JPH07184659A - イネ病害抵抗性関連遺伝子 - Google Patents
イネ病害抵抗性関連遺伝子Info
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- JPH07184659A JPH07184659A JP5349043A JP34904393A JPH07184659A JP H07184659 A JPH07184659 A JP H07184659A JP 5349043 A JP5349043 A JP 5349043A JP 34904393 A JP34904393 A JP 34904393A JP H07184659 A JPH07184659 A JP H07184659A
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Abstract
ールで処理した際にイネ植物体中に発現し、かつ病原菌
の感染により発現する遺伝子のcDNAを提供する。ま
た、単離された該遺伝子によりコードされる蛋白質を提
供する。 【効果】 本発明のDNA をプローブとして用いるこ
とにより、病害抵抗性を誘導する物質のスクリーニング
に利用することが可能であり、イネのジェノミックライ
ブラリーから、該遺伝子の発現調節部位をクローニング
することもできる。また植物におけるプロベナゾール処
理や病原菌の感染の有無について調べることもできる。
さらには、適当なプロモーターに本発明DNAを連結し
たキメラ遺伝子を作成し、植物に導入することにより、
病害抵抗性の形質転換植物を作出することも可能であ
る。
Description
連する遺伝子のcDNAに関し、また該cDNAがコー
ドする蛋白質に関する。
では、植物の病害を防除するためには、病原菌に直接の
殺菌効果を有する化学薬剤が主に用いられている。これ
らの薬剤は、実用化された当初は非常に強い防除効果を
示すものの、病原菌の耐性菌株の出現により、その薬剤
の防除効果が次第に弱まることが問題になっている。
イネいもち病防除剤であるオリゼメート粒剤は、その作
用成分であるプロベナゾールが直接の抗菌力をもたない
けれども植物の病害抵抗性を高めることにより病害を防
除することから(関沢ら;日本農薬学会誌,6,247
−255頁、1981年)、これまでのところ耐性菌の
出現が問題となっておらず、理想的な薬剤と言える。さ
らにプロベナゾールは、真菌の引き起こすイネいもち病
だけでなく、細菌の引き起こすキュウリ斑点細菌病やキ
ャベツ黒腐病などに対しても防除効果があり、この広い
作用スペクトラムも植物の病害抵抗性を誘導するといっ
た作用機構に付随したものであると考えられる。
る薬剤としては、N−シアノメチル−2−クロロ−イソ
ニコチン酸 (Seguchi, K. et al.;J. Pesticide Sci.,
17,107−113頁,1992年)、2,6−ジク
ロロ−イソニコチン酸(Metraux, J. P. et al.;Advanc
es in Molecular Genetics of Plant-Microbe Interact
ions, Vol.1,432−439頁,1991年)などが
知られているが、これらは実用化には至っていない。
剤ではあるが、イネいもち病菌以外の真菌が引き起こす
病害に対しては、病害抵抗性を誘導するといった前記の
作用機構から期待されるほどの防除効果を実際には示す
わけではない。プロベナゾールと類似の作用機構を持つ
が、異なる化学構造の化合物を効率的にスクリーニング
できる手段を入手することができれば、プロベナゾール
以上の薬剤を開発することが可能であると考えられる。
性を獲得する作用機構として、病害抵抗性に関与する一
群の遺伝子の発現が関わっていると考えられている。そ
の発現のためのこれらの遺伝子の一個またはそれ以上の
転写を先ず誘導できる物質は、プロベナゾール同様、病
害抵抗性誘導物質であることが期待される。これらの遺
伝子を単離してDNAプローブとして用いることができ
れば、効率的な病害抵抗性誘導物質のスクリーニングを
行うことができると期待できる。しかし、プロベナゾー
ル処理により転写を誘導される遺伝子の存在は示唆され
ているものの(南ら;植物防疫,46,32−35頁,
1992年)、その単離も、それのDNA配列も報告さ
れておらず、現在のところ上記の期待に利用できる遺伝
子はない。
ば、DNAプローブとして用いることにより、新たな病
害抵抗性誘導物質のスクリーニングに利用できる。その
上、このようなDNAプローブを用いると、イネのジェ
ノミックライブラリーから、該遺伝子並びにそれの前方
に連結する転写調節部位のスクリーニングとクローニン
グをすることができる。また、植物体でのプロベナゾー
ル処理の有無を検出することもできる。さらにその遺伝
子を直接に植物体に導入して強く発現させることによ
り、病害抵抗性の形質転換された植物を作出することも
可能であると考えられる。
ゾール処理することにより病害抵抗性の誘導されたイネ
における、プロベナゾール処理により転写を誘導された
遺伝子をディファレンシセルスクリーニングにより同
定、選抜してクローニングする研究を行った。この研究
に当って、先ずプロベナゾール処理したイネの全RNA
からmRNAを精製し、これからcDNAライブラリー
を作成した。他方、病害抵抗性をほとんど誘導しないプ
ロベナゾール類縁体であるN−ブチルサッカリンで処理
されて病害抵抗性を弱く誘導されたイネのRNAを鋳型
としてRIラベルしたcDNAプローブを調製し、また
プロベナール処理されて病害抵抗性を強く得たイネの全
RNAを鋳型として用いて、RIラベルしたcDNAプ
ローブをも調製し、これらプローブを用い、前記のcD
NAライブラリーから、後記の実施例1で詳述するよう
に操作して、目的とする遺伝子の選抜とクローニングに
成功した。また該遺伝子のDNA配列を決定して、新規
なcDNAの作製にも成功した。これらに基づいて、本
発明を完成するに至った。
配列表の配列番号1の塩基配列または該塩基配列の一部
からなるDNAが提供される。
表の配列番号1に示された塩基配列を有するDNAは、
イネのプロベナゾール処理でイネ植物体中に誘導されて
病害抵抗性の発現に寄与するPR蛋白質(Pathogenesis
Related Protein)またはこれの前駆体ポリペプチドをコ
ードする機能をもつと考えられる。
かも配列表の配列番号1に示された塩基配列の一部から
なるDNAとは、該塩基配列の全体を縮重することによ
る改変体であって該塩基配列の全体と同じ機能をもつD
NA配列を意味することができる。また、該塩基配列の
全体のうちから一部分の塩基を欠失された残りの塩基配
列を意味することもできる。
表の配列番号1に示された塩基配列を有するDNAから
推測されて蛋白質のアミノ酸配列が本発明者らにより決
定された。
配列番号2のアミノ酸配列または該アミノ酸配列の一部
からなる蛋白質が提供される。
りコードされる蛋白質であり、PR蛋白質の一種または
それの前駆体である。
について詳述する。
とクローニング 1.全RNAの抽出 病害抵抗性をほとんど誘導しないプロベナゾール類縁体
であるN−ブチルサッカリンを対照として用い、播種後
2週間目のイネ(Oryza sativa L. cv Jikkoku)に、10
0ppm の濃度で温室内にてN−ブチルサッカリンの
水面施用を行った。
素により凍らせた組織をワーリングブレンダーで破砕し
た。破砕組織に 2.5倍容のGTC溶液(4Mグアニジン
チオシアネート、25mMクエン酸ナトリウム、100
mMβ−メルカプトエタノール、16mMラウロイルサ
ルコシン酸ナトリウム)を添加し、撹拌後ナイロンメッ
シュで濾過した。濾液を遠心(15000rpm、10
分間、20℃)した後、上清2mlに対して塩化セシウ
ム1gを添加して溶解し、 5.7M塩化セシウム2.5ml
を入れた遠心管に10mlずつ重層した。その後、遠心
(25000rpm、20時間、20℃)した。
HCl,pH8.0 、1mM EDTA)に溶解し、
0.1倍容の3M酢酸ナトリウム溶液 (pH5.2)と 2.5倍
容のエタノールを加え、−80℃に30分間放置した。
その全RNAを遠心(15000rpm、10分間、4
℃)した後、70%エタノールで洗浄し、適量のTEに
溶解した。こうしてN−ブチルサッカリン処理したイネ
由来の全RNAの溶液を得た。
ルの水面施用で処理された播種後2週間目のイネから、
上記と同じ操作により、プロベナゾール処理したイネ由
来の全RNAの溶液を得た。
Aライブラリーの作成 (イ)mRNAの精製 Oligotex−dT30 <Super>(日本ロッシュ社)を用
い、添付のマニュアルに従って、前記のようにプロベナ
ゾール処理イネから抽出した全RNAからmRNAを取
出して精製した。
ラリーの作成 上記の精製mRNAからcDNAを合成することからな
るcDNAライブラリーの作成は、TimeSaver cDNA
Synthesis kit(ファルマシア社)を用いて行った。合
成したcDNAのクローニングのためには、λファージ
ベクターとして、λExcell(ファルマシア社)を用い、
合成したcDNAを添付のマニュアルに従ってベクター
に組み込み、そして組み換えλファージベクターを調製
した。次いで、この組み換えλファージベクターを大腸
菌に感染させ、プレートにて培養し、プラークを形成さ
せた。
を、1枚目は1分間、2枚目は3分間プレート上にの
せ、形成されたプラークを付着させた。このようにして
同じプラークが付着したものを2枚ずつ調製した。これ
らメンブランを 0.5M水酸化ナトリウムにてアルカリ処
理し、メンブラン中の上記の組み換えλファージベクタ
ー由来のDNAを1本鎖に変性、吸着させた。
したイネ由来の全RNAと、プロベナゾール処理したイ
ネ由来の全RNAを鋳型として使用し、オリゴ(dT)
をプライマーとして用い且つ〔α−32P〕dCTPの存
在下、逆転写酵素により、cDNAを夫々のプローブと
して合成した。この合成法の詳細を下記に示す。
ルサッカリンで処理したイネ由来の全RNA17.5μl
(20μg)を65℃で10分間加熱し急冷した後、反
応液32.5μlに加え(終濃度50mM Tris HCl,
pH8.3 、50mM塩化カリウム、4 mMジチオスレ
イトール、10mM塩化マグネシウム、3mM dAT
P,dGTP,dTTP、90KBq/μl〔α−
32P〕dCTP、1 unit/μlリボヌクレアーゼイン
ヒビター、 0.1μg/μlオリゴ(dT)16、4mM
ピロリン酸ナトリウム、0.5 units /μl AMVリバ
ーストランスクリプターゼ 0.4μg/μl全RNA)、
41℃で2時間反応させた。
l、 0.3M水酸化ナトリウム50μlを加え、100℃
で5分間加熱した。1M Tris HCl (pH8.0)15
μl、Tris飽和フェノール50μlを加えよく混合した
後、遠心(12000rpm、3分間、室温)し、上層
を別のチューブに移した。グリコーゲン1μl、 7.5M
酢酸アンモニウム60μl、エタノール360μlを加
え、ドライアイス上に15分間放置した後、静かにチュ
ーブを混ぜながら室温にもどした。遠心後(12000
rpm、10分間、室温)、上清を捨てると、合成され
たRIラベルされたDNAの沈殿が得られた。これをT
E 50μlに溶解し、 7.5M酢酸アンモニウム25μ
l、エタノール150μlを加え、再度ドライアイス上
に15分間放置し、静かにチューブを混ぜながら室温に
戻した。遠心後(12000rpm、10分間、室
温)、上清を捨て、合成されたDNAの沈殿を70%エ
タノールで洗浄した。沈殿を乾燥させた後、TE 20
0μlに溶解した。N−ブチルサッカリン処理イネ由来
の全RNAから合成されたDNAプローブと、プロベナ
ゾル処理イネ由来の全RNAから合成されたDNAプロ
ーブとの両方が得られた。液体シンチレーションカウン
ターでチェレンコフ光を測定し、ディファレンシャルス
クリーニングに用いる2種類のプローブの量を調整し
た。
由来の1本鎖DNAを吸着しているHybond−N+ メンブ
レンの2枚を、それぞれポリエチレン袋に入れ、Hybrid
ization Buffer Tablets(アマシャム社)で調製したバ
ッファーを添加し密封後、65℃で1時間インキュベー
ションした。これらメンブランに、それぞれに、プロベ
ナゾール処理したイネの全RNAから調製したcDNA
プローブと、N−ブチルサッカリン処理したイネの全R
NAから調製したcDNAプローブとを加え、65℃で
一晩ハイブリダイゼーションを行った。
夫々のメンブランに対して、次に、2×SSC(1×S
SC:150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸)
−0.1%SDSを加えて室温で2回洗浄した後、1×S
SC− 0.1%SDSを用い、65℃で1時間洗浄し、さ
らに 0.1×SSC− 0.1%SDSを用い、65℃で1時
間洗浄した。
ルしたクローンは、オートラジオグラフィーにより検出
した。放射能レベルの比較により、N−ブチルサッカリ
ン処理イネ由来のcDNAプローブに比べて、プロベナ
ゾール処理イネ由来のcDNAプローブに強くハイブリ
ダイズしたスポットを選定し、そして選定されたスポッ
トに対応する寒天培地上のプラークを特定した。このよ
うにすると、培養されたプラークのうち、プロベナゾー
ル処理イネ由来のDNAプローブにより強くハイブリダ
イズするクローンを陽性クローンとして選抜できた。こ
の陽性クローンは、プロベナゾール処理で転写誘導され
た遺伝子を組み入れたλファージベクターを含有すると
認められるので、この陽性クローンから、λExcellに添
付のマニュアルに従って、目的の遺伝子を含有するプラ
スミドベクターを得た。
たプラスミドベクター中のcDNAの塩基配列の決定
は、蛍光プライマーサイクルシーケンシングキット(ア
プライドバイオシステムズ社)を用い、添付のマニュア
ルに従って反応を行い、370A DNAシーケンサー
(アプライドバイオシステムズ社)によって解析するこ
とにより行った。
Aか否かの決定は、該cDNAを標識プローブとして用
い、当初の材料として用いたイネから全RNA画分を調
製してノーザンブロッティングによる解析を行い、対応
するmRNAの分子量と該cDNAの分子量を比較する
ことにより行った。
列を後記の配列表1に示した。また該cDNAから推測
される蛋白質のアミノ酸配列を配列表2に示した。
A)の転写誘導活性を試験するために、次の実験を行っ
た。すなわち、下記の9種の各種薬剤で処理したイネか
ら全RNAを抽出し、本発明のcDNAをプローブとし
て用いノーザンハイブリダイゼーションを行った。
施例1の(A)−1の方法に従って薬剤処理後6日目の
イネから行った。植物バイオテクノロジー実験マニュア
ル「クローニングとシークエンス」(農村文化社,19
89)に記載の方法に従って、10μgの全RNAをホ
ルムアルデヒドアガロースゲルを用いて電気泳動して分
画し、分画されたRNAをHybond−N+ メンブレンにブ
ロッティングした後、UVによりRNAを固定した。
NAに対応するブロッティングされたmRNAの検出
は、ECL direct nucleic acid labelling and detectio
n systems (アマシャム社)を用いて、添付のマニュア
ルに従って行った。この検出に際して用いられるDNA
プローブとしては、本発明の新規cDNAを含有する実
施例1の〔A〕−4で得られたプラスミドベクターから
EcoRI によりcDNA断片を切り出し、Sephaglas Band
Prep Kit(ファルマシア社)を用い、添付のマニュアル
に従って該cDNA断片を精製したものを用いた。ノー
ザンハイブリダイゼーションの結果を図1、図2に示し
た。
本発明遺伝子の転写誘導の有無と強弱を示すノーザンハ
イブリダイゼーションの結果を示す写真の複写図であ
る。
ーン2は100ppmエテホン散布の場合;レーン3は
100ppm1−ナフタレン酢酸散布の場合;レーン4
は5000ppmサリチル酸ナトリウム散布の場合;レ
ーン5は1000ppm塩化ナトリウム水面施用の場
合;レーン6は100ppmプロベナゾール水面施用の
場合;レーン7は1000ppmマンニトール水面施用
の場合を示す。
本発明遺伝子の転写誘導の有無と強弱を示すノーザンハ
イブリダイゼーションの結果を表わす写真の複写図であ
る。
ーン2は100ppmアリル O−スルファモイルベン
ゾエート水面施用の場合;レーン3は100ppmN−
エトキシカルボニルメチルサッカリン水面施用の場合;
レーン4は100ppmN−ブチルサッカリン水面施用
の場合;レーン5は100ppmN−シアノメチル−2
−クロロ−イソニコチンアミド水面施用の場合を示す。
薬剤、すなわち、エテホン、1−ナフタレン酢酸、サリ
チル酸ナトリウム、塩化ナトリウム、マンニトール、N
−エトキシカルボニルメチルサッカリン(病害抵抗性を
誘導しないプロベナゾール類縁体)では転写を誘導され
ない。ディファレンシャルスクリーニングで対照として
用いたN−ブチルサッカリンではわずかに誘導された
が、プロベナゾールと同等の作用を示すN−シアノメチ
ル−2−クロロ−イソニコチンアミド、アリルO−スル
ファモイルベンゾエート(プロベナゾールの代謝物質)
では比較的強い誘導が見られた。
ても病害抵抗性は誘導されるものの、その抵抗性に至る
カスケードの中では、プロベナゾールよりも後方に位置
すると考えられており、本発明cDNAは、カスケード
の中で比較的早期段階の反応に関わる遺伝子であると考
えられた。このことおよび上記の結果から、本発明cD
NAは、プローブとして用いることにより、新たな病害
抵抗性誘導物質のスクリーニングに利用することが可能
である。また本発明cDNAはイネのジェノミックライ
ブラリーから該遺伝子の転写調節部位のクローニングを
することができ、さらに植物体におけるプロベナゾール
処理の有無を検出することもできる。
写誘導について調べるために、傷害または病原菌接種を
受けたイネから全RNAを抽出し、その全RNAについ
て実施例2に記載と同様の方法に従ってノーザンハイブ
リダイゼーションを行った。
接種後3日目と6日目に行い、傷害の形成は、葉身およ
び葉鞘部をブラシで数十回たたくことにより行った。ま
た、病原菌接種はイネいもち病菌(Pyricularia oryzae)
の分生胞子を葉身部に散布し、湿度100%の暗黒下に
20時間放置することにより行った。このノーザンハイ
ブリダイゼーションの結果を図3に示した。
る本発明遺伝子の転写誘導の有無を示すノーザンブロッ
ティングの結果を表わす写真の複写図である。
の場合;レーン2はコントロール(6日目)の場合;レ
ーン3はいもち病菌接種(3日目)の場合;レーン4は
いもち病菌接種(6日目)の場合;レーン5は傷害(3
日目);レーン6は傷害(6日目)の場合;レーン7は
100ppmプロベナゾール水面施用(3日目);レー
ン8は100ppmプロベナゾール水面施用(6日目)
の場合を示す。
cDNAは、傷害では誘導されないものの、病原菌接種
により強く誘導され、いわゆるイネのPR(Pathogenesi
s Related)蛋白質をコードしていると考えられた。PR
蛋白質は、病害抵抗性と密接に関連していると考えられ
ており、非親和性の組み合わせでは、親和性の組み合わ
せよりも早い時期に誘導され、病気に対して抵抗性を示
す働きがある。
て用いることにより、病原菌の感染の有無を検出するこ
とができ、さらには、適当なプロモーターにこの遺伝子
(cDNA)を連結したキメラ遺伝子を作成し、植物に
導入することにより、病害抵抗性の形質転換植物を作出
することも可能である。
て用いることにより、新たな病害抵抗性誘導物質のスク
リーニングに利用することが可能であり、またイネのジ
ェノミックライブラリーから該遺伝子の転写調節部位の
クローニングをすることができる。また、植物体におけ
るプロベナゾール処理や病原菌の感染の有無を検出する
こともできる。さらには、適当なプロモーターに本発明
cDNAを連結したキメラ遺伝子を作り、植物に導入す
ることにより、病害抵抗性の形質転換植物を作出するこ
とも可能である。
による本発明遺伝子の転写誘導の有無と強弱を示すノー
ザンハイブリダイゼーションの結果を示す写真の複写図
である。
による本発明遺伝子の転写誘導の有無と強弱を示すノー
ザンハイブリダイゼーションの結果を表わす写真の複写
図である。
明遺伝子の転写誘導の有無を示すノーザンハイブリダイ
ゼーションの結果を表わす写真の複写図である。 〔配列表〕 配列番号:1 配列の長さ:834 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源:イネ(Oryza sativa L. cv Jikkoku) 配列 配列番号:2 配列の長さ:158 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
連する遺伝子のcDNAに関し、また該cDNAがコー
ドする蛋白質に関する。
では、植物の病害を防除するためには、病原菌に直接の
殺菌効果を有する化学薬剤が主に用いられている。これ
らの薬剤は、実用化された当初は非常に強い防除効果を
示すものの、病原菌の耐性菌株の出現により、その薬剤
の防除効果が次第に弱まることが問題になっている。
イネいもち病防除剤であるオリゼメート粒剤は、その作
用成分であるプロベナゾールが直接の抗菌力をもたない
けれども植物の病害抵抗性を高めることにより病害を防
除することから(関沢ら;日本農薬学会誌,6,247
−255頁、1981年)、これまでのところ耐性菌の
出現が問題となっておらず、理想的な薬剤と言える。さ
らにプロベナゾールは、真菌の引き起こすイネいもち病
だけでなく、細菌の引き起こすキュウリ斑点細菌病やキ
ャベツ黒腐病などに対しても防除効果があり、この広い
作用スペクトラムも植物の病害抵抗性を誘導するといっ
た作用機構に付随したものであると考えられる。
る薬剤としては、N−シアノメチル−2−クロロ−イソ
ニコチン酸 (Seguchi, K. et al.;J. Pesticide Sci.,
17,107−113頁,1992年)、2,6−ジク
ロロ−イソニコチン酸(Metraux, J. P. et al.;Advanc
es in Molecular Genetics of Plant-Microbe Interact
ions, Vol.1,432−439頁,1991年)などが
知られているが、これらは実用化には至っていない。
剤ではあるが、イネいもち病菌以外の真菌が引き起こす
病害に対しては、病害抵抗性を誘導するといった前記の
作用機構から期待されるほどの防除効果を実際には示す
わけではない。プロベナゾールと類似の作用機構を持つ
が、異なる化学構造の化合物を効率的にスクリーニング
できる手段を入手することができれば、プロベナゾール
以上の薬剤を開発することが可能であると考えられる。
性を獲得する作用機構として、病害抵抗性に関与する一
群の遺伝子の発現が関わっていると考えられている。そ
の発現のためのこれらの遺伝子の一個またはそれ以上の
転写を先ず誘導できる物質は、プロベナゾール同様、病
害抵抗性誘導物質であることが期待される。これらの遺
伝子を単離してDNAプローブとして用いることができ
れば、効率的な病害抵抗性誘導物質のスクリーニングを
行うことができると期待できる。しかし、プロベナゾー
ル処理により転写を誘導される遺伝子の存在は示唆され
ているものの(南ら;植物防疫,46,32−35頁,
1992年)、その単離も、それのDNA配列も報告さ
れておらず、現在のところ上記の期待に利用できる遺伝
子はない。
ば、DNAプローブとして用いることにより、新たな病
害抵抗性誘導物質のスクリーニングに利用できる。その
上、このようなDNAプローブを用いると、イネのジェ
ノミックライブラリーから、該遺伝子並びにそれの前方
に連結する転写調節部位のスクリーニングとクローニン
グをすることができる。また、植物体でのプロベナゾー
ル処理の有無を検出することもできる。さらにその遺伝
子を直接に植物体に導入して強く発現させることによ
り、病害抵抗性の形質転換された植物を作出することも
可能であると考えられる。
ゾール処理することにより病害抵抗性の誘導されたイネ
における、プロベナゾール処理により転写を誘導された
遺伝子をディファレンシセルスクリーニングにより同
定、選抜してクローニングする研究を行った。この研究
に当って、先ずプロベナゾール処理したイネの全RNA
からmRNAを精製し、これからcDNAライブラリー
を作成した。他方、病害抵抗性をほとんど誘導しないプ
ロベナゾール類縁体であるN−ブチルサッカリンで処理
されて病害抵抗性を弱く誘導されたイネのRNAを鋳型
としてRIラベルしたcDNAプローブを調製し、また
プロベナール処理されて病害抵抗性を強く得たイネの全
RNAを鋳型として用いて、RIラベルしたcDNAプ
ローブをも調製し、これらプローブを用い、前記のcD
NAライブラリーから、後記の実施例1で詳述するよう
に操作して、目的とする遺伝子の選抜とクローニングに
成功した。また該遺伝子のDNA配列を決定して、新規
なcDNAの作製にも成功した。これらに基づいて、本
発明を完成するに至った。
配列表の配列番号1の塩基配列または該塩基配列の一部
からなるDNAが提供される。
表の配列番号1に示された塩基配列を有するDNAは、
イネのプロベナゾール処理でイネ植物体中に誘導されて
病害抵抗性の発現に寄与するPR蛋白質(Pathogenesis
Related Protein)またはこれの前駆体ポリペプチドをコ
ードする機能をもつと考えられる。
かも配列表の配列番号1に示された塩基配列の一部から
なるDNAとは、該塩基配列の全体を縮重することによ
る改変体であって該塩基配列の全体と同じ機能をもつD
NA配列を意味することができる。また、該塩基配列の
全体のうちから一部分の塩基を欠失された残りの塩基配
列を意味することもできる。
表の配列番号1に示された塩基配列を有するDNAから
推測されて蛋白質のアミノ酸配列が本発明者らにより決
定された。
配列番号2のアミノ酸配列または該アミノ酸配列の一部
からなる蛋白質が提供される。
りコードされる蛋白質であり、PR蛋白質の一種または
それの前駆体である。
について詳述する。
とクローニング 1.全RNAの抽出 病害抵抗性をほとんど誘導しないプロベナゾール類縁体
であるN−ブチルサッカリンを対照として用い、播種後
2週間目のイネ(Oryza sativa L. cv Jikkoku)に、10
0ppm の濃度で温室内にてN−ブチルサッカリンの
水面施用を行った。
素により凍らせた組織をワーリングブレンダーで破砕し
た。破砕組織に 2.5倍容のGTC溶液(4Mグアニジン
チオシアネート、25mMクエン酸ナトリウム、100
mMβ−メルカプトエタノール、16mMラウロイルサ
ルコシン酸ナトリウム)を添加し、撹拌後ナイロンメッ
シュで濾過した。濾液を遠心(15000rpm、10
分間、20℃)した後、上清2mlに対して塩化セシウ
ム1gを添加して溶解し、 5.7M塩化セシウム2.5ml
を入れた遠心管に10mlずつ重層した。その後、遠心
(25000rpm、20時間、20℃)した。
HCl,pH8.0 、1mM EDTA)に溶解し、
0.1倍容の3M酢酸ナトリウム溶液 (pH5.2)と 2.5倍
容のエタノールを加え、−80℃に30分間放置した。
その全RNAを遠心(15000rpm、10分間、4
℃)した後、70%エタノールで洗浄し、適量のTEに
溶解した。こうしてN−ブチルサッカリン処理したイネ
由来の全RNAの溶液を得た。
ルの水面施用で処理された播種後2週間目のイネから、
上記と同じ操作により、プロベナゾール処理したイネ由
来の全RNAの溶液を得た。
Aライブラリーの作成 (イ)mRNAの精製 Oligotex−dT30 <Super>(日本ロッシュ社)を用
い、添付のマニュアルに従って、前記のようにプロベナ
ゾール処理イネから抽出した全RNAからmRNAを取
出して精製した。
ラリーの作成 上記の精製mRNAからcDNAを合成することからな
るcDNAライブラリーの作成は、TimeSaver cDNA
Synthesis kit(ファルマシア社)を用いて行った。合
成したcDNAのクローニングのためには、λファージ
ベクターとして、λExcell(ファルマシア社)を用い、
合成したcDNAを添付のマニュアルに従ってベクター
に組み込み、そして組み換えλファージベクターを調製
した。次いで、この組み換えλファージベクターを大腸
菌に感染させ、プレートにて培養し、プラークを形成さ
せた。
を、1枚目は1分間、2枚目は3分間プレート上にの
せ、形成されたプラークを付着させた。このようにして
同じプラークが付着したものを2枚ずつ調製した。これ
らメンブランを 0.5M水酸化ナトリウムにてアルカリ処
理し、メンブラン中の上記の組み換えλファージベクタ
ー由来のDNAを1本鎖に変性、吸着させた。
したイネ由来の全RNAと、プロベナゾール処理したイ
ネ由来の全RNAを鋳型として使用し、オリゴ(dT)
をプライマーとして用い且つ〔α−32P〕dCTPの存
在下、逆転写酵素により、cDNAを夫々のプローブと
して合成した。この合成法の詳細を下記に示す。
ルサッカリンで処理したイネ由来の全RNA17.5μl
(20μg)を65℃で10分間加熱し急冷した後、反
応液32.5μlに加え(終濃度50mM Tris HCl,
pH8.3 、50mM塩化カリウム、4 mMジチオスレ
イトール、10mM塩化マグネシウム、3mM dAT
P,dGTP,dTTP、90KBq/μl〔α−
32P〕dCTP、1 unit/μlリボヌクレアーゼイン
ヒビター、 0.1μg/μlオリゴ(dT)16、4mM
ピロリン酸ナトリウム、0.5 units /μl AMVリバ
ーストランスクリプターゼ 0.4μg/μl全RNA)、
41℃で2時間反応させた。
l、 0.3M水酸化ナトリウム50μlを加え、100℃
で5分間加熱した。1M Tris HCl (pH8.0)15
μl、Tris飽和フェノール50μlを加えよく混合した
後、遠心(12000rpm、3分間、室温)し、上層
を別のチューブに移した。グリコーゲン1μl、 7.5M
酢酸アンモニウム60μl、エタノール360μlを加
え、ドライアイス上に15分間放置した後、静かにチュ
ーブを混ぜながら室温にもどした。遠心後(12000
rpm、10分間、室温)、上清を捨てると、合成され
たRIラベルされたDNAの沈殿が得られた。これをT
E 50μlに溶解し、 7.5M酢酸アンモニウム25μ
l、エタノール150μlを加え、再度ドライアイス上
に15分間放置し、静かにチューブを混ぜながら室温に
戻した。遠心後(12000rpm、10分間、室
温)、上清を捨て、合成されたDNAの沈殿を70%エ
タノールで洗浄した。沈殿を乾燥させた後、TE 20
0μlに溶解した。N−ブチルサッカリン処理イネ由来
の全RNAから合成されたDNAプローブと、プロベナ
ゾル処理イネ由来の全RNAから合成されたDNAプロ
ーブとの両方が得られた。液体シンチレーションカウン
ターでチェレンコフ光を測定し、ディファレンシャルス
クリーニングに用いる2種類のプローブの量を調整し
た。
由来の1本鎖DNAを吸着しているHybond−N+ メンブ
レンの2枚を、それぞれポリエチレン袋に入れ、Hybrid
ization Buffer Tablets(アマシャム社)で調製したバ
ッファーを添加し密封後、65℃で1時間インキュベー
ションした。これらメンブランに、それぞれに、プロベ
ナゾール処理したイネの全RNAから調製したcDNA
プローブと、N−ブチルサッカリン処理したイネの全R
NAから調製したcDNAプローブとを加え、65℃で
一晩ハイブリダイゼーションを行った。
夫々のメンブランに対して、次に、2×SSC(1×S
SC:150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸)
−0.1%SDSを加えて室温で2回洗浄した後、1×S
SC− 0.1%SDSを用い、65℃で1時間洗浄し、さ
らに 0.1×SSC− 0.1%SDSを用い、65℃で1時
間洗浄した。
ルしたクローンは、オートラジオグラフィーにより検出
した。放射能レベルの比較により、N−ブチルサッカリ
ン処理イネ由来のcDNAプローブに比べて、プロベナ
ゾール処理イネ由来のcDNAプローブに強くハイブリ
ダイズしたスポットを選定し、そして選定されたスポッ
トに対応する寒天培地上のプラークを特定した。このよ
うにすると、培養されたプラークのうち、プロベナゾー
ル処理イネ由来のDNAプローブにより強くハイブリダ
イズするクローンを陽性クローンとして選抜できた。こ
の陽性クローンは、プロベナゾール処理で転写誘導され
た遺伝子を組み入れたλファージベクターを含有すると
認められるので、この陽性クローンから、λExcellに添
付のマニュアルに従って、目的の遺伝子を含有するプラ
スミドベクターを得た。
たプラスミドベクター中のcDNAの塩基配列の決定
は、蛍光プライマーサイクルシーケンシングキット(ア
プライドバイオシステムズ社)を用い、添付のマニュア
ルに従って反応を行い、370A DNAシーケンサー
(アプライドバイオシステムズ社)によって解析するこ
とにより行った。
Aか否かの決定は、該cDNAを標識プローブとして用
い、当初の材料として用いたイネから全RNA画分を調
製してノーザンブロッティングによる解析を行い、対応
するmRNAの分子量と該cDNAの分子量を比較する
ことにより行った。
列を後記の配列表1に示した。また該cDNAから推測
される蛋白質のアミノ酸配列を配列表2に示した。
A)の転写誘導活性を試験するために、次の実験を行っ
た。すなわち、下記の9種の各種薬剤で処理したイネか
ら全RNAを抽出し、本発明のcDNAをプローブとし
て用いノーザンハイブリダイゼーションを行った。
施例1の(A)−1の方法に従って薬剤処理後6日目の
イネから行った。植物バイオテクノロジー実験マニュア
ル「クローニングとシークエンス」(農村文化社,19
89)に記載の方法に従って、10μgの全RNAをホ
ルムアルデヒドアガロースゲルを用いて電気泳動して分
画し、分画されたRNAをHybond−N+ メンブレンにブ
ロッティングした後、UVによりRNAを固定した。
NAに対応するブロッティングされたmRNAの検出
は、ECL direct nucleic acid labelling and detectio
n systems (アマシャム社)を用いて、添付のマニュア
ルに従って行った。この検出に際して用いられるDNA
プローブとしては、本発明の新規cDNAを含有する実
施例1の〔A〕−4で得られたプラスミドベクターから
EcoRI によりcDNA断片を切り出し、Sephaglas Band
Prep Kit(ファルマシア社)を用い、添付のマニュアル
に従って該cDNA断片を精製したものを用いた。ノー
ザンハイブリダイゼーションの結果を図1、図2に示し
た。
本発明遺伝子の転写誘導の有無と強弱を示すノーザンハ
イブリダイゼーションの結果を示す写真の模写図であ
る。
ーン2は100ppmエテホン散布の場合;レーン3は
100ppm1−ナフタレン酢酸散布の場合;レーン4
は5000ppmサリチル酸ナトリウム散布の場合;レ
ーン5は1000ppm塩化ナトリウム水面施用の場
合;レーン6は100ppmプロベナゾール水面施用の
場合;レーン7は1000ppmマンニトール水面施用
の場合を示す。
本発明遺伝子の転写誘導の有無と強弱を示すノーザンハ
イブリダイゼーションの結果を表わす写真の模写図であ
る。
ーン2は100ppmアリル O−スルファモイルベン
ゾエート水面施用の場合;レーン3は100ppmN−
エトキシカルボニルメチルサッカリン水面施用の場合;
レーン4は100ppmN−ブチルサッカリン水面施用
の場合;レーン5は100ppmN−シアノメチル−2
−クロロ−イソニコチンアミド水面施用の場合を示す。
薬剤、すなわち、エテホン、1−ナフタレン酢酸、サリ
チル酸ナトリウム、塩化ナトリウム、マンニトール、N
−エトキシカルボニルメチルサッカリン(病害抵抗性を
誘導しないプロベナゾール類縁体)では転写を誘導され
ない。ディファレンシャルスクリーニングで対照として
用いたN−ブチルサッカリンではわずかに誘導された
が、プロベナゾールと同等の作用を示すN−シアノメチ
ル−2−クロロ−イソニコチンアミド、アリルO−スル
ファモイルベンゾエート(プロベナゾールの代謝物質)
では比較的強い誘導が見られた。
ても病害抵抗性は誘導されるものの、その抵抗性に至る
カスケードの中では、プロベナゾールよりも後方に位置
すると考えられており、本発明cDNAは、カスケード
の中で比較的早期段階の反応に関わる遺伝子であると考
えられた。このことおよび上記の結果から、本発明cD
NAは、プローブとして用いることにより、新たな病害
抵抗性誘導物質のスクリーニングに利用することが可能
である。また本発明cDNAはイネのジェノミックライ
ブラリーから該遺伝子の転写調節部位のクローニングを
することができ、さらに植物体におけるプロベナゾール
処理の有無を検出することもできる。
写誘導について調べるために、傷害または病原菌接種を
受けたイネから全RNAを抽出し、その全RNAについ
て実施例2に記載と同様の方法に従ってノーザンハイブ
リダイゼーションを行った。
接種後3日目と6日目に行い、傷害の形成は、葉身およ
び葉鞘部をブラシで数十回たたくことにより行った。ま
た、病原菌接種はイネいもち病菌(Pyricularia oryzae)
の分生胞子を葉身部に散布し、湿度100%の暗黒下に
20時間放置することにより行った。このノーザンハイ
ブリダイゼーションの結果を図3に示した。
る本発明遺伝子の転写誘導の有無を示すノーザンブロッ
ティングの結果を表わす写真の模写図である。
の場合;レーン2はコントロール(6日目)の場合;レ
ーン3はいもち病菌接種(3日目)の場合;レーン4は
いもち病菌接種(6日目)の場合;レーン5は傷害(3
日目);レーン6は傷害(6日目)の場合;レーン7は
100ppmプロベナゾール水面施用(3日目);レー
ン8は100ppmプロベナゾール水面施用(6日目)
の場合を示す。
cDNAは、傷害では誘導されないものの、病原菌接種
により強く誘導され、いわゆるイネのPR(Pathogenesi
s Related)蛋白質をコードしていると考えられた。PR
蛋白質は、病害抵抗性と密接に関連していると考えられ
ており、非親和性の組み合わせでは、親和性の組み合わ
せよりも早い時期に誘導され、病気に対して抵抗性を示
す働きがある。
て用いることにより、病原菌の感染の有無を検出するこ
とができ、さらには、適当なプロモーターにこの遺伝子
(cDNA)を連結したキメラ遺伝子を作成し、植物に
導入することにより、病害抵抗性の形質転換植物を作出
することも可能である。
て用いることにより、新たな病害抵抗性誘導物質のスク
リーニングに利用することが可能であり、またイネのジ
ェノミックライブラリーから該遺伝子の転写調節部位の
クローニングをすることができる。また、植物体におけ
るプロベナゾール処理や病原菌の感染の有無を検出する
こともできる。さらには、適当なプロモーターに本発明
cDNAを連結したキメラ遺伝子を作り、植物に導入す
ることにより、病害抵抗性の形質転換植物を作出するこ
とも可能である。
による本発明遺伝子の転写誘導の有無と強弱を示すノー
ザンハイブリダイゼーションの結果を示す写真の模写図
である。
による本発明遺伝子の転写誘導の有無と強弱を示すノー
ザンハイブリダイゼーションの結果を表わす写真の模写
図である。
明遺伝子の転写誘導の有無を示すノーザンハイブリダイ
ゼーションの結果を表わす写真の模写図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 配列表の配列番号1の塩基配列または該
塩基配列の一部からなるDNA。 - 【請求項2】 配列表の配列番号2のアミノ酸配列また
は該アミノ酸配列の一部からなる蛋白質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34904393A JP3485342B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | イネ病害抵抗性関連遺伝子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34904393A JP3485342B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | イネ病害抵抗性関連遺伝子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07184659A true JPH07184659A (ja) | 1995-07-25 |
JP3485342B2 JP3485342B2 (ja) | 2004-01-13 |
Family
ID=18401110
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP34904393A Expired - Fee Related JP3485342B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | イネ病害抵抗性関連遺伝子 |
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JP (1) | JP3485342B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003097837A1 (fr) * | 2002-05-20 | 2003-11-27 | National Institute Of Agrobiological Sciences | Gene reagissant au stress specifique de racines |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP34904393A patent/JP3485342B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2003097837A1 (fr) * | 2002-05-20 | 2003-11-27 | National Institute Of Agrobiological Sciences | Gene reagissant au stress specifique de racines |
AU2003234937B2 (en) * | 2002-05-20 | 2006-11-09 | National Institute Of Agrobiological Sciences | Stress-Responsive Root-Specific Genes |
AU2003234937B9 (en) * | 2002-05-20 | 2006-11-16 | National Institute Of Agrobiological Sciences | Stress-Responsive Root-Specific Genes |
US7605303B2 (en) | 2002-05-20 | 2009-10-20 | National Institute Of Agrobiological Sciences | Stress-responsive root-specific genes |
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