JP2009293076A - 熱処理方法 - Google Patents

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JP2009293076A JP2008147358A JP2008147358A JP2009293076A JP 2009293076 A JP2009293076 A JP 2009293076A JP 2008147358 A JP2008147358 A JP 2008147358A JP 2008147358 A JP2008147358 A JP 2008147358A JP 2009293076 A JP2009293076 A JP 2009293076A
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Abstract

【課題】均一な加熱制御ができ、高精度な熱処理が可能な熱処理方法を提供することにある。
【解決手段】熱処理加工されるワーク10を回転させながら、所定のパワーに設定されたレーザ光源50(加熱源)をワーク10の回転軸方向へ所定の幅でスキャン照射する加熱工程と、この加熱工程の後、ワーク10を回転させながらワーク10を冷却する冷却工程と、を有する熱処理方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱処理方法に関し、特に、レーザを用いた熱処理方法に関する。
金属ワークの熱処理は、そのワークの材質、形状等を基に固有の温度に加熱し、加熱後に冷却することにより行なわれる。ワーク全体を加熱する装置としては、電気加熱方式、燃焼加熱方式等により、大型の加熱炉を用いて複数のワークを一度に加熱するバッチ式と、加熱炉内をコンベアで流しながら処理する連続式の加熱炉が一般的に使用される。
一方、ワークの一部あるいは表面層を熱処理する装置として、ワークの外周面にレーザ光を照射して熱処理を行なうものがある。
例えば、ワークの表面にレーザ光をスキャン(走査)しながらレーザ光を照射し、ワークの表面焼入れを行うレーザ焼入装置において、レーザ光のスキャンの振幅と周波数を変化させてワークを部分焼入するレーザ熱処理方法がある(特許文献1)。
これによれば、数値制御装置からのデジタル指令はアナログ指令に変換され、レーザ発振器はアナログ指令値に応じた振幅と周波数をもつ波形信号を発生する。レーザヘッドの運動はこの波形信号によって制御され、レーザ光のスキャンの振幅及び周波数を自在に変えられるので、焼入れ幅を自在に変えることができ、種々の焼入れパターンに対応できるとされている。
しかし、特許文献1に示されたレーザ熱処理方法は、レーザ光をスキャンしながら照射し、必要部位にレーザ焼入れをしているので、レーザ光の重複部に焼戻し変質層が発生するという問題がある。また、レーザ光をスキャンしながら自己冷却させてレーザ焼入れをしているので、焼入れ深さの制御ができないと共に、焼入れ深さを大きくできない。従って、均一な加熱制御ができず、高精度な熱処理ができないという問題がある。
特開平5−105939号公報
従って、本発明の目的は、均一な加熱制御ができ、高精度な熱処理が可能な熱処理方法を提供することにある。
[1]本発明は、上記目的を達成するために、熱処理加工されるワークを回転させながら、所定のパワーに設定された加熱源を前記ワークの回転軸方向へ所定の幅でスキャン照射する加熱工程と、前記加熱工程の後、前記ワークを回転させながら前記ワークを冷却する冷却工程と、を有することを特徴とする熱処理方法を提供する。
[2]前記加熱源は、レーザ光源であることを特徴とする上記[1]に記載の熱処理方法であってもよい。
[3]また、前記レーザ光源の照射スポット形状は、前記ワークの径方向よりも前記回転軸方向の方が小さい扁平形状であることを特徴とする上記[2]に記載の熱処理方法であってもよい。
[4]また、前記加熱工程は、前記加熱源の前記パワー、前記ワークの回転数、および、前記スキャン照射のスキャン速度を制御することにより行なうことを特徴とする上記[1]または[2]に記載の熱処理方法であってもよい。
[5]また、前記加熱工程は、前記ワークの温度を非接触により測定し、この測定結果に基づいて前記制御を行なうことを特徴とする上記[4]に記載の熱処理方法であってもよい。
[6]また、前記冷却工程は、前記ワークの少なくとも加熱工程で加熱された前記所定の幅に対して冷却媒体をかけることにより行なわれることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の熱処理方法であってもよい。
[7]また、前記冷却媒体は、水またはクーラントであることを特徴とする上記[6]に記載の熱処理方法であってもよい。
[8]また、前記加熱工程および前記冷却工程は、前記ワークを断熱材を介してチャックして回転することにより行なわれることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の熱処理方法であってもよい。
本発明によれば、均一な加熱制御ができ、高精度な熱処理が可能な熱処理方法を提供することができる。
加熱源としては、レーザ光、電子ビーム、プラズマ、および、TIG等が使用可能である。電子ビームによる加熱は、固体中の電子を高熱や高電界により空間に放出させ、これを電界により加速すると共に、電子レンズにより電子線をビーム状に収束させて照射することにより行なう。また、プラズマによる加熱は、電極間に不活性ガスを流し、放電することによって得られる高温プラズマにより行なう。具体的には、直流放電プラズマ、電子ビーム励起プラズマ等が使用できる。また、高周波による加熱では、誘導子(コイル)を用いてワーク表面の必要部分を表面だけ加熱することができる。また、TIG(Tungsten Insert Gas)よる加熱は、タングステン電極を用い、アルゴン、ヘリウムといった不活性ガスをシールドガスとして用いることで必要部分を加熱することができる。以下の本発明の実施の形態では、所定のビーム形状でパワー制御が容易なレーザ光を加熱源として使用した例を示す。
(本発明の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る熱処理方法を説明するための加熱装置の概略を示す図である。図2は、ワーク上に照射されるレーザ光の照射スポット形状を示す平面図である。図3は、ワークが円筒形状以外の部分を有する場合の加熱工程を説明する図である。図4は、ワークに焼入れを行なう場合の時間と温度の関係を示す図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る熱処理方法を行なう装置としては、レーザ発振器100、レーザヘッド200、ワーク回転装置300、温度測定装置400、冷却装置500を有して大略構成されている。尚、レーザヘッドのX軸回りの回転(θ)、Y軸方向移動、および、Z軸方向移動のためのステージ等の回転・移動機構は図示を省略している。また、加熱工程後に冷却工程に移行するための機構も図示を省略している。
レーザ光源50は、レーザ発振器100とレーザヘッド200から大略構成されている。レーザ光源50は、レーザ発振器100とレーザヘッド200を光ファイバカップラ150を介して光ファイバ151で光学的に接続した構成とされ、レーザヘッド200は図示しない回転(θ)・移動(Y、Z)機構により制御される。
レーザヘッド200は、ワーク10の外周面上で所定の照射スポット形状になるようY軸方向に位置制御される。ここで、図2に示すように、レーザヘッド200から照射されたレーザ光の照射スポット51の形状は、ワーク10の径方向のスポット幅Wxよりも回転軸方向のスポット幅Wzの方が小さい扁平形状に設定されている。また、スポット幅Wxは、ワーク10の外径Dに近い方が好ましい。後述するレーザスキャン動作により均一にワーク10を加熱するためである。
また、レーザヘッド200は、図2に示したワーク10のワーク熱処理範囲(Z1〜Z2)に対して、トラバース方向にZ1とZ2間でスキャン動作するよう速度制御される。スキャン動作は、Z軸方向の移動速度を制御することにより所定の周波数でZ1〜Z2間を走査する。
また、レーザヘッド200は、図1に示すX軸回りの回転(θ)動作ができ、ワーク10の端面あるいはテーパ面にも効率よくレーザ光を照射することができる。
レーザ発振器として高出力の半導体レーザをレーザヘッド200に内蔵する構成も可能であるが、本実施の形態では、ワーク10の表面から深く、かつ、十分な加熱を行なうために、レーザヘッド200とは別途レーザ発振器100を備える構成としている。
レーザ発振器100は、レーザスタックモジュール101、102、及び103、ダイクロイックミラー104,105を有して構成されている。レーザスタックモジュール101〜103は、半導体レーザ発光素子を多数積層(スタック)して高出力化したものである。各レーザスタックモジュール101〜103は、特定の波長の光を反射しその他の波長の光を透過させるダイクロイックミラー104,105により1本のレーザ光に合成される。
このように構成されたレーザ発振器100は、光出力1.8kW、発振波長は800nm〜1000nmの近赤外光である。尚、半導体レーザ以外に、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ等を使用することも可能である。
レーザ発振器100内部で合成されたレーザ光は、図示しないシリンドリカルレンズあるいはアナモフィックプリズム等によりビーム整形して、ワーク10上で図2に示したような扁平ビームとなるようにしている。
レーザ発振器100から出射されるレーザ光は、コレーメートされて光ファイバカップラ150を介して光ファイバ151に光学的に接続され、レーザヘッド200に導光される。レーザヘッド200内で集光レンズによりワーク10へ集光して照射される。
ワーク回転装置300は、所定の回転数でワーク10をチャック301でクランプして回転させる。図3は、ワーク10をクランプしている状態を示す断面図であるが、セラミック等の断熱性に優れる断熱材302を挟んだ状態でクランプするのが好ましい。また、図示は省略するが、両センタで支持する構成においても断熱材を介して支持し、また、回し金等も断熱材を介してワーク10に当接するよう構成するのが好ましい。加熱によるワーク10の熱分布を均一にするためである。
温度測定装置400は、非接触でワーク10の表面温度がスポット計測できる赤外線放射温度計を使用する。温度測定装置400はワーク10の熱処理範囲を任意に測定できるよう、図1に示すように、Z方向に移動可能な構成とされている。
冷却装置500は、冷却液体供給装置501と供給ノズル502から大略構成される。冷却液体供給装置501は、装置内のポンプにより供給管503に冷却液体504を送出して、供給ノズル502からワーク10へ冷却液体504を供給する。ここで、冷却液体504は、ワーク10を冷却するための液体であって、水またはクーラントが使用できる。尚、本実施の形態では、冷却媒体として冷却液体504を使用したが、これ以外に冷却ガスや冷却エアー等の冷却媒体を使用することもできる。
(本発明の実施の形態の作用)
[本発明の実施の形態に係る熱処理方法による鋼材の焼入処理]
図3に示すように、ワーク10が、円筒面10a以外に、段付部の端面10bおよびテーパ面10cを有するワーク形状の場合に、鋼材に焼入れ処理を行なう場合を説明する。
(加熱工程)
熱処理される鋼材(例えば、S45C)であるワーク10を、ワーク回転装置300のチャック301で断熱材302を介して回転可能に支持し、所定の回転速度で回転させる。ワーク10の円筒面10a、端面10b、テーパ面10cのそれぞれのワーク熱処理範囲に対して、レーザヘッド200のY方向およびθ角度の制御を行いながら、順次、レーザヘッド200からZ方向にスキャンしながらレーザ光を照射する。レーザ光のスキャン照射において、入力されたワークの形状データに基づいて、ワーク内部の熱伝導性を考慮しながら加熱制御する。また、ワーク熱処理範囲に対して温度測定装置400により非接触で温度測定を行ないながら、レーザパワー、ワーク回転数、スキャン速度(スキャン周波数)およびスキャン回数を制御することにより上記の加熱制御を行なう。
尚、上記説明した加熱制御以外に、例えば、図3に示すようなフランジ部を有する円筒ワークの焼入れに際しては、フランジ部円筒面ヘレーザ照射をすべく、レーザヘッド200のスキャン動作に同期してフランジ部の径に合わせてレーザヘッド200をX軸方向に進退させる。あるいは、レーザ光の焦点距離を変化させる。また、フランジ部端面ヘレーザ照射をすべく、レーザヘッド200のスキャン動作に同期してヘッドをθ回りに傾斜させる。また、ワークを片持ち支持する場合、ワークのチャック301側は放熱しやすく、自由端側は放熱し難いため、チャック301からの距離に応じて加熱量を異ならせる、等の種々の加熱制御が可能である。
図4に示すtから加熱工程が始まり、tには、熱処理範囲の温度がオーステナイト変態温度(約730℃)以上となる約900℃まで上昇する。上記示したような加熱制御により、熱処理範囲全体が均一にオーステナイト変態温度以上となったtで加熱工程が終了する。
(切替工程)
加熱工程が終了したワーク10を、図1に示すように、加熱領域での処理から冷却領域での処理に切り替える工程である。ワーク10をZ方向に移動または搬送して冷却領域に移動させてもよく、あるいは、レーザヘッド200をZ方向に離間させて供給ノズル502をワーク10上に移動させてもよい。この切替工程は、CCT(Continuous Cooling Transformation)線図に基づき、所定の時間内に行なう必要があり、S45Cの場合は約2秒以内である。この切替工程は、図4に示すt〜tであり、この間に若干の温度低下が生じる。尚、この切替工程は、レーザヘッド200と供給ノズル502を近接して設けることで省略することもでき、本発明の実施の形態において必須の工程ではない。
(冷却工程)
冷却工程は、ワーク10の少なくとも加熱工程で加熱された所定の幅(熱処理範囲)に対して冷却液体504をかけることにより強制冷却が行なわれる。冷却液体504のワーク10への供給により、tからtの間でワーク10は急冷される。この急冷により、オーステナイトからマルテンサイト組織となり、所定の深さまで焼入れ処理が施される。
(危険区域の回避処理)
上記示した冷却工程では、tからtの約常温までワーク10を急冷したが、温度測定装置400により非接触で温度測定を行なうことで、あるいは、所定の時間経過後に、供給ノズル502からの冷却液体504の供給を停止することにより危険区域(約250℃)を回避した焼入れ処理が可能である。すなわち、約250℃に達したtの時点で冷却液体504の供給を停止することで、その後は大気雰囲気での徐冷となり、焼き割れの発生が抑制できる。
上記において、本発明の実施の形態に基づいて、熱処理として焼入れ処理工程を説明したが、加熱工程においてワーク10を焼戻し温度(約200℃)まで均一に加熱し、冷却工程では空冷などにより徐冷することで焼戻し処理を行なうことができる。その他、加熱工程および冷却工程の組合せにより、焼きならし等の種々の熱処理を行なうことができる。
(本発明の実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係る熱処理方法によれば、次のような効果を有する。
(1)ワーク10のワーク熱処理範囲に対してレーザ光を複数回スキャン照射することで均一に加熱制御できるので、レーザ光の照射スポットの重複部における焼き戻し変質層の発生を抑制して、焼入れ深さを大きくすることができる。
(2)レーザヘッド200を熱処理範囲にのみスキャン照射する構成であるので、必要部位のみに熱処理が可能となる。これにより、サイクルタイムを短縮することができ、電力等のランニングコストの低減に繋がる。
(3)レーザヘッド200の姿勢制御(θ方向)を行なうことにより、テーパ部等にも熱処理が可能となる。
(4)ワーク10のクランプを断熱材302を介して行なっているので、ワーク回転装置300による熱的影響が小さく、加熱によるワーク10の熱分布を均一にすることができる。
(5)非接触の温度測定装置400によりワーク10の熱処理範囲の表面温度を測定しながら加熱工程または冷却工程を行うので、高精度な熱処理を行なうことが可能となる。
以上、本発明の熱処理方法を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
図1は、本発明の実施の形態に係る熱処理方法を説明するための加熱装置の概略を示す図である。 図2は、ワーク上に照射されるレーザ光の照射スポット形状を示す平面図である。 図3は、ワークが円筒形状以外の部分を有する場合の加熱工程を説明する図である。 図4は、ワークに焼入れを行なう場合の時間と温度の関係を示す図である。
符号の説明
10…ワーク、10a…円筒面、10b…端面、10c…テーパ面、50…レーザ光源、51…照射スポット、100…レーザ発振器、101,102,103…レーザスタックモジュール、104,105…ダイクロイックミラー、150…光ファイバカップラ、151…光ファイバ、200…レーザヘッド、
300…ワーク回転装置、301…チャック、302…断熱材、400…温度測定装置、500…冷却装置、501…冷却液体供給装置、502…供給ノズル、503…供給管、504…冷却液体

Claims (8)

  1. 熱処理加工されるワークを回転させながら、所定のパワーに設定された加熱源を前記ワークの回転軸方向へ所定の幅でスキャン照射する加熱工程と、
    前記加熱工程の後、前記ワークを回転させながら前記ワークを冷却する冷却工程と、
    を有することを特徴とする熱処理方法。
  2. 前記加熱源は、レーザ光源であることを特徴とする請求項1に記載の熱処理方法。
  3. 前記レーザ光源の照射スポット形状は、前記ワークの径方向よりも前記回転軸方向の方が小さい扁平形状であることを特徴とする請求項2に記載の熱処理方法。
  4. 前記加熱工程は、前記加熱源の前記パワー、前記ワークの回転数、および、前記スキャン照射のスキャン速度を制御することにより行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理方法。
  5. 前記加熱工程は、前記ワークの温度を非接触により測定し、この測定結果に基づいて前記制御を行なうことを特徴とする請求項4に記載の熱処理方法。
  6. 前記冷却工程は、前記ワークの少なくとも加熱工程で加熱された前記所定の幅に対して冷却媒体をかけることにより行なわれることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理方法。
  7. 前記冷却媒体は、水またはクーラントであることを特徴とする請求項6に記載の熱処理方法。
  8. 前記加熱工程および前記冷却工程は、前記ワークを断熱材を介してチャックして回転することにより行なわれることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101605970B1 (ko) 2014-11-03 2016-03-24 정원 최 레이저 클래딩 작업용 회전 및 고정장치
CN114480790A (zh) * 2020-10-27 2022-05-13 丰田自动车株式会社 钢制品的制造方法和钢制品的制造装置

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