JPH07184398A - ステップモータの制御方法及び制御装置 - Google Patents

ステップモータの制御方法及び制御装置

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JPH07184398A
JPH07184398A JP34670393A JP34670393A JPH07184398A JP H07184398 A JPH07184398 A JP H07184398A JP 34670393 A JP34670393 A JP 34670393A JP 34670393 A JP34670393 A JP 34670393A JP H07184398 A JPH07184398 A JP H07184398A
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JP
Japan
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time
step motor
excitation
phase
sect
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JP34670393A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Asami
勝裕 浅見
Sunao Kitamura
直 北村
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Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Stepping Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステップモータに段付や振動のない滑らかな
低速回転をさせることができる制御方法及び制御装置を
提供すること。 【構成】 ステップモータの各励磁相を励磁すべきステ
ップタイムを複数のセクトに分割し、当該励磁相が実際
に励磁されるオンタイムと当該励磁相が実際には励磁さ
れないオフタイムとを反復させるステップモータのデュ
ーティ制御方法又はその制御装置であって、オンタイム
がステップタイム内に正弦関数的に配置されることによ
りスムーズな駆動力を得て、段付や振動を伴うことなく
低速回転を可能とする。ステップタイム中の前半の各セ
クトがオンタイムにより開始し、後半の各セクトがオフ
タイムにより開始することとすれば更によい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステップモータを低速
域においても滑らかに駆動制御するステップモータ制御
方法及び制御装置に関し、さらに詳細には、ステップモ
ータの各相の励磁時間をデューティ制御により正弦関数
的に配分し、ステップモータが固有振動する低速域にお
いて滑らかな駆動を実現するステップモータ制御方法及
び制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃エンジンのスロットルバルブ
をステップモータにより電子的に制御する技術が実施化
され、自動車においてもスロットルバルブ開閉用ステッ
プモータの駆動および停止を制御するためのステップモ
ータ制御装置が広く使用されている。ここで、スロット
ルバルブの開閉量をアクセルの踏み込み量に追従して制
御する必要があるため、ステップモータ制御装置は、ア
クセルの踏み込み量をポテンショメータ等のスロットル
センサでアナログデータとして計測し、そのスロットル
センサの計測値を一定間隔でサンプリングしA/D変換
して目標値とし、その目標値に応じてステップモータの
停止位置を制御することにより、スロットルバルブの開
閉量を制御している。
【0003】そして、自動車のスロットルバルブの場
合、自動車の運転状況に応じて、アクセルが急激に踏み
込まれる場合と、アクセル踏み込み量が徐々に変化する
場合とがあり、かつ、これが時々刻々に変化する。この
ため、スロットルバルブの開閉制御を行うステップモー
タは、通常のステップモータと異なり、低速から高速ま
での広範な速度域における速度変化に応答性よく追従し
なければならないのである。
【0004】従来、かかる要求に答えるためのスロット
ルバルブの位置制御の励磁パターンは、スロットルバル
ブをゆっくり動かす場合にはいわゆる1−2相励磁方
式、スロットルバルブを速く動かす場合にはいわゆる2
相励磁方式、の2つの励磁方式を組み合わせて使用して
いる。その理由は、スロットルバルブを速く動かす場合
には駆動周波数を高くしなければならないが、ステップ
モータのコイルの時定数による電流の立ち上がり遅れか
ら、有効電流が減少して発生トルクが小さくなってしま
うことにある。このため、高速域で2相励磁方式を採用
してトルクの低下を補っているのである。
【0005】例として、4つの励磁相を有する4相ステ
ップモータにおける、高速域で使用される2相励磁方式
による駆動について説明する。図6に2相励磁におけ
る、4相ステップモータの4つの励磁相ΦA、ΦB、Φ
-1、ΦB-1の励磁状態を示す。横軸は時間である。図
6によれば、最初ΦAとΦB-1とが励磁されており、以
後半ステップごとに励磁相がΦAとΦB、ΦBとΦ
-1、ΦA-1とΦB-1、の順に入れ替わり、これを繰り
返す。即ち常時2つの相が励磁されているので、2相励
磁式と称されるのである。一方、低速域で使用される1
−2相励磁方式は、1つの相が励磁されている状態と2
つの相が励磁されている状態とを交互に繰り返しなが
ら、励磁相が順次入れ替わって行くものである。そし
て、ステップモータの励磁相の励磁には、定電流方式と
定電圧方式とがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おけるステップモータの制御には、次に示すような問題
があった。即ち、従来専ら用いられていた定電流方式で
は、駆動回路として複雑なものを要し、機器サイズやコ
ストの点で不利であった。このため、簡単な回路構成で
済む定電圧方式に置き換えることが考えられるが、定電
圧方式には次のような問題点があった。
【0007】前記のように自動車におけるアクセル踏み
込み速度は、運転状態により異なる。一般にアクセル
は、始め徐々に踏み込まれその後急速に踏み込まれるこ
とが多い。これは、運転者の心理がブレーキとアクセル
とを踏み間違えていないことを確認しようとするためで
ある。この他アクセル踏み込み量がゆっくり変化する場
合としては、自動車を高速で巡行させているときに、勾
配や風に応じて走行速度の微調整をする場合等が考えら
れる。すなわち、これらの場合においては、ステップモ
ータを非常にゆっくりと駆動しなければならないのであ
る。
【0008】ところでステップモータは、その構造上本
質的に段階的な動きをするものであるから、ステップモ
ータにより開閉されるスロットルバルブもまた、段階的
な動きをすることとなる。むろん、かかる段付動作の弊
害を軽減するためステップモータの段を細かくする等の
対策がなされているので、アクセルが急速に踏み込まれ
スロットルバルブも急速に動く場合には、かかるスロッ
トルバルブの動きの段付が問題となることはあまりな
い。しかしアクセル及びスロットルバルブがゆっくり動
く場合には、ステップモータによる駆動の段付により種
々の問題を生じるのである。
【0009】図7に、従来の2相励磁駆動制御によりス
テップモータを低速駆動した場合の挙動を示す。図7の
上段はステップモータのある相における励磁電流を示
し、下段はそのときのステップモータのロータの回転角
を示す。上下段とも、横軸は時間である。図7の上段を
見ると、時刻P1 で電流が立ち上がり、時刻Q1 で電流
が切られ、時刻P'1で再び電流が立ち上がる挙動を反復
していることが理解できる。図示しないがステップモー
タの他の相にも、少しずつずれて同様にパルス状の電流
が印加される。各相に順次電流が印加されるので、各相
が順次磁束を発生してロータを駆動する。ここで時刻P
1 の電流の立ち上がり直前に、逆向電流Rがスパイク状
に流れているのは、相対する相の励磁電流の立ち上がり
の影響で発生しているものである。
【0010】次に図7の下段を見ると、ステップモータ
のロータが、階段状に回転していることが示されてい
る。これは当然、上段に示した励磁相のパルス状励磁に
基づくものであり、ロータ回転角の段P1 が励磁電流の
立ち上がりP1 に、段P'1が立ち上がりP'1に、それぞ
れ相当する。ロータ回転角の段P2〜P4は、他の相の励
磁電流の立ち上がりに相当するものである。
【0011】かかる段付挙動により次のような現象を伴
う。即ち、図7の下段に示すロータ回転角をよく見る
と、矢印Dに示すようにロータが一旦少し行き過ぎては
元に戻る動きを繰り返しており、いわゆる減衰振動が各
ステップごとに生じていることが理解できる。かかる現
象はステップモータに不可避なものであるが、ロータの
振動により、ロータとスロットルバルブとを接続するシ
ャフトの軸受けの摩耗を招くのである。このため軸受け
の寿命が短い。この現象を抑制する手段として例えば、
シャフトに公知のダンパー装置を備えて振動を減衰させ
ることが考えられるが、十分な減衰効果を得るにはダン
パーのイナーシャを大きく取る必要がある。
【0012】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、ステップモータの各相の励磁をデュ
ーティ制御により正弦関数的に配分することにより、ダ
ンパー装置なくしてステップモータを低速域においても
滑らかに駆動制御し、もってシャフトの摩耗を防止でき
るステップモータの制御方法及び制御装置を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明のステップモータの制御方法は、複数の励磁相を
有し各励磁相が順次励磁されることにより駆動されるス
テップモータの、各励磁相を励磁すべき各ステップタイ
ムを同一時間毎に複数のセクトに等分割し、各セクト
に、当該励磁相が実際に励磁されるオンタイムと当該励
磁相が実際には励磁されないオフタイムとを設け、ステ
ップモータをデューティ制御するステップモータの制御
方法において、各セクトのオンタイムがセクトの進行と
共に正弦関数的に変化し、各セクトのオンタイムに同期
して当該励磁相に定電圧を印加することをその要旨とす
る。
【0014】また、本発明のステップモータの制御装置
は、複数の励磁相を有するステップモータの各励磁相を
励磁する相別励磁手段と、前記相別励磁手段により励磁
されるべき励磁相を順次変更してステップモータの駆動
を制御する駆動制御手段と、前記駆動制御手段により各
励磁相が励磁されるべきとされるステップタイムを同一
時間毎の複数のセクトに等分割し、各セクトに当該励磁
相が実際に励磁されるオンタイムと当該励磁相が実際に
は励磁されないオフタイムとを設け、ステップモータを
デューティ制御するデューティ制御手段とを有するステ
ップモータの制御装置であって、各セクトのオンタイム
をセクトの進行と共に正弦関数的に変化するように決定
するオンタイム決定手段と、前記オンタイムに同期して
当該励磁相に定電圧を印加する電源とを有する構成とさ
れる。かかる構成により、前記の制御方法を実行するこ
とができる。
【0015】また、前記したステップモータの制御方法
又は制御装置において、第k番目のセクトにおけるオン
タイムtk が、 tk = (T/n)×sin((k×π)/n) (Tはステップタイム、nはステップタイム中のセクト
の数)で表されることが望ましい。そして本発明は、前
記したステップモータの制御方法又は制御装置におい
て、ステップタイム前半の各セクトのオンタイムの立ち
上がりが、そのセクトの開始時と一致し、ステップタイ
ム後半の各セクトのオンタイムの立ち下がりが、そのセ
クトの終了時と一致することとすれば更にその目的を良
好に達成できるものである。
【0016】
【作用】前記構成を有する本発明においては、駆動制御
手段によりステップモータの各励磁相が順次励磁対象相
とされる。そして、デューティ制御手段が、励磁対象と
なっている励磁相を、実際に励磁されるオンタイムと実
際には励磁されないオフタイムとにより反復制御する。
そして、オンタイム決定手段が、正弦関数的に変化する
ようにオンタイムを決定する。オンタイムには、当該励
磁相に電源の電圧が同期して印加される。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。図1に本実施例に係るステップモー
タの制御装置11の構成をブロック図で示す。ステップ
モータMを制御する制御装置11は、マイクロコンピュ
ータ12と駆動回路13とにより構成されている。ここ
でステップモータMは、ΦA、ΦB、ΦA-1、ΦB-1
4つの励磁コイルを有する4相ステップモータである。
ステップモータMの各励磁コイルは、共通電源16に接
続されている。駆動回路13は、TRA、TRB、TR
-1、TRB-1の4つのトランジスタを有し、各トラン
ジスタのコレクタ極がステップモータMの各励磁コイル
に接続される。各トランジスタのエミッタ極は接地され
ている。
【0018】マイクロコンピュータ12は、演算部14
と出力ポート15とを含んでいる。演算部14の構成を
図2のブロック図に示す。演算部14は、公知のCPU
17、ROM18、RAM22等を組合せてなる演算装
置であって、ここにCPU17は種々の演算処理の実行
を行い、ROM18は制御プログラムや必要なデータを
記憶しておくものであり、RAM22は演算処理により
得られるデータの一時記憶を行うものである。ROM1
8には、後述する2相励磁駆動プログラム19、デュー
ティ制御プログラム20、オンタイムデータテーブル2
1等が記憶されている。演算部14は、出力ポート15
を介して駆動回路13の各トランジスタのベース極に適
宜のベース電流を与えることにより、ステップモータM
の各相の励磁コイルに印加される電圧の時間を制御する
ものである。
【0019】かかる制御装置11では、出力ポート15
から特定のトランジスタ(例えばTRA)にベース電流
が印加されると、そのトランジスタ(TRA)がオンさ
れコレクタ極とエミッタ極との間が通電される。このた
め、そのトランジスタに対応する励磁コイル(ΦA)に
共通電源16の電圧が印加される。かくしてその励磁コ
イル(ΦA)に励磁電流が流れ、磁界が発生してステッ
プモータMが駆動される。出力ポート15からのベース
電流が切られると、そのトランジスタ(TRA)がオフ
されコレクタ極とエミッタ極との間が非通電となる。こ
のため、対応する励磁コイル(ΦA)に印加されていた
電圧がオフされ、その相の磁界は消失する。
【0020】上記構成を有する制御装置11の作用を説
明する。演算部14は、ROM18に記憶されている2
相励磁プログラム19により、基本的にはステップモー
タMを2相励磁で駆動する。2相励磁プログラム19
は、ステップモータMの4つの励磁相のうち常時2つを
励磁されるべきものとしつつ、順次励磁対象を順に入れ
代えて行くことにより、ステップモータMを回転駆動す
るものである。図3に、この実施例におけるステップモ
ータMの各励磁相に印加される励磁電圧を示す。横軸は
時間を示す。2相励磁では前記のように、ステップモー
タMの各相の励磁コイルのうち常時2つの相が励磁の対
象とされることになる。即ち、ステップモータMの4つ
の励磁相のうち、時刻T0 からT1 までは、ΦAとΦB
-1とが励磁対象相となっており、時刻T1 からT2 まで
は、ΦAとΦBとが励磁対象相となっている。以後順に
励磁対象相が、ΦBとΦA-1と、ΦA-1とΦB-1と、の
ように入れ替わり、これを繰り返す。
【0021】これにより、ステップモータMのロータ
が、順次異なる励磁相に吸引され回転されることにな
る。この、2つの相が励磁対象とされつつ順に入れ替わ
る点では、図6に示した従来の2相励磁式と大きな差は
ない。励磁相ΦAについて見れば、時刻T0 からT2
でが励磁対象となる時間であり、以下これを励磁相ΦA
のステップタイムTと呼ぶこととする。同様に他の各相
についてもステップタイムTが定義される。従来の定電
圧2相励磁駆動では、ある相のステップタイムT中は、
その相は常時励磁されていたわけである。
【0022】しかしながらこの実施例では、ROM18
に記憶されているデューティ制御プログラム20により
デューティ制御を行うので、ステップモータMの各励磁
相は、励磁対象となるステップタイムT中であっても、
常時励磁されているわけではない。以下、デューティ制
御について説明する。デューティ制御においては、図3
に示すように励磁相ΦAのステップタイムT中、励磁相
ΦAは実際に励磁がなされるオンタイムと実際には励磁
されないオフタイムとを反復繰り返している。即ち、励
磁相ΦAに着目すると、前記のようにそのステップタイ
ムTは時刻T0 からT2 までであるが、ステップタイム
T中といえども常時励磁されているわけではなく、更に
細分されてオンタイムとオフタイムとを反復繰り返して
いる。一方ステップタイムT以外の時間に励磁相ΦAが
励磁されることはない。
【0023】励磁相ΦAのステップタイムT中における
励磁のオンオフは、次のように定められる。まず、ステ
ップタイムTは、多数のセクトSに等分割されている。
セクトSは、ステップタイムTに適宜の間隔で励磁オン
とオフとを分散するために導入した概念であって、各セ
クトSにそれぞれ励磁オンタイムが割り当てられ、残り
の時間がオフタイムとなり、オンタイムとオフタイムと
が反復されるデューティ制御がなされる。この実施例で
は、ステップタイムTを後述するように30のセクトS
に分割することとしている。
【0024】図3をよく見ると、励磁相ΦAのステップ
タイムT中、初期(T0 付近)においてはオフタイムが
長い一方オンタイムが短い。そして、セクトSの進行に
伴いオンタイムが次第に長くなる一方オフタイムが短縮
され、中期(T1 付近)においてはオンタイムが長くオ
フタイムが短くなっている。そしてさらにセクトSが進
行すると、逆にオフタイムが次第に長くなる一方オンタ
イムが短縮され、終期(T2 付近)においては再びオフ
タイムが長くオンタイムが短くなっている。この様子を
図4の拡大図に示す。これは、電圧印加による駆動力を
ステップタイムT内になるべく正弦関数形的に配分する
ことにより、ステップモータの回転を滑らかなものとす
ることをねらいとしたものである。
【0025】本実施例のデューティ制御においては、R
OM18のオンタイムデータテーブル21に各セクトS
におけるオンタイム等が記憶されており、デューティ制
御プログラム20ではこれに従いデューティ制御を行う
のである。オンタイムデータテーブル21に記憶されて
いる各セクトSのオンタイムとオフタイムとの一覧表を
表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1では、60msのステップタイムTを
2msのセクトSに30等分した場合の例を示してい
る。1セクトの時間は、2msに限られるものではない
が、5ms以上だと、デューティ制御の効果が不充分で
滑らかな回転が得られない。一方、1セクトの時間の下
限は、8ビットCPUの演算処理スピードにより制限さ
れ、現状では0.1ms程度である。
【0028】表1のW欄は、デューティ制御を行うため
に分割されたステップタイムTにおけるセクトSの番号
を示す。第1番セクトS1 の始期が図3中T0 に、第1
5番セクトS15と第16番セクトS16との間がT1 に、
第30番セクトS30の終期がT2 に、それぞれ相当す
る。表1のX欄は、ステップタイムTを半波長としたと
きの各セクトSを進角(θk )で表したものである。即
ち第k番セクトSk の進角は、 θk = (k×180)/n (゜) (1) で表され、ここではセクトSの総数nは30であるから
(1)式は、 θk = (k×180)/30 (゜) (2)
【0029】そして、表1のY欄は、ステップタイムT
に駆動力を正弦関数的に分散すべく、各セクトSにおけ
るオンタイムを三角関数により計算で導いたものであ
る。即ち、第k番めのセクトSk におけるオンタイムt
k を、 tk = (T/n)×sin((k×π)/n) (3) なる式により算出したものである。(3)式において、
(T/n)なる因子が1セクトの時間を意味する。ここ
では、ステップタイムTは60ms(=60000μ
s)であり、セクトSの総数nは30であるから、
(3)式は、 tk = 2000×sin((k×π)/30) (μs) (4) となる。また、進角θk ゜を用いて、 tk = 2000×sinθk゜ (μs) (5) と書くこともできる。
【0030】Y欄において、各セクトSにおけるオフタ
イムは、セクトタイム(=T/n)からオンタイムtk
を除いた残余時間であるから、第k番めのセクトSk
おけるオフタイムt'kは、 t'k = (T/n)−tk (6) となる。ここでは、1セクトの時間は2ms(=200
0μs)であるから、(6)式は、 t'k = 2000−tk (μs) (7) と表される。かかるY欄に示すオンタイムtk 及びオフ
タイムt'kに従いステップモータの各励磁相を定電圧駆
動することにより、駆動力を正弦関数的に配分すること
ができる。
【0031】ここで、実際のデューティ制御におけるオ
ンタイム及びオフタイムは、図2中CPU17のクロッ
クスピードにより定まる最小時間の制約を受けるので、
厳密に上記Y欄に示す値になるとは限らない。実際のデ
ューティ制御におけるオンタイムτk 及びオフタイム
τ'kを表1のZ欄に示す。Z欄のオンタイムτk は、C
PU17の制約の範囲内でなるべく前記Y欄のオンタイ
ムtk に近い値となるようにしたものである。図3及び
図4のグラフは、このZ欄に示すオンタイムτk 及びオ
フタイムτ'kに従ったものである。
【0032】図4のグラフを更に詳細に見ると、ステッ
プタイムT中の前半の各セクトSは、オンタイムτk
立ち上がりで開始され、そしてオフタイムτ'kで終了し
ている。一方、後半の各セクトSはオフタイムτ'kによ
り開始され、そしてオンタイムτk の立ち下がりで終了
している。各セクトSにおいてオンタイムτk とオフタ
イムτ'kとの順序をこのようにすることにより、他の順
序とした場合と比較してステップモータの回転が更にス
ムーズになるものである。その理由は、ステップタイム
T中のオンタイムτk の配置が対称的になるためである
と考えられる。かくして、基本的には2相励磁駆動を行
いつつ各励磁相の制御は上記のようなデューティ制御が
なされる。従って、各励磁相が発生する駆動力は正弦関
数的に変化し、他の励磁相の発生する駆動力も同様に正
弦関数的であるから、ステップモータをして非常にスム
ーズな回転をさせることができるものである。
【0033】かくして図4のグラフに示すデューティ制
御をしたときの励磁コイルにおける実際の電流値とロー
タの回転角を図5に示す。図5のグラフの上段は、ステ
ップモータMのある相における励磁電流を示し、下段は
そのときのステップモータMのロータの回転角を示す。
図5の上段によれば、励磁電流がほぼ正弦関数的に変化
していることがわかる。そして図5の下段によれば、ロ
ータが滑らかに回転していることが理解できる。図7に
示す従来の制御方法の場合と比較してその差は歴然とし
ており、ロータの段付運動や振動現象は殆ど見られな
い。尚、図5の上段において励磁相には、ステップタイ
ム以外のときに逆電流Nが認められる。これは逆相(Φ
Aに対してΦA-1)の発生する電流の影響によるもので
あり、従来技術の図7に記号Rで示したものに相当す
る。
【0034】以上詳細に説明したように、本実施例のス
テップモータの制御装置11又はそれによって実行され
る制御方法によれば、ステップモータMの各励磁相が発
生する駆動力が正弦関数的であるので、ステップモータ
Mを滑らかに回転させることができる。特にステップモ
ータMを非常にゆっくりと回転させる場合においても、
段付や振動現象が発生することがない点で優れるもので
ある。このため、自動車の運転状況によりスロットルバ
ルブをゆっくりと動かす必要がある場合等においても、
ステップモータMの段付や振動現象により軸受け部材の
摩耗等が発生することがない。
【0035】以上、実施例について本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形改良が
可能であることは容易に推察できるものである。例え
ば、本実施例では4相ステップモータを駆動制御する場
合について説明したが、4相に限らず他の種類のステッ
プモータの駆動制御をする場合にも適用できる。また、
本実施例ではスロットルバルブを開閉するステップモー
タの制御装置又は制御方法について説明したが、ステッ
プモータを低速かつ滑らかに回転させる場合であれば他
の用途にも適用できる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のステップモータ制御方法又は制御装置によれば、
ステップモータの各励磁相を順次励磁してステップモー
タを駆動するに際し、各励磁相が実際に励磁されるオン
タイムと実際には励磁されないオフタイムとの反復によ
りデューティ制御し、各励磁相が実際に励磁されるオン
タイムを正弦関数的に決定するので、ステップモータを
低速域においても段付なく滑らかに駆動制御することが
できる。そして、ステップタイム前半には、オンタイム
の立ち上がりをそのセクトの開始時とし、ステップタイ
ム後半には、オンタイムの立ち下がりをそのセクトの終
了時とすれば、ステップモータの回転が更にスムーズと
なる。かくして、ダンパー装置なくしてステップモータ
を低速域においても滑らかに駆動制御し、もってシャフ
トの摩耗を防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステップモータの制御方法を行う制御
装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ステップモータの制御装置の演算部のブロック
図である。
【図3】図1に示す制御装置により行われる2相励磁デ
ューティ駆動を示す説明図である。
【図4】図3に示す2相励磁デューティ駆動における1
つの相の状態を拡大して示す図である。
【図5】本発明の制御方法によるステップモータの駆動
状況を示すデータ図である。
【図6】従来の2相励磁デューティ駆動を示す説明図で
ある。
【図7】従来の制御方法によるステップモータの駆動状
況を示すデータ図である。
【符号の説明】
11 制御装置 12 マイクロコンピュータ 13 駆動回路 TRA〜TRB-1 トランジスタ 14 演算部 16 共通電源 17 CPU 18 ROM 21 RAM M ステップモータ ΦA〜ΦB-1 励磁相 S セクト T ステップタイム tk、τk オンタイム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の励磁相を有し各励磁相が順次励磁
    されることにより駆動されるステップモータの、 各励磁相を励磁すべき各ステップタイムを同一時間毎に
    複数のセクトに等分割し、 各セクトに、当該励磁相が実際に励磁されるオンタイム
    と当該励磁相が実際には励磁されないオフタイムとを設
    け、ステップモータをデューティ制御するステップモー
    タの制御方法において、 各セクトのオンタイムがセクトの進行と共に正弦関数的
    に変化し、 各セクトのオンタイムに同期して当該励磁相に定電圧を
    印加することを特徴とするステップモータの制御方法。
  2. 【請求項2】 複数の励磁相を有するステップモータの
    各励磁相を励磁する相別励磁手段と、 前記相別励磁手段により励磁されるべき励磁相を順次変
    更してステップモータの駆動を制御する駆動制御手段
    と、 前記駆動制御手段により各励磁相が励磁されるべきとさ
    れるステップタイムを同一時間毎の複数のセクトに等分
    割し、各セクトに当該励磁相が実際に励磁されるオンタ
    イムと当該励磁相が実際には励磁されないオフタイムと
    を設け、ステップモータをデューティ制御するデューテ
    ィ制御手段とを有するステップモータの制御装置におい
    て、 各セクトのオンタイムをセクトの進行と共に正弦関数的
    に変化するように決定するオンタイム決定手段と、 前記オンタイムに同期して当該励磁相に定電圧を印加す
    る電源とを有することを特徴とするステップモータの制
    御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載するステップモータの制
    御方法又は請求項2に記載するステップモータの制御装
    置において、 第k番目のセクトにおけるオンタイムtk が、 tk = (T/n)×sin((k×π)/n) (Tはステップタイム、nはステップタイム中のセクト
    の数)で表されることを特徴とするステップモータの制
    御方法又はステップモータの制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3に記載するステップモ
    ータの制御方法又は制御装置において、 ステップタイム前半の各セクトのオンタイムの立ち上が
    りが、そのセクトの開始時と一致し、 ステップタイム後半の各セクトのオンタイムの立ち下が
    りが、そのセクトの終了時と一致することを特徴とする
    ステップモータの制御方法又は制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100724259B1 (ko) * 2006-03-30 2007-05-31 지멘스 오토모티브 주식회사 자동차의 스텝 모터 제어 방법
JP2011103942A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Fujishoji Co Ltd 遊技機

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