JPH07180422A - 互いに相対移動可能な2つの物体を固定する固定装置 - Google Patents

互いに相対移動可能な2つの物体を固定する固定装置

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JPH07180422A
JPH07180422A JP6308445A JP30844594A JPH07180422A JP H07180422 A JPH07180422 A JP H07180422A JP 6308445 A JP6308445 A JP 6308445A JP 30844594 A JP30844594 A JP 30844594A JP H07180422 A JPH07180422 A JP H07180422A
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    • F16F9/00Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 互いに相対移動可能な2つの物体をさまざま
な位置で固定する固定装置を提供する。 【構成】 一方の物体に結合された中空シリンダ1とこ
の中空シリンダ内を摺動可能なピストン(6,102,122,15
2,159,205,256,271) とを備えており、該ピストンが、
中空シリンダ1から外方に延びたピストンロッド(3,30)
を介して他方の物体と結合されており、ピストンが、外
部に対して密封された中空シリンダを、作動流体を含有
した2つの体積可変作動室に分離しており、2つの作動
室の流体接続が、ピストン内の交換装置を介して少なく
とも部分的に可能であるものにおいて、交換装置が、互
いに相対摺動可能な少なくとも2つの部品からなり、静
止位置を占める基本位置から外に摺動後に、流体接続部
が開放される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、互いに相対移動可能な
2つの物体をさまざまな位置で固定する固定装置であっ
て、一方の物体に結合された中空シリンダとこの中空シ
リンダ内を摺動可能なピストンとを備えており、該ピス
トンが、中空シリンダから外方に延びたピストンロッド
を介して他方の物体と結合されており、ピストンが、外
部に対して密封された中空シリンダを、作動流体及び/
又は気体を含有した2つの体積可変作動室に分離してお
り、2つの作動室の流体接続が、ピストン内の交換装置
を介して少なくとも部分的に可能であるものに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】かかる固定装置が、特に、ドア及び窓を
固定するためのものとして既に知られている(例えば、
ドイツ特許公報第 14 59 182号)。公知の固定装置で
は、両端が密閉されたシリンダ内でピストンロッドがシ
リンダ末端に密封して挿通されている。ピストンロッド
はシリンダの空洞の内部でピストンと結合されており、
このピストンがシリンダを2つの作動室に分離する。2
つの作動室は、ピストンの内部を延びた2つの流路を通
して互いに連通している。各運動方向に付属して逆止め
弁が設けられており、この弁はそれぞれ1つの流れ方向
にのみ開弁することができる。逆止め弁がそれぞれ弁体
を含み、弁体はばねの予圧によって流入口に対して遮断
位置に予圧されており、ピストンの停止時に弁体が流入
口を遮断する。ピストンロッドがシリンダに対して相対
的に移動すると、一方の作動室内に超過圧力が生じ、こ
の圧力が当該逆止め弁に作用する。ピストンロッドの運
動が始まると、この圧力はまず弁体の小さな面にのみ作
用し、この面はこの弁体に付属した流入口の横断面によ
って決まっている。それ故、弁体を密封位置から持ち上
げるためには、作動室内にかなりの超過圧力が必要であ
る。両作動室間で流れが始まった後に、弁体の一層大き
な負荷面が負荷される。
【0003】公知の解決策では、ドアを比較的安定させ
て開位置と閉位置との間の任意の位置で固定することが
できる。任意の位置で固定されたドア等を初期運動に移
すためには比較的大きな押圧力が必要である。それ故、
ドアは意図せざる衝撃を受けてもその位置を変えない。
他方、運動に移されたドアを更に開き又は閉じるのには
比較的小さな力で間に合う。それ自体有利ではあるこの
挙動は、不利なことに、かなりの構造支出によってのみ
達成され、そのことがこれまでこの原理の幅広い応用の
妨げとなっていた。構造支出は、特に、両作動室間に2
つの流路を設けねばならないことに起因している。この
2つの流路を設けるには、流路を形成する多数の孔が必
要となり、そのなかには、ピストン内に偏心配置しなけ
ればならない軸方向孔もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、外部
操作要素を必要とすることなくドア、フラップ等の無段
式係止を可能とする安価な液圧式、空気圧式又は流体圧
式鎖錠要素を含み、互いに相対移動可能な2つの物体を
固定する固定装置を提供することであり、その際、鎖錠
力の強さが適宜に維持されなければならない。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明によれば、交換装置が、互いに相対摺動可能
な少なくとも2つの部品からなり、静止位置を占める基
本位置から外に摺動後に、流体接続部が開放されるよう
に、提案される。別の主要特徴によれば、ピストンの構
造が単純であることから安価な部品が使用され、該部品
は組付けが容易であり、又、特別の慎重さを必要とする
ことなく、確実に機能する系へと組立てることができ
る。一層確実な機能経過は、温度条件が変化する場合に
も与えられている。好ましい態様では、交換装置として
ピストンが2部品で構成されている。
【0006】別の主要な特徴によれば、ピストンが半径
方向外側部品と半径方向内側部品とに分割されており、
両方の部品が軸方向で互いに相対摺動可能である。この
態様において、有利には、半径方向内側部品がピストン
ロッド上で密封して保持されており、半径方向外側部品
が中空シリンダに対して密封して支承されている。別の
主要な特徴によれば、交換装置が、固定保持された部品
と、引張方向及び圧縮方向のためにそれぞれ1つの摺動
可能な部品とを有する。
【0007】別の1つの構成によれば、相対摺動可能な
部品の少なくとも1つが弾力的に支えられている。好ま
しい態様では、流体接続部は、少なくとも1つの面が円
錐状となるように部品の相対向した面によって形成され
る。
【0008】更に、流体接続部は、少なくとも1つの面
に少なくとも1つの軸方向にくさび状に延びた溝が設け
られているように、部品の相対向した面によって形成さ
れる。この場合、利点として、この態様は鎖錠圧力と動
圧との間で特別柔らかい圧力平衡を可能とし、障害とな
る切換騒音が生じない。本発明の1つの構成によれば、
流体接続部が、長手軸に対して角度を成した凹部として
1つの部品に設けられており、隣接した部品に遮断手段
が配置されている。更に、互いに相対摺動可能に設けら
れた部品が軸方向で前後に配置されている。
【0009】好ましい1つの態様では、部品間に受容さ
れたピストンリングが、流体接続部のための遮断手段と
して構成されている。別の構成では、流体接続部が絞り
弁を備えている。別の1つの特徴によれば、中空シリン
ダ内に、ばね及び/又は気体で予圧された補償室が設け
られている。好ましい1つの態様では、ピストンロッド
が両方の作動室に挿通されている。
【0010】別の1つの構成では、中空シリンダ内に、
分離壁を介して、別の流体充填室が形成され、交換装置
がピストン及び/又は分離壁内に配置されている。支持
するばねの力を少なくとも部分的に補償するために、別
の1構成では、軸方向に摺動可能な部品の少なくとも1
つが係止要素を備えている。この場合、有利には、係止
要素としてスナップ要素、ばね要素及び/又は摩擦要素
を設けることができる。
【0011】
【実施例】本発明の好ましい実施例が図面に略示されて
いる。図1では、中空シリンダ1内に、外部に対して密
封された空間が配置されており、該空間は、作動流体が
充填され、ピストン系20によって2つの分離された作動
室4、5に分離されている。ピストンは、両側が、外部
に通されたピストンロッド3と結合されている。ピスト
ン系は、物質嵌合、形状嵌合又は摩擦嵌合によってピス
トンロッド3と強固に結合されたピストン6と、1つの
密封要素9と、ピストン6に対して相対摺動可能な2つ
の部品8、7と、2つの予圧要素10、11と、2つの固定
要素12、13とからなる。
【0012】固定装置が静止状態のとき、予圧要素10、
11によって部品8、7がピストン6の方に摺動し、これ
により密封要素9が限定された位置に移動し、この位置
において密封要素9が作動室4、5を分離する。例え
ば、ピストンロッドが引張されると、作動室の分離又は
密封によって作動室4内に圧力が増成される。この圧力
が流体接続部17を介して密封要素9に作用し、これによ
り密封要素9が部品7に当接して、こうして、部品7に
対して軸方向摺動力を作用させ、この摺動力が部品7を
予圧要素11に抗して摺動させようとする。部品7は予圧
要素11によって所定の位置で保持され、該要素自体は固
定要素13によって支えられる。
【0013】ピストンロッド3に加わる引張力によっ
て、密封要素9の(図2に見られるように圧力と密封要
素9の液圧断面積Aとから帰結する)軸方向摺動力が予
圧要素11の支持力よりも大きくなるような圧力が作動室
4内に生成されると、密封要素9が部品7を軸方向でピ
ストンから離れる方に押圧し、これにより密封要素9が
その密封位置から離れる。ピストン6の特殊な輪郭によ
って密封要素9がその密封機能を失い、作動流体は作動
室4から流体接続部17を介してピストン6と部品7との
間の空隙に流入することができる。この空隙は孔14によ
って作動室5と連通されている。作動流体が空隙内に、
そして孔14を介して作動室5に流入した後、作動室4内
の鎖錠圧力が低い動圧に低減し、この動圧は、図3に見
られるように部品7の一層大きな液圧面Bに関して、最
後方の位置で、即ち開位置で、部品7を引き続き保持す
る。
【0014】作動室4、5が流体接続部17及び孔14を介
して接続されていることによって、ピストン6の調整
が、従ってピストンロッド3の調整が可能である。流体
接続部16はこの位置において密封要素9によって密封さ
れる。こうして、当初の高い鎖錠力を克服した後に、小
さな調整力で調整が可能である。
【0015】ピストンロッドの運動が停止されると、作
動室4、5間で圧力補償が行われ、こうして、密封要素
9に対して(動圧と帰結する液圧面Bとから帰結する)
開口力は生じない。予圧要素11の力によっていまや部品
7がピストン6の方に摺動し、こうして密封要素9がそ
の密封位置に摺動し、これにより作動室4、5が再び相
互に分離される。
【0016】軸方向におけるピストン6の外面の特殊な
輪郭によって、鎖錠圧力と動圧との間で円滑な移行が可
能であり、これにより鎖錠圧力と動圧との間で柔軟な圧
力平衡が可能である。更に、密封要素9と中空シリンダ
1との間の摩擦によって、運動方向に応じて、流体接続
部16又は17の確実な密封が可能となる。押込み方向にお
いて前記機能経過がやはり与えられており、但し、開弁
すると作動流体は作動室5から流体接続部16及び孔15を
通して作動室4に流入する。更に、作動室5を外部に対
して密封して予圧する可変密封要素18(例えば圧縮コイ
ルばね、ガスクッション等)を配置することによって、
液体作動流体の場合に温度変化によって体積補償を可能
とすることが可能である。Oリング、矩形リング、特殊
成形された密封リングが、例えば鋼、合成樹脂又はゴム
材料又はその他の密封材料からなる補剛材付きで又はそ
れなしに、密封要素9として使用することができる。作
動流体としては、公知のあらゆる液体媒体、気状媒体、
例えば油、気体等が、可能である。
【0017】図4には、ピストン系を変更する別の可能
性が示してあり、1つの弁機能は図1におけるピストン
ロッド3に、別の弁機構が分離壁を介して中空シリンダ
1内に設けられている。このことの利点として、長いピ
ストンロッド3が省かれることによって固定装置は一層
短く構成される。ピストンロッド30が引張方向に負荷さ
れると、ピストンに配置されたピストン系40が作動し
て、図1のもとで述べられた機能を可能とする。それと
平行して、ピストンロッドに発生する空洞は、室19から
流体孔61、62を介して、作動室5に追加流入する作動流
体で充填される。弁系60に配置された弁板63は、この流
れ方向のとき、その座から持ち上がって、通路を開口す
るので、流れを遮断しない。
【0018】ピストンロッド30が圧縮方向の力で負荷さ
れると、作動室5内に圧力が増成され、この圧力は中空
シリンダ内に配置された弁系60の弁操作をもたらす。こ
の弁系は図1のもとで述べられたものと同じ原理に従っ
て機能する。それと平行して、作動室5内の圧力は密封
要素43が密封位置から離れて円板42の方に摺動するのを
引き起こし、こうして作動流体は作動室5から流体接続
部16、50を介して作動室4に流入することができる。こ
の運動経過は、専ら、中空シリンダ1内に配置された弁
系60によって制御される。ピストンロッド30の運動が停
止されると、作動室5と室19との間で圧力補償が行わ
れ、これにより、密封要素64に対して開口力が生じな
い。予圧要素67の力によっていまや滑動子65が弁体68の
方に移動し、こうして密封要素64がその密封位置に移動
する。こうして器械はピストンロッドの圧縮方向で鎖錠
されている。引張方向において密封要素43は、引張荷重
を受けると、作動室4内の圧力と中空シリンダ1での摩
擦とによって直ちに密封位置に移動して、この方向でも
固定装置は鎖錠されるであろう。
【0019】図5には、弁板101 とピストン102 と密封
要素103 と支持板104 と予圧要素105 とスリーブ106 と
取付要素107 とからなる別のピストン系100 の可能性が
示されている。ピストンロッド30が引張方向の力で負荷
されると、作動室4内に圧力が増成され、この圧力が弁
板101 をピストン102 に押圧して流体孔112 を密封す
る。更に、この圧力が流路113 を介して密封要素103 に
加わり、密封要素103 は、軸方向において、圧力と流体
接続部113 の液圧断面とから帰結する力で負荷される。
予圧要素105 によって、密封要素103 は支持板104 を介
して密封位置で保持される。作動室4内の圧力が大きく
て、密封要素103 に加わる加圧力が予圧要素105 の予圧
力を克服すると、密封要素103 と支持板104 が軸方向に
移動し、作動流体は作動室4から流体接続部113 を介し
て空隙4.1 に流入することができる。
【0020】スリーブ106 内の流体接続部110 は、移動
した支持板104 によって閉鎖される。いまや支持板104
及び密封要素103 の全面に圧力が作用するので、支持板
104は予圧要素105 に抗して移動する。流体孔111 を通
して媒体が空隙4.1 から作動室5に流入する。その際、
作動室4内の圧力が低い圧力レベルに低下し、ピストン
ロッドの運動は一層弱い力でも可能である。しかし、い
まや大きくなった液圧有効断面積の動圧から帰結する軸
方向力が予圧要素105 の力よりも大きいので、ピストン
系の弁は引き続き開いたままである。弁系120 が中空シ
リンダ1内に配置されていることによって、ピストンロ
ッド30の引き出しによって発生する空洞は、作動流体が
室19から流路130, 131, 132を介して作動室5に追加流
入することによって充填される。弁板121 は、この流れ
方向のとき弁板121 が分離壁を構成するピストン122 の
密封座から離れる方に押圧されて、支障のない流れが可
能となるように、実施され且つ弁系120 に配置されてい
る。
【0021】ピストンロッド30が圧縮方向の力で負荷さ
れると、作動室5内に圧力が増成され、この圧力は中空
シリンダ1内に配置された弁系120 の弁操作をもたら
す。この弁系はピストン系100 と同じ原理に従って作用
する。それと平行して、作動室5から流体接続部を構成
する流路110 、流体孔111 及び流体孔112 を介して作動
流体が作動室4に流入する。弁板101 は、この流れ方向
のとき弁板101 がピストン102 の密封座から離れる方に
押圧され、こうして支障のない流れが可能となるよう
に、実施され且つピストン系100 に配置されている。こ
の操作方向のとき作動流体は作動室5からピストン系10
0 を介して作動室4に、又弁系120 を介して室19に流入
する。この運動経過は、専ら、中空シリンダ内に配置さ
れた弁系120 によって制御される。ピストンロッド30の
運動が停止されると、作動室5と室19との間で圧力補償
が行われ、これにより、密封要素123 及び弁板101 には
開口力が加わらない。予圧要素125 の力によっていまや
支持板124 及び密封要素123 がピストン122 の方に密封
位置へと移動し、流路133 が再び閉鎖される。こうし
て、固定装置は、圧縮方向でも引張方向でも鎖錠されて
いる。
【0022】分離ピストン45が中空シリンダ1内に配置
されていることにより、ピストンロッド30の押込み時に
押しのけられた体積によって、又はピストンロッド30の
引き出し時に必要となる体積によって、及び、特に液圧
流体の場合、温度変化時に、体積を適合する可能性が得
られる。更に、ピストンに設けられた特殊な密封縁を介
して、又は付加的密封要素119又は139 によって、弁板1
01, 121の密封を行うことができる。更に、予圧要素10
5, 125と協動して鎖錠力の大きな変動を生じるように、
流路113, 133を穿設されている。更に、流路113, 133の
自動的開保持をさまざまなピストン速度に合わせて設計
することができるように、流体接続部111, 131が穿設さ
れている。別の可能性は、強い鎖錠力が持続的に克服さ
れた場合にのみ操作が可能となるように、孔111, 131を
穿設することにある。このように設計した場合、支持板
104, 124とピボットとの間に十分な遊隙が存在するな
ら、スリーブ106, 126及び流体孔111, 131は省くことが
できる。
【0023】図6に基づいて、二重に作用するピストン
系150 のピストンロッド30、31への配置を説明する。作
動原理は図5と同じである。ピストンロッド30が引張力
で負荷されると、作動室4内に圧力が増成され、この圧
力が流路168 を介して密封要素153 に作用する。それと
平行して、弁板151がピストン152 の密封座に押圧さ
れ、これにより流体孔167 が密封される。作動室4内の
圧力と流路168 の断面積とから生ずる加圧力が予圧要素
155 の力よりも大きいと、密封要素153 及び支持板154
は予圧要素155 に抗して移動する。作動流体は、いま
や、流路168 及び流体孔165 を通って空隙4.5 に流入
し、そこから流路163 、流体孔164 及び流体孔162 を介
して作動室5に流入する。弁板160 は、この流れ方向の
とき弁板160 がピストン159 の密封座から離れる方に押
圧され、こうして支障のない流れが可能となるように、
実施され且つ弁系150 に配置されている。
【0024】支持板154 の面と密封要素153 の面とから
帰結する拡大した断面積によって、空隙4.1 内での支持
板154 の前では、流路168 を開保持し又こうして流れを
維持するのには、開口圧力よりも低い動圧で間に合う。
ピストンロッドの運動が停止されると、密封要素153
は、予圧要素155 によって支持板154 を介して、ピスト
ン152 に設けられた密封位置に移動し、こうして固定装
置が鎖錠される。ピストンロッドが圧縮方向に負荷され
ると、引張方向のときと同じ作用原理が基礎となり、但
し密封要素158 と支持板157 は支持要素155 に抗して移
動する。
【0025】図7は、ピストン系200 を備えた流体圧式
固定装置の別の実施態様を示す。ピストンロッド30が引
張方向に負荷されると、作動室4内で圧力が増成され、
この圧力が流体孔235, 236, 234 及び流路233 を介して
密封要素207 に加わる。この場合、玉206 は、流路234
内に現れる圧力によって、流路232 が閉じられるように
切換えられる。現れる圧力と流路233 の有効断面積とか
ら帰結する加圧力が予圧要素209 の支持力よりも大きい
と、密封要素207 及び支持板208 が支持要素209 に抗し
て移動する。いまや圧力は支持板208 の環状面全体に作
用する。流路231 を介していまや作動流体は作動室4か
ら作動室5に流入することができる。流路230 は支持板
208 によって閉鎖されている。作動流体の流出によって
鎖錠圧力が低い動圧に低下し、ピストンロッドは、強い
鎖錠力の克服後、小さな調整力で動かすことができる。
ピストンロッド30の運動が停止されると、作動室4と作
動室5との間で圧力補償が行われ、これにより密封要素
207 はピストン205 に設けられたその密封位置に移動す
る。器械は鎖錠されている。ピストンロッドが圧縮方向
に負荷されると、引張方向のときと同じ機能経過が起
き、但し玉206 が孔234 を閉鎖し、密封要素204 は予圧
要素201 に抗して移動する。流体孔235, 231の好適な横
断面によって、ピストンロッドを動かすための操作力
も、ピストンロッドの調整速度も、調節することができ
る。
【0026】別の可能性を示す図8では、ピストン系25
0 は、拡張可能な機能を有するモジュール方式に合わせ
て構成することができる。副組立体250.1 又は250.2 を
備えたピストン系250 を−−作用原理に応じて−−ピス
トンロッド30に配置することができる。副組立体250.1
でもって、両方向で調整するために、当初の高い鎖錠力
を克服した後は、なお僅かな調整力が必要となるだけで
ある。副組立体250.2 を備えたピストン系が実施される
と、ピストンロッド30の圧縮方向でのみ高い鎖錠力が達
成され、後には、小さな調整力が達成される。引張方向
では、弁板272 の実施に応じて、ピストンロッドの運動
時にも一定に留まるさまざまな鎖錠力を達成することが
できる。ピストンロッド30が引張方向で負荷されると、
作動室4内に圧力が増成され、この圧力は流路263, 26
4, 262 を介して、副組立体250.1 の場合密封要素257
に、副組立体250.2 の場合弁板272 に加わる。副組立体
250.2 では、一定圧力以降に弁板272 がピストン271 の
密封座から持ち上げられ、これにより作動流体は作動室
4から作動室5に流入することができる。
【0027】副組立体250.1 では、予圧要素259 が円板
260 を介してピストン256 で支えられ、該ピストンがピ
ストンロッド30と強固に結合されており、作動室4内の
圧力と流路262 の有効断面積とから帰結する加圧力が予
圧要素259 の予圧力よりも大きいとき、密封要素257 が
予圧要素に抗して移動される。その際、作動室4内の圧
力が支持板258 の全面に作用する。ノズル孔261 を通し
て作動流体が作動室4から作動室5に流入することがで
き、こうして作動室4内の高い鎖錠圧力が小さな動圧に
低減する。この動圧は、支持板258 又は密封要素257 を
予圧要素259 に抗して確実に摺動させるのに十分であ
る。ピストンロッドの運動が停止されると、作動室4及
び作動室5内で圧力補償が生じ、これにより、副組立体
250.1 では密封要素257 が、ピストン256 に設けられた
その密封位置に移動し、副組立体250.2 では弁板272 が
ピストン271 の密封座に当接する。これにより、固定装
置は鎖錠されている。
【0028】ピストンロッドが圧縮方向で負荷される
と、作動室5内に圧力が増成され、この圧力は流路265
を介して密封要素254 に加わる。密封要素254 に加わる
加圧力が予圧要素251 の予圧力よりも大きいとき、引張
方向におけると同じ機能経過が現れる。この場合、作動
流体は流路265 及び流路263 を通って作動室4に流入す
る。支持板253 が予圧要素251 に抗して摺動したなら、
流路264 は支持板253 によって閉鎖されている。それと
平行して、弁組立体250.2 では弁板272 がピストン271
の密封座にしっかり押圧され、弁組立体250.1 では密封
要素257 が流体孔262 を閉鎖する。所要の機能に応じ
て、モジュール原理に従って個々の機能を構成すること
ができる。
【0029】図9、図10にはピストン/弁系の設計上
簡単な実施態様が示されている。1運動方向に関しての
み鎖錠機能を達成する可能性があり、図4又は図5にお
ける弁系60又は120 を省くことによって、こうした機能
を容易に且つ安価に実現することができる。運動方向に
応じて、押込み方向又は押出し方向で鎖錠を行うことが
でき、この場合他方の方向ではほぼ自由な通過が、従っ
て鎖錠が不可能である。このことが、図9ではきわめて
柔らかいばね円板272 によって、又図10では密封要素
43を密封位置から僅かに押し出すことによって、可能と
なる。
【0030】図11にはピストン6が詳細にして示して
あり、最適化のために、軸方向にくさび状に延びた溝19
が外周面に設けられている。このような溝19を利用する
と、鎖錠圧力と動圧との間で特に柔らかい圧力平衡が達
成され、障害となる切換騒音は現れない。図11に示し
たピストンは片側系用に構成されており、両方の運動方
向で作用する系のためには溝19を適宜に対称に設けねば
ならない。しかし、両運動方向について見て溝19を非対
称に設けた実施態様も考えられる。
【0031】図12には別の実施態様が示してあり、こ
の場合ピストン6に付属して摺動可能な部品7.5, 8.5が
設けられており、これらの摺動可能な部品7.5, 8.5は、
部分的に軸方向に延びた溝16.5又は17.5を備えている。
この実施態様では、弁が開くと、即ち密封要素9が片側
又は反対側に摺動すると、内径に部分的に軸方向の溝が
設けられた摺動可能な部品7.5 又は8.5 が密封要素9か
ら移動して離れ、密封断面全体が直ちに開放されるので
なく、開放される流れ断面は当初は小さく、徐々に拡大
していく。これにより、鎖錠圧力と動圧との間できわめ
て柔らかい圧力平衡が達成され、密封要素9又は摺動可
能な部品7.5 又は8.5 の突接によって、又は急激な圧力
変化によって、切換騒音が発生することはない。気体の
力で支援された流体圧式固定装置の力・変位線図を図1
3から読み取ることができる。このような固定装置は、
ピストンロッドの部分的鎖錠によって、押出し力の低減
を可能とする。これは、自動車のリアフラップに適用し
た場合、リアフラップが閉じられたとき枢着箇所の荷重
を小さくするであろう。こうして、この要素も曲げ柔軟
性のフラップ又はフレームに組み込むことができる。
【0032】図14に示す別の実施態様の固定装置で
は、やはり中空シリンダ1内に、外部に対して密封され
た空間が配置されており、該空間は作動流体が充填さ
れ、ピストン系20によって2つの分離された作動室4、
5に分離されている。ピストンは、外部に通されたピス
トンロッド3と結合されている。図15、図16にはピ
ストン系20が、細部拡大断面図によって異なる位置で示
されている。
【0033】図15の下半分に示す固定装置は鎖錠位置
にあり、ピストン6が部品8及び密封要素9を介して作
動室4、5を相互に分離している。軸方向に摺動可能な
部品8は予圧要素11を介して負荷されている。ピストン
ロッド3の引き出される間に作動室4内の圧力が上昇
し、加圧力がピストン6及び密封要素9に作用する(図
15の上半分)。圧力と密封要素9の液圧断面積とから
帰結してピストン6又は密封要素9と軸方向に摺動可能
な部品8とに加わる加圧力が上昇して、予圧要素11の予
圧力よりも大きくなると、密封要素9と部品8は予圧要
素11に抗して移動される。これにより、密封要素9がそ
の密封位置から押し出され、ピストンロッド側圧力は、
密封要素の小さな液圧断面にではなく、軸方向に摺動可
能な部品8全体の一層大きな液圧断面に作用する。横断
面の変化に起因して部品8が急激に開口することによる
切換騒音を防止するために、ピストン6に、柔らかい開
口を可能とするくさび状溝19が設けられている。大きな
液圧断面によって、部品8を開保持するには、面積に比
べて小さな動圧がなお必要となるだけである。ピストン
ロッド3が進入するとき、密封要素9がピストン6に抗
してその位置から移動するだけであり(図16の下半
分)、引き続き、作動流体を補償するために適宜な横断
面が存在するので、ピストンロッド3の進入が可能であ
る。
【0034】図17は、図14で既に述べられたのと同
じ固定装置を原理的に示しており、但し、軸方向に摺動
可能な部品8が係止要素21を備えている点で相違する。
図18、図19にはピストン又は軸方向に摺動可能な部
品8の個々の位置が密封要素9と一緒に示されている。
この機械的係止要素21によって、一方で、係止位置にお
いて強い鎖錠力を、他方で、軸方向に摺動可能な部品8
の小さな復元力を、従って比較的小さな動圧を、達成す
る可能性が得られる。これは、係止位置において密封要
素9を固定する部品8が、ばね予圧を補足して、形状嵌
合式スナップ機構22によって支えられることによって、
達成される。ピストンロッド側鎖錠圧力によって部品8
がばねに抗して移動すると、スナップ要素22が変位し、
なお圧縮ばねの予圧力のみを克服しなければならない。
部品8が開位置のとき、係止要素がスナップインし、形
状嵌合が成立し、こうしてばね力が少なくとも部分的に
補償される。これにより、流体接続部を開保持するには
なお小さな動圧が必要となるだけである。というのも、
克服しなければならないのは、ばねの全予圧力ではな
く、なお係止要素22の保持力だけ低減した予圧力のみで
あるからである。作動室4、5間での絶対的圧力補償の
とき、つまりピストンロッドが停止したとき、圧縮コイ
ルばねの復元力が優勢であり、部品8は係止位置から押
し出すことができ、こうして作動室4、5間の流体接続
部が閉じる。
【0035】図20に細部として示された固定装置のピ
ストン6では、軸方向に摺動可能な部品8がスナップ要
素22を備えており、これは図17〜図19に一致する。
【0036】図21に示す別の実施態様では、ピスト
ン、密封要素9及び軸方向に摺動可能な部品8に付属し
てばねクリップ22が設けられており、該クリップは部品
8が摺動すると部品8の円筒形外面23に押し上げられ、
こうして固定装置を形成する。
【0037】図22にやはり示されているピストン6で
は、軸方向に摺動可能な部品8が摩擦要素24を備えてお
り、該要素が円筒形内面25を介して摩擦嵌合を形成す
る。これによっても、固定装置が提供されている。
【0038】
【発明の効果】以上のとおり、本発明により、外部操作
要素を必要とすることなくドア、フラップ等の無段式係
止を可能とする安価な液圧式、空気圧式又は流体圧式鎖
錠要素を含み、互いに相対移動可能な2つの物体を鎖錠
力の強さが適宜に維持されるように固定する固定装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中空シリンダ、ピストンロッドおよび交換装置
とからなる固定装置の断面図である。
【図2】図1の固定装置をA−Aの位置でみた断面図で
ある。
【図3】図1の固定装置をB−Bの位置でみた断面図で
ある。
【図4】適宜な細部が相互に異なる固定装置の別の態様
を示す。
【図5】適宜な細部が相互に異なる固定装置の別の態様
を示す。
【図6】適宜な細部が相互に異なる固定装置の別の態様
を示す。
【図7】適宜な細部が相互に異なる固定装置の別の態様
を示す。
【図8】適宜な細部が相互に異なる固定装置の別の態様
を示す。
【図9】適宜な細部が相互に異なる固定装置の別の態様
を示す。
【図10】適宜な細部が相互に異なる固定装置の別の態
様を示す。
【図11】軸方向に延びたくさび状溝を備えたピストン
を示す。
【図12】摺動可能な部品が軸方向溝を有する態様を示
す。
【図13】力・変位線図を示す。
【図14】固定装置の別の態様を示す。
【図15】ピストン系の動作を示す細部拡大断面図であ
る。
【図16】ピストン系の動作を示す細部拡大断面図であ
る。
【図17】固定装置の別の態様を示す。
【図18】固定装置に使用されるピストンまたは軸方向
摺動可能な部品の動作を示す細部拡大断面図である。
【図19】固定装置に使用されるピストンまたは軸方向
摺動可能な部品の動作を示す細部拡大断面図である。
【図20】固定装置に使用されるピストンの部分拡大断
面図である。
【図21】固定装置に使用される変形された構成を備え
たピストンの部分拡大断面図である。
【図22】固定装置に使用される変形された構成を備え
たピストンの部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 中空シリンダ 3,30 ピストンロッド 20,40,100,150,200,250 ピスト
ン系 4,5 作動室 4.1 空隙 6,102,122,152,159,205,25
6,271 ピストン 7,7.5,8.5,8 部品 9,43,64,103,123,153,204,2
07,257 密封要素 10,11,67,105,125,155,201,
209,259 予圧要素 12,13 固定要素 14 孔 16,17,50 流体接続部 16.5,17.5 溝 19 室 42,260 円板 45 分離ピストン 60,120 弁系 61,62,111,112,162,164,16
7,231,234,235,236 流体孔 63,101,121,151,160,272 弁板 65 滑動子 68 弁体 104,124,154,208,258 支持板 106 スリーブ 107 取付要素 110,113,130,131,132,133,1
63,168,230,231,232,262,26
3,264 流路 119,139 付加的密封要素 206 玉 209 支持要素 250.1,250.2 副組立体 261 ノズル孔

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに相対移動可能な2つの物体をさま
    ざまな位置で固定する固定装置であって、一方の物体に
    結合された中空シリンダとこの中空シリンダ内を摺動可
    能なピストンとを備えており、該ピストンが、中空シリ
    ンダから外方に延びたピストンロッドを介して他方の物
    体と結合されており、ピストンが、外部に対して密封さ
    れた中空シリンダを、作動流体及び/又は気体を含有し
    た2つの体積可変作動室に分離しており、2つの作動室
    の流体接続が、ピストン内の交換装置を介して少なくと
    も部分的に可能であるものにおいて、交換装置が、互い
    に相対摺動可能な少なくとも2つの部品からなり、静止
    位置を占める基本位置から外に摺動後に、流体接続部が
    開放されることを特徴とする固定装置。
  2. 【請求項2】 交換装置としてピストンが2部品で構成
    されていることを特徴とする、請求項1に記載の固定装
    置。
  3. 【請求項3】 ピストンが半径方向外側部品と半径方向
    内側部品とに分割されており、両方の部品が軸方向で互
    いに相対摺動可能であることを特徴とする、請求項2に
    記載の固定装置。
  4. 【請求項4】 半径方向内側部品がピストンロッド上で
    密封して保持されており、半径方向外側部品が中空シリ
    ンダに対して密封して支承されていることを特徴とす
    る、請求項3に記載の固定装置。
  5. 【請求項5】 交換装置が、固定保持された部品と、引
    張方向及び圧縮方向のためにそれぞれ1つの摺動可能な
    部品とを有することを特徴とする、請求項1に記載の固
    定装置。
  6. 【請求項6】 相対摺動可能な部品の少なくとも1つが
    弾力的に支えられていることを特徴とする、請求項1に
    記載の固定装置。
  7. 【請求項7】 流体接続部が、少なくとも1つの面が円
    錐状となるように、部品の相対向した面によって形成さ
    れることを特徴とする、請求項1に記載の固定装置。
  8. 【請求項8】 流体接続部が、少なくとも1つの面に少
    なくとも1つの軸方向にくさび状に延びた溝が設けられ
    ているように、部品の相対向した面によって形成される
    ことを特徴とする、請求項1に記載の固定装置。
  9. 【請求項9】 流体接続部が、長手軸に対して角度を成
    した凹部として1つの部品に設けられており、隣接した
    部品に遮断手段が配置されていることを特徴とする、請
    求項1に記載の固定装置。
  10. 【請求項10】 互いに相対摺動可能に設けられる部品
    が軸方向で前後に配置されていることを特徴とする、請
    求項1に記載の固定装置。
  11. 【請求項11】 部品間に受容されたピストンリング
    が、流体接続部のための遮断手段として構成されている
    ことを特徴とする、請求項10に記載の固定装置。
  12. 【請求項12】 流体接続部が絞り弁を備えていること
    を特徴とする、請求項1に記載の固定装置。
  13. 【請求項13】 中空シリンダ内に、ばね及び/又は気
    体で予圧された補償室が設けられていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の固定装置。
  14. 【請求項14】 ピストンロッドが両方の作動室に挿通
    されていることを特徴とする、請求項1に記載の固定装
    置。
  15. 【請求項15】 中空シリンダ内に、分離壁を介して、
    別の流体充填室が形成され、交換装置がピストン及び/
    又は分離壁内に配置されていることを特徴とする、請求
    項1に記載の固定装置。
  16. 【請求項16】 軸方向に摺動可能な部品の少なくとも
    1つが係止要素を備えていることを特徴とする、請求項
    1に記載の固定装置。
  17. 【請求項17】 係止要素としてスナップ要素、ばね要
    素及び/又は摩擦要素が設けられていることを特徴とす
    る、請求項16に記載の固定装置。
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