JPH0718593A - 古紙再生用脱墨助剤 - Google Patents
古紙再生用脱墨助剤Info
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- JPH0718593A JPH0718593A JP18565393A JP18565393A JPH0718593A JP H0718593 A JPH0718593 A JP H0718593A JP 18565393 A JP18565393 A JP 18565393A JP 18565393 A JP18565393 A JP 18565393A JP H0718593 A JPH0718593 A JP H0718593A
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Abstract
zM' O(式中、MはNa及び/又はKを示し、M' は
Ca及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、
z/x=0〜1.0である。)で表される結晶性珪酸塩
及び/又はその水和物からなる古紙再生用脱墨助剤。 【効果】従来、脱墨に用いられていた無機および有機ビ
ルダーの全て/またはその一部を本発明の古紙再生用脱
墨助剤に置き換えることによって、従来の脱墨用薬剤の
配合系では困難であった高い脱墨性能を維持し、昨今問
題となっている河川および湖沼等の富養化を防ぐと共に
生態学上も問題となり得る有機化合物の使用を低減ある
いは使用しないため、低COD及び良好な排水処理性を
実現するために有効である。
Description
する。更に詳しくは、新聞、雑誌等の脱墨処理に際し、
高白色度の、そして残インキ数の少ない脱墨パルプを得
るため、脱墨剤と共に用いられる古紙再生用脱墨助剤に
関する。
誌等の再生利用は古くから行われて来ているが特に最近
はパルプ資源の不足やその価格の高騰から古紙の再生利
用は重要性を増して来ており、更に脱墨パルプの用途も
高度利用へと拡大している。一方、最近の古紙は印刷技
術、印刷方式の変化、印刷インキ成分の変化、更には従
来回収利用されなかった古紙の利用等脱墨という点から
見れば一層険しい状況になりつつあり、更に脱墨を促進
させるため、装置へも改良が加えられてきている。
除去するために従来から用いられてきた薬剤としては、
水酸化ナトリウム、珪酸ソーダ、炭酸ソーダ、リン酸ソ
ーダ等のアルカリ剤、過酸化水素、次亜硫酸塩、次亜塩
素酸塩等の漂白剤、NTA、EDTA、DTPA等の有
機キレート剤とともに、脱墨剤として、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、α−
オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネー
ト等の陰イオン活性剤、高級アルコール、アルキルフェ
ノール及び脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、エチレ
ンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物、アルカノ
ールアマイド類等の非イオン活性剤が単独又は2種以上
配合されて使用されてきた。しかしながら古紙からイン
キを完全に分離離脱することが難しいことから、特に最
近の様に脱墨パルプの用途拡大および配合比率の増大に
伴ない、古紙から離脱していないインキ、即ち未剥離イ
ンキの存在が問題になりつつある。
めにアルカリ能、pHの緩衝能およびカチオン交換能等
において効果のある、トリポリリン酸ソーダに代表され
るリン酸塩を使用することは、河川および湖沼の富栄養
化の問題があり、法的規制が強くなってきていること、
NTA、EDTA等の有機キレート剤は、CODを高く
することと、生態学上への悪影響の懸念があること等に
より、できるだけ使用しない方向での改良が特に望まれ
る。
オン交換能を有するA型ゼオライトを従来公知の脱墨剤
と併用して用いる技術が特開昭61−266688号公
報に開示されている。しかしながら、この技術では、カ
チオン交換能は優れるが、アルカリ能及びpH緩衝能、
再付着防止能等に関しては、未だ充分とは言えない。ま
た、珪酸塩類中の珪酸アルカリ金属塩は、脱墨剤薬剤と
して、主に脱墨薬溶液中のアルカリ剤、pH緩衝剤、再
付着防止剤および過酸化物漂白剤の安定化剤の役割をす
るものとして用いられてきた(古紙再生処理にかかわる
基礎的技術に関する調査報告書(第1分冊)、1989
年3月発行、財団法人・古紙再生促進センター、第72
頁参照)。
ての珪酸アルカリ金属塩の使用に関する特許公報(例え
ば、特開昭63−196789号公報、特開昭64−1
1756号公報)には、水溶性アルカリ剤としての珪酸
アルカリ金属塩(水ガラス類)の使用に関する記述につ
いては多く見受けられるが、耐水溶性に優れ、かつイオ
ン交換能も有する結晶性珪酸アルカリ金属塩については
いずれの文献においても述べられていない。
な技術的背景と前記の要望を満足し得る古紙再生用脱墨
助剤について鋭意検討を重ねた結果、ある特定の組成か
らなる結晶性の珪酸塩化合物が高いアルカリ能とカチオ
ン交換能を有することを見い出し、更に該結晶性珪酸塩
及び/又はその水和物を、脱墨助剤として使用すること
により該目的が達成されることを見い出し、本発明を完
成させるに到った。
して xM2 O・ySiO2 ・zM' O (式中、MはNa及び/又はKを示し、M' はCa及び
/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=
0〜1.0である。)で表される結晶性珪酸塩及び/又
はその水和物からなる古紙再生用脱墨助剤に関する。
の組成が、一般式xM2 O・ySiO2 ・zM’Oで表
される。ここでMはNa及び/又はKを示し、M’はC
a及び/又はMgを示す。また、y/xは0.5〜4.
0であり、好ましくは0.5〜1.9であり、さらに好
ましくは1.0〜1.9である。y/xが0.5未満で
は耐水溶性が不十分であり、4.0を超えると、イオン
交換能が低くなり、古紙再生用脱墨助剤としての使用に
適さない。z/xは0〜1.0であり、好ましくは0.
005〜1.0であり、さらに好ましくは0.01〜
0.6である。z/xが1.0を超えるとイオン交換能
が低く、古紙再生用脱墨助剤としての使用に適さない。
x、y、zは前記のy/xおよびz/xに示されるよう
な関係であれば、特に限定されるものではない。K/N
aはカチオン交換速度を高める観点から通常0〜8.0
であり、好ましくは0.01〜8.0である。Mg/C
aはカチオン交換容量を高める観点から通常0〜10で
あり、好ましくは0.02〜10である。
して、種々の態様があるが好適なものを例示すると次の
ようなものが挙げられる。前記の一般式において、y/
x=0.5〜1.9、z/x=0.005〜1.0、M
2 O中のK/Na=0.01〜8.0、M’O中のMg
/Ca=0〜10で表される、カチオン交換容量が20
0〜600CaCO3 mg/gである結晶性珪酸塩
和物であってもよく、この場合の水和量はH2 Oのモル
量換算として通常20モル%以下である。
り得られるものであって、前記一般式に示されるように
M2 O、SiO2 、M' Oの三成分よりなっている。従
って、本発明における結晶性珪酸塩を製造するには、そ
の原料として各成分に対応する物質が必要になるが、本
発明においては特に限定されることなく公知の化合物が
適宜用いられる。例えば、M2 O成分、M' O成分とし
ては、各々の当該元素の単独あるいは複合の酸化物、水
酸化物、塩類、当該元素含有鉱物が用いられる。具体的
には例えば、M2 O成分の原料としては、NaOH,K
OH,Na2 CO3 ,K2 CO3 ,Na2 SO4 等が、
M' O成分の原料としては、CaCO3,Ca(OH)
2 、MgCO3 ,Mg(OH)2 ,MgO,ドロマイト
等が挙げられる。SiO2 成分としてはケイ石,ケイ
砂,クリストバライト石,カオリン,タルク,溶融シリ
カ,ケイ酸ソーダ等が用いられる。
的とする結晶性珪酸塩のx、y、zとなるように所定の
量比で混合し、通常300〜1300℃、好ましくは5
00〜1000℃、さらに好ましくは600〜900℃
の範囲で焼成して結晶化させる方法、及び同様に混合
後、一旦1100℃〜1600℃で溶融してガラス化物
を得た後焼成する方法、更に溶融後水ガラス化し焼成す
る方法が例示される。加熱時間は通常0.1〜24時間
である。このような焼成は通常、電気炉、ガス炉等の加
熱炉で行うことができる。また、焼成後、必要に応じて
粉砕し所定の粒度に調製される。粉砕機としては例えば
ボールミル、ローラーミル等を用いてなされる。このよ
うな製造方法により、前述のような構造上の特徴を有す
る本発明における結晶性珪酸塩を得ることができる。
物を調製するには、公知の方法により容易に行うことが
でき、特に制限されるものではない。例えば、前記のよ
うにして得られた結晶性珪酸塩の無水物をイオン交換水
に懸濁して水和させ、乾燥せしめて粉末化する方法が挙
げられる。
晶性珪酸塩またはその水和物は、工業用水中及び/又は
汚れ成分から混入、蓄積する硬水成分であるカルシウム
イオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオ
ンによる界面活性剤の性能低下、汚れ成分の吸着及び汚
れの劣化等による洗浄性の低下の改良という目的がある
ので、一般に用いられている有機キレート剤と同等また
は、それ以上の特性が必要であるという観点からカチオ
ン交換容量として少なくとも200CaCO3mg/g
以上、好ましくは200〜600CaCO3 mg/gを
有するものである。本発明においてカチオン交換容量と
は、実施例で示す後述の測定方法により得られるカチオ
ン交換能の値をいう。但し、500CaCO3 mg/g
以上の場合は塩化カルシウム溶液の量を200mlにし
て測定した値である。
塩の水中での安定性を意味する。従って耐水溶性に劣る
とは、水中での結晶性珪酸塩の安定性が悪く水中でのS
i溶出量が増大することを意味する。一方、耐水溶性に
優れるとは、結晶性珪酸塩の水中での安定性が高く、水
中でのSi溶出量が非常に少ないことをいう。本発明に
おける結晶性珪酸塩において、水へのSi溶出量はSi
O2 換算で通常120mg/g以下であり、好ましくは
90mg/g以下、より好ましくは60mg/g以下で
あり、ほとんどが実質的に水に不溶である。なお、本発
明において実質的に水に不溶であるとは、試料2gをイ
オン交換水100g中に加え、25℃で30分攪拌した
場合におけるSi溶出量がSiO2 換算で通常120m
g/gより少ないものをいう。
用脱墨助剤として幅広く用いられ、優れたCa、Mg等
のカチオン捕捉能およびアルカリ度調整能、更にpHの
緩衝効果を発現する。また、公知の技術として珪酸塩類
がもつ再付着防止能および過酸化物漂白剤の安定化能も
併せ持っている。その結果、本発明に用いる結晶性珪酸
塩をアルカリ性の古紙再生用脱墨用薬剤と併用すること
により、優れた高白色度かつ低残インキ数の脱墨パルプ
を得ることに有用である。本発明の古紙再生用脱墨助剤
として用いる結晶性珪酸塩の使用量は、特に限定されな
いが、原料古紙またはパルプに対し、通常0.5〜25
重量%、好ましくは1〜20重量%である。0.5%重
量未満であると十分な脱墨性能を発現せず、25重量%
を越えると適切なpHの調整が難しく、アルカリ焼け等
の問題を起こし好ましくない。
の脱墨用薬剤と併用して用いられる。ここで脱墨用薬剤
としては、特に限定されることはなく、アルカリ剤等に
使用されている無機ビルダー、多価金属イオン封鎖剤と
して使用されている有機ビルダー、白度向上等のための
漂白剤、および主として界面活性剤よりなる脱墨剤等が
挙げられる。本発明に用い得る無機ビルダー、有機ビル
ダー、漂白剤および脱墨剤の例を以下に示すが、古紙ま
たはパルプの種類、汚れ成分の種類等により、必要に応
じて、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
化カリウム、水酸化リチウム等の強アルカリ剤;硫酸、
塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、珪酸等の無機酸のアルカ
リ金属塩;アンモニウム塩、低級アミン塩等;炭酸ナト
リウム、炭酸カリウムなどが用いられる。これらは通
常、原料古紙またはパルプに対して1.0〜10.0重
量%程度を添加して用いられる。
酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ジ
エチレントリアミン五酢酸(DTPA)等のアミノカル
ボン酸類;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、
粘液酸等のオキシカルボン酸類のアルカリ金属塩、アン
モニウム塩、低級アミン塩等が用いられる。これらは通
常、原料古紙またはパルプに対して0.1〜2.0重量
%程度を添加して用いられる。
塩素酸塩、ハイドロサルファイト等が用いられる。これ
らは通常、原料古紙またはパルプに対して0.3〜5.
0重量%程度、好ましくは0.5〜3.0重量%を添加
して用いられる。
剤は陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のい
ずれであってもよく、これらの混合系であってもよい。
陰イオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアル
キル(又はアルキルアリール)硫酸塩、アルカンスルホ
ン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスル
ホコハク酸塩、高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボ
ン酸塩等が挙げられる。非イオン性界面活性剤として
は、高級アルコール、アルキルフェノール及び脂肪酸の
エチレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド・プロ
ピレンオキサイド付加物、高級脂肪酸アミド、アミンオ
キサイド等が挙げられる。これらは通常、原料古紙又は
パルプに対して0.1〜2.0重量%程度、好ましくは
0.2〜0.8重量%添加して用いられる。
工程、熟成タワー工程の何れの工程へ添加してもよく、
通常脱墨用薬剤と共に使用されるが、両者の添加工程は
必ずしも同時でなくてもよい。以上のように、本発明の
古紙再生用脱墨助剤として特定の結晶性珪酸塩を用いる
ことにより、そのもの自身が持つアルカリ能、pHの緩
衝能、イオン交換能、再付着防止能及び漂白剤安定化能
等の相乗作用と他の併用した薬剤との相乗作用によっ
て、高白色度かつ低残インキ数の脱墨パルプを得ること
が出来る。
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等に
よりなんら限定されるものではない。尚、本実施例及び
比較例における測定値は、次に示す方法により測定し
た。
CaCO3 として500ppm)100ml中に加え、
25℃で60分間撹拌した後、孔サイズ0.2μmのメ
ンブランフィルター(アドバンテック社、ニトロセルロ
ース製)を用いて濾過を行い、その濾液10ml中に含
まれるCa量をEDTA滴定により測定した。その値より試料
のカルシウムイオン交換容量(カチオン交換容量)を求
めた。
0分間攪拌する。その後遠心分離を行い、その上澄みを
孔サイズ0.2μmのメンブランフィルターを用いて濾
過する。濾液中のSi濃度をプラズマ発光分析(IP
C)により測定し、SiO2 換算でSiの溶出量を求め
た。
撹拌しながら、0.25規定の塩酸を10ml滴下した
際に、懸濁液のpHが9.0〜12.0を示すようなも
のをアルカリ能が良好であると判定し、pHが9.0未
満の場合に、アルカリ能が不十分であると判定した。
重量部に水酸化ナトリウム4.2重量部を加え、ホモミ
キサーにより、撹拌を行い水酸化ナトリウムを溶解し
た。ここに、微粉砕した無水炭酸カルシウム10重量部
を加え、ホモミキサーを用いて混合した。混合物をニッ
ケル製坩堝に適量採り、700℃の温度で、空気中1時
間焼成し、急冷後得られた焼成体を粉砕して、本発明の
古紙再生用脱墨助剤1を得た。この粉体のカチオン交換
能は251CaCO3 mg/gと高く、かつSi溶出量は、
21.5SiO2 mg/gであり耐水溶性に優れたものであ
った。また、得られた焼成体の粉末X線(CuKα)回
折パターンは、d=3.95±0.1Aに主回折ピーク
を示し、焼成前の混合物とは異なる新規な結晶構造を示
す物質であった。
ことにより、表1に示す組成となるようにした以外は実
施例1と同様にして古紙再生用脱墨助剤粉末2〜8を得
た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出
量を測定し、その結果を表1に示したが、古紙再生用脱
墨助剤粉末1と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に共
に優れたものであった。また、得られた焼成体の粉末X
線(CuKα)回折パターンは、d=4.17〜2.0
5Aに主回折ピークを示し、それぞれ焼成前の混合物と
は異なる新規な結晶構造を示す物質であった。
酸マグネシウムを用いるか、無水炭酸カルシウム及び無
水炭酸マグネシウムを同時に用いて、表2に示す組成と
なるようにした以外は実施例1と同様にして古紙再生用
脱墨助剤粉末9〜11を得た。得られた粉体についてカ
チオン交換能及びSi溶出量を測定し、その結果を表2
に示したが、古紙再生用脱墨助剤粉末1と同様にカチオ
ン交換能及び耐水溶性に共に優れたものであった。ま
た、得られた焼成体の粉末X線(CuKα)回折パター
ンは、d=4.17〜2.05Aに主回折ピークを示
し、それぞれ焼成前の混合物とは異なる新規な結晶構造
を示す物質であった。
ッシュパスのケイ石粉と水酸化ナトリウム及び/または
水酸化カリウムを用い、無水炭酸カルシウムまたは無水
炭酸マグネシウムを用いて、表2に示す組成となるよう
にした以外は実施例1と同様にして古紙再生用脱墨助剤
粉末12〜14を得た。得られた粉体についてカチオン
交換能及びSi溶出量を測定し、その結果を表2に示し
たが、古紙再生用脱墨助剤粉末1と同様にカチオン交換
能及び耐水溶性に共に優れたものであった。また、得ら
れた焼成体の粉末X線(CuKα)回折パターンは、d
=4.17〜2.05Aに主回折ピークを示し、それぞ
れ焼成前の混合物とは異なる新規な結晶構造を示す物質
であった。
イオン交換水中に1時間分散させ、0.2μmのメンブ
ランフィルターで濾過し、フィルター上の残渣を100
℃で16時間乾燥させ、それぞれ実施例7、14で得ら
れたものの水和物である古紙再生用脱墨助剤粉末15、
16を得た。得られた粉体についてカチオン交換能及び
Si溶出量を測定し、その結果を表2に示したが、古紙
再生用脱墨助剤粉末1と同様にカチオン交換能及び耐水
溶性に共に優れたものであった。また、得られた焼成体
の粉末X線(CuKα)回折パターンは、d=10.4
0〜3.98Aに主回折ピークを示し、それぞれ焼成前
の混合物とは異なる新規な結晶構造を示す物質であっ
た。
重量部を加え、ホモミキサーを用いて水酸化ナトリウム
を溶解した。これを、ニッケル製坩堝に適量採り、70
0℃の温度で、空気中1時間焼成した。急冷後、粉砕を
行い比較粉体1を得た。この粉体のカチオン交換能は、
142CaCO3 mg/gと低い値であった。また、Si溶
出量は、3.8SiO2 mg/gであった。
量部を加え、ホモミキサーを用いて水酸化ナトリウムを
溶解した。これを、ニッケル製坩堝に適量採り、700
℃の温度で、空気中1時間焼成した。急冷後、粉砕を行
い比較粉体2を得た。この粉体のカチオン交換能は91
CaCO3 mg/gと低く、Si溶出量は、171SiO2
mg/gと耐水溶性に劣るものであった。
カチオン交換能は59CaCO3 mg/gと低く、全量水ガ
ラス状に溶解するため耐水溶性に劣るものであった。
用いた脱墨用薬剤の調製例(本発明品調製例)を表4に
示す。また、前記の比較例で得られた比較粉体である脱
墨助剤を用いた比較用脱墨用薬剤の調製例(比較品調製
例)を表5に示す。
卓上離解機に入れ、その中に水(硬水8°DH)及び表
4、表5の脱墨用薬剤を所定量加えた後、パルプ濃度5
重量%、55℃で20分間離解した後、50℃にて60
分間熟成した。その後、水(硬水8°DH)を加えてパ
ルプ浸度を1.0に希釈し、CaCl2を1.0%添加
し、30℃にて10分間フロテーション処理を施した。
フロテーション後のパルプスラリーを6%濃度まで希釈
後、水を加えて1%程度に希釈し、TAPPIシートマ
シーンにてパルプシートを作製した。得られたパルプシ
ートについて調色色差計にて白色度を測定し、画像解析
装置(×100倍)にて残存未剥離インキ数を測定し
た。結果を表6に示す。
ロテーション処理を施した時のフロテーション廃液を2
号濾紙にて濾過し、その濾液1000mlを処理液と
し、塩化第2鉄を用いた凝集沈澱法により処理した。 〔排水処理法〕上記処理液にHClを添加し、pH=5
に調整した後、塩化第二鉄を添加し、更に水酸化カルシ
ウムを添加してpH=7に調整して濾過を行い、得られ
た濾液のCOD値を測定し、これを排水処理後のCOD
濃度(ppm)として示し、評価を行なった。結果を表
6に示す。
生用脱墨用薬剤は従来の配合と比較して、脱墨性能試
験、排水処理性試験のいずれにおいても良好な特性を示
し、一方比較品である脱墨用薬剤の調製例に見られるよ
うに、従来の配合例では、上記各試験において要求され
る特性を満足することが難しいことが判明した。
有機ビルダーの全て/またはその一部を本発明の古紙再
生用脱墨助剤に置き換えることによって、従来の脱墨用
薬剤の配合系では困難であった高い脱墨性能を維持し、
昨今問題となっている河川および湖沼等の富養化を防ぐ
と共に生態学上も問題となり得る有機化合物の使用を低
減あるいは使用しないため、低COD及び良好な排水処
理性を実現するために有効である。
Claims (5)
- 【請求項1】 無水物の一般式としてxM2 O・ySi
O2 ・zM' O(式中、MはNa及び/又はKを示し、
M' はCa及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜
4.0、z/x=0〜1.0である。)で表される結晶
性珪酸塩及び/又はその水和物からなる古紙再生用脱墨
助剤。 - 【請求項2】 請求項1に記載の一般式において、結晶
性珪酸塩がy/x=0.5〜1.9、z/x=0.00
5〜1.0、M2 O中のK/Na=0.01〜8.0、
M’O中のMg/Ca=0〜10で表される請求項1記
載の古紙再生用脱墨助剤。 - 【請求項3】 結晶性珪酸塩のカチオン交換容量が20
0〜600CaCO3 mg/gである請求項1又は2記
載の古紙再生用脱墨助剤。 - 【請求項4】 結晶性珪酸塩の水へのSi溶出量がSi
O2 換算で120mg/g以下である請求項1、2又は
3記載の古紙再生用脱墨助剤。 - 【請求項5】 結晶性珪酸塩が酸に対する緩衝作用であ
るアルカリ能を有するものである請求項1〜4いずれか
に記載の古紙再生用脱墨助剤。
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---|---|---|---|
JP18565393A JP3260211B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 古紙再生用脱墨助剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18565393A JP3260211B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 古紙再生用脱墨助剤 |
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JPH0718593A true JPH0718593A (ja) | 1995-01-20 |
JP3260211B2 JP3260211B2 (ja) | 2002-02-25 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18565393A Expired - Fee Related JP3260211B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 古紙再生用脱墨助剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3260211B2 (ja) |
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- 1993-06-28 JP JP18565393A patent/JP3260211B2/ja not_active Expired - Fee Related
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