JPH07177761A - マイクロマシンの製造方法 - Google Patents
マイクロマシンの製造方法Info
- Publication number
- JPH07177761A JPH07177761A JP31977993A JP31977993A JPH07177761A JP H07177761 A JPH07177761 A JP H07177761A JP 31977993 A JP31977993 A JP 31977993A JP 31977993 A JP31977993 A JP 31977993A JP H07177761 A JPH07177761 A JP H07177761A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- manufacturing
- etching
- sulfur
- micromachine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Micromachines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 ロータ4を囲撓するSiOx 犠牲層3,5を
選択的に形成した後、第2の材料層として、水素化アモ
ルファス炭素膜6をCVD法により成膜する。そして、
この水素化炭素膜6に対して、放電解離条件下で少なく
ともF* と遊離のS系堆積物とを生成し得るエッチング
・ガスを用い、被エッチング領域上にS系堆積物を堆積
させながらエッチングを行い、ハブ6aとステータ6b
とを形成する。そして、SiOx 犠牲層3,5を等方的
に除去し、ロータ4を基板1から遊離して静電マイクロ
モータを完成する。 【効果】 稼働部分の少なくとも一部を水素化アモルフ
ァス炭素膜といった炭素系無機材料層より構成するの
で、機械的強度の高いマイクロマシンを製造できる。な
お、上記エッチング・ガスを用いた炭素系無機材料層の
エッチングは、実用的なエッチング速度,形状異方性,
低汚染性に優れている。
選択的に形成した後、第2の材料層として、水素化アモ
ルファス炭素膜6をCVD法により成膜する。そして、
この水素化炭素膜6に対して、放電解離条件下で少なく
ともF* と遊離のS系堆積物とを生成し得るエッチング
・ガスを用い、被エッチング領域上にS系堆積物を堆積
させながらエッチングを行い、ハブ6aとステータ6b
とを形成する。そして、SiOx 犠牲層3,5を等方的
に除去し、ロータ4を基板1から遊離して静電マイクロ
モータを完成する。 【効果】 稼働部分の少なくとも一部を水素化アモルフ
ァス炭素膜といった炭素系無機材料層より構成するの
で、機械的強度の高いマイクロマシンを製造できる。な
お、上記エッチング・ガスを用いた炭素系無機材料層の
エッチングは、実用的なエッチング速度,形状異方性,
低汚染性に優れている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトファブリケーシ
ョン技術を適用したマイクロマシンの製造方法に関し、
稼働部分の機械的強度に優れたマイクロマシンを製造す
る方法に関するものである。
ョン技術を適用したマイクロマシンの製造方法に関し、
稼働部分の機械的強度に優れたマイクロマシンを製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロマシン(微小機械)は、微細作
業や狭所作業に適した小さな機械である。しかも、単に
寸法が小さいだけではなく、センサ、制御回路、アクチ
ュエータ等を一体集積化し、高度な機能を具備させたも
のもある。
業や狭所作業に適した小さな機械である。しかも、単に
寸法が小さいだけではなく、センサ、制御回路、アクチ
ュエータ等を一体集積化し、高度な機能を具備させたも
のもある。
【0003】マイクロマシンは、集積回路とは異なり物
理的な稼働部分を有するため、その製造には基板から遊
離した微細部品や、この微小部品を所定の位置関係に保
持する嵌め合い部分等の複雑な構造を形成するための加
工が必要である。しかし、μmのオーダーの微細な要素
を組み立てる作業は、従来の機械加工技術の延長では実
現不可能である。かかる実情から、目下研究が進められ
ているマイクロマシンの多くはシリコン基板上に作製さ
れ、各部の加工には半導体集積回路で培われた微細加工
技術、中でもフォトマスク上のパターンを投影露光によ
り一括して転写するフォトファブリケーション技術が適
用されている。
理的な稼働部分を有するため、その製造には基板から遊
離した微細部品や、この微小部品を所定の位置関係に保
持する嵌め合い部分等の複雑な構造を形成するための加
工が必要である。しかし、μmのオーダーの微細な要素
を組み立てる作業は、従来の機械加工技術の延長では実
現不可能である。かかる実情から、目下研究が進められ
ているマイクロマシンの多くはシリコン基板上に作製さ
れ、各部の加工には半導体集積回路で培われた微細加工
技術、中でもフォトマスク上のパターンを投影露光によ
り一括して転写するフォトファブリケーション技術が適
用されている。
【0004】さらに、上述のフォトファブリケーション
技術に加え、犠牲層エッチングというマイクロマシン製
造に固有の技術が用いられている。これは、将来可動部
材となるパターンの周囲を該パターンとの選択比がとれ
る材料、すなわち犠牲層(分離層とも言う。)で取り巻
いておき、最終的に上記パターンを基板から分離する必
要が生じた時にこの犠牲層を等方的なエッチング条件で
除去するものである。この技術により、基板から離れて
回転する歯車やロータ等が実際に作製されている。
技術に加え、犠牲層エッチングというマイクロマシン製
造に固有の技術が用いられている。これは、将来可動部
材となるパターンの周囲を該パターンとの選択比がとれ
る材料、すなわち犠牲層(分離層とも言う。)で取り巻
いておき、最終的に上記パターンを基板から分離する必
要が生じた時にこの犠牲層を等方的なエッチング条件で
除去するものである。この技術により、基板から離れて
回転する歯車やロータ等が実際に作製されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マイクロマ
シンは前述のように半導体集積回路の微細加工技術を転
用する発想から生まれたものであるため、稼働部分をポ
リシリコン(多結晶シリコン)等からなる導体膜、犠牲
層をSiO2 等からなる絶縁膜で形成するプロセスが一
般的である。この場合に問題となるのは、長時間動作あ
るいは反復的な機械衝撃に耐える稼働部分の機械的強度
である。
シンは前述のように半導体集積回路の微細加工技術を転
用する発想から生まれたものであるため、稼働部分をポ
リシリコン(多結晶シリコン)等からなる導体膜、犠牲
層をSiO2 等からなる絶縁膜で形成するプロセスが一
般的である。この場合に問題となるのは、長時間動作あ
るいは反復的な機械衝撃に耐える稼働部分の機械的強度
である。
【0006】マイクロマシンの構成部材としてシリコン
系材料を用いることの是非に関しては、従来から議論さ
れている。具体的には、単結晶シリコンについて、引っ
張り強度が鋼鉄の15倍以上であり、理想的な弾性変形
を行う、といったメリットが強調されている。しかし、
これはあくまでも格子欠陥のない単結晶体についての議
論であり、通常用いられる結晶粒径の比較的大きな多結
晶体には必ずしも当てはまらない。
系材料を用いることの是非に関しては、従来から議論さ
れている。具体的には、単結晶シリコンについて、引っ
張り強度が鋼鉄の15倍以上であり、理想的な弾性変形
を行う、といったメリットが強調されている。しかし、
これはあくまでも格子欠陥のない単結晶体についての議
論であり、通常用いられる結晶粒径の比較的大きな多結
晶体には必ずしも当てはまらない。
【0007】つまり、従来のマイクロマシンの製造プロ
セスでは、半導体プロセス用の材料が用いられているも
のの、その機械的強度に関して十分に関心が払われてい
るとは言い難い。
セスでは、半導体プロセス用の材料が用いられているも
のの、その機械的強度に関して十分に関心が払われてい
るとは言い難い。
【0008】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、機械的強度の高い稼働部分を
実用的なプロセスで作成することが可能なマイクロマシ
ンの製造方法を提供することを目的とする。
て提案されたものであり、機械的強度の高い稼働部分を
実用的なプロセスで作成することが可能なマイクロマシ
ンの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマイクロマ
シンの製造方法は、上述の目的を達成するために提案さ
れたものであり、所定のパターンに加工された第1の材
料層を囲撓してなる犠牲層を基板上に選択的に形成する
工程と、前記第1の材料層を部分的に遮蔽する第2の材
料層を形成する工程と、前記犠牲層を等方的に除去する
ことにより前記第1の材料層を前記基板から遊離させる
工程とを有するマイクロマシンの製造方法において、前
記第1の材料層と前記第2の材料層の少なくとも一方を
炭素系無機材料膜により形成するものである。
シンの製造方法は、上述の目的を達成するために提案さ
れたものであり、所定のパターンに加工された第1の材
料層を囲撓してなる犠牲層を基板上に選択的に形成する
工程と、前記第1の材料層を部分的に遮蔽する第2の材
料層を形成する工程と、前記犠牲層を等方的に除去する
ことにより前記第1の材料層を前記基板から遊離させる
工程とを有するマイクロマシンの製造方法において、前
記第1の材料層と前記第2の材料層の少なくとも一方を
炭素系無機材料膜により形成するものである。
【0010】第1の材料層と第2の材料層よりなる稼働
部分の機械的強度を高める目的から、第1の材料層と第
2の材料層の少なくとも一方を炭素系無機材料膜により
形成することは有効である。この炭素系無機材料膜とし
ては、水素化アモルファス炭素膜,シリコンカーバイド
膜,ダイヤモンド膜が好適である。
部分の機械的強度を高める目的から、第1の材料層と第
2の材料層の少なくとも一方を炭素系無機材料膜により
形成することは有効である。この炭素系無機材料膜とし
ては、水素化アモルファス炭素膜,シリコンカーバイド
膜,ダイヤモンド膜が好適である。
【0011】なお、上述のような炭素系無機材料膜の成
膜はCVD法により行えばよい。代表的な成膜方法を挙
げると、水素化アモルファス炭素膜は例えばCH4 −H
2 ガスを用いてプラズマCVDによって、シリコンカー
バイド膜は例えばSiH4 −C2 H4 ガスを用いたEC
RプラズマCVDによって、ダイヤモンド膜はCH4−
H2 ガスを用いた熱フィラメントCVDによってそれぞ
れ成膜できる。
膜はCVD法により行えばよい。代表的な成膜方法を挙
げると、水素化アモルファス炭素膜は例えばCH4 −H
2 ガスを用いてプラズマCVDによって、シリコンカー
バイド膜は例えばSiH4 −C2 H4 ガスを用いたEC
RプラズマCVDによって、ダイヤモンド膜はCH4−
H2 ガスを用いた熱フィラメントCVDによってそれぞ
れ成膜できる。
【0012】そして、上述のような炭素系無機材料膜を
成膜した後、所望の形状にエッチングするには、放電解
離条件下で少なくともフッ素ラジカルと遊離のイオウ系
堆積物とを生成し得るエッチング・ガスを用い、被エッ
チング領域上にイオウ系堆積物を堆積させながら行う。
成膜した後、所望の形状にエッチングするには、放電解
離条件下で少なくともフッ素ラジカルと遊離のイオウ系
堆積物とを生成し得るエッチング・ガスを用い、被エッ
チング領域上にイオウ系堆積物を堆積させながら行う。
【0013】この場合、エッチング・ガスとしては、S
2 F2 ,SF2 ,SF4 ,S2 F10,S3 Cl2 ,S2
Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,SBr2
から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン化イオウを含
むガスを用いる。なお、このエッチング・ガスが窒素系
化合物を含み、前記イオウ系堆積物として窒化イオウ系
化合物を堆積させるようにしてもよい。
2 F2 ,SF2 ,SF4 ,S2 F10,S3 Cl2 ,S2
Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,SBr2
から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン化イオウを含
むガスを用いる。なお、このエッチング・ガスが窒素系
化合物を含み、前記イオウ系堆積物として窒化イオウ系
化合物を堆積させるようにしてもよい。
【0014】また、エッチング・ガスがH2 ,H2 S,
シラン系化合物から選ばれる少なくとも1種類のハロゲ
ン・ラジカル消費性化合物を含み、前記イオウ系堆積物
の堆積を促進させるようにしてもよい。
シラン系化合物から選ばれる少なくとも1種類のハロゲ
ン・ラジカル消費性化合物を含み、前記イオウ系堆積物
の堆積を促進させるようにしてもよい。
【0015】
【作用】水素化アモルファス炭素膜,シリコンカーバイ
ド膜,ダイヤモンド膜といった炭素系無機材料膜は非常
に機械的強度が高い。したがって、稼働部分の少なくと
も一部、即ち、第1の材料層と第2の材料層の少なくと
も一方を上記炭素系無機材料膜により形成すれば、稼働
部分の機械的強度を高めることができる。即ち、本発明
を適用すると、長時間動作あるいは反復的な機械的衝撃
への耐性に優れたマイクロマシンを製造することができ
る。
ド膜,ダイヤモンド膜といった炭素系無機材料膜は非常
に機械的強度が高い。したがって、稼働部分の少なくと
も一部、即ち、第1の材料層と第2の材料層の少なくと
も一方を上記炭素系無機材料膜により形成すれば、稼働
部分の機械的強度を高めることができる。即ち、本発明
を適用すると、長時間動作あるいは反復的な機械的衝撃
への耐性に優れたマイクロマシンを製造することができ
る。
【0016】そして、上記炭素系無機材料膜をCVDに
より成膜すれば、その膜質や膜厚を容易に制御すること
ができるため、稼働部分として実用的な膜質および膜厚
を有するものとして形成することができる。
より成膜すれば、その膜質や膜厚を容易に制御すること
ができるため、稼働部分として実用的な膜質および膜厚
を有するものとして形成することができる。
【0017】また、上記炭素系無機材料膜をエッチング
するに際しては、フッ素ラジカルF * を主エッチング種
として用いるが、これは、次のような化学結合エネルギ
ーの大小関係から考えて可能である。 C−F(484kJ/mol) > C−C(354k
J/mol) ただし、上記C−F結合はCF4 分子、C−C結合はダ
イヤモンド結晶における計算値である。
するに際しては、フッ素ラジカルF * を主エッチング種
として用いるが、これは、次のような化学結合エネルギ
ーの大小関係から考えて可能である。 C−F(484kJ/mol) > C−C(354k
J/mol) ただし、上記C−F結合はCF4 分子、C−C結合はダ
イヤモンド結晶における計算値である。
【0018】また、水素化アモルファス炭素膜やシリコ
ンカーバイド膜についても、同様の考え方でF* による
エッチングが可能である。
ンカーバイド膜についても、同様の考え方でF* による
エッチングが可能である。
【0019】そして、上記炭素系無機材料膜のエッチン
グ反応系においては、遊離のイオウ(S)をF* と共存
させる。このSは、昇華性物質であり、ウェハが昇華温
度より低い温度域(おおよそ90℃未満)に維持されて
いれば、被エッチング領域上に堆積する。特に、イオン
の垂直入射が原理的に起こらないパターンの側壁面上に
堆積したSは、側壁保護膜として機能する。したがっ
て、実用的なエッチング速度と形状異方性とを両立させ
ることができる。しかも、Sはウェハを昇華温度以上の
温度に加熱すれば容易に昇華するため、炭素系ポリマー
のようにパーティクル汚染の原因となる虞れがない。
グ反応系においては、遊離のイオウ(S)をF* と共存
させる。このSは、昇華性物質であり、ウェハが昇華温
度より低い温度域(おおよそ90℃未満)に維持されて
いれば、被エッチング領域上に堆積する。特に、イオン
の垂直入射が原理的に起こらないパターンの側壁面上に
堆積したSは、側壁保護膜として機能する。したがっ
て、実用的なエッチング速度と形状異方性とを両立させ
ることができる。しかも、Sはウェハを昇華温度以上の
温度に加熱すれば容易に昇華するため、炭素系ポリマー
のようにパーティクル汚染の原因となる虞れがない。
【0020】ここで、S2 F2 ,SF2 ,SF4 ,S2
F10,S3 Cl2 ,S2 Cl2 ,SCl2 ,S3 B
r2 ,S2 Br2 ,SBr2 の各ハロゲン化イオウは、
放電解離条件下で効率よく遊離のイオウを放出すること
ができる化合物である。このうちフッ化イオウは単独組
成にてF* とSとの両方を供給することが可能である。
一方、塩化イオウおよび臭化イオウについては、これら
を単独ではF*を供給することができないが、これらを
エッチング・ガスとして用いる場合には、F* を供給可
能な化合物と併用すればよい。
F10,S3 Cl2 ,S2 Cl2 ,SCl2 ,S3 B
r2 ,S2 Br2 ,SBr2 の各ハロゲン化イオウは、
放電解離条件下で効率よく遊離のイオウを放出すること
ができる化合物である。このうちフッ化イオウは単独組
成にてF* とSとの両方を供給することが可能である。
一方、塩化イオウおよび臭化イオウについては、これら
を単独ではF*を供給することができないが、これらを
エッチング・ガスとして用いる場合には、F* を供給可
能な化合物と併用すればよい。
【0021】上記ハロゲン化イオウに窒素系化合物が添
加されていると、上記遊離のSが窒素系化合物から解離
生成した窒素系化学種と反応し、ポリチアジル(SN)
x を始めとする種々の窒化イオウ系化合物を生成する。
この窒化イオウ系化合物は単体のSよりも昇華温度もし
くは分解温度が低い。つまり、エッチング反応系におい
てはより蒸気圧が低く、堆積性が強い。このため、単体
のSよりも一層優れた側壁保護効果を発揮する。
加されていると、上記遊離のSが窒素系化合物から解離
生成した窒素系化学種と反応し、ポリチアジル(SN)
x を始めとする種々の窒化イオウ系化合物を生成する。
この窒化イオウ系化合物は単体のSよりも昇華温度もし
くは分解温度が低い。つまり、エッチング反応系におい
てはより蒸気圧が低く、堆積性が強い。このため、単体
のSよりも一層優れた側壁保護効果を発揮する。
【0022】上記ハロゲン化イオウ、あるいはこれに窒
化系化合物を添加したエッチング・ガス系にさらにハロ
ゲン・ラジカル消費性化合物としてH2 ,H2 S,シラ
ン系化合物の少なくともいずれかを添加すると、上記S
または窒化イオウ系化合物の堆積を促進することができ
る。これは、上記ハロゲン・ラジカル消費性化合物から
生成するH* やSi* にエッチング反応系内のハロゲン
・ラジカルX* が捕捉され、これらがHX(ハロゲン化
水素)やSiX4 等の揮発性物質の形で系外へ除去され
ることにより、エッチング反応系のS/X比(S原子数
とハロゲン原子数の比)が増大するからである。
化系化合物を添加したエッチング・ガス系にさらにハロ
ゲン・ラジカル消費性化合物としてH2 ,H2 S,シラ
ン系化合物の少なくともいずれかを添加すると、上記S
または窒化イオウ系化合物の堆積を促進することができ
る。これは、上記ハロゲン・ラジカル消費性化合物から
生成するH* やSi* にエッチング反応系内のハロゲン
・ラジカルX* が捕捉され、これらがHX(ハロゲン化
水素)やSiX4 等の揮発性物質の形で系外へ除去され
ることにより、エッチング反応系のS/X比(S原子数
とハロゲン原子数の比)が増大するからである。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係るマイクロマシンの製造方
法を適用した静電マイクロモータの製造プロセスについ
て、図面を参照しながら説明する。
法を適用した静電マイクロモータの製造プロセスについ
て、図面を参照しながら説明する。
【0024】実施例1 本実施例においては、水素化アモルファス炭素膜により
第2の材料層を構成した静電マイクロモータの製造プロ
セスについて図1〜図6を用いて説明する。
第2の材料層を構成した静電マイクロモータの製造プロ
セスについて図1〜図6を用いて説明する。
【0025】先ず、図1に示されるように、基板1上の
ポリシリコン電極2、SiOx 犠牲層3をそれぞれフォ
トリソグラフィとドライエッチングにより順次パターニ
ングし、さらに、第1の材料層としてAlを成膜した
後、これをパターニングしてロータ4を形成した。
ポリシリコン電極2、SiOx 犠牲層3をそれぞれフォ
トリソグラフィとドライエッチングにより順次パターニ
ングし、さらに、第1の材料層としてAlを成膜した
後、これをパターニングしてロータ4を形成した。
【0026】ここで、上記基板1は、例えば単結晶Si
基板の表面を熱酸化し、さらにたとえばプラズマCVD
法によりSix Ny 層を堆積させたものである。また、
上記SiOx 犠牲層3は、以下のプラズマCVD条件に
て約500nmの厚さに形成されたものである。
基板の表面を熱酸化し、さらにたとえばプラズマCVD
法によりSix Ny 層を堆積させたものである。また、
上記SiOx 犠牲層3は、以下のプラズマCVD条件に
て約500nmの厚さに形成されたものである。
【0027】SiOx 犠牲層形成用プラズマCVD条件 ガス流量 : TEOS 150sccm O3 100sccm 圧力 : 1330Pa 温度 : 350℃ RF電力 : 350W(13.56MHz)
【0028】また、上記ロータ4は、通常のスパッタリ
ング法によりAl膜を2μm成膜して、フォトリソグラ
フィとドライエッチングにより、円環状部材の外周側に
櫛歯型の凹凸が形成された平面形状となるようにパター
ニングされたものである。
ング法によりAl膜を2μm成膜して、フォトリソグラ
フィとドライエッチングにより、円環状部材の外周側に
櫛歯型の凹凸が形成された平面形状となるようにパター
ニングされたものである。
【0029】続いて、図2に示されるように、上述のプ
ラズマCVD条件にて、さらにSiOx 犠牲層5をウェ
ハ全面に500nmなる膜厚に堆積させて上記ロータ4
を被覆した。
ラズマCVD条件にて、さらにSiOx 犠牲層5をウェ
ハ全面に500nmなる膜厚に堆積させて上記ロータ4
を被覆した。
【0030】さらに、図3に示されるように、ロータ4
を囲撓する領域のみのSiOx 犠牲層5,3が残される
ように、フォトリソグラフィとドライエッチングによっ
てパターニングを行った。
を囲撓する領域のみのSiOx 犠牲層5,3が残される
ように、フォトリソグラフィとドライエッチングによっ
てパターニングを行った。
【0031】次に、図4に示されるように、第2の材料
層である水素化アモルファス炭素膜6をウェハ全面に5
00nmなる膜厚に成膜した。なお、この水素化アモル
ファス炭素膜6の成膜は以下のプラズマCVD条件にて
行われたものである。
層である水素化アモルファス炭素膜6をウェハ全面に5
00nmなる膜厚に成膜した。なお、この水素化アモル
ファス炭素膜6の成膜は以下のプラズマCVD条件にて
行われたものである。
【0032】水素化アモルファス炭素膜成膜用プラズマ
CVD条件 ガス流量: CH4 150sccm H2 100sccm 圧力 : 133Pa 温度 : 500℃ RF電力: 350W(13.56MHz)
CVD条件 ガス流量: CH4 150sccm H2 100sccm 圧力 : 133Pa 温度 : 500℃ RF電力: 350W(13.56MHz)
【0033】そして、上記水素化アモルファス炭素膜6
上に、ハブおよびステータのパターン形状にしたがって
レジスト・マスクを形成し、これをマスクとして上記水
素化アモルファス炭素膜6をエッチングした。このとき
のエッチング条件は以下のとおりである。
上に、ハブおよびステータのパターン形状にしたがって
レジスト・マスクを形成し、これをマスクとして上記水
素化アモルファス炭素膜6をエッチングした。このとき
のエッチング条件は以下のとおりである。
【0034】水素化アモルファス炭素膜エッチング条件
A 装置 : 有磁場マイクロ波プラズマ・エッチン
グ装置 ガス流量 : S2 F2 30sccm 圧力 : 1.33Pa 温度 : 10℃ マイクロ波電力:850W(2.45GHz) RF電力 : 30W(2MHz)
A 装置 : 有磁場マイクロ波プラズマ・エッチン
グ装置 ガス流量 : S2 F2 30sccm 圧力 : 1.33Pa 温度 : 10℃ マイクロ波電力:850W(2.45GHz) RF電力 : 30W(2MHz)
【0035】なお、ここでは、F* が主エッチング種と
して働いて水素化アモルファス炭素膜6のエッチングが
なされた。また、このエッチングにおいては、遊離のS
がパターン側壁面上に堆積して側壁保護膜として効果を
発揮できるようにイオンエネルギーが調整されていたの
で、形状異方性が確保された。
して働いて水素化アモルファス炭素膜6のエッチングが
なされた。また、このエッチングにおいては、遊離のS
がパターン側壁面上に堆積して側壁保護膜として効果を
発揮できるようにイオンエネルギーが調整されていたの
で、形状異方性が確保された。
【0036】その後、100℃に加熱することによりS
系堆積物である側壁保護膜を除去し、酸素プラズマ処理
を施すことによってレジスト・マスクを除去した。これ
により、図5に示すように、ロータ4の内周側に一部重
なるハブ6aと外周側に一部重なるステータ6bが形成
された。なお、上記ステータ6bは平面的には放射状に
配列された複数の電極であり、これら各電極への電圧印
加を順次切り替えることによりロータ4を吸引し、これ
を回転させるものである。
系堆積物である側壁保護膜を除去し、酸素プラズマ処理
を施すことによってレジスト・マスクを除去した。これ
により、図5に示すように、ロータ4の内周側に一部重
なるハブ6aと外周側に一部重なるステータ6bが形成
された。なお、上記ステータ6bは平面的には放射状に
配列された複数の電極であり、これら各電極への電圧印
加を順次切り替えることによりロータ4を吸引し、これ
を回転させるものである。
【0037】その後、上記ウェハを希フッ酸溶液に浸漬
して、SiOx 犠牲層5,3を除去すると、図6に示さ
れるように、ロータ4が周囲の構造から完全に分離され
て静電マイクロモータが完成された。
して、SiOx 犠牲層5,3を除去すると、図6に示さ
れるように、ロータ4が周囲の構造から完全に分離され
て静電マイクロモータが完成された。
【0038】以上のようにして製造された静電マイクロ
モータは、ハブ6aとステータ6bとが水素化アモルフ
ァス炭素膜6よりなるので、稼働部分の機械的強度が高
いものとなった。
モータは、ハブ6aとステータ6bとが水素化アモルフ
ァス炭素膜6よりなるので、稼働部分の機械的強度が高
いものとなった。
【0039】実施例2 本実施例においては、水素化アモルファス炭素膜6のエ
ッチング条件Aを下記の条件Bに変更した以外は実施例
1と同様にしてマイクロマシンを製造した。
ッチング条件Aを下記の条件Bに変更した以外は実施例
1と同様にしてマイクロマシンを製造した。
【0040】水素化アモルファス炭素膜エッチング条件
B 装置 : 有磁場マイクロ波プラズマ・エッチン
グ装置 ガス流量 : S2 F2 30sccm H2 5sccm 圧力 : 1.33Pa 温度 : 30℃ マイクロ波電力:850W(2.45GHz) RF電力 : 30W(2MHz)
B 装置 : 有磁場マイクロ波プラズマ・エッチン
グ装置 ガス流量 : S2 F2 30sccm H2 5sccm 圧力 : 1.33Pa 温度 : 30℃ マイクロ波電力:850W(2.45GHz) RF電力 : 30W(2MHz)
【0041】なお、このエッチングにおいても、主エッ
チング種はF* である。また、遊離のSがパターン側壁
面上に堆積して側壁保護膜として効果を発揮できるよう
にイオンエネルギーが調整されたものである。このよう
な条件にて水素化アモルファス炭素膜6をエッチングす
ると、水素ラジカル(H* )が過剰なF* と結合するた
め、遊離のSがパターン側壁面上に堆積しやすくなり、
ウェハの温度が常温近傍であっても形状異方性を確保す
ることができた。このため、省エネルギー化が図れ、ス
ループットも向上させることができる。
チング種はF* である。また、遊離のSがパターン側壁
面上に堆積して側壁保護膜として効果を発揮できるよう
にイオンエネルギーが調整されたものである。このよう
な条件にて水素化アモルファス炭素膜6をエッチングす
ると、水素ラジカル(H* )が過剰なF* と結合するた
め、遊離のSがパターン側壁面上に堆積しやすくなり、
ウェハの温度が常温近傍であっても形状異方性を確保す
ることができた。このため、省エネルギー化が図れ、ス
ループットも向上させることができる。
【0042】以上のように、本実施例を適用して製造さ
れた静電マイクロモータは、実施例1と同様、ハブ6a
とステータ6bとが水素化アモルファス炭素膜よりなる
ので、稼働部分の機械的強度が高いものとなった。
れた静電マイクロモータは、実施例1と同様、ハブ6a
とステータ6bとが水素化アモルファス炭素膜よりなる
ので、稼働部分の機械的強度が高いものとなった。
【0043】実施例3 本実施例においては、水素化アモルファス炭素膜6のエ
ッチング条件Aを下記の条件Cに変更した以外は実施例
1と同様にしてマイクロマシンを製造した。
ッチング条件Aを下記の条件Cに変更した以外は実施例
1と同様にしてマイクロマシンを製造した。
【0044】水素化アモルファス炭素膜エッチング条件
C 装置 : 有磁場マイクロ波プラズマ・エッチン
グ装置 ガス流量 : S2 F2 30sccm N2 5sccm 圧力 : 1.33Pa 温度 : 50℃ マイクロ波電力:850W(2.45GHz) RF電力 : 30W(2MHz)
C 装置 : 有磁場マイクロ波プラズマ・エッチン
グ装置 ガス流量 : S2 F2 30sccm N2 5sccm 圧力 : 1.33Pa 温度 : 50℃ マイクロ波電力:850W(2.45GHz) RF電力 : 30W(2MHz)
【0045】なお、上記エッチングにおいても、主エッ
チング種はF* である。また、このエッチングにおいて
は、窒素ラジカル(N* )がS2 F2 ガスより解離する
イオウラジカル(S* )と重合して、より安定なポリチ
アジル膜が側壁保護膜として堆積するため、ウェハを低
温に冷却せずとも形状異方性が確保できる。このため、
省エネルギー化を図れ、スループットも向上させること
ができる。
チング種はF* である。また、このエッチングにおいて
は、窒素ラジカル(N* )がS2 F2 ガスより解離する
イオウラジカル(S* )と重合して、より安定なポリチ
アジル膜が側壁保護膜として堆積するため、ウェハを低
温に冷却せずとも形状異方性が確保できる。このため、
省エネルギー化を図れ、スループットも向上させること
ができる。
【0046】以上のように、本実施例を適用して製造さ
れたマイクロマシンは、実施例1と同様、ハブ6aとス
テータ6bとが水素化アモルファス炭素膜よりなるの
で、稼働部分の機械的強度が高いものとなった。
れたマイクロマシンは、実施例1と同様、ハブ6aとス
テータ6bとが水素化アモルファス炭素膜よりなるの
で、稼働部分の機械的強度が高いものとなった。
【0047】実施例4 本実施例においては、水素化アモルファス炭素膜の代わ
りにシリコンカーバイド膜を用いて第2の材料層を構成
して、静電マイクロモータを作製した。
りにシリコンカーバイド膜を用いて第2の材料層を構成
して、静電マイクロモータを作製した。
【0048】先ず、基板1上のポリシリコン電極2の上
にて、ロータ4とこのロータ4を囲撓するSiOx 犠牲
層5,3とをパターニングする工程までは、実施例1と
同様にして行った。
にて、ロータ4とこのロータ4を囲撓するSiOx 犠牲
層5,3とをパターニングする工程までは、実施例1と
同様にして行った。
【0049】次に、図4に示すように、第2の材料層で
あるシリコンカーバイド膜7を500nmなる膜厚に成
膜した。なお、上記シリコンカーバイド膜7の成膜は、
下記に示すようなECRプラズマCVD条件にて行った
ものである。
あるシリコンカーバイド膜7を500nmなる膜厚に成
膜した。なお、上記シリコンカーバイド膜7の成膜は、
下記に示すようなECRプラズマCVD条件にて行った
ものである。
【0050】シリコンカーバイド膜成膜用プラズマCV
D条件 ガス流量 : SiH4 100sccm C2 H4 100sccm 圧力 : 1.0Pa 温度 : 150℃ マイクロ波電力:300W(2.45GHz) RF電力 : 0W
D条件 ガス流量 : SiH4 100sccm C2 H4 100sccm 圧力 : 1.0Pa 温度 : 150℃ マイクロ波電力:300W(2.45GHz) RF電力 : 0W
【0051】そして、上記シリコンカーバイド膜7上
に、ハブおよびステータのパターン形状にしたがってレ
ジスト・マスクを形成し、これをマスクとして上記シリ
コンカーバイド膜7のエッチングを行った。このときの
エッチング条件は以下のとおりである。
に、ハブおよびステータのパターン形状にしたがってレ
ジスト・マスクを形成し、これをマスクとして上記シリ
コンカーバイド膜7のエッチングを行った。このときの
エッチング条件は以下のとおりである。
【0052】シリコンカーバイド膜エッチング条件 装置 : 有磁場マイクロ波プラズマ・エッチン
グ装置 ガス流量 : S2 F2 30sccm H2 5sccm 圧力 : 1.33Pa 温度 : 40℃ マイクロ波電力:850W(2.45GHz) RF電力 : 30W(2MHz)
グ装置 ガス流量 : S2 F2 30sccm H2 5sccm 圧力 : 1.33Pa 温度 : 40℃ マイクロ波電力:850W(2.45GHz) RF電力 : 30W(2MHz)
【0053】なお、このエッチングにおける主エッチン
グ種はF* である。また、このエッチングは、遊離のS
がパターン側壁面上に堆積して側壁保護膜として効果を
発揮できるようにイオンエネルギーが調整されたもので
ある。このような条件にて水素化アモルファス炭素膜6
をエッチングすると、水素ラジカル(H* )が過剰なF
* と結合するため、遊離のSがパターン側壁面上に堆積
しやすく、ウェハを常温近傍の温度としておいても形状
異方性を確保することができる。このため、省エネルギ
ー化が図れ、スループットも向上させることができる。
グ種はF* である。また、このエッチングは、遊離のS
がパターン側壁面上に堆積して側壁保護膜として効果を
発揮できるようにイオンエネルギーが調整されたもので
ある。このような条件にて水素化アモルファス炭素膜6
をエッチングすると、水素ラジカル(H* )が過剰なF
* と結合するため、遊離のSがパターン側壁面上に堆積
しやすく、ウェハを常温近傍の温度としておいても形状
異方性を確保することができる。このため、省エネルギ
ー化が図れ、スループットも向上させることができる。
【0054】その後、100℃に加熱してS系堆積物よ
りなる側壁保護膜を除去してから、酸素プラズマ処理を
施すことによってレジスト・マスクを除去した。これに
より、図5に示されるように、ハブ7aとステータ7b
とが形成された。そして、上記ウェハを希フッ酸溶液に
浸漬して、SiOx 犠牲層5,3を除去すると、ロータ
4は周囲の構造から完全に分離され、図6に示されるよ
うに静電マイクロモータが完成された。
りなる側壁保護膜を除去してから、酸素プラズマ処理を
施すことによってレジスト・マスクを除去した。これに
より、図5に示されるように、ハブ7aとステータ7b
とが形成された。そして、上記ウェハを希フッ酸溶液に
浸漬して、SiOx 犠牲層5,3を除去すると、ロータ
4は周囲の構造から完全に分離され、図6に示されるよ
うに静電マイクロモータが完成された。
【0055】以上のように、本実施例を適用して製造さ
れた静電マイクロモータは、ハブ7aとステータ7bと
がシリコンカーバイド膜よりなるので、稼働部分の機械
的強度が高いものとなった。
れた静電マイクロモータは、ハブ7aとステータ7bと
がシリコンカーバイド膜よりなるので、稼働部分の機械
的強度が高いものとなった。
【0056】実施例5 本実施例においては、ダイヤモンド膜により第2の材料
層を構成して、静電マイクロモータを作製した。
層を構成して、静電マイクロモータを作製した。
【0057】先ず、基板1上のポリシリコン電極2の上
にて、ロータ4とこのロータ4を囲撓するSiOx 犠牲
層5,3とをパターニングする工程までは、実施例1と
同様にして行った。
にて、ロータ4とこのロータ4を囲撓するSiOx 犠牲
層5,3とをパターニングする工程までは、実施例1と
同様にして行った。
【0058】次に、図4に示すように、第2の材料層で
あるダイヤモンド膜8を500nmなる膜厚に成膜し
た。なお、上記ダイヤモンド膜8の成膜は、下記に示す
ような熱フィラメントCVD条件にて行ったものであ
る。
あるダイヤモンド膜8を500nmなる膜厚に成膜し
た。なお、上記ダイヤモンド膜8の成膜は、下記に示す
ような熱フィラメントCVD条件にて行ったものであ
る。
【0059】ダイヤモンド膜成膜用熱フィラメントCV
D条件 ガス流量 : CH4 4sccm H2 100sccm 圧力 : 0.1〜0.2Pa 温度 : 400℃ フィラメント温度:2000℃
D条件 ガス流量 : CH4 4sccm H2 100sccm 圧力 : 0.1〜0.2Pa 温度 : 400℃ フィラメント温度:2000℃
【0060】そして、上述のようにして成膜されたダイ
ヤモンド膜8上に、ハブおよびステータのパターン形状
にしたがってレジスト・マスクを形成し、これをマスク
として上記ダイヤモンド膜8のエッチングを行った。こ
のときのエッチング条件は以下のとおりである。
ヤモンド膜8上に、ハブおよびステータのパターン形状
にしたがってレジスト・マスクを形成し、これをマスク
として上記ダイヤモンド膜8のエッチングを行った。こ
のときのエッチング条件は以下のとおりである。
【0061】ダイヤモンド膜エッチング条件 装置 : 有磁場マイクロ波プラズマ・エッチン
グ装置 ガス流量 : S2 F2 30sccm N2 5sccm 圧力 : 1.33Pa 温度 : 60℃ マイクロ波電力:850W(2.45GHz) RF電力 : 30W(2MHz)
グ装置 ガス流量 : S2 F2 30sccm N2 5sccm 圧力 : 1.33Pa 温度 : 60℃ マイクロ波電力:850W(2.45GHz) RF電力 : 30W(2MHz)
【0062】このエッチングにおいてもF* が主エッチ
ング種として働く。また、上述のような条件にてダイヤ
モンド膜8をエッチングすると、N* がS2 F2 ガスよ
り解離するS* と重合して、より安定なポリチアジル膜
が側壁保護膜として堆積するので、ウェハを低温に冷却
せずとも形状異方性を確保できる。このため、省エネル
ギー化を図れるとともに、スループットも向上させるこ
とができる。
ング種として働く。また、上述のような条件にてダイヤ
モンド膜8をエッチングすると、N* がS2 F2 ガスよ
り解離するS* と重合して、より安定なポリチアジル膜
が側壁保護膜として堆積するので、ウェハを低温に冷却
せずとも形状異方性を確保できる。このため、省エネル
ギー化を図れるとともに、スループットも向上させるこ
とができる。
【0063】その後、180℃に加熱してポリチアジル
膜よりなる側壁保護膜を除去し、酸素プラズマ処理を施
すことによってレジスト・マスクを除去した。これによ
って、図5に示されるように、ハブ8aとステータ8b
とが形成された。そして、上記ウェハを希フッ酸溶液に
浸漬し、SiOx 犠牲層5,3を除去すると、ロータ4
は周囲の構造から完全に分離され、図6に示されるよう
に静電マイクロモータが完成された。
膜よりなる側壁保護膜を除去し、酸素プラズマ処理を施
すことによってレジスト・マスクを除去した。これによ
って、図5に示されるように、ハブ8aとステータ8b
とが形成された。そして、上記ウェハを希フッ酸溶液に
浸漬し、SiOx 犠牲層5,3を除去すると、ロータ4
は周囲の構造から完全に分離され、図6に示されるよう
に静電マイクロモータが完成された。
【0064】以上のように、本実施例を適用して製造さ
れた静電マイクロモータは、ハブ8aとステータ8bと
がダイヤモンド膜よりなるので、稼働部分の機械的強度
が高いものとなった。
れた静電マイクロモータは、ハブ8aとステータ8bと
がダイヤモンド膜よりなるので、稼働部分の機械的強度
が高いものとなった。
【0065】以上、本発明を5例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。上述の実施例においては、ハブおよびス
テータといった第2の材料層として、上述したような炭
素系無機材料膜を成膜したが、第2の材料層の代わりに
第1の材料層、ここではロータ4を上記炭素系無機材料
膜にて構成してもよい。また、第1の材料層と第2の材
料層の両者を上記炭素系無機材料膜にて構成してもよ
い。
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。上述の実施例においては、ハブおよびス
テータといった第2の材料層として、上述したような炭
素系無機材料膜を成膜したが、第2の材料層の代わりに
第1の材料層、ここではロータ4を上記炭素系無機材料
膜にて構成してもよい。また、第1の材料層と第2の材
料層の両者を上記炭素系無機材料膜にて構成してもよ
い。
【0066】また、SiOx 犠牲層3,5の成膜方法と
しては、上述のO3 −TEOS系プラズマCVDの他、
O2 −TEOS系プラズマCVD法、O3 −TEOS系
常圧CVD法、H2 O−TEOSプラズマCVD法等の
方法を採用してもよい。なお、プラズマCVD法を実施
するに当たっては、有磁場マイクロ波プラズマCVD装
置をはじめ、近年提案されている高密度プラズマ装置を
用いてもよい。
しては、上述のO3 −TEOS系プラズマCVDの他、
O2 −TEOS系プラズマCVD法、O3 −TEOS系
常圧CVD法、H2 O−TEOSプラズマCVD法等の
方法を採用してもよい。なお、プラズマCVD法を実施
するに当たっては、有磁場マイクロ波プラズマCVD装
置をはじめ、近年提案されている高密度プラズマ装置を
用いてもよい。
【0067】この他、製造されるマイクロマシンの種
類、サンプル・ウェハの構成、用いる製造装置の種類、
プロセスの細目等が本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適
宜変更可能であることは、言うまでもない。
類、サンプル・ウェハの構成、用いる製造装置の種類、
プロセスの細目等が本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適
宜変更可能であることは、言うまでもない。
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明らかなとおり、稼働部
分の少なくとも一部、即ち第1の材料層と第2の材料層
の少なくとも一方を水素化アモルファス炭素膜,シリコ
ンカーバイド膜,ダイヤモンド膜等の炭素系無機材料膜
により形成すると、製造されたマイクロマシンの稼働部
分の機械的強度を高めることができる。
分の少なくとも一部、即ち第1の材料層と第2の材料層
の少なくとも一方を水素化アモルファス炭素膜,シリコ
ンカーバイド膜,ダイヤモンド膜等の炭素系無機材料膜
により形成すると、製造されたマイクロマシンの稼働部
分の機械的強度を高めることができる。
【0069】したがって、本発明を適用して製造された
マイクロマシンは、長時間動作あるいは反復的な機械的
衝撃への耐性に優れ、長寿命化が図られ、信頼性の高い
ものとなる。
マイクロマシンは、長時間動作あるいは反復的な機械的
衝撃への耐性に優れ、長寿命化が図られ、信頼性の高い
ものとなる。
【0070】また、F* と遊離のSとを共存させた状態
での炭素系無機材料膜のエッチングは、実用的なエッチ
ング速度,形状異方性,低汚染性が確保されたものであ
るので、工業的に非常に有効である。
での炭素系無機材料膜のエッチングは、実用的なエッチ
ング速度,形状異方性,低汚染性が確保されたものであ
るので、工業的に非常に有効である。
【図1】本発明を適用した静電マイクロモータの製造プ
ロセスを示すものであって、ポリシリコン電極,SiO
x 犠牲層,ロータが形成された基板を模式的に示す断面
図である。
ロセスを示すものであって、ポリシリコン電極,SiO
x 犠牲層,ロータが形成された基板を模式的に示す断面
図である。
【図2】図1の基板において、さらにSiOx 犠牲層が
成膜された状態を模式的に示す断面図である。
成膜された状態を模式的に示す断面図である。
【図3】図2の基板において、SiOx 犠牲層の選択的
なエッチングがなされた状態を模式的に示す断面図であ
る。
なエッチングがなされた状態を模式的に示す断面図であ
る。
【図4】図3の基板において、第2の材料層が成膜され
た状態を模式的に示す断面図である。
た状態を模式的に示す断面図である。
【図5】図4の基板において、第2の材料層のパターニ
ングがなされた状態を模式的に示す断面図である。
ングがなされた状態を模式的に示す断面図である。
【図6】図5の基板において、SiOx 犠牲層の除去が
なされた状態を模式的に示す断面図である。
なされた状態を模式的に示す断面図である。
1・・・基板 2・・・ポリシリコン電極 3,5・・・SiOx 犠牲層 4・・・ロータ 6・・・水素化アモルファス炭素膜 7・・・シリコンカーバイド膜 8・・・ダイヤモンド膜 6a,7a,8a・・・ハブ 6b,7b,8b・・・ステータ
Claims (7)
- 【請求項1】 所定のパターンに加工された第1の材料
層を囲撓してなる犠牲層を基板上に選択的に形成する工
程と、 前記第1の材料層を部分的に遮蔽する第2の材料層を形
成する工程と、 前記犠牲層を等方的に除去することにより前記第1の材
料層を前記基板から遊離させる工程とを有するマイクロ
マシンの製造方法において、 前記第1の材料層と前記第2の材料層の少なくとも一方
を炭素系無機材料膜により形成することを特徴とするマ
イクロマシンの製造方法。 - 【請求項2】 前記炭素系無機材料膜は、水素化アモル
ファス炭素膜,シリコンカーバイド膜,ダイヤモンド膜
より選ばれる少なくとも1種類よりなることを特徴とす
る請求項1記載のマイクロマシンの製造方法。 - 【請求項3】 前記炭素系無機材料膜の成膜は、CVD
法により行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に
記載のマイクロマシンの製造方法。 - 【請求項4】 前記炭素系無機材料膜のエッチングは、
放電解離条件下で少なくともフッ素ラジカルと遊離のイ
オウ系堆積物とを生成し得るエッチング・ガスを用い、
被エッチング領域上にイオウ系堆積物を堆積させながら
行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
か1項に記載のマイクロマシンの製造方法。 - 【請求項5】 前記エッチング・ガスとして、S
2 F2 ,SF2 ,SF4 ,S 2 F10,S3 Cl2 ,S2
Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,SBr 2
から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン化イオウを含
むガスを用いることを特徴とする請求項4記載のマイク
ロマシンの製造方法。 - 【請求項6】 前記エッチング・ガスが窒素系化合物を
含み、前記イオウ系堆積物として窒化イオウ系化合物を
堆積させることを特徴とする請求項4または請求項5に
記載のマイクロマシンの製造方法。 - 【請求項7】 前記エッチング・ガスがH2 ,H2 S,
シラン系化合物から選ばれる少なくとも1種類のハロゲ
ン・ラジカル消費性化合物を含み、前記イオウ系堆積物
の堆積を促進させることを特徴とする請求項4ないし請
求項6に記載のマイクロマシンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31977993A JPH07177761A (ja) | 1993-12-20 | 1993-12-20 | マイクロマシンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31977993A JPH07177761A (ja) | 1993-12-20 | 1993-12-20 | マイクロマシンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07177761A true JPH07177761A (ja) | 1995-07-14 |
Family
ID=18114098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31977993A Withdrawn JPH07177761A (ja) | 1993-12-20 | 1993-12-20 | マイクロマシンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07177761A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001042131A1 (fr) * | 1999-12-06 | 2001-06-14 | Takashi Nishi | Engrenage et procede de fabrication |
US6425656B1 (en) | 1998-01-09 | 2002-07-30 | Seiko Epson Corporation | Ink-jet head, method of manufacture thereof, and ink-jet printer |
JP2008125348A (ja) * | 2006-11-13 | 2008-05-29 | Eta Sa Manufacture Horlogere Suisse | Memsマイクロモータおよびこのマイクロモータを装備する時計 |
US8455928B2 (en) | 2006-07-19 | 2013-06-04 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Micro electro mechanical device and manufacturing method thereof |
KR101471190B1 (ko) * | 2012-12-31 | 2014-12-11 | 한국과학기술원 | 멤즈 구조체의 제조 방법 |
US20150171312A1 (en) * | 2007-03-26 | 2015-06-18 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Switching Element, Method For Manufacturing The Same, And Display Device Including Switching Element |
CN114148986A (zh) * | 2021-11-08 | 2022-03-08 | 歌尔微电子股份有限公司 | 微机电系统传感器、其制造方法及电子设备 |
-
1993
- 1993-12-20 JP JP31977993A patent/JPH07177761A/ja not_active Withdrawn
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6425656B1 (en) | 1998-01-09 | 2002-07-30 | Seiko Epson Corporation | Ink-jet head, method of manufacture thereof, and ink-jet printer |
US6709089B2 (en) | 1998-01-09 | 2004-03-23 | Seiko Epson Corporation | Ink-jet head, method of manufacture thereof, and ink-jet printer |
WO2001042131A1 (fr) * | 1999-12-06 | 2001-06-14 | Takashi Nishi | Engrenage et procede de fabrication |
US6948245B2 (en) | 1999-12-06 | 2005-09-27 | Takashi Nishi | Gear and method of making the same |
CN1304273C (zh) * | 1999-12-06 | 2007-03-14 | 西孝 | 蜗杆及齿轮的制造方法 |
US8455928B2 (en) | 2006-07-19 | 2013-06-04 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Micro electro mechanical device and manufacturing method thereof |
US8759887B2 (en) | 2006-07-19 | 2014-06-24 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Micro electro mechanical device and manufacturing method thereof |
JP2008125348A (ja) * | 2006-11-13 | 2008-05-29 | Eta Sa Manufacture Horlogere Suisse | Memsマイクロモータおよびこのマイクロモータを装備する時計 |
US20150171312A1 (en) * | 2007-03-26 | 2015-06-18 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Switching Element, Method For Manufacturing The Same, And Display Device Including Switching Element |
KR101471190B1 (ko) * | 2012-12-31 | 2014-12-11 | 한국과학기술원 | 멤즈 구조체의 제조 방법 |
CN114148986A (zh) * | 2021-11-08 | 2022-03-08 | 歌尔微电子股份有限公司 | 微机电系统传感器、其制造方法及电子设备 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004072110A (ja) | 半導体製造設備用プロセスチャンバ | |
JP2007531280A (ja) | 最少スカラップ基板の処理方法 | |
CN109964303A (zh) | 经由物理气相沉积沉积非晶硅层或碳氧化硅层的方法 | |
US10692726B2 (en) | Method for processing workpiece | |
JP4504684B2 (ja) | エッチング方法 | |
CN111819669B (zh) | 形成气隙的系统及方法 | |
US10658192B2 (en) | Selective oxide etching method for self-aligned multiple patterning | |
JPH07177761A (ja) | マイクロマシンの製造方法 | |
JP2004363558A (ja) | 半導体装置の製造方法およびプラズマエッチング装置のクリーニング方法 | |
JP7566099B2 (ja) | 基板処理方法および基板処理装置 | |
WO2022055900A1 (en) | Systems and methods for selective metal compound removal | |
US7067429B2 (en) | Processing method of forming MRAM circuitry | |
TW202212256A (zh) | 低應力含碳層的沉積 | |
JP2023538529A (ja) | 低応力ホウ素含有層の堆積 | |
TWI810181B (zh) | 使用硫及/或碳基化學品之有機膜循環電漿蝕刻方法 | |
JPH06302565A (ja) | チャンバーのプラズマクリーニング方法 | |
US10607852B2 (en) | Selective nitride etching method for self-aligned multiple patterning | |
US20240087910A1 (en) | Methods of highly selective silicon oxide removal | |
JP3038984B2 (ja) | ドライエッチング方法 | |
JPH1131683A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
TWI857541B (zh) | 改良的鍺蝕刻系統及方法 | |
JP4990551B2 (ja) | ドライエッチング方法 | |
JP3060677B2 (ja) | 反応性ドライエッチング法 | |
WO2020100339A1 (ja) | プラズマ処理方法 | |
JP3409357B2 (ja) | エッチング方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010306 |