JPH07179933A - レーザ焼入方法 - Google Patents

レーザ焼入方法

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JPH07179933A
JPH07179933A JP5327255A JP32725593A JPH07179933A JP H07179933 A JPH07179933 A JP H07179933A JP 5327255 A JP5327255 A JP 5327255A JP 32725593 A JP32725593 A JP 32725593A JP H07179933 A JPH07179933 A JP H07179933A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
laser beam
concave mirror
treated
beam spot
Prior art date
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Pending
Application number
JP5327255A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidenobu Matsuyama
山 秀 信 松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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Publication of JPH07179933A publication Critical patent/JPH07179933A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ光の送り速度を遅くして生産性を損な
うことなく、均一な焼入組織を得ることができるレーザ
焼入方法を提供する。 【構成】 レーザ光Bをスキャン方向の長さ寸法lがス
キャン方向と直角をなす方向の幅寸法wの望ましくは
1.5〜2.5倍の長方形のビームスポット8に集光さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レーザ光を照射する
ことによって被処理物の表面を加熱し、その後の自己冷
却によって、被処理物の表面に焼入硬化層を形成させる
のに利用されるレーザ焼入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ焼入は、例えばYAGレーザ,C
2 レーザなどのレーザ光をレンズあるいは凹面鏡など
からなる光学系を用いて、適当な大きさの円形あるいは
矩形(正方形)のビームスポットに集光させて被処理物
表面に照射すると共にスキャンさせ、当該被処理物を鋼
のA3 変態点以上に加熱するとともに、ビームスポット
通過後の被処理物内部への熱拡散に基づく自己冷却によ
って前記被処理物表面を焼入硬化させる技術であり、円
筒状部材の内面や、複雑な形状を有する部材の一部だけ
に焼入を施すことができるので、例えば、自動車のギヤ
ハウジングの内面焼入、エンジンのピストンのリング溝
の焼入、カムシャフトのカム曲面の焼入、あるいはバル
ブガイドの内面焼入などに利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなレーザ焼入において、被処理物が粗大なフェライ
ト粒を備えたミクロ組織を有している場合には、レーザ
光の照射によって前記フェライトを完全にオーステナイ
ト化することができないために、冷却組織にフェライト
粒が残存して所望の焼入組織とはならず、柔らかいフェ
ライト粒によって所期の焼入硬度を得ることができない
という問題点があった。 もちろん、レーザ光の送り速
度(スキャン速度)を遅くすることによって、オーステ
ナイト化温度以上に保持する時間を長くすれば上記問題
点は解消されるが、その反面、処理速度が低くなって、
生産性が低下するという問題があり、これら問題点の解
決がこのようなレーザ焼入の品質面、あるいは能率面で
の課題となっていた。
【0004】
【発明の目的】この発明は、従来のレーザ焼入方法にお
ける上記課題に着目してなされたものであって、レーザ
光の送り速度を遅くすることなく、すなわち生産性を犠
牲にすることなく、均一な焼入組織を得ることができる
レーザ焼入方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるレーザ
焼入方法は、レーザ発振器から出射されるレーザ光を光
学系を介して被処理物表面に集光させると共にスキャン
させることによって当該被被処理物に焼入処理を施すレ
ーザ焼入方法において、前記レーザ光をスキャン方向の
長さ寸法がスキャン方向と直角をなす方向の幅寸法より
も大きい長方形のビームスポットに集光させる構成とし
ており、この発明に係わるレーザ焼入方法の望ましい実
施態様としては、ビームスポットの長さ寸法が幅寸法の
1.5〜2.5倍である構成としたことを特徴としてお
り、このようなレーザ焼入方法の構成を前述した従来の
課題を解決するための手段としている。
【0006】
【発明の作用】この発明に係わるレーザ焼入方法におい
ては、レーザ光を被処理物表面に集光させるに際して、
レーザ光のスキャン方向の長さ寸法がスキャン方向に直
角をなす方向の幅寸法の望ましくは1.5〜2.5倍の
長方形のビームスポットとなるようにビーム成形するよ
うにしている。 したがって、スキャン速度を低下させ
なくても、従来の円形や正方形のビームスポットの場合
に較べて、被処理物表面がレーザ光に照射されている時
間が増大することから、オーステナイト化温度以上に保
持される時間が長くなり、フェライト粒が完全に消滅し
て、被処理物表面が完全にオーステナイト単相となって
から冷却過程に移行するようになるので、冷却組織にフ
ェライト粒の残留がなくなり、良好な焼入組織が得られ
ることになる。
【0007】ここで、スキャン方向の長さ寸法をスキャ
ン方向に直角をなす方向の幅寸法に対して1.5〜2.
5倍が望ましい理由としては、1.5倍未満であると加
熱時間が短か過ぎて均一なオーステナイト組織が得られ
ず、一方2.5倍を超えるとレーザのパワー密度が低く
なり過ぎて焼入が不可能になるからである。
【0008】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。
【0009】実施例 図1(a)は、この実施例に用いたレーザ焼入装置の構
造を示す概略図であり、図に示すレーザ焼入装置1は、
CO2 レーザ発振器2と、平面鏡3,第1凹面鏡4およ
び第2凹面鏡5からなり、前記CO2 レーザ発振器2か
ら出射されたレーザ光Bを回転ホルダ6上に保持された
フランジ付円筒部材(被処理物)7の内周面に集光させ
る光学系から構成されており、集光させたレーザビーム
Bを回転する被処理物7に照射することにより、当該被
処理物7の円筒内周面に帯状の焼入硬化層7aを形成さ
せることができる。 なお、前記光学系の第1および第
2凹面鏡の反射面はそれぞれ円筒形曲面に形成され、レ
ーザ光Bの縦方向と横方向とをそれぞれ独立的に集光し
てビーム成形するようになっている。
【0010】このような構造のレーザ焼入装置1を用い
ると共に、第1凹面鏡4として焦点距離900mmの円
筒形凹面鏡と、第2凹面鏡5として焦点距離365mm
の円筒形凹面鏡を使用して、レーザ光Bの縦方向と横方
向とをそれぞれ独立的にビーム成形することにより、ビ
ームスポット8の形状が、図1(b)に示すように、図
中に矢印Sで示すスキャン方向の長さ寸法lが12mm
であって、スキャン方向と直角方向の幅寸法wが6mm
である長方形となるようにして、レーザ出力:4.8k
W、スキャン速度:1.2m/minの処理条件で、図
2に示すようなミクロ組織を有するフランジ付円筒形の
被処理物7にレーザ焼入を施し、焼入硬化層7aを得
た。 なお、このとき、加熱部の酸化を防止するため、
毎分40リットルの窒素ガスをシールドガスとして使用
した。
【0011】この焼入硬化層7aのミクロ組織は、図3
に示すとおりであって、図2に示した処理前のミクロ組
織には粗大なフェライト粒が認められるにもかかわら
ず、焼入後においてはフェライト粒が消滅して均一な焼
入組織がえられ、所期の硬度を備えた良好な焼入硬化層
7aが得られることが確認された。
【0012】比較例 図1(a)に示した前記レーザ焼入装置1を使用すると
共に、前記第1凹面鏡4を焦点距離900mmのものか
ら630mmのものに取換え、ビームスポット8の形状
が、図1(b)に示すスキャン方向の長さ寸法lが5m
mであって、幅寸法wが6mmである矩形となるように
集光させ、表面溶融を生じさせないためにレーザ出力を
3.5kWに変更したこと以外は上記実施例と同一の条
件で、上記実施例と同一素材からなるフランジ付円筒形
の被処理物7にレーザ焼入を施すことによって焼入硬化
層7aを得た。
【0013】この焼入硬化層7aのミクロ組織は、図4
に示すとおりであって、当該ミクロ組織中には焼入組織
中にフェライト粒が散見され、焼入組織の形成が不十分
であって所期の硬度を得ることができなかった。
【0014】なお、図5は、このようなレーザ焼入にお
ける被処理物表面の熱履歴におよぼすスキャン速度とビ
ームスポット形状の影響をFEM(有限要素法)解析に
よって求めた結果を示したものであって、この結果、ビ
ームスポットの形状を5×6mmから12×6mmとす
ることによって、スキャン速度が0.75m/minで
しか得られなかった熱履歴を1.5m/minのスキャ
ン速度でほぼ再現できることが確認され、上記実施例お
よび比較例の結果の裏付けを得ることができた。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係わる
レーザ焼入方法は、上記構成、すなわちレーザ光をスキ
ャン方向の長さ寸法がスキャン方向と直角をなす方向の
幅寸法の望ましくは1.5〜2.5倍の長方形のビーム
スポットに集光させるようにしたものであるから、被処
理物表面がレーザ光に照射されている時間が増大してオ
ーステナイト化温度以上に保持される時間が長くなり、
被処理物表面が完全にオーステナイト単相となったのち
冷却されることになるので、冷却後の組織にフェライト
粒の残留がなくなり、処理速度を低下させることなく、
均一な焼入組織を備えた硬度の高い焼入硬化層を得るこ
とができるという極めて優れた効果をもたらすものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) この発明に係わるレーザ焼入方法を実
施するための装置の一例を示す概略説明図である。 (b) この発明に係わるレーザ焼入方法におけるビー
ムスポットの形状を示す説明図である。
【図2】この発明に係わるレーザ焼入方法の実施例に用
いた被処理物のミクロ組織を示す図である。
【図3】この発明に係わるレーザ焼入方法により得られ
た焼入硬化層のミクロ組織を示す図である。
【図4】従来のレーザ焼入方法により得られた焼入硬化
層のミクロ組織を示す図である。
【図5】レーザ焼入における被処理物表面の熱履歴にお
よぼすスキャン速度とビームスポット形状の影響を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 レーザ焼入装置 2 レーザ発振器 3,4,5 光学系 7 被処理物 8 ビームスポット B レーザ光
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】この発明に係わるレーザ焼入方法の実施例に用
いた被処理物のミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】この発明に係わるレーザ焼入方法により得られ
た焼入硬化層のミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】従来のレーザ焼入方法により得られた焼入硬化
層のミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ発振器から出射されるレーザ光を
    光学系を介して被処理物表面に集光させると共にスキャ
    ンさせることによって被処理物に焼入処理を施すレーザ
    焼入方法において、 前記レーザ光をスキャン方向の長さ寸法がスキャン方向
    と直角をなす方向の幅寸法よりも大きい長方形のビーム
    スポットに集光させることを特徴とするレーザ焼入方
    法。
  2. 【請求項2】 ビームスポットの長さ寸法が幅寸法の
    1.5〜2.5倍であることを特徴とする請求項1記載
    のレーザ焼入方法。
JP5327255A 1993-12-24 1993-12-24 レーザ焼入方法 Pending JPH07179933A (ja)

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JP5327255A JPH07179933A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 レーザ焼入方法

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JP5327255A JPH07179933A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 レーザ焼入方法

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JPH07179933A true JPH07179933A (ja) 1995-07-18

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ID=18197073

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JP5327255A Pending JPH07179933A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 レーザ焼入方法

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JP (1) JPH07179933A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103869473A (zh) * 2012-12-14 2014-06-18 中国科学院力学研究所 激光束整形方法、激光硬化处理设备和激光连续扫描表面硬化方法
CN104294011A (zh) * 2014-09-21 2015-01-21 沈阳工业大学 内孔激光淬火头及淬火方法

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CN103869473A (zh) * 2012-12-14 2014-06-18 中国科学院力学研究所 激光束整形方法、激光硬化处理设备和激光连续扫描表面硬化方法
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