
DAY第11巻97〜101頁、NELKEN, N.A.ら、THE JOU
RNALOF CLINICAL INVESTIGATION (1991)第88巻
1121〜1127頁、KOCH, A.E.ら、THE JOURNAL OF
CLINICAL INVESTIGATION (1992)第90巻772
〜779頁、HANAZAWA, S ら(1993)THE JOURNAL
OF BIOLOGICAL CHEMISTRY 第268巻9526〜953
2頁、GRAVES, D.T.らAMERICAN JOURNAL OF PATHOLOGY
(1992)第140巻9〜14頁、EDGINGTON, S.M.
、BIO/TECHNOLOGY(1993)第11巻676〜68
1頁などを参照)。従って、MCP―1/MCAFによ
り惹起される細胞遊走を阻害する薬剤は、動脈硬化症、
血管形成術後再狭窄、移植心臓に発症する動脈硬化、糖
尿病性細小血管症、関節リウマチ、変形性関節炎等の治
療薬および/または予防薬として有用であることが期待
されるが、かかる細胞遊走阻害活性を有する低分子化合
物の報告はない。
【0006】また、プロスタグランジンE1 が、好中球
に作用し、細胞内サイクリックAMPの誘導を介し、ロ
イコトリエンB4 あるいはFMLP(FORMYL-METHIONYL
-LEUCYL-PHENYLALANINE の略称)による細胞遊走を抑制
するとする報告があるが(例えば、HARVATH, L. ら、TH
E JOURNAL OF IMMUNOLOGY (1991)第146巻、2
24〜232頁などを参照)、一方、補体成分C5aに
よる細胞遊走は抑制しないとする報告(例えば、FARME
R, J.C.ら、AMERICAN REVIEW OF RESPIRATORY DISEASE
(1991)第144巻、593〜599頁などを参
照)や、プロスタグランジンE2 あるいはその誘導体
(例えばミソプロストールなど)自体に好中球遊走活性
があるとする報告(例えば、ARMSTRONG, R.A. 、BRITIS
H JOURNAL OF PHARMACOLOGY (1992)第105巻SU
PPLEMENT 45Pなど参照)があるなど、好中球の遊走に対
するプロスタグランジンE1 あるいはE2 あるいはそれ
らの誘導体の作用は、用いる遊走因子、あるいは実験条
件によって一定せず、必ずしも明確ではない。
【0007】また、FMLPによって引き起こされる細
胞遊走を、プロスタサイクリンあるいはプロスタサイク
リン誘導体あるいはプロスタグランジンE2 が抑制する
とする報告がある(例えば、KAINOH, M.ら、BIOCHEMICA
L PHARMACOLOGY(1990)第39巻477〜484
頁、BATH, P.M.ら、ARTERIOSCLEROSIS AND THROMBOSIS
(1991)第11巻254〜260頁など参照)。し
かしながら、プロスタグランジンE1 あるいはE2 ある
いはそれらの誘導体、あるいはプロスタサイクリンある
いはその誘導体が、ケモカイン、例えばモノサイト遊走
因子MCP―1/MCAFにより惹起される細胞遊走を
阻害する活性を有するとする報告はない。さらには、ケ
モカイン以外の因子により惹起される細胞遊走を含めて
も、プロスタグランジンE1 あるいはプロスタグランジ
ンE2 あるいはそれらの誘導体が、プロスタサイクリン
あるいはその誘導体と比較して、より強力な細胞遊走阻
害剤であるとする報告はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ケモカイン、例えばモノサイト遊走因子M
CP―1/MCAFにより惹起される細胞遊走を阻害す
る薬剤を見い出すことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ケモカイ
ンにより惹起される細胞遊走を阻害する薬剤を創製すべ
く鋭意研究した結果、プロスタグランジンE類が、ケモ
カイン、例えばモノサイト遊走因子MCP―1/MCA
Fにより惹起される細胞遊走の強力な阻害剤であること
を見出し、本発明に到達した。
【0010】すなわち本発明は、下記式[I]
【0011】
【化6】
【0012】[式中、R1 は水素原子、C1 〜C10の直
鎖状あるいは分岐状のアルキル基または1当量のカチオ
ンを表わす。R2 は水素原子またはメチル基を表わし、
3 はC1 〜C10の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基
またはC3 〜C8 のシクロアルキル基を表わし、nは0
または1を表わす。Xは、―CH2 ―または硫黄原子を
表わし、Xが、―CH2 ―を表わすとき、Z―Yは、―
CH2 ―CH2 ―、―CH2 ―S―、
【0013】
【化7】
【0014】を表わし、Xが硫黄原子を表わすとき、Z
―Yは―CH2 ―CH2 ―を表わす。]で表わされるプ
ロスタグランジンE類および/またはその鏡像体を活性
成分として含有する、ケモカインにより惹起される細胞
遊走の阻害剤である。
【0015】上記式[I]においてXが特に―CH2
を表わすときは下記式[II]
【0016】
【化8】
【0017】[式中、R1 、R2 、R3 、およびnの定
義は式[I]における定義と同一である。またZ―Y
は、式[I]における定義と同じく、―CH2 ―CH2
―、―CH2 ―S―、
【0018】
【化9】
【0019】を表わす。]で表わされるプロスタグラン
ジンE類および/またはその鏡像体を活性成分として含
有する、ケモカインにより惹起される細胞遊走の阻害剤
であり、上記式[I]において、Xが特に―S―を表わ
すときは、下記式[III ]
【0020】
【化10】
【0021】[式中、R1 、R2 、R3 、およびnの定
義は式[I]における定義と同一である。]で表わされ
るプロスタグランジンE類および/またはその鏡像体を
活性成分として含有する、ケモカインにより惹起される
細胞遊走の阻害剤である。
【0022】上記式[I]、[II]または[III ]にお
いて、R1 は水素原子、C1 〜C10の直鎖状あるいは分
岐状のアルキル基または1当量のカチオンを表わす。C
1 〜C10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチ
ル、n―プロピル、iso―プロピル、n―ブチル、s
ec―ブチル、tert―ブチル、n―ペンチル、n―
ヘキシル、n―ヘプチル、n―オクチル、n―ノニル、
n―デシル基等のものを挙げることができる。これらの
中でも水素原子またはC1 〜C4 アルキル基が好まし
く、特に水素原子、メチル基が好ましい。1当量のカチ
オンとしては例えば、Na+ 、K+ などのアルカリ金属
カチオン;1/2Ca2+、1/2Mg2+、1/3Al3+
などの2価もしくは3価のカチオン;アンモニウムイオ
ン、テトラメチルアンモニウムイオンなどのアンモニウ
ムカチオンなどが挙げられる。
【0023】上記式[I]、[II]または[III ]にお
いて、R2 は水素原子またはメチル基を表わす。R2
水素原子の場合はnは0であることが好ましく、またR
2 がメチル基の場合はnは1であることが好ましい。
【0024】上記式[I]、[II]または[III ]にお
いて、R3 がC1 〜C10の直鎖状あるいは分岐状のアル
キル基を表わす場合としては、例えば、メチル、エチ
ル、n―プロピル、iso―プロピル、n―ブチル、s
ec―ブチル、tert―ブチル、n―ペンチル、n―
ヘキシル、n―ヘプチル、n―オクチル、n―ノニル、
n―デシル、1―メチルペンチル、1―メチルヘキシ
ル、1,1―ジメチルペンチル、2―メチルペンチル、
2―メチルヘキシル、5―メチルヘキシル、2,5―ジ
メチルヘキシル基等のものを挙げることができる。これ
らの中でもC3 〜C 8 アルキル基が好ましく、特にn―
ブチル、n―ペンチル、n―ヘキシル、(R)―、
(S)―あるいは(RS)―2―メチルヘキシル基が好
ましい。
【0025】R3 がC3 〜C8 のシクロアルキル基を表
わす場合は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオク
チル基等が挙げられ、なかでもシクロペンチル、シクロ
ヘキシル基が好ましく挙げられる。
【0026】上記式[I]、[II]または[III ]にお
いてnが0で、15位の炭素が不斉炭素である場合に
は、その立体配置はS配置が好ましく、またnが1で、
16位の炭素が不斉炭素である場合には、その立体配置
はS配置、R配置いずれでもよいが、より好ましくはS
配置である。
【0027】また、上記式[I]、[II]または[III
]における13位の炭素と14位の炭素間の二重結合
に関しての立体配置は、E配置である。
【0028】上記式[I]、[II]または[III ]で表
わされるプロスタグランジンE類の8位、11位、12
位の立体配置は天然プロスタグランジンE1 およびプロ
スタグランジンE2 と同一である。本発明に係るプロス
タグランジンE類は、こうした立体配置であるもの、ま
たはその鏡像体、あるいはそれらの任意の割合の混合物
である。もっとも、こうした立体配置をもつプロスタグ
ランジンE類とジアステレオマーの関係にあるプロスタ
グランジンE類およびその任意の割合の混合物もまたケ
モカインにより惹起される細胞遊走を阻害する活性があ
る。
【0029】本発明において用いられるプロスタグラン
ジンE類の好ましい具体例を挙げれば、次のとおりであ
る。 (1) 7―チアプロスタグランジンE1 (2) 16―メチル―7―チアプロスタグランジンE
1 (3) 17,20―ジメチル―7―チアプロスタグラ
ンジンE1 (4) 化合物(3)の(17R)体 (5) 化合物(3)の(17S)体 (6) 20―メチル―7―チアプロスタグランジンE
1 (7) 15―メチル―7―チアプロスタグランジンE
1 (8) 16,16―ジメチル―7―チアプロスタグラ
ンジンE1 (9) 16,17,18,19,20―ペンタノル―
15―シクロペンチル―7―チアプロスタグランジンE
1 (10) 16,17,18,19,20―ペンタノル
―15―シクロヘキシル―7―チアプロスタグランジン
1 (11) 15―デオキシ―16―ヒドロキシ―16―
メチル―7―チアプロスタグランジンE1 (12) 化合物(11)の(16R)体 (13) 化合物(11)の(16S)体 (14) 5―チアプロスタグランジンE1 (15) 16―メチル―5―チアプロスタグランジン
1 (16) 17,20―ジメチル―5―チアプロスタグ
ランジンE1 (17) 化合物(16)の(17R)体 (18) 化合物(16)の(17S)体 (19) 20―メチル―5―チアプロスタグランジン
1 (20) 15―メチル―5―チアプロスタグランジン
1 (21) 16,16―ジメチル―5―チアプロスタグ
ランジンE1 (22) 16,17,18,19,20―ペンタノル
―15―シクロペンチル―5―チアプロスタグランジン
1 (23) 16,17,18,19,20―ペンタノル
―15―シクロヘキシル―5―チアプロスタグランジン
1 (24) 15―デオキシ―16―ヒドロキシ―16―
メチル―5―チアプロスタグランジンE1 (25) 化合物(24)の(16R)体 (26) 化合物(24)の(16S)体 (27) プロスタグランジンE1 (28) 16―メチルプロスタグランジンE1 (29) 17,20―ジメチルプロスタグランジンE
1 (30) 化合物(29)の(17R)体 (31) 化合物(29)の(17S)体 (32) 20―メチルプロスタグランジンE1 (33) 15―メチルプロスタグランジンE1 (34) 16,16―ジメチルプロスタグランジンE
1 (35) 16,17,18,19,20―ペンタノル
―15―シクロペンチルプロスタグランジンE1 (36) 16,17,18,19,20―ペンタノル
―15―シクロヘキシルプロスタグランジンE1 (37) 15―デオキシ―16―ヒドロキシ―16―
メチルプロスタグランジンE1 (38) 化合物(37)の(16R)体 (39) 化合物(37)の(16S)体 (40) プロスタグランジンE2 (41) 16―メチルプロスタグランジンE2 (42) 17,20―ジメチルプロスタグランジンE
2 (43) 化合物(42)の(17R)体 (44) 化合物(42)の(17S)体 (45) 20―メチルプロスタグランジンE2 (46) 15―メチルプロスタグランジンE2 (47) 16,16―ジメチルプロスタグランジンE
2 (48) 16,17,18,19,20―ペンタノル
―15―シクロペンチルプロスタグランジンE2 (49) 16,17,18,19,20―ペンタノル
―15―シクロヘキシルプロスタグランジンE2 (50) 15―デオキシ―16―ヒドロキシ―16―
メチルプロスタグランジンE2 (51) 化合物(50)の(16R)体 (52) 化合物(50)の(16S)体 (53) 化合物(1)〜(52)のメチルエステル体 (54) 化合物(1)〜(52)のエチルエステル体 (55) 化合物(1)〜(52)のtert―ブチル
エステル体 (56) 化合物(1)〜(52)のナトリウム塩 (57) 化合物(1)〜(52)のカリウム塩 (58) 化合物(1)〜(52)のマグネシウム塩 (59) 化合物(1)〜(52)のアンモニウム塩 本発明に係るプロスタグランジンE類のうちプロスタグ
ランジンE1 およびプロスタグランジンE2 はすでに公
知の化合物である。7―チアプロスタグランジンE1
は公知の方法により製造される。例えば、特開昭57―
108065号、特開昭58―110562号公報等に
詳細に記載されている。また、5―チアプロスタグラン
ジンE1 類も公知の方法により製造される。例えば、特
開昭58―198466号、特開昭59―122462
号、特開昭61―233664号公報等に詳細に記載さ
れている。また、これら以外のプロスタグランジンE1
類またはE2 類の製造法も、例えば、特開昭62―81
344号公報に詳細に記載されている。
【0030】これらの合成法を概略すると以下のように
なる。
【0031】1)7―チアプロスタグランジンE1
【0032】
【化11】
【0033】2)5―チアプロスタグランジンE1
【0034】
【化12】
【0035】3)プロスタグランジンE1
【0036】
【化13】
【0037】4)プロスタグランジンE2
【0038】
【化14】
【0039】これらの合成法において、式中のR2 、R
3 、およびnは上記式[I]の定義に等しい。
【0040】これらの反応に従えばω鎖上の置換基すな
わち、R2 、R3 、およびnの異なった種々の化合物の
合成が可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明のプロスタグランジンE類または
それらの薬学的に許容される塩を活性成分として含有す
る細胞遊走阻害剤は、ケモカイン、例えばMCP―1/
MCAFにより惹起される細胞遊走を阻害する活性を有
し、粥状動脈硬化症、血管形成術後再狭窄、移植心臓に
発症する動脈硬化、糖尿病性血管障害、関節リウマチ、
変形性関節炎等の、血中モノサイト等の病巣への集積を
特徴とすることのある疾患の予防、治療剤として有用で
ある。
【0042】上記式[III ]で表わされるプロスタグラ
ンジンE類および/またはその鏡像体を活性成分として
含有する、ケモカインにより惹起される細胞遊走の阻害
剤は、特に血管形成術後再狭窄、糖尿病性血管障害、関
節リウマチ、変形性関節炎に有用である。
【0043】
【実施例】以下に、実施例を記載し、プロスタグランジ
ンE類が、ケモカイン、例えばモノサイト遊走因子MC
P―1/MCAFによって引き起こされる細胞遊走の、
優れた阻害剤であることを具体的に示す。もっとも、こ
れらの実施例により本発明は何ら限定されるものではな
い。
【0044】[実施例]細胞遊走阻害活性の測定 表1に記載の被験化合物の細胞遊走阻害活性を調べる目
的で、モノサイト遊走因子MCP―1/MCAFによっ
て引き起こされる細胞遊走の測定をヒト前単球由来白血
病細胞THP―1(ATCC TIB203)を遊走細
胞として用い、Fallらの方法(J. Immunol, Methods,
,239〜247(1980)に準じて以下のように
行った。すなわち96穴マイクロケモタキシスチャンバ
ー(Neuroprobe社製)のチャンバー上室(200μl)
にはTHP―1細胞を2×106/ml(RPMI 1
640(Flow Laboratories 社製)+10%FCSで懸
濁したもの)、下室(35μl)には同液でヒト・リコ
ンビナントMCP―1(Peprotech 社製)を最終濃度2
0ng/mlになるように希釈したものを入れ、両室の
間にポリカルボネートフィルター(ポアサイズ5μm、
PVP―free, Neuroprobe社製)を固定し、37℃で5
%CO2 下に2時間インキュベートを行った。フィルタ
ーを取り出し、Diff Quick液(国際試薬社
製)にてフィルター下面に遊走した細胞を固定染色し、
次いでプレートリーダー(Molecular Device社製)に
て、測定波長550nmで測定し3穴の平均値を求める
ことにより、遊走細胞数の指標とした。このとき、被験
化合物を上室にTHP―1細胞とともに各種濃度にして
添加し、細胞遊走阻害活性(阻害度:IC50(M))を
求めた。阻害度は、{(上室に被験化合物添加の場合の
下室に添加したMCP―1による遊走細胞数)−(上室
に被験化合物無添加、下室にMCP―1無添加の場合の
遊走細胞数)}を{(上室に被験化合物無添加の場合の
下室に添加したMCP―1による遊走細胞数)−(上室
に被験化合物無添加、下室にMCP―1無添加の場合の
遊走細胞数)}で除することによって求めた。そして、
50%の阻害を示した化合物の濃度をIC50とした。結
果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表から明らかなように、本発明の細胞遊走
阻害剤は、プロスタサイクリン(7)に比して、顕著な
活性(一万倍から4千万倍)がある。
【0047】急性毒性試験 17,20―ジメチル―7―チアプロスタグランジンE
1 のマウスにおける急性毒性を調べた。6週齢オスのI
CRマウス10匹に静脈内投与したところ、LD50値は
38.2mg/kgであった。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式[I] 【化1】 [式中、R1 は水素原子、C1 〜C10の直鎖状あるいは
    分岐状のアルキル基または1当量のカチオンを表わす。
    2 は水素原子またはメチル基を表わし、R3 はC1
    10の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基またはC3
    8 のシクロアルキル基を表わし、nは0または1を表
    わす。Xは、―CH2 ―または硫黄原子を表わし、X
    が、―CH2 ―を表わすとき、Z―Yは、―CH2 ―C
    2 ―、―CH2 ―S―、 【化2】 を表わし、Xが硫黄原子を表わすとき、Z―Yは―CH
    2 ―CH2 ―を表わす。]で表わされるプロスタグラン
    ジンEおよび/またはその鏡像体を活性成分として含有
    する、ケモカインにより惹起される細胞遊走の阻害剤。
  2. 【請求項2】下記式[II] 【化3】 [式中、R1 、R2 、R3 、およびnの定義は、式
    [I]における定義と同一である。またZ―Yは、式
    [I]における定義と同じく、―CH2 ―CH2 ―、―
    CH2 ―S―、 【化4】 を表わす。]で表わされるプロスタグランジンE類およ
    び/またはその鏡像体を活性成分として含有する請求項
    1に記載の細胞遊走の阻害剤。
  3. 【請求項3】下記式[III ] 【化5】 [式中、R1 、R2 、R3 、およびnの定義は式[I]
    における定義と同一である。]で表わされるプロスタグ
    ランジンE類および/またはその鏡像体を活性成分とし
    て含有する請求項1に記載の細胞遊走の阻害剤。
  4. 【請求項4】ケモカインがMCP―1である請求項1か
    ら3のいずれかに記載の細胞遊走の阻害剤。
  5. 【請求項5】上記式[I]、[II]または[III ]にお
    いてR1 が水素原子またはメチル基である請求項1から
    4のいずれかに記載の細胞遊走の阻害剤。
  6. 【請求項6】上記式[I]、[II]または[III ]にお
    いてR2 が水素原子である請求項1から5のいずれかに
    記載の細胞遊走の阻害剤。
  7. 【請求項7】上記式[I]、[II]または[III ]にお
    いてnが0であり、R3 がペンチル基または2―メチル
    ヘキシル基である請求項1から6のいずれかに記載の細
    胞遊走の阻害剤。
  8. 【請求項8】上記式[I]、[II]または[III ]にお
    いてR2 が結合している炭素が不斉炭素であって、その
    絶対配置がS配置である請求項1から7のいずれかに記
    載の細胞遊走の阻害剤。
  9. 【請求項9】上記式[I]、[II]または[III ]にお
    いてR2 がメチル基である請求項1から5のいずれかに
    記載の細胞遊走の阻害剤。
  10. 【請求項10】上記式[I]、[II]または[III ]に
    おいてnが1であり、R3 がブチル基である請求項1か
    ら6または9のいずれかに記載の細胞遊走の阻害剤。
  11. 【請求項11】上記式[I]においてYが硫黄原子であ
    る請求項1、2、または請求項4から10のいずれかに
    記載の細胞遊走の阻害剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997001534A1 (fr) 1995-06-26 1997-01-16 Teijin Limited Prostaglandines et procede pour la production de celles-ci
ES2162545A1 (es) * 1999-01-20 2001-12-16 Smithkline Beecham Sa Productos naturales triciclicos como inhibidores de la proteina quimioatrayente de monocitos 1.

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ES2162545A1 (es) * 1999-01-20 2001-12-16 Smithkline Beecham Sa Productos naturales triciclicos como inhibidores de la proteina quimioatrayente de monocitos 1.

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