JPH0718209U - 三次元計測用反射シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入射角が４５°を超える場合でも、計測機の
盛替えを行うことなく計測し得る三次元計測用反射シー
トを提供する。 【構成】 透明樹脂製プリズム反射板２の裏面に粘着剤
を積層し、かつ粘着剤層３に剥離紙４を貼付した方形の
粘着反射シート５の反射面に、その一辺より短い矩形若
しくは半円形で少なくとも片面を反射面とするプリズム
反射板からなる垂直反射シート６が立設されていること
により、粘着反射シートに対する入射角が４５°以内の
場合には、その反射面により、又、入射角が４５°を超
える場合には、垂直反射シートの反射面により反射光が
得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、光波を用いた三次元計測を行う際に、被計測物にターゲットとして 貼付される三次元計測用反射シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

三次元計測用反射シートは、光波を用いて測距及び測角を行う三次元セオドラ イト等の計測機から発射された光を計測機に反射するためのもので、従来、透明 アクリル樹脂等からなるプリズム反射板の裏面に、粘着剤を積層し、かつ粘着剤 層に剥離紙を貼付する一方、プリズム反射材の反射面に、その中心を交点とする ターゲット十字線等をプリントして構成されており、剥離紙を剥がして粘着剤層 により、ターゲット十字線が被測定物の十字線に合うように貼付されるものであ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の三次元計測用反射シートでは、計測機から発射された光 の入射角が４５°を超えると計測機への反射が起こらないので、計測が不可能と なり、計測機の盛替えを行わなければならない不具合があった。 そこで、本考案は、入射角が４５°を超える場合でも、計測機の盛替えを行う ことなく計測し得る三次元計測用反射シートの提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案の三次元計測用反射シートは、透明樹脂製プ リズム反射板の裏面に粘着剤を積層し、かつ粘着剤層に剥離紙を貼付した方形の 粘着反射シートの反射面に、その一辺より短い矩形若しくは半円形で少なくとも 片面を反射面とするプリズム反射板からなる垂直反射シートが立設されているこ とを特徴とする。 前記粘着反射シートの反射面には、その中心を中心とするリング状の乱反射防 止面がプリントされていることが好ましい。 又、粘着反射シートの反射面には、その中心を通りかつ垂直反射シートと直交 する比較的細い直線と、垂直反射シートの延長上に位置しかつその厚さと同じ太 さの直線とからなるターゲット十字線がプリントされていることが好ましい。 一方、垂直反射シートの反射面には、粘着反射シートの反射面の中心に垂直な 直線と、垂直反射シートの高さの同等以下の長さを曲率半径としかつ粘着シート の反射面の中心を曲率中心とする半円弧とからなるターゲット線がプリントされ ていることが好ましい。

【０００５】

【作用】

上記手段においては、粘着反射シートに対する入射角が４５°以内の場合には 、その反射面により、又、入射角が４５°を超える場合には、垂直反射シートの 反射面により反射光が得られる。 粘着反射シートの反射面にリング状の乱反射防止面がプリントされていること により、粘着反射シートの反射面からの光が垂直反射シートの反射面に当って反 射する、いわゆる光のゴースト現象（乱反射）が防止される。 又、粘着反射シートの反射面に太さの異なる直線からなるターゲット十字線が プリントされていることにより、被計測物の十字線との位置合わせと、粘着反射 シートの視準位置の確認が容易となる。 更に、垂直反射シートの反射面にターゲット線がプリントされていることによ り、垂直反射シートの視準位置の確認が容易となる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を参照して説明する。 図１，図２，図３及び図４はそれぞれ本考案の三次元計測用反射シートの実施 例を示す斜視図，正面図，側面図及び要部の断面図である。 この三次元計測用反射シート１は、透明アクリル樹脂等からなる方形のプリズ ム反射板２の裏面に粘着剤を積層して粘着剤層３とし、かつ粘着剤層３に剥離紙 ４を貼付して粘着反射シート５とする一方、粘着反射シート５の反射面（図３， 図４においては上面）に、透明アクリル樹脂等からなり、その一辺より短い矩形 で両面を反射面とするプリズム反射板からなる垂直反射シート６を垂直に立設し て構成されている。

【０００７】 粘着反射シート５の反射面には、その中心を中心とし、かつ垂直反射シート６ の長さを外径とするリング状の乱反射防止面７が黒色インクでプリントされてい る。 又、粘着反射シート５の反射面には、その中心を通りかつ垂直反射シート６と 直交する比較的細い直線８ａと、垂直反射シート６の延長上に位置し、かつその 厚さと同じ太さの直線８ｂとからなるターゲット十字線８が黒色インクでプリン トされており、ターゲット十字線８の比較的太い直線８ｂの両端部の両側には、 後述するように計測機で視準した際に、細い直線８ａとの区別を容易にするため 、白抜き三角形のマーク９が黒色インクでプリントされている。 一方、垂直反射シート６の反射面には、粘着反射シート５の反射面の中心に垂 直な直線１０ａと、垂直反射シート６の高さを曲率半径とし、かつ粘着反射シー ト５の反射面の中心を曲率中心とする半円弧１０ｂとからなるターゲット線１０ が、同様に黒色インクでプリントされている。

【０００８】 上記構成の三次元計測用反射シート１を用いて三次元計測を行うには、図５に 示すように、橋脚等の被計測物１１の所要箇所に設けられた十字線（図示せず） と粘着反射シート５のターゲット十字線８とが重なるように、剥離紙４を剥がし て反射シート１を貼付する。 そして、適宜場所に設置された三次元セオドライト等の計測機１２から反射シ ート１のターゲット十字線１０の交点（ターゲットポイント）Ｐを視準し、かつ このターゲットポイントＰに向けて光を発射すると、計測機１２の設置場所にか かわらず、反射光が計測機１２に返ってきて三次元計測が行われる。 つまり、粘着反射シート５の反射面に対する入射角（ターゲットポイントにお いて被計測物に立てた法線と計測機の入射方向とのなす角をいう。）４５°以下 で発射光が入射された場合には、その反射面により、又、入射角が４５°を超え て発射光が入射された場合には、垂直反射シート６の反射面により反射されて計 測機に入射されるためである。

【０００９】 なお、上記実施例においては、垂直反射シート６を矩形とする場合について説 明したが、これに限定されるものではなく、例えば粘着反射シート５の一辺より 短い弦を有する半円形（三日月形を含む）としてもよい。 又、垂直反射シート６は、両面を反射面とする場合に限らず、片面のみを反射 面としてもよい。

【００１０】 ここで、被計測物１１のターゲットポイントＰ′に、従前の反射シート２１ の半分を立設した場合（図６参照）、従来の反射シート２１を直角に折曲して 貼付した場合（図７参照）、従前の反射シート２１の一部をコ字形に切り込み 、この切り込み部を直角に折曲した場合（図８参照）、及び従来の反射シート ２１の一部をコ字形に切り込み、この切り込み部を直角に折曲し、かつ反射シー ト２１の半分を遮蔽物２２で遮蔽した場合（図９参照）について、入射角θを４ ５°以上とし、かつターゲット視準方法を変え、ソキア製マンキスを用いて４回 の三次元計測したところ、表１〜表４に示すようになった。

【００１１】

【表１】

【００１２】

【表２】

【００１３】

【表３】

【００１４】

【表４】

【００１５】 この結果、１回目のの計測で、Ｘ座標において１５mm程度、Ｙ座標において ２４mm程度、，及びの場合と異なるものの、その他の値が全て１．０〜１ ．５mm以内に収まっているので、本考案のもの（，及びに相当）は、実用 上問題はないといえる。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の三次元計測用反射シートによれば、粘着反射シ ートに対する入射角が４５°以内の場合には、その反射面により、又、入射角が ４５°を超える場合には、垂直反射シートの反射面により反射光が得られるので 、入射角が４５°を超える場合でも、計測機の盛替えを行うことなく三次元計測 を行うことができる。 粘着反射シートの反射面にリング状の乱反射防止面がプリントされていること により、粘着反射シートの反射面からの光が垂直反射シートの反射面に当って反 射する乱反射が防止されるので、計測精度を高めることができる。 又、粘着反射シートの反射面に太さの異なる直線からなるターゲット十字線が プリントされていることにより、被計測物の十字線との位置合わせと、粘着反射 シートの視準位置の確認が容易となるので、計測を容易に行うことができる。 更に、垂直反射シートの反射面にターゲット線がプリントされていることによ り、垂直反射シートの視準位置の確認が容易となるので、計測を一層容易に行う ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の三次元計測用反射シートの一実施例を
示す斜視図である。

【図２】図１の反射シートの正面図である。

【図３】図１の反射シートの側面図である。

【図４】図２におけるIV−IV線断面図である。

【図５】図１の反射シートの使用状態を示す斜視図であ
る。

【図６〜図９】各種反射シートの使用状態の説明図であ
る。

【符号の説明】

２ プリズム反射板 ３ 粘着剤層 ４ 剥離紙 ５ 粘着反射シート ６ 垂直反射シート ７ 乱反射防止面 ８ ターゲット十字線 １０ ターゲット線

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明樹脂製プリズム反射板の裏面に粘着
   剤を積層し、かつ粘着剤層に剥離紙を貼付した方形の粘
   着反射シートの反射面に、その一辺より短い矩形若しく
   は半円形で少なくとも片面を反射面とするプリズム反射
   板からなる垂直反射シートが立設されていることを特徴
   とする三次元計測用反射シート。
2. 【請求項２】 請求項１記載の三次元計測用反射シート
   において、前記粘着反射シートの反射面に、その中心を
   中心とするリング状の乱反射防止面がプリントされてい
   ることを特徴とする三次元計測用反射シート。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載の三次元計測用反射
   シートにおいて、前記粘着反射シートの反射面に、その
   中心を通りかつ垂直反射シートと直交する比較的細い直
   線と、垂直反射シートの延長上に位置しかつその厚さと
   同じ太さの直線とからなるターゲット十字線がプリント
   されていることを特徴とする三次元計測用反射シート。
4. 【請求項４】 請求項２又は３記載の三次元計測用反射
   シートにおいて、前記垂直反射シートの反射面に、粘着
   反射シートの反射面の中心に垂直な直線と、垂直反射シ
   ートの高さの同等以下の長さを曲率半径としかつ粘着反
   射シートの反射面の中心を曲率中心とする半円弧とから
   なるターゲット線がプリントされていることを特徴とす
   る三次元計測用反射シート。