JPH0718593A - 古紙再生用脱墨助剤 - Google Patents

古紙再生用脱墨助剤

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JPH0718593A
JPH0718593A JP18565393A JP18565393A JPH0718593A JP H0718593 A JPH0718593 A JP H0718593A JP 18565393 A JP18565393 A JP 18565393A JP 18565393 A JP18565393 A JP 18565393A JP H0718593 A JPH0718593 A JP H0718593A
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Hiromichi Takahashi
広通 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【構成】無水物の一般式としてxM2 O・ySiO2
zM' O(式中、MはNa及び/又はKを示し、M' は
Ca及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、
z/x=0〜1.0である。)で表される結晶性珪酸塩
及び/又はその水和物からなる古紙再生用脱墨助剤。 【効果】従来、脱墨に用いられていた無機および有機ビ
ルダーの全て/またはその一部を本発明の古紙再生用脱
墨助剤に置き換えることによって、従来の脱墨用薬剤の
配合系では困難であった高い脱墨性能を維持し、昨今問
題となっている河川および湖沼等の富養化を防ぐと共に
生態学上も問題となり得る有機化合物の使用を低減ある
いは使用しないため、低COD及び良好な排水処理性を
実現するために有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は古紙再生用脱墨助剤に関
する。更に詳しくは、新聞、雑誌等の脱墨処理に際し、
高白色度の、そして残インキ数の少ない脱墨パルプを得
るため、脱墨剤と共に用いられる古紙再生用脱墨助剤に
関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】新聞、雑
誌等の再生利用は古くから行われて来ているが特に最近
はパルプ資源の不足やその価格の高騰から古紙の再生利
用は重要性を増して来ており、更に脱墨パルプの用途も
高度利用へと拡大している。一方、最近の古紙は印刷技
術、印刷方式の変化、印刷インキ成分の変化、更には従
来回収利用されなかった古紙の利用等脱墨という点から
見れば一層険しい状況になりつつあり、更に脱墨を促進
させるため、装置へも改良が加えられてきている。
【0003】古紙からインキやその他の不純物を分離、
除去するために従来から用いられてきた薬剤としては、
水酸化ナトリウム、珪酸ソーダ、炭酸ソーダ、リン酸ソ
ーダ等のアルカリ剤、過酸化水素、次亜硫酸塩、次亜塩
素酸塩等の漂白剤、NTA、EDTA、DTPA等の有
機キレート剤とともに、脱墨剤として、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、α−
オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネー
ト等の陰イオン活性剤、高級アルコール、アルキルフェ
ノール及び脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、エチレ
ンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物、アルカノ
ールアマイド類等の非イオン活性剤が単独又は2種以上
配合されて使用されてきた。しかしながら古紙からイン
キを完全に分離離脱することが難しいことから、特に最
近の様に脱墨パルプの用途拡大および配合比率の増大に
伴ない、古紙から離脱していないインキ、即ち未剥離イ
ンキの存在が問題になりつつある。
【0004】また、特に昨今、上記問題点を改良するた
めにアルカリ能、pHの緩衝能およびカチオン交換能等
において効果のある、トリポリリン酸ソーダに代表され
るリン酸塩を使用することは、河川および湖沼の富栄養
化の問題があり、法的規制が強くなってきていること、
NTA、EDTA等の有機キレート剤は、CODを高く
することと、生態学上への悪影響の懸念があること等に
より、できるだけ使用しない方向での改良が特に望まれ
る。
【0005】このような要求に対応すべく、例えばカチ
オン交換能を有するA型ゼオライトを従来公知の脱墨剤
と併用して用いる技術が特開昭61−266688号公
報に開示されている。しかしながら、この技術では、カ
チオン交換能は優れるが、アルカリ能及びpH緩衝能、
再付着防止能等に関しては、未だ充分とは言えない。ま
た、珪酸塩類中の珪酸アルカリ金属塩は、脱墨剤薬剤と
して、主に脱墨薬溶液中のアルカリ剤、pH緩衝剤、再
付着防止剤および過酸化物漂白剤の安定化剤の役割をす
るものとして用いられてきた(古紙再生処理にかかわる
基礎的技術に関する調査報告書(第1分冊)、1989
年3月発行、財団法人・古紙再生促進センター、第72
頁参照)。
【0006】更に、工業的に用いられる脱墨用薬剤とし
ての珪酸アルカリ金属塩の使用に関する特許公報(例え
ば、特開昭63−196789号公報、特開昭64−1
1756号公報)には、水溶性アルカリ剤としての珪酸
アルカリ金属塩(水ガラス類)の使用に関する記述につ
いては多く見受けられるが、耐水溶性に優れ、かつイオ
ン交換能も有する結晶性珪酸アルカリ金属塩については
いずれの文献においても述べられていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な技術的背景と前記の要望を満足し得る古紙再生用脱墨
助剤について鋭意検討を重ねた結果、ある特定の組成か
らなる結晶性の珪酸塩化合物が高いアルカリ能とカチオ
ン交換能を有することを見い出し、更に該結晶性珪酸塩
及び/又はその水和物を、脱墨助剤として使用すること
により該目的が達成されることを見い出し、本発明を完
成させるに到った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、無水物の一般式と
して xM2 O・ySiO2 ・zM' O (式中、MはNa及び/又はKを示し、M' はCa及び
/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=
0〜1.0である。)で表される結晶性珪酸塩及び/又
はその水和物からなる古紙再生用脱墨助剤に関する。
【0009】本発明における結晶性珪酸塩は、無水物で
の組成が、一般式xM2 O・ySiO2 ・zM’Oで表
される。ここでMはNa及び/又はKを示し、M’はC
a及び/又はMgを示す。また、y/xは0.5〜4.
0であり、好ましくは0.5〜1.9であり、さらに好
ましくは1.0〜1.9である。y/xが0.5未満で
は耐水溶性が不十分であり、4.0を超えると、イオン
交換能が低くなり、古紙再生用脱墨助剤としての使用に
適さない。z/xは0〜1.0であり、好ましくは0.
005〜1.0であり、さらに好ましくは0.01〜
0.6である。z/xが1.0を超えるとイオン交換能
が低く、古紙再生用脱墨助剤としての使用に適さない。
x、y、zは前記のy/xおよびz/xに示されるよう
な関係であれば、特に限定されるものではない。K/N
aはカチオン交換速度を高める観点から通常0〜8.0
であり、好ましくは0.01〜8.0である。Mg/C
aはカチオン交換容量を高める観点から通常0〜10で
あり、好ましくは0.02〜10である。
【0010】このような本発明における結晶性珪酸塩と
して、種々の態様があるが好適なものを例示すると次の
ようなものが挙げられる。前記の一般式において、y/
x=0.5〜1.9、z/x=0.005〜1.0、M
2 O中のK/Na=0.01〜8.0、M’O中のMg
/Ca=0〜10で表される、カチオン交換容量が20
0〜600CaCO3 mg/gである結晶性珪酸塩
【0011】また、本発明における結晶性珪酸塩は、水
和物であってもよく、この場合の水和量はH2 Oのモル
量換算として通常20モル%以下である。
【0012】本発明における結晶性珪酸塩は、合成によ
り得られるものであって、前記一般式に示されるように
2 O、SiO2 、M' Oの三成分よりなっている。従
って、本発明における結晶性珪酸塩を製造するには、そ
の原料として各成分に対応する物質が必要になるが、本
発明においては特に限定されることなく公知の化合物が
適宜用いられる。例えば、M2 O成分、M' O成分とし
ては、各々の当該元素の単独あるいは複合の酸化物、水
酸化物、塩類、当該元素含有鉱物が用いられる。具体的
には例えば、M2 O成分の原料としては、NaOH,K
OH,Na2 CO3 ,K2 CO3 ,Na2 SO4 等が、
M' O成分の原料としては、CaCO3,Ca(OH)
2 、MgCO3 ,Mg(OH)2 ,MgO,ドロマイト
等が挙げられる。SiO2 成分としてはケイ石,ケイ
砂,クリストバライト石,カオリン,タルク,溶融シリ
カ,ケイ酸ソーダ等が用いられる。
【0013】本発明においては、これらの原料成分を目
的とする結晶性珪酸塩のx、y、zとなるように所定の
量比で混合し、通常300〜1300℃、好ましくは5
00〜1000℃、さらに好ましくは600〜900℃
の範囲で焼成して結晶化させる方法、及び同様に混合
後、一旦1100℃〜1600℃で溶融してガラス化物
を得た後焼成する方法、更に溶融後水ガラス化し焼成す
る方法が例示される。加熱時間は通常0.1〜24時間
である。このような焼成は通常、電気炉、ガス炉等の加
熱炉で行うことができる。また、焼成後、必要に応じて
粉砕し所定の粒度に調製される。粉砕機としては例えば
ボールミル、ローラーミル等を用いてなされる。このよ
うな製造方法により、前述のような構造上の特徴を有す
る本発明における結晶性珪酸塩を得ることができる。
【0014】また、本発明における結晶性珪酸塩の水和
物を調製するには、公知の方法により容易に行うことが
でき、特に制限されるものではない。例えば、前記のよ
うにして得られた結晶性珪酸塩の無水物をイオン交換水
に懸濁して水和させ、乾燥せしめて粉末化する方法が挙
げられる。
【0015】このようにして得られた本発明における結
晶性珪酸塩またはその水和物は、工業用水中及び/又は
汚れ成分から混入、蓄積する硬水成分であるカルシウム
イオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオ
ンによる界面活性剤の性能低下、汚れ成分の吸着及び汚
れの劣化等による洗浄性の低下の改良という目的がある
ので、一般に用いられている有機キレート剤と同等また
は、それ以上の特性が必要であるという観点からカチオ
ン交換容量として少なくとも200CaCO3mg/g
以上、好ましくは200〜600CaCO3 mg/gを
有するものである。本発明においてカチオン交換容量と
は、実施例で示す後述の測定方法により得られるカチオ
ン交換能の値をいう。但し、500CaCO3 mg/g
以上の場合は塩化カルシウム溶液の量を200mlにし
て測定した値である。
【0016】本発明において耐水溶性とは、結晶性珪酸
塩の水中での安定性を意味する。従って耐水溶性に劣る
とは、水中での結晶性珪酸塩の安定性が悪く水中でのS
i溶出量が増大することを意味する。一方、耐水溶性に
優れるとは、結晶性珪酸塩の水中での安定性が高く、水
中でのSi溶出量が非常に少ないことをいう。本発明に
おける結晶性珪酸塩において、水へのSi溶出量はSi
2 換算で通常120mg/g以下であり、好ましくは
90mg/g以下、より好ましくは60mg/g以下で
あり、ほとんどが実質的に水に不溶である。なお、本発
明において実質的に水に不溶であるとは、試料2gをイ
オン交換水100g中に加え、25℃で30分攪拌した
場合におけるSi溶出量がSiO2 換算で通常120m
g/gより少ないものをいう。
【0017】本発明に用いる結晶性珪酸塩は、古紙再生
用脱墨助剤として幅広く用いられ、優れたCa、Mg等
のカチオン捕捉能およびアルカリ度調整能、更にpHの
緩衝効果を発現する。また、公知の技術として珪酸塩類
がもつ再付着防止能および過酸化物漂白剤の安定化能も
併せ持っている。その結果、本発明に用いる結晶性珪酸
塩をアルカリ性の古紙再生用脱墨用薬剤と併用すること
により、優れた高白色度かつ低残インキ数の脱墨パルプ
を得ることに有用である。本発明の古紙再生用脱墨助剤
として用いる結晶性珪酸塩の使用量は、特に限定されな
いが、原料古紙またはパルプに対し、通常0.5〜25
重量%、好ましくは1〜20重量%である。0.5%重
量未満であると十分な脱墨性能を発現せず、25重量%
を越えると適切なpHの調整が難しく、アルカリ焼け等
の問題を起こし好ましくない。
【0018】本発明の古紙再生用脱墨助剤は、従来公知
の脱墨用薬剤と併用して用いられる。ここで脱墨用薬剤
としては、特に限定されることはなく、アルカリ剤等に
使用されている無機ビルダー、多価金属イオン封鎖剤と
して使用されている有機ビルダー、白度向上等のための
漂白剤、および主として界面活性剤よりなる脱墨剤等が
挙げられる。本発明に用い得る無機ビルダー、有機ビル
ダー、漂白剤および脱墨剤の例を以下に示すが、古紙ま
たはパルプの種類、汚れ成分の種類等により、必要に応
じて、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0019】無機ビルダー;水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム等の強アルカリ剤;硫酸、
塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、珪酸等の無機酸のアルカ
リ金属塩;アンモニウム塩、低級アミン塩等;炭酸ナト
リウム、炭酸カリウムなどが用いられる。これらは通
常、原料古紙またはパルプに対して1.0〜10.0重
量%程度を添加して用いられる。
【0020】有機ビルダー;グリシン、ニトリロ三酢
酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ジ
エチレントリアミン五酢酸(DTPA)等のアミノカル
ボン酸類;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、
粘液酸等のオキシカルボン酸類のアルカリ金属塩、アン
モニウム塩、低級アミン塩等が用いられる。これらは通
常、原料古紙またはパルプに対して0.1〜2.0重量
%程度を添加して用いられる。
【0021】漂白剤;過酸化水素、次亜硫酸塩、次亜
塩素酸塩、ハイドロサルファイト等が用いられる。これ
らは通常、原料古紙またはパルプに対して0.3〜5.
0重量%程度、好ましくは0.5〜3.0重量%を添加
して用いられる。
【0022】脱墨剤;本発明において用いられる脱墨
剤は陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のい
ずれであってもよく、これらの混合系であってもよい。
陰イオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアル
キル(又はアルキルアリール)硫酸塩、アルカンスルホ
ン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスル
ホコハク酸塩、高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボ
ン酸塩等が挙げられる。非イオン性界面活性剤として
は、高級アルコール、アルキルフェノール及び脂肪酸の
エチレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド・プロ
ピレンオキサイド付加物、高級脂肪酸アミド、アミンオ
キサイド等が挙げられる。これらは通常、原料古紙又は
パルプに対して0.1〜2.0重量%程度、好ましくは
0.2〜0.8重量%添加して用いられる。
【0023】本発明の古紙再生用脱墨助剤は、古紙離解
工程、熟成タワー工程の何れの工程へ添加してもよく、
通常脱墨用薬剤と共に使用されるが、両者の添加工程は
必ずしも同時でなくてもよい。以上のように、本発明の
古紙再生用脱墨助剤として特定の結晶性珪酸塩を用いる
ことにより、そのもの自身が持つアルカリ能、pHの緩
衝能、イオン交換能、再付着防止能及び漂白剤安定化能
等の相乗作用と他の併用した薬剤との相乗作用によっ
て、高白色度かつ低残インキ数の脱墨パルプを得ること
が出来る。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例等により本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等に
よりなんら限定されるものではない。尚、本実施例及び
比較例における測定値は、次に示す方法により測定し
た。
【0025】(1)カチオン交換能 試料0.1gを精秤し、塩化カルシウム水溶液(濃度は
CaCO3 として500ppm)100ml中に加え、
25℃で60分間撹拌した後、孔サイズ0.2μmのメ
ンブランフィルター(アドバンテック社、ニトロセルロ
ース製)を用いて濾過を行い、その濾液10ml中に含
まれるCa量をEDTA滴定により測定した。その値より試料
のカルシウムイオン交換容量(カチオン交換容量)を求
めた。
【0026】(2)Si溶出量 試料2gをイオン交換水100g中に加え、25℃で3
0分間攪拌する。その後遠心分離を行い、その上澄みを
孔サイズ0.2μmのメンブランフィルターを用いて濾
過する。濾液中のSi濃度をプラズマ発光分析(IP
C)により測定し、SiO2 換算でSiの溶出量を求め
た。
【0027】(3)アルカリ能 試料1gを精秤し、イオン交換水1000mlに懸濁し
撹拌しながら、0.25規定の塩酸を10ml滴下した
際に、懸濁液のpHが9.0〜12.0を示すようなも
のをアルカリ能が良好であると判定し、pHが9.0未
満の場合に、アルカリ能が不十分であると判定した。
【0028】実施例1 2号珪酸ソーダ(SiO2 / Na2 O=2.5)100
重量部に水酸化ナトリウム4.2重量部を加え、ホモミ
キサーにより、撹拌を行い水酸化ナトリウムを溶解し
た。ここに、微粉砕した無水炭酸カルシウム10重量部
を加え、ホモミキサーを用いて混合した。混合物をニッ
ケル製坩堝に適量採り、700℃の温度で、空気中1時
間焼成し、急冷後得られた焼成体を粉砕して、本発明の
古紙再生用脱墨助剤1を得た。この粉体のカチオン交換
能は251CaCO3 mg/gと高く、かつSi溶出量は、
21.5SiO2 mg/gであり耐水溶性に優れたものであ
った。また、得られた焼成体の粉末X線(CuKα)回
折パターンは、d=3.95±0.1Aに主回折ピーク
を示し、焼成前の混合物とは異なる新規な結晶構造を示
す物質であった。
【0029】実施例2〜8 実施例1において無水炭酸カルシウムの添加量を変える
ことにより、表1に示す組成となるようにした以外は実
施例1と同様にして古紙再生用脱墨助剤粉末2〜8を得
た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出
量を測定し、その結果を表1に示したが、古紙再生用脱
墨助剤粉末1と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に共
に優れたものであった。また、得られた焼成体の粉末X
線(CuKα)回折パターンは、d=4.17〜2.0
5Aに主回折ピークを示し、それぞれ焼成前の混合物と
は異なる新規な結晶構造を示す物質であった。
【0030】実施例9〜11 実施例1における無水炭酸カルシウムの代わりに無水炭
酸マグネシウムを用いるか、無水炭酸カルシウム及び無
水炭酸マグネシウムを同時に用いて、表2に示す組成と
なるようにした以外は実施例1と同様にして古紙再生用
脱墨助剤粉末9〜11を得た。得られた粉体についてカ
チオン交換能及びSi溶出量を測定し、その結果を表2
に示したが、古紙再生用脱墨助剤粉末1と同様にカチオ
ン交換能及び耐水溶性に共に優れたものであった。ま
た、得られた焼成体の粉末X線(CuKα)回折パター
ンは、d=4.17〜2.05Aに主回折ピークを示
し、それぞれ焼成前の混合物とは異なる新規な結晶構造
を示す物質であった。
【0031】実施例12〜14 実施例1において2号珪酸ソーダの代わりに、325メ
ッシュパスのケイ石粉と水酸化ナトリウム及び/または
水酸化カリウムを用い、無水炭酸カルシウムまたは無水
炭酸マグネシウムを用いて、表2に示す組成となるよう
にした以外は実施例1と同様にして古紙再生用脱墨助剤
粉末12〜14を得た。得られた粉体についてカチオン
交換能及びSi溶出量を測定し、その結果を表2に示し
たが、古紙再生用脱墨助剤粉末1と同様にカチオン交換
能及び耐水溶性に共に優れたものであった。また、得ら
れた焼成体の粉末X線(CuKα)回折パターンは、d
=4.17〜2.05Aに主回折ピークを示し、それぞ
れ焼成前の混合物とは異なる新規な結晶構造を示す物質
であった。
【0032】実施例15、16 実施例7、14で得られた無水物10gを500mlの
イオン交換水中に1時間分散させ、0.2μmのメンブ
ランフィルターで濾過し、フィルター上の残渣を100
℃で16時間乾燥させ、それぞれ実施例7、14で得ら
れたものの水和物である古紙再生用脱墨助剤粉末15、
16を得た。得られた粉体についてカチオン交換能及び
Si溶出量を測定し、その結果を表2に示したが、古紙
再生用脱墨助剤粉末1と同様にカチオン交換能及び耐水
溶性に共に優れたものであった。また、得られた焼成体
の粉末X線(CuKα)回折パターンは、d=10.4
0〜3.98Aに主回折ピークを示し、それぞれ焼成前
の混合物とは異なる新規な結晶構造を示す物質であっ
た。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】比較例1 2号珪酸ソーダ100重量部に水酸化ナトリウム1.9
重量部を加え、ホモミキサーを用いて水酸化ナトリウム
を溶解した。これを、ニッケル製坩堝に適量採り、70
0℃の温度で、空気中1時間焼成した。急冷後、粉砕を
行い比較粉体1を得た。この粉体のカチオン交換能は、
142CaCO3 mg/gと低い値であった。また、Si溶
出量は、3.8SiO2 mg/gであった。
【0036】比較例2 2号珪酸ソーダ100重量部に水酸化ナトリウム28重
量部を加え、ホモミキサーを用いて水酸化ナトリウムを
溶解した。これを、ニッケル製坩堝に適量採り、700
℃の温度で、空気中1時間焼成した。急冷後、粉砕を行
い比較粉体2を得た。この粉体のカチオン交換能は91
CaCO3 mg/gと低く、Si溶出量は、171SiO2
mg/gと耐水溶性に劣るものであった。
【0037】比較例3 2号珪酸ソーダの粉末を比較粉体3とした。この粉体の
カチオン交換能は59CaCO3 mg/gと低く、全量水ガ
ラス状に溶解するため耐水溶性に劣るものであった。
【0038】
【表3】
【0039】脱墨用薬剤の調製例 前記の実施例で得られた本発明の古紙再生用脱墨助剤を
用いた脱墨用薬剤の調製例(本発明品調製例)を表4に
示す。また、前記の比較例で得られた比較粉体である脱
墨助剤を用いた比較用脱墨用薬剤の調製例(比較品調製
例)を表5に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】試験例1(脱墨性能試験) 市中回収新聞古紙を2×5cmに切断後、その一定量を
卓上離解機に入れ、その中に水(硬水8°DH)及び表
4、表5の脱墨用薬剤を所定量加えた後、パルプ濃度5
重量%、55℃で20分間離解した後、50℃にて60
分間熟成した。その後、水(硬水8°DH)を加えてパ
ルプ浸度を1.0に希釈し、CaCl2を1.0%添加
し、30℃にて10分間フロテーション処理を施した。
フロテーション後のパルプスラリーを6%濃度まで希釈
後、水を加えて1%程度に希釈し、TAPPIシートマ
シーンにてパルプシートを作製した。得られたパルプシ
ートについて調色色差計にて白色度を測定し、画像解析
装置(×100倍)にて残存未剥離インキ数を測定し
た。結果を表6に示す。
【0043】試験例2(排水処理性試験) 試験例1の脱墨性能試験において30℃にて10分間フ
ロテーション処理を施した時のフロテーション廃液を2
号濾紙にて濾過し、その濾液1000mlを処理液と
し、塩化第2鉄を用いた凝集沈澱法により処理した。 〔排水処理法〕上記処理液にHClを添加し、pH=5
に調整した後、塩化第二鉄を添加し、更に水酸化カルシ
ウムを添加してpH=7に調整して濾過を行い、得られ
た濾液のCOD値を測定し、これを排水処理後のCOD
濃度(ppm)として示し、評価を行なった。結果を表
6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】表6の結果より、本発明品を用いた古紙再
生用脱墨用薬剤は従来の配合と比較して、脱墨性能試
験、排水処理性試験のいずれにおいても良好な特性を示
し、一方比較品である脱墨用薬剤の調製例に見られるよ
うに、従来の配合例では、上記各試験において要求され
る特性を満足することが難しいことが判明した。
【0046】
【発明の効果】従来、脱墨に用いられていた無機および
有機ビルダーの全て/またはその一部を本発明の古紙再
生用脱墨助剤に置き換えることによって、従来の脱墨用
薬剤の配合系では困難であった高い脱墨性能を維持し、
昨今問題となっている河川および湖沼等の富養化を防ぐ
と共に生態学上も問題となり得る有機化合物の使用を低
減あるいは使用しないため、低COD及び良好な排水処
理性を実現するために有効である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水物の一般式としてxM2 O・ySi
    2 ・zM' O(式中、MはNa及び/又はKを示し、
    M' はCa及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜
    4.0、z/x=0〜1.0である。)で表される結晶
    性珪酸塩及び/又はその水和物からなる古紙再生用脱墨
    助剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式において、結晶
    性珪酸塩がy/x=0.5〜1.9、z/x=0.00
    5〜1.0、M2 O中のK/Na=0.01〜8.0、
    M’O中のMg/Ca=0〜10で表される請求項1記
    載の古紙再生用脱墨助剤。
  3. 【請求項3】 結晶性珪酸塩のカチオン交換容量が20
    0〜600CaCO3 mg/gである請求項1又は2記
    載の古紙再生用脱墨助剤。
  4. 【請求項4】 結晶性珪酸塩の水へのSi溶出量がSi
    2 換算で120mg/g以下である請求項1、2又は
    3記載の古紙再生用脱墨助剤。
  5. 【請求項5】 結晶性珪酸塩が酸に対する緩衝作用であ
    るアルカリ能を有するものである請求項1〜4いずれか
    に記載の古紙再生用脱墨助剤。
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JP2010100983A (ja) * 2008-09-24 2010-05-06 Nippon Paper Industries Co Ltd 印刷古紙の脱墨方法

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