JPH0718654Y2 - 小片供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、特にビス片、釘片等の異形な小片を構成簡易
にかつ適量づつ確実に供給しうる小片供給装置に関す
る。

〔従来の技術〕

近年、例えばビス片、釘片等の小片を自動的にねじ込み
もしくは打入し、種々の部材を固定する自動取付装置が
多用されており、又該装置には前記小片を適量づつ供給
する供給装置が接続される。

他方このような供給装置は、近来、例えば第５図に示す
ように、小片を貯留する容器状のホッパａ下端の取出口
部ｂに、シリンダｃ等により往復動し前記取出口部ｂを
自動開閉する間仕切り用の一対のスライド板ｅ、ｅを夫
々上下に間隔を隔てて設けており、そして該スライド板
ｅ、ｅを交互に往復させることにより、ホッパ内の小片
を間隔内に落下させて分割しつつ取出口ｆから落下供給
している。

又このような小片は、軸状体の一端に頭部を膨出した異
形状をなすためホッパ内で互いに絡み付きやすく、従っ
て前記ホッパａには、前記絡み付きに起因した間隔内へ
の小片の落下不良を防止するために、バイブレータ等の
振動発生器ｇが付設される。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながらこのような従来のものは、前述のごとく、
小片の適量を分割しつつ取出口ｆから取出すために交互
に往復動する２つのスライド板ｅが要求されるなどその
構造及び制御が複雑化し、しかも振動発生器ｇを必要と
するなど装置コストの上昇をも招く。

本考案は小片を貯留するホッパと、その開口部下方に配
される受板との間隙に、該受板上面で往復移動しうる１
枚のスライド板を配することを基本として、前記問題点
を解決しうる小片供給装置の提供を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために本考案の小片供給装置は、供
給すべき小片を貯留しかつ下端に開口部を有するホッ
パ、前記開口部の下端と間隙を隔ててかつ該開口部から
延在するとともに前記開口部から距離を隔てて前記小片
を受取る受入口を開穿した受板、及び該受板上面に往復
移動自在に配されかつ前記開口部下端の間隙を通る長尺
の板状をなししかも前記往復移動により前記開口部と受
入口とに位置する導通口を設けたスライド板からなると
ともに、前記受板とスライド板とは、前記ホッパ下端の
開口部とともに前記往復移動の向きにしかも前記受入口
を上に傾くとともに、上位置となるホッパの後の側壁下
端に、調整板により高さ調整可能な切欠部を設けてい
る。

〔作用〕

スライド板の導通口がホッパ下端の開口部と合う位置に
おいて、前記導通口とその下方の受板上面とで囲む凹所
内に前記開口部からの小片が落下収容される。

又該凹所はスライド板とともに移動し、導通口が受板の
受入口と合う位置において、凹所内に適量収容される小
片を該受入口から落下供給できる。

なお導通口はその移動に際し、開口部内の小片と、凹所
内に収容される小片とを剪断方向に分断するごとく小片
を引っ掻きながら分割し、その時生じる振動等により開
口部からの小片の次回の落下を確実化する。

このように本発明の小片供給装置は、１枚のスライド板
によりホッパ内の小片を分割しかつ供給しうるため、そ
の構造及び制御が極めて簡易であり、又振動発生器等を
要することなくその作動を確実化しうるため、コストの
低減にも役立つ。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。

図において小片供給装置１は、下端に開口部２を有する
ホッパ３と、前記開口部２の下端と間隙Ｄを隔てて配さ
れかつ開口部２と距離を隔てて受入口５を開穿した受板
６と、該受板６上面に前記間隙Ｄを通って往復移動自在
に配されかつ該往復移動により開口部２を受入口５とに
位置しうる導通口７を設けたスライド板９とを具えてお
り、本例では例えばビス片である小片Ｗをホッパ３に貯
留するとともに、該小片Ｗの適量を受入口５からビス締
具等の自動取付装置Ｍに供給する。又前記受板６とスラ
イド板９とは、前記ホッパ３下端の開口部２と共に前記
往復移動の向きにしかも前記受入口５を上にして傾く。

前記ホッパ３は、周囲を前・後の側壁11、12と側の側壁
13、13とで囲む上下開口の容器状基体15を具え、その上
端の上の開口部16から補給される小片Ｗをその内部で貯
留する。

又基体15は、前記前の側壁11下部が後方に向かって傾斜
する斜面を有し、このことにより基体15下端の下の開口
部２の開口面積を上の開口部16に比して小に設定してい
る。又下の開口部２は、前記基体15下端が斜め切りされ
ることにより後方に向かって例えば20〜40°の傾斜角度
で斜め上方に開口し、又後の側壁12下端に設ける略矩形
状の切欠部17と連通している。

従って下の開口部２と該切欠部17とにより小片Ｗを取出
す取出し口19を形成する。なお後の側壁12に、前記切欠
部17と重置する調整板20が下地板を介して高さ調整自在
に取付き、切欠部17の開口面積を違えることにより小片
Ｗの取出し量を変化可能としている。

又このようなホッパ３は、例えば前・後の側壁11、12に
突設される突片21が水平なフレーム片22にボルト止めさ
れることにより垂直にかつ強固に支持されるとともに、
該ホッパ３下端には受板６が固着する。

受板６は、前記下の開口部２の下端とは間隙Ｄを隔てて
下の開口部２と略平行に配される長寸な矩形板状の基板
23を具え、該基板23は下の開口部２から後方に向かって
上傾斜で延在する。

又基板23には、前記下の開口部２から距離を隔てた後方
位置に、前記自動取付装置Ｍに通じる受入口５が開穿さ
れ、該受入口５は本例では前記下の開口部２をこえる開
口巾を有する。

又受板６は、前記基板23の両側縁に、前後にのびる案内
部25を具え、本例では該案内部25に設ける仕切板26を用
いて前記ホッパ３の側の側壁13に固定される。

案内部25は、本例では前記基板23側縁で立上がる立片29
と、その上縁から互いに向き合う内向き側に前記基板23
と平行に折曲がる上片30とから形成される。

従って案内部25は、前記基板23と立片29と上片30とによ
り囲む凹条溝25Aによって後述するスライド板９を前後
に往復移動自在に案内する。

又前記仕切板26は、本例では、前記各上片30の内向き縁
から小高さで立上がる長尺な平板状をなし、前記受入口
５の側縁を通って下の開口部２の前方から受入口５の後
方に亘り前後に延在する。従って仕切板26はその間で、
小片Ｗを取出し口19から受入口５に至り案内する。なお
該仕切板26は下地板27を介して前記側の側壁13に固着さ
れる。

又前記スライド板９は、本例では前記凹条溝25Aに案内
されて基板23上を転動するローラ32…を両側端に枢着し
た平板状をなし、受板６上面に前記間隙Ｄを通って前後
に往復移動自在に配される。なおスライド板９は、前記
受板６下面に一端が取付くシリンダである伸縮具33のロ
ッド端と連結金具35を介して連結し、該伸縮具33が伸長
する一方の移動位置Y1から伸縮具33が縮小する他方の移
動位置Y2までの間を往復移動する。

又スライド板９には、前記一方の移動位置Y1において前
記下の開口部２と重なり合いかつ他方の移動位置Y2にお
いて受入口５と重なる矩形状の導通口７を具え、導通口
７はその前壁面7Aを直角面で又後壁面7Bを後方に向かっ
て上傾斜する傾斜面で形成している。

然して第４図（ａ）に示すように、ホッパ３内に貯留す
る小片Ｗは、伸縮具33が伸長するスライド板９の一方の
移動位置Y1において取出し口19から落下し導通口７上に
堆積される。

又第４図（ｂ）〜（ｃ）に示すように、伸縮具33が縮小
しスライド板９が後方移動する際、導通口７の前壁面7A
が小片Ｗを引っ掛ける。このことにより、導通口７は堆
積する小片Ｗからその適量を分割しつつ移送し、他方の
移動位置Y2において前記移送した小片Ｗの適量を受入口
５から落下供給する。又該移動において、スライド板９
は下の開口部２を閉止しホッパ３からの小片Ｗの落下を
防止する一方、移送中にこぼれる小片Ｗは傾斜するスラ
イド板９上をころがりホッパ３に自動返却される。

又なお前記前壁面7Aと小片Ｗとの引っ掛りは、堆積する
小片Ｗからその適量を分割する際、貯留する小片Ｗを振
動させ、取出し口19からの小片Ｗの落下不良を防止しそ
の供給を確実化する。又導通口７の後壁面7Bの傾斜は、
スライド板９が一方の移動位置Y1に帰還する際の該後壁
面7Bと小片Ｗとの衝合を緩和させる。

なお本考案の小片供給装置１はビス片、釘片の他、種々
の形状かつ材質の小片を供給するために使用しうる。

〔考案の効果〕

叙上のごとく本考案の小片供給装置は、ホッパとその下
方の受板との間に、往復移動によってホッパの開口部と
受板の受入口との間を移動しうる導通口を設けたスライ
ド板を配しているため、構成簡易にかつ確実にホッパ内
の小片を適量づつ分割して供給しうる。又前記受板とス
ライド板とは、ホッパ下端の開口部とともに前記往復移
動の向きにしかも前記受入口を上に傾くため、スライド
板がその導通口を前記開口部から受入口の位置まで移動
させるときなどに該スライド板上に残った小片を、ホッ
パ下端に向かって転がらせてこのホッパに自動返却する
ことが出来る。さらに上位置となるホッパの後の側壁下
端に調整板により高さ調整可能な切欠部を設けているた
め、小片のホッパからの取出し量を容易に調整できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図はその
斜視図、第３図は後方斜め上方から見たその背面図、第
４図（ａ）〜（ｃ）はその作用を示す略図、第５図は従
来技術を示す断面図である。 ２……開口部、３……ホッパ、５……受入口、６……受
板、７……導通口、９……スライド板、12……後の側
壁、17……切欠部、20……調整板、Ｄ……間隙、Ｗ……
小片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】供給すべき小片を貯留しかつ下端に開口部
   を有するホッパ、前記開口部の下端と間隙を隔ててかつ
   該開口部から延在するとともに前記開口部から距離を隔
   てて前記小片を受取る受入口を開穿した受板、及び該受
   板上面に往復移動自在に配されかつ前記開口部下端の間
   隙を通る長尺の板状をなししかも前記往復移動により前
   記開口部と受入口とに位置する導通口を設けたスライド
   板からなるとともに、前記受板とスライド板とは、前記
   ホッパ下端の開口部とともに前記往復移動の向きにしか
   も前記受入口を上に傾くとともに、上位置となるホッパ
   の後の側壁下端に、調整板により高さ調整可能な切欠部
   を設けてなる小片供給装置。