JPH07185400A - 急結モルタルの吹付けノズル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、安全で作業性がよい狭い箇所に効
率よくモルタルの吹付けができる吹付けノズルを提供す
る事を目的としている。 【構成】 モルタルを吐出するパイプ（１）の外周にエ
アをパイプに供給するエアリング（２）を気密に取付
け、エアリング取付部のパイプに吹付け方向に傾斜した
複数のエア穴（５）を設け、そのエアリング（２）の吹
付け方向前側に隣接して急結剤を前記パイプ（１）にエ
アと混合し供給する急結剤リング（３）を設け、急結剤
リング取付部のパイプ（１）に吹付け方向に傾斜した複
数の穴を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エアコンプレッサから
の加圧空気によってモルタルポンプからのモルタルと急
結剤ポンプからの急結剤とをノズルから吹付ける急結モ
ルタルの吹付けノズル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、トンネル等におけるモルタルの吹
付けは、ポンプでモルタルを圧送し、吹付けノズルに於
いて急結剤をモルタル内に添加して、ノズル先端より広
い平面積の吹付け面に向かって噴射させて施工されてい
る。また、従来の吹付けノズルはノズルから噴射された
モルタルが吹付け面に到達するまでに広い範囲に拡散し
て、広い面積を合理的に施工できるように、ノズル先端
のパイプ径および長さが設定されている。この従来のノ
ズルを狭く限られた深い箇所の施工に使用すると、モル
タルが拡散しすぎるために落下したり、跳ね返りが大き
くなったり、集中的に目的の箇所を施工することが困難
であった。

【０００３】一方、狭く限られた深い箇所にモルタルを
吹付ける場合、ノズルに長いパイプを設けることが有効
である。ノズルパイプを長くするとモルタルへの急結剤
の混合が充分となり、急結剤の急結効果を充分発揮で
き、かつ、ノズルから噴射されたモルタルが吹付け面に
到達するまでに拡散せず良好な施工を可能ならしめる。
しかし、ノズルパイプを長くすると、吹付け作業を停止
した際に、モルタルがノズル内に閉塞するという問題が
ある。

【０００４】液状急結剤は、強アルカリ性を有するアル
カリ金属アルミン酸塩を主成分とするものが一般的に市
販されている。このため、吹付け工法に液状急結剤を使
用する場合には、安全性の面から、十分な配慮と対策が
必要であった。

【０００５】しかしながら、従来は、急結剤バルブを閉
じても急結剤ポンプは自動的に停止せず、急結剤ポンプ
を吹付け作業員以外の作業員が手動により停止しなけれ
ばならなかった。このため、急結剤バルブを閉じると、
急結剤供給パイプ内の圧力が高くなり、液状急結剤のパ
イプ接続部よりの噴出等、極めて危険性が大であり、操
作性にも問題があった。

【０００６】特開昭６０−５９６６号公報には、液状急
結剤を吹付けコンクリートに霧状にして添加する方法が
提案されてはいるが、この方法では、コンクリートを対
象としているために装置が大型であり、モルタル用には
適さない、また、特開昭６２−２３４６５号公報には、
モルタル用の吹付けノズルが提案されてはいるが、この
ノズルでは、閉塞に対する対策が十分ではなく、かつ、
吹付け面への拡散面積が広くなり、狭く限られた深い箇
所への使用には適さない。これらの方法やノズルは、液
状急結剤に対する安全対策が全く講じられていない。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、狭く限られた深い場所にモルタルを充填でき、
かつ、急結剤に対する前記の問題点を解決できる急結モ
ルタルの吹付けノズル装置を提供するにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、エアコ
ンプレッサからの加圧空気によってモルタルポンプから
のモルタルと急結剤ポンプからの急結剤とをノズルから
吹付ける急結モルタルの吹付けノズル装置において、前
記ノズルにはモルタルを吐出するパイプの外周にエアを
パイプに供給するエアリングが気密に取付けられ、その
エアリング取付部のパイプに吹付け方向に傾斜した複数
のエア穴が設けられ、そのエアリングの吹付け方向前側
に隣接してエアと混合した急結剤を供給する急結剤リン
グが設けられ、その急結剤リング取付部のパイプに吹付
け方向に傾斜した複数の穴が設けられており、前記エア
コンプレッサからの主エアラインはメインエアバルブを
介して前記エアリングおよび急結剤リングに接続され、
そしてエアコンプレッサからの副エアラインはエアフロ
ースイッチを介して前記パイプに設けたモルタルバルブ
と連動する開閉バルブに接続されてさらにエアリングに
接続され、モルタルポンプからのモルタルラインは圧力
センサを介して前記パイプに接続され、そして急結剤ポ
ンプからの急結剤ラインＬ４は電磁弁と圧力センサとを
介して急結剤リングに接続されている。

【０００９】さらに本発明によれば、前記副エアライン
とモルタルラインと急結剤ラインとに設けた各圧力セン
サからの信号を受けてモルタルポンプの駆動モータと急
結剤ポンプの駆動モータと急結剤ラインに設けた電磁弁
とを制御する制御装置が設けられている。

【００１０】

【作用】したがって、まず吹付け作業に際してエアコン
プレッサからの加圧エアをエアリングからパイプに導き
パイプから噴出させる。次いでモルタルバルブを開く
と、連動する副エアラインの開閉バルブが開き副エアラ
インからのエアがエアリングに流入すると共にモルタル
がパイプから吐出される。そして急結剤を噴霧させれば
よい。その際にモルタルに対して、エアおよび急結剤は
周囲からつつむようにしてエアリングおよび急結剤リン
グから吐出させるので吐出されたモルタルが比較的に広
がらずに狭い箇所に効率よく充填できる。

【００１１】吹付け作業を中止する場合に、急結剤ライ
ンのバルブを閉じると、急結剤ラインの圧力が上昇し、
その圧力を圧力センサが検知すると制御装置は電磁弁を
閉じ、急結剤ポンプの駆動モータを停止する。そしてサ
ブエアバルブを閉じると副エアラインの圧力が上昇し、
この圧力上昇を、副エアラインの圧力計が検知すると制
御装置はモルタルポンプの駆動モータを停止する。そし
てモルタルバルブを閉じればモルタルの吐出は完全に停
止する。主エアラインのメインバルブは半開状態とし、
エアリングおよび急結剤リングからエアを噴出させ、パ
イプ内にモルタルが付着するのを防止する。

【００１２】各圧力センサが故障した場合、または何ら
かの事情で緊急に停止したい場合、急結剤バルブおよび
モルタルバルブを閉じればよい。するとモルタルライン
の圧力センサが圧力の上昇を検知し、制御装置はモルタ
ルポンプおよび急結剤ポンプの駆動モータを停止する。

【００１３】なお、モルタルバルブと連動する副エアラ
インの開閉バルブはモルタルバルブが完全に閉じたとき
に若干開いていてエアをエアリングに供給するようにす
るのが好ましい。このようにするとパイプ内のモルタル
を除去できる。

【００１４】

【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を説
明する。

【００１５】図１において、全体を符号１で示すノズル
パイプの外側には、図２に示す、エアリング２と急結剤
リング３とがそれぞれＯリング４を介して気密に固着さ
れ、それぞれ穴２ａを介してエア回路１０と１１とが連
通されている。

【００１６】また、図３は図１のＡで示す部分の拡大図
であるが図３に示すようにノズルパイプ１には傾斜した
穴５か開けられている。そのノズルパイプ１の前記エア
リング２の上流側にはモルタルバルブ７が取付けられて
おり、ノズルパイプ１の端部はワンタッチカップリング
１４が取付けられている。

【００１７】そして、前記エアリング２に連結されたエ
ア回路１０にはメインエアバルブ８を介してメインエア
プラグ９が取付けられている。

【００１８】また、急結剤リング３に連結されたエア回
路１１はエア回路１０に接続されると共に急結剤バルブ
１２を介して急結剤ホース１３に接続されている。

【００１９】さらに、エアリング２にはサブエアバルブ
１５の一端が接続され、そのサブエアバルブ１５の他端
にはサブエアプラグ１６が設けられている。

【００２０】図４は本発明を実施した吹付けノズル装置
の全体を示し、図１に示したノズル部分は模式化して示
してある。図４において、吹付けノズル装置は、エアコ
ンプレッサ２０とモルタルポンプ２１と急結剤ポンプ２
２とを備えており、エアコンプレッサ２０からの主エア
ラインＬ１はメインエアプラグ９に接続されており、ま
た副エアラインＬ２にはエアフロースイッチ２３が設け
られ、そして副エアラインＬ２はサブエアプラグ１６に
接続されている。

【００２１】モルタルポンプ２１はモータＭ１で駆動さ
れ、モルタルをモルタルラインＬ３に供給するようにな
っており、モルタルラインＬ３は圧力センサ２４を備
え、そしてカップリング１４に接続されている。

【００２２】急結剤ポンプ２２はモータＭ２で駆動さ
れ、そして急結剤は前述の通り、急結剤ラインＬ４に送
られるが、このラインＬ４には電磁弁２５と圧力センサ
２６とが設けられている。

【００２３】そして制御装置Ｃはエアフロースイッチ２
３、圧力センサ２４、２６からの信号を受けてモータＭ
１、Ｍ２および電磁弁２５を制御するようになってい
る。

【００２４】作業に際し、吹付け作業時に作業員はメイ
ンエアバルブ８を開き、パイプ１からエアを噴出させ
る。次いでモルタルバルブ７を開き続いてサブエアバル
ブ１５を開き、モルタルを吐出する。そして急結剤バル
ブ１２を開き、急結性モルタルとして吹付ける。この際
にエアリング２および急結剤リング３によってモルタル
はエアおよび急結剤につつまれるようになってパイプ１
から噴射されるので、モルタルの拡がりが制限され、部
分的にモルタルを充填することができる。

【００２５】作業を中止する場合、まず急結剤バルブ１
２を閉じると圧力センサ２６が圧力の上昇を感知し、制
御装置Ｃは電磁弁２５を閉じそして急結剤ポンプ２２の
駆動モータＭ２を停止させる。

【００２６】そしてサブエアバルブ１５を閉じると圧力
センサ２３が圧力上昇を感知して制御装置Ｃはモルタル
ポンプ２１の駆動モータＭ１を停止させる。そしてメイ
ンエアバルブ８を半開状態としてエアリング２および急
結剤リング３からエアを常時噴出させ、パイプ１内にモ
ルタルが残留するのを防止する。

【００２７】以上は通常の作業であるが、緊急に停止さ
せたい場合、或は圧力センサ２３、２６または電磁弁２
５が故障した場合には急結剤バルブ１２およびモルタル
バルブ７を閉じればよい。すると、圧力センサ２４が圧
力の上昇を検知し、制御装置Ｃは駆動モータＭ１、Ｍ２
を停止させる。

【００２８】以上の通り本発明によればノズルの手許に
あるバルブの操作でモルタルの吹付けができ、ノズルの
径が細いのでせまい箇所への吹付けでモルタルのリバウ
ンドによる資材のロスが少なく、作業性はよいので高所
でも安全に作業できる。

【００２９】

【発明の効果】以上の通り、本発明によればエアリング
および急結剤リングによってモルタルがエアおよび急結
剤につつまれるようにしてパイプから吐出されるので、
吐出後の拡がりが少なく所定の箇所に好適に充填でき、
跳ね返りが少なく効率のよい吹付け作業をすることがで
きる。

【００３０】また、パイプには常時エアを噴出できる構
成としてあるのでパイプ内にモルタルが残留せず固結の
問題が生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す吹付けノズルの側断面
図。

【図２】図１のエアリングと急結剤リングの断面図。

【図３】図１のＡ部の拡大図。

【図４】本発明を実施した急結モルタルの吹付けノズル
装置の説明図。

【符号の説明】

１・・・パイプ ２・・・エアリング ３・・・急結剤リング ５・・・穴 ７・・・モルタルバルブ ８・・・メインエアバルブ １０、１１・・・エア回路 １２・・・急結剤バルブ １４・・・ワンタッチカップリング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市毛 將弘 東京都港区六本木３丁目16番26号 株式会 社エヌエムビー内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エアコンプレッサからの加圧空気によっ
   てモルタルポンプからのモルタルと急結剤ポンプからの
   急結剤とをノズルから吹付ける急結モルタルの吹付けノ
   ズル装置において、前記ノズルにはモルタルを吐出する
   パイプの外周にエアをパイプに供給するエアリングが気
   密に取付けられ、そのエアリング取付部のパイプに吹付
   け方向に傾斜した複数のエア穴が設けられ、そのエアリ
   ングの吹付け方向前側に隣接してエアと混合した急結剤
   を供給する急結剤リングが設けられ、その急結剤リング
   取付部のパイプに吹付け方向に傾斜した複数の穴が設け
   られており、前記エアコンプレッサからの主エアライン
   はメインエアバルブを介して前記エアリングおよび急結
   剤リングに接続され、そしてエアコンプレッサからの副
   エアラインはエアフロースイッチを介して前記パイプに
   設けたモルタルバルブと連動する開閉バルブに接続され
   てさらにエアリングに接続され、モルタルポンプからの
   モルタルラインは圧力センサを介して前記パイプに接続
   され、そして急結剤ポンプからの急結剤ラインＬ４は電
   磁弁と圧力センサとを介して急結剤リングに接続されて
   いることを特徴とする急結モルタルの吹付けノズル装
   置。
2. 【請求項２】 前記副エアラインとモルタルラインと急
   結剤ラインとに設けた各圧力センサからの信号を受けて
   モルタルポンプの駆動モータと急結剤ポンプの駆動モー
   タと急結剤ラインに設けた電磁弁とを制御する制御装置
   が設けられている請求項１記載の急結モルタルの吹付け
   ノズル装置。