JPH0717868A - 血小板凝集防止剤 - Google Patents

血小板凝集防止剤

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JPH0717868A
JPH0717868A JP5159172A JP15917293A JPH0717868A JP H0717868 A JPH0717868 A JP H0717868A JP 5159172 A JP5159172 A JP 5159172A JP 15917293 A JP15917293 A JP 15917293A JP H0717868 A JPH0717868 A JP H0717868A
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JP
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platelet
platelets
blood
platelet aggregation
phosphoenolpyruvate
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JP5159172A
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English (en)
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Aaru Saniabadei Abii
アビィ・アール・サニアバディ
Shinichi Takara
真一 高良
Takaaki Hiranuma
隆明 平沼
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Terumo Corp
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フォスフォエノールピルビン酸を含有する血
小板凝集防止剤。 【効果】 優れた血小板凝集防止作用を有し、血小板保
存液等に有効に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血小板凝集防止剤、お
よび前記血小板凝集防止剤を用いた血小板保存液、およ
び前記血小板凝集防止剤を用いた血液体外循環時の血液
添加剤に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】善意の献血で得られた血
液を有効利用し、また、患者に必要な血液成分のみを投
与することにより副作用を低減して輸血の安全性を高め
るという要請から、近年は成分輸血が主流となってい
る。例えば、血小板輸血においては、一般に濃縮血小板
血漿(以下、PCという)が使用されているが、その有
効期間は3日間と定められており、その期間中血小板を
その生理学的機能を良好に保ったまま保存する必要があ
る。
【0003】近年、血漿製剤の需要が著しく増加し、ま
た、かつて輸入血漿製剤のなかにヒト免疫不全ウイルス
(HIV)に汚染されたものがあって、大きな社会問題
となったこともあり、国内で血漿製剤を自給するため、
血漿をできるだけ利用する検討がなされている。そのた
めの方法の1つとして、PC中の血漿をできるだけ少な
くし、そのかわりに血小板保存液を添加することが検討
されている。すなわち、全血を弱遠心したときに上層に
得られる多血小板血漿(以下、PRPという)を分取し、
これを強遠心して血小板を沈降させて血小板塊(以下、
ペレットという)と上層の乏血小板血漿(以下、PPP
という)に分離した後に、PPPを流去して代わりに血
小板保存液を加え、おだやかに撹拌しながらペレットか
ら血小板を再浮遊させる。
【0004】この目的に用いる血小板保存液として、グ
ルコースおよび酢酸ナトリウムを含有し、実質的に等張
でpHが6.5〜7.8である水溶液が特開平4−113
5号として開示されているが、PRPを分取する際に微
量の赤血球が混入することがあり、この場合赤血球と血
小板が相互作用して、強固な凝集塊が形成されて再浮遊
に長い時間を要したり、はなはだしい場合は一晩撹拌し
ても再浮遊せず、血小板製剤を製造する上で、歩留まり
を悪化させる原因となる。このような製剤工程中あるい
は保存中の血小板活性化を防止するために、保存液中に
血小板の機能を可逆的に阻害する薬剤を添加することが
開示されている(米国特許 RE32874)が、この
ような方法では、血小板輸血を必要とするほどに体内の
血小板数が減少し出血傾向をきたした患者に、さらに血
小板機能を阻害する薬剤が輸注されることになり、大量
輸血時には副作用が懸念される。
【0005】また、体外循環時など血液と異物が直接接
触する場合においては、血液は異物に触れると凝固する
性質を持つことから、ヘパリンやクエン酸塩などの抗凝
固剤を投与し、血液凝固の発生を防止している。しかし
ながら、体外循環回路や血液処理部の異物表面と赤血球
が接触することにより、赤血球膜の局所の透過性が変化
して微小溶血(microhemolysis)を起こし、ここから放
出されるアデノシン-5'-ジリン酸(以下ADP)によっ
て血小板凝集が惹起され、赤血球を核とした強固な凝集
塊が生成し、これによって回路が狭窄、閉塞したり、血
液処理の効率が著しく低下するなどの問題点があった。
これを避けるために、各種の血小板凝集防止剤の使用が
提案されているが、これらは血小板機能そのものを阻害
する薬剤であり、投与量が多くなると出血などの副作用
が懸念される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
点を鑑みて、血小板凝集防止剤、および前記血小板凝集
防止剤を使用し、高い血小板保存能を有し再浮遊性が良
好で極めて安全性の高い血小板保存液、および前記血小
板凝集防止剤を使用し、血液体外循環時に血小板と赤血
球の相互作用を選択的に阻害し、血小板凝集塊の発生を
防止する血液添加剤を提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題点を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、驚くべき
ことに、グルコース代謝の中間体として細胞内に遍在し
ている生理的物質であるフォスフォエノールピルビン酸
が、細胞浮遊液の成分として細胞外に添加された場合及
び流動している血液中に添加された場合に、血小板と赤
血球の相互作用を選択的に阻害し、血小板凝集塊の発生
を防止する作用を有していることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】上述した本発明の詳細は以下の通りであ
る。 (1) 下記式1で示されるフォスフォエノールピルビ
ン酸および/またはその生理学的に適合性のある塩を含
有する血小板凝集防止剤。
【0009】
【化1】
【0010】(2) 上記(1)記載の血小板凝集防止
剤を使用した血小板保存液。 (3) フォスフォエノールピルビン酸および/または
その生理学的に適合性のある塩を5〜100ミリモル/
リットル、グルコースを5〜30ミリモル/リットル、
酢酸および/またはその生理学的に適合性のある塩を1
0〜30ミリモル/リットル、生理学的に適合性のある
電解質を50〜150ミリモル/リットルを含有する水
溶液であって、実質的に等張でpHが6.5〜7.8であ
ることを特徴とする上記(2)記載の血小板保存液。
【0011】(4) 上記(1)記載の血小板凝集防止
剤を使用した血液体外循環時に用いる血液添加剤。 (5) 循環血液中にフォスフォエノールピルビン酸お
よび/またはその生理学的に適合性のある塩を1〜15
0ミリモル/リットルの濃度で用いることを特徴とする
上記(4)記載の血液体外循環時に用いる血液添加剤。 本発明において、フォスフォエノールピルビン酸および
/またはその生理学的に適合性のある塩は、粘着・凝集
・放出などの血小板機能を抑制することなく、赤血球と
血小板の相互作用のみを選択的に抑制し、赤血球を核と
する赤血球−血小板凝集塊の生成を抑制するためのもの
であり、生理学的に適合性のある塩としては、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属の塩、例えばナトリウム
塩、カリウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
【0012】フォスフォエノールピルビン酸および/ま
たはその生理学的に適合性のある塩は、それを用いた血
液保存及び賦活用薬剤として既に特開昭63−3018
27号および特開昭63−146824号に開示されて
いるが、いずれも赤血球の形状変化、酸素放出能の低
下、および溶血の防止に有効であるもので、本発明のよ
うに血小板に対する効果、主に血小板の凝集防止につい
ては何ら記載されてはいない。
【0013】また、血小板浮遊液中にフォスフォエノー
ルピルビン酸とこれを分解する酵素であるピルビン酸キ
ナーゼを適当量添加して、血小板の活性化を防止する方
法について開示されている(例えば、オウルスネスとビ
クホルム(Aursnes,I. and Vikholm,V.):スロムボシス
アンド ヘモスタシス(Thrombosis and Haemostasi
s), 第51巻(Volume 51), 54−56頁(Page 54-56),
(1984))が、この方法はピルビン酸キナーゼを添加し
ていることで明らかなように、刺激を受けて活性化した
血小板から放出される強力な血小板活性化因子であるA
DPを、フォスフォエノールピルビン酸とピルビン酸キ
ナーゼの作用により、血小板活性化作用を持たないAT
Pに変えることにより、血小板活性化を抑制するもので
ある。
【0014】しかしながら、本発明のピルビン酸キナー
ゼを含有せず、フォスフォエノールピルビン酸が配合さ
れた血小板凝集防止剤では、血小板の機能には何の影響
も与えることなく血小板と赤血球の相互作用による赤血
球−血小板凝集塊の形成のみを選択的に抑制することが
できる。また、通常、血液体外循環時に血液添加剤を用
いる場合、酵素(ピルビン酸キナーゼ)などが添加され
ていると不安定性や抗原性が問題となって、臨床に適用
することは困難である。本発明においては、酵素(ピル
ビン酸キナーゼ)は使用せず、またフォスフォエノール
ピルビン酸は細胞内に遍在する生理的な物質であり、極
めて高い安全性を有する。
【0015】本発明の血小板凝集防止剤を血小板保存液
として使用する場合、同時に配合されるグルコースは血
小板の解糖系の代謝基質であり、主要なエネルギー源で
ある。酢酸および/またはその生理学的に適合性のある
塩は血小板の酸化的リン酸化系の代謝基質であり、解糖
系による過剰な乳酸の生成を抑制し、保存中のpH低下
を防止する。この場合もまた、生理学的に適合性のある
塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩
などが挙げられる。また、生理学的に適合性のある電解
質は、保存液の浸透圧を調整し等張にするために添加さ
れるものであり、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
の鉱酸塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化
カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムなど
が適宜組み合わせて用いられる。
【0016】また、本発明の血小板凝集防止剤を血小板
保存液として使用する場合、上記の各成分の組成比は臨
界的ではないが、本発明の目的を達成するためには、フ
ォスフォエノールピルビン酸および/またはその生理学
的に適合性のある塩は5〜100ミリモル/リットル、
好ましくは10〜20ミリモル/リットル、グルコース
は5〜30ミリモル/リットル、好ましくは15〜25
ミリモル/リットル、酢酸および/またはその生理学的
に適合性のある塩は10〜30ミリモル/リットル、好
ましくは20〜25ミリモル/リットル、生理学的に適
合性のある電解質は総計として50〜150ミリモル/
リットル、好ましくは塩化ナトリウム80〜130ミリ
モル/リットル、塩化カリウム3〜7ミリモル/リット
ル、塩化マグネシウムもしくは硫酸マグネシウム2〜4
ミリモル/リットルである。
【0017】本発明において、最も好ましい血小板保存
液の組成は下記の通りである。 ・フォスフォエノールピルビン酸一ナトリウム 10〜20ミリモル/リットル ・グルコース 23ミリモル/リットル ・酢酸ナトリウム 23ミリモル/リットル ・塩化ナトリウム 75ミリモル/リットル ・塩化カリウム 5ミリモル/リットル ・塩化マグネシウム 3ミリモル/リットル
【0018】上記組成の血小板保存液に、さらに、pH
緩衝能を強化する目的でリン酸水素一ナトリウム、リン
酸二水素ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどの生理的に
適合性のあるpH緩衝剤を添加した物も好ましい。さら
に、保存中の血小板の膨化を防ぎ、血小板膜を保護する
ことを目的として、血小板膜不透過性の糖類、例えばマ
ルトース、マンニトール、シュークロース、ソルビトー
ル、ラクトース、パラチノース等を添加しても良い。
【0019】本発明を血小板保存液として使用する場
合、当該血小板保存液は常法にしたがって調製される。
すなわち、注射用蒸留水に上記各成分の所定量を撹拌下
に加え、溶解させることによって容易に調製される。本
発明を血小板保存液として使用して血小板を保存するに
は、多血小板血漿を遠心分離して血小板を沈降させ、得
られた血小板ぺレットに本発明の保存液を加えた後血小
板を浮遊させ、常法にしたがって20〜24℃、水平振
盪下にて保存する。
【0020】また、本発明の血小板凝固防止剤を血液体
外循環時に用いる血液添加剤として用いる場合、循環血
液中のフォスフォエノールピルビン酸の濃度は1〜15
0ミリモル/リットルであることが望ましい。1ミリモ
ル/リットル以下では十分な凝集塊生成抑制作用を発現
することができず、また、150ミリモル/リットル以
上の濃度では浸透圧が高くなって溶血を生ずるおそれが
ある。さらに効果の確実性および経済性を考慮に入れる
ならば5〜20ミリモル/リットルであることが好まし
い。
【0021】本発明の血小板凝固防止剤を血液体外循環
時に用いる血液添加剤として用いる場合、使用する体外
循環装置の血液添加剤注入制御部は循環血液中のフォス
フォエノールピルビン酸濃度を適切な値に維持するため
のものであり、たとえば輸液ポンプのような一定の速度
で薬液を注入する機能を持った装置をこの目的に用いる
ことができる。すなわち、フォスフォエノールピルビン
酸および/またはその塩の所定量を注射用蒸留水に溶解
した薬液を、循環血流量に応じた一定の速度で注入する
ことで、本発明の目的を達することができる。次に、実
施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
【0022】
【実施例】
(実験1)本発明のフォスフォエノールピルビン酸(P
EP)を含有した血小板凝集防止剤の血小板凝集抑制作
用を示すために、以下のような実験を行った。あらかじ
め7.5ミリリットルのACD液を満たした注射筒に、
健常成人の肘静脈から50ミリリットルの血液を採血し
た。この全血にそれぞれ0、1、2、4、8、18ミリ
モル/ミリリットルとなるようにフォスフォエノールピ
ルビン酸一ナトリウム塩の生理食塩水溶液を加えた。こ
れらの全血それぞれ5ミリリットルを内径3.5mm、外
径5mm、長さ300mmの軟質塩化ビニルチューブに入
れ、チューブの両端を無菌接合装置(テルモ(株)、SCD
312)で接合してループにした。
【0023】このループを回転混和機(大洋科学工業、
ROTATOR II)の回転円盤に取り付け、回転円盤の回転面
を垂直に立て、37℃の恒温槽(東京理化機械、LTI-10
00P)内で60rpmで回転させ、チューブ内に全血を循環
させた。循環開始10分後にループを切断して血液を取
り出し、浮遊血小板数を自動血球算定装置(東亜医用電
子、SYSMEX NE-6000)で測定した。参考例として、同じ
血液から調製した多血小板血漿(PRP)(血小板数30
x104/マイクロリットル)5ミリリットルをループに入
れて同様の操作を行った。
【0024】実験結果を図1に示す。フォスフォエノー
ルピルビン酸を含有しない全血では、赤血球を核として
強固な血小板凝集塊が形成され、浮遊血小板数は循環前
の50%程度まで減少しているのに対して、フォスフォ
エノールピルビン酸を添加した全血では、フォスフォエ
ノールピルビン酸の濃度依存的に浮遊血小板数が多くな
っている。参考例として示したように、赤血球を実質的
に含有しない多血小板血漿(PRP)では、フォスフォ
エノールピルビン酸を添加しなくても浮遊血小板数の減
少はわずかであり、血小板凝集塊の生成が赤血球との相
互作用によることを示している。
【0025】(実験2)本発明のフォスフォエノールピ
ルビン酸(PEP)を含有した血小板凝集防止剤の血小
板凝集抑制作用が、他の血小板凝集防止剤のものとは異
なることを示すために、以下のような実験を行った。あ
らかじめ7.5ミリリットルのACD液を満たした注射
筒に、健常成人の肘静脈から50ミリリットルの血液を
採血した。この全血を遠心分離機(クボタ、KN-70)で
1200rpm、10分間遠心して上層に多血小板血漿
(PRP)を得た。PRPに表1に示す薬剤を添加した
後に、血小板凝集能を血小板凝集能測定機(京都第一科
学、AGGRECORDER)で測定した。凝集惹起物質としてA
DPを最終濃度1マイクロモル/リットルで用いた。
【0026】実験結果を表1に示す。フォスフォエノー
ルピルビン酸のみをPRPに添加してもADP惹起凝集
能は変化しなかった。ADPを分解する酵素系(ピルビ
ン酸キナーゼ+PEP、アピラーゼ)を添加した場合
や、血小板内で起こる活性化反応の阻害剤であるプロス
タグランジンE1を添加した場合は、血小板凝集能が強
く阻害された。この結果は、PEPは赤血球が共存しな
い血小板浮遊液に単独で添加された場合、血小板凝集を
全く阻害しないことを示している。すなわち、PEPは
赤血球と血小板の相互作用による凝集塊の発生のみを抑
制するという従来知られていなかった全く新しい作用を
有することが明らかに示された。
【0027】
【表1】
【0028】(実験3)本発明のフォスフォエノールピ
ルビン酸(PEP)を含有した血小板凝集防止剤の良好
な血小板再浮遊能を示すために、以下のような実験を行
った。健常成人の肘静脈から、CPC液56ミリリット
ルが入った血液バッグへ400ミリリットル採血した。
バッグ用遠心機(日立、CR7B3)で250×g、20分
間遠心分離して、上層に多血小板血漿(PRP)を下層
に赤血球濃厚液(CRC)を得た。PRPとCRCが混
じらないように注意深く分取した後、PRPを4個の軟
質塩化ビニル製ミニバッグ(内寸50mm×80mm)に5
0ミリリットルずつ分注し、これにCRCを0.5ミリ
リットルずつ添加して、赤血球混入PRPを調製した。
4個のミニバッグを遠心機(クボタ、KN-70)で250
0×g、20分間遠心し、上澄の乏血小板血漿(PP
P)と血小板塊(ぺレット)を得た。
【0029】PPPを除去した後、4個のバッグにそれ
ぞれ表2の組成の実施例1、実施例2、実施例3、比較
例1の血小板保存液15ミリリットルを添加した。これ
ら4個ののバッグを水平に振盪機(TAITEC、NR-30)に
セットし、22℃の恒温槽(東京理化機械、LTI-1000
P)内で、60rpmで水平円振盪した。振盪開始後30分
毎に200マイクロリットルのPCをサンプリングし、
浮遊血小板数を自動血球算定装置(東亜医用電子、SYSM
EX NE-6000)で測定した。
【0030】
【表2】
【0031】実験結果を図2に示す。フォスフォエノー
ルピルビン酸を含有しない比較例の保存液では、混入し
た赤血球を核として強固な血小板凝集塊が形成され、浮
遊血小板数が少ないのに対して、本発明の保存液では、
振盪によって血小板が良好に再浮遊し、浮遊血小板数が
多いことが明らかに示されている。
【0032】
【発明の効果】本発明のフォスフォエノールピルビン酸
を含有している血小板凝集防止剤は、血小板機能を阻害
することなく、血小板と赤血球の相互作用を選択的に抑
制することにより、赤血球が混入した血小板ぺレットに
おいても、良好な再浮遊性を発揮する。さらに、フォス
フォエノールピルビン酸は代謝中間体として生体内に普
遍的に存在する物質であるから、高い安全性を有する。
【0033】また、本発明の血小板凝集防止剤を血小板
保存液として用いる場合、グルコースと酢酸を含有して
いるので、生体中におけるのと同様に、血小板の解糖系
と酸化的リン酸化系の両方の代謝経路が円滑に機能し、
血小板は十分なエネルギーを得ることができる。
【0034】また、本発明の血小板凝集防止剤を血液体
外循環時における血液添加剤として用いると、血小板機
能を阻害することなく、血小板と赤血球の相互作用を選
択的に抑制することにより、体外循環回路内での赤血球
を核とする血小板凝集塊の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フォスフォエノールピルビン酸(PEP)を
含有した血小板凝集防止剤の、PEP濃度と血小板凝集
抑制作用の関係を示す。
【図2】 各実施例及び比較例の血小板凝集防止剤の、
浮遊血小板数の経時変化を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォスフォエノールピルビン酸を含有す
    ることを特徴とする血小板凝集防止剤。
JP5159172A 1993-06-29 1993-06-29 血小板凝集防止剤 Pending JPH0717868A (ja)

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